ゲスト
(ka0000)
【初心】未来のエースパイロット達
マスター:真太郎

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- LV1~LV20
- 参加人数
- 3~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/05/16 12:00
- 完成日
- 2018/05/21 19:17
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
地球連合宙軍の建造したサルヴァトーレ級二番艦『サルヴァトーレ・ブル』には艦載機として多数のCAMが搭載されている。
そのパイロットには選抜されたエース級が充てがわれている。
彼らの技量は、覚醒者なら脳波コントロールも可能な魔導型のCAMに比肩する程である。
そのためサルヴァトーレ・ブルのCAMパイロットになれる者は訓練学校の中でも一握りの優秀な人材のみ。
パイロット候補生達は操縦技術の向上のために日々厳しい訓練を行っている。
しかし候補生達の教育に関して問題点もあった。
彼ら候補生と戦える程の腕を持つ教官が少ない事だ。
それに常に同じ教官の指導を受けていては上達はいずれ頭打ちになるだろう。
そこでCAMを扱えるハンターを教官として招き、模擬戦を行う事が提案された。
しかしまだ問題はある。
覚醒者の動かす魔導型のCAMは性能は非常に高く、それがベテランパイロットとなると候補生ではまるで相手にならない可能性が高い事だ。
ベテランパイロットなら手加減も可能だろうが、候補生達は相手に手を抜かれている事を見抜けるぐらいの腕前は持っている。
圧倒されては訓練にならない。
だが手を抜かれても意味がない。
そこで覚醒者の中でもハンター経験の少ない者を教官として招く事とした。
勝敗は関係ない。
ハンターの乗るCAMは良くも悪くも癖の強い機体が多い。
勝っても負けても魔導型CAMとの戦闘は候補生にとって良い経験となるだろう。
そのパイロットには選抜されたエース級が充てがわれている。
彼らの技量は、覚醒者なら脳波コントロールも可能な魔導型のCAMに比肩する程である。
そのためサルヴァトーレ・ブルのCAMパイロットになれる者は訓練学校の中でも一握りの優秀な人材のみ。
パイロット候補生達は操縦技術の向上のために日々厳しい訓練を行っている。
しかし候補生達の教育に関して問題点もあった。
彼ら候補生と戦える程の腕を持つ教官が少ない事だ。
それに常に同じ教官の指導を受けていては上達はいずれ頭打ちになるだろう。
そこでCAMを扱えるハンターを教官として招き、模擬戦を行う事が提案された。
しかしまだ問題はある。
覚醒者の動かす魔導型のCAMは性能は非常に高く、それがベテランパイロットとなると候補生ではまるで相手にならない可能性が高い事だ。
ベテランパイロットなら手加減も可能だろうが、候補生達は相手に手を抜かれている事を見抜けるぐらいの腕前は持っている。
圧倒されては訓練にならない。
だが手を抜かれても意味がない。
そこで覚醒者の中でもハンター経験の少ない者を教官として招く事とした。
勝敗は関係ない。
ハンターの乗るCAMは良くも悪くも癖の強い機体が多い。
勝っても負けても魔導型CAMとの戦闘は候補生にとって良い経験となるだろう。
リプレイ本文
CAMパイロットの教官として招かれた3人のハンター達の中に顔見知りのシグ(ka6949)を見つけた花瑠璃(ka6989)は声をかけた。
「お久しぶりやね、シグはん。シグはんも模擬戦で教官しはるんやね」
「そうです。花瑠璃も教官ですか?」
「そやよ。教官なんて柄やあらへんのやけど、他の人の立ち回りを見るだけでも勉強になるさかい。色々勉強させてもらお思て。でも他の人の対戦も見れますやろか?」
「頼めば恐らく見せてもらえるでしょう」
「そやね。見れたらシグはんの応援もしたるね」
ハンター達が訓練学校を訪れると、早速サルヴァトーレ・ブルのCAMパイロット候補生達と顔合わせをされた。
「今日の模擬戦を心待ちにしておりました」
「噂に名高いハンターのCAMと戦えるとは光栄です」
「ご教授よろしくおねがいします」
候補生達は軍人らしく敬礼と共に挨拶してくれる。
「確かに僕らは教官と生徒の間柄ですが、CAMに乗って間もない僕からすれば、立場はむしろ逆。胸を貸してもらうつもりでやらせていただきます」
「そやで。うちもCAMの操縦にはあんまり慣れてひんのやけど、お互い切磋琢磨できはったらええね。どうぞよろしゅうね」
シグは真摯に、花瑠璃は柔らかい笑みで挨拶を返す。
「エルムという。こちらこそよろしく頼む」
エルム(ka6941)は朗らかに笑い、候補生に握手を求めた。
「人の間ではこれが友交の挨拶と聞いたのだが、あっているだろうか?」
「大丈夫です。あっています」
少し心配顔になったエルムの手を候補生の1人が握り返してくれる。
「貴方はクリムゾンウェスト出身の方なのですね」
「私は北方王国リグ・サンガマのドラグーンです」
「ドラグーン! 噂には聞いた事がありましたが……」
候補生の顔に驚きと強い好奇心が現れる。
「私の事については模擬戦を通じて語り合おう」
「はい!」
●エルム戦
エルムが選んだ対戦相手は自分が乗る機体と同じR7エクスシア。
「まったく人の技術とはすごいものだ」
自分の愛機を見上げ、改めて人間の技術力に感嘆する。
このR7エクスシアとは何度か戦いを共にしたが、ウマが合うようで気に入っていた。
エルムは試合場に機体を進め、相手と対峙する。
(相手は距離を置いての戦いが得意の様子。では、こちらもオーソドックスに展開しよう)
戦闘開始の合図までの間に相手の武装から戦い方を見取って戦術を練る。
『始め!』
合図と同時に遮蔽物に向かって駆ける。
候補生も向かい側の遮蔽物に向かっていた。
(相手も同じ方針か)
遮蔽に辿り着くと魔導機銃「エストレジャ」を構え、頭部を物陰から覗かせて候補生の様子を伺う。
候補生も遮蔽から頭部を覗かせていた。
(まずは射撃の腕前をとくと見せて貰おうか)
遮蔽から機体の半身を出すと操縦桿のトリガーを引き、頭部を狙って機銃を掃射。
候補生はすぐに頭部を引っ込め、遮蔽物に弾痕が刻まれる。
掃射が終わると同時に候補生も遮蔽から身を晒し、プラズマライフルを撃ってくる。
エルムもすぐ機体を遮蔽の陰に戻し、プラズマ弾をやり過ごす。
(これは長期戦になるか。しかし訓練なのだし焦る事はない。癖を見極め隙を突く)
何度か遮蔽越しでの応射をしていたが、ふと相手の攻撃が止んだ。
(リロードか?)
