ゲスト
(ka0000)
【CF】クリーム×スライム=?
マスター:御影堂

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/01/01 22:00
- 完成日
- 2015/01/09 20:21
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
多くのお祭り好きの力を借りて、準備は既に整った。
彩られたイルミネーションは街を宝石のように照らし出し、運び込まれたモミの木には色とりどりの飾りつけが施されていた。
立ち並ぶお店の店員は紅白の衣装に身を包み、ラッピングされたプレゼントの山が街に到着する。
一体、誰の掛け声から始まったのだろう。いや、誰の掛け声だって関係ない。
ここは崖上都市「ピースホライズン」陽気で楽しいお祭りの街。
騒げる口実があるならば、踊れる舞台があるのならば、かの街は喜んでお祭りムードに染め上げる。
たとえそれがエクラ教由来だろうが、リアルブルー由来であろうが、お祭りである事に変わりは無いのだ。
各々が、好き好きに、その祭りの日を楽しめば良い。
ここはピースホライゾン。水平線を望む平和の街。
クリムゾンウエストのクリスマスが今、始まろうとしていた。
時に、クリスマスと言えば様々な奇跡が起こる事でも知られているものであるが……
この世界に果たしてどのような奇跡が舞い降りるのだろうか。
●
ということがあったのさ。
クリスマスの興奮冷めやらぬ、ピースホライズン近郊。
見たこともないスライムがいると聞きつけ、自称スライムのエキスパート、自称スライム研究家。その名もスライ=クライムが街を訪れていた。
「せんせぇ、ケーキですよ、ケーキ!」
「ムームーくん。ケーキなんぞ、いつでも食べられるじゃろう」
まだ余韻が残るピースホライズンに、弟子のムームーは浮かれていた。
ケーキの甘い匂いが時折、鼻孔をくすぐるが、今のスライは無論無視していた。
「ほれ、さっさと目撃地点へいくぞい」
「まってくださぁい、あ、半額ですよ! 先生、半額のケーキです!」
「見切り品に目移りしておる場合か。まったく、クリ何とかの売れ残りじゃろうが」
ぶつぶつと文句を言う博士に、唇を尖らせながらムームーがついていく。
途中、自警団の者に話を聞くことができた。
曰く、今まで見たことがない奇妙なスライムなのだという。
「これは期待できそうじゃ」
「うぅ……スライムなんかより、ケーキが食べたい……甘い白いクリームぅ」
未練がましくうわ言を言いながら、ムームーがついてくる。
街の外に出れば、いささか寒さが身にしみるものの、クリなんとかの余韻は感じられないでいた。
目撃地点は、ゴミを溜めておく場所の近くらしい。
次第に近づいてきた時、博士が急に立ち止まった。ムームーが博士の白衣に顔を埋める。
「どうしゃれましたぁ、せんせぇ?」
ぶつけた鼻を押さえ、見上げた先生の顔はむっとしていた。
小首を傾げるムームーを見やり、スライは告げる。
「お望みの甘くて白いクリームがいるぞ」
ある、ではなく、いる。
疑問符を頭に浮かべながら、先生と同じ場所へ視線を送る。
「先生、さすがにアレは食べられませんっ」
「愚かな。あれこそが、貴様のような者が生み出した成れの果てぞ」
「ど、どういうことですか」
スライの視線の先、白いゲル状の物体がうねうねと蠢いていた。
見たことがない生物に、ムームーは首を傾げる。
「あれが、我々の探していた新種のスライムだよ」
質問を先読みしたスライが、サッと答える。
確かに真っ白なスライムは珍しい。だが、スライがそこまで言い切るからには、他にも理由があるはずだ。
そう思った時、一陣の風が吹き、ムームーは甘い匂いを嗅いだ。
街中で嗅いだものより、強烈な甘ったるい匂いだ。
「ふわわ」
匂いに胸焼けがしそうになるが、それ以上に眠気が増した。
スライがバシッと背中をたたき、何とか意識を戻させる。
「あれぞ、君が欲しがっていたクリーム……いや、クリースライムというべきであろう」
であろう、とかっこ良く決めているが、結局はスライムである。
近づこうとすれば火を放つと自警団員が話していたので、遠巻きにスライは眺めていた。
「せんせぇ、あれはクリームじゃないですよぉ」
「わかっておるわ。さて、面白いものも見られたしの。後は討伐専門家に任せるとするぞ」
「じゃあ、ケーキ食べていいですか?」
「馬鹿者が。あのクリースライムは、お主らが食べなかったケーキが産んだ産物だぞ。まったく消費社会の嘆かわしさの象徴だ」
