ゲスト
(ka0000)
合コンを教えて
マスター:ゆくなが

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~4人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/07/06 07:30
- 完成日
- 2018/07/09 17:23
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
「時間がないと思うの」
「ていうか、もうないの」
「焦らなければならないの」
「ああ、彼氏欲しい……」
私こと、アンナ・アーレイは酒場でハンター仲間と飲んでいた。面子は全員女性。リアルブルー風に言えば女子会ということになる。
その面々が、口々に「彼氏欲しい」と言っていた。
「だって寂しいじゃない!」
立ち上がりながら1人が言う。
「なんで、私たち依頼ばっかりこなしてるわけ? どうして、異性との出会いより歪虚との出会いのほうが多いわけ? おかしい、こんなの女として間違っている!」
あまりに滔々と、現在の自分の寂しさ、色っぽい話の無さを彼女が大声で語るので、酒場の注目が彼女に集まっていた。
その彼女が、びしり、と私を指差した。
「ちょっと、アンナ、聞いてるの?」
「え、聞いてるよ? 実は、新しい装備のこと考えてたけど」
「あなた、寂しくないの? 彼氏欲しくないの?」
「んんー、別に、いいかな。依頼、楽しいし」
これは本心だった。
「はっ、仕事が趣味ってわけ? 他に趣味なり、興味のあることなりあったりしないの?」
「んんー、片付け、とか?」
先日、私はオフィスに依頼を出すことで、ハンターたちの協力のもと、汚部屋の片付けに大成功していた。
いまも、その片付いた部屋での生活は続いている。リバウンドすることもなく、日々の疲れを自分の部屋で癒している。やってみたら、掃除とか、楽しかったし。
「そんなんだと、いつのまにか、シワシワのおばあちゃんになっちゃうわよ!」
「そんな先のこと言われてもなー」
「未来なんて、あっという間に来るわよ! 覚悟しておいた方がいいんじゃなくって!?」
そうは言われても、実感がありません。
「よし、合コンをしましょう」
「はい?」
彼女は机をダンっと叩きながら言った。
「合コンして、彼氏作るの。わたしは寂しいの。これは決定事項よ。ここにいる全員参加でいいわね?」
「合コンとは?」
「リアルブルーにある男女の交流会のことよ!」
「へえ、そうなんだ……」
彼女は私たちを見回した。
他の面子はやる気充分といった様子。
「えー、私はいいよー」
「アンナ、そう強がっていられるのも今うちよ!」
またまたびしりと指差された。
そんなこんなで、この日の集まりは解散になったのでした。
数日後。私は先輩ハンターといたずら好きのコボルド退治を終えて、オフィスに報告にきていた。
2人して泥だらけになって、やっとコボルドたちを追っ払うことができたのである。疲れたけれど、心地のいい疲れだった。お酒とか飲みたいなーと思ったので、先輩を飲みに誘ったのだが、
「ごめん、彼氏が家で待っているから」
と、断られた。
「あれ、先輩彼氏いたんですか?」
「そうだよ。だから、ごめんねー。今日の依頼楽しかったよ。それじゃ」
先輩はひらひら手を振って本当に楽しそうな笑顔で帰っていった。
仕方ないので私も自分の部屋に帰った。
相変わらず、部屋は片付いている。物も増えてない。私は理想の暮らしをしている。だがしかし、この寂しさはなんだ。
「ああ、彼氏欲しい……」
まさか自分からこんな言葉が出るなんて!
私は私に驚きながら、この寂しさに付いて考えだした。
今日の依頼は楽しかった。だからこそ、先輩と語り合いたかった。でも、予定があるなら仕方ない。こんな時、話せる相手が欲しい。
私は、ネガティヴな気分になってきたので、着替えて、掃除を始めることにした。
毎日掃除をしていても、埃は積もっていく。生活の厳しさと虚しさをその堆積に感じるのだった。
そういえば、片付けの依頼をしたとき、アドバイスで「恋人を家に呼ぶと良い」というものがあったっけ。
確かに、掃除は自分のためだけど、最近はモチベーションが低下しているのも事実だ。なんとなく、掃除の手つきが雑なのである。
「恋人、か……」
彼氏がいるってどんな感じかしら。
そもそも、私、仕事以外で男の人と話すことなくない?
異性との交流の仕方、知らないんじゃない?
