• 幻兆

【幻兆】TRESURE TOMORROW

マスター:近藤豊

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
  • relation
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
3~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2018/05/03 19:00
完成日
2018/05/04 22:15

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

「現実は、かくも過酷です。誰もが苦しみに耐えながら、藻掻き続けている」
 ブラッドリー(kz0252)と呼ばれた男は、間違いなく歪虚だ。
 人類を闇へ沈めようとする存在。それは間違いない。
 だが、不遜にもブラッドリーは神父ような姿で人間に近づき、『導こう』としている。
「考えた事はありませんか? 何かを犠牲にしなければ、生きられない罪深い存在だと。
 自分以外の誰かが戦功を上げれば、それを妬み、怒り、憎む。
 そして、何かを欲している自分がいる。

 あなた達人間は、日々食事と称して生き物の命を消費しています。
 私達歪虚と、実は同じ。変わらないのです」
 ブラッドリーは、甘く優しい声でささやく。
 それは相手の警戒心を薄れさせ、心へ忍び込んでくる。
 ブラッドリーが――歪虚だという事を忘れてしまう程に。
「私は、あなたが力を求めるのであれば、それにお答えしましょう。
 そして、皆で家族となって向かうのです。遙かなる楽園……フロンティアへ」
 手を差し伸べるブラッドリー。
 それは、心の弱った者にとっては救世主に見えるのかもしれない。
 そうやって、ブラッドリーはアルフォンソへ近づいたのだろうか。


 リグ・サンガマにある聖地の一つ『龍のへそ』。
 通常よりも高濃度のマテリアルが噴き出すこの場所は、龍園の民にとっても大切な場所である。龍にとっても癒しの場所として知られており、眠り続ける白龍のヘレにとって成長を促す場所として最適である。ここへ辺境の巫女リムネラ(kz0018)がマテリアルを増幅させる祈りを捧げる手筈になっている。少しでも早くヘレに目覚めて欲しい一念なのだろう。
 ――だが。
 それは龍園を追放された龍騎士にとって好機でもあった。
 青龍以外の龍は必要ない。
 頑なまでに強く唱える思想が、アフォンソ達がヘレ討伐へと動き出す。

 ハンター達はヘレが目覚めるまでの間、龍のへそに張り巡らされた結界を維持しなければならなかった。

「おう、お前ぇら! 気合い入れろよ!」
 辺境ドワーフの王ヨアキム(kz0011)は、いつも以上に気合いが入っていた。
 部族会議大首長バタルトゥ・オイマト(kz0023)の要請を受けた補佐役のヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032)。本来であればヴェルナーの龍園へ召喚要請だったのだが、ヴェルナーは生憎チュプ大神殿の発掘作業を取り仕切る傍ら、ノアーラ・クンタウの管理で忙しい。
 そこでヴェルナーはチュプ大神殿正門発見以降、飲んだくれているだけのヨアキムを龍園へ送り込んだのだ。
 増援――という名前の厄介払いだったのかもしれない。
「よく分からねぇが、この石を俺達は守ればいいらしいな」
 辺境ドワーフに伝わるバンカラルックに鉄下駄という違和感全開の姿で、ハンターの周囲を彷徨くヨアキム。
 リムネラは龍のへそを守る結界を展開していた。
 その結界の要となるのが、通称『要石』である。拳大の大きさであるが、この石で結界を形成している。もし、破壊されるような事があれば結界は消え失せ、龍騎士達はヘレを殺そうと殺到するだろう。
 ヨアキムは、その結界でも西の結界守護を任されていた。
「何が起こるか分からねぇ。気を付けろよ」
「はい。この世は、何が起こるか分かりません」
 ヨアキムの言葉に答えた声。
 それはヨアキムが予期しなかった明後日の方向からであった。
 振り返るヨアキム。
 そこには見慣れない神父姿の男と数名の浪人が立っていた。
「誰だ、お前ぇ?」
「私はブラッドリー。神に遣われた者です。私は自分が名乗る前に名前を問われても怒りはしません」
 ヨアキムは、すぐに気付いた。
 目の前の男が歪虚である事を――。
「やっぱり来やがったか」
「私は迷いの中にいる者を救わなければなりません。アルフォンソさんは、ここで思いを遂げるべきです。それが、彼の定め。ならば、私はそれに手を貸そうと思います」
 アルフォンソに手を貸す。
 それは結界を破る事を意味している。
 ヨアキムは拳を握り、身構えた。
「やれるもんならやってみやがれ! ワシの根性、舐めるんじゃねぇぞ!」