しかしまだ弾切れになるほど撃ち合ってはいない。
(誘いか?)
判断しあぐねていると、相手が姿を見せて撃ってきた。
咄嗟に遮蔽に隠れる。
しかし撃ってきたのは『マテリアルライフル』で、マテリアルの光線は遮蔽ごとエルムのR7も貫く。
もちろん遮蔽物で威力は削がれたが、相手は『マジックエンハンサー』で威力を上げていたらしくダメージを受けた。
(攻撃が一瞬途絶えたのはマジックエンハンサーを使っていたためか。どうやら射撃戦では相手に分があるらしい……)
エルムは『マテリアルライフル』にも注意しつつ応射を続ける。
そして再び候補生の攻撃が途切れた。
こちらの残弾も少ないため、今度はリロードのためだと確信すると遮蔽の陰から飛び出し『アクティブスラスター』を起動。
機動用スラスターの推力で加速して一気に前に出る。
候補生はリロードを終えたプラズマライフルを向けたが、既に有効射程範囲の内側だ。
そのため距離を取ろうと後ろに退がるが、『アクティブスラスター』で加速しているエルムは徐々に間合いを詰めてゆく。
そして候補生を滅竜槍「カドモス」の間合いに捉えると『スキルトレース』を介して『刺突一閃』を発動。
『アクティブスラスター』の推進力も乗算し、チャージのような突きを繰り出す。
それはまるでR7自体が1本の槍と化したような勢いの攻撃であった。
候補生は盾での防御も間に合わず、槍先は胸部を貫き、背中まで突き抜ける。
だが候補生は貫かれながらもプラズマソードを構えた。
エルムの注意がプラズマソードに向く。
その瞬間、候補生はR7の胸部装甲を開き、格納されていた砲口から『マテリアルライフル』を放った。
「っ!」
マテリアルの光線が至近距離からエルムのR7を貫いてゆく。
『マテリアルカーテン』の展開は間に合ったものの、ダメージは決して少なくない。
候補生は更にプラズマソードでも攻撃してきたが、それは槍で防いだ。
「やるな。だが私の得意手は接近戦。この間合いでなら私に分がある!」
エルムは再び『刺突一閃』で突く。
今度は盾で防がれたが、槍先は盾を貫通して左腕にもダメージを与えた。
候補生はプラズマライフルを向けてきたが、槍の柄で銃口を反らす。
「ライフルからでもマテリアルライフルが撃てるのだろうが、同じ手は通用しない」
更に『刺突一閃』で攻撃。候補生のR7のダメージが蓄積してくる。
候補生は近接から逃れるため全力で距離を取ろうとしたが、エルムは『アクティブスラスター』で追いすがって決して逃がさない。
覚悟を決めた候補生は『マジックエンハンサー』で威力を上げたプラズマソードで斬りかかってくる。
しかしエルムは『アクティブスラスター』を使い、スラスター噴射の強弱による不規則機動で避け、懐に入り込む。
機体の腰を落として下肢のバネに力を溜め、『刺突一閃』と共に一気に力を解き放つ。
脚から腰へ、腰から肩へ、肩から腕へ、腕から槍先へ。
全身の力を集約させて放たれた突きは候補生のR7を貫き、その機能を停止させた。
「……完敗です」
模擬戦後、コクピットから降りてきた候補生はやや気落ちした様子だった。
「いや、私のR7もかなりのダメージを負った。それにもし君のR7もアクティブスラスターが使え、私が間合いを詰められなければ勝敗はどうなっていたか分からない」
エルムは互いの健闘をたたえ、戦闘の最中に気づいたことを話した。
そして候補生からも意見を聞き、改善点や伸ばしていける伸び代について語りあった。
「君はもっと強くなれる。きっといいパイロットになるだろう」
「はい! ありがとうございます」
語り終えた後の候補生の顔は晴々としていた。
●シグ戦
「僕のX-Bはガチガチの射撃タイプですので、近接タイプのデュミナスとの対戦を希望します。互いの得手不得手がはっきりしている相手の方が学ぶ事も多いでしょう」
候補生側にも異論はなく、シグの対戦相手は近接主体のデュミナスに決まった。
シグは愛機のダインスレイブ『X-B』に乗り込み、機体を起ち上げた。
ヘッドマウントディスプレイにシステムチェック画面が流れた後、光学センサーからの映像が映し出される。
「さて、この開幕状況、ダインスレイブのX-Bには辛いシチュエーションではありますが……」
100m四方の限られた空間は砲撃機であるダインスレイブには不利な条件だ。
「だからこそ勉強になる、色々やってみましょうか」
シグは指定位置まで機体を進ませた。
相手との距離は40m足らずだ。
『始め!』
