ゲスト
(ka0000)
或る少女と自動人形と街道の歪虚
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/04/26 22:00
- 完成日
- 2018/05/10 00:58
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
メグこと、マーガレット・ミケーリはオフィスに掲示された依頼を眺めている。
この所通い詰めていた依頼に、少しの暇が出来たから。
白磁の人形を直す依頼だったが、歪虚の妨害による思わぬ損傷を得てしまい今は欠いた部分を石膏で補っているという。ハンターの手伝いが再び必要になるまで、あと数日かかるらしい。
レベルが低くとも問題の無い依頼、或いは日々の細々としたお手伝い。
少し消極的な気分で依頼を探す。
頭の上で精霊が跳ねる。
何だろうと向けた目が、掲示板の前で飛び跳ねる砲と受付嬢を見て丸くなった。
砲、もとい、身長の倍近くあるガトリング銃を背負った少女が長い銀の髪を踊らせている。
「……ギア、ちゃん……?」
去年の秋に出会った迷子。再開した時はハンターになっていて驚いたけれど。
見覚えの有る容姿に思わず彼女の愛称を呟いた。あの時包帯を巻いていた腕に、コードや歯車の跡は覗えない。
足を止めたメグに気付いたギア、こと、アクレイギアも両手を振っている。
その白い指はひらひらとしなやかに。
「久しぶり、ギアちゃん、腕治ったんだね。よかった」
「はい! ギアは銃で敵を撃つことが出来るようになりました。夢が叶いました! ギアはこれがとても嬉しい気持ちだと教わりました」
腰の左右のホルスターから小型と大型の拳銃を取り出して構えて見せる。
素早い抜き撃ちの構え、二丁拳銃と、少女の身体で背負うには重すぎるガトリング銃。
かつて、砲身を腕にしていた少女は新たに手を得て、その手で引き金を引くことを至福としていた。
受付嬢の話では、歪虚や雑魔を相手にする依頼にも臆さずに参戦し、戦果を残しているという。
今日は、彼女が、まだハンターになったばかりの頃に関わった依頼の続報が入ったために来ていたらしい。
「そういえば、その依頼マーガレットさんも参加されてましたよね?」
●
ジェオルジの山中で歪虚が発生していたらしい。そのため山が負のマテリアルの影響を受け、流れる川の河口に近い浜から海を臨む村で雑魔が目撃された。メグが対峙したのは歪な亀のような形をした物だったけれど、発生源を同じくする、更に強力な雑魔が街道にも広がっていたらしい。
馬の形をした雑魔。数匹の集団が散発的に発生し、ジェオルジとヴァリオスとの街道の通行を時折妨げていた。
馬形の雑魔を発生させたマテリアル汚染の原因となった歪虚が大分前に目撃され、それ以降話を聞かなくなっていた。
その最後の依頼で、メグはギアと再会していた。懐かしいなと思い出し、彼女の成長と弱いままの自分に溜息が零れる。
受付嬢の言葉は続く。今回、ヴァリオス側から目撃情報を得たという。
「歪虚をこのままヴァリオスまで進ませるわけにはいきません」
受付嬢は書き込みだらけの広域の地図を広げた。
街道の周辺には戦闘の記録が目立つが、ヴァリオスやその周辺に点在する不確定で危険な情報に下線が引かれ、精霊の動きが色の違うインクで書き添えられている。
「ヴァリオスでの戦闘は避けたいのです」
最終の目撃地点とそこからの動きを指し示し、受付嬢は地図を畳んだ。
●
ミズキというハンターが協力しているという。
馬形の雑魔と最初に戦った時は経験も浅く、斥候に出たものの怪我を負った。
回復を待って復帰し、今回再び斥候を買って出た。
メグとギアも相談し、メグはミズキからの情報の中継に入り、ギアは他のハンター達と行動を共にするという。
支度を終えて集合するヴァリオスの街道口、ギアのトランシーバーにメグからの声が届いた。
「ギアちゃん、聞こえますか? ミズキさんからです……現在雑魔を発見、追跡中です。街道右手、東方向に群3つ正確な数の目視は不可能、左手、西方向は現在不明……歪虚の姿は見えません。以上です」
「――東方向群3、いずれも3頭を以上を確認です。西方向1つ以上の群、最低2頭です」
「――西方向の群2つ、いずれも4頭を確認です」
「――どうしよう、歪虚……かも知れない……黒い影が……、……、……、……」
