ゲスト
(ka0000)
白銀のおとぎ話・5
マスター:樹シロカ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/05/23 19:00
- 完成日
- 2018/06/06 01:15
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
それは突然で、意外な展開だった。
バチャーレ村の仲間を救うべく、再び廃坑への突入について相談していたハンター達の元に、村人が息せき切って駆け込んできたのだ。
「た、大変だ! マリナが……マリナが帰ってきた!!」
一同は即座に立ち上がる。
「今、畑にいて……なんかいろいろ連れてて……とにかく来てくれ! やばいんだ!!」
腰を抜かしかけた男を、村の代表であるサイモン・小川(kz0211)が助け起こす。
「落ち着いて。いったい何があったんだ? 何がやばいんだ?」
「マリナが近づくと、寒さで動けなくなるんだ! 俺は捕まる前に逃げてきたけど、これ以上村に近づいたらまずいよ!!」
サイモンが困惑した表情でハンター達を見上げる。
●
マリナは畑から逃げ出していく男の背中を、ぼんやりと見送った。
「行ってしまった……」
それから近くで倒れこんだ二人の女を、困ったように見下ろす。
「寝ちゃったわ」
『友達ではなかったのか?』
積雪を踏むような音が響く。どうやら笑っているらしい。
「もういいわ。それよりも村に行かなきゃ。皆にいいことを教えてあげるんだから」
『ではこの者たちと一緒に行くが良い。いじめられぬようにな』
村はずれの大きな木の根元に伏せていた、2体の巨大な白オオカミが体を起こす。木の後ろから、全身真っ白な女が3人、顔をのぞかせる。
「ありがとうございます。白の君」
マリナが嬉しそうにそう言って、声のほうを振り仰ぐ。木の上からは白の君と呼ばれた「モノ」が枝に腰かけて見下ろしていた。
一見すると、背の高い痩せぎすの男。
だがその髪は白く長く、極細の氷柱のようにしゃらしゃら揺れる。
雪のように白い頬は陶器の人形のようで男とも女ともつかず、薄い唇と瞳はザクロのように赤い。
首から下を纏うのは古い時代の金属製の鎧だった。だが「それ」が動いても、鎧の音はしないのである。
不意に、赤い唇が三日月型に割れる。積雪を踏む音。
『ああかわいそうな迷い子よ、悪い奴らが来てしまったな。だが大丈夫だ、お前の行きたいほうへ行くがよい』
マリナが泣きそうな顔で村の方向を見ると、幾人かの集団がこちらを窺っているようだった。
よく見知った、眼鏡をかけた男の顔もある。
「サイモン……いいことを教えてあげようと思ったのに。どうしてそんな人たちと一緒なの?」
子供のように無防備に、マリナがぽろぽろと涙をこぼす。
●
マリナが泣いている。
そう思った直後、サイモンは膝の力が抜けるように感じた。
「なんだ、これは……!」
眠い。恐ろしく眠い。
異常な状態であるとわかっているのに、道端で横になりたい。
「皆さん、お気を……つけ、て……」
一番大切なのは、貴方達の命。正気のマリナなら、自分のために誰かが傷つくことに耐えられないはずだ。
サイモンの意識はそこで途切れた。
それは突然で、意外な展開だった。
バチャーレ村の仲間を救うべく、再び廃坑への突入について相談していたハンター達の元に、村人が息せき切って駆け込んできたのだ。
「た、大変だ! マリナが……マリナが帰ってきた!!」
一同は即座に立ち上がる。
「今、畑にいて……なんかいろいろ連れてて……とにかく来てくれ! やばいんだ!!」
腰を抜かしかけた男を、村の代表であるサイモン・小川(kz0211)が助け起こす。
「落ち着いて。いったい何があったんだ? 何がやばいんだ?」
「マリナが近づくと、寒さで動けなくなるんだ! 俺は捕まる前に逃げてきたけど、これ以上村に近づいたらまずいよ!!」
サイモンが困惑した表情でハンター達を見上げる。
●
マリナは畑から逃げ出していく男の背中を、ぼんやりと見送った。
「行ってしまった……」
それから近くで倒れこんだ二人の女を、困ったように見下ろす。
「寝ちゃったわ」
『友達ではなかったのか?』
積雪を踏むような音が響く。どうやら笑っているらしい。
「もういいわ。それよりも村に行かなきゃ。皆にいいことを教えてあげるんだから」
『ではこの者たちと一緒に行くが良い。いじめられぬようにな』
村はずれの大きな木の根元に伏せていた、2体の巨大な白オオカミが体を起こす。木の後ろから、全身真っ白な女が3人、顔をのぞかせる。
「ありがとうございます。白の君」
マリナが嬉しそうにそう言って、声のほうを振り仰ぐ。木の上からは白の君と呼ばれた「モノ」が枝に腰かけて見下ろしていた。
一見すると、背の高い痩せぎすの男。