「という、先生の妄想ですよねぇ?」
「容赦無いな、今日の君……。そんなに食べたかったのか……」
思いっきり頷く弟子の姿に、スライは嘆息する。
仕方ない、とスライが行った瞬間に顔が一気に明るくなった。
「あのクリースライムが倒されたら、褒美にケーキをやろう」
「本当ですか! わぁい!」
「今日のところは、宿でレポートを書いてしまうぞ」
はい、と答えるムームーの声はハツラツとしていた。
彩られたイルミネーションは街を宝石のように照らし出し、運び込まれたモミの木には色とりどりの飾りつけが施されていた。
立ち並ぶお店の店員は紅白の衣装に身を包み、ラッピングされたプレゼントの山が街に到着する。
一体、誰の掛け声から始まったのだろう。いや、誰の掛け声だって関係ない。
ここは崖上都市「ピースホライズン」陽気で楽しいお祭りの街。
騒げる口実があるならば、踊れる舞台があるのならば、かの街は喜んでお祭りムードに染め上げる。
たとえそれがエクラ教由来だろうが、リアルブルー由来であろうが、お祭りである事に変わりは無いのだ。
各々が、好き好きに、その祭りの日を楽しめば良い。
ここはピースホライゾン。水平線を望む平和の街。
クリムゾンウエストのクリスマスが今、始まろうとしていた。
時に、クリスマスと言えば様々な奇跡が起こる事でも知られているものであるが……
この世界に果たしてどのような奇跡が舞い降りるのだろうか。
●
ということがあったのさ。
クリスマスの興奮冷めやらぬ、ピースホライズン近郊。
見たこともないスライムがいると聞きつけ、自称スライムのエキスパート、自称スライム研究家。その名もスライ=クライムが街を訪れていた。
「せんせぇ、ケーキですよ、ケーキ!」
「ムームーくん。ケーキなんぞ、いつでも食べられるじゃろう」
まだ余韻が残るピースホライズンに、弟子のムームーは浮かれていた。
ケーキの甘い匂いが時折、鼻孔をくすぐるが、今のスライは無論無視していた。
「ほれ、さっさと目撃地点へいくぞい」
「まってくださぁい、あ、半額ですよ! 先生、半額のケーキです!」
「見切り品に目移りしておる場合か。まったく、クリ何とかの売れ残りじゃろうが」
ぶつぶつと文句を言う博士に、唇を尖らせながらムームーがついていく。
途中、自警団の者に話を聞くことができた。
曰く、今まで見たことがない奇妙なスライムなのだという。
「これは期待できそうじゃ」
「うぅ……スライムなんかより、ケーキが食べたい……甘い白いクリームぅ」
未練がましくうわ言を言いながら、ムームーがついてくる。
街の外に出れば、いささか寒さが身にしみるものの、クリなんとかの余韻は感じられないでいた。
目撃地点は、ゴミを溜めておく場所の近くらしい。
次第に近づいてきた時、博士が急に立ち止まった。ムームーが博士の白衣に顔を埋める。
「どうしゃれましたぁ、せんせぇ?」
ぶつけた鼻を押さえ、見上げた先生の顔はむっとしていた。
小首を傾げるムームーを見やり、スライは告げる。
「お望みの甘くて白いクリームがいるぞ」
ある、ではなく、いる。
疑問符を頭に浮かべながら、先生と同じ場所へ視線を送る。
「先生、さすがにアレは食べられませんっ」
「愚かな。あれこそが、貴様のような者が生み出した成れの果てぞ」
「ど、どういうことですか」
スライの視線の先、白いゲル状の物体がうねうねと蠢いていた。
見たことがない生物に、ムームーは首を傾げる。
「あれが、我々の探していた新種のスライムだよ」
質問を先読みしたスライが、サッと答える。
確かに真っ白なスライムは珍しい。だが、スライがそこまで言い切るからには、他にも理由があるはずだ。
そう思った時、一陣の風が吹き、ムームーは甘い匂いを嗅いだ。
街中で嗅いだものより、強烈な甘ったるい匂いだ。
「ふわわ」
匂いに胸焼けがしそうになるが、それ以上に眠気が増した。
スライがバシッと背中をたたき、何とか意識を戻させる。
「あれぞ、君が欲しがっていたクリーム……いや、クリースライムというべきであろう」
であろう、とかっこ良く決めているが、結局はスライムである。
近づこうとすれば火を放つと自警団員が話していたので、遠巻きにスライは眺めていた。
「せんせぇ、あれはクリームじゃないですよぉ」
「わかっておるわ。さて、面白いものも見られたしの。後は討伐専門家に任せるとするぞ」
「じゃあ、ケーキ食べていいですか?」
「馬鹿者が。あのクリースライムは、お主らが食べなかったケーキが産んだ産物だぞ。まったく消費社会の嘆かわしさの象徴だ」
