ゲスト
(ka0000)
【空蒼】情報の先にあるモノ
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/07/17 19:00
- 完成日
- 2018/07/24 04:56
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●受け取った情報
強化人間も同じ未来を見ている人間だと南雲 芙蓉は感じていた。
情報を渡すということで出会ったOF004も、秋葉原に開設されたハンターオフィスで一緒にいた天王洲 レヲナ (kz0260)も同じ人間だと思えたからだ。
VOIDと戦い、この世界を守りたいと願っているのだと。
だからこそ、現状は不安と恐怖、もどかしさで胸はいっぱいだ。
「私には力がない……のです」
トマーゾ・アルキミア(kz0214)やナディア・ドラゴネッティ(kz0207)のように知識があるわけでも、人を動かす力もない。一方で、守護者としてあるのは――なんだろう、と焦燥感が募る。
転移座標の調整やハンターや味方となる人の連絡役、それが、できることの精一杯。
「そうです、力があるか否かではないですね。この世界を守りたい気持ちと――」
芙蓉は立ち寄ったハンターオフィスの画面を見つめた。
メールが来たというアイコンが付く。
「……これは……? そこにその人たちはいる、と?」
芙蓉の目が見開かれた。
その直後、別の連絡が入る。
「教会に立てこもり? でも、そこの教会にVOIDもいると……」
芙蓉は立ち上がりかけてとどまる。
「依頼を出してもいいでしょうか……」
ズキリと胸が痛む。
「悩んでいれば、それだけ手遅れになりますね。ハンターに依頼を」
芙蓉はハンターオフィスに依頼を提出する。
誰も傷つかないといいのにと願いながら。
●依頼
ハンターオフィスにその依頼は提示される。依頼に興味を持ったハンターに職員は説明をする。
「場所はリアルブルーの日本、教会に立てこもっているのが強化人間、という話が伝わっています。あちらの警邏組織が取り囲んで、逃がさないようにはしているようです。ただ、その建物に人質となっている人間もいる可能性が高いそうです。そうでなくとも、もし、強化人間が外に出れば一般人は対抗することができません」
説明を聞くハンターはうなずく。
「その上、統一連合政府から姿を消した議員やドナテロ・バガニーニ (kz0213)がいるという情報も入っています。ただ、こちらはすこぶる嘘臭いと依頼主は思っているようです。しかし、嘘と断じることもできませんし、いるならば、保護をしなければなりません」
職員は唇をキュと結ぶ。
「あちらで南雲さんが情報を出来るだけ集めていると思われます。ですが、動くことはできませんので、限られた内容だそうです。皆さん、危険ですが……」
職員は頭を深々と下げた。まるで、親兄弟がその場にいるように。いや、いなくとも、戦いに赴かないとならないハンターに対して何もできない自分を恥じるようにも見えた。
●青年
力があればVOIDに怯えないで暮らせると思っていた。だからこそ、その被験者に挙手をし、めでたく選ばれた。
なのに? 暴走する可能性を抱えているだけでなく、護るはすの人々から敵扱いを受けているのか?
ハンターと呼ばれる異世界の者たちは味方と認識され、なぜ、俺は敵にならざるを得ないのか?
こちらから転移してハンターになった者もいるという。その者たちには絶望した先にあったのは希望だろうか?
「俺は……」
ふと、青年は思った。
力があるということは、それで人を支配下に置くこともできるのでは、と?
しかし、ハンターがいる限りそれはかなわない状況だろう。
冷静に考えると分かった。
ならば、一人でも多くの人間を殺してみればいいのか?
突拍子のないことが浮かぶ。
独りでやるのも楽しくない。パーティーは多くの人間とやるべきことなのだ。
馬が合う二人に声をかけた。そうすると二人は乗ってくれた。どういう計画にするかは、あっさり決まった。
目立ち、恐怖におびえるならばどん底に行けばいいと願い、人も殺せるだろう計画だ。
だから、教会に向かった。
そこにはなぜか異形がすでにあちこちいた。
身構えたが、彼らに興味を持たない様子だ。赤いそれらは教会の入り口でうねっているだけ。礼拝堂の扉を開けると、それらはうねりながら入っていく。
「ハハハ、VOIDだろう、こいつら? 俺たちナカマって認知されてるのか! 開けてやったのは俺だぜ? お礼……いや、VOIDの恩返しってあるのか?」
「先輩、笑いすぎ」
「でもさー、せっかくならパーとしないと面白くないよ?」
一緒にいる少年が肩をすくめ、少女が唇を尖らせる。
青年は誰もいない礼拝堂で、奥に続く扉の当たりで発砲した。
教会のどこかで悲鳴が上がった。
「人質の確保」
「了解!」
青年に言われると二人は素早く動いた。二人はすぐに一人捕まえもう一人捕まえ戻ってきた。
大人四人が怯える顔で一行を見る。
青年はゾクゾクする感覚に唇の端が吊り上がる。
どう、残虐にすればいい?
