• 羽冠

【羽冠】真・ベリアル最後の日

マスター:馬車猪

シナリオ形態
ショート
難易度
難しい
オプション
  • relation
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
締切
2018/06/06 19:00
完成日
2018/06/12 00:38

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 地面が揺れた。
 久しぶりの地震だなとのんびり考え、ここが日本でもリアルブルーでもないことを思い出す。
「外に出ろ崩れるぞぉっ!」
 ハンターの必死の叫びが勤務中の聖堂戦士達を追い立てる。
 事情を聞きに来た小隊長も、ハンターの形相を見て事態の深刻さを把握する。
 地下に通じる出入り口から重武装の戦士がわらわらと逃げ出してくる。
 破損してもなお立派な大規模建築からは、覚醒者ですらない研究者が真っ先に走って逃げてきた。
「学者殿、これはいったい?」
 古参戦士が恐怖で顔を青くしている。
 大型歪虚に囲まれても平然と戦い続ける彼も、初めて経験する大揺れには恐怖を感じている。
 背後では出入り口が次々に崩れ、建物の太い柱にひび割れが生じていた。
「地震じゃないよ」
 研究者が口を開く。
 ハンターが目を細め、研究者の倍近い幅を持つ戦士達が不安げに左右を見る。
「ここの地盤はすごく頑丈。多分これは……」
「ブシシシ……ブッシシシシシ……耐えた! 耐え抜いてやったぞ――!!」
 唐突に、緊張感の欠片もないだみ声が響いた。
「我ながらこの頭脳が恐ろしい。この、英邁なる私をもってすればニンゲンなど矮小な石に過ぎぬが……」
 声の発生源はゆっくり崩れていく建物の中、否、その下だ。
 建物を覆う粉塵の隙間から、てらてらと脂っぽく輝く金属が見えた気がした。
「故に! それ故にィ!! 石を投げつけられる責め苦に耐えたこの私の精神たるや、かつての私をも凌駕するゥ!!」
 刻霊ゴーレム隊による砲撃よりも五月蠅い爆発音。
 重厚な壁も天井も一気に崩れてただの残骸と化す。
 その中から、理想的な肉体美を持つ巨漢が真上に跳躍。
 真昼の太陽に眩しく照らされた。
「ブシィ!! 復活を讃えよ! 我が道を照らせよ! このベリアルの再誕を崇めるのだ、ニンゲンどもメェ!!」
 全高10メートル近い羊頭巨漢が横倒しになった柱を蹴りつけ正面の道を均す。
 朦々と舞う砂埃はベリアルが咆哮を上げるたびに弾け、その威を、あるいはその怒りを示すようだ。
「……あの女よ。まずはこの私に散々狼藉を働いてくれたあの女を喰らい尽くしてくれるゥ!」
 据えかねた憎悪を吐き出すように金属の羊は地団太を踏む。
 一見滑稽な姿。だが土を踏み抜くたびに大地が揺れ瓦礫が崩れるさまは、高位歪虚による被害そのものだ。
「あの女、とは私のことですか? この、豚が」
「ブッシシシ……よくぞ逃げ隠れせず姿を現した。褒美に我が血肉としてやろう!」
「かッ、囲め! ヴィオラ様をお守りしろ! ハンターはユニット装備を!!」
 激しい揺れは未知の脅威、強い歪虚は見慣れた敵だ。
 聖堂戦士団は分厚い盾と己の体で分厚い包囲を完成させ、ヴィオラと共にベリアルと対峙する。
「ブシシ! 今ならば雑兵に至るまでこの私が相手をしてやろう。寛大なる私が脆弱なるニンゲンに贈る復活祝いよ」
 首から下の美しさにより、羊頭ににじむ卑小さと卑劣さが強調されていた。

●金属
 自称ベリアルが地上に現れた頃、遠く離れたハンターオフィスで小さな発表会が行われていた。
「イスルダ島で回収された金属ですが」
 オフィス職員が真新しいロングソードを手に取る。
 ドワーフ作のできたてほやほやだ。
「こんな性質です」
 刀身がふにゃりと力なく垂れ下がる。
 直前までは鉄製にしか見えなかったのに、今ではまるで生ものだ。
「ジョークグッズ?」
「よければ貸してくれ」
 一線のハンターほどではないが、日常に鍛えている覚醒者が剣を受け取り気合いを込める。
 にょきり。
 擬音がつきそうな動きで雄々しく立ち上がる。
「卑猥金属?」
「儂が打ったんだけど否定できねぇわ」
「マテリアルに反応する性質が強烈ですね。少量あれば魔導機械に組み込んで性能を上げることも……」
「待ってくれ。そもそも安全なのか? 量は? 今あるので終わりなのか?」
 問われた職員は、妙に生っぽい剣を靴でぐりぐりしながら振り返る。
「取り扱いに注意は必要ですが特別な危険はないでしょう」
 聖堂教会やロッソ所属の研究者が念入りに確かめた。
 いきなり歪虚に変じるような事態は起きない、はずだ。
「量は不明です。採掘できるとしたらイスルダ島になりますが」
 歪虚が作り上げた金属である可能性も皆無ではない。
 もしそうなら、前回の調査でハンターが確保した分が最初の最後の特殊金属になる。
「歪虚が根こそぎ集めて持ってくれくれたら手間が省けるのですが」
「そんな間抜けな歪虚ばかりなら楽に戦えるでしょうね」
 聖堂教会から派遣されてきた司教が、苦笑いをしていた。