候補生は開始の合図と同時に『アクティブスラスター』で一気に間合いを詰めてきた。
しかしシグはその動きを読んでおり、合図と同時にバズーカ「ロウシュヴァウスト」をデュミナスの手前に撃ち込んでいた。
放たれた砲弾はデュミナスの眼前で炸裂。
爆発で足を止めざるを得なくなった候補生は出足を挫かれる。
その間にシグは『アクティブスラスター』で後退して距離を取る。
間合いを詰める事に失敗した候補生は一旦遮蔽物の陰まで移動して身を隠した。
「その動きも想定内です」
シグはダインスレイブの補助腕で腰部左右に装備された滑腔砲を支持して『連続砲撃』を起動。
遮蔽物越しなのでデュミナスの正確な位置は分からないが、先程の攻撃時にロックしたマーカーに照準を合わせる。
「ファイヤ!」
ドンという重低音と共に右の滑腔砲から徹甲弾が放たれ、続けざまに左の滑腔砲からも徹甲弾が撃ち放たれる。
超音速で飛来する2発の徹甲弾は遮蔽物を易々と貫通し、その後ろにいたデュミナスをも撃ち抜いた。
もし滑腔砲が模擬戦用の模造品でなければ訓練場の壁まで貫通していた事だろう。
「第二射、ファイヤ」
シグは続けて『連続砲撃』での砲撃を敢行。遮蔽物に更に2つの風穴が穿たれ、表面にヒビが入る。
第三射の準備をしながら反撃に備えて損壊した遮蔽物を注視していたが、デュミナスに動きはない。
(まさか既に損傷が激しくて動けなくなった? 損害状況が大きすぎたら訓練になりません。砲撃は中止した方が……)
考え込んでいると、遮蔽物の陰からデュミナスが半身を晒してマシンガンを撃ってきた。
(まだ大丈夫なようですね)
第三射を敢行。
その攻撃で遮蔽物が倒壊し、デュミナスの姿が顕になる。
候補生は『アクティブスラスター』を発動させ、全速で隣の遮蔽物まで移動して再び身を隠した。
(また隠れた。クロスレンジに持ち込みたいはずなのに近寄ってこないのは……弾切れかリロードの瞬間を待っているのでしょうか?)
相手の意図を完全には読めていないが、第四射を敢行。遮蔽物に再び風穴が穿たれる。
更に第五射も行ったが、未だにデュミナスは動く気配を見せない。
これで滑腔砲の残弾は1発。
(これを使い切る訳にはいかない)
シグはバズーカを構えてデュミナスが姿を現すのを待った。
両者が動きを止めたため、訓練場が静まりかえる。
不意にデュミナスが『アクティブスラスター』でスラスターを噴射させながら、遮蔽物の陰より猛スピードで飛び出してきた。
現れたデュミナスは小型シールドを持つ左腕がボロボロだったが、他は少し損傷した程度だった。
遮蔽の後ろで身をギリギリまで低くしつつ盾で庇って砲撃をやり過ごしていたのだ。
シグがすかさずバズーカを撃つ。
候補生は小型シールドで受けた。
爆発の衝撃で損傷していた左腕が盾ごと吹っ飛んだが、デュミナスの勢いは止まらない。
デュミナスはそのままシグに迫り、遂にカタナの間合いに捉える。
だがその瞬間、シグは『アクティブスラスター』でスラスターを噴射して前に飛び出した。
てっきり距離を取ると思っていた候補生は虚を突かれ、シグはそのまま体当たりをかける。
鋼鉄同士がぶつかりあう激突音が響き、衝撃でデュミナスがふらつく。
その隙にダインスレイブの補助腕を伸ばしてデュミナスの腕を掴む。
この瞬間、デュミナスの胴体部はがら空きだ。
シグは滑空砲をコックピットに密着させ『連続砲撃』を実行する、つもりだった。
しかし滑空砲の砲身はダインスレイブの腕よりも更に前まで伸びている。
そのため砲口は掴んだデュミナスよりも後ろにあり、コクピットに密着させる事は不可能であった。
シグが攻めあぐねている間にデュミナスがカタナを持った腕を振り上げる。
その動作だけで掴んでいた補助腕の指が折れた。
咄嗟に防御しようとしたが間に合わず、袈裟懸けに振り下ろされたカタナがダインスレイブの肩から胸まで深く喰い込んだ。
「くっ!」
シグは『アクティブスラスター』で後退して機体から強引にカタナを引き抜き、そのまま距離を取ろうとした。
だが候補生も『アクティブスラスター』で追いすがってくる。
接近させまいとオートマチック「エウテイアCAM」を発砲。
しかし銃弾でのダメージは軽微でデュミナスの接近を止めれず、再びカタナで斬られた。
その後もシグはデュミナスから距離を取ろうとしたが振り切る事ができず、カタナでの攻撃で耐久力を削られて機能停止に追い込まれたのだった。
「残念やったね、シグはん」
模擬戦を終えて戻ってきたシグを花瑠璃が慰める。