「牧師様は十字架にかけて差し上げようっ!」
「あなたっ」
牧師の妻が思わず動いた。その瞬間、その喉笛が掻っ切られた――。
強化人間も同じ未来を見ている人間だと南雲 芙蓉は感じていた。
情報を渡すということで出会ったOF004も、秋葉原に開設されたハンターオフィスで一緒にいた天王洲 レヲナ (kz0260)も同じ人間だと思えたからだ。
VOIDと戦い、この世界を守りたいと願っているのだと。
だからこそ、現状は不安と恐怖、もどかしさで胸はいっぱいだ。
「私には力がない……のです」
トマーゾ・アルキミア(kz0214)やナディア・ドラゴネッティ(kz0207)のように知識があるわけでも、人を動かす力もない。一方で、守護者としてあるのは――なんだろう、と焦燥感が募る。
転移座標の調整やハンターや味方となる人の連絡役、それが、できることの精一杯。
「そうです、力があるか否かではないですね。この世界を守りたい気持ちと――」
芙蓉は立ち寄ったハンターオフィスの画面を見つめた。
メールが来たというアイコンが付く。
「……これは……? そこにその人たちはいる、と?」
芙蓉の目が見開かれた。
その直後、別の連絡が入る。
「教会に立てこもり? でも、そこの教会にVOIDもいると……」
芙蓉は立ち上がりかけてとどまる。
「依頼を出してもいいでしょうか……」
ズキリと胸が痛む。
「悩んでいれば、それだけ手遅れになりますね。ハンターに依頼を」
芙蓉はハンターオフィスに依頼を提出する。
誰も傷つかないといいのにと願いながら。
●依頼
ハンターオフィスにその依頼は提示される。依頼に興味を持ったハンターに職員は説明をする。
「場所はリアルブルーの日本、教会に立てこもっているのが強化人間、という話が伝わっています。あちらの警邏組織が取り囲んで、逃がさないようにはしているようです。ただ、その建物に人質となっている人間もいる可能性が高いそうです。そうでなくとも、もし、強化人間が外に出れば一般人は対抗することができません」
説明を聞くハンターはうなずく。
「その上、統一連合政府から姿を消した議員やドナテロ・バガニーニ (kz0213)がいるという情報も入っています。ただ、こちらはすこぶる嘘臭いと依頼主は思っているようです。しかし、嘘と断じることもできませんし、いるならば、保護をしなければなりません」
職員は唇をキュと結ぶ。
「あちらで南雲さんが情報を出来るだけ集めていると思われます。ですが、動くことはできませんので、限られた内容だそうです。皆さん、危険ですが……」
職員は頭を深々と下げた。まるで、親兄弟がその場にいるように。いや、いなくとも、戦いに赴かないとならないハンターに対して何もできない自分を恥じるようにも見えた。
●青年
力があればVOIDに怯えないで暮らせると思っていた。だからこそ、その被験者に挙手をし、めでたく選ばれた。
なのに? 暴走する可能性を抱えているだけでなく、護るはすの人々から敵扱いを受けているのか?
ハンターと呼ばれる異世界の者たちは味方と認識され、なぜ、俺は敵にならざるを得ないのか?
こちらから転移してハンターになった者もいるという。その者たちには絶望した先にあったのは希望だろうか?
「俺は……」
ふと、青年は思った。
力があるということは、それで人を支配下に置くこともできるのでは、と?
しかし、ハンターがいる限りそれはかなわない状況だろう。
冷静に考えると分かった。
ならば、一人でも多くの人間を殺してみればいいのか?
突拍子のないことが浮かぶ。
独りでやるのも楽しくない。パーティーは多くの人間とやるべきことなのだ。
馬が合う二人に声をかけた。そうすると二人は乗ってくれた。どういう計画にするかは、あっさり決まった。
目立ち、恐怖におびえるならばどん底に行けばいいと願い、人も殺せるだろう計画だ。
だから、教会に向かった。
そこにはなぜか異形がすでにあちこちいた。
身構えたが、彼らに興味を持たない様子だ。赤いそれらは教会の入り口でうねっているだけ。礼拝堂の扉を開けると、それらはうねりながら入っていく。
「ハハハ、VOIDだろう、こいつら? 俺たちナカマって認知されてるのか! 開けてやったのは俺だぜ? お礼……いや、VOIDの恩返しってあるのか?」
「先輩、笑いすぎ」
「でもさー、せっかくならパーとしないと面白くないよ?」
一緒にいる少年が肩をすくめ、少女が唇を尖らせる。
青年は誰もいない礼拝堂で、奥に続く扉の当たりで発砲した。
教会のどこかで悲鳴が上がった。
「人質の確保」
「了解!」
青年に言われると二人は素早く動いた。二人はすぐに一人捕まえもう一人捕まえ戻ってきた。
大人四人が怯える顔で一行を見る。
青年はゾクゾクする感覚に唇の端が吊り上がる。
どう、残虐にすればいい?
