ゲスト
(ka0000)
相容れない2人
マスター:DoLLer

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/05/26 15:00
- 完成日
- 2018/05/29 10:08
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
草を、千切っていた。
土を噛む根っこから引きはがして。可憐な花を咲き誇る花は叫んでいるのだろうか。
あいつならそれが分かるのだろうか。
自問自答しながらも、草は髭根すらも残さず取り除いた。あいつは望まないからだ。
「馬鹿野郎めが」
ギムレットはぼんやりと呟いた。
それは花を咲かせる草に対してであり、自分に対してであり、そしてこれを引き抜くように言いつけたあいつに対してであった。
心は丈夫な方だと思ってはいたが、涙がにじみそうになる。苦しいのか、悲しいのか、情けないのか、それとも苛立ちなのか。自分でもよく区別はつけられなかった。
汗と共に二の腕で拭うギムレットの視界が少しだけ暗くなった。あいつの影だ。
「悪い言葉を使うなら外へお行きなさい。小さな心の陰りも、森に影響してしまいます」
あいつ、アガスティアのローブも顔も、ギムレットと同じように土で汚れていた。むしろ細枝のような体躯の彼女ならば、蓄えた疲れはもっと大きいだろうに、
「この草むしりで十分心はまで汚れちまってるけどな」
心のトゲが自然と漏れ出てしまっていたことには気づいたが、それを留めておくことは弱った心にはできなかったし、そして言ってしまったことをどうにかできることもなかった。
アガスティアはその言葉に顔を曇らせた。
「分かっていたでしょう。ドクダミは繁殖力が強すぎると。人の手を入れれば調和は簡単に崩れてしまうのです」
「調和ってなんだよ。こうして手入れすることだって、お前が毎日祈りを捧げて正のマテリアルで森を満たす行為も調和から外れてるだろ」
わかってた。
それが言っちゃいけないことは。
だが、疲れ果てた心ではブレーキは効かない。
「ギムレット……」
「エルフは寿命が長すぎるんだ。お前の人生観からすれば調和なんだろう。森を生み出すのだって自分の一生で見届けることができる。植生が目まぐるしく変わって、やがて大きな森になっていくのを注意深く見守っているだけで果たされるんだろうけどな。ドワーフは違う。自分の一生じゃ見届けられないんだ」
そうしてギムレットはスコップを手にした。
「ドワーフの寿命は200年。だが、実際にゃもっと短い。だから自分の手で生み出すんだよ。自分の目で見届けるために工夫するんだ。努力するんだ。自然と違うさ。失敗だってある。今回みたいに種を撒きすぎて植生バランスが崩すこともあるさ。だけどそうでもしなきゃ、オレは森を見届けられない」
「ドワーフが心打つ作品を作るのは、その作品に魂を込め、想いを託すからでしょう。しかし森は生き物です。子供であり、兄弟であり、親であるのです。それをいたずらに自分の思い通りにしようとするのが道理ですか。失敗したら森は元に戻らないのですよ」
「子育てっていうなら、自分の想いと技術をきっちり伝えることもそうだろう。失敗を恐れて何ができるってんだ」
ここまで言い合いをしたのは多分初めてだった。
二人とも疲れているんだろうとは思っていたが、そんな自分の考えもどこか他人事のようで。
「失敗できるはずがないでしょう。命なんですよ」
「ああ、もういい! 御託は十分だ。結局、お前は自分の考えに固執してばかりだ」
ギムレットはスコップを投げ捨てて立ち上がった。
「お前の長い人生なら、オレなんかいる方が邪魔だってことだろ」
アガスティアが何かつぶやいた気がしたが、わざわざ聞き直すこともできなかった。
それより一刻でも早く、この森から出たい気持ちでいっぱいだった。
歪虚との戦いで消失してしまった森。
その原因の一端を作ったギムレットにとっては森の再生は贖罪の意味もこもっていた。
気が付けば森はギムレットに影を作るほどになっていた。
だが森はあくまでアガスティアの、エルフの住む領域だ。
自分は何だったのか。言い知れない憤怒が、培ってきた様々な思いを虚無に塗り替えていく。
ギムレットはその日、森を出た。
ハンターオフィスに自分の後始末だけを依頼して。
土を噛む根っこから引きはがして。可憐な花を咲き誇る花は叫んでいるのだろうか。
あいつならそれが分かるのだろうか。
自問自答しながらも、草は髭根すらも残さず取り除いた。あいつは望まないからだ。
「馬鹿野郎めが」
ギムレットはぼんやりと呟いた。
それは花を咲かせる草に対してであり、自分に対してであり、そしてこれを引き抜くように言いつけたあいつに対してであった。