●真・ベリアル
「この肉体ィイ!!」
 CAMより一回り大きな金属像が、凄まじい速度と重量で蹴りを繰り出した。
 人体など掠っただけでも消し飛ぶ。
 ただ、その人体が高位覚醒者のものなら話は別だ。
 異様に重く頑丈なメイスが、極太の破城槌めいた足を受け流す。
 平均的な聖堂戦士程度に技があればヴィオラでも危なかっただろうが、自称ベリアルの蹴りは身体能力を活かせていかない雑なものだ。
 ヴィオラはそれ以上メイスを振るわない。
 信仰心を核にマテリアルを動かし、光の衝撃を己を中心にまき散らす。
「メ゛ェ゛エ゛!?」
 セイクリッドフラッシュが自称ベリアルの腰から下を削った。
 前半分が削れた両足では自重を支えきれず上体が揺れている。
「だァがァ! この肉体に限界はないのだよ、ブッシシシシシシ!!」
 くわ、と欲に濁った羊の目が開かれる。
 空気ではない流れが生じた。
 最近まで活発に動いていた蛇型歪虚が多数地上に姿を現し、漂う負マテリアルと一緒に吸い込まれるように巨大ベリアル像へ飛んでくる。
「この私が、十年にわたって留まったこの地で、何も用意しておらんわけがなかろうゥ!」
 負のマテリアルが金属に似た性質を持ち金属像にひっつく。
 蛇型歪虚が金属に飲み込まれ、蛇型の体積分金属像が厚みを増す。
「真なるベリアル。私の名をそう呼ぶことを特別に許そう、ニンゲンどもメェ」
 たゆん。
 倍に増した腹回りが柔らかそうに揺れる。
 足首から太股にかけても非常にしまりがない感じだ。
 ヴィオラから受けたダメージ分以上に回復はしているが、戦闘技術は低下している気がする。
「偉大なる御方、貴方様の第一の臣がニンゲンどもを手土産に今参りますぞォ!!」
 丁度そのタイミングで、準備を完了させたハンターが攻撃を開始した。