「という、先生の妄想ですよねぇ?」
「容赦無いな、今日の君……。そんなに食べたかったのか……」
思いっきり頷く弟子の姿に、スライは嘆息する。
仕方ない、とスライが行った瞬間に顔が一気に明るくなった。
「あのクリースライムが倒されたら、褒美にケーキをやろう」
「本当ですか! わぁい!」
「今日のところは、宿でレポートを書いてしまうぞ」
はい、と答えるムームーの声はハツラツとしていた。
リプレイ本文
●
寒空の下、クリスマスの熱が仄かに残るピースホライズン近郊にハンターたちは集っていた。
背中から当たる風の先、廃墟の中に蠢く白い影が見える。
「一、ニ……三と、情報通りだね」
ロラン・ラコート(ka0363)は蠢く白いスライムを数えていた。
自警団に目撃情報を確認した所、三体らしいということが掴めたのだ。
「クリ……イムだっけ? 白いスライムってなんだか珍しい気がするよ」
ロランの隣でしげしげと、クリイムを眺めるのは十色 エニア(ka0370)だ。
ディアドラ・ド・デイソルクス(ka0271)が、同じ方向を見ながらうーんと唸る。
「風上でも微かに香る、このクリームの匂い……あのスライムから出ているのか?」
「クリームのような匂いを放つスライムか。……いかんな小腹がすいてくるのう」
ディアドラの疑問に、クラリッサ=W・ソルシエール(ka0659)がのんきなことをいう。
風上でも微かに感じられるのならば、接近すればいかほどであろうか。
「何とも奇妙な現象だが、まあ原因は処理してしまうに限るな」
「うむ。早めの終わらせたいところじゃな」
微妙にずれた応答をしていると、アレア=レアーレ(ka1339)たちが向かってきた。
「あそこ以外にスライムの姿形は見つからなかったのだよ」
「そう、哨戒ご苦労様」
アレアの報告を聞き、ロランが労をねぎらう。
「さっさと片付けてケーキ! ケーキ!!」
「そうそう。おういしいケーキがいただけるって聞いたから、この依頼を受けることにしたよの」
ミィリア(ka2689)が跳ねながらクリイムに切っ先を向け、天川 麗美(ka1355)もやる気を見せる。
クリイムを見据えた麗美は改めて、その姿に疑問を呈す。
「それにしても、どうしてこんなスライムが出てきたのかしら?」
「本当に廃棄されたケーキが原因だとすると、これからの注意をしておいた方がいいね」
ロランはスライが口にしたという推測を語る。
だが、すぐさま否定の言葉を述べる。
「ま、スライのただの妄想……想像なだけの気が大いにするね」
「魔術を追求するものとしてスライムの生体についても調べる必要があるかの?」
「終わってからにしようね」
クラリッサの好奇心をロランがそっと押さえる。
「早く終わらせて、ケーキでござるよ!」
「うん。ケーキだよね」
ミィリアの奮起にエニアが頷く。
乙女な面々は、終わった後のことに思考が向いているようだった。
「匂いで胸焼けしそうとか思わないのかな」
ロランはふと思ったが、喉元で押し留めるのだった。
●
「この戦場ならば、二方向から仕掛けるぞ」
ディアドラの告げる通りに、ハンターたちは行動を開始する。
クリイムたちまでの距離は十分あったが、それは逆に感付かれれば先手が取られるということにもなる。
右側から攻めるのは、アレアとディアドラだ。
「ボク特性の魔改造パワードスーツに任せて欲しいのだよ」
そういって先行するアレアの見た目は、まるでまるごとうさぎの着ぐるみである。
まるででなく、実際に着ぐるみだった。
「き、気づかれておらぬか?」
クリイムの動きにディアドラが気づく。
どこが顔かはわからないが、もったりとした動きが活発化しているようにみえた。
「ボクにお任せ!」
言葉通り、アレアはクリイムの放つ炎を避けてみせた。パワードスーツめいた動きの秘訣は、エネルギーとして流し込んだマテリアルである。
「壁があって助かったぞ」
壁と盾を駆使し、ディアドラも後を追う形となる。
一方、左側から攻めるのはミィリアとロランだ。香り対策にふたりともバンダナで口元を覆っていた。
「お掃除スタイルみたいでござるな」
「間違ってはないね」
これから行うのは、廃棄されたケーキの恨み……とスライが主張するスライム退治なのだ。
場所も掃き溜めであるし、ある種の掃除だった。
「うわわ、危ないよ!?」
こちらの接近にも気付き、早速クリイムは炎を飛ばす。
遮蔽物に事欠かないため、有利に近づくことはできる。
「ケーキのロウソクになるつもりはないよ」
