ゲスト
(ka0000)
残暑が残り過ぎてやしませんか?
マスター:春秋冬夏

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~10人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/09/10 12:00
- 完成日
- 2018/09/18 11:01
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
「もう夏も終わるなぁ……」
農民はスイカを齧りながらしみじみと呟いた。そう、この熱気も段々と遠のいて……遠のいて……。
「いやあっついなぁ!?」
急に冷静に? なった農民が叫ぶ。
「ていうかおかしいだろ、なんでこの時期になってもこんなに暑いの!? もう一周回って熱いよ!?」
別に誰かが近くにいるわけじゃないけど、農民がツッコまずにはいられないくらい暑かった。
「というわけで調査したところ、周囲の気温を上げる雑魔が発生している事が判明しました」
その手の調査班的な人物が資料を広げて、ハンター達に調べた結果を示してくれる。
「能力だけ聞くと広範囲に影響を及ぼす危険な存在に聞こえますが、逆にほぼそれしかできないようですね。まぁ、こうしてあなた達が呼ばれている時点で、結構危ないんですけど、その辺はお約束という事で」
お約束で片付けていい内容ではないのだが、気にしてはいけない。
「あぁ、ちなみにあちらは身を潜めているようですが、暑さを振り払えそうなものを持ちこむことで誘き出すことができるようです。実際、最初の目撃者の農民は、スイカを食べてたら急に暑くなった、と言っています。この事から、暑さの中で涼む事で寄って来る特性があるらしいと推察されました。まぁ、要するに、です」
ニコッと、そいつは笑う。
「夏の暑さを楽しんだ後、死ぬような夏の暑さに打ち勝ってくればいいのです」
さらっと言ったが、最終的には涼みの「す」の字もない暑さに見舞われそうだ。
農民はスイカを齧りながらしみじみと呟いた。そう、この熱気も段々と遠のいて……遠のいて……。
「いやあっついなぁ!?」
急に冷静に? なった農民が叫ぶ。
「ていうかおかしいだろ、なんでこの時期になってもこんなに暑いの!? もう一周回って熱いよ!?」
別に誰かが近くにいるわけじゃないけど、農民がツッコまずにはいられないくらい暑かった。
「というわけで調査したところ、周囲の気温を上げる雑魔が発生している事が判明しました」
その手の調査班的な人物が資料を広げて、ハンター達に調べた結果を示してくれる。
「能力だけ聞くと広範囲に影響を及ぼす危険な存在に聞こえますが、逆にほぼそれしかできないようですね。まぁ、こうしてあなた達が呼ばれている時点で、結構危ないんですけど、その辺はお約束という事で」
お約束で片付けていい内容ではないのだが、気にしてはいけない。
「あぁ、ちなみにあちらは身を潜めているようですが、暑さを振り払えそうなものを持ちこむことで誘き出すことができるようです。実際、最初の目撃者の農民は、スイカを食べてたら急に暑くなった、と言っています。この事から、暑さの中で涼む事で寄って来る特性があるらしいと推察されました。まぁ、要するに、です」
ニコッと、そいつは笑う。
「夏の暑さを楽しんだ後、死ぬような夏の暑さに打ち勝ってくればいいのです」
さらっと言ったが、最終的には涼みの「す」の字もない暑さに見舞われそうだ。
リプレイ本文
●それは良く晴れた日の事でした
カッ! 強烈な太陽が照り付けて、この一帯だけ季節が動いてないんじゃないかっていう農村、その川辺。
「ふう……涼みに来たのか暑さに耐えに来たのか……」
ジワジワと肌を焼く熱に汗が止まらないエメラルド・シルフィユ(ka4678)は喉元を拭う。
「とりあえずは涼む準備だな。涼めば向こうから勝手に来てくれるというし。川があるなら水遊びでもするか」
「そうですね」
ガッと、サクラ・エルフリード(ka2598)は鎧に手をかけた。
「水浴びしたり水の掛け合いをしたり見た目、涼んでいる感じならいいのかな」
「え? 水浴び? い、いやそれは……!」
突然の事に戸惑うエメラルドの前で、サクラは鎧を脱ぎ捨てて……ビキニの水着姿に。
「別に水遊びがしたくてビキニ姿なわけではない……ないですよ?」
じっとエメラルドが見ていたものだから、サクラは別に何も聞かれていないのに、自ら牽制を飛ばす。
「あ、ああ、服着てだよな、そうだよな! とはいえ私の服は一応聖導士としての礼装だからなみだりに濡らす訳にはいかない。着替えてくるから待っていてくれ」
などとその場を離れるエメラルドだが、元々ビキニアーマーだから水着みたいなも……ガシッ。
「水着みたいなものとか思った奴、表出ろ」
あ、これ表に出たらボッコボコにされるやつ!
