• 空蒼
  • 戦闘

【空蒼】情報の先にあるモノ

マスター:狐野径

シナリオ形態
ショート
難易度
やや難しい
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 3~6人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
プレイング締切
2018/07/17 19:00
リプレイ完成予定
2018/07/26 19:00

オープニング

●受け取った情報
 強化人間も同じ未来を見ている人間だと南雲 芙蓉は感じていた。
 情報を渡すということで出会ったOF004も、秋葉原に開設されたハンターオフィスで一緒にいた天王洲 レヲナ (kz0260)も同じ人間だと思えたからだ。
 VOIDと戦い、この世界を守りたいと願っているのだと。
 だからこそ、現状は不安と恐怖、もどかしさで胸はいっぱいだ。
「私には力がない……のです」
 トマーゾ・アルキミア(kz0214)やナディア・ドラゴネッティ(kz0207)のように知識があるわけでも、人を動かす力もない。一方で、守護者としてあるのは――なんだろう、と焦燥感が募る。
 転移座標の調整やハンターや味方となる人の連絡役、それが、できることの精一杯。
「そうです、力があるか否かではないですね。この世界を守りたい気持ちと――」
 芙蓉は立ち寄ったハンターオフィスの画面を見つめた。
 メールが来たというアイコンが付く。
「……これは……? そこにその人たちはいる、と?」
 芙蓉の目が見開かれた。
 その直後、別の連絡が入る。
「教会に立てこもり? でも、そこの教会にVOIDもいると……」
 芙蓉は立ち上がりかけてとどまる。
「依頼を出してもいいでしょうか……」
 ズキリと胸が痛む。
「悩んでいれば、それだけ手遅れになりますね。ハンターに依頼を」
 芙蓉はハンターオフィスに依頼を提出する。
 誰も傷つかないといいのにと願いながら。

●依頼
 ハンターオフィスにその依頼は提示される。依頼に興味を持ったハンターに職員は説明をする。
「場所はリアルブルーの日本、教会に立てこもっているのが強化人間、という話が伝わっています。あちらの警邏組織が取り囲んで、逃がさないようにはしているようです。ただ、その建物に人質となっている人間もいる可能性が高いそうです。そうでなくとも、もし、強化人間が外に出れば一般人は対抗することができません」
 説明を聞くハンターはうなずく。
「その上、統一連合政府から姿を消した議員やドナテロ・バガニーニ (kz0213)がいるという情報も入っています。ただ、こちらはすこぶる嘘臭いと依頼主は思っているようです。しかし、嘘と断じることもできませんし、いるならば、保護をしなければなりません」
 職員は唇をキュと結ぶ。
「あちらで南雲さんが情報を出来るだけ集めていると思われます。ですが、動くことはできませんので、限られた内容だそうです。皆さん、危険ですが……」
 職員は頭を深々と下げた。まるで、親兄弟がその場にいるように。いや、いなくとも、戦いに赴かないとならないハンターに対して何もできない自分を恥じるようにも見えた。

