ゲスト
(ka0000)
【幻痛】年を経たあの蛇
マスター:近藤豊
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 不明
- オプション
-
- 参加費
- 1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~4人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 3日
- 締切
- 2018/09/10 22:00
- 完成日
- 2018/09/12 06:30
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
「よいしょっと。これで最後になります」
キュジィ・アビトゥーア(kz0078)は、ノアーラ・クンタウにあるヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032)執務室へ書籍を持ち込んだ。
もう、何冊目になるだろう。
キュジィが帝国内の戦闘記録や地下城『ヴェドル』にあるドワーフの蔵書を部屋に運び込んで数日。既に書籍は幾つもの山となっているが、ヴェルナーは片っ端から猛スピードで本に目を通していく。
「ふふ、ありがとうございます」
「ヴェルナー様は何を調べてらっしゃるのですか?」
キュジィはヴェルナーから辺境地域に関する情報が記載された書籍を持ってくるよう指示されただけなのだ。キュジィもヴェルナーが何を調べようとしているのかは分からないのだ。
キュジィの素朴な疑問に対し、ヴェルナーは手にしていた書籍をそっと閉じて向き直った。
「そうでしたね。話していませんでした。
私が知りたいのは、あの歪虚が言っていた『終末』の事です」
あの歪虚――それがブラッドリー(kz0252)の事だとキュジィはすぐに気付いた。
東方、龍園、そして辺境の姿を荒らしたブラッドリーは謎の行動を取りながら、ハンターと接触。発言は意味不明な物が多く、妄言として受け取られる事も少なくない。その中でブラッドリーは『終末』という単語を口にしていた。
――終末。
それが何を意味するのかは分からないが、ヴェルナーは古代文明が滅んだ理由と発言した時点で無視できない要素だと考えていた。
「はい。ハンターさんに聞きました。リアルブルーにそのようなものがあるそうですね」
「リアルブルーのある宗教についてブラッドリーは言及しているようです」
「なら、ブラッドリーはその宗教を言っているのではありませんか? つまり、発言自体に深い意味はなくて、ハッタリというのでしょうか。気にする必要がないのかもしれませんよ」
「そうかもしれません。ですが、リアルブルーの終末論とは少々異なる部分もあるのです」
そういうとヴェルナーは机の上に一冊の本を置いた。
本の表紙にはヨハネの黙示録と書かれている。既にヴェルナーはリアルブルーの黙示録について書かれた書籍を入手して調べていたようだ。
「違う部分、ですか」
「ええ。ブラッドリーの発言は厳密に同じという訳ではありません。それに必要以上に繰り返し口にして強調した単語が気になります。終末以外には騎士……楽園『フロンティア』……蒼の1789なんて言葉も気になりますね。ハンターを『ラッパを吹く天使』と呼ぶ事にも意味があるのでしょう」
既に依頼の報告書にも目を通してブラッドリーの言葉を思案するヴェルナー。
だが、ブラッドリーも言葉に言葉を埋没させて真実を覆い隠しているのだろうか。重要な単語を見つけて他を削ぎ落とさなければ答えは見えてこないのかもしれない。
「『ラッパ吹きが呼ぶのは転換。そして、破滅』……ブラッドリーはこうも言ってますね。やはり、ハンターに何かをさせようとしていると見るべきでしょうか。それは騎士に対してか。それとも……」
「確か、その騎士は幻獣ではないのでしたね」
「はい。その見立てが違うという事は、おそらく古代文明では幻獣が歪虚に対抗する手段だったのでしょう。神霊樹関連の依頼でもそのような報告があります。
古代文明にも終末が起こり、古代文明は滅んだ。終末が相応に危険なものであるのは間違いなさそうですね」
まだ真実のピースが集まっていない可能性は高いが、何も調べないよりはいい。
怠惰王ビックマーを退けた今だからこそ、調べておく必要がある。
「ヴェルナー様、ここはハンターの皆さんに協力を仰いでは如何でしょう?」
「……そうですね。その通りですね。ふふ、私とした事が彼らの存在を失念していました。いけません。こういう事に夢中になると寝るのも忘れてしまいます。私の悪い癖です」
そう言いながら、冷めた紅茶のカップに口を付けるヴェルナー。
懐から懐中時計を取り出して時刻を確認する。
「ハンターの皆さんが調べている間、少しは仮眠された方がよろしいのでは。ベアーレヤクトもこれからが本番です。体を休めるのも仕事のうちですよ」