合コンはもうすぐだ。どうやら発起人がオフィスで手当たりしだいに男性に声をかけて人数は調達したらしい。
私には、きっと、そんなことできない。だって、仕事抜きで異性と会話するってどう言う状況? きっと無理よ。
「これは一大事よ」
いま、私は猛烈に彼氏が欲しい。
しかし、異性との交流の仕方がわからない。
つまり……。
「ハンターオフィスに依頼を出すしかないわ!」
「ていうか、もうないの」
「焦らなければならないの」
「ああ、彼氏欲しい……」
私こと、アンナ・アーレイは酒場でハンター仲間と飲んでいた。面子は全員女性。リアルブルー風に言えば女子会ということになる。
その面々が、口々に「彼氏欲しい」と言っていた。
「だって寂しいじゃない!」
立ち上がりながら1人が言う。
「なんで、私たち依頼ばっかりこなしてるわけ? どうして、異性との出会いより歪虚との出会いのほうが多いわけ? おかしい、こんなの女として間違っている!」
あまりに滔々と、現在の自分の寂しさ、色っぽい話の無さを彼女が大声で語るので、酒場の注目が彼女に集まっていた。
その彼女が、びしり、と私を指差した。
「ちょっと、アンナ、聞いてるの?」
「え、聞いてるよ? 実は、新しい装備のこと考えてたけど」
「あなた、寂しくないの? 彼氏欲しくないの?」
「んんー、別に、いいかな。依頼、楽しいし」
これは本心だった。
「はっ、仕事が趣味ってわけ? 他に趣味なり、興味のあることなりあったりしないの?」
「んんー、片付け、とか?」
先日、私はオフィスに依頼を出すことで、ハンターたちの協力のもと、汚部屋の片付けに大成功していた。
いまも、その片付いた部屋での生活は続いている。リバウンドすることもなく、日々の疲れを自分の部屋で癒している。やってみたら、掃除とか、楽しかったし。
「そんなんだと、いつのまにか、シワシワのおばあちゃんになっちゃうわよ!」
「そんな先のこと言われてもなー」
「未来なんて、あっという間に来るわよ! 覚悟しておいた方がいいんじゃなくって!?」
そうは言われても、実感がありません。
「よし、合コンをしましょう」
「はい?」
彼女は机をダンっと叩きながら言った。
「合コンして、彼氏作るの。わたしは寂しいの。これは決定事項よ。ここにいる全員参加でいいわね?」
「合コンとは?」
「リアルブルーにある男女の交流会のことよ!」
「へえ、そうなんだ……」
彼女は私たちを見回した。
他の面子はやる気充分といった様子。
「えー、私はいいよー」
「アンナ、そう強がっていられるのも今うちよ!」
またまたびしりと指差された。
そんなこんなで、この日の集まりは解散になったのでした。
数日後。私は先輩ハンターといたずら好きのコボルド退治を終えて、オフィスに報告にきていた。
2人して泥だらけになって、やっとコボルドたちを追っ払うことができたのである。疲れたけれど、心地のいい疲れだった。お酒とか飲みたいなーと思ったので、先輩を飲みに誘ったのだが、
「ごめん、彼氏が家で待っているから」
と、断られた。
「あれ、先輩彼氏いたんですか?」
「そうだよ。だから、ごめんねー。今日の依頼楽しかったよ。それじゃ」
先輩はひらひら手を振って本当に楽しそうな笑顔で帰っていった。
仕方ないので私も自分の部屋に帰った。
相変わらず、部屋は片付いている。物も増えてない。私は理想の暮らしをしている。だがしかし、この寂しさはなんだ。
「ああ、彼氏欲しい……」
まさか自分からこんな言葉が出るなんて!
私は私に驚きながら、この寂しさに付いて考えだした。
今日の依頼は楽しかった。だからこそ、先輩と語り合いたかった。でも、予定があるなら仕方ない。こんな時、話せる相手が欲しい。
私は、ネガティヴな気分になってきたので、着替えて、掃除を始めることにした。
毎日掃除をしていても、埃は積もっていく。生活の厳しさと虚しさをその堆積に感じるのだった。
そういえば、片付けの依頼をしたとき、アドバイスで「恋人を家に呼ぶと良い」というものがあったっけ。
確かに、掃除は自分のためだけど、最近はモチベーションが低下しているのも事実だ。なんとなく、掃除の手つきが雑なのである。
「恋人、か……」
彼氏がいるってどんな感じかしら。
そもそも、私、仕事以外で男の人と話すことなくない?
異性との交流の仕方、知らないんじゃない?