最後の通信に紛れてがさがさと擦れる音を聞いた。
メグのまつ中継点へ急ぐと、その音は更に明瞭になる。葉と枝の擦れて折れる音だ。
丈夫そうな木の影に身を潜めたメグは、音量を絞ったトランシーバーを耳に押し付けて、合流するハンター達に黒い影の方向を指す。
その指を辿るまでも無くハンター達は巨大な黒い蛞蝓を見る。
「ミズキさん? ミズキさん! 見付かっ、嘘、っ、――――救援を!」
瞬間、メグが悲鳴のような声を上げた。
メグこと、マーガレット・ミケーリはオフィスに掲示された依頼を眺めている。
この所通い詰めていた依頼に、少しの暇が出来たから。
白磁の人形を直す依頼だったが、歪虚の妨害による思わぬ損傷を得てしまい今は欠いた部分を石膏で補っているという。ハンターの手伝いが再び必要になるまで、あと数日かかるらしい。
レベルが低くとも問題の無い依頼、或いは日々の細々としたお手伝い。
少し消極的な気分で依頼を探す。
頭の上で精霊が跳ねる。
何だろうと向けた目が、掲示板の前で飛び跳ねる砲と受付嬢を見て丸くなった。
砲、もとい、身長の倍近くあるガトリング銃を背負った少女が長い銀の髪を踊らせている。
「……ギア、ちゃん……?」
去年の秋に出会った迷子。再開した時はハンターになっていて驚いたけれど。
見覚えの有る容姿に思わず彼女の愛称を呟いた。あの時包帯を巻いていた腕に、コードや歯車の跡は覗えない。
足を止めたメグに気付いたギア、こと、アクレイギアも両手を振っている。
その白い指はひらひらとしなやかに。
「久しぶり、ギアちゃん、腕治ったんだね。よかった」
「はい! ギアは銃で敵を撃つことが出来るようになりました。夢が叶いました! ギアはこれがとても嬉しい気持ちだと教わりました」
腰の左右のホルスターから小型と大型の拳銃を取り出して構えて見せる。
素早い抜き撃ちの構え、二丁拳銃と、少女の身体で背負うには重すぎるガトリング銃。
かつて、砲身を腕にしていた少女は新たに手を得て、その手で引き金を引くことを至福としていた。
受付嬢の話では、歪虚や雑魔を相手にする依頼にも臆さずに参戦し、戦果を残しているという。
今日は、彼女が、まだハンターになったばかりの頃に関わった依頼の続報が入ったために来ていたらしい。
「そういえば、その依頼マーガレットさんも参加されてましたよね?」
●
ジェオルジの山中で歪虚が発生していたらしい。そのため山が負のマテリアルの影響を受け、流れる川の河口に近い浜から海を臨む村で雑魔が目撃された。メグが対峙したのは歪な亀のような形をした物だったけれど、発生源を同じくする、更に強力な雑魔が街道にも広がっていたらしい。
馬の形をした雑魔。数匹の集団が散発的に発生し、ジェオルジとヴァリオスとの街道の通行を時折妨げていた。
馬形の雑魔を発生させたマテリアル汚染の原因となった歪虚が大分前に目撃され、それ以降話を聞かなくなっていた。
その最後の依頼で、メグはギアと再会していた。懐かしいなと思い出し、彼女の成長と弱いままの自分に溜息が零れる。
受付嬢の言葉は続く。今回、ヴァリオス側から目撃情報を得たという。
「歪虚をこのままヴァリオスまで進ませるわけにはいきません」
受付嬢は書き込みだらけの広域の地図を広げた。
街道の周辺には戦闘の記録が目立つが、ヴァリオスやその周辺に点在する不確定で危険な情報に下線が引かれ、精霊の動きが色の違うインクで書き添えられている。
「ヴァリオスでの戦闘は避けたいのです」
最終の目撃地点とそこからの動きを指し示し、受付嬢は地図を畳んだ。
●
ミズキというハンターが協力しているという。
馬形の雑魔と最初に戦った時は経験も浅く、斥候に出たものの怪我を負った。
回復を待って復帰し、今回再び斥候を買って出た。
メグとギアも相談し、メグはミズキからの情報の中継に入り、ギアは他のハンター達と行動を共にするという。
支度を終えて集合するヴァリオスの街道口、ギアのトランシーバーにメグからの声が届いた。
「ギアちゃん、聞こえますか? ミズキさんからです……現在雑魔を発見、追跡中です。街道右手、東方向に群3つ正確な数の目視は不可能、左手、西方向は現在不明……歪虚の姿は見えません。以上です」
「――東方向群3、いずれも3頭を以上を確認です。西方向1つ以上の群、最低2頭です」
「――西方向の群2つ、いずれも4頭を確認です」