「滑空砲を近接戦の手段に使うための策が不十分でした。そこが敗因ですね」
「まぁ、実戦前の訓練で欠点が分かったよかったやないの」
「そうですね。次は花瑠璃さんの番です。頑張ってください」
「ほな、行ってくるわ」
●花瑠璃戦
花瑠璃が選んだ相手は重装型のドミニオン。
模擬戦を始める前に花瑠璃は相手の候補生に声を掛けた。
「ちょっとええ。『スキルトレース』のシステムはうちらハンター特有のものやったと思おし、簡単な仕様は伝えとこ思おて」
しかし候補生は花瑠璃の言葉を遮った。
「歪虚は様々な能力を有していると聞いています。実戦では未知の敵と戦う事もあるでしょう。何も知らぬまま訓練をさせて下さい」
「確かにそやね。余計な気遣いしてしもたわ。堪忍してや」
「いえ、こちらこそ気遣いを無碍にしてすみません」
花瑠璃は候補生と別れると、愛機のR7エクスシア『櫻華』に乗り込んだ。
「櫻華をきちんと動かすんは初めてやねぇ。あんじょうきばらんとあかんね」
『始め!』
花瑠璃はまず『スキルトレース』を介して機体の回避性能を上昇させる『ウィンドガスト』を使おうとした。
しかし機体の周りに取り巻くはずの緑に輝く風は発生しない。
「……発動せえへんね。どないしたんやろ?」
『スキルトレース』は覚醒者の持つスキルの発動条件までユニットに再現させるため、ユニット自体が魔術具を装備していなかったため発動できなかったのだ。
その間隙に候補生はガトリングガンを撃ってきた。
花瑠璃は咄嗟に『アクティブスラスター』を発動させて回避。
しかし初動を取った事で戦いの流れは候補生側にある。
ガトリングガンの猛攻が回避するR7を追って断続的に撃ち放たれてくる。
花瑠璃は『アクティブスラスター』での回避を続けながら距離を取りつつ魔銃「ナシャート」で反撃。
候補生は大型シールドで受け止めて損傷は抑えると、ガトリングガンでの攻撃の手を緩めず距離を詰めてくる。
花瑠璃のR7は近接武器が装備していないので、近接戦に持ち込むつもりなのだろう。
「重装言うだけあって硬おますな」
花瑠璃は『アクティブスラスター』の機動力でガトリングガンの射線から逃れると『マテリアルライフル』を発動。
これも大型シールドで受け止められたものの、マテリアルの光線は盾を貫通してドミニオン脇腹を損傷させる
しかし候補生は構わず距離を詰めてくる。
「めげへんねぇ」
花瑠璃は『アクティブスラスター』で距離を取りつつ魔銃と『マテリアルライフル』で攻撃を続ける。
候補生は大型シールドで損傷を抑えながら接近を続け、花瑠璃を訓練場の壁際近くまで追い込むと『アクティブスラスター』で一気に間合いを詰めてきた。
魔銃「ナシャート」は有効射程範囲の内側に入られたため撃てない。
「ほしたら櫻華の符術の力、見せたるね」
花瑠璃は『スキルトレース』を起動しつつR7に装備したアーマーカードバインダーから符を1個取って投擲。
『火炎符』によって符から変じた炎がドミニオンを包みこむ。
候補生は一瞬怯んだものの、炎に焼かれながらも足を止めず、近接戦の間合いに入り込んだ。
大上段に振り上げたソードが斬り下ろされてくる。
花瑠璃は『アクティブスラスター』を正面に噴射しつつ機体を反らす。
刃が機体の胸部装甲の出っ張りをかすめたがギリギリで回避。
すかさず距離を取りつつ符を取り出して再び『火炎符』を発動。頭部を狙って炎を撃ち出す。
候補生は『アクティブスラスター』でスラスターを斜め前に噴射。
左足を軸に1回転する機動で避けると、スラスターを後ろに噴射し直して間合いを詰め、ソードで斬りかかってくる。
花瑠璃はスラスターを真横に噴射してスライドするような機動で回避。
そのままドミニオンの横手から後ろに回り込み『火炎符』を放つ。
しかし候補生は勘を頼りに屈んで避け、そのまま機体を旋回させつつソードで足元を薙ぎ払ってきた。
花瑠璃は咄嗟に跳躍して避ける。
だが跳躍したR7を狙ってガトリングガンが向けられた。
『アクティブスラスター』を真上に噴射。
急降下で着地すると、一瞬前までR7がいた空間に幾つもの銃弾が通過してゆく。
花瑠璃は着地した体勢のまま魔銃「ナシャート」を抜いて発砲。
候補生は大型シールドで魔銃の光弾を受け止めながら『アクティブスラスター』で間合いを詰めてくる。
花瑠璃は距離を取ろうと『アクティブスラスター』で離れたが、そこでスキルを使い切ってしまう。
「櫻華もうガス欠なん?」
その好機を逃さず候補生が攻勢を仕掛けてきた。