「牧師様は十字架にかけて差し上げようっ!」
「あなたっ」
牧師の妻が思わず動いた。その瞬間、その喉笛が掻っ切られた――。
リプレイ本文
●二手に
ハンターたちは目標の建物から見えにくいところで、まずは連絡手段の調整を行う。相手は軍属であったため、どの程度か不明でも何かしらの訓練は受けていたと推測はできる。それに、犯人のリストにある人物は耳が良いという特徴を持つ者もあった。ただし、良いといってもどこまでかは不明であり、用心してしすぎることはない。
アーサー・ホーガン(ka0471)が作戦の概要を述べる。
「俺とマリナが裏から行く。正面班はひとまずは待機」
マリナ アルフェウス(ka6934)は表情なく「了解した」とうなずく。
「立てこもりとはまた面倒な。ただ倒すだけなら楽だが、人質の救助は必要。他のオーダーもあれば、従おう」
マリナは淡々とした声音で言う。
フワ ハヤテ(ka0004)は明るい表情で了解の旨を示す。
「何がいるかわからないからね、気は引き締めるよ。ただ、また彼らなのかい? 最近多いね。まあ仕方がないことかもしれないが」
ハヤテは肩をすくめる。飄々とした口調により、その心情がどこにあるかわからない。しかし、心情がどこにあろうとも、することは決まっていた。
一方、星野 ハナ(ka5852)はにこやかな顔であるが、口から出た言葉は物騒だった。
「私ぃ、人を楽しんで殺す奴は死ねばいいと思いますぅ。強化人間だろうが快楽殺人者だろうが、全員ブッコロですっ!」
一行が硬直する。
「まあ、な、状況にはよるな。人質がいるわけだから……。彼らは心が折れて自棄になったのか」
アーサーが人質の命優先を確認するが、ふと、犯人となっているものへの言葉が漏れた。
「分かってますよー。状況がわからないですしぃ、とどめは積極的にはさしませんよ? もし、殺すことを楽しんでいるならば、ってことですぅ」
ハナの真意が伝わり、全員の意見が一致はした。
セレスティア(ka2691)は教会を見据える。
「そうですね状況が明確ではありませんね。人質の扱いがどうであるか、立てこもり犯がどこにいるか……礼拝堂にいるという話ですが、移動している可能性もあるのですね?」
その発言にアシェ-ル(ka2983)は元気よく手をあげる。前もって依頼人でもある南雲 芙蓉にこの建物の設計図等があるかを確認していたのだ。
「どこに誰がいるかはわからないですが、隠密行動するにも役に立つと思います……ただ、本当にこんなところにドロテア議長とかいるのでしょうか」
設計図ではないが、見取り図のコピーが取り出された。
ドナテロ・バガニーニ (kz0213)と幾人かの議員の行方が知れない上、ここにいるという謎の情報もあってきたのだ。アシェ-ルは見取り図を見て、より一層いる理由が見つからないという意識だった。
「しかし、人質がいるならば優先して助けないとなりません」
アシェ-ルは議長らの情報があっているか否かより、目の前の事件がまずは重要だととらえた。
「奥から俺たちが入り、挟撃できることを考えよう……もし、移動とかしていれば、その時点で何らかのことがわかるだろう」
アーサーの確認に否定はなく、全員が了承の旨を示した。
●空飛ぶ箒とソリ
アーサーは箒にまたがり、マリナはフライングスレッドで居住区の裏口に向かう。できる限り、教会から離れ、回り込む。
音は出なくとも目視される問題もある。礼拝堂のガラス部分は特に危険であるが、幸いなのは周囲にビルがあるため回り込むことはできた。一
彼ら礼拝堂にいた。
「外には人がいたよな」
「一応侵入されていないか見回ってくる」
少年は廊下に出た。
残った二人は牧師を十字架に押し付け、その手に杭を打つ。牧師の悲鳴が上がる。
少年は外の音を聞いて、思わず大きな息を吐いた。そのあと、外でも近くで音がする気がしたため、確認をしに足を向けた。
教会の外で待つ者は悲鳴を聞く。
「中から悲鳴が聞こえます」
セレスティアは今にも飛び出しそうな様子で隠密を取る二人に連絡を取る。
「今、鍵を」
マリナが短い言葉で応える。
もどかしいところだが、急いで音を立てれば容易に相手に気づかれる。
「落ち着きましょう。失敗したら、悲鳴では済みません」
「そうだよ、焦りは禁物だよ」
アシェ-ルとハヤテが告げると、セレスティアは深呼吸をした。
「ふっふっふ、彼らが何かすればするほど、私の符が火を噴くのですぅ」
ハナの一言は聞くものに恐怖が生じさせたかもしれない。
鍵を開け終えたアーサーはまず聞き耳を立てる。行けそうだと判断し、扉をゆっくり開ける。音を立てないことが第一である。
マリナは中に入る旨を連絡した後、建物に近づき、アーサーに続いた。ソリはひとまず、脇に置く。
台所から廊下に続くだろう扉に用心深く近づいた。床がミシリと音を立てる為、細心の用心を払って進む。
扉で再び音を確かめる。
誰かいるような気配があった。