心は丈夫な方だと思ってはいたが、涙がにじみそうになる。苦しいのか、悲しいのか、情けないのか、それとも苛立ちなのか。自分でもよく区別はつけられなかった。
汗と共に二の腕で拭うギムレットの視界が少しだけ暗くなった。あいつの影だ。
「悪い言葉を使うなら外へお行きなさい。小さな心の陰りも、森に影響してしまいます」
あいつ、アガスティアのローブも顔も、ギムレットと同じように土で汚れていた。むしろ細枝のような体躯の彼女ならば、蓄えた疲れはもっと大きいだろうに、
「この草むしりで十分心はまで汚れちまってるけどな」
心のトゲが自然と漏れ出てしまっていたことには気づいたが、それを留めておくことは弱った心にはできなかったし、そして言ってしまったことをどうにかできることもなかった。
アガスティアはその言葉に顔を曇らせた。
「分かっていたでしょう。ドクダミは繁殖力が強すぎると。人の手を入れれば調和は簡単に崩れてしまうのです」
「調和ってなんだよ。こうして手入れすることだって、お前が毎日祈りを捧げて正のマテリアルで森を満たす行為も調和から外れてるだろ」
わかってた。
それが言っちゃいけないことは。
だが、疲れ果てた心ではブレーキは効かない。
「ギムレット……」
「エルフは寿命が長すぎるんだ。お前の人生観からすれば調和なんだろう。森を生み出すのだって自分の一生で見届けることができる。植生が目まぐるしく変わって、やがて大きな森になっていくのを注意深く見守っているだけで果たされるんだろうけどな。ドワーフは違う。自分の一生じゃ見届けられないんだ」
そうしてギムレットはスコップを手にした。
「ドワーフの寿命は200年。だが、実際にゃもっと短い。だから自分の手で生み出すんだよ。自分の目で見届けるために工夫するんだ。努力するんだ。自然と違うさ。失敗だってある。今回みたいに種を撒きすぎて植生バランスが崩すこともあるさ。だけどそうでもしなきゃ、オレは森を見届けられない」
「ドワーフが心打つ作品を作るのは、その作品に魂を込め、想いを託すからでしょう。しかし森は生き物です。子供であり、兄弟であり、親であるのです。それをいたずらに自分の思い通りにしようとするのが道理ですか。失敗したら森は元に戻らないのですよ」
「子育てっていうなら、自分の想いと技術をきっちり伝えることもそうだろう。失敗を恐れて何ができるってんだ」
ここまで言い合いをしたのは多分初めてだった。
二人とも疲れているんだろうとは思っていたが、そんな自分の考えもどこか他人事のようで。
「失敗できるはずがないでしょう。命なんですよ」
「ああ、もういい! 御託は十分だ。結局、お前は自分の考えに固執してばかりだ」
ギムレットはスコップを投げ捨てて立ち上がった。
「お前の長い人生なら、オレなんかいる方が邪魔だってことだろ」
アガスティアが何かつぶやいた気がしたが、わざわざ聞き直すこともできなかった。
それより一刻でも早く、この森から出たい気持ちでいっぱいだった。
歪虚との戦いで消失してしまった森。
その原因の一端を作ったギムレットにとっては森の再生は贖罪の意味もこもっていた。
気が付けば森はギムレットに影を作るほどになっていた。
だが森はあくまでアガスティアの、エルフの住む領域だ。
自分は何だったのか。言い知れない憤怒が、培ってきた様々な思いを虚無に塗り替えていく。
ギムレットはその日、森を出た。
ハンターオフィスに自分の後始末だけを依頼して。
リプレイ本文
「あ、いた」
依頼主であるギムレットを探しに出た岩井崎 メル(ka0520)は、予想よりもずっと近い場所に彼が隠れていることに気が付いた。
ギムレットさんを探してきますね。アガスティアと挨拶をする仲間に一言告げて、歩き出して1分もしないうちというのだから、彼の内心は相当に悩ましいのだろうとメルは判断できた。
「お、おう。依頼はどうかなと思ってよ。アガスティアは細かいからお前らも面倒くさくなってないかと」
「これから。この森、とっても綺麗だね。緑が凄くきれいで勢いがあるし」
振り返って見上げる森はそんなメルの言葉に嬉しそうで、五月の爽やかな風によって木の葉を揺らしていた。
「そりゃな。全くのゼロから始めたんだ。アガスティアも俺もこいつらの為に全力を尽くしてたからな。気持ちのこもってない場所なんかどこにもないぜ」
「すごいなぁ。例えば?」
そう聞かれるとギムレットは森に足を踏み込み、木漏れ日を指さした。
「こうして歩く道は高めにして、土が踏み固められても根を傷めないようにしてる。喧嘩し合う植生はさけてバランスよく配置してるし、そのためには樹木の木漏れ日だって計算してる」