花瑠璃はできる限り避け続けたが、遂に避けきれなくなりシールド「バリスティック」でソードを受け止める。
重い衝撃にR7の腕と肩の関節がミシリと嫌な音を立てた。
候補生は更に左手で『ワークスドリル』を叩き込んでくる。
今度は防御も間に合わず、腹部がドリルで抉られた。
だが花瑠璃は相手の攻撃後の隙を突いて『マテリアルライフル』を発射。
マテリアルの光線がドミニオンの左上腕を撃ち抜いて切断し、大型シールドが左腕ごと床に落下する。
「これで盾はのうなりましたな」
間髪入れず『火炎符』を放つ。
候補生は炎の直撃を喰らいながらもソードで斬りかかる。
花瑠璃は左手の盾で受け止めつつ、右手に握っていた符をドミニオンの脇腹の損傷部に押し付けた。
『火炎符』を発動。
符から転じて生じた炎が損傷部から入り込み、機体内部を焼いてゆく。
それが致命傷となり、ドミニオンは活動を停止した。
「ふぅ~……なんとか勝てましたな。でも流石は未来のエースさんやね。うちもえらい追い込まれてしもて、危なかったわ」
こうして模擬戦は終了した。
候補生達は模擬戦が終わった後も今日の戦闘内容について議論を交わしている。
きっと多いの得難い経験を積めた戦いだったのだろう。
彼らがサルヴァトーレ・ブルの正規パイロットになる日はそう遠くないのかもしれない。
「お久しぶりやね、シグはん。シグはんも模擬戦で教官しはるんやね」
「そうです。花瑠璃も教官ですか?」
「そやよ。教官なんて柄やあらへんのやけど、他の人の立ち回りを見るだけでも勉強になるさかい。色々勉強させてもらお思て。でも他の人の対戦も見れますやろか?」
「頼めば恐らく見せてもらえるでしょう」
「そやね。見れたらシグはんの応援もしたるね」
ハンター達が訓練学校を訪れると、早速サルヴァトーレ・ブルのCAMパイロット候補生達と顔合わせをされた。
「今日の模擬戦を心待ちにしておりました」
「噂に名高いハンターのCAMと戦えるとは光栄です」
「ご教授よろしくおねがいします」
候補生達は軍人らしく敬礼と共に挨拶してくれる。
「確かに僕らは教官と生徒の間柄ですが、CAMに乗って間もない僕からすれば、立場はむしろ逆。胸を貸してもらうつもりでやらせていただきます」
「そやで。うちもCAMの操縦にはあんまり慣れてひんのやけど、お互い切磋琢磨できはったらええね。どうぞよろしゅうね」
シグは真摯に、花瑠璃は柔らかい笑みで挨拶を返す。
「エルムという。こちらこそよろしく頼む」
エルム(ka6941)は朗らかに笑い、候補生に握手を求めた。
「人の間ではこれが友交の挨拶と聞いたのだが、あっているだろうか?」
「大丈夫です。あっています」
少し心配顔になったエルムの手を候補生の1人が握り返してくれる。
「貴方はクリムゾンウェスト出身の方なのですね」
「私は北方王国リグ・サンガマのドラグーンです」
「ドラグーン! 噂には聞いた事がありましたが……」
候補生の顔に驚きと強い好奇心が現れる。
「私の事については模擬戦を通じて語り合おう」
「はい!」
●エルム戦
エルムが選んだ対戦相手は自分が乗る機体と同じR7エクスシア。
「まったく人の技術とはすごいものだ」
自分の愛機を見上げ、改めて人間の技術力に感嘆する。
このR7エクスシアとは何度か戦いを共にしたが、ウマが合うようで気に入っていた。
エルムは試合場に機体を進め、相手と対峙する。
(相手は距離を置いての戦いが得意の様子。では、こちらもオーソドックスに展開しよう)
戦闘開始の合図までの間に相手の武装から戦い方を見取って戦術を練る。
『始め!』
合図と同時に遮蔽物に向かって駆ける。
候補生も向かい側の遮蔽物に向かっていた。
(相手も同じ方針か)
遮蔽に辿り着くと魔導機銃「エストレジャ」を構え、頭部を物陰から覗かせて候補生の様子を伺う。
候補生も遮蔽から頭部を覗かせていた。
(まずは射撃の腕前をとくと見せて貰おうか)
遮蔽から機体の半身を出すと操縦桿のトリガーを引き、頭部を狙って機銃を掃射。
候補生はすぐに頭部を引っ込め、遮蔽物に弾痕が刻まれる。
掃射が終わると同時に候補生も遮蔽から身を晒し、プラズマライフルを撃ってくる。
エルムもすぐ機体を遮蔽の陰に戻し、プラズマ弾をやり過ごす。
(これは長期戦になるか。しかし訓練なのだし焦る事はない。癖を見極め隙を突く)
何度か遮蔽越しでの応射をしていたが、ふと相手の攻撃が止んだ。
(リロードか?)
しかしまだ弾切れになるほど撃ち合ってはいない。
(誘いか?)
