ゲスト
(ka0000)
納涼会をしよう
マスター:きりん

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/08/15 12:00
- 完成日
- 2018/08/17 15:37
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●連日の記録的猛暑
夏は暑いものだ。
それは当然のことで、暑さに文句をいうことはあっても、それを当然と思わない者はいないだろう。
だが、今年は少々その暑さというものが早く来過ぎた。
暑さの本番が来た今、連日空は快晴で、雨雲一つかからない日が続いている。
あまりの暑さに、夏のレジャーは毎日大盛況になっているくらいだ。
ただ、その選択を取れない者だっているわけで。
「……暑い」
ジェーンは激しく地面を照りつける日差しを手を掲げて遮った。
当然の焼け石に水で、涼しくならないどころか地面から照り返しの熱が伝わってきて余計に暑く感じる。
「うーん、ここ最近ずっと雨が降ってない気がする。今年は水不足になりそう」
普段受付嬢として働く彼女も、いつも受付嬢然としているわけではない。
仕事をする前、さらにいえば一人でいる時ならば敬語は使わない。
別にジェーンに限ったことではなく、大抵の人間はそうだろう。
中には敬語が癖になっていて、常に敬語になってしまう人間もいるかもしれないが。
歩く姿は背筋がピンと伸び、彼女の姿勢の良さを強調している。
人格的には一癖も二癖もある彼女だが、受付嬢として仕事をしているだけあって、身体に染み付いた所作は綺麗なもの。
他人に見られることを前提とする職業だからこそだ。
それでも、身体の機能を完全にコントロールするというのは難しく、額には玉のような汗が浮かび、頬を一筋の汗が伝う。
ハンカチを取り出した受付嬢は、化粧が崩れないように注意して汗を拭った。
元々化粧は薄い方だから多少崩れたところで目立ちはしないが、やはりよくよく観察すれば分かる程度の差が出てしまうし、何よりみっともない。
(……これは、ソサエティについたら化粧直しが必要かな)
嘆息をして、顔を上げたジェーンの目に、氷菓子の出店が映った。
機導術の研究者が魔導機械の研究と実験を兼ねて趣味で営業している出店だが、夏場ということもあって案外繁盛しているようだ。
現在はハンターズソサエティの帝国支部で勤務しているジェーンだが、こういった魔導機械の恩恵を受けやすいのが、帝国の特徴だ。
自然に足が向き、気付けばジェーンは氷菓子を購入していた。
「……魅力には勝てなかったわ」
何となく後ろめたい気持ちを抱きつつも、木の棒の先についた氷菓子を一舐めする。
「ふふ。冷たくて美味しい」
氷菓子には果物の果汁が使われているようで、爽やかな酸味が暑さを吹き飛ばしてくれた。
「うん。お仕事頑張ろうかな」
仕事場に着くまでに食べ終えたジェーンは、いつものうさんくさい笑顔を浮かべるとソサエティの扉を開けた。
●納涼会のお知らせ
午前の業務を乗り切り、午後の業務の最中にジェーンは上司のエルス・モウザルから通達を受けた。
「一般の方やハンターの皆さんも誘って納涼会を行うよ。もちろん職員も参加なのでそのつもりでスケジュールを調整しておくように。ああ、でも誰も来なかったら寂しいなぁ」
「……それはそれとして納涼会、ですか? 少し早くないですか?」
「うん、本来ならもっと後になってからなんだけどね。最近凄い暑い日が続いてるから、一度リフレッシュして仕事しもらおうということで臨時に決まったんだよ」
「なるほど。確かに暑さで皆だらけ気味でしたし、いいかもしれませんね」
「そうだろう? 当日は組合と錬魔院が魔導機械を持ち出して屋台を出すみたいだよ」
「魔導機械ですか。よくそんな貴重なものを出すって決めましたね」
「昔から組合と錬魔院は張り合ってるからね。何か魔導機械の性能勝負みたいな感じになって張り切ってるみたいだよ」
「……また面白、いえ、面倒そうな事態になっていますね」
「ジェーンちゃん本音隠せてないよ。まあ、ご相伴に預かる身としては有り難いし、やり過ぎない範囲ならどうぞ好きなだけやってくれって感じだよね」
この部下にしてこの上司ありとでもいうべきだろうか。
エルスも中々の性格をしているようだ。
普段は福々しく人畜無害そうな笑みを浮かべている昼行灯みたいな態度なので、ある意味ジェーンとは似た者同士かもしれない。
「分かりました。それではハンターの皆様にも通達して予定を開けておきましょう。念のため報酬付きで依頼も出しておきます」
「うん。それでよろしく頼むよ」
話が済んで、エルスが戻っていくのを見送ったジェーンは、満足そうにいつものうさんくさい笑顔を浮かべ、業務に戻った。
夏は暑いものだ。
それは当然のことで、暑さに文句をいうことはあっても、それを当然と思わない者はいないだろう。
だが、今年は少々その暑さというものが早く来過ぎた。
暑さの本番が来た今、連日空は快晴で、雨雲一つかからない日が続いている。
あまりの暑さに、夏のレジャーは毎日大盛況になっているくらいだ。