森の中で手を広げるギムレットにメルは素直に感動した。
手の広げた手に光も闇も、風も土も。命全てが詰まっているんだ。
「おっきい……」
オフィスで出会った時、ここで最初に話した瞬間の彼とは全く違う印象をメルはもった。そして彼が自然と、そして自信に満ちた足取りで森の奥へ奥へと進んでいくこと様子に嬉しくもなった。
「この森は俺の人生そのものだ」
ギムレットは興味深く聞いてくれるメルに一生懸命に説明するあまり、後ろにいるラティナ・スランザール(ka3839)に気づかずどんとその胸にぶつかってしまった。
「おう、ラティナ。すまん……んんっ!? ラティナ!?」
ラティナの顔は少し陰りのある顔だった。
「ギムレット……」
ドクダミが依頼を出さなければならないほどに大繁殖した原因は分かっていた。それは去年、自分が渡したものだろうと思うとラティナは心苦しくてたまらなかった。
「俺、アガスティアに謝ってくるよ」
「なんでお前が謝るんだよ!」
怒気よりも衝撃を受けた悲しい顔でギムレットは食って掛かった。それはギムレットに原因があると考えていることの証左だ。
「お前は色々考えて贈ってくれた品物なのに、謝るなんておかしいだろ」
「でもよ、こんなことになるなんて想定外だった……」
「お前が謝るなよっ」
胸倉をつかむ勢いのギムレットに、傍で見ていたメルは慌てて二人の間に割って入った。
「あのっ。この森すごく好きだよ。気持ちが入っているのもすごくわかるの」
自分の行動が裏目に出る時の鈍い痛み。共感すればするほど、自分の胸がえぐられるようで痛かった。
「ギムレットさんも、ラティナさんも、みんな好きだよね。この森」
「おう」
「この森をもっと好きになるお手伝いをさせてほしいの。人間関係は私はよくわからないけど、森が好きだっていう気持ちはもっと理解したい」
誰も森が嫌いなわけでもない、その想いにはメルは確信があった。
それが壊れそうだから、今、みんな仲たがいしているだけ。森が元になればきっと関係も戻るし、心の傷だって消えてくれる。
「……そうだな」
ギムレットの言葉でそのきっかけを手にした感触をメルは得た。
●
聖域として祀られるシラカシがよく見える森の広場に、木箱を積み上げて作ったテーブルに白いクロス。椅子が用意されて、横の窯ではお茶用の鍋が湯気を立てていた。美味しそうなサンドイッチや桜餅が並び、森の香気に負けない鮮やかな茶葉の香りが鼻をくすぐる。
円陣になって座るハンターの中にいるのはアガスティアだ。
「アガスティアさんもギムレットさんもお疲れでしょう、まずご自身をいたわっていただきたく」
配膳を行うユメリア(ka7010)の優しい笑顔に、謀られたと思ったギムレットも毒気を抜かれてしまった。
「だってよ、なんか……」
仲直りさせようって魂胆が見える。とは、さすがのギムレットもその先を目の前に喧嘩した相手の前で言うのは憚られた。
「ギムレットさん、アガスティアさん、見てください」
微妙な空気が流れる二人の間にルナ・レンフィールド(ka1565)がリュートを持ってきた。
「クレセントリュートSuiteって言うんです。この森でいただいた木材で作られたものです」
「まぁ」
「へぇ」
同時に感嘆の声が上がった。目を眇めて、その艶やかな木肌を眺めたり指で滑らせる。
「魔力が最大限に引き出されている……温かい。大切にされているのですね」
「こりゃあすごいな、アガスティアが選んだ樹に、一番リュートとして加工しやすい部分を選んだんだぜ」
「じゃあ二人の子供みたいなものですか」
メルがこっそり尋ねると、2人とも自信たっぷりに答えた。
「「当然だ」です」
そして言葉が重なりまた無口になる2人。これだけ近しいのに、それでも袂を別つの喧嘩をするのは不思議にメルは思った。
「とりあえずお食事にしましょうか」
エステル・クレティエ(ka3783)が紅茶を注いで差し出すと、ユメリアはその香りを楽しむようにして目を閉じた。
「繊細な香り。さすがは紅茶の魔術師ですね。ドクダミに玄米が少し……隠し味も少しあるみたい」
「わかるんですか! レイン(雨を告げる鳥(ka6258))さんと考えて作ったんですよ。サンドイッチにも合うと思います」
ユメリアの的確な香り当てに、皆も興味津々とお茶を味わい、サンドイッチを掴む。
「美味しいわ。お野菜ばかり挟んでくれているのも嬉しい」
「それに気づいて貰えることは嬉しい。肉類は好まないと感じていた」
レインはアガスティアの微笑みに少しばかり頬を緩めてた後、紅茶をすすった。喧嘩していれば食も進まないかもしれないと、創意工夫を少しでもしておいたのが功を奏したと感じた。