マリナには食器棚の陰に隠れるように指示を出す。一方でアーサーは扉が開いた瞬間に対応できる位置でこぶしを固めた。
マリナは念のため銃を抜けるようにしておく。必要があればすぐに発砲できるように。
少年は台所に向かう。
(先輩……相当、キレてる)
礼拝堂の音を聞き、それがいいか悪いかよりも、自暴自棄になりたくなる気持ちは理解した。自分のやってきたことに自信が持てないのは事実で、先輩についてここに来たのだ。
(VOIDには対抗できるかもしれない……けれども)
各地で起こったことや噂は彼の気持ちも揺さぶった。だからこそ、先輩の言葉に乗って事件を起こしてみようと考えたのだ。
音は鍵を開けているようにも聞こえる。しかし、確認しないで報告すれば、それはただの無能だ。だから、台所の扉を開けたのだった。
扉が開き始めた瞬間、アーサーは覚醒状態になり、マテリアルを用いた攻撃を行う。相手は不意打ちに回避しようとしたが間に合わず、攻撃を食らった。あっさりと倒れた為、アーサーが不安になるほどだった。
息があること、変な装備を付けていないことを確認して縛り上げ、猿轡をかます。
マリナはそっと外に近いところで仲間に連絡を取った。
「次に移る。合図は待て」
マリナの連絡により、徐々に突入のタイミングが迫っていると分かる。
外で待つ者は礼拝堂が静かになればなったで不安だ。人質の命がどうなったのかがわからないからだ。
タイミングは誤ることはできない、人質が死ぬ危険性が上がる。
「こういう人たちは何か要求するものじゃないのかな?」
「快楽殺人でそれはしないのかもしれませんねぇ」
ハヤテとハナがそれぞれつぶやく。
セレスティアは青くなるが、アシェ-ルはその肩に優しく触れる。
「実際がわからないのです」
「そうですね」
連絡を待つのは辛いところだった。
「とはいえ、そろそろ、近づいておこうかな。それより、あの店は何だい? 気になるのだけど」
ハヤテがおもむろに世間話をしながら礼拝堂の入り口に向かい始める。
「あれはラーメン屋ですぅ。有名店ではないですが、地元密着、学生に愛される良いお店のようですね」
ハナがそれに応じた。
「え?」
セレスティアがどうするか悩む中、アシェ-ルが少し笑った。
「少しでも早く突入するなら近くにいないといけませんし……それに、一般人が近づいたみたいな雰囲気でいいんじゃないでしょうか」
「それは……そうですね」
セレスティアも微笑んだ。この場を封じようとしている軍の者と思われる人たちは、そのようなことを話しながら近づかないだろう。世間話ならば、相手の意識をずらすことにつながるかもしれないと考えた。
扉の前に立った頃、突入の合図が入る。すでに相手に聞こえる位置にいる可能性も考えて、合図は本当に短いものだった。
●突入
正面から入った物は気を引くことで、中を確認するタイミングを作る。
人質と犯人がどこにいるかわかるように。
建物内部から来たアーサーとマリナはすぐさま強化人間に対応する。人質との間に割って入り、距離を作ることに専念する。下手な攻撃は確認しきれていない人質に当たる危険もある。
「いい加減に目を覚ませ!」
「人質が優先、攻撃開始する」
アーサーは割って入るときに攻撃をしているが、青年は攻撃を避けるように離れて行った。それは望んだとおりの行動である。一方、マリナは間に入ろうとしつつ、強化人間に銃で攻撃をした。
セレスティアは状況を見る。
「スライムですか? 強化人間と歪虚が共闘? 妙に赤いですが、色は何か関係あるのでしょうか?」
そもそも、気を抜くことはない。
アシェールは大きな声で牽制する。
「私たちはハンターです! 全員動かないでください!」
その横をすり抜けたハナは【影装】を用いつつ、人質と強化人間の位置を確認する。不意打ちのおかげで双方の距離はできているが、安心はできない。
「歪虚は倒しますよぉ。そのあと、外の出ましょうねぇ?」
ハナは強化人間に声をかける。彼らに人間がVOIDに見えていることを経験則からの推測であるため、行動して確かめるしかない。
ハヤテはハナの後ろについて行き、魔法が届く位置を探る。
「おとなしく寝てほしいね【スリープクラウド】」
ぎりぎり少女の方が入るが、彼女に踏みとどまられた。
「マリナ、人質をこちらに確保」
「了解」
アーサーは仲間がかなり距離を詰めているのを確認し、十字架にかけられ意識がもうろうとしている牧師を下すことに専念する。女性を見つけたが、呼吸の有無や出血の状況から冷静に行動した。
天井には這って移動するスライムもいる。
「重力があるから落ちてくる可能性あるな」
「気を付ける……季節外れのサンタクロースというわけではないが、救援である」
マリナは助言に了解の旨を示した後、人質に声をかけた。
人質は助けだと認識してくれたらしく、安堵の色を見せた。
アーサーは牧師を下し、止血をする。
「妻を……」