だがその髪は白く長く、極細の氷柱のようにしゃらしゃら揺れる。
雪のように白い頬は陶器の人形のようで男とも女ともつかず、薄い唇と瞳はザクロのように赤い。
首から下を纏うのは古い時代の金属製の鎧だった。だが「それ」が動いても、鎧の音はしないのである。
不意に、赤い唇が三日月型に割れる。積雪を踏む音。
『ああかわいそうな迷い子よ、悪い奴らが来てしまったな。だが大丈夫だ、お前の行きたいほうへ行くがよい』
マリナが泣きそうな顔で村の方向を見ると、幾人かの集団がこちらを窺っているようだった。
よく見知った、眼鏡をかけた男の顔もある。
「サイモン……いいことを教えてあげようと思ったのに。どうしてそんな人たちと一緒なの?」
子供のように無防備に、マリナがぽろぽろと涙をこぼす。
●
マリナが泣いている。
そう思った直後、サイモンは膝の力が抜けるように感じた。
「なんだ、これは……!」
眠い。恐ろしく眠い。
異常な状態であるとわかっているのに、道端で横になりたい。
「皆さん、お気を……つけ、て……」
一番大切なのは、貴方達の命。正気のマリナなら、自分のために誰かが傷つくことに耐えられないはずだ。
サイモンの意識はそこで途切れた。
リプレイ本文
●
力なく崩れ落ちるサイモンを、天王寺茜(ka4080)が慌てて受け止める。
「あぶない!」
「おやおや、ずいぶんお疲れのご様子で」
ディードリヒ・D・ディエルマン(ka3850)も手を貸し、どうにか顔面が地面に激突するのは阻止した。
ある意味、一般人のサイモンは毒物を感知するカナリヤだった。マリナの嘆きには眠りに誘う効果があるらしい。
龍宮 アキノ(ka6831)がどこか楽しげに目を細めた。
「女の涙を原動力にするとはねぇ。酔狂すぎて面白いじゃないか」
歪虚や雑魔、覚醒者、そしてそれらにかかわるマテリアルに強い関心を抱くアキノにとっては、目の前の事象も興味深いデータに過ぎない。
「とは言っても、受けた依頼はきっちり果たすよ。村を守るのが先決さ」
白いオオカミと白い陶器の女達に守られて、マリナはしくしく泣いている。
このまま村に入れば、村中が眠りに落ちるだろう。
カーミン・S・フィールズ(ka1559)が軽く肩をすくめた。
「私には彼女こそが、伝承に聞いたネーレに見えるわよ?」
厄災を運ぶ、白い魔物。冷たい息吹で全ての温かさを奪い去る。
パトリシア=K=ポラリス(ka5996)はマリナから目をそらさず、唇を噛み締めた。
「まだ間に合うハズ。でもこれが、きっと最後のチャンスなんだヨ」
その傍らで、パトリシアの顔をそっとうかがうのはルドルフ・デネボラ(ka3749)だ。
どんなときも笑顔を失わないパトリシアが、珍しく怒っている。
怒りで思わぬ行動に走らないよう、見守るために付き添ってきたというのが正直なところだ。
村の事情には詳しくないが、とにかくパトリシアを守らねばならない。例えそれが彼女の意に背くことになったとしても。
ハンターそれぞれに事情があり、考え方がある。当然のことだ。
ハンス・ラインフェルト(ka6750)は依頼達成のため、表向きだけ繕うことは好ましくないと思う。
「正直なところ、あそこまであちら側に傾いた人間が戻って来られるとは思いません。ですが、皆様の足を引っ張ることはしないつもりですよ」
マリナがまだ「契約者」なのか、あるいは既に歪虚と化しているのか。まだ確認できていないのだ。
「まだ間に合うわ」
茜は自分に言い聞かせるように頷いた。おそらくはこれが最後のチャンス。
もしここで村人に被害が出てしまったら、戻ってこられたとしてもマリナの立つ瀬がないだろう。それぐらいなら――
茜の心を受けるようにパトリシアが囁く。
「マリナがマリナじゃなくなっちゃっタラ、パティも覚悟を決める。マリナの手を、汚させなんてしないっテ」
必要ならばその命を奪ってでも。
「ほだケド、マリナの中にマリナが残っているうちハ、諦めたりしない」
「そうね。だからここでマリナさんを奪還できるかは分からないけど、村は守らないと!」
「奪還は簡単ではないわ。それと私はこんなところで死ぬつもりはないし、依頼を受けたメンバーやオガワを死なせるつもりもないわよ」
カーミンが釘を刺した。
「考えは違って当たり前なの。マリナの考えだってわからないのよ」
カーミンは、マリナの心は歪虚自身の言葉によってしか救われないと考える。そして歪虚が、決してこちらの望む通りにはしないだろうとも。
だから歪虚を退けるか、マリナを諦めるしか、この村は救えない。
ルトガー・レイヴンルフト(ka1847)はパトリシアと茜の言葉に思う。
こんなにもマリナは大事に思われている。村の人々も皆、マリナを心配していた。
なのになぜ、マリナはあんなにも寂しがっていたのか。
(誰にも本心を明かすことができなかったのか?)