リプレイ本文

●真なるベリアル?
「効ィかァぬゥわァッ!」
 銀色の風船じみた肌がぷるんと揺れた。
 10発のミサイルが引き起こした爆発も重戦車を貫通する威力のある砲弾も金属光沢の表面を撃ち抜けない。
「再生怪人なら再生怪人らしく」
 落ち着いた白と桃の塗装のオファニムが、空のミサイルランチャーの代わりにバズーカ砲を向ける。
「大人しくやられとけーっ!」
「ブシシッ」
 CAMより一回り大きな体が真横に跳ぶ。
 読みの甘さを圧倒的な身体能力で補った回避行動だ。
 だがウーナ(ka1439)が一枚上手。
 ロケット弾の頭部が歪虚の腹にめり込み弾け、ほぼ三段腹の銀色肌を激しく揺らす。
「メ゛ェ゛ッ゛」
 怒りに燃えて反撃しようにも、ウーナの機体は70メートル以上離れているため手も足も届かない。
「野郎、奇怪なメタリックにイメチェンだと!?」
 よく言えば歴戦の風格のあるデュミナスが身振りで怒りを露わにする。
 縦横比1:3の歪虚が急加速。
 藤堂研司(ka0569)の機体との距離を一気に詰めた。
「オラこっちだ豚羊!」
 ユニット用の巨大鎖鞭を、歪虚の右足首に巻き付ける。
 自称、真・ベリアルの体勢が崩れて銀の肌がぬらりと輝いた。
「羊にメタルは100年早い! 死ねぇ!!」
 鎖は外れても崩れた体勢がすぐに元に戻ることはない。
 大口径短砲身の魔導砲が火を吹き、まだ波打っている歪虚の腹に砲弾をめり込ませた。
 もし生身のままなら胃の中身を全て吐いて身動きできなくなっただろう。
 素晴らしく機能的な体は多少のダメージなどものともせず、見た目を裏切る速度で2連続のパンチを放つ。
「甘ぇつってんだろ!」
 スラスターを吹かして2連続パンチをぎりぎりで避ける。
 丁寧に整備された傷だらけのパーツが、パンチの余波を浴びてわずかにきしんだ。
「こっちは掘り始めた。気付かれた気配は?」
 後方数百メートルにいるはずの、ミカ・コバライネン(ka0340)の声が届く。
「全くこれっぽちもなし! こいつ言動と気配は完全にベリアルだ。遠くの罠に気付くほど器用じゃねぇ」
 使用可能回数の限られたブースターを思い切り良く使用。
 歪虚から見てぎりぎり追いつけそうな位置に……ミカ達がいる場所から遠ざかる位置へ着地する。
「了解。準備が整い次第連絡する」
「頼りにしてるぜ」
 敵が振るう武力は圧倒的だ。
 緊張の汗が浮かんだ顔に、研司は意識して不敵な笑みを浮かべた。
「メェァずは一匹ィ……」
 低めの重心を活かし、速度と威力の両立した拳が放たれる。
 一呼吸に3発という高位覚醒者並の大技だ。
 とはいえ狙いの甘さは新人覚醒者並で、3発とも空を切るだけでは終わらず金属光沢の巨体が大きくバランスを崩した。
 真横から黒々とした刃が繰り出される。
 刃だけがマテリアル製のハルバードが、CAMの腰ほどもある右脚太股から脇腹にかけてを切り裂いた。
「なメェるなァッ!」
「それはこっちのセリフだ」
 馬蹄の音が聞こえる。
 離脱していくアーサー・ホーガン(ka0471)よりその音が妙に気になり、CAM2体分以上の体積を持つ歪虚が勢いよく振り向いた。
 人間が馬を駆り突進してくる。
 少なくとも姿形は人間だ。
「あの女以上のマテリアル……まさか」
「元は王国の出身者として、グランフェストの家を継ぐ者として、ケリをつけに来たぜ、ベリアル!!」
「大精霊と契約したかぁ!?」
 リュー・グランフェスト(ka2419)は鼻で笑った。
 守護者になっていたら今より強いはずだし、ヴィオラは一時的に消耗しているだけだ。