うわごとに近い形で牧師が告げる。その視線の先に血の海に倒れる女性があると分かる。
「……わかった、マリナ、彼も」
牧師を預けると彼は女性の方に向かった。もし、生きていなくても、戦闘が始まるここに寝かせておくわけにはいかなかった。
「あなた方は何がしたかったのですか。こんなことしても、何も変わらないですよ」
セレスティアは訴える。一方で人質を助けるアーサーとマリナの方に寄る。血の匂いがしているため手当てが必要なことを考えていた。
「てめえらに何がわかる。信じていたものが消えていくのに何がわかる!」
青年はハヤテに銃で攻撃をする。ハヤテはとっさに椅子に隠れた。
「さてさて、どうだろうね。神様とやらにお伺いを立ててみないとわからないよ? それこそ、そこの神父か牧師か神官かわからないけれど、聞いてみないとならないね。そうだろう、キミ」
ハヤテは攻撃してきた青年に向かって飄々と訴える。
「もう、あたしたちは終わり、だからみんなで終わる」
少女はハナにナイフを両手に持ち攻撃を仕掛ける。ハナは回避し損ねるが、防具や魔法で上げたもので止める。
「痛くもかゆくもないですぅ。ところで、私たちや人質が何に見えているのですぅ?」
「はあ? 人間に決まってるだろ」
「……そうなのですかぁ」
ハナはそのことから色々思うこともあったが、無力化するのが先だと考えた。
「こちらはスライムを倒していったほうがいいですね。いつ降ってくるかわかりませんし」
アシェ-ルは状況を見つつ【エクステンドレンジ】を用いかつ、銀の指輪と発動体を意識し、【マジックアロー】を放った。五本の矢はそれぞれ目標に向かう。当たらなかった物があるが、スライムが落ちてくる形で回避していた。
その落下に、幸い誰も巻き込まれなかった。
ハナとハヤテが対応している間に、セレスティアは牧師に近寄り、怪我を魔法で癒やす。
「では、裏手に回る」
マリナは牧師を担ぎ、歩ける人質となっていた人を連れて裏手に回る。しんがりとしてアーサーが牧師の妻を連れ離れる。それを背にかばい、セレスティアは礼拝堂を見つめた。
ハンターたちが優位であるのは誰の目から見ても明らかだ。操られていないとしたら、何故このようなことをしたかの動機は本人たちから聞かないと分からない。
「これでブッコロですうう」
ハナは符を複数枚撒いた。結界が形成され、少女とスライムが巻き込まれる。
「う、うわああ」
少女はダメージをくらい、意識を失った。
一方、青年は冷静さを欠いた動きで、ハヤテを狙う。
「魔術師のボクでも回避できるね」
「うるさい!」
「いい加減、おとなしくしてくれないかな? 【マジックアロー】」
ハヤテの魔法を食らった青年は倒れた。気絶ですんだようだが、ロープで縛っておく必要がある、いつ動くかわからないから。
アシェ-ルは全体の動きを見つつ、スライム攻撃を中心に行っていた。
「なんか、不吉な色合いでしたが、問題なく攻撃できましたね」
そして、最後の一体を倒し終えた。
●治療
アーサーとマリナは外にいた軍の者に人質を預けて戻ろうとしたが、礼拝堂の扉が開き、仲間が出てくる。
「終わったよ。ここにいる二人は生きているよ。無傷ではないけれど」
ハヤテは突入する軍関係者と思われる人に告げた。
「はいはい、確認だけするですぅ。遅くなりましたが、無事で何よりですぅう。これが何に見えますか?」
ハナは彼らに指を見せる。普通に答えが返ってきた。彼らの目や雰囲気から、精神状態は負のマテリアルや精神的な暗示等はなさそうに見えた。
「怪我がある場合はおっしゃってください」
セレスティアはにこりと安心させるような柔らかい笑みを見せる。
「おっとあれも持ってこないとな」
アーサーは途中で気絶させた少年を取りに行った。
「……これで終わった、な」
マリナは淡々という。人質の外傷に関しては、牧師以外は特に問題はないようだった。倒れている強化人間も拘束されているが簡単な手当てを受けているのが見えた。
「あんたたちが来てくれたから我々は助かったんだ。ありがとう」
「牧師も助かってよかった」
二人は近くにいるマリナに礼を述べた。マリナは静かにうなずいた。
一方、アシェ-ルは念のため、教会の隅々まで確認を行う。行方不明になった人たちについての情報に関して、アシェ-ルは懐疑的であったが確認しないのは落ち度だ。わざと人の目が近いところに隠すまたは隠れることもあり得ないとは言いきれない。
「誤情報ですね……いなかったことが良いのか悪いのかわかりませんね」
そして、外にいる仲間に合流した。
芙蓉は報告書を受け取った。牧師の妻に対しては哀悼を、行方不明の者たちは無事早く見つかることを祈った。
ハンターたちは目標の建物から見えにくいところで、まずは連絡手段の調整を行う。相手は軍属であったため、どの程度か不明でも何かしらの訓練は受けていたと推測はできる。それに、犯人のリストにある人物は耳が良いという特徴を持つ者もあった。ただし、良いといってもどこまでかは不明であり、用心してしすぎることはない。