明るく、快活なマリナの孤独を、誰も知らなかったのだとしたら……。
不意にディードリヒが小さく笑った。
「失礼。ただ他人であれ自分であれ、『誰か』を想った故の願いが、その『誰か』を傷つけるとは……なんと滑稽なことかと思いましてね」
「滑稽、か」
そういう意味では、人の営みはすべて滑稽だといえよう。
「とにかく、サイモンさんを起こしておきましょうか」
ディートリヒが屈みこみ、サイモンをゆする。
茜がきっと表情を引き締め、不意にサイモンの頬をひっぱたいた。
「サイモンさん、起きて! 村に戻って、皆に家から出ないように伝えて!!」
覚醒者であれば、これで目が覚めただろう。だが一般人の抵抗力は、覚醒者と比べればゼロに等しい。
ディートリヒはサイモンを肩に担ぎあげ、優雅に身をかがめた。
「私があちらの小屋に運びます。暫し失礼を」
近くの農作業小屋にひとまず向かった。
ハンスがモフロウを空に放つ。
「この前は死角から良いようにしてやられましたからね。飛びなさい、モフロウ!」
全ての敵が見えているとは限らない。歪虚を見つけたら、その方向で騒ぐだけで敵の居場所を絞ることができる。
ハンターたちは状況と互い役割を確認する。マリナの傍には気を失った村人の女性もいる。
茜はかつての手痛い記憶を思い起こす。
「人形は爆発するわ。傍にいちゃ駄目よ!」
「ならばまず人形をあそこから引き離そう」
ルトガーが魔導バイクに跨る。
ハンスは白い大きなオオカミを見据えた。
「ではあちらは私が抑えましょう。何、モフロウの目があればそれぐらいは可能です」
ハンターたちは、それぞれの敵の動きに意識を集中する。
●
パトリシアが大きく息を吸う。
ルドルフは傍らで聖盾を構える手に力を込めた。
(ともかく、パティ。君は君のやりたい事を。サポートは俺に任せて)
パトリシアは「パラレルフォニック」の鍵盤に指を躍らせ、歌いだす。
仲間のマテリアルを活性化させ、敵の術から守る歌。
だがそこに込められたのは、今は「敵」として対峙するマリナへのメッセージだった。
(マリナ。パティはちょっと、オコなんダヨ)
一番悪いのは、洞窟にいたあの歪虚だ。
だが今まで肩を寄せ合って生きてきた仲間よりも、歪虚を選んだのはマリナ自身だ。
(それデ、マリナが大切にしていた人が傷ついてるコト、わかってる?)
泣きたいのはみんな同じ。
理不尽な運命に怒っているのも、多分同じ。
だからこそ喜びも分かち合いたいのに、なぜこんな形で向かい合わねばならないのか。
小さな子供のように泣いて、怒って。
(……ダカラ、パティはオコなのヨ。レベッカやビアンカを叱るアニタみたいにオコなのヨ)
オオカミ型の歪虚が吠える。
なぜかこの一体は、他の歪虚たちと違い、大木の近くから動かないままだ。
別のオオカミ型歪虚と陶器人形たちは、マリナを守るように一定の距離を保ちながらこちらに少しずつ近づいてくる。
パトリシアを中心にこちらも接近。今のところ誰もマリナの影響は受けていない。
「まずは数を減らしたいわね。陶器女からいくわ」
カーミンが言うと、アキノがフォトンバインダー「フロックス」を装着した腕を伸ばす。
「援護するよ。連中には興味があるしね」
カーミンは頷くとパトリシアの傍らを離れ、一気に距離を縮める。
その途中、倒れた女達の様子を窺う。
(もし吹雪の歪虚とやらが「観劇者」なら、あの村人自体が罠かもしれないけどね)
その予測が当たっていたとしても、敵の数は少ないほうが良い。
視界にとらえた2体の陶器人形が腕を振り上げる。
「人形のくせにイキがいいねぇ。こいつはあたしの研究サンプルに持って来いじゃないか」
アキノはカーミンを避けて「ファイアスローワー」の広がる炎で陶器人形の動きを牽制。
陶器人形が長い髪を振り乱し、手近のカーミンを狙う。
「ひとまずは無力化すればいいのよね」
蒼機剣「N=Fフリージア」のグリップを掌で滑らせ、刃を鞭のように分離。刃はマテリアルの鞭となって空を切り裂く。
陶器人形の腕に絡め、反対の手に握る槍斧を振り下ろすと敵の腕が肘から落ちる。
だが陶器人形は笑いながら、反対の手を氷の刃に変え、カーミンの腕の付け根へ突き込む。