「全く、こっちは以前友人に見立ててもらった水着で、鎧とはわけが違うんだからな」
そう言ってエメラルドが取り出したのは白いビキニタイプの水着。あれ、やっぱりいつも通りなん……ドゴォ。
「お帰りなさい……さっき何か鈍い音がしませんでしたか? もしや、早速雑魔が出ましたか?」
「いやなに、雑魔ですらない何かが湧いたから叩き潰しておいただけだ、気にするな」
痛い……酷い……しくしく。
「サクラは何をしてるんだ?」
先に川に入っていたサクラが何かしている様子に気づいて、エメラルドが見やるとサクラは網に入ったスイカを川に浮かべていて。
「スイカ、冷えますかね……この川で……」
「どうだろうな?」
試しにエメラルドも川に入ってみると、冷たい。そう、水『は』冷たい。
「やはり日差しが強いな……そうだ、私も色々持ってきたのだが」
エメラルドは額に手を翳して空を見上げると、一旦上がってスイカをサクラと一緒に川の中へ。すると、スイカの入った袋をひっかけた岸のすぐ側に日差し避けのパラソルを立ててスイカを日差しからガード。
「これで後は冷えてくれるだろう」
「涼しい事をしていれば現れるとの事ですし、取り合えず川で遊んでいればでてきますかね……」
川に入っただけでは涼は得られない。エメラルドとサクラは水の掛け合いからはじまり、しばし川でじゃれ合う事にするのだった。
●冷静に考えると違う意味で涼しい
「ぷはっ」
二人で泳いでいたエメラルドは最初の位置まで戻ってくると、髪を揺らして水上に顔を出す。
「大分遊んだし、そろそろスイカも冷えて……うわっ!?」
「……どうしました? えっ」
追いついてきたサクラも周りを見回して目を丸くする。なんと二人を取り囲むようにして、川辺に無数の泥人形が立ち並んでいたのだ!
「な、なんだこれは? 噂の雑魔か!? しかし、どこかで見覚えがあるような……」
「それは埴輪って言って、雑魔じゃないんだぞ、と」
近くで足だけ川の水に浸していたアルト・ハーニー(ka0113)が「よ」とあいさつ代わりに片手を挙げた。
「って、お前か!!」
エメラルドが埴輪テロの犯人に気づき、ツッコミ半分呆れ半分で妙な脱力感を覚える。
「取り合えず暑さが和らぐように埴輪を並べておいたんだぞ、と」
「確かに涼しくなったかもしれんが、これ気温的な意味じゃなくて背筋的な意味だよな? 恐怖で肝を冷やしてるだけだよな!?」
エメラルドのツッコミに、アルトが呆然。
「埴輪の可愛さに癒されていない……だと!?」
「一個一個は可愛かったとしても、この数が並んでたら純粋に恐ろしいわ!!」
ぎゃいのぎゃいのと騒ぐ傍ら、サクラは並べられた埴輪をじー。
(これには周りの熱を冷ましてくれる効果が……?)