リプレイ本文

「既にハンターが現れたと考えれば……アルフォンソさんの方も苦戦は避けられません。これは彼の目標を成し遂げるのは容易ではないでしょう」
 歪虚ブラッドリー(kz0252)は、現状をそう分析していた。
 元龍騎士アルフォンソは『龍のへそ』にてマテリアルを供給されて成長を促されるヘレを狙って動き出していた。
 世界の守護者は青龍だけでいい。
 他の龍は不要。その考えからヘレの襲撃を狙ったのだが、既に結界が張られて龍のへそまで到達できない。さらに結界の要となる四箇所の要石はハンター達が護衛している状況だ。時間を掛ければそれだけヘレを始末する機会も失われていく。
 ブラッドリーは、ヘレを倒すには戦力が足りない。そう考えたようだ。
「ブラッドリーじゃねぇか。こんな所で会うなんてな」
 二本の魔剣「バルムンク」手にアーサー・ホーガン(ka0471)はブラッドリーを見据えた。
 アーサーの脳裏には、先日遭遇したブラッドリーの姿が思い浮かぶ。
 折立岬で詩天を立て直すべく立ち上がった少年に容赦なく電撃を加えて光球へと変えた所業。その目にした光景が、アーサーの心をざわめかせる。
「ああ。新たな寄生先を探して、元龍騎士連中に乗り換えたのか。
 それより、慈恵院明法って名前に聞き覚えはねぇか? 言っている事も、やっている事も、お前みてぇな奴だ」
 アーサーは現在リアルブルーで発生している強化人間失踪事件の主犯について投げかけた。もし、ブラッドリーが知っているのであれば、事件は何らかの繋がりがあるはずだ。
 だが、アーサーの予想は覆される事になる。
「存じ上げません。私のような神に仕える者が他にもいるのですか?」
「そうだ。仲間としての立場を取りながら、自分の都合で食い物にする。相手のためと言いつつ利用し、使い捨てる。自己正当化に余念がないクソな奴が他にもいる」
「…………」
 アーサーの言葉に、ブラッドリーは沈黙で返した。
 図星だから?
 否、言葉を用いず伝えようとしているのかもしれない。
 侮辱されて心に灯る怒りの炎を。
(いかん、いかんぞアレは)
 アーサーとブラッドリーのやり取りを目にしたエアルドフリス(ka1856)は、自らを律しようと努めていた。
 人語を喋るが対話が成立しない相手が苦手なのだ。
 目にしているだけで苛立ってくるのだ。
 エアルドフリスの前にいるブラッドリーは、まさしくそのタイプ。
 自分でも心の中にイライラが募っているのが分かってくる。
 エアルドフリスは、頭を振って自らの思考を冷却する。
「ヨアキム。あんたは予定通り要石を守ってくれ」
「ああ、任せておけ。体を守ってみせるぜ」
 エアルドフリスは後方を振り返り、ヨアキム(kz0011)の所在を確認した。
 今回の依頼で守るべきはヨアキムの背後にある小さな要石。これを破壊されれば結界は薄れ、最終的に結界が消滅する。そうなれば、辺境の巫女リムネラ(kz0018)と白龍ヘレに危険が及ぶのは避けられない。
「俺様も要石を守るぜ。まあ、仮に壊されちまっても、俺様の漆黒金剛魔王陣で結界を張り直す事は可能だ。あんま固くならずに目の前の歪虚を倒す事に専念すりゃあいい」
 デスドクロ・ザ・ブラックホール(ka0013)は、要石の前で両腕を組んで堂々と立っている。
 漆黒金剛魔方陣なる能力が『実際に』あるとするならば、これ程心強いものはない。
 だが、今から結界を張り直す手間を考えるとかなり骨が折れる作業だ。今からデスドクロが各地で飛んで龍のへそを覆うように結界を張らなければならない。
 それ以前に黙って歪虚に既存の結界を破壊させる理由も無い。
 襲ってきた歪虚をはね除けた方が、デスドクロにとっても楽なはずだ。
「そうか。ならば、当面の敵は……あの武士達か」
 エアルドフリスはスタッフ「アライアンス」を構えて前を見据えた。
 そこにはブラッドリーが東方から連れてきたであろう、刀を手にゆっくりと近づく複数の浪人達の姿があった。