●青年
 力があればVOIDに怯えないで暮らせると思っていた。だからこそ、その被験者に挙手をし、めでたく選ばれた。
 なのに? 暴走する可能性を抱えているだけでなく、護るはすの人々から敵扱いを受けているのか?
 ハンターと呼ばれる異世界の者たちは味方と認識され、なぜ、俺は敵にならざるを得ないのか?
 こちらから転移してハンターになった者もいるという。その者たちには絶望した先にあったのは希望だろうか?
「俺は……」
 ふと、青年は思った。
 力があるということは、それで人を支配下に置くこともできるのでは、と?
 しかし、ハンターがいる限りそれはかなわない状況だろう。
 冷静に考えると分かった。
 ならば、一人でも多くの人間を殺してみればいいのか?
 突拍子のないことが浮かぶ。
 独りでやるのも楽しくない。パーティーは多くの人間とやるべきことなのだ。
 馬が合う二人に声をかけた。そうすると二人は乗ってくれた。どういう計画にするかは、あっさり決まった。
 目立ち、恐怖におびえるならばどん底に行けばいいと願い、人も殺せるだろう計画だ。
 だから、教会に向かった。
 そこにはなぜか異形がすでにあちこちいた。
 身構えたが、彼らに興味を持たない様子だ。赤いそれらは教会の入り口でうねっているだけ。礼拝堂の扉を開けると、それらはうねりながら入っていく。
「ハハハ、VOIDだろう、こいつら? 俺たちナカマって認知されてるのか! 開けてやったのは俺だぜ? お礼……いや、VOIDの恩返しってあるのか?」
「先輩、笑いすぎ」
「でもさー、せっかくならパーとしないと面白くないよ?」
 一緒にいる少年が肩をすくめ、少女が唇を尖らせる。
 青年は誰もいない礼拝堂で、奥に続く扉の当たりで発砲した。
 教会のどこかで悲鳴が上がった。
「人質の確保」
「了解!」
 青年に言われると二人は素早く動いた。二人はすぐに一人捕まえもう一人捕まえ戻ってきた。
 大人四人が怯える顔で一行を見る。
 青年はゾクゾクする感覚に唇の端が吊り上がる。
 どう、残虐にすればいい?
「牧師様は十字架にかけて差し上げようっ!」
「あなたっ」
 牧師の妻が思わず動いた。その瞬間、その喉笛が掻っ切られた――。

解説

 VOIDと立てこもり犯の排除。
 とらえられている人がいれば助けること。
 情報の真偽を確かめること。

●地理
 日本の都会です。
 教会の回りはビルもあるが、二~四メートルの遊歩道となっている。なお、正面入り口は一車線ずつ(計二車線)の幅の道路と一メートルの歩道が左右にある道である。
 全体は二階建て相当。建物の半分を占める礼拝堂部分は二階吹き抜けになっている。
 礼拝堂は天窓があり、ステンドグラスがある部分もあるが大半が透明な強化ガラス。
 建物へ通常はいるならば、礼拝堂か住居部分の出入り口。二か所。窓は部屋ごとに最低一枚はある。
 なお、礼拝堂は椅子があるが、戦闘するのに問題はない広さ。廊下や個室は大きな武器を振るうのは難しい。

●敵情報
 ・立てこもりを起こした強化人間 二十代前半と十代後半の男性と十代前半の少女の三人。どこからか入手した銃火器、刃物を持っている。なお、防具もそれなりに身に着けている。
 基本的に礼拝堂にいる。時々、居住スペースに向かう。なお、三人の内一人は、耳がいいという話がある。

 ・雑魔の類×10 サイズ1。スライム状のもので妙に赤い。礼拝堂に入ったところでうねうねと動き回っている。なお、床だけでなく壁や天井にもくっついている。重力には逆らうのは疲れるのか、時々降ってくることも。物理攻撃が利きにくい、魔法攻撃は効くと思われるが……。

●建物の中にいると思われる人
 牧師とその妻。一般信者の中年男性二人。

マスターより

 こんにちは、狐野径です。
 【空蒼】にこっそり出没。
 解説の「建物の中にいると思われる人」に統一連合政府の人がいないね……プレイヤーさん用情報です、明らかに。ただし、ハンター向けには芙蓉はいるともいないとも判断つけていません。
 なお、牧師の妻に関しましては、残酷ですが時間的には間に合いません。
 赤いスライム……赤いですね……増えないけれど地味に嫌な能力はつけました。でも、避けられると無意味な能力です。
 よろしくお願いします。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2018/07/24 04:56

参加者一覧

  • THE "MAGE"
    フワ ハヤテ(ka0004
    エルフ|26才|男性|魔術師
  • 蒼き世界の守護者
    アーサー・ホーガン(ka0471
    人間(蒼)|27才|男性|闘狩人
  • 淡光の戦乙女
    セレスティア(ka2691
    人間(紅)|19才|女性|聖導士
  • 東方帝の正室
    アシェ-ル(ka2983
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナ(ka5852
    人間(蒼)|24才|女性|符術師
  • 青き翼
    マリナ アルフェウス(ka6934
    オートマトン|17才|女性|猟撃士
依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
マリナ アルフェウス(ka6934
オートマトン|17才|女性|猟撃士(イェーガー)
最終発言
2018/07/17 07:22:53
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2018/07/17 01:11:49