だがその切っ先は何かにさえぎられたようにわずかに逸れ、カーミンの肩を掠めていった。瞬間、花弁の幻影がカーミンを包み込む。
「まだまだ……!」
守りの力に心中で感謝しつつ、体勢を立て直すと槍斧を構えなおした。
アキノは援護しつつ、涙を流すマリナを見やる。
(ハンターにも愛や友情のみならず、怒りや憎しみまで力に変えて戦う奴だっているしねぇ)
マテリアルが人間に与える影響、人間がマテリアルを取り込んで力に変える不思議。
アキノの瞳は戦いの中で、子供のような輝きを帯びていた。
この間、オオカミ型歪虚をただ一人押さえていたのはハンスである。
モフロウには引き続き周囲を監視させ、自らは攻撃できる距離まで全力で移動。
「見えるだけが敵ではないと思い知りしたからね」
仲間が村人を助けるまで、オオカミの気を引き付ける。
先んじて前に出たのは、全力で「次元斬」で切りつけるため。命中率は落ちるが、牽制になる。
攻撃を避けてオオカミの咆哮が止まれば、味方が多少は動きやすくなるはずだ。
だがマリナの泣き声が耳に届き、逆にハンスの意識が遠いていく。
(くっ、「破邪顕正」を……)
自らを縛る鎖を断ち切るには、自らの意識が覚醒していなければならない。
オオカミの太い前足が、朦朧とするハンスを殴りつけた。
●
ルトガーはバイクで回り込み、カーミンに意識を向けていた陶器人形にデルタレイを撃ち込む。
巻き込めたのは2体。1体が肩から先を失いながら、マリナに寄り添った。
顔の半分を吹き飛ばされた1体は、カーミンの挟撃を図る。
「ここは任せて、村の人を!」
ルドルフが銃弾を撃ち込みながら、茜に先へ行くよう促した。
これ以上陶器人形に攻撃を加えると、いつ爆発するかわからない。そうなると一般人が巻き込まれてしまう。
「ありがとう、先に行くわね」
茜がジェットブーツで速度を上げる。後にはサイモンを小屋に隠したディードリヒが続いた。
「やっぱり眠ったままですか?」
「マリナさんを止めればそのうち目を覚まされるでしょう」
走るふたりは、畑の端で倒れこんだ二人の女性に近づいていく。
「……ええ、マリナさんを止めることができれば」
ディードリヒは残る1体の陶器人形がマリナを促してこちらへ向かおうとしているのを認めた。
(助けたいと言う方の意見は尊重いたしますが……誰かを傷つけ尚、逃避という幻影に囚われるのなら。無傷で、と言うのは虫が良すぎますね)
だがその苦悩すら、ネーレという歪虚にとっては楽しみなのかもしれない。
今のところ、マリナ自身が誰かを傷つけたわけではない。だがあの陶器人形が、マリナごと村人を傷つける可能性もある。
ルトガーはバイクを駆り、マリナの向かう方向を塞ごうと考える。
マリナは流れる涙をぬぐおうともせず泣いていた。
何かつぶやいているようだが、声は聞こえない。
「なあ、何で泣いているんだ? 」
ルトガーはバイクを停めて声をかけた。
「どこへ行こうとしているんだ? 何かいいことがあるなら俺にも教えてくれよ」
陶器人形がマリナの耳元に何やら囁く。
ルトガーは歪虚に注意を払いつつ、マリナに語り掛けた。
「あの洞窟にあったのはキアーラ石の塊か。ずいぶん大きかったな。サイモンや村の人が知ったら喜ぶだろうな」
マリナは聞いているのかいないのか、相変わらず泣いている。
「口もききたくないほど俺たちのことが嫌なのか? 理由を教えてくれないか」
そのとき、陶器人形が動く。
マリナを盾にして半身になると、ルトガーに向けて氷の鞭を振り下ろした。
ルトガーはその攻撃を攻性防壁で受け止め、歪虚を押し込んだ。
ルドルフはその歪虚を背後から撃つ。狙い通り歪虚はその場に座り込んだ。
「これ以上は自爆の恐れがあります」
「構わん。防ぐ」
ルトガーはブラッドドレインで歪虚のマテリアルを自らの力に変える。
陶器人形は薄笑いを浮かべて自爆。その衝撃は、「ラストテリトリー」の光の障壁でルトガーが一身に受け止めた。
マリナが泣くのも忘れ、ルトガーの血が流れる顔をまじまじと見つめる。
泣き声がやんだところで、パトリシアの歌も止まる。
と思うと、駆け寄ったパトリシアはいきなりマリナの頬を平手で打った。
「マリナのバカバカバカバカっ! このままダト、ほんとに戻って来れなくなっちゃうのヨ?」