判断しあぐねていると、相手が姿を見せて撃ってきた。
咄嗟に遮蔽に隠れる。
しかし撃ってきたのは『マテリアルライフル』で、マテリアルの光線は遮蔽ごとエルムのR7も貫く。
もちろん遮蔽物で威力は削がれたが、相手は『マジックエンハンサー』で威力を上げていたらしくダメージを受けた。
(攻撃が一瞬途絶えたのはマジックエンハンサーを使っていたためか。どうやら射撃戦では相手に分があるらしい……)
エルムは『マテリアルライフル』にも注意しつつ応射を続ける。
そして再び候補生の攻撃が途切れた。
こちらの残弾も少ないため、今度はリロードのためだと確信すると遮蔽の陰から飛び出し『アクティブスラスター』を起動。
機動用スラスターの推力で加速して一気に前に出る。
候補生はリロードを終えたプラズマライフルを向けたが、既に有効射程範囲の内側だ。
そのため距離を取ろうと後ろに退がるが、『アクティブスラスター』で加速しているエルムは徐々に間合いを詰めてゆく。
そして候補生を滅竜槍「カドモス」の間合いに捉えると『スキルトレース』を介して『刺突一閃』を発動。
『アクティブスラスター』の推進力も乗算し、チャージのような突きを繰り出す。
それはまるでR7自体が1本の槍と化したような勢いの攻撃であった。
候補生は盾での防御も間に合わず、槍先は胸部を貫き、背中まで突き抜ける。
だが候補生は貫かれながらもプラズマソードを構えた。
エルムの注意がプラズマソードに向く。
その瞬間、候補生はR7の胸部装甲を開き、格納されていた砲口から『マテリアルライフル』を放った。
「っ!」
マテリアルの光線が至近距離からエルムのR7を貫いてゆく。
『マテリアルカーテン』の展開は間に合ったものの、ダメージは決して少なくない。
候補生は更にプラズマソードでも攻撃してきたが、それは槍で防いだ。
「やるな。だが私の得意手は接近戦。この間合いでなら私に分がある!」
エルムは再び『刺突一閃』で突く。
今度は盾で防がれたが、槍先は盾を貫通して左腕にもダメージを与えた。
候補生はプラズマライフルを向けてきたが、槍の柄で銃口を反らす。
「ライフルからでもマテリアルライフルが撃てるのだろうが、同じ手は通用しない」
更に『刺突一閃』で攻撃。候補生のR7のダメージが蓄積してくる。
候補生は近接から逃れるため全力で距離を取ろうとしたが、エルムは『アクティブスラスター』で追いすがって決して逃がさない。
覚悟を決めた候補生は『マジックエンハンサー』で威力を上げたプラズマソードで斬りかかってくる。
しかしエルムは『アクティブスラスター』を使い、スラスター噴射の強弱による不規則機動で避け、懐に入り込む。
機体の腰を落として下肢のバネに力を溜め、『刺突一閃』と共に一気に力を解き放つ。
脚から腰へ、腰から肩へ、肩から腕へ、腕から槍先へ。
全身の力を集約させて放たれた突きは候補生のR7を貫き、その機能を停止させた。
「……完敗です」
模擬戦後、コクピットから降りてきた候補生はやや気落ちした様子だった。
「いや、私のR7もかなりのダメージを負った。それにもし君のR7もアクティブスラスターが使え、私が間合いを詰められなければ勝敗はどうなっていたか分からない」
エルムは互いの健闘をたたえ、戦闘の最中に気づいたことを話した。
そして候補生からも意見を聞き、改善点や伸ばしていける伸び代について語りあった。
「君はもっと強くなれる。きっといいパイロットになるだろう」
「はい! ありがとうございます」
語り終えた後の候補生の顔は晴々としていた。
●シグ戦
「僕のX-Bはガチガチの射撃タイプですので、近接タイプのデュミナスとの対戦を希望します。互いの得手不得手がはっきりしている相手の方が学ぶ事も多いでしょう」
候補生側にも異論はなく、シグの対戦相手は近接主体のデュミナスに決まった。
シグは愛機のダインスレイブ『X-B』に乗り込み、機体を起ち上げた。
ヘッドマウントディスプレイにシステムチェック画面が流れた後、光学センサーからの映像が映し出される。
「さて、この開幕状況、ダインスレイブのX-Bには辛いシチュエーションではありますが……」
100m四方の限られた空間は砲撃機であるダインスレイブには不利な条件だ。
「だからこそ勉強になる、色々やってみましょうか」
シグは指定位置まで機体を進ませた。
相手との距離は40m足らずだ。
『始め!』
候補生は開始の合図と同時に『アクティブスラスター』で一気に間合いを詰めてきた。
しかしシグはその動きを読んでおり、合図と同時にバズーカ「ロウシュヴァウスト」をデュミナスの手前に撃ち込んでいた。
放たれた砲弾はデュミナスの眼前で炸裂。
爆発で足を止めざるを得なくなった候補生は出足を挫かれる。
その間にシグは『アクティブスラスター』で後退して距離を取る。
間合いを詰める事に失敗した候補生は一旦遮蔽物の陰まで移動して身を隠した。
「その動きも想定内です」
シグはダインスレイブの補助腕で腰部左右に装備された滑腔砲を支持して『連続砲撃』を起動。
遮蔽物越しなのでデュミナスの正確な位置は分からないが、先程の攻撃時にロックしたマーカーに照準を合わせる。
「ファイヤ!」
ドンという重低音と共に右の滑腔砲から徹甲弾が放たれ、続けざまに左の滑腔砲からも徹甲弾が撃ち放たれる。
超音速で飛来する2発の徹甲弾は遮蔽物を易々と貫通し、その後ろにいたデュミナスをも撃ち抜いた。
もし滑腔砲が模擬戦用の模造品でなければ訓練場の壁まで貫通していた事だろう。
「第二射、ファイヤ」
シグは続けて『連続砲撃』での砲撃を敢行。遮蔽物に更に2つの風穴が穿たれ、表面にヒビが入る。
第三射の準備をしながら反撃に備えて損壊した遮蔽物を注視していたが、デュミナスに動きはない。
(まさか既に損傷が激しくて動けなくなった? 損害状況が大きすぎたら訓練になりません。砲撃は中止した方が……)
考え込んでいると、遮蔽物の陰からデュミナスが半身を晒してマシンガンを撃ってきた。
(まだ大丈夫なようですね)
第三射を敢行。
その攻撃で遮蔽物が倒壊し、デュミナスの姿が顕になる。
候補生は『アクティブスラスター』を発動させ、全速で隣の遮蔽物まで移動して再び身を隠した。
(また隠れた。クロスレンジに持ち込みたいはずなのに近寄ってこないのは……弾切れかリロードの瞬間を待っているのでしょうか?)
