「これから始まる作戦は、クリムゾンウェスト連合軍における最大規模の作戦になるわ～」
　ハンターズ・ソサエティ本部に集められたハンター達に、ベアトリクス・アルキミアは説明する。
「今回の戦場は、星の裏側。古代文明が邪神と戦い、そして滅亡したエリアねぇ」
　血盟作戦で観測された情報によると、古代クリムゾンウェストには現代よりも高度な魔法文明が存在していた。
　彼らは精霊と非常に近しい関係性にあり、異世界から邪神が侵攻した際には、大精霊と協力し迎撃に当たったという。
　だが、結局彼らは邪神に敗北。
　邪神は星の半面を食い尽くし、破壊したという。
「この辺りは既に歪虚の世界……邪神のものになってしまっているの。だから、現在この辺りがどうなっているのかは誰にもわからないの。その調査もあなた達の仕事になるわ」
　邪神による破壊の爆心地――グラウンド・ゼロ周辺は、不安定な空間となっている事が予想される。
　既に存在しない、消滅したはずの土地でありながら、それを大精霊クリムゾンウェストが保持しようとしているためだ。
　“既に存在しないはずなのに、形だけは存在する”という状態なのだから、それこそ直接確認しなければ何もわからない。
「調査対象となるエリアはかなりの広さになるから、拠点から大きく離れすぎないように気を付けながら活動する事。……あ、そうそう。これまでの戦場とは全然違う環境になるから、歪虚の外見や能力も独特だと思うから気を付けてね～」
　結局のところ、要するに何もわかっていないのだ。
　事前情報のほとんどない、完全に未知の世界。
　ハンター達はこの未確認領域で、調査を行わなければならなかった。

　最果ての大地は、いつも暗澹とした雲に覆われていた。
　太陽の光は不自然なほど赤く色づき、強力な負の汚染が蔓延している。
　見渡す限りの荒野には植物も、動物の姿も見受けられない。砂と、岩、変質し硝子のように光沢を持った地面を歩き続ける。
　ハンターの前に現れたのは、空間にぽっかりと浮かんだ黒い穴。
　まるで景色を塗りつぶしたかのように歪み、じわじわと周囲の景色を飲み込まんとしている。
　出現する謎の歪虚“シェオル種”も脅威ではあったが、ハンターズ・ソサエティが調査に力を入れるのは、この謎の空間であった。
　報告によると、内部には“クリムゾンウェストではない空間”が広がっているのだという。
　この謎の空間の調査が進めば、グラウンド・ゼロについても何かがわかるかもしれない……。
　歪みの内部に突入できるのは、精霊の力に守られた覚醒者だけ。
　ハンター達は調査のため、“虚無”と呼ばれる歪みへと飛び込んで行った。

※当シナリオはハントシステムとなります。ＧＭによるリプレイの執筆は行われません。
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