心、響かせて 5

マスター:ゆくなが

シナリオ形態
ショート
難易度
易しい
オプション
  • relation
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
3~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2018/09/09 09:00
完成日
2018/09/20 13:51

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●そして彼女は帰って来た
 一連の事件が終わったとしても、グリューエリン・ヴァルファー(kz0050)の物語はまだ終わらない。
 グリューエリンは勢いよくゾンネンシュトラール帝国第一師団兵営にある帝国歌舞音曲部隊の一室の扉を開いた。
 クレーネウス・フェーデルバール兵長が驚いて、扉の方を見る。
 グリューエリンは息を切らして、扉を開け放ったままのポーズでいた。
「あ、あの部隊長」
「どうした、グリューエリン。任務はうまくいったのか?」
「ええ、それは無事終わりましたわ。でも、私……」
 グリューエリンがすぐに言葉を継がないから、クレーネウスは不審がる。
「なにかあったのか?」
「私、私……」
 思わずクレーネウスも息を飲む。
 グリューエリンはついに決心したのか、その緑の瞳をきらきらさせて、こう言った。
「私、ライブがしたいんです」

●だからライブをしましょう
 ヨルのいた島には、浄化術に優れたチームが編成され、送られることになった。
 こうして、あの島には再び人が住むかどうかはわからないが、平穏が訪れることだろう。
「ライブ?」
 思わずクレーネウスは言葉を繰り返した。
「ええ、そうです。浜辺にゾンビが現れた事件がありましたでしょう? そこで、ライブを開いたらどうか、と私は思うのです」
 ゾンビの出現で、周辺住民は不安な思いをしたに違いない。
 だから、そのような嫌な記憶を吹き飛ばすためにも、グリューエリンはその浜辺でライブを開きたい、と言っているのだ。
「ライブとは、舞台上で歌ったり踊ったりする催しのことですね!」
 遅れてやって来たアラベラ・クララ(kz0250)が言う。彼女は時間があればこの歌舞音曲部隊のための一室を訪れて、クレーネウスの集めたコレクションを見ては、アイドルとは何か勉強していた。しかし、生のライブははじめてである。
「ぜひやりましょう、クレーネウス」
 アラベラもグリューエリンと一緒になってクレーネウスに迫った。
 対するクレーネウスはどこか遠くを見ているような、茫洋とした態度である。返事をするでもなく、何かを考え込んでいるでもなく、澄んだ表情をしていた。
「あの、部隊長。どうされました……?」
「……いや、なんでもない。いいじゃないか、ぜひライブを開催しよう。すぐに手配をするよ」
「はい、よろしくお願いしますわ」
 こうして、グリューエリンの復帰ライブが決まったのであった。

●かくしてクレーネウスは思う
 グリューエリンは、諸々の報告をすませると、ライブのための練習をすると言って、外へ出ていった。
 クレーネウスは、その背中を見送りながら思った。
──そうか……自分からライブをやりたいと言い出すとは……。
 グリューエリンは、元々訓練兵であったが、スカウトされてこの帝国歌舞音曲部隊に配属されることになった。
 彼女の第一の目標は家名の復興である。
 だから、もしかしたら、グリューエリンにとってアイドルとはそのための手段に過ぎないのでは、と思うこともあった。
 彼女はアイドルであるが軍人だ。歌うことを軟弱だ、と言ったこともあった。
 だが、今は自分から歌うことを望んでいる。
 グリューエリンの中でアイドルという役目は変化しつつあるのだろう。
 戦場を乗り越え、歌の力を知り、それでもまた舞台に立つことを選んだ。
 その変化を、クレーネウスは眩しく思った。
──なら、このライブは意地でも成功させないとな。
 一層気持ちを引き締めて、クレーネウスはライブの手配に乗り出した。

●けれどアラベラは自分の立ち位置を知っている
 アラベラは木陰に佇み、グリューエリンが練習しているのを眺めていた。
 グリューエリンは背筋をしゃんと伸ばし、その動作はきびきびと明るい。
 アラベラが出会った頃とは明らかに違っていた。
──こうしてあなたの物語は続いていくのですね。
 アラベラは思う。
──舞台に立つことは大好きですが、まだ妾は主役ではないようです。
──グリューエリン、あなたが輝けるよう、妾もできることをしましょう。
 過去を生きた英霊は、今を生きる少女を見守るのだった。