合コンはもうすぐだ。どうやら発起人がオフィスで手当たりしだいに男性に声をかけて人数は調達したらしい。
私には、きっと、そんなことできない。だって、仕事抜きで異性と会話するってどう言う状況? きっと無理よ。
「これは一大事よ」
いま、私は猛烈に彼氏が欲しい。
しかし、異性との交流の仕方がわからない。
つまり……。
「ハンターオフィスに依頼を出すしかないわ!」
リプレイ本文
「よう久しぶりだなぁアンナ! 元気にしてっかぁ?」
ボルディア・コンフラムス(ka0796)が元気にアンナ・アーレイの部屋の扉を開いた。
「こちらこそお久しぶりです。ボルディアさん」
お辞儀をして、今回の依頼を受けたハンターたちを迎え入れるアンナ。
その部屋は、今まで片付けられなかったのが嘘のように綺麗に整頓されていた。
「おー、リバウンドもしてないようで何よりだぜ」
ボルディアは感心感心、といった具合で部屋を見回した。
そして、適当に腰掛け、改てアンナに視線を寄越す。
「あー今度はなんだ。闘コンのやり方を教えて欲しいんだっけ?」
「あれ? 微妙に言葉が違うような……?」
「よーし、そんじゃまいっちょ大船に乗ったつもりで俺に任しとけって! キッチリ教えてやっからよ!」
ぐっと力強い笑みを見せる、ボルディアである。
「何よりも準備が肝心だ」
赤褐色の引き締まった腕を組んでボルディアは言う。
「闘コンなら全員入り乱れてのバトルロイヤルになるからな。聖導士なら防御を固めといた方がいいと思うぜ!」
「待て、ボルディア。想い人探すためだと聞いていたが何故戦う?」
冷静にツッコミを入れるのはレイア・アローネ(ka4082)だ。
「ん? だって闘コンだろ?」
「合コンと聞いていたが……いや、違和感を覚えるのは私が無知故か?」
ことの経緯を思い出すように顎に細い指を当てて考え出したレイア。やっぱり合コンだよな、と思ったレイアは依頼主のアンナを見ると、そこには、眼鏡をくいっと上げ、真剣な表情で思案する姿があった。
「……そうよね。聖導士は回復技に優れるけど、回復する前に倒されちゃったら意味ないものね……」
ボルディアの話に当てられて、アンナにはハンターとしてのスイッチが入ってしまっていたのである。
「そう言うことだ。避けられなくても、防御が高ければ耐えられる! なんで全身鎧とかがオススメ……って、なんでそんな変な顔してんだ?」
ふとボルディアが目線を上げると、怪訝な顔をした神楽(ka2032)の顔があった。
「ボルディアさん、ボルディアさん。闘コンじゃなくて、合コンっす。ある意味戦場ですけど、戦ったりしないっす。レイアさんも、そう簡単に引き下がっちゃダメっす。そして、アンナさんもすっかり聴き入っている場合じゃないっすよ!」
「はっ……! ついハンター談義が楽しくて言葉の違和感を忘れてしまうとこだったわ!」
「いや、完全に忘れてたっすよね?」
そう、今日はアンナに合コンを教える会である。
「ん……? じゃあ合コンってなんだ……?」
ボルディアが質問する側に回った。
すると、腰に手を当て、自信満々な態度の神楽の姿がそこにはあった。
「合コン王を自称する俺に任せるっす! 参加回数だけなら誰にも負けないっすよ!」
かくかくしかじか、と簡潔に神楽がボルディア、レイア、アンナに合コンの基礎を説明する。
「正直、俺が合コンに出られないのは残念だけど、仕事はキッチリこなすぜ。男の目線でどう見えるかくらいはアドバイス出来るからな」
そう、説明の最後を締めくくったのはロジャー=ウィステリアランド(ka2900)だ。
「男女が酒飲んで話するだけ~? それただの飲み会じゃねぇのか?」
ボルディアが素朴な疑問を発する。彼女には根本的に恋人を作る為の会というのが理解できないようだった。
「何言ってんすか、ボルディアさん! そこには女の子がいるんすよ!? 花園が待ってるんすよ!? こんな夢のある会、他に存在しないっすよ!?」
「そうなのかー?」
首を傾げるボルディアはやっぱり神楽の言うようなことが理解できないらしい。
「基本的にすることといえば、異性、っつーか野郎との会話だろ? そんなモンこう適当に、何の武具がいいかとか、あの時の敵は強かったとかそんなん? 俺はダチと飲む時は大体そんな話してるぜ」
「あ、それダメっす」
神楽は腕でバツ印を作って言った。
「そうなの?」
アンナもきょとんとした顔で、神楽を見る。
「血生臭い話はひかれるんで注意っす」
「そうなると、何話していいかわからないんだけど……」
「話は付け焼刃だとボロが出るんで基本は相手に話させるっす。相槌だけでなく話を広げてくんすよ。掃除と洗濯が得意だから今度掃除しに行ってあげるって言うっす!」
「そーそー。女性は難しい事は考えず相手の話を聞いて、それに受け答えしていればいい。男は皆アピールしたがりだから勝手に話しかけてくるもんだ」
ロジャーもそう、言葉を紡いだ。
アンナはそれを熱心にメモに取る。
「だから、話よりはさりげなく全員に料理取り分けたりと細かい気遣いした方がポイント高い」