「――どうしよう、歪虚……かも知れない……黒い影が……、……、……、……」
最後の通信に紛れてがさがさと擦れる音を聞いた。
メグのまつ中継点へ急ぐと、その音は更に明瞭になる。葉と枝の擦れて折れる音だ。
丈夫そうな木の影に身を潜めたメグは、音量を絞ったトランシーバーを耳に押し付けて、合流するハンター達に黒い影の方向を指す。
その指を辿るまでも無くハンター達は巨大な黒い蛞蝓を見る。
「ミズキさん? ミズキさん! 見付かっ、嘘、っ、――――救援を!」
瞬間、メグが悲鳴のような声を上げた。
リプレイ本文
●
救援を求める通信、中継地点だったメグに追い付いたハンター達のトランシーバーも、ミズキの声を拾い始める。
葉が擦れて枝の折れる音、雑魔の嘶く音、蹄の音。通信可能な限界の距離で混ざる雑音に消されそうになる声拾い上げる度メグの声が震えた。
「ミズキちゃんの所は私が行くの! ナメクジは任せたの」
歩みを緩めた馬をすぐに走らせ、ディーナ・フェルミ(ka5843)は街道を真っ直ぐに駆る。
ミズキは道の東側。ロニ・カルディス(ka0551)とクオン・サガラ(ka0018)は西側へ向かった。カリアナ・ノート(ka3733)も彼等の援護にと馬を急かす。
「あの歪虚は何としても俺が喰い止める……救援の方は任せたぞ」
ヴァイス(ka0364)は木々の合間からその姿を覗かせる、黒い歪虚を睨み仲間の背に声を掛ける。
ハンドルを握り直して足元を見ると、石や枯れ枝の散らかる茂みはバイクでも暫くは進めそうだ。
ヴァイスが歪虚へ向かうと、ギアが銃を握って続き、マリィア・バルデス(ka5848)も弾丸を装填し直しながら続いた。
「怪我の分は弾で補うわ」
大型の魔導銃はとても扱えない、射程に不安はあるが、掌に収まるような拳銃でなら戦える。
アリア・セリウス(ka6424)は犬を傍らに、双眼鏡と拡声器を構え、レイア・アローネ(ka4082)はメグの傍に待機する。
マリィアとギアにマテリアルの鎧を纏わせ、メグはトランシーバーを耳に押し付けた。
前に出るのは不得手だと、剣と盾を構えてクオンが呟く。
小石を跳ね出せながらバイクを進め、数十メートル先に数匹の集まりを捉えた。報告を受けていた通り、馬の雑魔が4頭。草を踏み付けて、蹄の跡を残しながらこちらへ、クオン達ハンターの背後のヴァリオスへ向かって前進し続けている。
その先にも同じくらいの数の雑魔が見えた。
それらの雑魔がミズキを襲った雑魔に加わる前に。
抜いた剣にマテリアルを込める。
投じれば草を刈り飛ばして飛ぶそれは、過たずに、巨躯の首を裂いた。旋回して手許に還る柄を握り、凪の黒い双眸が敵を見据える。
鬣が散り、傷口からはだくだくと黒い液体が血のように滴り、毛足を濡らしながら霧のように風に溶ける。
傷を負ったものの濁った嘶きに周りの雑魔達が土埃を上げて向かってくる。
距離のある間に再度投じた剣は、刀身の青白い流線を艶やかに描いて、更に深い傷を付ける。倒れながらも脚は駆る動きで揺れて、絡んでぶつかり合う蹄が鈍い金属音を響かせた。吠えるように嘶く口からどろりと、粘度の高い黒い液体が溢れ、地面に触れる傍から霧散していく。
虚ろな目がクオンを見上げる中、雑魔達は集まってくる。
蹄を一つ盾に受け、その衝撃をいなすように屈む。そこに突進してきた一頭は僅かに逸れ、激しく首を振るってクオンを睨んだ。もう一頭の振りかぶった蹄を弾いた時、やや後方からロニが杖を差し向けた。辺りの敵を取り囲んで降り注いだ無数の刃。
闇色のそれに貫かれた巨躯の馬は、刃の幻影が消えて尚その場を動けずに、新たな敵と見たロニへ首を向ける。
しかし、数秒と経たず、削がれた傷から崩れる様に土塊に、それはやがて灰のように舞い上がり風に流されて消えた。
「なるべくこの場で仕留めて、後顧の憂いを断ちたいな」
「……何とかしたいですね」
振り返らずに覗うのは任せてきた歪虚、そこまでは手が回らないが、この雑魔の群が再び街道を騒がせることは避けたい。
ロニは迫ってくる群に向かい杖を構え、次の敵の群を睨む。
「ミズキちゃん私を遮蔽にするの!」
ディーナが見付けたミズキは頬と腕から血を流しながら折れた矢を番え、向かってくる雑魔に応戦しているところだった。
ディーナの声に気が付いて、その矢を撃ち尽くすと敵から目を逸らさずに後退する。
撃ちながら、私の後ろまで下がって。もう少しで手が届くから。