とはいえ、近づこうと動けば当然、身を晒すことになる。
皮鎧に灯りかけた火を払い落とし、ロランは後ろへ目配せした。
「妾たちの出番が来たようじゃのう」
前衛につづいて、後衛たちがクリイムを射程圏内に収めるのであった。
●
先手こそ与えてしまったが、遅れをとるわけではない。
最初から全力で当たっていく。
「近づくと、やっぱりキツイな」
バンダナで顔半分を覆っていても、匂う甘ったるさ。風に注意していても、接敵すればあまり関係がない。
鼻孔をくすぐる匂いが、頭をとろかす前に、攻めきる構えだ。
「ガンガン攻撃あるのみ!」
ミィリアも日本刀を振り上げ、一気に踏み込む。
振り下ろされた一撃は、くしくもニョルンとかわされてしまう。
その隙を見て、挟みこむようにロランが突きを繰り出す。
「核はなさそう……か?」
ずるりと引き抜けば、白い体が刃に纏わりついていた。それを払って構え直し、射線をひらく。
一直線に放たれたのは、風の刃。
エニアの攻撃はクリイムの身体を削ぐのに十分であった。
「匂いも少しは、マシ……かなぁ」
緑の風を纏うことで、多少は香りを防いでいるようであった。
匂い以上に彼女が気にかかるのは、道々に溶けていたクリイムの残骸を踏んでしまったことだ。
「べたべたするよ」
足裏の感触が気持ち悪かった。
右側では、アレアが接近を果たし何かしていた。
「喰らえ!」
具体的には、手持ちの多量の粉を浴びせる行為である。
ダイラタンシー効果を狙ったものだが、すぐに粉を消化しているのか。
はたまたクリームに片栗粉は和洋折衷的に難しかったか。
「科学はトライアンドエラーの繰り返しで発展するのだよ」
くじけず、次回につなげるべく思考を切り替える。
パワードスーツの性能を信じ、エア・スティーラーを構える姿はまるごとうさぎ。
その後を追い、ディアドラが走る。後ろを見て、スッと身体を横へ。
直後に走るは、一条の光。光の先では、麗美がアルケミストタクトを構えていた。
「一気に決めたいところね」
下手に時間をかければ、分裂する可能性がある。
キャスケットで覆った鼻を甘い匂いが襲う。
「むぅ」
思わず唸ってしまう麗美であった。
三体いたクリイムのうち、二体が右側の面子へ向かっていた。
「こちらがやられる前に、眠らせてやろうぞ」
クラリッサが構え、青白い霧を発生させる。
にわかに白い流動体が鈍くなっていくように思えた。
「効いておるのかの?」
見た目には判断がつかないのが、難である。
しかし、このタイミングでそいつらは積極的に攻撃してはこなかった。
●
「痺れてもらうのだよ」
右舷では瓦礫の間を縫い、アレアが跳びまわっていた。
再び動きを活発化し始めたクリイムに対して、至近距離から雷撃を放つ。
ぺちゃぺちゃとクリイムが身体を伸ばすも、捉えきれていない。
「好機である! 行くぞ」
ディアドラも強く踏み込み、剣を振りぬく。
炎を制するは水、白銀の刀身には水が宿っているが、強く効いているとは思えない。
「炎を司っているわけではないのか」
目論見が外れ、ディアドラは盾を前面に構え直す。
アレアとディアドラが両脇に離れれば、間を割って麗美が機導砲を放つ。
「ケーキのためにも、早く終わらせたいわ」
光がクリイムを蒸発させ、辺りに細かく飛び散る。
ゆるゆると再生しつつも、確実に絶えた体が散っていた。
「この匂いがきついな」
クリイムであった物体からも仄かに香りが漂う。
ディアドラは、一瞬、香りに気を取られた。
「後ろ!」と誰かの声が響き、慌てて盾を向ける。
ぎりぎりのところで、クリイムの体を盾が防ぐ。力強い当たりだが、耐えることが出来た。
「しっかりしてよね」と声の主、麗美が背中をたたき、機導剣を振るう。
「カッコ悪い姿ばかり見せられないのだ」
ディアドラも刃を振るって、応戦。クリイムはやや後退した。
一体を引き受ける左舷では、クリイムに対しロランとミィリアが挑む。
といっても、いくら突けども核のようなものは見当たらない。
「これは、厳しいな」
「それでも、たたっ斬るのでござるよ!」
渾身の一撃が振り下ろされ、クリイムを叩く。にゅるりとした感触が手にも伝わる。
弾けた破片がかからないよう、さっと身を引く。
同時に、エニアが仕掛けた。
だが、放たれた水弾はクリイムの手前を抉る。
「あま~い匂い、眠くなって……」
「しっかりするのじゃ、汝」
声をかけられ、ハッとする。
後ろにクラリッサが立ち、風刃を放っていた。
サクッと切り刻む。が、かろうじて動いていた。
「おっと、危ない危ない」
小さくなった身体で、距離を取り炎を紡ぐ。