ただ、その選択を取れない者だっているわけで。
「……暑い」
ジェーンは激しく地面を照りつける日差しを手を掲げて遮った。
当然の焼け石に水で、涼しくならないどころか地面から照り返しの熱が伝わってきて余計に暑く感じる。
「うーん、ここ最近ずっと雨が降ってない気がする。今年は水不足になりそう」
普段受付嬢として働く彼女も、いつも受付嬢然としているわけではない。
仕事をする前、さらにいえば一人でいる時ならば敬語は使わない。
別にジェーンに限ったことではなく、大抵の人間はそうだろう。
中には敬語が癖になっていて、常に敬語になってしまう人間もいるかもしれないが。
歩く姿は背筋がピンと伸び、彼女の姿勢の良さを強調している。
人格的には一癖も二癖もある彼女だが、受付嬢として仕事をしているだけあって、身体に染み付いた所作は綺麗なもの。
他人に見られることを前提とする職業だからこそだ。
それでも、身体の機能を完全にコントロールするというのは難しく、額には玉のような汗が浮かび、頬を一筋の汗が伝う。
ハンカチを取り出した受付嬢は、化粧が崩れないように注意して汗を拭った。
元々化粧は薄い方だから多少崩れたところで目立ちはしないが、やはりよくよく観察すれば分かる程度の差が出てしまうし、何よりみっともない。
(……これは、ソサエティについたら化粧直しが必要かな)
嘆息をして、顔を上げたジェーンの目に、氷菓子の出店が映った。
機導術の研究者が魔導機械の研究と実験を兼ねて趣味で営業している出店だが、夏場ということもあって案外繁盛しているようだ。
現在はハンターズソサエティの帝国支部で勤務しているジェーンだが、こういった魔導機械の恩恵を受けやすいのが、帝国の特徴だ。
自然に足が向き、気付けばジェーンは氷菓子を購入していた。
「……魅力には勝てなかったわ」
何となく後ろめたい気持ちを抱きつつも、木の棒の先についた氷菓子を一舐めする。
「ふふ。冷たくて美味しい」
氷菓子には果物の果汁が使われているようで、爽やかな酸味が暑さを吹き飛ばしてくれた。
「うん。お仕事頑張ろうかな」
仕事場に着くまでに食べ終えたジェーンは、いつものうさんくさい笑顔を浮かべるとソサエティの扉を開けた。
●納涼会のお知らせ
午前の業務を乗り切り、午後の業務の最中にジェーンは上司のエルス・モウザルから通達を受けた。
「一般の方やハンターの皆さんも誘って納涼会を行うよ。もちろん職員も参加なのでそのつもりでスケジュールを調整しておくように。ああ、でも誰も来なかったら寂しいなぁ」
「……それはそれとして納涼会、ですか? 少し早くないですか?」
「うん、本来ならもっと後になってからなんだけどね。最近凄い暑い日が続いてるから、一度リフレッシュして仕事しもらおうということで臨時に決まったんだよ」
「なるほど。確かに暑さで皆だらけ気味でしたし、いいかもしれませんね」
「そうだろう? 当日は組合と錬魔院が魔導機械を持ち出して屋台を出すみたいだよ」
「魔導機械ですか。よくそんな貴重なものを出すって決めましたね」
「昔から組合と錬魔院は張り合ってるからね。何か魔導機械の性能勝負みたいな感じになって張り切ってるみたいだよ」
「……また面白、いえ、面倒そうな事態になっていますね」
「ジェーンちゃん本音隠せてないよ。まあ、ご相伴に預かる身としては有り難いし、やり過ぎない範囲ならどうぞ好きなだけやってくれって感じだよね」
この部下にしてこの上司ありとでもいうべきだろうか。
エルスも中々の性格をしているようだ。
普段は福々しく人畜無害そうな笑みを浮かべている昼行灯みたいな態度なので、ある意味ジェーンとは似た者同士かもしれない。
「分かりました。それではハンターの皆様にも通達して予定を開けておきましょう。念のため報酬付きで依頼も出しておきます」
「うん。それでよろしく頼むよ」
話が済んで、エルスが戻っていくのを見送ったジェーンは、満足そうにいつものうさんくさい笑顔を浮かべ、業務に戻った。
リプレイ本文
●納涼会準備
ハンターたちが納涼会会場に訪れると、ちょうどもうすぐ始まるというところのようだった。
北のアイスクリームとシャーベットの出店では、組合と錬魔院が設営の段階から競い合った結果なのか、無駄に仰々しい装いで、しかも電飾のような魔導機械による明かりまで用意されている。夜はこれでライトアップでもするつもりなのか。
東のバーベキュー会場ではたくさんの肉や野菜、海鮮などが運び込まれ、大きなバーベキュー用の網が炭火にかけられており、他にも鉄板やら薪やらがあちこちに用意されている。
西の納涼会本部ではハンターズソサエティの職員たちが納涼会の運営に当たっており、色取り取りの浴衣を今から準備して夜の部に備えている。一方で休憩所には麦茶が入ったたくさんの薬缶とスイカが魔導機械で冷やされ、担当の職員が包丁を振るって一つずつスイカを食べやすい大きさに切り分けている。
南の空き地に今は人気はないが、夜になれば花火を楽しむ人々で賑わいそうだ。
準備はすぐに終わったようで、納涼会の開始を告げるアナウンスが流れた。
さあ、納涼会の始まりだ!