「ありがとうございますキュジィさん、ハンターへ依頼を出して下さい。調査の場所は……大霊堂の図書室。そして、チュプ大神殿です。おそらくヒントがあるとすればここでしょう。
それから……」
そう言いながら、ヴェルナーは手にしていたカップをソーサーの上に置いた。
「紅茶のお代わりを。できれば、カップも温め直してもらえますか?」
キュジィ・アビトゥーア(kz0078)は、ノアーラ・クンタウにあるヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032)執務室へ書籍を持ち込んだ。
もう、何冊目になるだろう。
キュジィが帝国内の戦闘記録や地下城『ヴェドル』にあるドワーフの蔵書を部屋に運び込んで数日。既に書籍は幾つもの山となっているが、ヴェルナーは片っ端から猛スピードで本に目を通していく。
「ふふ、ありがとうございます」
「ヴェルナー様は何を調べてらっしゃるのですか?」
キュジィはヴェルナーから辺境地域に関する情報が記載された書籍を持ってくるよう指示されただけなのだ。キュジィもヴェルナーが何を調べようとしているのかは分からないのだ。
キュジィの素朴な疑問に対し、ヴェルナーは手にしていた書籍をそっと閉じて向き直った。
「そうでしたね。話していませんでした。
私が知りたいのは、あの歪虚が言っていた『終末』の事です」
あの歪虚――それがブラッドリー(kz0252)の事だとキュジィはすぐに気付いた。
東方、龍園、そして辺境の姿を荒らしたブラッドリーは謎の行動を取りながら、ハンターと接触。発言は意味不明な物が多く、妄言として受け取られる事も少なくない。その中でブラッドリーは『終末』という単語を口にしていた。
――終末。
それが何を意味するのかは分からないが、ヴェルナーは古代文明が滅んだ理由と発言した時点で無視できない要素だと考えていた。
「はい。ハンターさんに聞きました。リアルブルーにそのようなものがあるそうですね」
「リアルブルーのある宗教についてブラッドリーは言及しているようです」
「なら、ブラッドリーはその宗教を言っているのではありませんか? つまり、発言自体に深い意味はなくて、ハッタリというのでしょうか。気にする必要がないのかもしれませんよ」
「そうかもしれません。ですが、リアルブルーの終末論とは少々異なる部分もあるのです」
そういうとヴェルナーは机の上に一冊の本を置いた。
本の表紙にはヨハネの黙示録と書かれている。既にヴェルナーはリアルブルーの黙示録について書かれた書籍を入手して調べていたようだ。
「違う部分、ですか」
「ええ。ブラッドリーの発言は厳密に同じという訳ではありません。それに必要以上に繰り返し口にして強調した単語が気になります。終末以外には騎士……楽園『フロンティア』……蒼の1789なんて言葉も気になりますね。ハンターを『ラッパを吹く天使』と呼ぶ事にも意味があるのでしょう」
既に依頼の報告書にも目を通してブラッドリーの言葉を思案するヴェルナー。
だが、ブラッドリーも言葉に言葉を埋没させて真実を覆い隠しているのだろうか。重要な単語を見つけて他を削ぎ落とさなければ答えは見えてこないのかもしれない。
「『ラッパ吹きが呼ぶのは転換。そして、破滅』……ブラッドリーはこうも言ってますね。やはり、ハンターに何かをさせようとしていると見るべきでしょうか。それは騎士に対してか。それとも……」
「確か、その騎士は幻獣ではないのでしたね」
「はい。その見立てが違うという事は、おそらく古代文明では幻獣が歪虚に対抗する手段だったのでしょう。神霊樹関連の依頼でもそのような報告があります。
古代文明にも終末が起こり、古代文明は滅んだ。終末が相応に危険なものであるのは間違いなさそうですね」
まだ真実のピースが集まっていない可能性は高いが、何も調べないよりはいい。
怠惰王ビックマーを退けた今だからこそ、調べておく必要がある。
「ヴェルナー様、ここはハンターの皆さんに協力を仰いでは如何でしょう?」
「……そうですね。その通りですね。ふふ、私とした事が彼らの存在を失念していました。いけません。こういう事に夢中になると寝るのも忘れてしまいます。私の悪い癖です」
そう言いながら、冷めた紅茶のカップに口を付けるヴェルナー。
懐から懐中時計を取り出して時刻を確認する。
「ハンターの皆さんが調べている間、少しは仮眠された方がよろしいのでは。ベアーレヤクトもこれからが本番です。体を休めるのも仕事のうちですよ」
「ありがとうございますキュジィさん、ハンターへ依頼を出して下さい。調査の場所は……大霊堂の図書室。そして、チュプ大神殿です。おそらくヒントがあるとすればここでしょう。
それから……」
そう言いながら、ヴェルナーは手にしていたカップをソーサーの上に置いた。
「紅茶のお代わりを。できれば、カップも温め直してもらえますか?」
リプレイ本文
「チューダさん、おしおきするです」