だが、努力むなしく空振った後には水が待っていた。
「わたしは、あなたほど甘くはないよ」
気を張りなおしたエニアが、とどめを刺したのだった。
●
捻じれ、回転、震え。
幾重の兆候。
「分裂するぞ」
「分裂なのだよ」
ディアドラとアレアの読み通り、クリイムたちは身体を割った。
ぷるりと震え、白い塊は四つとなる。
「だがな、こちらも……」
ちらりと視線をやれば、左舷で戦っていたロランたちが挟みこむように迫っていた。
再度、クラリッサが眠気を誘う霧でクリイムから合流の時間をかせぐ。
アレアはするりと走り回り、そのうちの一体を引きつけ、再度電流を放つ。
「大人しくするのだよ」
小さくなった身体に、電気はよく走るのか。
ブルっと震えた流動体が、鈍っていく。
「絶対に負けられません!」
これを好機と飛び込んできたのは、麗美だ。
左舷が合流したことで、中距離へ移行。そのままアレアの補助に入ったのだ。
動きが鈍れば、的は小さくとも外れることはない。
「はい、終わりだよ」
削られつつも、僅かに残っていたクリイムも光に消し飛ぶのであった。
残る三体のうち、ミィリアが一体を引き受け、対峙していた。
残る二体は、それぞれロラン。そして、ディアドラが引き続いて請け負う。
「おサムライさんパワー、ご覧あれってね!」
おサムライさんパワー。それは、日本刀から繰り出される大ぶりの一撃。
非常に地味であるのだが、小さくなったクリイムの身体にはよく響く。
「振れば落ちるかな……」
ぬるりとした白い液体を距離をおいて、刃から振り落とす。
跳ねるような体当たりを体幹で受け止め、一歩引いた後、踏み込みなおす。
「一刀両断でごーざーるー!!」
気合とともに一閃。プツっという音とともに、クリイムの体が割れた。
再生は、ない。
「ガツンといったでござる!」
喜んでいる暇はない。トドメで一層ベタついた刀を小太刀へ持ち替え、振り返る。
視線の先では、ロランがいなしたクリイムをエニアが片付けているところだった。
「こっちは……終わったが」
牽引役を引き受けていたロランが、エニアを振り返る。
間近で弾けられたため、白い破片がバンダナにも付着していた。
そのためか、ここにきて眠気が出る。
「まだだよ」とエニアが近づき、背中を叩く。
「……っと」
目が覚めたロランが苦笑して大剣を構え直す。
だが、大勢は喫していた。
残る一体もクリイムの動きを封じるように動いていたディアドラ。
そして、限られた動きを的確に集中して狙うクラリッサ。
この二人によって、切り刻まれていた。
「破片すら分裂しているあるかも知れんからな」
とディアドラは戦闘中にこぼれ出たクリイムの欠片もしっかりと潰す。
風刃が舞終わり、そこにはクリームの一欠片も残されてはいなかった。
●
ピースホライズンにあるケーキ屋の前で、ロランはタバコを吹かしていた。
煙が寒空に消えていく中、その面々を見つけ片手を上げる。
「遅かったね」
「乙女の身支度は大変なのよ?」
ドレスをばっちりと着こなした麗美が、しれっと言ってのける。
その隣ではミィリアが、「ケーキ、ケーキ!」と嬉しそうに声を出していた。
「さすがにクリームの匂いが移ったままでは、威厳が感じられないからな」
ディアドラがもう匂わないぞというように、胸を張る。
戦闘が終わってすぐに、処理していたのが思い出される。
ディアドラはもとより、ミィリアも日本刀を拭っていたものだ。
「べとべとだったからね」
エニアがさっぱりした様子で、告げる。
シャワーでも浴びてきたのか、服も着替えていた。
「ここで喋っていても始まらぬ。入るのじゃ」
クラリッサが意気揚々とケーキ屋の扉を開く。
先んじて待っていたムームーが、ハンターたちを出迎える。
「後で運動すれば大丈夫じゃ」と小さく小さくクラリッサが入り際に、決意を固めていた。
「しかし、今回もスライムらめぇ展開にならなくて、残念なのよ」
女の子らしからぬ不満を告げていたのは、アレアだ。
そんなのいらないでござる、とミィリアがツッコミを入れていた。
「ロランさん、入らないのかな?」
「俺は遠慮するよ」
わかったと頷いて、エニアが扉を閉める。
そのときに、
「ショートケーキが食べたいよね」
と嬉しそうにいっていたのが聞こえてきた。
ふわふわの雲を見ていると、あの匂いが思い出される。
「別腹……とも違うか」
あの匂いの後で、ケーキが食べられるという女子陣の凄さを思い知る。
「喜んでいるなら、それでいいか」とロランは一人、煙を吐くのだった。