 手綱から手を放して2刀の構えをとる。
 迎え撃つ形の推定ベリアルに対し、全ての思いを込め宣言する。
「いくぜ! 豚ぁ!」
 右の魔導剣は闇を纏い、左の魔剣は水を纏う。
 比喩でなく分厚い金属がクッションになって被害を軽減しても、リューの斬撃は極太の骨まで届いていた。
「ブッシシシ! 1人で私に勝てると」
「ファースト流剛剣術、星竜!」
 闇と水が混じり合い純粋な力へ変じ、刃と化して真っ直ぐに振るわれる。
 刃が金属の肌に触れると、爆撃じみた攻撃に耐えた肌がぱくりと割れて体の芯まで切り開かれた。
「ブシィッ!?」
 四肢が痙攣する。
 意思の籠もらぬ反射的な動きは、リューの腕でも防ぎきれない可能性がある。
 だから、最初のチョップを避ける動きで一旦後退することにした。
「ミケを置いてきて正解か」
 リューならまず躱せるし万一被弾しても防御が厚いので即死はない。
 しかしミケはリューほど強くない。
 高位の歪虚が暴れる戦場で前衛の支援をするならかなりの確率で死ぬ。
「許さぬ、許さぬぞニンゲンごときがぁ――!!」
 歪虚は、逃げた。
 リューから距離をとり、今のリューよりは容易いヴィオラを狙おうとして彼女がどこにもいないのに気付く。
「真! ベェリアルッ、ローリンっ!!」
 腹立ち紛れの攻撃。
 当たりさえすればCAMのコクピットも潰れる。
 もっとも、両手を広げてくるくる回るだけの攻撃に当たるほど鈍いハンターはいない。
「アレ、モノホンのベリアルなのかな? 自分をベリアルだと思い込んでる哀れな………ゴーレムの可能性もワンチャン?」
 非戦闘員の口癖がうつっていたことに気づき、ウーナは獰猛な笑みを浮かべてボタンを押した。
 10発のミサイルが次々に着弾。
 うち1発が切り開かれたままの傷に当たって金属色の体液を噴出させる。
「ぬゥゥ!」
 頭はベリアル、体は脂身多めの屈強巨漢デザインの歪虚がくわっと目を見開く。
「第2段階飛ばして」
 負の気配が強くなる。
 半ば実体を持った、粘ついた負マテリアルが金属の肌を覆ってテラテラと光る。
「ブ、シ、シ、真・真ベリアルの姿に恐れおののけい!」
 銀の瞳がどす黒く染まる。
 大地と大気に満ちた負マテリアルが急速に歪虚へ集まり、CAMに乗っていないハンターがほんのわずかに姿勢を崩す。
 負マテリアルが際限なく吸い込まれていく。
 まさに傲慢そのものの笑い声が途切れることなく続く。
 アーサーが舌打ちをひとつ。
 マテリアルの刃を振り下ろす彼は、少し焦りはしても調子にのっているようにも見えた。
 ぽにょん、と。
 厚みと柔らかさを増した金属肌がハルバードを跳ね返す。
 アーサーの瞳に焦りが浮かび、より力強く、しかし狙いの甘い斬撃を繰り出し効果の薄い攻撃を続ける。
「チィッ! こいつを喰らえ!」
 最後の一撃は、薄い傷を刻むことすらできなかった。
 負マテリアルの吸収と変換が止まる。
 全長はそのまま、手足と胴の太さは2割増し。
 リューが大技で刻んだ傷も増えた金属で埋まっていた。
「なんてこった。これだけやっても、全部回復しちまうのかよ!」
 顎があがり逃げ腰になる。魔導二輪を後退を始める。
 羊の頭がいやらしい笑みの形になる。
 心が折れた強者は美味しい獲物だ。
 食らうのも加工するのも容易で、嬲って長く楽しむこともできる。
「こりゃ、やべぇぞ。俺達だけじゃ相手にならねぇ。ヴィオラと合流するしかねぇよ!」
 アーサーが逃げ極太金属歪虚がスキップしながら追う。
「来るな!」
 後ろに向かって振るったハルバートが、何もない場所を何度も切りつけた。