リプレイ本文

●2日前
「兵長、兵長」
 昼過ぎに、ハンターは例の港町に到着していた。
 到着してすぐ、キヅカ・リク(ka0038)がクレーネウス・フェーデルバールにあることを伝える。
「なんだい?」
 キヅカは、ライブ後にちょっと遅い&早いグリューエリン・ヴァルファー(kz0050)とアラベラ・クララ(kz0250)お誕生日おめでとう打ち上げがしたい、と提案したのだ。
「なるほど……いいじゃないか」
「でしょ? 必要な経費は僕が持ちますから……」
「いや、大丈夫だ。いつかのために私が貯めておいた予算がある。そこからだそう」
 クレーネウスは自慢げに胸を張って見せた。
「部隊員にはこちらかも手を回しておこう」
「クレーネウス兵長、これはもちろん極秘ミッション……ですよ?」
「ふふふ、言われなくてもわかっているさ。胸が踊るじゃないか」
 極秘という響きにキヅカとクレーネウスはにやにや笑った。
「ますますらしくなってきたじゃねぇの」
 デスドクロ・ザ・ブラックホール(ka0013)が言った。
「リアルブルーには9月に『じゅうごや』というイベントがあるって恋人から聞きました! じゅうごやライブをしましょうっ」
 というUisca Amhran(ka0754)の発案から、ライブのテーマは十五夜に決まっていた。
「ライブ、大成功に導こうね!」
 時音 ざくろ(ka1250)が力強く言った。

 Uiscaが今回のライブのテーマを部隊員に説明する。
 会場を飾るためにはお月見団子やススキ(か似た植物)などが必要になって来る。Uiscaは早速手の空いている部隊員を手分けさせて準備に移させる。
「じゃあ僕たち、買い物しつつ宣伝活動行ってくるねー」
 フューリト・クローバー(ka7146)が手を振って、シルヴィア・オーウェン(ka6372)とアラベラと一緒に行動する。
 シルヴィアはポスターと何枚かのビラを手にしている。
「人々の交流が盛んな方へ行ってみましょう」

「最初は驚きました」
 シルヴィアが言った。
「グリューエリンさんに主役を譲ったときいて」
「時には裏方に回ることもあるのですよ」
「おっまたせー」
 フューリトは店に目当てのものがあったらしく、ささっと買い物を済ませてきた。
「ところで、露天のおばさんが言ってたよ。この道をもう少し行ったとことにこの街で1番の酒場があるんだって」
「それはいい情報ですね。さっそく向かいましょう」

 大きな酒場だった。
 シルヴィアはさっそくここの女将に声をかけ、ポスターを貼っていいか相談しているのだが、それを、目ざとく見つけた客たちがシルヴィアに寄ってきた。
「嬢ちゃんたち、大道芸人かい?」
「いえ、アイドルのライブを行うのです」
「帝都で見たことあるぜ、銀髪の女の子が歌って踊るやつだ」
「今回はグリューエリンという炎色の髪の少女が主役なんですよ」
「ポスターなら、外でも中でも好きなとことに貼るといいよ」
「ありがとうございます」
 シルヴィアは酒場で目立つところにポスターを貼った。
「ひとつ、踊ってもよろしいでしょうか?」
 かまわないよ、と女将がこたえた。
「では、失礼して」
 シルヴィアは剣を抜き放ち、円舞を披露する。
 ギャラリーはいつの間にか通りを埋めつくまでになっていた。
「拙い剣舞でしたが、見ていただきありがとうございました。私がこちらへ参りましたのは、2日後に行われます帝国アイドルのライブの宣伝でございます」
 優雅にお辞儀してシルヴィアが宣伝する。
 するとギャラリーから、
「もしかして、浜辺で準備しているやつ?」
と、声が上がった。
「今回のライブのテーマは十五夜。リアルブルーでの月を愛でる慣習なんだそうです。ライブ会場では無料で団子や菓子が貰えるようですよ」
 アラベラもそう言って宣伝活動に加わる。
 シルヴィアの弁舌はさわやかだ。人前に出ることに慣れているのだろう。
「でも、ゾンビが出た場所でしょ?」
 ひとりが不安そうに言った。
「だからこそ、そこでするんです」
 シルヴィアがこたえる。
「嫌な記憶を吹き飛ばすために」