アーサー・ホーガン(ka0471)が作戦の概要を述べる。
「俺とマリナが裏から行く。正面班はひとまずは待機」
マリナ アルフェウス(ka6934)は表情なく「了解した」とうなずく。
「立てこもりとはまた面倒な。ただ倒すだけなら楽だが、人質の救助は必要。他のオーダーもあれば、従おう」
マリナは淡々とした声音で言う。
フワ ハヤテ(ka0004)は明るい表情で了解の旨を示す。
「何がいるかわからないからね、気は引き締めるよ。ただ、また彼らなのかい? 最近多いね。まあ仕方がないことかもしれないが」
ハヤテは肩をすくめる。飄々とした口調により、その心情がどこにあるかわからない。しかし、心情がどこにあろうとも、することは決まっていた。
一方、星野 ハナ(ka5852)はにこやかな顔であるが、口から出た言葉は物騒だった。
「私ぃ、人を楽しんで殺す奴は死ねばいいと思いますぅ。強化人間だろうが快楽殺人者だろうが、全員ブッコロですっ!」
一行が硬直する。
「まあ、な、状況にはよるな。人質がいるわけだから……。彼らは心が折れて自棄になったのか」
アーサーが人質の命優先を確認するが、ふと、犯人となっているものへの言葉が漏れた。
「分かってますよー。状況がわからないですしぃ、とどめは積極的にはさしませんよ? もし、殺すことを楽しんでいるならば、ってことですぅ」
ハナの真意が伝わり、全員の意見が一致はした。
セレスティア(ka2691)は教会を見据える。
「そうですね状況が明確ではありませんね。人質の扱いがどうであるか、立てこもり犯がどこにいるか……礼拝堂にいるという話ですが、移動している可能性もあるのですね?」
その発言にアシェ-ル(ka2983)は元気よく手をあげる。前もって依頼人でもある南雲 芙蓉にこの建物の設計図等があるかを確認していたのだ。
「どこに誰がいるかはわからないですが、隠密行動するにも役に立つと思います……ただ、本当にこんなところにドロテア議長とかいるのでしょうか」
設計図ではないが、見取り図のコピーが取り出された。
ドナテロ・バガニーニ (kz0213)と幾人かの議員の行方が知れない上、ここにいるという謎の情報もあってきたのだ。アシェ-ルは見取り図を見て、より一層いる理由が見つからないという意識だった。
「しかし、人質がいるならば優先して助けないとなりません」
アシェ-ルは議長らの情報があっているか否かより、目の前の事件がまずは重要だととらえた。
「奥から俺たちが入り、挟撃できることを考えよう……もし、移動とかしていれば、その時点で何らかのことがわかるだろう」
アーサーの確認に否定はなく、全員が了承の旨を示した。
●空飛ぶ箒とソリ
アーサーは箒にまたがり、マリナはフライングスレッドで居住区の裏口に向かう。できる限り、教会から離れ、回り込む。
音は出なくとも目視される問題もある。礼拝堂のガラス部分は特に危険であるが、幸いなのは周囲にビルがあるため回り込むことはできた。一
彼ら礼拝堂にいた。
「外には人がいたよな」
「一応侵入されていないか見回ってくる」
少年は廊下に出た。
残った二人は牧師を十字架に押し付け、その手に杭を打つ。牧師の悲鳴が上がる。
少年は外の音を聞いて、思わず大きな息を吐いた。そのあと、外でも近くで音がする気がしたため、確認をしに足を向けた。
教会の外で待つ者は悲鳴を聞く。
「中から悲鳴が聞こえます」
セレスティアは今にも飛び出しそうな様子で隠密を取る二人に連絡を取る。
「今、鍵を」
マリナが短い言葉で応える。
もどかしいところだが、急いで音を立てれば容易に相手に気づかれる。
「落ち着きましょう。失敗したら、悲鳴では済みません」
「そうだよ、焦りは禁物だよ」
アシェ-ルとハヤテが告げると、セレスティアは深呼吸をした。
「ふっふっふ、彼らが何かすればするほど、私の符が火を噴くのですぅ」
ハナの一言は聞くものに恐怖が生じさせたかもしれない。
鍵を開け終えたアーサーはまず聞き耳を立てる。行けそうだと判断し、扉をゆっくり開ける。音を立てないことが第一である。
マリナは中に入る旨を連絡した後、建物に近づき、アーサーに続いた。ソリはひとまず、脇に置く。
台所から廊下に続くだろう扉に用心深く近づいた。床がミシリと音を立てる為、細心の用心を払って進む。
扉で再び音を確かめる。
誰かいるような気配があった。
マリナには食器棚の陰に隠れるように指示を出す。一方でアーサーは扉が開いた瞬間に対応できる位置でこぶしを固めた。
マリナは念のため銃を抜けるようにしておく。必要があればすぐに発砲できるように。
少年は台所に向かう。
(先輩……相当、キレてる)
礼拝堂の音を聞き、それがいいか悪いかよりも、自暴自棄になりたくなる気持ちは理解した。自分のやってきたことに自信が持てないのは事実で、先輩についてここに来たのだ。