「ドクダミはここで採れたものである。本で掲載されるものより葉が厚く、香りが濃いのが特徴である。私は類推する。この森のドクダミもまたしっかり育てられていたのではないかと」
「ですよね。もっと早くに対処できたと思います。でも……それをしなかったし、止めもしなかったのは」
紅茶から立つ香りを見つめて分析するレインの言葉にエステルもまた頷くと、2人の間に微妙な空気の変化が生まれるが、どちらも口を開くことはなかった。
「縁を大切にしていたということですね。命を、想いを、それが縁となり緑となる」
滞る空気をふっと飛ばすように、ユメリアがそう言葉をまとめた。
「このリュートには森とお二人と人間の技術が合わさっています。異なるものが合わさって形作られることって色々あるし、そこに生きる時間は関係ないのかなって思います。音楽もそうです」
ルナそう言うと、ユメリアが立ち上がって一礼し、オカリナを吹き鳴らし始めた。
「素朴で優しい音色……」
メルが目を閉じて聞き入る。
オカリナは昔からある楽器だ。洗練されてもいない分、音域も狭い。素朴なメロディは身近であるが、すぐに覚えてしまう簡単さを感じた。
そこにルナが加わった。ユメリアの音色とは一線を画す壮麗さは音楽に疎いメルでもすぐにわかった。
「音楽の歴史を感じさせる音の違いである……」
レインもメルと同じ感想を持ってぽつりとつぶやいた。
そこにさらにラティナのバイオリンが加わる。温かみのあるビブラートを多用した音色が加わると豊かさが加わり、そしてエステルのミューズフルートが最後に加わる。
川の清らかさ、森の木漏れ日、大地のふくよかさ、風の優しさ。
森を構成するすべてが音楽の中で作り上げられていく。
「私は推測する。この森をイメージした曲であると」
「そうだな」
目を閉じても森に包まれるような感覚にギムレットとアガスティアは感じていた。みんなで目指していた森の姿が音楽で表現されている。そう考えると、胸が熱くなることがこえらることはできなかった。
そうしてアガスティアが顔に手を触れた瞬間、ルナの音色がとりわけ大きく跳ねた。
「!?」
ルナの為に作られた、専用のリュートの音域も音質も、音量も他を圧倒していた。荘厳さはまるで宮廷のオーケストラを一人でこなしているような力強さで、他の音が完全に負けてしまう。
ギムレットは黙って聞いていたが、太い眉毛はハの字になり、聞き苦しさを感じていた。
エステルも追いかけようとするが完全に息切れして笛の音が霞み、ラティナのバイオリンも振動が怒りのようで不安にさせた。
「ぶつかり合う想い……でもちょっと歩み寄ればハーモニーに変わるんです」
音色を強くしたルナが目を開いてぽつりと言った。
ゆるゆるとルナの音が弱まり、エステルのかすれた音も静かになると、不思議と調和のとれた渾然一体となった和音が響く。
その中、ユメリアのオカリナだけが明瞭に響き出す。最初からずっと変わらない素朴なメロディだ。高度に改良された楽器が主張を強くしてからは全然聞こえなかった音色だが、戻れば何よりも親しみやすい音色だと感じた。
ただ少し、全員の楽器のパートを少し足したそれは全然違う音色に変わっていた。
「森は大きくは変わらない。だが、森は皆の想いを受けて成長する。そう告げているように感じる。とすればだ、悪感情は森を傷つけ、歪めてしまうことになるだろう。ユメリアの音色はそのように語っていると考えられる」
して、二人は如何様にお考えだろう。
ウィッチハットの下から覗く透き通った瞳で見つめると、二人はなんとも恥ずかしそうな顔をしていた。
「アガスティア、すまん」
「私こそ、貴方の心を汲んであげられなかった」
互いに席を立って二人して頭を下げたのであった。
「みんなさ、助け合っている。お互い様ってやつさ。みんな違って当然だよ」
絆をつなぐようにラティナが二人の肩を抱き合わせた。
●
「これは酷い」
現場を確認したレインはきっぱり言った。
ドクダミがいっぱい生えている様子は想像した通りであるが、他の草、例えばシロツメグサ、ヨモギなどもそこかしこに見える。しかし実際は逆で元々はそうした野草が主であるはずのものを全部ドクダミが覆い隠しているのだ。
「土をひっくり返すと他の草もダメになるわけか。そりゃ手に負えんわな」
「私は提案する。まず樹木周辺を優先に、そして地下茎が侵食しないように手段を講じるべきだと。繁殖地は地図で作成している」
「さすがレインさんっ。ギムレットさん、アガスティアさん、一緒に頑張りましょう!」
メルの声掛けにギムレットは腕まくりをして答える。
「もちろんだ! 負けたりしねぇぞ」
と言って、さっそくドクダミを収穫は開始された。
それは地獄の作業であった。
ひたすら地道であり、そして他の草を傷つけないようにする作業はあっという間に昼夜を過ぎさせたが終わりは全く見えなかった。