寒空の下、クリスマスの熱が仄かに残るピースホライズン近郊にハンターたちは集っていた。
背中から当たる風の先、廃墟の中に蠢く白い影が見える。
「一、ニ……三と、情報通りだね」
ロラン・ラコート(ka0363)は蠢く白いスライムを数えていた。
自警団に目撃情報を確認した所、三体らしいということが掴めたのだ。
「クリ……イムだっけ? 白いスライムってなんだか珍しい気がするよ」
ロランの隣でしげしげと、クリイムを眺めるのは十色 エニア(ka0370)だ。
ディアドラ・ド・デイソルクス(ka0271)が、同じ方向を見ながらうーんと唸る。
「風上でも微かに香る、このクリームの匂い……あのスライムから出ているのか?」
「クリームのような匂いを放つスライムか。……いかんな小腹がすいてくるのう」
ディアドラの疑問に、クラリッサ=W・ソルシエール(ka0659)がのんきなことをいう。
風上でも微かに感じられるのならば、接近すればいかほどであろうか。
「何とも奇妙な現象だが、まあ原因は処理してしまうに限るな」
「うむ。早めの終わらせたいところじゃな」
微妙にずれた応答をしていると、アレア=レアーレ(ka1339)たちが向かってきた。
「あそこ以外にスライムの姿形は見つからなかったのだよ」
「そう、哨戒ご苦労様」
アレアの報告を聞き、ロランが労をねぎらう。
「さっさと片付けてケーキ! ケーキ!!」
「そうそう。おういしいケーキがいただけるって聞いたから、この依頼を受けることにしたよの」
ミィリア(ka2689)が跳ねながらクリイムに切っ先を向け、天川 麗美(ka1355)もやる気を見せる。
クリイムを見据えた麗美は改めて、その姿に疑問を呈す。
「それにしても、どうしてこんなスライムが出てきたのかしら?」
「本当に廃棄されたケーキが原因だとすると、これからの注意をしておいた方がいいね」
ロランはスライが口にしたという推測を語る。
だが、すぐさま否定の言葉を述べる。
「ま、スライのただの妄想……想像なだけの気が大いにするね」
「魔術を追求するものとしてスライムの生体についても調べる必要があるかの?」
「終わってからにしようね」
クラリッサの好奇心をロランがそっと押さえる。
「早く終わらせて、ケーキでござるよ!」
「うん。ケーキだよね」
ミィリアの奮起にエニアが頷く。
乙女な面々は、終わった後のことに思考が向いているようだった。
「匂いで胸焼けしそうとか思わないのかな」
ロランはふと思ったが、喉元で押し留めるのだった。
●
「この戦場ならば、二方向から仕掛けるぞ」
ディアドラの告げる通りに、ハンターたちは行動を開始する。
クリイムたちまでの距離は十分あったが、それは逆に感付かれれば先手が取られるということにもなる。
右側から攻めるのは、アレアとディアドラだ。
「ボク特性の魔改造パワードスーツに任せて欲しいのだよ」
そういって先行するアレアの見た目は、まるでまるごとうさぎの着ぐるみである。
まるででなく、実際に着ぐるみだった。
「き、気づかれておらぬか?」
クリイムの動きにディアドラが気づく。
どこが顔かはわからないが、もったりとした動きが活発化しているようにみえた。
「ボクにお任せ!」
言葉通り、アレアはクリイムの放つ炎を避けてみせた。パワードスーツめいた動きの秘訣は、エネルギーとして流し込んだマテリアルである。
「壁があって助かったぞ」
壁と盾を駆使し、ディアドラも後を追う形となる。
一方、左側から攻めるのはミィリアとロランだ。香り対策にふたりともバンダナで口元を覆っていた。
「お掃除スタイルみたいでござるな」
「間違ってはないね」
これから行うのは、廃棄されたケーキの恨み……とスライが主張するスライム退治なのだ。
場所も掃き溜めであるし、ある種の掃除だった。
「うわわ、危ないよ!?」
こちらの接近にも気付き、早速クリイムは炎を飛ばす。
遮蔽物に事欠かないため、有利に近づくことはできる。
「ケーキのロウソクになるつもりはないよ」
とはいえ、近づこうと動けば当然、身を晒すことになる。
皮鎧に灯りかけた火を払い落とし、ロランは後ろへ目配せした。
「妾たちの出番が来たようじゃのう」
前衛につづいて、後衛たちがクリイムを射程圏内に収めるのであった。
●
先手こそ与えてしまったが、遅れをとるわけではない。
最初から全力で当たっていく。
「近づくと、やっぱりキツイな」
バンダナで顔半分を覆っていても、匂う甘ったるさ。風に注意していても、接敵すればあまり関係がない。
鼻孔をくすぐる匂いが、頭をとろかす前に、攻めきる構えだ。