(VOIDには対抗できるかもしれない……けれども)
各地で起こったことや噂は彼の気持ちも揺さぶった。だからこそ、先輩の言葉に乗って事件を起こしてみようと考えたのだ。
音は鍵を開けているようにも聞こえる。しかし、確認しないで報告すれば、それはただの無能だ。だから、台所の扉を開けたのだった。
扉が開き始めた瞬間、アーサーは覚醒状態になり、マテリアルを用いた攻撃を行う。相手は不意打ちに回避しようとしたが間に合わず、攻撃を食らった。あっさりと倒れた為、アーサーが不安になるほどだった。
息があること、変な装備を付けていないことを確認して縛り上げ、猿轡をかます。
マリナはそっと外に近いところで仲間に連絡を取った。
「次に移る。合図は待て」
マリナの連絡により、徐々に突入のタイミングが迫っていると分かる。
外で待つ者は礼拝堂が静かになればなったで不安だ。人質の命がどうなったのかがわからないからだ。
タイミングは誤ることはできない、人質が死ぬ危険性が上がる。
「こういう人たちは何か要求するものじゃないのかな?」
「快楽殺人でそれはしないのかもしれませんねぇ」
ハヤテとハナがそれぞれつぶやく。
セレスティアは青くなるが、アシェ-ルはその肩に優しく触れる。
「実際がわからないのです」
「そうですね」
連絡を待つのは辛いところだった。
「とはいえ、そろそろ、近づいておこうかな。それより、あの店は何だい? 気になるのだけど」
ハヤテがおもむろに世間話をしながら礼拝堂の入り口に向かい始める。
「あれはラーメン屋ですぅ。有名店ではないですが、地元密着、学生に愛される良いお店のようですね」
ハナがそれに応じた。
「え?」
セレスティアがどうするか悩む中、アシェ-ルが少し笑った。
「少しでも早く突入するなら近くにいないといけませんし……それに、一般人が近づいたみたいな雰囲気でいいんじゃないでしょうか」
「それは……そうですね」
セレスティアも微笑んだ。この場を封じようとしている軍の者と思われる人たちは、そのようなことを話しながら近づかないだろう。世間話ならば、相手の意識をずらすことにつながるかもしれないと考えた。
扉の前に立った頃、突入の合図が入る。すでに相手に聞こえる位置にいる可能性も考えて、合図は本当に短いものだった。
●突入
正面から入った物は気を引くことで、中を確認するタイミングを作る。
人質と犯人がどこにいるかわかるように。
建物内部から来たアーサーとマリナはすぐさま強化人間に対応する。人質との間に割って入り、距離を作ることに専念する。下手な攻撃は確認しきれていない人質に当たる危険もある。
「いい加減に目を覚ませ!」
「人質が優先、攻撃開始する」
アーサーは割って入るときに攻撃をしているが、青年は攻撃を避けるように離れて行った。それは望んだとおりの行動である。一方、マリナは間に入ろうとしつつ、強化人間に銃で攻撃をした。
セレスティアは状況を見る。
「スライムですか? 強化人間と歪虚が共闘? 妙に赤いですが、色は何か関係あるのでしょうか?」
そもそも、気を抜くことはない。
アシェールは大きな声で牽制する。
「私たちはハンターです! 全員動かないでください!」
その横をすり抜けたハナは【影装】を用いつつ、人質と強化人間の位置を確認する。不意打ちのおかげで双方の距離はできているが、安心はできない。
「歪虚は倒しますよぉ。そのあと、外の出ましょうねぇ?」
ハナは強化人間に声をかける。彼らに人間がVOIDに見えていることを経験則からの推測であるため、行動して確かめるしかない。
ハヤテはハナの後ろについて行き、魔法が届く位置を探る。
「おとなしく寝てほしいね【スリープクラウド】」
ぎりぎり少女の方が入るが、彼女に踏みとどまられた。
「マリナ、人質をこちらに確保」
「了解」
アーサーは仲間がかなり距離を詰めているのを確認し、十字架にかけられ意識がもうろうとしている牧師を下すことに専念する。女性を見つけたが、呼吸の有無や出血の状況から冷静に行動した。
天井には這って移動するスライムもいる。
「重力があるから落ちてくる可能性あるな」
「気を付ける……季節外れのサンタクロースというわけではないが、救援である」
マリナは助言に了解の旨を示した後、人質に声をかけた。
人質は助けだと認識してくれたらしく、安堵の色を見せた。
アーサーは牧師を下し、止血をする。
「妻を……」
うわごとに近い形で牧師が告げる。その視線の先に血の海に倒れる女性があると分かる。
「……わかった、マリナ、彼も」
牧師を預けると彼は女性の方に向かった。もし、生きていなくても、戦闘が始まるここに寝かせておくわけにはいかなかった。
「あなた方は何がしたかったのですか。こんなことしても、何も変わらないですよ」