マリナの代わりのように、パトリシアの顔が泣きそうに歪む。
ルトガーは肩をすくめると、マリナの肩に手を置いた。
「なあ、今度一緒に酒を飲みに行かないか。もちろんおごりだ。その代わりと言っちゃあなんだが、マリナのことを色々と話してほしい。マリナのことを知りたいんだ」
「パティもいっぱい話したいヨ。キアーラ石を探しテ、ふたつの星空のお話をするんダヨ」
抱きしめたマリナの体は、まだ確かに人の熱を持っていた。
●
ハンスが単身、オオカミを押さえるのも限界だった。
陶器人形の後始末をカーミンに任せ、ルドルフが牽制射撃で押さえる間に、アキノがハンスのもとに駆け付け「機導浄化術・浄癒」で睡眠から回復させる。
「無理させちゃったね。もう大丈夫だよ」
「すみません、他の皆は……」
そこでモフロウの鳴き声が耳に入る。その視界がとらえたものに、ハンスは声を上げた。
「いけません、樹の上に何かがいます!!」
村人を助け起こした茜とディードリヒが、はっと顔を上げる。
シャラシャラと鳴る白い髪。雪を踏む音のような笑い声。
『その女達は、諸君の身内なのかね?』
木の枝に腰掛けたネーレが、面白そうに見下ろしていた。
ディードリヒは目線で、茜に確認する。倒れるふたりは確かに人間のようだった。
「どうでしょう、身内といえば身内のようなものでしょうか」
ディードリヒがにっこり微笑んで見せる。と同時に、茜とひとりずつを抱えて、全力でその樹から離れた。
ネーレが何か仕掛けていれば、まず避けきれなかっただろう。
だがなぜか、ネーレは相変わらず笑っていた。
『諸君は実に、面白い素材だね』
「白の君!」
マリナが縋るような声を絞り出した。ルトガーが近寄らせないように抑え込む。
パトリシアが叫んだ。
「ネーレ、これ以上マリナに優しい嘘を見せないデっ」
ネーレが声を上げて笑う。
『迷い子よ、彼らはお前の望みを全て邪魔する者のようだよ』
その言葉にマリナの顔が歪んだ。
『さて精霊の申し子たるお前達に尋ねよう。果たしてこの女を、皆が受け入れられると思うか?』
笑い声に呼応するように、木の枝から何かがいくつも垂れ下がる。潜んでいた陶器の女達がケタケタと笑い出す。
『さあ、共に連れていくがいい。私とその女の繋がりは、私が望む限り切れることはないぞ。拒絶の絶望、私はそれを見届けるのが楽しみで仕方がないのだ』
折れた氷柱が落ちるような重く鋭い音と共に、ネーレが地面に降り立った。
<了>
力なく崩れ落ちるサイモンを、天王寺茜(ka4080)が慌てて受け止める。
「あぶない!」
「おやおや、ずいぶんお疲れのご様子で」
ディードリヒ・D・ディエルマン(ka3850)も手を貸し、どうにか顔面が地面に激突するのは阻止した。
ある意味、一般人のサイモンは毒物を感知するカナリヤだった。マリナの嘆きには眠りに誘う効果があるらしい。
龍宮 アキノ(ka6831)がどこか楽しげに目を細めた。
「女の涙を原動力にするとはねぇ。酔狂すぎて面白いじゃないか」
歪虚や雑魔、覚醒者、そしてそれらにかかわるマテリアルに強い関心を抱くアキノにとっては、目の前の事象も興味深いデータに過ぎない。
「とは言っても、受けた依頼はきっちり果たすよ。村を守るのが先決さ」
白いオオカミと白い陶器の女達に守られて、マリナはしくしく泣いている。
このまま村に入れば、村中が眠りに落ちるだろう。
カーミン・S・フィールズ(ka1559)が軽く肩をすくめた。
「私には彼女こそが、伝承に聞いたネーレに見えるわよ?」
厄災を運ぶ、白い魔物。冷たい息吹で全ての温かさを奪い去る。
パトリシア=K=ポラリス(ka5996)はマリナから目をそらさず、唇を噛み締めた。
「まだ間に合うハズ。でもこれが、きっと最後のチャンスなんだヨ」
その傍らで、パトリシアの顔をそっとうかがうのはルドルフ・デネボラ(ka3749)だ。
どんなときも笑顔を失わないパトリシアが、珍しく怒っている。
怒りで思わぬ行動に走らないよう、見守るために付き添ってきたというのが正直なところだ。
村の事情には詳しくないが、とにかくパトリシアを守らねばならない。例えそれが彼女の意に背くことになったとしても。