びしり、と人差し指を立て、強調するようにロジャー入った。
「何よりのアピールはボディタッチっす」
「「「ボディタッチ?」」」
女性陣から一斉に疑問の声が上がった。
「そうっす! 話したり料理取ってあげる時に隙をみてしまくるっす。あ、男からもされるんで覚悟するっす!」
「どういうことだ?」
と、ボルディア。
「体を触られるくらいで、恋人ってできるものなんですか?」
今度はアンナ。
「確かに不思議だ……いや、私が無知なだけか……?」
考え込むレイア。
そこで、ぽんっとボルディアが手を打った。
「ああ! 確かに俺の防御を貫いてくる奴がいたら、そいつ気になるな! ボディタッチでアピールってそう言うことか!」
「「なるほど!!」」
「ちがーう!!!!」
ロジャーが声を大にしてツッコんだ。
「だから血生臭い話はなしって言ってるっすよね!?」
「あんたたち女性陣は自分の体の持つ素晴らしさって奴をまだ理解していないようだな……」
ロジャーはやれやれ、と額に手をあてて、それからきらりと光る青い瞳で女性陣を眺めた。
「よし、ここからはより自分の魅力……生まれ持った武器というものを知ってもらおう……」
ロジャーが持ってきた荷物から、あるものを取り出してアンナに見せた。
「とりあえず、これに着替えるんだ!」
それは非常に露出度の高いドレスだった。
●
「いい……すっごくいい……」
「変じゃないですか!? ロジャーさん、これ布面積狭くないですか!?」
アンナはロジャーが持ってきていた布面積の狭いドレスを着せられて、顔を真っ赤にしていた。
特に恥ずかしそうに、胸を隠している。
「アンナ……さては小さい胸が恥ずかしいのか?」
「ひゃああ、言わないでくださいいい!!」
「確かに男は大きい胸が好きだ俺も好きだ!」
ロジャーが断言した。
「だがそれは前提条件として性格含む元が良い場合のみ! 元が良くないと巨乳でも興奮しないし逆に元が良ければ微乳でもスレンダーでスタイルが良いとなる! その点ここにいる女性陣は全員OK!!」
ロジャーは白い歯を見せて、大いに女性陣にサムズアップした。
「あの、質問なんだけどよ」
ボルディアが少し呆れ気味に手を上げて言う。
「なんだい」
「どうして男が女もののドレスを持ってるんだ?」
「備えあれば憂いなしという奴だな!」
「確かにそうはいうが、いったい何のための備えなんだ……?」
レイアがいろいろ想像を巡らせたが、答えはわからなかった。
「ちょーっと待つっす、ロジャーさん!」
そこへ神楽が割って入った。
「アンナさんは、童顔貧乳のかわいい系。だから、俺は基本露出は抑えた方がいいと思うっす!」
「わ、私としてもこんな肌を出した服恥ずかしいわ! 神楽さんのいうような服のほうがいいです!」
「ただし胸のボタンはいつもより2つ開けてスカートは10CM短くして下着を見られる前提でいくっす。服はかわいい系なのに下着はセクシー&スタイリッシュ! 最高っす!」
「なるほど……」
顎に手を当て、目を瞑り考え込むロジャー。きっと神楽の言ったような服を着たアンナを想像しているのであろう。そして数秒後。
「……アリだな」
「そうっすよね!?」
「何を想像したの!? ていうか下着にまでアドバイスくれるの!? そして下着を見せるの!?」
「あ、アンナさん。気に入った奴は連絡先を聞くっすよ。まぁ、聞いても嘘教えられたり拒否られたり未読削除されたりするんすけどね、フフフ」
「そ、それは大事ね! メモしておかなきゃ……」
「なあ、ボルディア」
「なんだよ、レイア」
「私はゴーコンというものをよく知らない。だが、アンナを応援したいと思ってここへ来た。また、自分の社会勉強にもなると思ったからだ」
「そうだったんだな。勉強家だな、レイアは」
「だが、この状況を見て思う……これは正しい社会勉強になっているのか?」
ボルディアは黙った。
目の前には意気投合している神楽とロジャー。そして露出の多い服を着せられて顔を赤くしたまま、それでもアドバイスをメモにとっているアンナ。
「これは……あんま参考にしちゃいけねぇんじゃねぇかな?」
ボルディアは遠い目で言った。
●
「合コンといえば、なんだと思う、神楽」
「ゲームっすよね、ロジャーさん!」
「「「ゲーム?」」」
はてな、と再び首を傾げる女性陣。ちなみに、アンナはロジャーの持って来たドレスを脱ぐタイミングを失ったので、着たままである。
「基本的なことは言い終わったっす。後は場数と男になれる為に練習あるのみっす」
「つまり、今までは座学。これからは実習の時間だ……ん、なんだレイア、手を上げて。質問でもあるのか?」
「そもそもゲームをする意味とは?」
「いい質問だ。ゲームをする意味とはズバリ、コミュニケーションのためだ。異性と喋るのが苦手でも一緒に何かすることで自然と交流できるという訳だな。特に身体的接触を伴う物がいい」
「喋るだけなら身体接触はいらないと思うのだが……」
「男女で付き合うなら多かれ少なかれ身体的接触が起こる物だから早い内に触られても嫌じゃない相手かどうか見極める必要があるからで下心は少しもあるはずがないこれは必要なことなんだ」