●納涼会昼の部
わっと歓声とともに、客が会場の方々に散っていき、あちこちが賑わい始めた。
「一緒にバーベキュー大会行こうよ、炎」
「ああ、ビールを飲みながら肉をたらふく食うぞ」
仲睦まじい様子を見せながら、ミリア・ラスティソード(ka1287)と南護 炎(ka6651)が東のバーベキュー会場に繰り出していく。
その光景はお似合いのカップルのようで、二人の関係が実際はどうかはともかく、とても慣れ親しんだ様子を感じさせる。
「シャーベットとアイスクリームの食い倒れだよ! 楽しみー!」
氷菓子はリアルブルーでは一般的だが、クリムゾンウェストでは魔導機械がリアルブルーの機械ほど普及していないため、食べる機会が少ない。
るんるん気分を隠そうともせずに、夢路 まよい(ka1328)は真っ直ぐ会場の北へ向かっていく。
「いつもと違う感じですが、こういうのもよいですね……。浴衣、思ったより涼しいですし……」
髪の毛を頭の後ろで纏め、私物の浴衣を着用したサクラ・エルフリード(ka2598)は、普段と違う格好をで納涼会を楽しむつもりのようだ。
目的地は一緒なようで、シャーベットとアイスクリームを求めて歩くまよいの後を、サクラはついていく。
同じく会場の北に向かおうとした鳳凰院ひりょ(ka3744)は、すれ違った浴衣を着て歩く客の姿に目を留めた。
(せっかくだから浴衣を着てみるか)
予定を変更して、最初に東の納涼会本部に向かい、浴衣を借りることにし、いったん踵を返した。
「納涼会か、悪くない」
浮かれた客の様子と楽し気な騒めき。北の方からはさっそく張り合うようなアイスクリームとシャーベットの客引きの声が響く。
まずは自分も冷たいものでも腹に入れようと、レイア・アローネ(ka4082)は組合と錬魔院の出店がある会場北へと向かった。
錬金術師組合の出店と錬魔院の出店の店主は、どちらも声を張り上げて呼び込みを行っていた。
道を挟んで両側に位置する二つの出店の店主は互いを睨んで火花を散らしている。
そこへ悪い顔をしたまよいがシャーベットの出店の方へ近付いていく。
まよいを迎えた錬魔院の店主が勝ち鬨を上げ、錬金術師組合の店主が崩れ落ちた。
「アイスクリームより安くしてくれるんでしょ? オマケとか、サービスも欲しいなぁ。何もしてくれないなら、あっちに行こうかなぁ」
小悪魔的な表情でまよいがわざとアイスクリームの出店へ向かうと、錬金術師組合の店主が歓喜の表情で復活し、錬魔院の店主が泡を吹いて倒れた。
そんなことを繰り返してようやく二つの出店を離れたまよいの手には、コーンの上に盛られに盛られて塔のように天をつくアイスクリームと、小豆やフルーツ、生クリームを下が見えないほどオマケされて山のように聳えるシャーベットが握られている。
ハンターでなければ絶対落としているだろう。大戦果を得てまよいはご満悦である。
燃え尽きたように黄昏れる両店主を背後に、とても上機嫌に歩いていくまよいを見ながら、普通にアイスクリームとシャーベットをもらったサクラは、食べ比べをして冷たさで痛くなった頭を押さえた。
浴衣を着た分遅れて到着したひりょは全くそれらに気付かず、のんびりとアイスクリームとシャーベットを堪能する。
それぞれの良さがあり、美味しいという意味では甲乙つけ難い。
両店主は今度は出店そっちのけで魔導機械の出来を競い始めていた。
どうやら優劣をつけないとどちらも気が済まないらしい。ただし両者とも自分が上限定で。
「リアルブルーにいた頃身近にあったものとは違うが、便利なものは便利なのだな」
せっせとアイスクリームとシャーベットを作る二つの魔導機械の性能に、ひりょは感心するのだった。
最後にシャーベットをもらいに来たレイアは、普段の凛々しい表情を緩ませ味わって食べていた。
「おや、さっそくいらしたんですね」
そんなレイアに声をかける人物がいた。
うさんくさい微笑みを浮かべる紫色の浴衣を着込んだ女性。
ハンターズソサエティ帝国支部に転勤したばかりの受付嬢、ジェーン・ドゥだ。
微笑みを絶やさずに挨拶するジェーンに対し、レイアの顔は僅かに赤い。
前回「ふっ、依頼があれば駆けつけよう(キリッ)」みたいなノリで別れて半月も経ってないうちに、あっさりと思いがけないタイミングで再会したのが恥ずかしかったようである。
バーベキュー会場は熱気に包まれていた。
比喩的な意味でも、物理的な意味でも。
適当につまんで食べながら、炎につきあって一杯だけビールを飲むミリアの横で、炎が物凄いペースで肉を平らげている。