癒やしの祈りを込めて柄の長い鎚を掲げる。ミズキの傷にマテリアルの力を込めて塞ぐと、翻す鎚は今まで彼女が対峙していた敵を殴る。
魔力を纏わせた鎚は頂く聖印を輝かせ、前肢を崩し腹へ叩き込む一撃で敵を横たえる。
動かなくなった雑魔は端から土塊のように崩れて消える。
残りの2匹へ鎚頭を振り向け、迫る蹄をグローブに受け留める。マテリアルの障壁を形成し、浮かび上がる幾何学模様を淡く明滅させて蹄が地面に下りると、ディーナの周囲に光りが溢れた。
光りの中で振り返ったミズキは、眩しげに手を翳しているが、番え直した矢は先の敵を狙っている。
迫っていた雑魔が倒れ視界がやや開けると、こちら側の敵の様子が明らかになる。
残す小さな群は2つ。纏めて相手取るには距離がある。
両方をこちらに引き付けなくては。
ここを越えられると、手負いの仲間がいる。
挨拶はちゃんと出来たかしら。そう思い返す余裕も無く、カリアナは馬を急がせた。
周囲の音に耳を澄ませるが、雑魔の濁った嘶きのためか、他の気配を探るのが難しい。
急襲、奇襲には十分な警戒を。草や木に遮られる視界は悪いから、細かな音も逃さないように。
青銀の穂先が煌めく槍を馬上で翻すと、金をあしらうしなやかな柄を握り締める。足で馬をいなして、重厚な表紙を開いて風に晒した頁に指を挟む。
「片足だけでも魔術を撃ち込んでみせるわ」
ディーナとミズキの後方から、二人に向かう雑魔へ魔法の矢を落とす。
雑魔が藻掻く。次を狙って槍を振り翳す。腹を射抜かれたもの、脚を削がれたものがともにこちらに気付いて頭を揺すり鬣を振るわせる。
後退したミズキが、彼女の得物の先端をその雑魔に据えている。
放たれる、その次の瞬間に再び光りが雑魔を包んだ。
●
「やはりデカいな……」
動きが遅いらしいことは救いかと、ヴァイスは魔導バイクを走らせながら、その姿を横目に見る。
足元が険しく、大きな石や踏み越えられない枝が増えてきたところでバイクを降り、木の幹に身を潜めながら更に近付く。
様子を覗えばその不定型で巨大な身体を悍ましく震わせて、華やかな極彩色の街を一途に目指しているばかりに見える。
同行したマリィアとギアを呼び、2人の射程を見てその場に留まらせ、次の動きを伝える。
ギアからメグへ連絡が入る。
通信中、メグの傍ではアリアと彼女の連れた犬が警戒を続け、同時にレイアはミズキの救援に向かった仲間の様子に目を凝らす。
苦戦している様子は無い。
レイアの言葉にアリア自身も確認を取ってから拡声器を構えた。
「――こちらは配置に就きました。大型の歪虚をヴァリオス、及び街道から遠ざける形で誘導します」
応答の余裕が有ったのだろう、幾つかの声をトランシーバーに受け取る。
安堵して拡声器を卸すと、3人は雑魔の突破に備えて警戒に戻る。
アリアの声は歪虚に対峙する3人にも届いた。
歪虚の重さで倒れているらしい木の軋む音が耳に付く。
ヴァイスの纏う炎にも似た紅蓮に揺らめく幻影が燃え上がる様に猛り、周囲を赤々と照らしながら空へと伸びる。
身を潜めた影から、歪虚の傍を横切って生い茂る森の奥へと駆ける。その光に前進を続けていた歪虚は、不定形の頭部を捻り巨躯を這わせて、伸びやかな触覚の向きを変えた。
誘う炎の幻影を維持して、歪虚の速度を保って後退、森の奥、恐らくこの歪虚が来たであろう道へ引き戻すように歩く。
炎に引き寄せられてはいるが、こちらを覗っているのだろうか、それとも抵抗を試みているのだろうか。歪虚の動きはひどく静かだ。このまま後退を続けるか、或いは。
来いと睨む鋭い金の瞳を嗤ったように触覚が揺れた。
震えた頭部を捩って、薄い縁を波打たせて、その黒い軟体は傍らの木を凪いで身体の向きを戻そうとする。
こっちだとマリィアの拳銃が鉛玉を叩き込み、ギアも同じ場所を狙って銃口から光りを放った。
黒く滑らかな表面は、負った傷を飲み込む様に蠢いて、数秒の後には何事も無かったように後も残さずに塞がっている。
血の色の刃に炎の輝きを纏わせて振り翳し、ヴァイスが放った雷が空間を真っ直ぐに走っていく。
風を裂く音が辺りに響き、赤い残像を揺らめかせて、打たれた歪虚は頭を垂れたように暫時、動きを止めた。
振り払うように藻掻く蠢きで撓った触覚が木の葉や枝を払い森を騒がせ、弾かれた葉がマリィアやギアの方まで降り注いだ。