「どうしよう……重曹持ってきたんですけど、これ撒いたら他の草もダメになってしまいますよね」
「私は心配する。重曹は浸透した部分の水分を取り込むことで枯らす。他の植栽にも影響を与える可能性はある、と」
ワークスーツに着替えたエステルなど作業は他に比べて断然早い方だが、それでも他に方法はないかと考え、ヴァニーユに載せた重曹を取り出したまでは良いが、予想通りのことをレインに言われてがっくりと肩を落とした。
「だよなぁ。これ売りだしたらいいと思ったけど……乾燥させたもんがこんなけあれば年間通して商売できちまうぜ」
ラティナもさすがに腰をぐいと伸ばしながら集めたものを確認した。乾燥させたドクダミの葉に焼酎を漬け込んだものは相当な量にはなっているが、森からすればまだほんの一部だ。
「指先が痛い……」
音楽は体育会系と言うルナですら、よれよれになった手を見つめて嘆息をこぼし、レインなどウィッチハットすらぐんにゃりと曲がる疲労具合でヨレヨレ具合だ。
「大丈夫ですか。少し休憩しましょう」
そんな時、ユメリアが水筒に入れたお茶をレインに差し出した。お茶はほのかに味と香り整えられ、とても飲みやすかった。
「桜餅もご用意しておりますので、どうぞ」
「お、俺もバクラバ持ってきてたんだった。嫁さんが唯一得意な菓子なんだよ」
小休憩に並べられた菓子を見て、エステルは少し笑いがこみ上げて、元気を取り戻した。
「先日同じですね」
「本当」
くすくす笑い合うエステルとユメリア。そしてユメリアはアガスティアに向き直った。
「このドクダミはもちろん時間と体力のある限り収穫しますけれど、全部取り切る必要はありますか?」
「え……」
「エステルさんが先にお話しした通り、これだけ繁殖する前に止められたはずですし、ギムレットさんが欲のままになさったわけでもないと思うのです」
ギムレットはそっぽを向いたが、エステルのじぃつと見つめる目に耐えきれず向き直った。その顔は少し赤らんでいるようだった。
「ドクダミは強い植物ですが、森に受け入れられなければ育つことはありません。これは受け入れられたと考えるべきでしょう。ルナさんのリュートを引き合いに出しては失礼かもしれませんが、このドクダミも森の子供。一度結んだ縁は消えません。どう活かすか、お考えいただけませんか」
「縁を消さず……活かす」
ルナはエステル持ってきた重曹を見つめると、レインもつられて重曹に視線を寄せて、そしてラティナの乾燥させている葉を見て思案を巡らせた。
「私は提案する。重曹の効果は維管束を通ることで効果がある。よって葉を刈り、傷口に塗り付ければドクダミだけを選んで効果を発揮できる」
「それですっ、ドクダミエリアは板を地中まで差し込んで囲いましょう。レインのチェックしたポイントだけエステルちゃんの重曹でやれば」
ルナの一言に沸き返り、ようやく見えた道筋に光を取り戻した顔になった。
「縁を活かす、大切なことですね。ありがとう、ユメリア」
アガスティアがの礼にユメリアは微笑んだ。
「袖触れ合うも多生の縁といいます。どんな縁もつないでいきましょう。毎日袖触れる大切な方なら尚の事、袖を濡らすことのありませんように」
大切な人を泣かせませんように。
ユメリアの言葉にアガスティアは真っ赤になって硬直してしまった。
「お、俺はそんなんじゃ、いや、えと……」
「大丈夫。ギムレットさんなら言える!」
メルにはもうわかっていた。
本当は森が誰よりも好きで、誰よりも信頼している人がいることを。
ただ愚直な自分だから。
メルにしっかりと支えられて、ギムレットは顔を上げた。
「俺は最後まで森に尽くすよ。だから」
「……これからもよろしくお願いします」
二人は改めて、頭を下げ合う様子にレインは呟いた。
「ふむ、我々は大地と太陽を巡る水となったようである」
依頼主であるギムレットを探しに出た岩井崎 メル(ka0520)は、予想よりもずっと近い場所に彼が隠れていることに気が付いた。
ギムレットさんを探してきますね。アガスティアと挨拶をする仲間に一言告げて、歩き出して1分もしないうちというのだから、彼の内心は相当に悩ましいのだろうとメルは判断できた。
「お、おう。依頼はどうかなと思ってよ。アガスティアは細かいからお前らも面倒くさくなってないかと」
「これから。この森、とっても綺麗だね。緑が凄くきれいで勢いがあるし」
振り返って見上げる森はそんなメルの言葉に嬉しそうで、五月の爽やかな風によって木の葉を揺らしていた。
「そりゃな。全くのゼロから始めたんだ。アガスティアも俺もこいつらの為に全力を尽くしてたからな。気持ちのこもってない場所なんかどこにもないぜ」