「契約者、堕落者……まあ、どっちでもいいか。
 悪いが、悠長に救ってやれる状況でも、話なんかも聞いてやれる状況でもないしな」
 要石に迫る浪人達を前に、テノール(ka5676)は聖拳「プロミネント・グリム」を装着した手で拳を作る。
 彼らが歪虚側となるには相応の理由があったのかもしれない。
 仮に止むに止まれぬ事情があったとしても、テノールが戦いを止める理由にはならない。
 要石を守る依頼である以上、敵であれば容赦なく叩き潰して依頼を完遂するだけだ。
(ブラッドリーの方は……もう始めたか)
 予定では仲間がブラッドリーを押さえる為に動く事になっている。
 今回は要石の防衛が優先される為、ブラッドリーを倒す必要は無い。
 浪士達を倒して一人にすれば、ブラッドリーは撤退する。
 それは迷う者を惑わし、先導する事で手駒に引き込むブラッドリーの手口からみても明らかだ。
「そらっ!」
 テノールは一気に前へ出る。
 反射的に浪士は正眼の構えから突きを繰り出した。
 突き出された刃。しかし、テノールは僅かに右へ逸れて突きを回避する。

 同時に勢いを付けたまま、大きく後ろへ引かれる右腕。
 次の瞬間には拳が浪士の鳩尾へ突き刺さった。
 ――白虎神拳。
 強烈な一撃が相手の意識を一瞬にして奪い去った。
 そして、振り返るテノール。
 そこには霊杖「アルス・マギカ」を手にする者の姿があった。
「私は守る。結界を維持する要石を。
 白龍は赤き大地に住まう者達にとって希望の光となる者。その芽を刈り取らせはしない」
 雨を告げる鳥(ka6258)は流転の理で精神を集中させる。
 マテリアルを感じ、足下に七芒星が浮かび上がる。
「夜を纏いし魔眼よ。終焉の都より来たれり。彼の者の影に楔を打ち込まん」
 七芒星の頂点が輝きだし、漆黒の球体が周囲一帯に複数浮かんで重力波を発生させる。
 周辺にいた者達に重力がかかり、押しつぶされる。
 事前に発動を聞いていたテノールは、距離を取る事で雨を告げる鳥の虚空の魔眼から逃れる事ができた。
 この状況はハンター達が、浪士を一気に叩く最大のチャンスである。
「ブッハハハ! 平伏すがいい。暗黒皇帝の御前である!」
 デスドクロは魔導拳銃「ネグラナーダ」で制圧射撃。弾丸の雨を浴びせかける。
 既に予定通りに計画が進んでいる。敵の出鼻を挫く事でブラッドリーの退散を促す下地を整えられれば最高なのだが――。
「俺様がいる限り、要石には近付けさせん」
「目標は五人。全員は止められてねぇが、ここで一気に畳み掛けるチャンスだ」
 アーサーも魔剣「バルムンク」を手に前へ出る。
 行動が阻害され、動きが鈍る浪士達。
 それはアーサーにとって操り人形以下の相手だ。
「さっさと退場しやがれっ!」
 バルムンクの二刀流。
 流れるように振るわれる刃が、動きの鈍い浪士の間で宙を斬る。
 重い体を強引に動かし、刀で受け止める浪士達。
 だが、アーサーの攻撃はそれで終わらない。
 バルムンクを捻ると同時に、右側にいた浪士に向けてアスラトゥーリ。
 二撃目の刃が浪士の右脇腹を刺し貫いた。
「動けないところ悪いが、終わらせるぜ」
 アーサーは左側にいた浪士へと向き直った。