ギアが再び光を放ち、マリィアは装填し直した銃を構える。
弾丸自体の力ならば、自身の傷を厭わない。照準器すら霞む視界だが、幸いにして的は大きい。
アリアの声が響く。
カリアナとミズキが雑魔との戦線を脱し、歪虚の応援に加わる。
雑魔の残りはディーナが追い詰め、クオンとロニが合流した。
近付くのは危険。
どんな能力を持っているか分からないから。
そう、例えば、酸や毒。離れていても少し触れるだけでも危険な物。だから可能な限り距離を取って。
木が邪魔をして見えない部分があるけれど、直接叩くよりも何等かの魔術、或いは精霊の加護や特殊な力を持たせた物の方が効果的らしい。
カリアナは長柄を握り締めて静かに息を吐く。使い込んだ魔導書に手繰る頁を、翻す穂先の旋風にはためかせ、歪虚に向かって氷の矢を叩き込む。
矢は一瞬、歪虚の動きを止めたかに見えたが、すぐに小刻みな身震いで振り払われ、巨躯は潰れた茂みを更に踏み潰しながらヴァイスへと向かっていく。
●
傷を負った者がいないのならと、レイアは安堵し、メグも合流した時の青ざめた顔を落ち着かせている。
アリアも拡声器を下ろして、警戒を怠らずに傍らに控える犬を褒めた。
「向こうも問題はなさそうだな」
残した傷が痛んだのか、やや覇気を欠いた声でレイアが街道の先を眺めて言った。
隣で背伸びをしながら目を凝らし、メグも頷く。
幾何学模様を浮き上がらせるマテリアルの障壁を構築し続けるのグローブを構え、敵の中へ真っ直ぐに駆る。
無事にミズキの救出と治癒を終えたディーナは、敵を引き付けるように光りの衝撃を放つ。
「1匹だって通す訳にはいかないの」
先には歪虚と、負傷した仲間がいる。ここで全てを滅ぼして仕舞わなければ。
その光は、今し方ミズキの無事を伝えた彼女達にも届いただろう。
光りからあぶれた雑魔を青白い剣が薙ぐ。
マテリアルに作られた障壁を纏って、クオンが前へ進む。
「正面から当たるのは避けたいですね……」
雑魔の動きを推し測り、可能な限り外側から攻撃し、最前に出たところで機器を取り付けた大型の盾に獲物を切り替える。盾の衝撃分散の為の機構を媒介に放つ氷の柱が、雑魔の腹を貫き脚を裂いた。
既に傷を負っていた雑魔は地面から生えた氷を抗いようも無く黒く染め、温もりを持たぬ腑を土塊に還して霧のように消えた
もう一頭は傷も浅く、裂けた脚の蹄でさえ地面を叩き反撃の気を覗う様に、虚ろな目でクオンを睨んでいる。
雑魔が行動に出る前に、降り注いだ闇色の刃。
射止められて動きを止めた瞬間に消えるその刃の幻影と共に、雑魔は横倒しになってその形を崩して消える。
残す群はあと1つ。
取り零すことの無いように。
ハンター達がそれぞれの得物を構えて前進する。
拡声器を介したアリアの声、雑魔の掃討が完了したことを歪虚の誘導に当たったハンター達に伝えた。
歪虚が進んできた道を引き返させるように街道から、ヴァリオスからも離したが、それを倒すには到っていない。
「凍結効果のある魔術の方が色々と安全な気がしたんだけど……」
少し考え込むようにカリアナは槍と魔導書を構え直して敵を見詰める。
仲間の使った魔術や、弾丸の質、考えることは少なく無さそうだ。
確かに雷は効いたように見えた、或いは単純な力か、誘導か。ヴァイスもカリアナを振り返って歪虚に目を戻すと、その様子を探る。
攻撃に積極的な様子は見えないが、その力自体は強い。こちらへ注意を向けさせ攻撃しても抗ってヴァリオスを目指そうとする。
マリィアとギアも一旦獲物を下ろして様子を探る。
互いに鉛玉で与えた傷の乏しさを感じ、加護を受けた弾丸の、銃を介した機動術での攻撃を続けていた。
しかし、このまま攻撃を続けるには消耗が激しく、ギアは息が上がり始めている。
ヴァイス1人での攻撃にも限界が見え、歪虚を可能な限り森の奥まで引き付けてから、その場を退却することとなった。
合流したハンター達に礼を告げ、久方振りに見る既知の姿にミズキは久しぶりですと笑む。
また失敗してしまったと言いながらも、その表情は穏やかだ。
報告を終えたオフィスにて、歪虚に関して、情報の精査を待つことになるが、地図の上に印された最終の位置は、速度が変わらなければヴァリオスまで数日は要する距離にあった。
殲滅の期待が無かったとは言いませんが、と正直に告げた受付嬢は微笑む。
「ですが、十分以上の情報を得て頂けました。次は確実に倒しましょう。お疲れさま、ありがとうございました!」