「ガンガン攻撃あるのみ!」
ミィリアも日本刀を振り上げ、一気に踏み込む。
振り下ろされた一撃は、くしくもニョルンとかわされてしまう。
その隙を見て、挟みこむようにロランが突きを繰り出す。
「核はなさそう……か?」
ずるりと引き抜けば、白い体が刃に纏わりついていた。それを払って構え直し、射線をひらく。
一直線に放たれたのは、風の刃。
エニアの攻撃はクリイムの身体を削ぐのに十分であった。
「匂いも少しは、マシ……かなぁ」
緑の風を纏うことで、多少は香りを防いでいるようであった。
匂い以上に彼女が気にかかるのは、道々に溶けていたクリイムの残骸を踏んでしまったことだ。
「べたべたするよ」
足裏の感触が気持ち悪かった。
右側では、アレアが接近を果たし何かしていた。
「喰らえ!」
具体的には、手持ちの多量の粉を浴びせる行為である。
ダイラタンシー効果を狙ったものだが、すぐに粉を消化しているのか。
はたまたクリームに片栗粉は和洋折衷的に難しかったか。
「科学はトライアンドエラーの繰り返しで発展するのだよ」
くじけず、次回につなげるべく思考を切り替える。
パワードスーツの性能を信じ、エア・スティーラーを構える姿はまるごとうさぎ。
その後を追い、ディアドラが走る。後ろを見て、スッと身体を横へ。
直後に走るは、一条の光。光の先では、麗美がアルケミストタクトを構えていた。
「一気に決めたいところね」
下手に時間をかければ、分裂する可能性がある。
キャスケットで覆った鼻を甘い匂いが襲う。
「むぅ」
思わず唸ってしまう麗美であった。
三体いたクリイムのうち、二体が右側の面子へ向かっていた。
「こちらがやられる前に、眠らせてやろうぞ」
クラリッサが構え、青白い霧を発生させる。
にわかに白い流動体が鈍くなっていくように思えた。
「効いておるのかの?」
見た目には判断がつかないのが、難である。
しかし、このタイミングでそいつらは積極的に攻撃してはこなかった。
●
「痺れてもらうのだよ」
右舷では瓦礫の間を縫い、アレアが跳びまわっていた。
再び動きを活発化し始めたクリイムに対して、至近距離から雷撃を放つ。
ぺちゃぺちゃとクリイムが身体を伸ばすも、捉えきれていない。
「好機である! 行くぞ」
ディアドラも強く踏み込み、剣を振りぬく。
炎を制するは水、白銀の刀身には水が宿っているが、強く効いているとは思えない。
「炎を司っているわけではないのか」
目論見が外れ、ディアドラは盾を前面に構え直す。
アレアとディアドラが両脇に離れれば、間を割って麗美が機導砲を放つ。
「ケーキのためにも、早く終わらせたいわ」
光がクリイムを蒸発させ、辺りに細かく飛び散る。
ゆるゆると再生しつつも、確実に絶えた体が散っていた。
「この匂いがきついな」
クリイムであった物体からも仄かに香りが漂う。
ディアドラは、一瞬、香りに気を取られた。
「後ろ!」と誰かの声が響き、慌てて盾を向ける。
ぎりぎりのところで、クリイムの体を盾が防ぐ。力強い当たりだが、耐えることが出来た。
「しっかりしてよね」と声の主、麗美が背中をたたき、機導剣を振るう。
「カッコ悪い姿ばかり見せられないのだ」
ディアドラも刃を振るって、応戦。クリイムはやや後退した。
一体を引き受ける左舷では、クリイムに対しロランとミィリアが挑む。
といっても、いくら突けども核のようなものは見当たらない。
「これは、厳しいな」
「それでも、たたっ斬るのでござるよ!」
渾身の一撃が振り下ろされ、クリイムを叩く。にゅるりとした感触が手にも伝わる。
弾けた破片がかからないよう、さっと身を引く。
同時に、エニアが仕掛けた。
だが、放たれた水弾はクリイムの手前を抉る。
「あま~い匂い、眠くなって……」
「しっかりするのじゃ、汝」
声をかけられ、ハッとする。
後ろにクラリッサが立ち、風刃を放っていた。
サクッと切り刻む。が、かろうじて動いていた。
「おっと、危ない危ない」
小さくなった身体で、距離を取り炎を紡ぐ。
だが、努力むなしく空振った後には水が待っていた。
「わたしは、あなたほど甘くはないよ」
気を張りなおしたエニアが、とどめを刺したのだった。
●
捻じれ、回転、震え。
幾重の兆候。
「分裂するぞ」
「分裂なのだよ」
ディアドラとアレアの読み通り、クリイムたちは身体を割った。
ぷるりと震え、白い塊は四つとなる。
「だがな、こちらも……」
ちらりと視線をやれば、左舷で戦っていたロランたちが挟みこむように迫っていた。
再度、クラリッサが眠気を誘う霧でクリイムから合流の時間をかせぐ。