ビールはたしなむ程度だが、それでもミリアが飲む量より多い。
二人とも夜の花火を本番に見据えているようで、落ち着いて楽しんでいるようだった。
そして普段の凛々しい表情を綻ばせながら、レイアがビールを飲みながら持ち込んだ猪肉でバーベキューをしている。
大いに息抜きを楽しんでいるようで何よりである。
レイアはその後西の休憩所にスイカと麦茶を求めて出かけていった。まだ食う気らしい。
●納涼会夜の部
日が暮れると、納涼会はまた別の顔を見せ始める。
昼間の暑さもある程度和らぎ、納涼会本部に個人用の花火が山と置かれ、同時に花火大会に使う打ち上げ花火の準備が始まる。
葛音 水月(ka1895)が持ってきた納涼会のお知らせを見てから、ルネ(ka4202)は楽しみでならなかった。ハンターという職業柄、リアルブルー人と接する機会も多くあり、火薬自体は割と見かけているルネだったが、それを花火として楽しむのは初めてだ。
(うちあげるのーは、かっぷるがらぶらぶ見るらしーって、ざっしでよんだ……! るねも、ぎゅーってして、いちゃいちゃするの……!)
思い出作りをする気満々のルネは、この機会を利用してあわよくば距離を詰め、水月ともっと仲良くなってしまおうという腹積もりだった。
まずは納涼会本部で浴衣に着替え、花火を貰って西の空き地で遊び方を水月に教えてもらい楽しみながら打ち上げ花火を待つ。
水月が手に持った棒の先から色取り取りの火花が勢いよく飛び出し、音を立てて噴き上がる。その様を手を叩いて喜び、跳ね回るネズミには目を白黒させる。
よくわからない置くタイプの花火に好奇心で火をつけたら、噴水のように火花を上げて驚いて……。とにかく、ルネはとても楽しかった。
そして時間になれば思い切って水月との距離を詰めて寄り添い、空に満開の花が次々に咲くのを、ルネはぽかんと口を開けて見つめた。
「あ、そろそろみたいだね。ルネさんは手持ちもだけど、こっちも初めてじゃない?」
かけられた水月の優しい声にも、今だけはこくこくと頷くことでしか返せないほど、ルネは釘付けになっていた。
そんなルネの頭を、水月は微笑ましそうに撫でる。
故郷を出てから、ハンターとして戦闘の場に偏っているから他の物ももっと見て欲しいなと、ずっとそう思っていた。
今のルネの表情からは、今回の目的が達成された様子をはっきりと感じることができる。
ひと満足する水月だった。
同時刻。
浴衣に着替え、シャーベットとアイスクリームの出店に寄ってからやってきたミリアと炎は、二人で分け合いながら歩いていた。
よく分からないので全て納涼会本部の職員に任せた結果、ミリアは容赦なく可愛らしい恰好に仕上げられ、借り物故の遠慮心と歩きにくさから、転ばないように炎の腕を抱えていた。
浴衣姿を褒め合う、周りの見物客が微笑ましく思うようなやり取りは、傍から見ればいちゃついているようにしか見えない。
花火が始まれば、炎が握ってきた手を、ちょっと恥ずかしそうにミリアが握り返し、二人は麦茶を飲みながら花火に見とれる。
「これからも一緒にいてくれ」
いい雰囲気なので勇気を振り絞って炎は告白したが、同時に打ち上げ花火が盛大に上がり、万雷のような花火の音が響く。
返事はなかなか来なかった。
かき消されたかと落ち込みかけた炎の前で、ミリアがよろめき、炎にもたれかかる。
「そうだなー。また一緒に花火見れるといいなー」
支えようとして自然と後ろから抱き締めるような形になった炎の耳に、それは聞こえた。
酔っているせいか蒸気した表情だが、ミリアは確かにそう返答した。
完全に脱力し、炎に身を預けている様子の横顔からは、告白の意図が正しく伝わったのかどうかは分からない。
ただ、炎に対するミリアの深い信頼だけは感じ取れる。
それで、何故だか満足してしまう炎だった。
夜のバーベキューも楽しいものだ。
焼き上がった肉を頬張れば、程よく焼けた肉の脂身が口の中でほろりと崩れ、溶けていく。最高だ。
「ビール……お肉を食べながら飲むと美味しいにきまっている物じゃないですか……。沢山ノミたいですが、止められているので少しだけ……」
まだまだ残っているビールの瓶に気付いて、サクラはいそいそと引き寄せられるように取りに行く。
自分の脱ぎ癖には気付いていないが、それでも普段止められることから、飲み過ぎると危険なのだということは薄々感付いているサクラは、ほどほどに済ませた。
それでも少し浴衣がはだけてしまったかもしれない。真実は誰も知らない、闇の中。
スイカと麦茶をもらいに来たら、休憩所に鞘に納めたままの剣を持って何かを堪えている様子の変なのがいた。