セレスティアは訴える。一方で人質を助けるアーサーとマリナの方に寄る。血の匂いがしているため手当てが必要なことを考えていた。
「てめえらに何がわかる。信じていたものが消えていくのに何がわかる!」
青年はハヤテに銃で攻撃をする。ハヤテはとっさに椅子に隠れた。
「さてさて、どうだろうね。神様とやらにお伺いを立ててみないとわからないよ? それこそ、そこの神父か牧師か神官かわからないけれど、聞いてみないとならないね。そうだろう、キミ」
ハヤテは攻撃してきた青年に向かって飄々と訴える。
「もう、あたしたちは終わり、だからみんなで終わる」
少女はハナにナイフを両手に持ち攻撃を仕掛ける。ハナは回避し損ねるが、防具や魔法で上げたもので止める。
「痛くもかゆくもないですぅ。ところで、私たちや人質が何に見えているのですぅ?」
「はあ? 人間に決まってるだろ」
「……そうなのですかぁ」
ハナはそのことから色々思うこともあったが、無力化するのが先だと考えた。
「こちらはスライムを倒していったほうがいいですね。いつ降ってくるかわかりませんし」
アシェ-ルは状況を見つつ【エクステンドレンジ】を用いかつ、銀の指輪と発動体を意識し、【マジックアロー】を放った。五本の矢はそれぞれ目標に向かう。当たらなかった物があるが、スライムが落ちてくる形で回避していた。
その落下に、幸い誰も巻き込まれなかった。
ハナとハヤテが対応している間に、セレスティアは牧師に近寄り、怪我を魔法で癒やす。
「では、裏手に回る」
マリナは牧師を担ぎ、歩ける人質となっていた人を連れて裏手に回る。しんがりとしてアーサーが牧師の妻を連れ離れる。それを背にかばい、セレスティアは礼拝堂を見つめた。
ハンターたちが優位であるのは誰の目から見ても明らかだ。操られていないとしたら、何故このようなことをしたかの動機は本人たちから聞かないと分からない。
「これでブッコロですうう」
ハナは符を複数枚撒いた。結界が形成され、少女とスライムが巻き込まれる。
「う、うわああ」
少女はダメージをくらい、意識を失った。
一方、青年は冷静さを欠いた動きで、ハヤテを狙う。
「魔術師のボクでも回避できるね」
「うるさい!」
「いい加減、おとなしくしてくれないかな? 【マジックアロー】」
ハヤテの魔法を食らった青年は倒れた。気絶ですんだようだが、ロープで縛っておく必要がある、いつ動くかわからないから。
アシェ-ルは全体の動きを見つつ、スライム攻撃を中心に行っていた。
「なんか、不吉な色合いでしたが、問題なく攻撃できましたね」
そして、最後の一体を倒し終えた。
●治療
アーサーとマリナは外にいた軍の者に人質を預けて戻ろうとしたが、礼拝堂の扉が開き、仲間が出てくる。
「終わったよ。ここにいる二人は生きているよ。無傷ではないけれど」
ハヤテは突入する軍関係者と思われる人に告げた。
「はいはい、確認だけするですぅ。遅くなりましたが、無事で何よりですぅう。これが何に見えますか?」
ハナは彼らに指を見せる。普通に答えが返ってきた。彼らの目や雰囲気から、精神状態は負のマテリアルや精神的な暗示等はなさそうに見えた。
「怪我がある場合はおっしゃってください」
セレスティアはにこりと安心させるような柔らかい笑みを見せる。
「おっとあれも持ってこないとな」
アーサーは途中で気絶させた少年を取りに行った。
「……これで終わった、な」
マリナは淡々という。人質の外傷に関しては、牧師以外は特に問題はないようだった。倒れている強化人間も拘束されているが簡単な手当てを受けているのが見えた。
「あんたたちが来てくれたから我々は助かったんだ。ありがとう」
「牧師も助かってよかった」
二人は近くにいるマリナに礼を述べた。マリナは静かにうなずいた。
一方、アシェ-ルは念のため、教会の隅々まで確認を行う。行方不明になった人たちについての情報に関して、アシェ-ルは懐疑的であったが確認しないのは落ち度だ。わざと人の目が近いところに隠すまたは隠れることもあり得ないとは言いきれない。
「誤情報ですね……いなかったことが良いのか悪いのかわかりませんね」
そして、外にいる仲間に合流した。
芙蓉は報告書を受け取った。牧師の妻に対しては哀悼を、行方不明の者たちは無事早く見つかることを祈った。
依頼結果
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依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 マリナ アルフェウス(ka6934) オートマトン|17才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2018/07/17 07:22:53 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/07/17 01:11:49 |