目を泳がせながらロジャーが早口で説明する。
「そういうものか……。そういうものか……?」
果たしてそれでいいのか、レイアは迷ったように腕を組んだ。
「じゃ、アンナさん、一緒にゲームやってみましょうっす!」
「ひゃっ!」
アンナはその場で小さく飛び上がった。神楽に腰を触られたのである。
「ちょ、ちょっと神楽さん、何してるんですか!?」
「触られるのは挨拶っす! この程度で悲鳴を上げたらノリが悪いと思われるっすよ!」
「……そうね……ハンターとして駆け出しのころは怪我になれてなくて、ちょっとした怪我でもヒヤヒヤしたものだもの。それと一緒、なれればどうってことないわ……」
どこか自分に暗示をかけるように、アンナが呟いた。
「そういうことっすよ、ウヘヘヘヘヘ」
アンナを元気付けるように、神楽は彼女のむき出しの肩に手を置くが、その指は触手のようにわきわきと動いていた。
「よーし、それじゃあ試しにツイスターゲームしようぜー!」
高らかにロジャーが提案する。
「なんだよそれ」
ボルディアが胡乱な目でロジャーを見た。
簡単にロジャーがルールを説明すると、レイアが心配そうな顔をする。
「ロジャー、まだよく知りもしない異性と過度に触れ合うのはどうかと……わ、私の考えが古いだけか……?」
「いや、これは本番に備えた大事な予行なんだ。本当に大事なんだ」
「そうなのか? か、神楽、流石にこのゲームはやりすぎだよな?」
「ウヘヘ、そんなことないっす。普通のことっすよ、グヘヘ」
「そ、そんな動いたら下着が見えちゃうわ……! もっとソフトなゲームないんですか!?」
アンナもストップを入れる。
「下着を見られるのを恥ずかしがるなっす! 下着はアピールポイントだからむしろ見せに行くっす! ……けど、確かにいきなりツイスターゲームは難易度が高いかもしれないっすね。よし、それなら、みんなで王様ゲームしようっす!」
こうして、5人のハンターによる王様ゲームがはじまった。
●
「わ、私が王様……? じゃあ、4番と1番が、えっと……握手?」
王様の札を持ったアンナが申し訳なさそうに命令を下した。
すると、レイアとロジャーが握手し、そして手を離す。
「ダメっすよ、アンナさん! もっと過激な命令じゃないと盛り上がらないっす!」
「神楽、過激とはどの程度のものを言うのだろうか」
レイアがすかさず質問する。
「そりゃあ、グヘヘ、王様の命令は絶対っすから、すごいっすよ……?」
「次の王様はーっと、あ、俺だ」
続いて、王様の札を引いたのはボルディアだった。
「王様の命令は絶対なんだよな? じゃあ、2番、俺と戦え」
「何でそう血生臭い方向に持っていくんすか!?」
「あ、2番私だ」
こたえたのはアンナだ。
「よし、アンナ。ここじゃ部屋を壊しちまう。外、行こうぜ」
「近くに良い河原があるの。そこなら戦っても大丈夫だと思うわ」
眼鏡をくいっと上げて、ハンターとしてのスイッチを入れるアンナ。
「だーかーらー、違うんすよ! 王様の命令は、例えば3番が王様にキス! とかそういう奴っすよ!」
「あるいは、3番が王様に膝枕、とかな」
と、ロジャーも神楽に援護射撃をする。
「んー、なんだか合コンっていろいろ仕来りっつーか、ルールがたくさんあるんだな……」
赤い髪の毛をぐしゃぐしゃやりつつ、ボルディアは言う。
「ああ、そうだな。今回神楽やロジャーが言っただけでも、随分な情報量になる」
言いつつ、レイアも今日のことを思い返す。
「そこで思ったんだけどさ、」
と、ボルディアはアンナの方を見た。
「まぁなんつーか。彼氏作ろうとか意気込むより、もっとラクに構えて行きゃあいいんじゃねぇの?」
「楽に?」
アンナが聞き返す。
「そりゃあ、神楽やロジャーの言うことも必要な部分はあると思うけどさ。ホラ、気の合う友人を見つけるとかさ。そのくらい軽い気持ちの方がいいって」
「確かに、合コン1回した位で理想の相手に出会える可能性は高くない。何度も挑むことを前提にした方が気は楽かもな」
ロジャーもあまり1回に期待しすぎないように、とアドバイスする。
「アンナ」
レイアも青い瞳でアンナを見つめる。
「私はまだまだ知らないことが多い。今回だってゴーコンについて、私自身も学びに来たところがある。けれど、おまえを応援する気持ちは本物だ」
アンナは一度うつむき、そして髪をかきあげながら顔を上げた時には、どこか先ほどより柔らかくなった表情になっていた。
「そうね……。確かに私も肩肘張っていたみたい。もう少し気楽に行こうと思うわ」
朗らかに、アンナは笑った。
「ちょっと、疲れたわね。お茶にしましょうか」
アンナは棚からティーセットを取り出して、そう告げた。
後日、合コンの本番へ見物に行ったハンターもいたが、それはまた別のお話である。
ボルディア・コンフラムス(ka0796)が元気にアンナ・アーレイの部屋の扉を開いた。
「こちらこそお久しぶりです。ボルディアさん」
お辞儀をして、今回の依頼を受けたハンターたちを迎え入れるアンナ。