「くっ、静まれ、仇の剣よ……! 今はお前なんてお呼びじゃないんだ……!」
勘違い少年アルステフ君である。
思わず反射的に剣に手が伸びそうになるのを、レイアは必死になって堪えた。
もはや条件反射である。
(落ち着け私、今は依頼でもなければ戦闘でもない。放っておけばいいのだステイステイ)
そもそもあの依頼の関係者で納涼会に参加しているのはレイアだけではない。ミリアや南護もいるのだ。皆に任せておけばいい。特別レイアが関わる必要はないはずである。
だが二人は完全に二人だけの世界に入っており、割って入れば空気が読めないお邪魔虫と化しそうだ。
「ああ、両親を殺された僕の憎悪が、皆の幸せを壊してしまう……!」
レイアの他に事情を知る者が聞いていれば全力で突っ込んでいただろう。お前の両親は健在だ、勝手に殺してるんじゃないと。
だが幸か不幸かこの場にいるのはレイア一人。
アルステフが何かいうのを、レイアは剣を抜きたくなる衝動に悶えながら聞かされるのだった。
サクラはバーベキューを終えてまったりと打ち上げ花火を見ていた。
火花で彩られた満開の花が次々咲いては消えていく。
打ち上がる軌跡は茎のようだ。
それはとても綺麗な光景で。
同じように打ち上げ花火を眺めるひりょはスイカと麦茶を飲み食いして身体を冷やしながら、早めに行われた納涼会を有難く思っていた。
ハンターだろうと何だろうと、暑いものは暑いのだ。
無邪気な幼女の声と、声変わりをしていない高い少年の声が聞こえる。
兄が妹を追いかける形で兄妹らしい二人組が駆けていく。
平和そうなその姿を、ひりょは相好を崩し目を細めて見つめた。
皆の笑顔を守るのがひりょたちハンターの仕事だ。
平和に過ごしている光景を見られるのはやはり、嬉しい。
少しして誰かを探している様子の夫婦に尋ねかけられ、事情を聞いてみると子どもを探しているようだった。
特徴を聞けば、どうも先ほどすれ違った子ども二人組と一致したので、ひりょは子どもたちが向かった方向を夫婦に教えた。
しばらくすると、再会したらしい夫婦と子どもたちの声が聞こえてくる。
花火を見るために戻ってきたのだろう。子どもたちを連れた夫婦がひりょに礼を告げた。
ハンターであるひりょたちが守ろうとしてきた平和な風景が、そこにはあった。
●納涼会終了
打ち上げ花火が終わり、個人で楽しむ花火も線香花火まで遊び尽くされ、納涼会は終わった。
花火の余韻はまだ続いていて、不思議とざわめきが聞こえない会場は、まるで誰もが息を潜めているかのような静けさがあった。
どこか物悲しくなって、ずっと一緒にいられたらと淡く思うルネの手を引き、水月が帰り支度を始める。
きっと、帰り道はアイスクリームやシャーベット、バーベキューにスイカや麦茶、花火といった納涼会の感想で賑わうのだろう。
水月がルネに囁く。
「花火、楽しかった?」
飛び切りの笑顔で、ルネは答えた。周りの見物客が微笑ましく思うような
「うんっ! とってもーたのしかったよ、みずきっ」
それが皮切りとなって、喧噪が戻ってきた。
こうして納涼会は終わり、人々は日常へと帰る。
ハンターたちも依頼を受けて危険な場所に身を置く日常へと戻っていくのだろう。それがハンターの仕事である以上、仕方ない。
それでも、たまにはこんな穏やかな日があってもいいと思うのだ。
このクリムゾンウエストに生きている一人の人間であることに違いはないのだから。
彼ら彼女らのこれからに、幸あらんことを。
ハンターたちが納涼会会場に訪れると、ちょうどもうすぐ始まるというところのようだった。
北のアイスクリームとシャーベットの出店では、組合と錬魔院が設営の段階から競い合った結果なのか、無駄に仰々しい装いで、しかも電飾のような魔導機械による明かりまで用意されている。夜はこれでライトアップでもするつもりなのか。
東のバーベキュー会場ではたくさんの肉や野菜、海鮮などが運び込まれ、大きなバーベキュー用の網が炭火にかけられており、他にも鉄板やら薪やらがあちこちに用意されている。
西の納涼会本部ではハンターズソサエティの職員たちが納涼会の運営に当たっており、色取り取りの浴衣を今から準備して夜の部に備えている。一方で休憩所には麦茶が入ったたくさんの薬缶とスイカが魔導機械で冷やされ、担当の職員が包丁を振るって一つずつスイカを食べやすい大きさに切り分けている。
南の空き地に今は人気はないが、夜になれば花火を楽しむ人々で賑わいそうだ。
準備はすぐに終わったようで、納涼会の開始を告げるアナウンスが流れた。
さあ、納涼会の始まりだ!