救援を求める通信、中継地点だったメグに追い付いたハンター達のトランシーバーも、ミズキの声を拾い始める。
葉が擦れて枝の折れる音、雑魔の嘶く音、蹄の音。通信可能な限界の距離で混ざる雑音に消されそうになる声拾い上げる度メグの声が震えた。
「ミズキちゃんの所は私が行くの! ナメクジは任せたの」
歩みを緩めた馬をすぐに走らせ、ディーナ・フェルミ(ka5843)は街道を真っ直ぐに駆る。
ミズキは道の東側。ロニ・カルディス(ka0551)とクオン・サガラ(ka0018)は西側へ向かった。カリアナ・ノート(ka3733)も彼等の援護にと馬を急かす。
「あの歪虚は何としても俺が喰い止める……救援の方は任せたぞ」
ヴァイス(ka0364)は木々の合間からその姿を覗かせる、黒い歪虚を睨み仲間の背に声を掛ける。
ハンドルを握り直して足元を見ると、石や枯れ枝の散らかる茂みはバイクでも暫くは進めそうだ。
ヴァイスが歪虚へ向かうと、ギアが銃を握って続き、マリィア・バルデス(ka5848)も弾丸を装填し直しながら続いた。
「怪我の分は弾で補うわ」
大型の魔導銃はとても扱えない、射程に不安はあるが、掌に収まるような拳銃でなら戦える。
アリア・セリウス(ka6424)は犬を傍らに、双眼鏡と拡声器を構え、レイア・アローネ(ka4082)はメグの傍に待機する。
マリィアとギアにマテリアルの鎧を纏わせ、メグはトランシーバーを耳に押し付けた。
前に出るのは不得手だと、剣と盾を構えてクオンが呟く。
小石を跳ね出せながらバイクを進め、数十メートル先に数匹の集まりを捉えた。報告を受けていた通り、馬の雑魔が4頭。草を踏み付けて、蹄の跡を残しながらこちらへ、クオン達ハンターの背後のヴァリオスへ向かって前進し続けている。
その先にも同じくらいの数の雑魔が見えた。
それらの雑魔がミズキを襲った雑魔に加わる前に。
抜いた剣にマテリアルを込める。
投じれば草を刈り飛ばして飛ぶそれは、過たずに、巨躯の首を裂いた。旋回して手許に還る柄を握り、凪の黒い双眸が敵を見据える。
鬣が散り、傷口からはだくだくと黒い液体が血のように滴り、毛足を濡らしながら霧のように風に溶ける。
傷を負ったものの濁った嘶きに周りの雑魔達が土埃を上げて向かってくる。
距離のある間に再度投じた剣は、刀身の青白い流線を艶やかに描いて、更に深い傷を付ける。倒れながらも脚は駆る動きで揺れて、絡んでぶつかり合う蹄が鈍い金属音を響かせた。吠えるように嘶く口からどろりと、粘度の高い黒い液体が溢れ、地面に触れる傍から霧散していく。
虚ろな目がクオンを見上げる中、雑魔達は集まってくる。
蹄を一つ盾に受け、その衝撃をいなすように屈む。そこに突進してきた一頭は僅かに逸れ、激しく首を振るってクオンを睨んだ。もう一頭の振りかぶった蹄を弾いた時、やや後方からロニが杖を差し向けた。辺りの敵を取り囲んで降り注いだ無数の刃。
闇色のそれに貫かれた巨躯の馬は、刃の幻影が消えて尚その場を動けずに、新たな敵と見たロニへ首を向ける。
しかし、数秒と経たず、削がれた傷から崩れる様に土塊に、それはやがて灰のように舞い上がり風に流されて消えた。
「なるべくこの場で仕留めて、後顧の憂いを断ちたいな」
「……何とかしたいですね」
振り返らずに覗うのは任せてきた歪虚、そこまでは手が回らないが、この雑魔の群が再び街道を騒がせることは避けたい。
ロニは迫ってくる群に向かい杖を構え、次の敵の群を睨む。
「ミズキちゃん私を遮蔽にするの!」
ディーナが見付けたミズキは頬と腕から血を流しながら折れた矢を番え、向かってくる雑魔に応戦しているところだった。
ディーナの声に気が付いて、その矢を撃ち尽くすと敵から目を逸らさずに後退する。
撃ちながら、私の後ろまで下がって。もう少しで手が届くから。
癒やしの祈りを込めて柄の長い鎚を掲げる。ミズキの傷にマテリアルの力を込めて塞ぐと、翻す鎚は今まで彼女が対峙していた敵を殴る。
魔力を纏わせた鎚は頂く聖印を輝かせ、前肢を崩し腹へ叩き込む一撃で敵を横たえる。
動かなくなった雑魔は端から土塊のように崩れて消える。
残りの2匹へ鎚頭を振り向け、迫る蹄をグローブに受け留める。マテリアルの障壁を形成し、浮かび上がる幾何学模様を淡く明滅させて蹄が地面に下りると、ディーナの周囲に光りが溢れた。