その部屋は、今まで片付けられなかったのが嘘のように綺麗に整頓されていた。
「おー、リバウンドもしてないようで何よりだぜ」
ボルディアは感心感心、といった具合で部屋を見回した。
そして、適当に腰掛け、改てアンナに視線を寄越す。
「あー今度はなんだ。闘コンのやり方を教えて欲しいんだっけ?」
「あれ? 微妙に言葉が違うような……?」
「よーし、そんじゃまいっちょ大船に乗ったつもりで俺に任しとけって! キッチリ教えてやっからよ!」
ぐっと力強い笑みを見せる、ボルディアである。
「何よりも準備が肝心だ」
赤褐色の引き締まった腕を組んでボルディアは言う。
「闘コンなら全員入り乱れてのバトルロイヤルになるからな。聖導士なら防御を固めといた方がいいと思うぜ!」
「待て、ボルディア。想い人探すためだと聞いていたが何故戦う?」
冷静にツッコミを入れるのはレイア・アローネ(ka4082)だ。
「ん? だって闘コンだろ?」
「合コンと聞いていたが……いや、違和感を覚えるのは私が無知故か?」
ことの経緯を思い出すように顎に細い指を当てて考え出したレイア。やっぱり合コンだよな、と思ったレイアは依頼主のアンナを見ると、そこには、眼鏡をくいっと上げ、真剣な表情で思案する姿があった。
「……そうよね。聖導士は回復技に優れるけど、回復する前に倒されちゃったら意味ないものね……」
ボルディアの話に当てられて、アンナにはハンターとしてのスイッチが入ってしまっていたのである。
「そう言うことだ。避けられなくても、防御が高ければ耐えられる! なんで全身鎧とかがオススメ……って、なんでそんな変な顔してんだ?」
ふとボルディアが目線を上げると、怪訝な顔をした神楽(ka2032)の顔があった。
「ボルディアさん、ボルディアさん。闘コンじゃなくて、合コンっす。ある意味戦場ですけど、戦ったりしないっす。レイアさんも、そう簡単に引き下がっちゃダメっす。そして、アンナさんもすっかり聴き入っている場合じゃないっすよ!」
「はっ……! ついハンター談義が楽しくて言葉の違和感を忘れてしまうとこだったわ!」
「いや、完全に忘れてたっすよね?」
そう、今日はアンナに合コンを教える会である。
「ん……? じゃあ合コンってなんだ……?」
ボルディアが質問する側に回った。
すると、腰に手を当て、自信満々な態度の神楽の姿がそこにはあった。
「合コン王を自称する俺に任せるっす! 参加回数だけなら誰にも負けないっすよ!」
かくかくしかじか、と簡潔に神楽がボルディア、レイア、アンナに合コンの基礎を説明する。
「正直、俺が合コンに出られないのは残念だけど、仕事はキッチリこなすぜ。男の目線でどう見えるかくらいはアドバイス出来るからな」
そう、説明の最後を締めくくったのはロジャー=ウィステリアランド(ka2900)だ。
「男女が酒飲んで話するだけ~? それただの飲み会じゃねぇのか?」
ボルディアが素朴な疑問を発する。彼女には根本的に恋人を作る為の会というのが理解できないようだった。
「何言ってんすか、ボルディアさん! そこには女の子がいるんすよ!? 花園が待ってるんすよ!? こんな夢のある会、他に存在しないっすよ!?」
「そうなのかー?」
首を傾げるボルディアはやっぱり神楽の言うようなことが理解できないらしい。
「基本的にすることといえば、異性、っつーか野郎との会話だろ? そんなモンこう適当に、何の武具がいいかとか、あの時の敵は強かったとかそんなん? 俺はダチと飲む時は大体そんな話してるぜ」
「あ、それダメっす」
神楽は腕でバツ印を作って言った。
「そうなの?」
アンナもきょとんとした顔で、神楽を見る。
「血生臭い話はひかれるんで注意っす」
「そうなると、何話していいかわからないんだけど……」
「話は付け焼刃だとボロが出るんで基本は相手に話させるっす。相槌だけでなく話を広げてくんすよ。掃除と洗濯が得意だから今度掃除しに行ってあげるって言うっす!」
「そーそー。女性は難しい事は考えず相手の話を聞いて、それに受け答えしていればいい。男は皆アピールしたがりだから勝手に話しかけてくるもんだ」
ロジャーもそう、言葉を紡いだ。
アンナはそれを熱心にメモに取る。
「だから、話よりはさりげなく全員に料理取り分けたりと細かい気遣いした方がポイント高い」
びしり、と人差し指を立て、強調するようにロジャー入った。
「何よりのアピールはボディタッチっす」
「「「ボディタッチ?」」」
女性陣から一斉に疑問の声が上がった。
「そうっす! 話したり料理取ってあげる時に隙をみてしまくるっす。あ、男からもされるんで覚悟するっす!」
「どういうことだ?」
と、ボルディア。
「体を触られるくらいで、恋人ってできるものなんですか?」
今度はアンナ。
「確かに不思議だ……いや、私が無知なだけか……?」
考え込むレイア。
そこで、ぽんっとボルディアが手を打った。
「ああ! 確かに俺の防御を貫いてくる奴がいたら、そいつ気になるな! ボディタッチでアピールってそう言うことか!」
「「なるほど!!」」