●納涼会昼の部
わっと歓声とともに、客が会場の方々に散っていき、あちこちが賑わい始めた。
「一緒にバーベキュー大会行こうよ、炎」
「ああ、ビールを飲みながら肉をたらふく食うぞ」
仲睦まじい様子を見せながら、ミリア・ラスティソード(ka1287)と南護 炎(ka6651)が東のバーベキュー会場に繰り出していく。
その光景はお似合いのカップルのようで、二人の関係が実際はどうかはともかく、とても慣れ親しんだ様子を感じさせる。
「シャーベットとアイスクリームの食い倒れだよ! 楽しみー!」
氷菓子はリアルブルーでは一般的だが、クリムゾンウェストでは魔導機械がリアルブルーの機械ほど普及していないため、食べる機会が少ない。
るんるん気分を隠そうともせずに、夢路 まよい(ka1328)は真っ直ぐ会場の北へ向かっていく。
「いつもと違う感じですが、こういうのもよいですね……。浴衣、思ったより涼しいですし……」
髪の毛を頭の後ろで纏め、私物の浴衣を着用したサクラ・エルフリード(ka2598)は、普段と違う格好をで納涼会を楽しむつもりのようだ。
目的地は一緒なようで、シャーベットとアイスクリームを求めて歩くまよいの後を、サクラはついていく。
同じく会場の北に向かおうとした鳳凰院ひりょ(ka3744)は、すれ違った浴衣を着て歩く客の姿に目を留めた。
(せっかくだから浴衣を着てみるか)
予定を変更して、最初に東の納涼会本部に向かい、浴衣を借りることにし、いったん踵を返した。
「納涼会か、悪くない」
浮かれた客の様子と楽し気な騒めき。北の方からはさっそく張り合うようなアイスクリームとシャーベットの客引きの声が響く。
まずは自分も冷たいものでも腹に入れようと、レイア・アローネ(ka4082)は組合と錬魔院の出店がある会場北へと向かった。
錬金術師組合の出店と錬魔院の出店の店主は、どちらも声を張り上げて呼び込みを行っていた。
道を挟んで両側に位置する二つの出店の店主は互いを睨んで火花を散らしている。
そこへ悪い顔をしたまよいがシャーベットの出店の方へ近付いていく。
まよいを迎えた錬魔院の店主が勝ち鬨を上げ、錬金術師組合の店主が崩れ落ちた。
「アイスクリームより安くしてくれるんでしょ? オマケとか、サービスも欲しいなぁ。何もしてくれないなら、あっちに行こうかなぁ」
小悪魔的な表情でまよいがわざとアイスクリームの出店へ向かうと、錬金術師組合の店主が歓喜の表情で復活し、錬魔院の店主が泡を吹いて倒れた。
そんなことを繰り返してようやく二つの出店を離れたまよいの手には、コーンの上に盛られに盛られて塔のように天をつくアイスクリームと、小豆やフルーツ、生クリームを下が見えないほどオマケされて山のように聳えるシャーベットが握られている。
ハンターでなければ絶対落としているだろう。大戦果を得てまよいはご満悦である。
燃え尽きたように黄昏れる両店主を背後に、とても上機嫌に歩いていくまよいを見ながら、普通にアイスクリームとシャーベットをもらったサクラは、食べ比べをして冷たさで痛くなった頭を押さえた。
浴衣を着た分遅れて到着したひりょは全くそれらに気付かず、のんびりとアイスクリームとシャーベットを堪能する。
それぞれの良さがあり、美味しいという意味では甲乙つけ難い。
両店主は今度は出店そっちのけで魔導機械の出来を競い始めていた。
どうやら優劣をつけないとどちらも気が済まないらしい。ただし両者とも自分が上限定で。
「リアルブルーにいた頃身近にあったものとは違うが、便利なものは便利なのだな」
せっせとアイスクリームとシャーベットを作る二つの魔導機械の性能に、ひりょは感心するのだった。
最後にシャーベットをもらいに来たレイアは、普段の凛々しい表情を緩ませ味わって食べていた。
「おや、さっそくいらしたんですね」
そんなレイアに声をかける人物がいた。
うさんくさい微笑みを浮かべる紫色の浴衣を着込んだ女性。
ハンターズソサエティ帝国支部に転勤したばかりの受付嬢、ジェーン・ドゥだ。
微笑みを絶やさずに挨拶するジェーンに対し、レイアの顔は僅かに赤い。
前回「ふっ、依頼があれば駆けつけよう(キリッ)」みたいなノリで別れて半月も経ってないうちに、あっさりと思いがけないタイミングで再会したのが恥ずかしかったようである。
バーベキュー会場は熱気に包まれていた。
比喩的な意味でも、物理的な意味でも。