「すごいなぁ。例えば?」
そう聞かれるとギムレットは森に足を踏み込み、木漏れ日を指さした。
「こうして歩く道は高めにして、土が踏み固められても根を傷めないようにしてる。喧嘩し合う植生はさけてバランスよく配置してるし、そのためには樹木の木漏れ日だって計算してる」
森の中で手を広げるギムレットにメルは素直に感動した。
手の広げた手に光も闇も、風も土も。命全てが詰まっているんだ。
「おっきい……」
オフィスで出会った時、ここで最初に話した瞬間の彼とは全く違う印象をメルはもった。そして彼が自然と、そして自信に満ちた足取りで森の奥へ奥へと進んでいくこと様子に嬉しくもなった。
「この森は俺の人生そのものだ」
ギムレットは興味深く聞いてくれるメルに一生懸命に説明するあまり、後ろにいるラティナ・スランザール(ka3839)に気づかずどんとその胸にぶつかってしまった。
「おう、ラティナ。すまん……んんっ!? ラティナ!?」
ラティナの顔は少し陰りのある顔だった。
「ギムレット……」
ドクダミが依頼を出さなければならないほどに大繁殖した原因は分かっていた。それは去年、自分が渡したものだろうと思うとラティナは心苦しくてたまらなかった。
「俺、アガスティアに謝ってくるよ」
「なんでお前が謝るんだよ!」
怒気よりも衝撃を受けた悲しい顔でギムレットは食って掛かった。それはギムレットに原因があると考えていることの証左だ。
「お前は色々考えて贈ってくれた品物なのに、謝るなんておかしいだろ」
「でもよ、こんなことになるなんて想定外だった……」
「お前が謝るなよっ」
胸倉をつかむ勢いのギムレットに、傍で見ていたメルは慌てて二人の間に割って入った。
「あのっ。この森すごく好きだよ。気持ちが入っているのもすごくわかるの」
自分の行動が裏目に出る時の鈍い痛み。共感すればするほど、自分の胸がえぐられるようで痛かった。
「ギムレットさんも、ラティナさんも、みんな好きだよね。この森」
「おう」
「この森をもっと好きになるお手伝いをさせてほしいの。人間関係は私はよくわからないけど、森が好きだっていう気持ちはもっと理解したい」
誰も森が嫌いなわけでもない、その想いにはメルは確信があった。
それが壊れそうだから、今、みんな仲たがいしているだけ。森が元になればきっと関係も戻るし、心の傷だって消えてくれる。
「……そうだな」
ギムレットの言葉でそのきっかけを手にした感触をメルは得た。
●
聖域として祀られるシラカシがよく見える森の広場に、木箱を積み上げて作ったテーブルに白いクロス。椅子が用意されて、横の窯ではお茶用の鍋が湯気を立てていた。美味しそうなサンドイッチや桜餅が並び、森の香気に負けない鮮やかな茶葉の香りが鼻をくすぐる。
円陣になって座るハンターの中にいるのはアガスティアだ。
「アガスティアさんもギムレットさんもお疲れでしょう、まずご自身をいたわっていただきたく」
配膳を行うユメリア(ka7010)の優しい笑顔に、謀られたと思ったギムレットも毒気を抜かれてしまった。
「だってよ、なんか……」
仲直りさせようって魂胆が見える。とは、さすがのギムレットもその先を目の前に喧嘩した相手の前で言うのは憚られた。
「ギムレットさん、アガスティアさん、見てください」
微妙な空気が流れる二人の間にルナ・レンフィールド(ka1565)がリュートを持ってきた。
「クレセントリュートSuiteって言うんです。この森でいただいた木材で作られたものです」
「まぁ」
「へぇ」
同時に感嘆の声が上がった。目を眇めて、その艶やかな木肌を眺めたり指で滑らせる。
「魔力が最大限に引き出されている……温かい。大切にされているのですね」
「こりゃあすごいな、アガスティアが選んだ樹に、一番リュートとして加工しやすい部分を選んだんだぜ」
「じゃあ二人の子供みたいなものですか」
メルがこっそり尋ねると、2人とも自信たっぷりに答えた。
「「当然だ」です」
そして言葉が重なりまた無口になる2人。これだけ近しいのに、それでも袂を別つの喧嘩をするのは不思議にメルは思った。
「とりあえずお食事にしましょうか」
エステル・クレティエ(ka3783)が紅茶を注いで差し出すと、ユメリアはその香りを楽しむようにして目を閉じた。
「繊細な香り。さすがは紅茶の魔術師ですね。ドクダミに玄米が少し……隠し味も少しあるみたい」
「わかるんですか! レイン(雨を告げる鳥(ka6258))さんと考えて作ったんですよ。サンドイッチにも合うと思います」
ユメリアの的確な香り当てに、皆も興味津々とお茶を味わい、サンドイッチを掴む。
「美味しいわ。お野菜ばかり挟んでくれているのも嬉しい」
「それに気づいて貰えることは嬉しい。肉類は好まないと感じていた」