●王国の力
 謎金属歪虚とハンターが激突したとき、ヴィオラと聖堂戦士団は無言のままこっそりひっそり動いていた。
「後は任せてくれ。アンタの分まで刻み込んでやる」
 トランシーバ越しに声をかけるリューも徹底した小声だ。
 ユニット用ギリースーツ・イスルダ島対応バージョンを被せた刻令ゴーレムを盾に這うような速度で凹みへ移動。
 緊張感を保ったままミカとゴーレムの手伝いをしようとして、ミカにやんわり拒絶される。
「歪虚を警戒してくれ」
 今も警戒はしているので休憩しろいうことだ。
 刻令ゴーレムがコンテナを下ろして解体。
 それを材料に高さ3メートルの城壁じみた壁を連続で作る。
「この壁な、実はベリアルに二度薙ぎ倒されたんだ」
「当たらぬゥ! とっとと諦めるがいいわ!!」
 壁の向こう側。大外れしたパンチが乾いた地面を直撃。
 細く深い亀裂が広がり、十数メートル地下の岩盤が割れた音が微かに聞こえた。
「メ゛ェ゛ェ゛!?」
 みっちりと膨れた太鼓腹へ、光と風の斬撃が直撃する。
 リューが感じた手応えは闇水の際と同程度だが、太さと厚みと増した巨体は最初よりよく耐える。
 巨体に効く3つ目の斬撃でも致命傷には遠い。
「み、つ、け、たぁ」
 この時点でようやく壁に気付く。
 ヴィオラも聖堂戦士達も隠密の専門家ではないので、自称真・真ベリアルに常人程度に注意力があればゴーレム移動時に気付けていた。
「ブシシシシィ……首根っこ掴んで飼い殺してくれるゥ!」
 3連撃の3発目の拳が、魔導型デュミナスの腰にめり込んだ。
「チクショウ強いぞコイツ! ベリアルより強ぇ!!」
 研司の焦ったセリフは半分程度が本心だ。
 CAMとしては異様な水準で防御を固めているのに、たった1発の被弾で中破状態だ。
 回避盾と使える造りでなければコクピットまで潰されていただろう。
「ひっ、ヴィオラ助けてくれ!」
 アーサーが情けない悲鳴をあげ壁の蔭に逃げ込む。ベリアルの視界から外れた時点で、怯懦の色は消えていた。
 バリトン(ka5112)が大きな刀を振り回す。
 全長2メートル近い剛刀は何も捉えない。
 ただ、30メートル以上先に4メートル四方の斬撃空間が生じて金属の肌を切り刻んだ。
「まずいのぅ」
 自称真・真ベリアルの悲鳴を聞きながら渋い顔になる。
 敵は、桁外れに重い。
 しかも少しずつ太く重くなっている気がする。
「1メートル……いや2メートル広めに掘った方がいいかもしれん」
 非常に体格の良いバリトンでもCAMよりは目立たない。
 強力な歪虚による強烈な通信妨害で切れ切れになるトランシーバーを使い、壁の向こう側に連絡を入れた。
「ブーッシッシッシ! 私が何故強いか、愚かなるニンゲンに分かるか? それは強いからだ!!」
 外見的には敗残兵じみてぼろぼろなのに、歪虚は非常に強気だ。
「フンッ!」
 異様に固い地面を拳で抜いて、ハンターという嵐が去るのを待っていた蛇型歪虚を引きずり出した。
 蛇が必死に首を振るが力が違い過ぎる。
 金属のはずの腹が水のように蛇を受け入れ、吸い込み、強制的に同化させた。
「生命力の補填……底上げか」
 対崎 紋次郎(ka1892)は8発目の機導砲を使い、自称真・真ベリアルに比べると弱すぎる歪虚3体をまとめて消滅させた。
「本物だか偽物だか知らんが」
 R7エクスシアを走らせる。
 敵の餌をもっと減らしたかったが、敵が動くならこちらも対応する必要がある。
「歪虚なら滅ぼすだけだ。メッキ豚を始末してやろう」
 大型歪虚が怯え竦んでいるはずのアーサーを追い、攻撃ではなくただの走行で石壁を蹴り破った。
「ブシ!?」
 大重量を受け止める地面が消える。
 己の現状を理解できないまま、深さ12メートルに達する大穴に落ちてはまるはずだった。
「なメェるなと言っている!」
 左足を無理矢理後ろへ伸ばす。
 爪先を地面へ撃ち込み、右手を伸ばして反対側に手を付き落下を防ぐ。
「緩んだ肉が厄介だな」
 CAM用の巨大剣を両手で構え、諸共に穴に落ちるのも覚悟しオファニムが突撃する。
 ソレル・ユークレース(ka1693)の戦闘技術が機体へ見事に反映されて、グロリオサの刺突が腹と腰の間を貫いた。
「たぷたぷしてやがる」
 機体越しの手応えが気持ち悪い。
 強靱な金属がだらしない肉の性質を得たような、最悪の手応えだ。
「メ゛!? 卑怯者メェ!」
「お前がそのセリフを言うのかよ」
 グロリオサで蹴りを入れて機剣を引っこ抜く。
 自由な極太左手が脚部を掴もうと伸ばされる。不安定な体勢では速度が出ずソレル機に追いつけない。
 紫色の光が歪虚の足を掠めて一際大きい腹に当たる。
 金属光沢の脂身が不気味に揺れるが、巨体を支える左足と右足はしぶとく大地を掴んでいる。
「狙うと当たらないもんだな」
 紋次郎が舌打ちを堪える。
 この大型歪虚の動きが鈍く見えるのは目の錯覚でしかない。
 武術も体術も目を覆いたくなるほど低レベル。
 しかし腕力は高位歪虚の中でも上位に位置し、一瞬でも気を抜けば機体ごと潰されかねない。
「3秒後に着弾!」
「おら死ね羊豚野郎!」
 10発のミサイルが降り注ぐ。
 偽装撤退時の弱気とは正反対の強気で研司が歪虚の足に仕掛ける。
「誰だ!?」
「死ぬまで忘れていろ!」
 特大パイルバンカーな蹴りをスラスターを横に吹かすことで回避。
 大きな穴を綺麗な弧を描いて迂回し、固い地面を掴む指に正確に当てる。
「もう1発!」
 研司砲が吼える。
 精密な狙いが不可能に見える大口径短砲身で、歪んだ小指のひとつ横の指に直撃させた。
「や、やメェよ!!」
「直撃させても千切れないぃ?」
 歪虚もハンターも驚愕していた。
「いい加減に、落ちやがれ!」
 リューが左足に切りつける。
 強烈な斬撃が複数スキルで強化されたそれは、重装甲のCAMを大破させるだけの威力がある。
 なのに滑らかな表面が切断する力を受け流し、膨大な負マテリアルが籠もった鉄の肉が衝撃に耐える。
 打撃を与える度に負マテリアルが減っている気配はあるが、折り返し地点にすら到達していないことも分かってしまう。
「お偉い傲慢様のご機嫌取りも楽じゃなかったぜ」
 アーサーが顔を出す。
 情けなく逃げた男の面影はなく、タフな男の顔で飄々とハルバードを振り上げ、振り下ろす。
「メ゛ェ゛ェ゛ェ゛」
 歪虚の指先先端部を潰し、巨大重量に耐えてきた地面を斬り飛ばす。
 咄嗟に手の位置をずらして健在な地面を掴もうとするが、研司砲の2発で痺れ歪んでいるため地表表面を削るだけで終わる。
「楽しかったぜ。これからもっと楽しくなるがな」
 金属の巨体が支えをなくす。
 冷たい瞳で見下ろされ、金属の羊豚がぶるりと体を震わせた。