興味本位で、つん。
「あつっ!?」
指先でつついてみたところ、埴輪は日差しに当てられて物凄く熱されており、もはや触れなくなっていた。
「むぅ……」
一旦口元まで川に浸かって体を冷やしつつ、半眼で恨めしそうな目を埴輪に向けるサクラなのだった。
「あ、そうだ。スイカを冷やしてあるんだが、アルトも食べるか?」
「スイカか……スイカ割なら任せろー。何かを割るなら俺のハンマーの出番だろう。あ、埴輪は割らないからなっ」
エメラルドの提案に一度は微笑んだものの、某聖女の影響か、割るという言葉と埴輪が直結してしまっているらしいアルトがガクブル。大丈夫、今回は割れないって……多分。
●やっぱ遊びに来てたんじゃねぇか
「……暑くなってきたな……雑魔か……?」
川岸に腰かけて、日差し避けの下で砕いた(割った、ではなく、砕いた。何があったのかは推して知るべし)スイカを頬張っていたエメラルドが空を見上げる。日差しはパラソルが防いでくれているが、それでもなお暑くなってきたという事は、純粋に気温が上がってきている事に他ならない。
「おのれ……来た時より暑いぞ……!」
などとエメラルドが周りを見回すと、真後ろに太陽っぽい何かがいた。しかし、実際の太陽のように強い光を放っているわけではないため、戦闘に支障はなさそうだ。
「サクラ、私達は暑さでダメージを受けている……ヒールで回復しないか……?」
あまりの熱気にエメちゃんが変な事を言いだす以外には。
「もしくはこの熱い川……ピュリフィケーションで涼しく……」
「落ち着いてください、川の水は冷たいですよ、川の水は」
大事な事なのか二回いったサクラ。彼女に「そうか」と短く返したエメラルドは剣を抜いて。
「……ならば仕方ない、雑魔を倒すまでだ!」
「暑すぎるのも困るんでさくっと消えて貰おうかね、と。暑いとねーちゃん達が薄着になるのは嬉しいが、王女様は薄着になってくれないしねぇ」
アルトもハンマーを担いで臨戦態勢に入った……んだけど、本来なら真っ先に動くであろう近接型の二人が動く前に、雑魔が謎の衝撃に当てられて撃墜される。
「え?」
「まだ俺たちは攻撃してないんだぞ、と?」
二人が振り返ると、表情はいつもの生真面目な騎士なのに、背後に浮かぶ闘気的な何かが悪魔か怨霊に見えるサクラ。
「人の遊びを邪魔する奴は……」
ぺたり、ぺたり、泳いでいた彼女は素足で迫る。
「魔法に撃たれてなんとやら……」
抜剣と同時に剣閃から黒い斬撃が飛び、雑魔を打ち上げてサクラは得物を刺突剣のように引き、視線の高さに構えた。
「というやつです」
一足に距離を詰め、矢を放つように剣先で穿った瞬間、取り囲むように黒い刃がばら撒かれ、一斉に雑魔を貫いた。針鼠か何かのような姿になり果てた雑魔は刃が消えた後も見えない糸で縛られたようにその場に縫いとめられて。
「意外としぶといのですかね……?」
すっと、武器を高く振り上げた。
「暑くする事しか出来ない人は消えてください……」
「女の子は怒らせるもんじゃないさねぇ……」
「あれ、怒ってるってレベルなのか……?」
アルトとエメラルドが若干引いてる傍ら、サクラによる無慈悲な連打が雑魔を完膚なきまでに叩きのめしていく……。
「これでもう安心ですかね……温度も下がってきた気がしますが……」
いい汗をかきました、と言わんばかりに額を拭うサクラ。雑魔が消滅する寸前の有様は、きっと記録に残さない方がいいだろう。
「さて、それじゃあ当初の予定に戻るとするかねぇ……それじゃあねぇ、お二人さ……アッツ!?」
並べた埴輪を回収しようとするアルトだが、ガッツリ熱を吸収していて触れる状態ではない。
「こ、この程度で俺の埴輪愛は……あちっ」
ツルッ、ぽちゃん。
「俺の埴輪ァアアアア!?」
何という事でしょう、川に落した埴輪がどんぶらこっこどんぶらこっこ……アルトが埴輪を追いかけて走り去っていった。
「私達はどうしようか? 確かに最初程の暑さはないが……」
それでもまだ、微妙に汗ばむ暑さにエメラルドは額に手を翳し、そこそこ強い日差しを落とす本物の太陽を見る。
「折角ですし、もう少し遊んでいきましょう……スイカもまだありますし」
キリッ。生真面目な性格が滲みだす真顔のまま、サクラは冷えたスイカを抱っこ。二人はもう少しだけ水遊びを楽しんでから帰路につくのだった。
カッ! 強烈な太陽が照り付けて、この一帯だけ季節が動いてないんじゃないかっていう農村、その川辺。
「ふう……涼みに来たのか暑さに耐えに来たのか……」
ジワジワと肌を焼く熱に汗が止まらないエメラルド・シルフィユ(ka4678)は喉元を拭う。
「とりあえずは涼む準備だな。涼めば向こうから勝手に来てくれるというし。川があるなら水遊びでもするか」
「そうですね」
ガッと、サクラ・エルフリード(ka2598)は鎧に手をかけた。
「水浴びしたり水の掛け合いをしたり見た目、涼んでいる感じならいいのかな」
「え? 水浴び? い、いやそれは……!」
突然の事に戸惑うエメラルドの前で、サクラは鎧を脱ぎ捨てて……ビキニの水着姿に。
「別に水遊びがしたくてビキニ姿なわけではない……ないですよ?」
じっとエメラルドが見ていたものだから、サクラは別に何も聞かれていないのに、自ら牽制を飛ばす。
「あ、ああ、服着てだよな、そうだよな! とはいえ私の服は一応聖導士としての礼装だからなみだりに濡らす訳にはいかない。着替えてくるから待っていてくれ」
などとその場を離れるエメラルドだが、元々ビキニアーマーだから水着みたいなも……ガシッ。
「水着みたいなものとか思った奴、表出ろ」
あ、これ表に出たらボッコボコにされるやつ!