 ハンター達が浪士達と交戦している頃、ブラッドリーに対しても同様に攻撃が仕掛けられていた。
 それも、ブラッドリーに浅からぬ因縁を持つ者によって戦端が開かれていた。
「ドリーさーんっ!」
 手を振ってブラッドリーへ駆け寄るアルマ・A・エインズワース(ka4901)。
 勢いのまま、デルタレイが放たれる。
 挨拶代わりの一撃なのだろう。
 それに対してブラッドリーは光球に結界を張って防御する。
「またあなたですか、駄犬さん」
 アルマのデルタレイが、光球の幾つか吹き飛ばした。
 通常であればデルタレイだけでなく物理攻撃も光球の結界で防御する事が可能だ。
 だが、過去に幾度もアルマのデルタレイによって光球は破壊されてきた。一定以上のダメージを超えれば、結界を形成する光球が耐えきれず消え失せる。おそらくアルマの存在を予期していつも以上に光球を用意していたのだろうが、早くもブラッドリーの周りに浮かぶ光球は三つとなっている。
「急にいなくなって心配したんですよ!? 何処の誰とも知らない同業者に狩られたんじゃないかと!」
 まるでブラッドリーはアルマの物――そう断言するような言い方だ。
 東方で出会って以来、ブラッドリーを気にし続けてきたアルマらしい発言だ。
 だが、当のブラッドリーからすればアルマは要注意人物に他ならない。
「私としては出会いたくはなかったのですが……これも神のお導きでしょうか」
「わふ! 僕、神様は知らないですけど、ドリーさんの事は好きですー!」
 微妙に話の噛み合わない会話ではあるが、これも通常運転。
 アルマの一方的な『偏愛』にも見えるが、ブラッドリーを倒す機会を常に窺っている。
 しかし、今回はアルマ一人ではない。
「空、風、樹、地、結は水。天地均衡の下、巡れ。
 ……生憎と、無粋者でねぇ」
 天地均衡で精神を統一させるエアルドフリス。
 最大の目的はブラッドリーから浪士達に指示が出されないように警戒をしつつ、少しでも光球を減らす事。今までの戦闘で光球が減った時点で防御結界が形成できないのは確認済みだ。
 それ以上にエアルドフリスの言葉には、刺々しさを感じる。
 やはり意志疎通の図れない相手に対する苛立ちだろうか。
「悪いが、そのまま潰れてくれ」
「お断りします。束縛は秩序を守る際に必要なものです。あなたから一方的に受けるものではありません」
 ブラッドリーの光球が一つ離れてエアルドフリスの近くで閃光を放つ。
 次の瞬間、エアルドフリスが放ったグラビティフォールの光は光球と共に消失した。
(カウンターマジックの一種か? だが、これで残る光球は二つだけだ)
 エアルドフリスののグラビティフォールは止められてしまったが、当初の目的である光球を減らす事ができた。
 残り二つ――ブラッドリーが光の盾で攻撃を防いでいるのであれば、二つでは盾を作れない。
 そして、この絶好の機会をアルマは容赦なく仕掛ける。
「わふっ! 今回お仕事モードです。撤退はお早めにですー?」
 再びアルマのデルタレイ。
 ブラッドリーも盾が作れない事に気付いて反射的に後方へとジャンプする。
 反応は早かった。それでも完全にアルマのデルタレイを回避する事はできない。
「!」
 ブラッドリーの頬を伝う熱い血潮。
 回避する際にデルタレイが掠めた事をブラッドリーは気付いた。
「いいですね、認めましょう。あなた方はこの時代に必要な存在。ラッパ吹きの天使です。私はついに時代の節目に現れる天使に出会う事ができました」
「わふ? ラッパ? 吹けばいいです?」
 アルマは突然の言葉に首を傾げる。それに対してブラッドリーは興奮気味。今までも意味不明だったが、ますます理解ができなくなっている。
 戯言か。妄言か。
 エアルドフリスは苛立ちの中で違和感を感じ取っていた。
 この時代に必要な存在――?
「何を言っている?」
「赤の古代、蒼の1789。ラッパ吹きが呼ぶのは転換。そして、破滅……赤き大地に眠る兵器は、鍵に過ぎません」
「私は問う。眠る兵器とは、ラメトクの事か?」
 雨を告げる鳥は、いち早くブラッドリーの言葉に問いかけた。
 神殿に眠る兵器が雨を告げる鳥達が先日発見した『ラメトク』を指し示すとするなら、何故ブラッドリーがそれを知っているのか。
 コーリアスの友人ならば、彼から聞いた可能性もある。
 だが、歪虚王ビックマー・ザ・ヘカトンケイルは大神殿破壊を青木 燕太郎(kz0166)に指示している。それに対してブラッドリーがその指示に従わないのは不可解だ。
「私は御遣い。知識の断片を持つのみです」
「さらに私は問う。ラッパ吹きとは何か?」