適当につまんで食べながら、炎につきあって一杯だけビールを飲むミリアの横で、炎が物凄いペースで肉を平らげている。
ビールはたしなむ程度だが、それでもミリアが飲む量より多い。
二人とも夜の花火を本番に見据えているようで、落ち着いて楽しんでいるようだった。
そして普段の凛々しい表情を綻ばせながら、レイアがビールを飲みながら持ち込んだ猪肉でバーベキューをしている。
大いに息抜きを楽しんでいるようで何よりである。
レイアはその後西の休憩所にスイカと麦茶を求めて出かけていった。まだ食う気らしい。
●納涼会夜の部
日が暮れると、納涼会はまた別の顔を見せ始める。
昼間の暑さもある程度和らぎ、納涼会本部に個人用の花火が山と置かれ、同時に花火大会に使う打ち上げ花火の準備が始まる。
葛音 水月(ka1895)が持ってきた納涼会のお知らせを見てから、ルネ(ka4202)は楽しみでならなかった。ハンターという職業柄、リアルブルー人と接する機会も多くあり、火薬自体は割と見かけているルネだったが、それを花火として楽しむのは初めてだ。
(うちあげるのーは、かっぷるがらぶらぶ見るらしーって、ざっしでよんだ……! るねも、ぎゅーってして、いちゃいちゃするの……!)
思い出作りをする気満々のルネは、この機会を利用してあわよくば距離を詰め、水月ともっと仲良くなってしまおうという腹積もりだった。
まずは納涼会本部で浴衣に着替え、花火を貰って西の空き地で遊び方を水月に教えてもらい楽しみながら打ち上げ花火を待つ。
水月が手に持った棒の先から色取り取りの火花が勢いよく飛び出し、音を立てて噴き上がる。その様を手を叩いて喜び、跳ね回るネズミには目を白黒させる。
よくわからない置くタイプの花火に好奇心で火をつけたら、噴水のように火花を上げて驚いて……。とにかく、ルネはとても楽しかった。
そして時間になれば思い切って水月との距離を詰めて寄り添い、空に満開の花が次々に咲くのを、ルネはぽかんと口を開けて見つめた。
「あ、そろそろみたいだね。ルネさんは手持ちもだけど、こっちも初めてじゃない?」
かけられた水月の優しい声にも、今だけはこくこくと頷くことでしか返せないほど、ルネは釘付けになっていた。
そんなルネの頭を、水月は微笑ましそうに撫でる。
故郷を出てから、ハンターとして戦闘の場に偏っているから他の物ももっと見て欲しいなと、ずっとそう思っていた。
今のルネの表情からは、今回の目的が達成された様子をはっきりと感じることができる。
ひと満足する水月だった。
同時刻。
浴衣に着替え、シャーベットとアイスクリームの出店に寄ってからやってきたミリアと炎は、二人で分け合いながら歩いていた。
よく分からないので全て納涼会本部の職員に任せた結果、ミリアは容赦なく可愛らしい恰好に仕上げられ、借り物故の遠慮心と歩きにくさから、転ばないように炎の腕を抱えていた。
浴衣姿を褒め合う、周りの見物客が微笑ましく思うようなやり取りは、傍から見ればいちゃついているようにしか見えない。
花火が始まれば、炎が握ってきた手を、ちょっと恥ずかしそうにミリアが握り返し、二人は麦茶を飲みながら花火に見とれる。
「これからも一緒にいてくれ」
いい雰囲気なので勇気を振り絞って炎は告白したが、同時に打ち上げ花火が盛大に上がり、万雷のような花火の音が響く。
返事はなかなか来なかった。
かき消されたかと落ち込みかけた炎の前で、ミリアがよろめき、炎にもたれかかる。
「そうだなー。また一緒に花火見れるといいなー」
支えようとして自然と後ろから抱き締めるような形になった炎の耳に、それは聞こえた。
酔っているせいか蒸気した表情だが、ミリアは確かにそう返答した。
完全に脱力し、炎に身を預けている様子の横顔からは、告白の意図が正しく伝わったのかどうかは分からない。
ただ、炎に対するミリアの深い信頼だけは感じ取れる。
それで、何故だか満足してしまう炎だった。
夜のバーベキューも楽しいものだ。
焼き上がった肉を頬張れば、程よく焼けた肉の脂身が口の中でほろりと崩れ、溶けていく。最高だ。
「ビール……お肉を食べながら飲むと美味しいにきまっている物じゃないですか……。沢山ノミたいですが、止められているので少しだけ……」
まだまだ残っているビールの瓶に気付いて、サクラはいそいそと引き寄せられるように取りに行く。