 キヅカがアルケミックフライトで宙を飛んでいる。
「他に上の方でやることあります?」
「いや、しばらく休んでくれていいよ」
「わかりました」
 舞台の周辺には、物珍しさから、遠巻きにそこそこの人だかりができていた。
 キヅカは地に降りて、ビラを手に彼らに近づく。
「こんにちは。2日後、ここでライブするんです」
「お母さん。僕、見てみたい!」
 女性の足元には3歳くらいの少年がいた。
「そうね。じゃあ、行って見ましょうか」
「ありがとうございます。よろしければ、ご家族やご友人などもお誘いください」
「できる限り声をかけて見るわ」
 女性と少年はにこやかに手を振ってその場を離れた。
「ふう」
 駆け足で控え室に着くと、休む暇なく弁当を食べはじめるキヅカ。
 その様子があまりにもはやいものだから、グリューエリンはぽかん、と口を開けたままそれを眺めていた。
「うっし、チャージ完了!」
 弁当を片付けて、即座にキヅカは立ち上がる。
「あの、リク殿。もうちょっと休まれては……?」
「大丈夫。じゃ、僕はあっちの方に行ってくるから」
 と、言ってリクは駆け出して行った。

「ええ、ウサ耳カチューシャ、でしょう」
「やっぱり、ウサ耳カチューシャ、だよね」
 Uiscaとざくろはバックダンスの振り付けを行なっていた。
 今回のテーマは十五夜、主な要素は、月、そしてウサギだった。
 そこでバックダンサーは全員ウサ耳カチューチャを着用にすることにした。そして主役となるグリューエリンは月からの発想で、かぐや姫風の衣装である。
「なんとなくローラースケートも欲しかったけど、ウサギでも十五夜でもないもんね」
 と、ざくろが呟いた。
 そこへ、別室にいたデスドクロとグリューエリンが入って来る。
「セットリストは決まったぜ」
 デスドクロはレパートリーの中からいくつかを十五夜バージョンに編曲。月夜の雰囲気を感じさせるアレンジメントを加え、再構成していた。グリューエリンとも打ち合わせを重ね、それも満足に行った。
 音楽面ではもちろん、このライブにどういう方向性を持たせるのか、という話し合いもグリューエリンとしていた。
 ライブに方向性を持たせるのは大事なことだった。グリューエリンは欠けていても登る月、次第に満月になる様を、くじけず前に進むことと重ねたいと言った。
 演奏に入るまでの打ち合わせはばっちりだ。明日は音合わせや全体練習に集中できるだろう。
「グリューエリン」
 ざくろが言った。
「また歌に向き合ってくれて、ざくろほんとに嬉しいよ、ライブも凄く楽しみにしてるね……大丈夫、バックダンサーとしてざくろ達、舞台の上でも支えるから。歌で人々を元気にしようね」
 ちょうど、宣伝活動や買い物に行っていたシルヴィア、フューリト、アラベラが帰ってきた。
 Uiscaがアラベラにこんな提案をする。
「あいどるの王道のひとつにユニットがあると言いましたが。さらにたくさんの人が集まって、グループを結成するのも王道なんですよ! 今日はグループに挑戦なのですっ」
「うさ耳カチューシャ! こ、こんな可愛く目立つアイテムが今の世界にはあるというのですか?」
「アラベラさん、やってくれますか?」
「もちろんいいでしょう! このアラベラ、やり遂げてみせますわ!」
「いい意気込みだ……そこを悪いが、グリューエリンとアラベラ、ちょっとこい」
 デスドクロは別室にグリューエリンとアラベラを呼び込んだ。
「今回のライブだが……主役はもちろんグリりんだ。そこは間違ってねぇ。だが、ラストの曲をアラベラに歌わせるってのは、どうだ?」
 アラベラは黙った。
「こっちも万全のフォローをする。ただ舞台に立つ感覚ってのを味わってもらいてぇ」
 だから口火を切ったのはグリューエリンだった。
「いい案だと思います。……アラベラ殿。貴女がいなかったら私はここにいなかった。これはラストを譲る、という話ではありません。これから貴女と私は対等な立場である、ということの証明です。だから……アラベラ殿。歌ってください。今度は貴女の声を、私に聴かせてください」