「全く、こっちは以前友人に見立ててもらった水着で、鎧とはわけが違うんだからな」
そう言ってエメラルドが取り出したのは白いビキニタイプの水着。あれ、やっぱりいつも通りなん……ドゴォ。
「お帰りなさい……さっき何か鈍い音がしませんでしたか? もしや、早速雑魔が出ましたか?」
「いやなに、雑魔ですらない何かが湧いたから叩き潰しておいただけだ、気にするな」
痛い……酷い……しくしく。
「サクラは何をしてるんだ?」
先に川に入っていたサクラが何かしている様子に気づいて、エメラルドが見やるとサクラは網に入ったスイカを川に浮かべていて。
「スイカ、冷えますかね……この川で……」
「どうだろうな?」
試しにエメラルドも川に入ってみると、冷たい。そう、水『は』冷たい。
「やはり日差しが強いな……そうだ、私も色々持ってきたのだが」
エメラルドは額に手を翳して空を見上げると、一旦上がってスイカをサクラと一緒に川の中へ。すると、スイカの入った袋をひっかけた岸のすぐ側に日差し避けのパラソルを立ててスイカを日差しからガード。
「これで後は冷えてくれるだろう」
「涼しい事をしていれば現れるとの事ですし、取り合えず川で遊んでいればでてきますかね……」
川に入っただけでは涼は得られない。エメラルドとサクラは水の掛け合いからはじまり、しばし川でじゃれ合う事にするのだった。
●冷静に考えると違う意味で涼しい
「ぷはっ」
二人で泳いでいたエメラルドは最初の位置まで戻ってくると、髪を揺らして水上に顔を出す。
「大分遊んだし、そろそろスイカも冷えて……うわっ!?」
「……どうしました? えっ」
追いついてきたサクラも周りを見回して目を丸くする。なんと二人を取り囲むようにして、川辺に無数の泥人形が立ち並んでいたのだ!
「な、なんだこれは? 噂の雑魔か!? しかし、どこかで見覚えがあるような……」
「それは埴輪って言って、雑魔じゃないんだぞ、と」
近くで足だけ川の水に浸していたアルト・ハーニー(ka0113)が「よ」とあいさつ代わりに片手を挙げた。
「って、お前か!!」
エメラルドが埴輪テロの犯人に気づき、ツッコミ半分呆れ半分で妙な脱力感を覚える。
「取り合えず暑さが和らぐように埴輪を並べておいたんだぞ、と」
「確かに涼しくなったかもしれんが、これ気温的な意味じゃなくて背筋的な意味だよな? 恐怖で肝を冷やしてるだけだよな!?」
エメラルドのツッコミに、アルトが呆然。
「埴輪の可愛さに癒されていない……だと!?」
「一個一個は可愛かったとしても、この数が並んでたら純粋に恐ろしいわ!!」
ぎゃいのぎゃいのと騒ぐ傍ら、サクラは並べられた埴輪をじー。
(これには周りの熱を冷ましてくれる効果が……?)