●真なるベリアル
 固い大地に掘られた、深さ12メートルの、穴。
 こまで大きいと穴というより地形だ。
 その中に、本体の太さと比べると細い手足を絡ませながら歪虚が落ちていく。
「い、今降伏したら勘弁してやる。特別に契約者にしてやってもよい」
 猫なで声を聞いて激高する聖堂戦士に、無言で首を掻ききる仕草をするヴィオラ。
 ハンターは特に気にすることなくミサイルと砲弾と刃を送り込んでいる。
「ベリアルよ、ニンゲンを手土産するって言ってたけどよ」
 穴掘り作戦の立役者であるミカが、鼻で笑って淡々とデルタレイを叩き込む。
「そんな手土産で本当に許して貰えるのか?」
 ヴィオラもハンターも強力な覚醒者であるが、同僚殺しで万骨枯らした将軍が名誉挽回するほどの手土産になるとは思えない。
 王国幹部級の契約者を得た可能性があると判断し、かまをかけてみたのだ。
「ブシ、ブシ、ブーッシッシッシ!」
 歪虚が腹の底から笑う。
「この肉体が本命よ! 我が意に反応して強くなるこの肉体があれば、障害など毛ほどもない!」
 これが演技なら大したものだが、本気で言っているようにしか見えなかった。
「やれやれ、もはや威厳も何もあったものじゃないの豚羊よ」
 バリトンの声に敵意は薄く、憐れみに感情がこもっている。
「しつこすぎる男は周りから呆れられるだけじゃぞ」
 介錯してやろうかと気配で示すバリトンを無視する歪虚も、最盛期の8割まで削れた体を無視することはできない。
「それは自己紹介か、湧いてくるニンゲンどもメェ!」
 手が無理矢理伸ばされ、地面を掴む前にロケット弾が着弾して何も掴めず終わる。
「私を怒らせたことぉ……魂がすり切れるまで後悔するがいい!」
 CAM全機に通信が届く。
「大規模な地震の予兆、原因は負の」
 大気の揺れが最初に到着する。
 地面が低速で波打つ。壮絶な量のマテリアルを感じた肌が粟立つ。
「雑魔を巻き込んだマテリアル津波……。雑魚を削ったのは正解だったか」
 紋次郎機が投擲動作を完了する。
 プラズマボムが穴に投げ入れられ歪虚の上半分が焼かれる。
 部位狙いに向いた武器ではないので裂傷や口には当たらない。
 一応狙えないこともないのだが、普通に攻撃した方が効率がよい場合がほとんどなのだ。
「戦士団は南を。わしは北の雑魔を狩る」
「自然災害並か。なんというか、ゾッとしねえなあ」
 ソレルも雑魔迎撃にまわる。
 ソウルトーチを使って己を目立たせ、全方位から迫る津波の一方に立ち塞がる。
「ブシ」
「シシ」
 細い蛇が、歪虚として完成していない蛇が、負マテリアルに乗って飛んでいる。
「マテリアルを食い止めるのは無理だが」
 白銀の刃が鮮やかに舞う。
 蛇型歪虚が体の一部を斬り飛ばされ、バランスを崩して次々に地面へ落ち敵意をソレルへ向ける。
「根こそぎにさせてもらうぞ、ベリアル」
 蛇の眼球に、強弱はあれど完全に同じ感情が浮かんだ。
 ソレルはまず、目の前の蛇を無視して北東へ走る。
 ベリアルの要素が薄く、自称であり真実ベリアルである歪虚よりさらに頭が悪いのでソレル機につられて移動することしかできない。
「歪虚濃度低下中」
「戦況は?」
「蛇歪虚が飛んできて負傷者多数。幻獣のお陰で生き延びられそうだ。こっちは無視して戦闘に専念よろ」
 学者は平静を装っているが、ベリアルという高位歪虚の気配に当てられ苦しそうだ。
「分かった」
 空虚な慰めは口にしない。
 地表から10から30メートルの位置に弾幕を張り、小型の蛇は潰してそこそこ大きな歪虚に向きを変えさせ地面へ落とす。
「ぬゥァ!」
 ベリアルの気配が大きくなる。
 頑丈な穴が力尽くで押し広げられる異音が響く。
「掃除にはなるしなあ、適度には吸わせておきたいな」
 学者の押し殺した悲鳴と一緒に、ユグディラの演奏や聖堂戦士の雄叫びが聞こえた。
 足を止める。
 あわせて40近い、ベリアル由来の歪虚が牙をむく。
「真の、真の、真の私にひれ伏せい!」
 負マテリアルが穴に吸い込まれるにつれ金属の体が膨張。
 膨れに膨れた腹が新たな上半身となり、たがの外れた哄笑をまき散らす。
「最終段階?」
 紋次郎は全高10メートル超えの歪虚をHMD越しに眺め、思わず小さく噴き出した。
「行かせてもいいのじゃないか」
「了解、合流させる」
 ソレルが迎撃を止め雑魔を素通りさせる。
 金属の中に蛇が吸い込まれて同化し、ベリアルの横周りがさらに増えた。
「ブ、シ、シィ!!」
 無造作に振り回される両腕が突風を巻き起こす。
 威力は王に迫るほど。
 ただし、攻撃と防御の精度は威力に反比例して低下している。
「右肘。左肘。左肘」
 部位狙いは難しい。
 しかし上半身しか動け新兵以下の技術しか持たない相手なら特に意識しなくても当たる。
 腹から下を引き抜く動作を起こりを全て潰され、腕力だけなら最高のベリアルが怒りの瞳を紋次郎へ向けた。
 総毛立つ。
 生き物としての本能が絶叫する。
 紋次郎は、思考よりも速くストライトを横っ跳びさせた。
 鉄製の瞳からビームが伸びた。
 負マテリアルを伴うため光と比べればはるかに遅い。
 それでも人間が躱すには速すぎる。