「ちがーう!!!!」
ロジャーが声を大にしてツッコんだ。
「だから血生臭い話はなしって言ってるっすよね!?」
「あんたたち女性陣は自分の体の持つ素晴らしさって奴をまだ理解していないようだな……」
ロジャーはやれやれ、と額に手をあてて、それからきらりと光る青い瞳で女性陣を眺めた。
「よし、ここからはより自分の魅力……生まれ持った武器というものを知ってもらおう……」
ロジャーが持ってきた荷物から、あるものを取り出してアンナに見せた。
「とりあえず、これに着替えるんだ!」
それは非常に露出度の高いドレスだった。
●
「いい……すっごくいい……」
「変じゃないですか!? ロジャーさん、これ布面積狭くないですか!?」
アンナはロジャーが持ってきていた布面積の狭いドレスを着せられて、顔を真っ赤にしていた。
特に恥ずかしそうに、胸を隠している。
「アンナ……さては小さい胸が恥ずかしいのか?」
「ひゃああ、言わないでくださいいい!!」
「確かに男は大きい胸が好きだ俺も好きだ!」
ロジャーが断言した。
「だがそれは前提条件として性格含む元が良い場合のみ! 元が良くないと巨乳でも興奮しないし逆に元が良ければ微乳でもスレンダーでスタイルが良いとなる! その点ここにいる女性陣は全員OK!!」
ロジャーは白い歯を見せて、大いに女性陣にサムズアップした。
「あの、質問なんだけどよ」
ボルディアが少し呆れ気味に手を上げて言う。
「なんだい」
「どうして男が女もののドレスを持ってるんだ?」
「備えあれば憂いなしという奴だな!」
「確かにそうはいうが、いったい何のための備えなんだ……?」
レイアがいろいろ想像を巡らせたが、答えはわからなかった。
「ちょーっと待つっす、ロジャーさん!」
そこへ神楽が割って入った。
「アンナさんは、童顔貧乳のかわいい系。だから、俺は基本露出は抑えた方がいいと思うっす!」
「わ、私としてもこんな肌を出した服恥ずかしいわ! 神楽さんのいうような服のほうがいいです!」
「ただし胸のボタンはいつもより2つ開けてスカートは10CM短くして下着を見られる前提でいくっす。服はかわいい系なのに下着はセクシー&スタイリッシュ! 最高っす!」
「なるほど……」
顎に手を当て、目を瞑り考え込むロジャー。きっと神楽の言ったような服を着たアンナを想像しているのであろう。そして数秒後。
「……アリだな」
「そうっすよね!?」
「何を想像したの!? ていうか下着にまでアドバイスくれるの!? そして下着を見せるの!?」
「あ、アンナさん。気に入った奴は連絡先を聞くっすよ。まぁ、聞いても嘘教えられたり拒否られたり未読削除されたりするんすけどね、フフフ」
「そ、それは大事ね! メモしておかなきゃ……」
「なあ、ボルディア」
「なんだよ、レイア」
「私はゴーコンというものをよく知らない。だが、アンナを応援したいと思ってここへ来た。また、自分の社会勉強にもなると思ったからだ」
「そうだったんだな。勉強家だな、レイアは」
「だが、この状況を見て思う……これは正しい社会勉強になっているのか?」
ボルディアは黙った。
目の前には意気投合している神楽とロジャー。そして露出の多い服を着せられて顔を赤くしたまま、それでもアドバイスをメモにとっているアンナ。
「これは……あんま参考にしちゃいけねぇんじゃねぇかな?」
ボルディアは遠い目で言った。
●
「合コンといえば、なんだと思う、神楽」
「ゲームっすよね、ロジャーさん!」
「「「ゲーム?」」」
はてな、と再び首を傾げる女性陣。ちなみに、アンナはロジャーの持って来たドレスを脱ぐタイミングを失ったので、着たままである。
「基本的なことは言い終わったっす。後は場数と男になれる為に練習あるのみっす」
「つまり、今までは座学。これからは実習の時間だ……ん、なんだレイア、手を上げて。質問でもあるのか?」
「そもそもゲームをする意味とは?」
「いい質問だ。ゲームをする意味とはズバリ、コミュニケーションのためだ。異性と喋るのが苦手でも一緒に何かすることで自然と交流できるという訳だな。特に身体的接触を伴う物がいい」
「喋るだけなら身体接触はいらないと思うのだが……」
「男女で付き合うなら多かれ少なかれ身体的接触が起こる物だから早い内に触られても嫌じゃない相手かどうか見極める必要があるからで下心は少しもあるはずがないこれは必要なことなんだ」
目を泳がせながらロジャーが早口で説明する。
「そういうものか……。そういうものか……?」
果たしてそれでいいのか、レイアは迷ったように腕を組んだ。
「じゃ、アンナさん、一緒にゲームやってみましょうっす!」
「ひゃっ!」
アンナはその場で小さく飛び上がった。神楽に腰を触られたのである。
「ちょ、ちょっと神楽さん、何してるんですか!?」
「触られるのは挨拶っす! この程度で悲鳴を上げたらノリが悪いと思われるっすよ!」
「……そうね……ハンターとして駆け出しのころは怪我になれてなくて、ちょっとした怪我でもヒヤヒヤしたものだもの。それと一緒、なれればどうってことないわ……」