光りの中で振り返ったミズキは、眩しげに手を翳しているが、番え直した矢は先の敵を狙っている。
迫っていた雑魔が倒れ視界がやや開けると、こちら側の敵の様子が明らかになる。
残す小さな群は2つ。纏めて相手取るには距離がある。
両方をこちらに引き付けなくては。
ここを越えられると、手負いの仲間がいる。
挨拶はちゃんと出来たかしら。そう思い返す余裕も無く、カリアナは馬を急がせた。
周囲の音に耳を澄ませるが、雑魔の濁った嘶きのためか、他の気配を探るのが難しい。
急襲、奇襲には十分な警戒を。草や木に遮られる視界は悪いから、細かな音も逃さないように。
青銀の穂先が煌めく槍を馬上で翻すと、金をあしらうしなやかな柄を握り締める。足で馬をいなして、重厚な表紙を開いて風に晒した頁に指を挟む。
「片足だけでも魔術を撃ち込んでみせるわ」
ディーナとミズキの後方から、二人に向かう雑魔へ魔法の矢を落とす。
雑魔が藻掻く。次を狙って槍を振り翳す。腹を射抜かれたもの、脚を削がれたものがともにこちらに気付いて頭を揺すり鬣を振るわせる。
後退したミズキが、彼女の得物の先端をその雑魔に据えている。
放たれる、その次の瞬間に再び光りが雑魔を包んだ。
●
「やはりデカいな……」
動きが遅いらしいことは救いかと、ヴァイスは魔導バイクを走らせながら、その姿を横目に見る。
足元が険しく、大きな石や踏み越えられない枝が増えてきたところでバイクを降り、木の幹に身を潜めながら更に近付く。
様子を覗えばその不定型で巨大な身体を悍ましく震わせて、華やかな極彩色の街を一途に目指しているばかりに見える。
同行したマリィアとギアを呼び、2人の射程を見てその場に留まらせ、次の動きを伝える。
ギアからメグへ連絡が入る。
通信中、メグの傍ではアリアと彼女の連れた犬が警戒を続け、同時にレイアはミズキの救援に向かった仲間の様子に目を凝らす。
苦戦している様子は無い。
レイアの言葉にアリア自身も確認を取ってから拡声器を構えた。
「――こちらは配置に就きました。大型の歪虚をヴァリオス、及び街道から遠ざける形で誘導します」
応答の余裕が有ったのだろう、幾つかの声をトランシーバーに受け取る。
安堵して拡声器を卸すと、3人は雑魔の突破に備えて警戒に戻る。
アリアの声は歪虚に対峙する3人にも届いた。
歪虚の重さで倒れているらしい木の軋む音が耳に付く。
ヴァイスの纏う炎にも似た紅蓮に揺らめく幻影が燃え上がる様に猛り、周囲を赤々と照らしながら空へと伸びる。
身を潜めた影から、歪虚の傍を横切って生い茂る森の奥へと駆ける。その光に前進を続けていた歪虚は、不定形の頭部を捻り巨躯を這わせて、伸びやかな触覚の向きを変えた。
誘う炎の幻影を維持して、歪虚の速度を保って後退、森の奥、恐らくこの歪虚が来たであろう道へ引き戻すように歩く。
炎に引き寄せられてはいるが、こちらを覗っているのだろうか、それとも抵抗を試みているのだろうか。歪虚の動きはひどく静かだ。このまま後退を続けるか、或いは。
来いと睨む鋭い金の瞳を嗤ったように触覚が揺れた。
震えた頭部を捩って、薄い縁を波打たせて、その黒い軟体は傍らの木を凪いで身体の向きを戻そうとする。
こっちだとマリィアの拳銃が鉛玉を叩き込み、ギアも同じ場所を狙って銃口から光りを放った。
黒く滑らかな表面は、負った傷を飲み込む様に蠢いて、数秒の後には何事も無かったように後も残さずに塞がっている。
血の色の刃に炎の輝きを纏わせて振り翳し、ヴァイスが放った雷が空間を真っ直ぐに走っていく。
風を裂く音が辺りに響き、赤い残像を揺らめかせて、打たれた歪虚は頭を垂れたように暫時、動きを止めた。
振り払うように藻掻く蠢きで撓った触覚が木の葉や枝を払い森を騒がせ、弾かれた葉がマリィアやギアの方まで降り注いだ。
ギアが再び光を放ち、マリィアは装填し直した銃を構える。
弾丸自体の力ならば、自身の傷を厭わない。照準器すら霞む視界だが、幸いにして的は大きい。
アリアの声が響く。
カリアナとミズキが雑魔との戦線を脱し、歪虚の応援に加わる。
雑魔の残りはディーナが追い詰め、クオンとロニが合流した。
近付くのは危険。
どんな能力を持っているか分からないから。
そう、例えば、酸や毒。離れていても少し触れるだけでも危険な物。だから可能な限り距離を取って。