「終末のラッパ吹きが赤き大地に現れる時、古代から繰り返された破滅が騎士によってもたらされます。
 求めなさい、ラッパ吹きの天使達。私と共にその騎士を助けましょう」
 雨を告げる鳥は、ブラッドリーが何を言わんとしているのかが掴みきれなかった。
 だが、この目の前にいる歪虚は『何かを知っている』。
 突然、ブラッドリーの手にしている黒い本が勢い良くページがめくられていく。
「ラッパ吹き達は騎士を助けます。されど、終末を呼び込むには未だ力が足りません」
 本があるページで止まった。
 ブラッドリーは浪士達に向けて手をかざした。
 次の瞬間、浪士達の体に表れる黒い霧。
 霧は浪士達を包み込んでいく。
「おい、何かヤバいんじゃねぇか?」
 いち早く気配を察したのはテノールであった。
 先程、打ち倒したはずの浪士達がゆっくりと立ち上がってテノールへ向かって来る。
 その気配は、明らかに先程とは異なっている。
「くそっ。こいつら、さっきよりも手強いぞ」
 アーサーは浪士の剣撃をバルムンクで受け止める。
 先程、受け止めていた浪士の一撃とは比べものにならない重さと速さ。
 別人とも思える相手――ブラッドリーが強化したと考えるのが自然だ。
「一気に戦力をぶつけて片付ける。放置すれば厄介だ」
 テノールは浪士の打ち込みに会わせて竜巻返し。
 上段からの剣撃を受け流しながら、浪士を投げて地面へ叩き付ける。
 テノールも浪士の剣が鋭さを増したと感じ取っていた。
 パワーアップしている。それがテノールの率直な感想だ。
「むっ! 我が暗黒波動に似た術を使う手合いか。ならば、戦闘を長引かせる訳にはいかねぇ!」
 デスドクロは危機を感じ取り、要石へ近づく浪士にジェットブーツで全身。
 クイックリロードで次弾を装填しながら、ネグラナーダを連射する。
 デスドクロも経験的にこのような相手が危険であると知っている。相手は自分の体を顧みず要石破壊へ向かう。自爆にも等しい行為だけに、早々に浪士を止めなければならない。
 幸い、ヨアキムが後方を固めている。デスドクロが多少前に出ても問題はないだろう。
「アルフォンソさんを手伝うつもりでしたが、思わぬ収穫でした。良き終末を。ラッパ吹きの皆さん」
 踵を返すブラッドリー。
 どうやら撤退をしてくれるようだ。
 だが、敢えてエアルドフリスは問いかける。
 己の中の苛々を押さえ込みながら。
「待て。破滅が騎士によってもたらされると言ったな。何故騎士が破滅をもたらすんだ?」
 エアルドフリスもブラッドリーが意味不明な返しをしてくる事は予想していた。
 それでも何かを知るブラッドリーからヒントを引き出せる事を期待した。
 今は――少しでも情報が必要だから。
「古より伝えられる『付け加えられし白き言の葉』。その38番目……それが騎士が破滅をもたらす理由です。今は分からなくても構いません。天使達がその意味を解する日は、必ず訪れます」

依頼結果

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MVP一覧

  • 赤き大地の放浪者
    エアルドフリスka1856
  • 雨呼の蒼花
    雨を告げる鳥ka6258

重体一覧

参加者一覧

  • 完璧魔黒暗黒皇帝
    デスドクロ・ザ・ブラックホール(ka0013
    人間(蒼)|34才|男性|機導師
  • 蒼き世界の守護者
    アーサー・ホーガン(ka0471
    人間(蒼)|27才|男性|闘狩人
  • 赤き大地の放浪者
    エアルドフリス(ka1856
    人間(紅)|30才|男性|魔術師
  • フリーデリーケの旦那様
    アルマ・A・エインズワース(ka4901
    エルフ|26才|男性|機導師
  • ―絶対零度―
    テノール(ka5676
    人間(紅)|26才|男性|格闘士
  • 雨呼の蒼花
    雨を告げる鳥(ka6258
    エルフ|14才|女性|魔術師

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談用スレッド
デスドクロ・ザ・ブラックホール(ka0013
人間(リアルブルー)|34才|男性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2018/05/03 11:48:44
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2018/04/28 13:44:43