どこか自分に暗示をかけるように、アンナが呟いた。
「そういうことっすよ、ウヘヘヘヘヘ」
アンナを元気付けるように、神楽は彼女のむき出しの肩に手を置くが、その指は触手のようにわきわきと動いていた。
「よーし、それじゃあ試しにツイスターゲームしようぜー!」
高らかにロジャーが提案する。
「なんだよそれ」
ボルディアが胡乱な目でロジャーを見た。
簡単にロジャーがルールを説明すると、レイアが心配そうな顔をする。
「ロジャー、まだよく知りもしない異性と過度に触れ合うのはどうかと……わ、私の考えが古いだけか……?」
「いや、これは本番に備えた大事な予行なんだ。本当に大事なんだ」
「そうなのか? か、神楽、流石にこのゲームはやりすぎだよな?」
「ウヘヘ、そんなことないっす。普通のことっすよ、グヘヘ」
「そ、そんな動いたら下着が見えちゃうわ……! もっとソフトなゲームないんですか!?」
アンナもストップを入れる。
「下着を見られるのを恥ずかしがるなっす! 下着はアピールポイントだからむしろ見せに行くっす! ……けど、確かにいきなりツイスターゲームは難易度が高いかもしれないっすね。よし、それなら、みんなで王様ゲームしようっす!」
こうして、5人のハンターによる王様ゲームがはじまった。
●
「わ、私が王様……? じゃあ、4番と1番が、えっと……握手?」
王様の札を持ったアンナが申し訳なさそうに命令を下した。
すると、レイアとロジャーが握手し、そして手を離す。
「ダメっすよ、アンナさん! もっと過激な命令じゃないと盛り上がらないっす!」
「神楽、過激とはどの程度のものを言うのだろうか」
レイアがすかさず質問する。
「そりゃあ、グヘヘ、王様の命令は絶対っすから、すごいっすよ……?」
「次の王様はーっと、あ、俺だ」
続いて、王様の札を引いたのはボルディアだった。
「王様の命令は絶対なんだよな? じゃあ、2番、俺と戦え」
「何でそう血生臭い方向に持っていくんすか!?」
「あ、2番私だ」
こたえたのはアンナだ。
「よし、アンナ。ここじゃ部屋を壊しちまう。外、行こうぜ」
「近くに良い河原があるの。そこなら戦っても大丈夫だと思うわ」
眼鏡をくいっと上げて、ハンターとしてのスイッチを入れるアンナ。
「だーかーらー、違うんすよ! 王様の命令は、例えば3番が王様にキス! とかそういう奴っすよ!」
「あるいは、3番が王様に膝枕、とかな」
と、ロジャーも神楽に援護射撃をする。
「んー、なんだか合コンっていろいろ仕来りっつーか、ルールがたくさんあるんだな……」
赤い髪の毛をぐしゃぐしゃやりつつ、ボルディアは言う。
「ああ、そうだな。今回神楽やロジャーが言っただけでも、随分な情報量になる」
言いつつ、レイアも今日のことを思い返す。
「そこで思ったんだけどさ、」
と、ボルディアはアンナの方を見た。
「まぁなんつーか。彼氏作ろうとか意気込むより、もっとラクに構えて行きゃあいいんじゃねぇの?」
「楽に?」
アンナが聞き返す。
「そりゃあ、神楽やロジャーの言うことも必要な部分はあると思うけどさ。ホラ、気の合う友人を見つけるとかさ。そのくらい軽い気持ちの方がいいって」
「確かに、合コン1回した位で理想の相手に出会える可能性は高くない。何度も挑むことを前提にした方が気は楽かもな」
ロジャーもあまり1回に期待しすぎないように、とアドバイスする。
「アンナ」
レイアも青い瞳でアンナを見つめる。
「私はまだまだ知らないことが多い。今回だってゴーコンについて、私自身も学びに来たところがある。けれど、おまえを応援する気持ちは本物だ」
アンナは一度うつむき、そして髪をかきあげながら顔を上げた時には、どこか先ほどより柔らかくなった表情になっていた。
「そうね……。確かに私も肩肘張っていたみたい。もう少し気楽に行こうと思うわ」
朗らかに、アンナは笑った。
「ちょっと、疲れたわね。お茶にしましょうか」
アンナは棚からティーセットを取り出して、そう告げた。
後日、合コンの本番へ見物に行ったハンターもいたが、それはまた別のお話である。
依頼結果
依頼成功度 | 成功 |
---|
面白かった! | 4人 |
---|
ポイントがありませんので、拍手できません
現在のあなたのポイント:-753 ※拍手1回につき1ポイントを消費します。
あなたの拍手がマスターの活力につながります。
このリプレイが面白かったと感じた人は拍手してみましょう!
MVP一覧
重体一覧
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
合コン準備~♪ ロジャー=ウィステリアランド(ka2900) 人間(クリムゾンウェスト)|19才|男性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2018/07/04 00:20:18 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/07/03 21:00:41 |