木が邪魔をして見えない部分があるけれど、直接叩くよりも何等かの魔術、或いは精霊の加護や特殊な力を持たせた物の方が効果的らしい。
カリアナは長柄を握り締めて静かに息を吐く。使い込んだ魔導書に手繰る頁を、翻す穂先の旋風にはためかせ、歪虚に向かって氷の矢を叩き込む。
矢は一瞬、歪虚の動きを止めたかに見えたが、すぐに小刻みな身震いで振り払われ、巨躯は潰れた茂みを更に踏み潰しながらヴァイスへと向かっていく。
●
傷を負った者がいないのならと、レイアは安堵し、メグも合流した時の青ざめた顔を落ち着かせている。
アリアも拡声器を下ろして、警戒を怠らずに傍らに控える犬を褒めた。
「向こうも問題はなさそうだな」
残した傷が痛んだのか、やや覇気を欠いた声でレイアが街道の先を眺めて言った。
隣で背伸びをしながら目を凝らし、メグも頷く。
幾何学模様を浮き上がらせるマテリアルの障壁を構築し続けるのグローブを構え、敵の中へ真っ直ぐに駆る。
無事にミズキの救出と治癒を終えたディーナは、敵を引き付けるように光りの衝撃を放つ。
「1匹だって通す訳にはいかないの」
先には歪虚と、負傷した仲間がいる。ここで全てを滅ぼして仕舞わなければ。
その光は、今し方ミズキの無事を伝えた彼女達にも届いただろう。
光りからあぶれた雑魔を青白い剣が薙ぐ。
マテリアルに作られた障壁を纏って、クオンが前へ進む。
「正面から当たるのは避けたいですね……」
雑魔の動きを推し測り、可能な限り外側から攻撃し、最前に出たところで機器を取り付けた大型の盾に獲物を切り替える。盾の衝撃分散の為の機構を媒介に放つ氷の柱が、雑魔の腹を貫き脚を裂いた。
既に傷を負っていた雑魔は地面から生えた氷を抗いようも無く黒く染め、温もりを持たぬ腑を土塊に還して霧のように消えた
もう一頭は傷も浅く、裂けた脚の蹄でさえ地面を叩き反撃の気を覗う様に、虚ろな目でクオンを睨んでいる。
雑魔が行動に出る前に、降り注いだ闇色の刃。
射止められて動きを止めた瞬間に消えるその刃の幻影と共に、雑魔は横倒しになってその形を崩して消える。
残す群はあと1つ。
取り零すことの無いように。
ハンター達がそれぞれの得物を構えて前進する。
拡声器を介したアリアの声、雑魔の掃討が完了したことを歪虚の誘導に当たったハンター達に伝えた。
歪虚が進んできた道を引き返させるように街道から、ヴァリオスからも離したが、それを倒すには到っていない。
「凍結効果のある魔術の方が色々と安全な気がしたんだけど……」
少し考え込むようにカリアナは槍と魔導書を構え直して敵を見詰める。
仲間の使った魔術や、弾丸の質、考えることは少なく無さそうだ。
確かに雷は効いたように見えた、或いは単純な力か、誘導か。ヴァイスもカリアナを振り返って歪虚に目を戻すと、その様子を探る。
攻撃に積極的な様子は見えないが、その力自体は強い。こちらへ注意を向けさせ攻撃しても抗ってヴァリオスを目指そうとする。
マリィアとギアも一旦獲物を下ろして様子を探る。
互いに鉛玉で与えた傷の乏しさを感じ、加護を受けた弾丸の、銃を介した機動術での攻撃を続けていた。
しかし、このまま攻撃を続けるには消耗が激しく、ギアは息が上がり始めている。
ヴァイス1人での攻撃にも限界が見え、歪虚を可能な限り森の奥まで引き付けてから、その場を退却することとなった。
合流したハンター達に礼を告げ、久方振りに見る既知の姿にミズキは久しぶりですと笑む。
また失敗してしまったと言いながらも、その表情は穏やかだ。
報告を終えたオフィスにて、歪虚に関して、情報の精査を待つことになるが、地図の上に印された最終の位置は、速度が変わらなければヴァリオスまで数日は要する距離にあった。
殲滅の期待が無かったとは言いませんが、と正直に告げた受付嬢は微笑む。
「ですが、十分以上の情報を得て頂けました。次は確実に倒しましょう。お疲れさま、ありがとうございました!」
依頼結果
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相談卓 アリア・セリウス(ka6424) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/04/26 13:48:08 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/04/25 08:10:28 |