自分の脱ぎ癖には気付いていないが、それでも普段止められることから、飲み過ぎると危険なのだということは薄々感付いているサクラは、ほどほどに済ませた。
それでも少し浴衣がはだけてしまったかもしれない。真実は誰も知らない、闇の中。
スイカと麦茶をもらいに来たら、休憩所に鞘に納めたままの剣を持って何かを堪えている様子の変なのがいた。
「くっ、静まれ、仇の剣よ……! 今はお前なんてお呼びじゃないんだ……!」
勘違い少年アルステフ君である。
思わず反射的に剣に手が伸びそうになるのを、レイアは必死になって堪えた。
もはや条件反射である。
(落ち着け私、今は依頼でもなければ戦闘でもない。放っておけばいいのだステイステイ)
そもそもあの依頼の関係者で納涼会に参加しているのはレイアだけではない。ミリアや南護もいるのだ。皆に任せておけばいい。特別レイアが関わる必要はないはずである。
だが二人は完全に二人だけの世界に入っており、割って入れば空気が読めないお邪魔虫と化しそうだ。
「ああ、両親を殺された僕の憎悪が、皆の幸せを壊してしまう……!」
レイアの他に事情を知る者が聞いていれば全力で突っ込んでいただろう。お前の両親は健在だ、勝手に殺してるんじゃないと。
だが幸か不幸かこの場にいるのはレイア一人。
アルステフが何かいうのを、レイアは剣を抜きたくなる衝動に悶えながら聞かされるのだった。
サクラはバーベキューを終えてまったりと打ち上げ花火を見ていた。
火花で彩られた満開の花が次々咲いては消えていく。
打ち上がる軌跡は茎のようだ。
それはとても綺麗な光景で。
同じように打ち上げ花火を眺めるひりょはスイカと麦茶を飲み食いして身体を冷やしながら、早めに行われた納涼会を有難く思っていた。
ハンターだろうと何だろうと、暑いものは暑いのだ。
無邪気な幼女の声と、声変わりをしていない高い少年の声が聞こえる。
兄が妹を追いかける形で兄妹らしい二人組が駆けていく。
平和そうなその姿を、ひりょは相好を崩し目を細めて見つめた。
皆の笑顔を守るのがひりょたちハンターの仕事だ。
平和に過ごしている光景を見られるのはやはり、嬉しい。
少しして誰かを探している様子の夫婦に尋ねかけられ、事情を聞いてみると子どもを探しているようだった。
特徴を聞けば、どうも先ほどすれ違った子ども二人組と一致したので、ひりょは子どもたちが向かった方向を夫婦に教えた。
しばらくすると、再会したらしい夫婦と子どもたちの声が聞こえてくる。
花火を見るために戻ってきたのだろう。子どもたちを連れた夫婦がひりょに礼を告げた。
ハンターであるひりょたちが守ろうとしてきた平和な風景が、そこにはあった。
●納涼会終了
打ち上げ花火が終わり、個人で楽しむ花火も線香花火まで遊び尽くされ、納涼会は終わった。
花火の余韻はまだ続いていて、不思議とざわめきが聞こえない会場は、まるで誰もが息を潜めているかのような静けさがあった。
どこか物悲しくなって、ずっと一緒にいられたらと淡く思うルネの手を引き、水月が帰り支度を始める。
きっと、帰り道はアイスクリームやシャーベット、バーベキューにスイカや麦茶、花火といった納涼会の感想で賑わうのだろう。
水月がルネに囁く。
「花火、楽しかった?」
飛び切りの笑顔で、ルネは答えた。周りの見物客が微笑ましく思うような
「うんっ! とってもーたのしかったよ、みずきっ」
それが皮切りとなって、喧噪が戻ってきた。
こうして納涼会は終わり、人々は日常へと帰る。
ハンターたちも依頼を受けて危険な場所に身を置く日常へと戻っていくのだろう。それがハンターの仕事である以上、仕方ない。
それでも、たまにはこんな穏やかな日があってもいいと思うのだ。
このクリムゾンウエストに生きている一人の人間であることに違いはないのだから。
彼ら彼女らのこれからに、幸あらんことを。
依頼結果
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納涼会 レイア・アローネ(ka4082) 人間(クリムゾンウェスト)|24才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/08/13 22:10:40 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/08/13 18:57:10 |