レインはアガスティアの微笑みに少しばかり頬を緩めてた後、紅茶をすすった。喧嘩していれば食も進まないかもしれないと、創意工夫を少しでもしておいたのが功を奏したと感じた。
「ドクダミはここで採れたものである。本で掲載されるものより葉が厚く、香りが濃いのが特徴である。私は類推する。この森のドクダミもまたしっかり育てられていたのではないかと」
「ですよね。もっと早くに対処できたと思います。でも……それをしなかったし、止めもしなかったのは」
紅茶から立つ香りを見つめて分析するレインの言葉にエステルもまた頷くと、2人の間に微妙な空気の変化が生まれるが、どちらも口を開くことはなかった。
「縁を大切にしていたということですね。命を、想いを、それが縁となり緑となる」
滞る空気をふっと飛ばすように、ユメリアがそう言葉をまとめた。
「このリュートには森とお二人と人間の技術が合わさっています。異なるものが合わさって形作られることって色々あるし、そこに生きる時間は関係ないのかなって思います。音楽もそうです」
ルナそう言うと、ユメリアが立ち上がって一礼し、オカリナを吹き鳴らし始めた。
「素朴で優しい音色……」
メルが目を閉じて聞き入る。
オカリナは昔からある楽器だ。洗練されてもいない分、音域も狭い。素朴なメロディは身近であるが、すぐに覚えてしまう簡単さを感じた。
そこにルナが加わった。ユメリアの音色とは一線を画す壮麗さは音楽に疎いメルでもすぐにわかった。
「音楽の歴史を感じさせる音の違いである……」
レインもメルと同じ感想を持ってぽつりとつぶやいた。
そこにさらにラティナのバイオリンが加わる。温かみのあるビブラートを多用した音色が加わると豊かさが加わり、そしてエステルのミューズフルートが最後に加わる。
川の清らかさ、森の木漏れ日、大地のふくよかさ、風の優しさ。
森を構成するすべてが音楽の中で作り上げられていく。
「私は推測する。この森をイメージした曲であると」
「そうだな」
目を閉じても森に包まれるような感覚にギムレットとアガスティアは感じていた。みんなで目指していた森の姿が音楽で表現されている。そう考えると、胸が熱くなることがこえらることはできなかった。
そうしてアガスティアが顔に手を触れた瞬間、ルナの音色がとりわけ大きく跳ねた。
「!?」
ルナの為に作られた、専用のリュートの音域も音質も、音量も他を圧倒していた。荘厳さはまるで宮廷のオーケストラを一人でこなしているような力強さで、他の音が完全に負けてしまう。
ギムレットは黙って聞いていたが、太い眉毛はハの字になり、聞き苦しさを感じていた。
エステルも追いかけようとするが完全に息切れして笛の音が霞み、ラティナのバイオリンも振動が怒りのようで不安にさせた。
「ぶつかり合う想い……でもちょっと歩み寄ればハーモニーに変わるんです」
音色を強くしたルナが目を開いてぽつりと言った。
ゆるゆるとルナの音が弱まり、エステルのかすれた音も静かになると、不思議と調和のとれた渾然一体となった和音が響く。
その中、ユメリアのオカリナだけが明瞭に響き出す。最初からずっと変わらない素朴なメロディだ。高度に改良された楽器が主張を強くしてからは全然聞こえなかった音色だが、戻れば何よりも親しみやすい音色だと感じた。
ただ少し、全員の楽器のパートを少し足したそれは全然違う音色に変わっていた。
「森は大きくは変わらない。だが、森は皆の想いを受けて成長する。そう告げているように感じる。とすればだ、悪感情は森を傷つけ、歪めてしまうことになるだろう。ユメリアの音色はそのように語っていると考えられる」
して、二人は如何様にお考えだろう。
ウィッチハットの下から覗く透き通った瞳で見つめると、二人はなんとも恥ずかしそうな顔をしていた。
「アガスティア、すまん」
「私こそ、貴方の心を汲んであげられなかった」
互いに席を立って二人して頭を下げたのであった。
「みんなさ、助け合っている。お互い様ってやつさ。みんな違って当然だよ」
絆をつなぐようにラティナが二人の肩を抱き合わせた。
●
「これは酷い」
現場を確認したレインはきっぱり言った。
ドクダミがいっぱい生えている様子は想像した通りであるが、他の草、例えばシロツメグサ、ヨモギなどもそこかしこに見える。しかし実際は逆で元々はそうした野草が主であるはずのものを全部ドクダミが覆い隠しているのだ。
「土をひっくり返すと他の草もダメになるわけか。そりゃ手に負えんわな」
「私は提案する。まず樹木周辺を優先に、そして地下茎が侵食しないように手段を講じるべきだと。繁殖地は地図で作成している」
「さすがレインさんっ。ギムレットさん、アガスティアさん、一緒に頑張りましょう!」