「や、エリンちゃん。ひとり?」
 夜になって、グリューエリンが宿屋へ向かう途中、キヅカが椅子に腰掛け楽器の練習をしていた。
「ええ、デスドクロ殿とアラベラ殿はもう少し打ち合わせをするそうですわ」
「そっか」
 キヅカはミネラルウォーターを手渡した。
「どうして……なんて野暮か。傍でちゃんと見てきたから」
 帝国歌舞音曲部隊の一室からはじまり、ここまで来た。ここまで来るなんて、思わなかった。
「導き出した答えが正しいかなんて解らない。でも、この心が、鼓動が叫ぶ声を信じていたい」
「私もそうです。アラベラ殿と出会ったとき、ヨルと遭ったとき、心の中には衝動がありました。それが正しいものか悪いものかはわかりません。でも歌わずにはいられないんです」
「……帰ろう。少し、冷える」
 漣が足跡を、足音をかき消して行く。

●1日前
 今日は主にリハーサルをした。
 バックダンスやコーラスの練習、音合わせ。
 舞台に立つ者はもちろん、裏で舞台を支える者達の調整もある。
 全員が、最高のライブのために進んでいる。
 ちなみにこの夜、宿屋で、Uisca発案のガールズトークなどもあったのだが、紙幅の関係で割愛する。

●当日
「たくさん、人が来てくれましたね!」
 シルヴィアが観客席を見て言う。
 やってきた子供たちは月見団子やお菓子を美味しそうに頬張っている。
 一方、グリューエリンは衣装に身を包んで、控え室でゆっくりと深呼吸をしていた。
 キヅカが彼女の隣に腰掛けた。
「エリンちゃん、手を出して」
 グリューエリンは手を出す。
 キヅカは彼女の手を握って機導浄化術・浄癒を発動した。
「よし、これでBS緊張も大丈夫」
 キヅカは笑った。
 つられて、グリューエリンも柔らかく微笑む。
「そろそろ時間だ」
 デスドクロが言った。
「エリンさん」
 Uiscaはグリューエリンに声をかける。
「歌は心そのもの……だから今のエリンさんの想いを歌にこめて歌ってっ」
 それぞれの思いを胸に舞台へ上がっていく。
 最後にグリューエリンが出てくる。
 会場は温かい拍手に包まれた。
「……皆様、本日はグリューエリン・ヴァルファーの舞台にお越し頂きまして、ありがとう存じます。今宵は十五夜、月を愛でるというコンセプトでライブをさせていただきます。本日の月を皆様と共に眺められる幸せに感謝を。それでは一曲目……」

「ヨルー、きいてるー?」
 フューリトは舞台の裏にいた。
 手には港町で買った材料で作ったメッセージキャンドルが灯されている。
『独りじゃないよ一緒にいこう』
 という文字が浮かび上がる。
 フューリトが見つめる方向はヨルのいた島だ。
「あの歌はヨルへの歌でもあったんだよー」
 フューリトが帰りの船で歌った、お母さんの歌だ。
「よけーなヨタぶっこいて事態悪化させるのが好きそうなヒトとかにころっと騙されてそーなレベルで素直だったとは思うから、聞こえてたらいいなぁ」
 潮風に髪をなびかせるフューリト。
「……僕はヨルには同情はしないよ」
 ヨルは自分で選んだから。そのことに敬意を払い同情しないしあわれまない。ただ、忘れない。いつかの女騎士と同じように。
「ちゃんと聴きなよー?」
 ヨルに語りかけるフューリト。
「この歌を聞く全ての人がいー夢を見られますよーに!」
 その時、ステージの上から流星が飛び出した。