興味本位で、つん。
「あつっ!?」
指先でつついてみたところ、埴輪は日差しに当てられて物凄く熱されており、もはや触れなくなっていた。
「むぅ……」
一旦口元まで川に浸かって体を冷やしつつ、半眼で恨めしそうな目を埴輪に向けるサクラなのだった。
「あ、そうだ。スイカを冷やしてあるんだが、アルトも食べるか?」
「スイカか……スイカ割なら任せろー。何かを割るなら俺のハンマーの出番だろう。あ、埴輪は割らないからなっ」
エメラルドの提案に一度は微笑んだものの、某聖女の影響か、割るという言葉と埴輪が直結してしまっているらしいアルトがガクブル。大丈夫、今回は割れないって……多分。
●やっぱ遊びに来てたんじゃねぇか
「……暑くなってきたな……雑魔か……?」
川岸に腰かけて、日差し避けの下で砕いた(割った、ではなく、砕いた。何があったのかは推して知るべし)スイカを頬張っていたエメラルドが空を見上げる。日差しはパラソルが防いでくれているが、それでもなお暑くなってきたという事は、純粋に気温が上がってきている事に他ならない。
「おのれ……来た時より暑いぞ……!」
などとエメラルドが周りを見回すと、真後ろに太陽っぽい何かがいた。しかし、実際の太陽のように強い光を放っているわけではないため、戦闘に支障はなさそうだ。
「サクラ、私達は暑さでダメージを受けている……ヒールで回復しないか……?」
あまりの熱気にエメちゃんが変な事を言いだす以外には。
「もしくはこの熱い川……ピュリフィケーションで涼しく……」
「落ち着いてください、川の水は冷たいですよ、川の水は」
大事な事なのか二回いったサクラ。彼女に「そうか」と短く返したエメラルドは剣を抜いて。
「……ならば仕方ない、雑魔を倒すまでだ!」
「暑すぎるのも困るんでさくっと消えて貰おうかね、と。暑いとねーちゃん達が薄着になるのは嬉しいが、王女様は薄着になってくれないしねぇ」
アルトもハンマーを担いで臨戦態勢に入った……んだけど、本来なら真っ先に動くであろう近接型の二人が動く前に、雑魔が謎の衝撃に当てられて撃墜される。
「え?」
「まだ俺たちは攻撃してないんだぞ、と?」
二人が振り返ると、表情はいつもの生真面目な騎士なのに、背後に浮かぶ闘気的な何かが悪魔か怨霊に見えるサクラ。
「人の遊びを邪魔する奴は……」
ぺたり、ぺたり、泳いでいた彼女は素足で迫る。
「魔法に撃たれてなんとやら……」
抜剣と同時に剣閃から黒い斬撃が飛び、雑魔を打ち上げてサクラは得物を刺突剣のように引き、視線の高さに構えた。
「というやつです」
一足に距離を詰め、矢を放つように剣先で穿った瞬間、取り囲むように黒い刃がばら撒かれ、一斉に雑魔を貫いた。針鼠か何かのような姿になり果てた雑魔は刃が消えた後も見えない糸で縛られたようにその場に縫いとめられて。
「意外としぶといのですかね……?」
すっと、武器を高く振り上げた。
「暑くする事しか出来ない人は消えてください……」
「女の子は怒らせるもんじゃないさねぇ……」
「あれ、怒ってるってレベルなのか……?」
アルトとエメラルドが若干引いてる傍ら、サクラによる無慈悲な連打が雑魔を完膚なきまでに叩きのめしていく……。
「これでもう安心ですかね……温度も下がってきた気がしますが……」
いい汗をかきました、と言わんばかりに額を拭うサクラ。雑魔が消滅する寸前の有様は、きっと記録に残さない方がいいだろう。
「さて、それじゃあ当初の予定に戻るとするかねぇ……それじゃあねぇ、お二人さ……アッツ!?」
並べた埴輪を回収しようとするアルトだが、ガッツリ熱を吸収していて触れる状態ではない。
「こ、この程度で俺の埴輪愛は……あちっ」
ツルッ、ぽちゃん。
「俺の埴輪ァアアアア!?」
何という事でしょう、川に落した埴輪がどんぶらこっこどんぶらこっこ……アルトが埴輪を追いかけて走り去っていった。
「私達はどうしようか? 確かに最初程の暑さはないが……」
それでもまだ、微妙に汗ばむ暑さにエメラルドは額に手を翳し、そこそこ強い日差しを落とす本物の太陽を見る。
「折角ですし、もう少し遊んでいきましょう……スイカもまだありますし」
キリッ。生真面目な性格が滲みだす真顔のまま、サクラは冷えたスイカを抱っこ。二人はもう少しだけ水遊びを楽しんでから帰路につくのだった。
依頼結果
依頼成功度 | 普通 |
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面白かった! | 20人 |
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重体一覧
参加者一覧
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/09/10 09:57:16 |
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がまんたいかい エメラルド・シルフィユ(ka4678) 人間(クリムゾンウェスト)|22才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2018/09/10 10:24:26 |