メルの声掛けにギムレットは腕まくりをして答える。
「もちろんだ! 負けたりしねぇぞ」
と言って、さっそくドクダミを収穫は開始された。
それは地獄の作業であった。
ひたすら地道であり、そして他の草を傷つけないようにする作業はあっという間に昼夜を過ぎさせたが終わりは全く見えなかった。
「どうしよう……重曹持ってきたんですけど、これ撒いたら他の草もダメになってしまいますよね」
「私は心配する。重曹は浸透した部分の水分を取り込むことで枯らす。他の植栽にも影響を与える可能性はある、と」
ワークスーツに着替えたエステルなど作業は他に比べて断然早い方だが、それでも他に方法はないかと考え、ヴァニーユに載せた重曹を取り出したまでは良いが、予想通りのことをレインに言われてがっくりと肩を落とした。
「だよなぁ。これ売りだしたらいいと思ったけど……乾燥させたもんがこんなけあれば年間通して商売できちまうぜ」
ラティナもさすがに腰をぐいと伸ばしながら集めたものを確認した。乾燥させたドクダミの葉に焼酎を漬け込んだものは相当な量にはなっているが、森からすればまだほんの一部だ。
「指先が痛い……」
音楽は体育会系と言うルナですら、よれよれになった手を見つめて嘆息をこぼし、レインなどウィッチハットすらぐんにゃりと曲がる疲労具合でヨレヨレ具合だ。
「大丈夫ですか。少し休憩しましょう」
そんな時、ユメリアが水筒に入れたお茶をレインに差し出した。お茶はほのかに味と香り整えられ、とても飲みやすかった。
「桜餅もご用意しておりますので、どうぞ」
「お、俺もバクラバ持ってきてたんだった。嫁さんが唯一得意な菓子なんだよ」
小休憩に並べられた菓子を見て、エステルは少し笑いがこみ上げて、元気を取り戻した。
「先日同じですね」
「本当」
くすくす笑い合うエステルとユメリア。そしてユメリアはアガスティアに向き直った。
「このドクダミはもちろん時間と体力のある限り収穫しますけれど、全部取り切る必要はありますか?」
「え……」
「エステルさんが先にお話しした通り、これだけ繁殖する前に止められたはずですし、ギムレットさんが欲のままになさったわけでもないと思うのです」
ギムレットはそっぽを向いたが、エステルのじぃつと見つめる目に耐えきれず向き直った。その顔は少し赤らんでいるようだった。
「ドクダミは強い植物ですが、森に受け入れられなければ育つことはありません。これは受け入れられたと考えるべきでしょう。ルナさんのリュートを引き合いに出しては失礼かもしれませんが、このドクダミも森の子供。一度結んだ縁は消えません。どう活かすか、お考えいただけませんか」
「縁を消さず……活かす」
ルナはエステル持ってきた重曹を見つめると、レインもつられて重曹に視線を寄せて、そしてラティナの乾燥させている葉を見て思案を巡らせた。
「私は提案する。重曹の効果は維管束を通ることで効果がある。よって葉を刈り、傷口に塗り付ければドクダミだけを選んで効果を発揮できる」
「それですっ、ドクダミエリアは板を地中まで差し込んで囲いましょう。レインのチェックしたポイントだけエステルちゃんの重曹でやれば」
ルナの一言に沸き返り、ようやく見えた道筋に光を取り戻した顔になった。
「縁を活かす、大切なことですね。ありがとう、ユメリア」
アガスティアがの礼にユメリアは微笑んだ。
「袖触れ合うも多生の縁といいます。どんな縁もつないでいきましょう。毎日袖触れる大切な方なら尚の事、袖を濡らすことのありませんように」
大切な人を泣かせませんように。
ユメリアの言葉にアガスティアは真っ赤になって硬直してしまった。
「お、俺はそんなんじゃ、いや、えと……」
「大丈夫。ギムレットさんなら言える!」
メルにはもうわかっていた。
本当は森が誰よりも好きで、誰よりも信頼している人がいることを。
ただ愚直な自分だから。
メルにしっかりと支えられて、ギムレットは顔を上げた。
「俺は最後まで森に尽くすよ。だから」
「……これからもよろしくお願いします」
二人は改めて、頭を下げ合う様子にレインは呟いた。
「ふむ、我々は大地と太陽を巡る水となったようである」
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■相談卓■ ラティナ・スランザール(ka3839) ドワーフ|19才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/05/26 03:40:04 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/05/22 20:17:54 |