ハンターそれぞれに事情があり、考え方がある。当然のことだ。
ハンス・ラインフェルト(ka6750)は依頼達成のため、表向きだけ繕うことは好ましくないと思う。
「正直なところ、あそこまであちら側に傾いた人間が戻って来られるとは思いません。ですが、皆様の足を引っ張ることはしないつもりですよ」
マリナがまだ「契約者」なのか、あるいは既に歪虚と化しているのか。まだ確認できていないのだ。
「まだ間に合うわ」
茜は自分に言い聞かせるように頷いた。おそらくはこれが最後のチャンス。
もしここで村人に被害が出てしまったら、戻ってこられたとしてもマリナの立つ瀬がないだろう。それぐらいなら――
茜の心を受けるようにパトリシアが囁く。
「マリナがマリナじゃなくなっちゃっタラ、パティも覚悟を決める。マリナの手を、汚させなんてしないっテ」
必要ならばその命を奪ってでも。
「ほだケド、マリナの中にマリナが残っているうちハ、諦めたりしない」
「そうね。だからここでマリナさんを奪還できるかは分からないけど、村は守らないと!」
「奪還は簡単ではないわ。それと私はこんなところで死ぬつもりはないし、依頼を受けたメンバーやオガワを死なせるつもりもないわよ」
カーミンが釘を刺した。
「考えは違って当たり前なの。マリナの考えだってわからないのよ」
カーミンは、マリナの心は歪虚自身の言葉によってしか救われないと考える。そして歪虚が、決してこちらの望む通りにはしないだろうとも。
だから歪虚を退けるか、マリナを諦めるしか、この村は救えない。
ルトガー・レイヴンルフト(ka1847)はパトリシアと茜の言葉に思う。
こんなにもマリナは大事に思われている。村の人々も皆、マリナを心配していた。
なのになぜ、マリナはあんなにも寂しがっていたのか。
(誰にも本心を明かすことができなかったのか?)
明るく、快活なマリナの孤独を、誰も知らなかったのだとしたら……。
不意にディードリヒが小さく笑った。
「失礼。ただ他人であれ自分であれ、『誰か』を想った故の願いが、その『誰か』を傷つけるとは……なんと滑稽なことかと思いましてね」
「滑稽、か」
そういう意味では、人の営みはすべて滑稽だといえよう。
「とにかく、サイモンさんを起こしておきましょうか」
ディートリヒが屈みこみ、サイモンをゆする。
茜がきっと表情を引き締め、不意にサイモンの頬をひっぱたいた。
「サイモンさん、起きて! 村に戻って、皆に家から出ないように伝えて!!」
覚醒者であれば、これで目が覚めただろう。だが一般人の抵抗力は、覚醒者と比べればゼロに等しい。
ディートリヒはサイモンを肩に担ぎあげ、優雅に身をかがめた。
「私があちらの小屋に運びます。暫し失礼を」
近くの農作業小屋にひとまず向かった。
ハンスがモフロウを空に放つ。
「この前は死角から良いようにしてやられましたからね。飛びなさい、モフロウ!」
全ての敵が見えているとは限らない。歪虚を見つけたら、その方向で騒ぐだけで敵の居場所を絞ることができる。
ハンターたちは状況と互い役割を確認する。マリナの傍には気を失った村人の女性もいる。
茜はかつての手痛い記憶を思い起こす。
「人形は爆発するわ。傍にいちゃ駄目よ!」
「ならばまず人形をあそこから引き離そう」
ルトガーが魔導バイクに跨る。
ハンスは白い大きなオオカミを見据えた。
「ではあちらは私が抑えましょう。何、モフロウの目があればそれぐらいは可能です」
ハンターたちは、それぞれの敵の動きに意識を集中する。
●
パトリシアが大きく息を吸う。
ルドルフは傍らで聖盾を構える手に力を込めた。
(ともかく、パティ。君は君のやりたい事を。サポートは俺に任せて)
パトリシアは「パラレルフォニック」の鍵盤に指を躍らせ、歌いだす。
仲間のマテリアルを活性化させ、敵の術から守る歌。
だがそこに込められたのは、今は「敵」として対峙するマリナへのメッセージだった。
(マリナ。パティはちょっと、オコなんダヨ)
一番悪いのは、洞窟にいたあの歪虚だ。
だが今まで肩を寄せ合って生きてきた仲間よりも、歪虚を選んだのはマリナ自身だ。
(それデ、マリナが大切にしていた人が傷ついてるコト、わかってる?)