相手の意図を完全には読めていないが、第四射を敢行。遮蔽物に再び風穴が穿たれる。
更に第五射も行ったが、未だにデュミナスは動く気配を見せない。
これで滑腔砲の残弾は1発。
(これを使い切る訳にはいかない)
シグはバズーカを構えてデュミナスが姿を現すのを待った。
両者が動きを止めたため、訓練場が静まりかえる。
不意にデュミナスが『アクティブスラスター』でスラスターを噴射させながら、遮蔽物の陰より猛スピードで飛び出してきた。
現れたデュミナスは小型シールドを持つ左腕がボロボロだったが、他は少し損傷した程度だった。
遮蔽の後ろで身をギリギリまで低くしつつ盾で庇って砲撃をやり過ごしていたのだ。
シグがすかさずバズーカを撃つ。
候補生は小型シールドで受けた。
爆発の衝撃で損傷していた左腕が盾ごと吹っ飛んだが、デュミナスの勢いは止まらない。
デュミナスはそのままシグに迫り、遂にカタナの間合いに捉える。
だがその瞬間、シグは『アクティブスラスター』でスラスターを噴射して前に飛び出した。
てっきり距離を取ると思っていた候補生は虚を突かれ、シグはそのまま体当たりをかける。
鋼鉄同士がぶつかりあう激突音が響き、衝撃でデュミナスがふらつく。
その隙にダインスレイブの補助腕を伸ばしてデュミナスの腕を掴む。
この瞬間、デュミナスの胴体部はがら空きだ。
シグは滑空砲をコックピットに密着させ『連続砲撃』を実行する、つもりだった。
しかし滑空砲の砲身はダインスレイブの腕よりも更に前まで伸びている。
そのため砲口は掴んだデュミナスよりも後ろにあり、コクピットに密着させる事は不可能であった。
シグが攻めあぐねている間にデュミナスがカタナを持った腕を振り上げる。
その動作だけで掴んでいた補助腕の指が折れた。
咄嗟に防御しようとしたが間に合わず、袈裟懸けに振り下ろされたカタナがダインスレイブの肩から胸まで深く喰い込んだ。
「くっ!」
シグは『アクティブスラスター』で後退して機体から強引にカタナを引き抜き、そのまま距離を取ろうとした。
だが候補生も『アクティブスラスター』で追いすがってくる。
接近させまいとオートマチック「エウテイアCAM」を発砲。
しかし銃弾でのダメージは軽微でデュミナスの接近を止めれず、再びカタナで斬られた。
その後もシグはデュミナスから距離を取ろうとしたが振り切る事ができず、カタナでの攻撃で耐久力を削られて機能停止に追い込まれたのだった。
「残念やったね、シグはん」
模擬戦を終えて戻ってきたシグを花瑠璃が慰める。
「滑空砲を近接戦の手段に使うための策が不十分でした。そこが敗因ですね」
「まぁ、実戦前の訓練で欠点が分かったよかったやないの」
「そうですね。次は花瑠璃さんの番です。頑張ってください」
「ほな、行ってくるわ」
●花瑠璃戦
花瑠璃が選んだ相手は重装型のドミニオン。
模擬戦を始める前に花瑠璃は相手の候補生に声を掛けた。
「ちょっとええ。『スキルトレース』のシステムはうちらハンター特有のものやったと思おし、簡単な仕様は伝えとこ思おて」
しかし候補生は花瑠璃の言葉を遮った。
「歪虚は様々な能力を有していると聞いています。実戦では未知の敵と戦う事もあるでしょう。何も知らぬまま訓練をさせて下さい」
「確かにそやね。余計な気遣いしてしもたわ。堪忍してや」
「いえ、こちらこそ気遣いを無碍にしてすみません」
花瑠璃は候補生と別れると、愛機のR7エクスシア『櫻華』に乗り込んだ。
「櫻華をきちんと動かすんは初めてやねぇ。あんじょうきばらんとあかんね」
『始め!』
花瑠璃はまず『スキルトレース』を介して機体の回避性能を上昇させる『ウィンドガスト』を使おうとした。
しかし機体の周りに取り巻くはずの緑に輝く風は発生しない。
「……発動せえへんね。どないしたんやろ?」
『スキルトレース』は覚醒者の持つスキルの発動条件までユニットに再現させるため、ユニット自体が魔術具を装備していなかったため発動できなかったのだ。
その間隙に候補生はガトリングガンを撃ってきた。
花瑠璃は咄嗟に『アクティブスラスター』を発動させて回避。
しかし初動を取った事で戦いの流れは候補生側にある。
ガトリングガンの猛攻が回避するR7を追って断続的に撃ち放たれてくる。
花瑠璃は『アクティブスラスター』での回避を続けながら距離を取りつつ魔銃「ナシャート」で反撃。
候補生は大型シールドで受け止めて損傷は抑えると、ガトリングガンでの攻撃の手を緩めず距離を詰めてくる。