「動力部に損傷無し。戦闘継続可能」
 二の腕で焼き溶かされた左腕が地面にぶつかり鈍い音をたてる。
 羊頭に浮かんだ得意げな表情を確認し、紋次郎は対ベリアル戦の勝利を確信する。
「敵特殊攻撃のデータを送る。防げば即死はない」
 貫通力に優れた光をマテリアルライフルから放ち、異形の鉄達磨と化したベリアルの肉を削る。
「何故、何故、何ァ故跪かぬゥ!!」
 ベリアルに通信傍受の能力はない。
 分かるのは紋次郎が恐怖を感じてないことくらいだ。
「その程度のことも分からないか」
「脆弱なるニンゲンがぁ!」
 30mmアサルトライフルの銃撃を右の掌が受ける。
 結果がら空きになった右脇に、4発目のロケット弾が直撃してベリアルをのけぞらせる。
「今のうち、つっこんで!」
 ウーナの声に応えてソレル機が仕掛けた。
 ベリアルの死角から突きを仕掛け、しかし壮絶に膨れあがった腕に防がれる。
 これで右も左もがら空きだ。
「豚羊よ、息が上がっているのに気がついているか?」
 見えない斬撃がベリアルを削る。
 肉の体があった頃のことが忘れられないらしい。
 呼吸の必要もないのに口を開閉させ胸を上下させ緩んだ胸肉をぷるんと揺らす。
「メ゛、ェ゛、ェ゛、ェ゛!」
 負マテリアルの流れが速度を増す。
 しかしベリアルの体型に変化はない。
 近隣の負マテリアルを吸い尽くしたのだ。
「私が、私が、この私がぁ!!」
 みちりと、大地の穴が押し広げられベリアルの下腹が外気に触れた。
「BANG!」
 10発のミサイルが斜め後ろ上方から飛来し直撃。
 衝撃で穴の中の足が滑り、足が折りたたまれる形でベリアルが下に落ち……切らない。
「二度と出てくんな羊野郎!」
 魔導型デュミナスが鞭を縄として使いベリアルの首に引っかけ動きを乱す。
 そこはベリアルの腕の間合いだ。
 必殺の3連撃を放とうと腕に力が籠められたタイミングで、ストライトがCAMシールドを構えスラスターを前回にして突っ込んだ。
「貴様には過ぎた墓穴だ」
 ベリアルがのけぞる。
 パンチが掠めただけのストライトが真横に吹き飛ばされる。
 そして、重量に逆らう術を失った高位歪虚が完全に墓穴にはまり込んだ。
「諦めたらどうだ」
 ベリアルの手の届かない距離から次元斬を繰り出すバリトン。
 なお、大量に用意していた遠距離攻撃スキルもこれで最後だ。
 そのことに気付いたわけではないのだろうが、手の届かぬ距離から攻撃してくるハンターへベリアルの殺意が向けられた。
「い、いだ、偉大なる御方のぉ! 第一の臣たる力ぁ、ソノ身デ味ワエェッ!!」
 目標はオファニムRe:AZ-L。
 ランチャーに高威力のミサイルを再装填しているところだった。
「再生怪人の」
 ウーナの意識が加速する。
「一度外した必殺技が」
 加速した状態でも速いビームが迫る。
 間に合うよう回避を指示するだけでも、生体マテリアルを限界まで活性化させる必要がある。
「効くものかぁ!!」
 当たりはしたが、ウーナの狙い通りに直撃は回避した。
 脇腹の装甲どころかコクピットの一部まで焼き切られ、入り込んだ風がウーナの髪を揺らす。
 ベリアルが100のミサイルを浴びたかのように体が縮む。
「撃つたびに貴様自身が削られるようじゃの。後何回撃てる? 儂の勘じゃと後3……いや2発も危ないんじゃないか?」
「ワ、ワ、我ガ覇道ハァ! 決シテ、決シテ、決シテ止マラヌゥゥ!!」
 胸まで埋まった巨体がぐるりと半回転。
 ハンターに比べると余りにももろい聖堂戦士団に向け、目から極太のビームを放つ。
 強化されすぎた力に耐えきれず羊の頭部がどろりと融けた。
「運を引き寄せたか」
 いわゆるクリティカルヒットだ。
 威力は王都攻め時以上で、回避もできず大勢の戦士とひょっとしたらヴィオラも死ぬかもしれない。
「足りんな」
 魔導二輪のアクセルを踏み込みビームに割り込み、神業じみた勘でその一部を切り払う。
 威力を弱めたそれはバリトンに致命傷を与えることもできず、残余もヴィオラに防がれ無害化された。
「そろそろ幕引きだ。王国の民の無念と想い……俺が刻み込んでやる!!」
 リューの刃が融け残った羊頭を壊す。
 体前面の火傷を無視し、バリトンが剛刀で以て鉄を切り裂く。
 辛うじて生き延びていた2つの眼球に傷がつき、内部のエネルギーに耐えきらなくなり爆発。
 抉れた首元の金属が不気味に波打った。
「ワタ……ベリ……ア……イヴ……さ……」
 金属が振動して、思考の残骸を言葉にしていた。
「終わったか」
 威圧感が薄れていく。
 金属で構成された体は消えず、負のマテリアルだけが消えていく。
「黒大公のおかげで救われた奴がいて、倒せた奴がいる」
 ベリアル用の墓穴を完成させたミカが、軍団最後の生残りで部下思いではあった歪虚に声をかける。
 巨大な腕が暴れている。
 防いでも血が流れ骨が歪むがそれだけだ。
 ミカ達の容赦のない反撃が残り僅かの負マテリアルを削る。
「ありがとよ」
 区切りの言葉であり、ほんの僅かではあるが感謝も籠もっていたかもしれない。
 腕2本が突き出した巨大金属塊を残し、ベリアルの最後の断片もこの世から消滅した。