アレアはするりと走り回り、そのうちの一体を引きつけ、再度電流を放つ。
「大人しくするのだよ」
小さくなった身体に、電気はよく走るのか。
ブルっと震えた流動体が、鈍っていく。
「絶対に負けられません!」
これを好機と飛び込んできたのは、麗美だ。
左舷が合流したことで、中距離へ移行。そのままアレアの補助に入ったのだ。
動きが鈍れば、的は小さくとも外れることはない。
「はい、終わりだよ」
削られつつも、僅かに残っていたクリイムも光に消し飛ぶのであった。
残る三体のうち、ミィリアが一体を引き受け、対峙していた。
残る二体は、それぞれロラン。そして、ディアドラが引き続いて請け負う。
「おサムライさんパワー、ご覧あれってね!」
おサムライさんパワー。それは、日本刀から繰り出される大ぶりの一撃。
非常に地味であるのだが、小さくなったクリイムの身体にはよく響く。
「振れば落ちるかな……」
ぬるりとした白い液体を距離をおいて、刃から振り落とす。
跳ねるような体当たりを体幹で受け止め、一歩引いた後、踏み込みなおす。
「一刀両断でごーざーるー!!」
気合とともに一閃。プツっという音とともに、クリイムの体が割れた。
再生は、ない。
「ガツンといったでござる!」
喜んでいる暇はない。トドメで一層ベタついた刀を小太刀へ持ち替え、振り返る。
視線の先では、ロランがいなしたクリイムをエニアが片付けているところだった。
「こっちは……終わったが」
牽引役を引き受けていたロランが、エニアを振り返る。
間近で弾けられたため、白い破片がバンダナにも付着していた。
そのためか、ここにきて眠気が出る。
「まだだよ」とエニアが近づき、背中を叩く。
「……っと」
目が覚めたロランが苦笑して大剣を構え直す。
だが、大勢は喫していた。
残る一体もクリイムの動きを封じるように動いていたディアドラ。
そして、限られた動きを的確に集中して狙うクラリッサ。
この二人によって、切り刻まれていた。
「破片すら分裂しているあるかも知れんからな」
とディアドラは戦闘中にこぼれ出たクリイムの欠片もしっかりと潰す。
風刃が舞終わり、そこにはクリームの一欠片も残されてはいなかった。
●
ピースホライズンにあるケーキ屋の前で、ロランはタバコを吹かしていた。
煙が寒空に消えていく中、その面々を見つけ片手を上げる。
「遅かったね」
「乙女の身支度は大変なのよ?」
ドレスをばっちりと着こなした麗美が、しれっと言ってのける。
その隣ではミィリアが、「ケーキ、ケーキ!」と嬉しそうに声を出していた。
「さすがにクリームの匂いが移ったままでは、威厳が感じられないからな」
ディアドラがもう匂わないぞというように、胸を張る。
戦闘が終わってすぐに、処理していたのが思い出される。
ディアドラはもとより、ミィリアも日本刀を拭っていたものだ。
「べとべとだったからね」
エニアがさっぱりした様子で、告げる。
シャワーでも浴びてきたのか、服も着替えていた。
「ここで喋っていても始まらぬ。入るのじゃ」
クラリッサが意気揚々とケーキ屋の扉を開く。
先んじて待っていたムームーが、ハンターたちを出迎える。
「後で運動すれば大丈夫じゃ」と小さく小さくクラリッサが入り際に、決意を固めていた。
「しかし、今回もスライムらめぇ展開にならなくて、残念なのよ」
女の子らしからぬ不満を告げていたのは、アレアだ。
そんなのいらないでござる、とミィリアがツッコミを入れていた。
「ロランさん、入らないのかな?」
「俺は遠慮するよ」
わかったと頷いて、エニアが扉を閉める。
そのときに、
「ショートケーキが食べたいよね」
と嬉しそうにいっていたのが聞こえてきた。
ふわふわの雲を見ていると、あの匂いが思い出される。
「別腹……とも違うか」
あの匂いの後で、ケーキが食べられるという女子陣の凄さを思い知る。
「喜んでいるなら、それでいいか」とロランは一人、煙を吐くのだった。
依頼結果
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相談卓 クラリッサ=W・ソルシエール(ka0659) 人間(リアルブルー)|20才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2015/01/01 14:09:38 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/12/30 18:38:24 |