泣きたいのはみんな同じ。
理不尽な運命に怒っているのも、多分同じ。
だからこそ喜びも分かち合いたいのに、なぜこんな形で向かい合わねばならないのか。
小さな子供のように泣いて、怒って。
(……ダカラ、パティはオコなのヨ。レベッカやビアンカを叱るアニタみたいにオコなのヨ)
オオカミ型の歪虚が吠える。
なぜかこの一体は、他の歪虚たちと違い、大木の近くから動かないままだ。
別のオオカミ型歪虚と陶器人形たちは、マリナを守るように一定の距離を保ちながらこちらに少しずつ近づいてくる。
パトリシアを中心にこちらも接近。今のところ誰もマリナの影響は受けていない。
「まずは数を減らしたいわね。陶器女からいくわ」
カーミンが言うと、アキノがフォトンバインダー「フロックス」を装着した腕を伸ばす。
「援護するよ。連中には興味があるしね」
カーミンは頷くとパトリシアの傍らを離れ、一気に距離を縮める。
その途中、倒れた女達の様子を窺う。
(もし吹雪の歪虚とやらが「観劇者」なら、あの村人自体が罠かもしれないけどね)
その予測が当たっていたとしても、敵の数は少ないほうが良い。
視界にとらえた2体の陶器人形が腕を振り上げる。
「人形のくせにイキがいいねぇ。こいつはあたしの研究サンプルに持って来いじゃないか」
アキノはカーミンを避けて「ファイアスローワー」の広がる炎で陶器人形の動きを牽制。
陶器人形が長い髪を振り乱し、手近のカーミンを狙う。
「ひとまずは無力化すればいいのよね」
蒼機剣「N=Fフリージア」のグリップを掌で滑らせ、刃を鞭のように分離。刃はマテリアルの鞭となって空を切り裂く。
陶器人形の腕に絡め、反対の手に握る槍斧を振り下ろすと敵の腕が肘から落ちる。
だが陶器人形は笑いながら、反対の手を氷の刃に変え、カーミンの腕の付け根へ突き込む。
だがその切っ先は何かにさえぎられたようにわずかに逸れ、カーミンの肩を掠めていった。瞬間、花弁の幻影がカーミンを包み込む。
「まだまだ……!」
守りの力に心中で感謝しつつ、体勢を立て直すと槍斧を構えなおした。
アキノは援護しつつ、涙を流すマリナを見やる。
(ハンターにも愛や友情のみならず、怒りや憎しみまで力に変えて戦う奴だっているしねぇ)
マテリアルが人間に与える影響、人間がマテリアルを取り込んで力に変える不思議。
アキノの瞳は戦いの中で、子供のような輝きを帯びていた。
この間、オオカミ型歪虚をただ一人押さえていたのはハンスである。
モフロウには引き続き周囲を監視させ、自らは攻撃できる距離まで全力で移動。
「見えるだけが敵ではないと思い知りしたからね」
仲間が村人を助けるまで、オオカミの気を引き付ける。
先んじて前に出たのは、全力で「次元斬」で切りつけるため。命中率は落ちるが、牽制になる。
攻撃を避けてオオカミの咆哮が止まれば、味方が多少は動きやすくなるはずだ。
だがマリナの泣き声が耳に届き、逆にハンスの意識が遠いていく。
(くっ、「破邪顕正」を……)
自らを縛る鎖を断ち切るには、自らの意識が覚醒していなければならない。
オオカミの太い前足が、朦朧とするハンスを殴りつけた。
●
ルトガーはバイクで回り込み、カーミンに意識を向けていた陶器人形にデルタレイを撃ち込む。
巻き込めたのは2体。1体が肩から先を失いながら、マリナに寄り添った。
顔の半分を吹き飛ばされた1体は、カーミンの挟撃を図る。
「ここは任せて、村の人を!」
ルドルフが銃弾を撃ち込みながら、茜に先へ行くよう促した。
これ以上陶器人形に攻撃を加えると、いつ爆発するかわからない。そうなると一般人が巻き込まれてしまう。
「ありがとう、先に行くわね」
茜がジェットブーツで速度を上げる。後にはサイモンを小屋に隠したディードリヒが続いた。
「やっぱり眠ったままですか?」
「マリナさんを止めればそのうち目を覚まされるでしょう」
走るふたりは、畑の端で倒れこんだ二人の女性に近づいていく。
「……ええ、マリナさんを止めることができれば」
ディードリヒは残る1体の陶器人形がマリナを促してこちらへ向かおうとしているのを認めた。
(助けたいと言う方の意見は尊重いたしますが……誰かを傷つけ尚、逃避という幻影に囚われるのなら。無傷で、と言うのは虫が良すぎますね)
だがその苦悩すら、ネーレという歪虚にとっては楽しみなのかもしれない。
今のところ、マリナ自身が誰かを傷つけたわけではない。だがあの陶器人形が、マリナごと村人を傷つける可能性もある。
ルトガーはバイクを駆り、マリナの向かう方向を塞ごうと考える。
マリナは流れる涙をぬぐおうともせず泣いていた。