 高台に登ったシルヴィアが耀く矢を流星の様に放ったのだ。観客から歓声が上がる。
 さらに、ざくろがワンダーフラッシュを打ち上げる。
 それを見て、遠くから様子を見ていた人々も、興味津々で寄ってくる。
 闇夜によく映える演出だった。
 そして、クライマックス。
 ざくろがジェットブーツで飛び上がる。そして、盾を超重錬成して巨大化させ、裏からLEDライト当てると、透明な盾が冴え渡る満月のように輝いた。
「皆様、ありがとうございました!」
 グリューエリンが観客へ手を振る。観客も、拍手したり手を振り返したりしていた。
「最後の一曲は……ここに私が立つきっかけを作ってくれたある方にお願いしたいと思います。アラベラさん、どうぞ前へ」
 グリューエリンは振り返り、アラベラを舞台の中心に手招いた。
「ご紹介に預かりました、アラベラ・クララです」
 英雄としての伝承を知っているものたちからざわざわと驚きの声が漏れる。
「妾は目立つのが好きです。ですが今回は裏方に徹しました。これで妾が変わるかどうかはわかりません。でも……この心地良い空間を壊したくない。その気持ちを込めて、一曲歌わせていただきます」
 デスドクロやキヅカにアラベラが目配せする。
 流れ出すのは月光にとろけるような甘いメロディ。しっとりとしたバラード。
 今は主役じゃない人間の、今を賛美する歌だった。
 それが終わると、拍手は優しくいつまでも続いた。
 こうして、ライブは終了した。

 観客は帰路につく。
 華やかだったライブ会場は解体されていく。
 浜辺はただの浜辺に戻った。非日常空間は終わったのだ。
 しかし、部隊員の解体の手際があまりにも良かったものだから、
「皆様、少々急ぎすぎでは……?」
 と、グリューエリンがちょっと不思議がった。
「そんなことないよ? さ、エリンちゃん、アラベラ、打ち上げ会場にGO!」
 キヅカに導かれて、グリューエリンたちは打ち上げ会場に進んでいく。
 会場の扉を開けると、テーブルの上に、デコレーションケーキが2つ並んでいる。
 そして……、
「グリューエリン、アラベラ、お誕生日おめでとー!!」
 一大合唱がグリューエリンとアラベラに浴びせられた。
 ふたりはぽかんとしている。
「誕生日……?」
「いろいろ忙しくて、誕生会、できなかったでしょ? だからエリンちゃんにはちょっと遅い、アラベラには少し早いけど、バースディパーティ、したいなって」
 キヅカが説明した。
 デスドクロも用意していた花束をふたりに手渡した。
「グリューさん、アラベラさん、はぴば! ……心からの声が響いたよ。ハイタッチ、しよ?」
 フューリトのあげた手に、グリューエリンの手が合わせられる。
「……私」
 ぽつりとグリューエリンが言う。
「……私、皆様に出会えて本当に良かった」
「エリンさん、アラベラさん、ふたりにプレゼントがあります」
 Uiscaが取り出したのはミサンガだった。
「紐が自然に切れたら願いごとが叶うお守りです。辺境の巫女の間でも流行っているんですよ」
「ありがとうございます、Uiscaさん」
「大切にしますね、Uisca」
 誕生日として、そして新しい門出として、この1日は刻まれた。
「ふたりとも誕生日、おめでとう」

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重体一覧

参加者一覧

  • 完璧魔黒暗黒皇帝
    デスドクロ・ザ・ブラックホール(ka0013
    人間(蒼)|34才|男性|機導師
  • 白き流星
    鬼塚 陸(ka0038
    人間(蒼)|22才|男性|機導師
  • 緑龍の巫女
    Uisca=S=Amhran(ka0754
    エルフ|17才|女性|聖導士
  • 神秘を掴む冒険家
    時音 ざくろ(ka1250
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • 瑠璃の慧眼
    シルヴィア・オーウェン(ka6372
    人間(紅)|20才|女性|闘狩人
  • 寝る子は育つ!
    フューリト・クローバー(ka7146
    人間(紅)|16才|女性|聖導士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2018/09/05 21:56:37
アイコン 【相談卓】凱旋ライブ控え室
Uisca=S=Amhran(ka0754
エルフ|17才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2018/09/08 22:27:07