「しかしこの謎金属は……本当に謎だよな」
 奇声をあげてデータをとる学者を眺め、ソレルは大きなため息をつく。
 出発前に聞いた情報が半分でも正しいなら、今後この金属の争奪戦が始まるのかもしれない。
「よし、そっちにも蛇はいないのじゃな?」
 バリトンが積極的に戦士団と連絡をとりあっている。
 治療の跡は痛々しいが、実に充実した表情だ。
「蛇型を残して蠢動されれても面倒じゃ。禍根になり得る歪虚は全て狩るぞ」
 ベリアル縁の歪虚は、完全に一掃された。

依頼結果

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MVP一覧


  • ミカ・コバライネンka0340
  • 蒼き世界の守護者
    アーサー・ホーガンka0471
  • 龍盟の戦士
    藤堂研司ka0569

重体一覧

参加者一覧


  • ミカ・コバライネン(ka0340
    人間(蒼)|31才|男性|機導師
  • ユニットアイコン
    コクレイゴーレム「ノーム」
    刻令ゴーレム「Gnome」(ka0340unit002
    ユニット|ゴーレム
  • 蒼き世界の守護者
    アーサー・ホーガン(ka0471
    人間(蒼)|27才|男性|闘狩人
  • ユニットアイコン
    ピーター
    ピーター(ka0471unit003
    ユニット|幻獣
  • 龍盟の戦士
    藤堂研司(ka0569
    人間(蒼)|26才|男性|猟撃士
  • ユニットアイコン
    パリス
    パリス(ka0569unit002
    ユニット|CAM
  • 青竜紅刃流師範
    ウーナ(ka1439
    人間(蒼)|16才|女性|猟撃士
  • ユニットアイコン
    ラジエル
    Re:AZ-L(ka1439unit003
    ユニット|CAM
  • White Wolf
    ソレル・ユークレース(ka1693
    人間(紅)|25才|男性|闘狩人
  • ユニットアイコン
    グロリオサ
    グロリオサ(ka1693unit003
    ユニット|CAM
  • 光凛一矢
    対崎 紋次郎(ka1892
    人間(蒼)|24才|男性|機導師
  • ユニットアイコン
    ストライト
    ストライト(ka1892unit001
    ユニット|CAM
  • 巡るスズラン
    リュー・グランフェスト(ka2419
    人間(紅)|18才|男性|闘狩人
  • ユニットアイコン
    ミケ
    ミケ(ka2419unit005
    ユニット|幻獣
  • (強い)爺
    バリトン(ka5112
    人間(紅)|81才|男性|舞刀士
  • ユニットアイコン
    ユキウサギ
    ユキウサギ(ka5112unit003
    ユニット|幻獣

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 真ベリアル討伐作戦相談卓
藤堂研司(ka0569
人間(リアルブルー)|26才|男性|猟撃士(イェーガー)
最終発言
2018/06/06 00:19:18
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2018/06/02 09:39:01