花瑠璃のR7は近接武器が装備していないので、近接戦に持ち込むつもりなのだろう。
「重装言うだけあって硬おますな」
花瑠璃は『アクティブスラスター』の機動力でガトリングガンの射線から逃れると『マテリアルライフル』を発動。
これも大型シールドで受け止められたものの、マテリアルの光線は盾を貫通してドミニオン脇腹を損傷させる
しかし候補生は構わず距離を詰めてくる。
「めげへんねぇ」
花瑠璃は『アクティブスラスター』で距離を取りつつ魔銃と『マテリアルライフル』で攻撃を続ける。
候補生は大型シールドで損傷を抑えながら接近を続け、花瑠璃を訓練場の壁際近くまで追い込むと『アクティブスラスター』で一気に間合いを詰めてきた。
魔銃「ナシャート」は有効射程範囲の内側に入られたため撃てない。
「ほしたら櫻華の符術の力、見せたるね」
花瑠璃は『スキルトレース』を起動しつつR7に装備したアーマーカードバインダーから符を1個取って投擲。
『火炎符』によって符から変じた炎がドミニオンを包みこむ。
候補生は一瞬怯んだものの、炎に焼かれながらも足を止めず、近接戦の間合いに入り込んだ。
大上段に振り上げたソードが斬り下ろされてくる。
花瑠璃は『アクティブスラスター』を正面に噴射しつつ機体を反らす。
刃が機体の胸部装甲の出っ張りをかすめたがギリギリで回避。
すかさず距離を取りつつ符を取り出して再び『火炎符』を発動。頭部を狙って炎を撃ち出す。
候補生は『アクティブスラスター』でスラスターを斜め前に噴射。
左足を軸に1回転する機動で避けると、スラスターを後ろに噴射し直して間合いを詰め、ソードで斬りかかってくる。
花瑠璃はスラスターを真横に噴射してスライドするような機動で回避。
そのままドミニオンの横手から後ろに回り込み『火炎符』を放つ。
しかし候補生は勘を頼りに屈んで避け、そのまま機体を旋回させつつソードで足元を薙ぎ払ってきた。
花瑠璃は咄嗟に跳躍して避ける。
だが跳躍したR7を狙ってガトリングガンが向けられた。
『アクティブスラスター』を真上に噴射。
急降下で着地すると、一瞬前までR7がいた空間に幾つもの銃弾が通過してゆく。
花瑠璃は着地した体勢のまま魔銃「ナシャート」を抜いて発砲。
候補生は大型シールドで魔銃の光弾を受け止めながら『アクティブスラスター』で間合いを詰めてくる。
花瑠璃は距離を取ろうと『アクティブスラスター』で離れたが、そこでスキルを使い切ってしまう。
「櫻華もうガス欠なん?」
その好機を逃さず候補生が攻勢を仕掛けてきた。
花瑠璃はできる限り避け続けたが、遂に避けきれなくなりシールド「バリスティック」でソードを受け止める。
重い衝撃にR7の腕と肩の関節がミシリと嫌な音を立てた。
候補生は更に左手で『ワークスドリル』を叩き込んでくる。
今度は防御も間に合わず、腹部がドリルで抉られた。
だが花瑠璃は相手の攻撃後の隙を突いて『マテリアルライフル』を発射。
マテリアルの光線がドミニオンの左上腕を撃ち抜いて切断し、大型シールドが左腕ごと床に落下する。
「これで盾はのうなりましたな」
間髪入れず『火炎符』を放つ。
候補生は炎の直撃を喰らいながらもソードで斬りかかる。
花瑠璃は左手の盾で受け止めつつ、右手に握っていた符をドミニオンの脇腹の損傷部に押し付けた。
『火炎符』を発動。
符から転じて生じた炎が損傷部から入り込み、機体内部を焼いてゆく。
それが致命傷となり、ドミニオンは活動を停止した。
「ふぅ~……なんとか勝てましたな。でも流石は未来のエースさんやね。うちもえらい追い込まれてしもて、危なかったわ」
こうして模擬戦は終了した。
候補生達は模擬戦が終わった後も今日の戦闘内容について議論を交わしている。
きっと多いの得難い経験を積めた戦いだったのだろう。
彼らがサルヴァトーレ・ブルの正規パイロットになる日はそう遠くないのかもしれない。
依頼結果
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/05/13 11:31:36 |
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出撃前のミーティング シグ(ka6949) オートマトン|15才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2018/05/16 11:11:25 |