何かつぶやいているようだが、声は聞こえない。
「なあ、何で泣いているんだ? 」
ルトガーはバイクを停めて声をかけた。
「どこへ行こうとしているんだ? 何かいいことがあるなら俺にも教えてくれよ」
陶器人形がマリナの耳元に何やら囁く。
ルトガーは歪虚に注意を払いつつ、マリナに語り掛けた。
「あの洞窟にあったのはキアーラ石の塊か。ずいぶん大きかったな。サイモンや村の人が知ったら喜ぶだろうな」
マリナは聞いているのかいないのか、相変わらず泣いている。
「口もききたくないほど俺たちのことが嫌なのか? 理由を教えてくれないか」
そのとき、陶器人形が動く。
マリナを盾にして半身になると、ルトガーに向けて氷の鞭を振り下ろした。
ルトガーはその攻撃を攻性防壁で受け止め、歪虚を押し込んだ。
ルドルフはその歪虚を背後から撃つ。狙い通り歪虚はその場に座り込んだ。
「これ以上は自爆の恐れがあります」
「構わん。防ぐ」
ルトガーはブラッドドレインで歪虚のマテリアルを自らの力に変える。
陶器人形は薄笑いを浮かべて自爆。その衝撃は、「ラストテリトリー」の光の障壁でルトガーが一身に受け止めた。
マリナが泣くのも忘れ、ルトガーの血が流れる顔をまじまじと見つめる。
泣き声がやんだところで、パトリシアの歌も止まる。
と思うと、駆け寄ったパトリシアはいきなりマリナの頬を平手で打った。
「マリナのバカバカバカバカっ! このままダト、ほんとに戻って来れなくなっちゃうのヨ?」
マリナの代わりのように、パトリシアの顔が泣きそうに歪む。
ルトガーは肩をすくめると、マリナの肩に手を置いた。
「なあ、今度一緒に酒を飲みに行かないか。もちろんおごりだ。その代わりと言っちゃあなんだが、マリナのことを色々と話してほしい。マリナのことを知りたいんだ」
「パティもいっぱい話したいヨ。キアーラ石を探しテ、ふたつの星空のお話をするんダヨ」
抱きしめたマリナの体は、まだ確かに人の熱を持っていた。
●
ハンスが単身、オオカミを押さえるのも限界だった。
陶器人形の後始末をカーミンに任せ、ルドルフが牽制射撃で押さえる間に、アキノがハンスのもとに駆け付け「機導浄化術・浄癒」で睡眠から回復させる。
「無理させちゃったね。もう大丈夫だよ」
「すみません、他の皆は……」
そこでモフロウの鳴き声が耳に入る。その視界がとらえたものに、ハンスは声を上げた。
「いけません、樹の上に何かがいます!!」
村人を助け起こした茜とディードリヒが、はっと顔を上げる。
シャラシャラと鳴る白い髪。雪を踏む音のような笑い声。
『その女達は、諸君の身内なのかね?』
木の枝に腰掛けたネーレが、面白そうに見下ろしていた。
ディードリヒは目線で、茜に確認する。倒れるふたりは確かに人間のようだった。
「どうでしょう、身内といえば身内のようなものでしょうか」
ディードリヒがにっこり微笑んで見せる。と同時に、茜とひとりずつを抱えて、全力でその樹から離れた。
ネーレが何か仕掛けていれば、まず避けきれなかっただろう。
だがなぜか、ネーレは相変わらず笑っていた。
『諸君は実に、面白い素材だね』
「白の君!」
マリナが縋るような声を絞り出した。ルトガーが近寄らせないように抑え込む。
パトリシアが叫んだ。
「ネーレ、これ以上マリナに優しい嘘を見せないデっ」
ネーレが声を上げて笑う。
『迷い子よ、彼らはお前の望みを全て邪魔する者のようだよ』
その言葉にマリナの顔が歪んだ。
『さて精霊の申し子たるお前達に尋ねよう。果たしてこの女を、皆が受け入れられると思うか?』
笑い声に呼応するように、木の枝から何かがいくつも垂れ下がる。潜んでいた陶器の女達がケタケタと笑い出す。
『さあ、共に連れていくがいい。私とその女の繋がりは、私が望む限り切れることはないぞ。拒絶の絶望、私はそれを見届けるのが楽しみで仕方がないのだ』
折れた氷柱が落ちるような重く鋭い音と共に、ネーレが地面に降り立った。
<了>
依頼結果
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サポート一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談するとこです。 天王寺茜(ka4080) 人間(リアルブルー)|18才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2018/05/23 18:46:29 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/05/23 18:45:11 |