アルマ・A・エインズワース(ka4901)は、ぽつりと呟いた。
ヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032)の依頼で歪虚ブラッドリー(kz0252)が口にする『騎士』と『終末』について調べる事にしたのだが、調査場所に選んだ大霊堂の図書館は厄介な場所であった。
積み上げられた書物。
そこに降り積もり埃の山。
見るからに掃除されていない事が丸わかりだ。
「調べる事はたくさんありそうなの……だけど、まずはお掃除……」
桜憐りるか(ka3748)は、手にした書籍の中に散らばるクッキーのカスから目を背けた。
大巫女によれば、チューダが一時期この図書室を休憩室に使っていたらしく、お菓子を持ち込んでゴロゴロしていたらしい。その為、本の間にお菓子のカスが散乱。
昔から本が好きなアルマにとってチューダの所業は看過できなかった。
ロボットクリーナーで床の埃を掃除しながら必要な情報が記載されていると思われる書籍を選び始める。
「調べる項目は騎士と終末っと」
アルマは無造作に放置された蔵書を手に取った。
アルマの推測では騎士はナディア・ドラゴネッティ(kz0207)と予想していた。
ブラッドリーの出現場所が東方、龍園、辺境である事から六大龍に関わりがあると推測。青龍の巫女であるナディアが騎士ではないかと考えたのだ。
そしてブラッドリーが口にした『革命』はナディアが大精霊に成り代わる事を示唆していると睨んでいた。
「わふぅ。さすがにすぐにはヒントが見つからないですぅ」
アルマが手に取った書籍には、騎士の事は書かれていなかった。
この大霊堂にある書籍は手書きの物が多い。これは辺境部族が口伝で子孫に伝えていた事柄を記述してまとめた為だ。
「あ。アルマさん、ここは重要じゃ、ありませんか?」
横から覗き込んだりるかは、アルマが手にしていた書籍の一文を指差した。
そこには――。
「『白き言葉』……確か報告書にそんな言葉があったですー」
りるかが指摘した言葉はアルマにも記憶にある。
『古より伝えられる付け加えられし白き言の葉。その38番目』。それは騎士の行動理由らしいのだが、現時点でその意味は不明のままである。
「こちらに……似た言葉が出てくるの本を集めて、みました」
りるかはこの言葉が予言の一種と考えたのだろう。
似たタイトルを持つ本を選別して集めておいた。調べ終わった本を本棚へしまいながらかき集めていた。
「もし、予言の類なら、きっと……ヒントがあります」
「わふー! 一緒に探すですー……うわっぷ」
アルマが喜び勇んで本を開くと、舞い上がるお菓子のカス。
アルマの顔にチューダの悪行が襲い掛かる。
「やっぱり、あとでおしおきですぅ」
●
一方、チュプ大神殿で調査を続ける者達がいた。
「結構派手に壊れてますね」
八島 陽(ka1442)はクラッシャードリルを手に崩れた地面を見つめていた。
チュプ大神殿にあった幻獣強化システム『ラメトク』によってチューダが巨大化。その影響で神殿の一部が破壊されていた。本来であればある程度調査が進んでいた大神殿を改めて調査する必要はないと思われるが、遺跡が破壊された事から新たなる発見があるのではないかと考えて調査に赴いたのだ。
「私は提案する。ドリルで破壊するなら岩だけにすべきだ」
八島の背後から雨を告げる鳥(ka6258)が声をかけた。
クラッシャードリルならば瓦礫を破壊できるだろうが、チュプ大神殿の壁は古代文明の技術により硬質化されているものもある。無理に破壊しようとすればドリルの方にダメージを受けるかもしれない。
「分かってます。ご先祖さん、後進に道を示してくれ」
八島は手近の岩をドリルで破壊し始めた。
足場が崩壊する可能性も視野に入れながら、慎重に大神殿への入り口を斬り開いていく。
「騎士とは誰の事だと思います?」
八島が雨を告げる鳥へ問いかけた。
瓦礫を排除しながらも、その脳裏では調査対象についてフル回転しているようだ。
「私は考える。候補は二名いる。一人はファリフ・スコール」
ファリフは大精霊の加護を受けた存在として知られている。特に四大精霊の一人であるイクタサからは異常なまでの寵愛を受けている。ハンターをラッパ吹きの天使と称するブラッドリーではあるが、ファリフは別格と考えて良いのではないか。
「その可能性はオレも考えました。でも、『騎士』が悔悟により『終末の獣』になるという点に疑問が残ります。
守護者の制約を犯した結果、悔悟するケースならカレンデュラはどうでしょう?」
八島はハンターとは別の存在を騎士と睨んでいた。
「おっ?」
八島のドリルから手応えが消えた。
見れば、瓦礫の下に空間がある。それも比較的大きな空間だ。
「私は記憶している。この位置はチュプ大神殿で発見されている通路ではない」
雨を告げる鳥は瓦礫の下にある空間を覗き込んだ。
薄暗くて分かり難いが、光に照らされた壁らしき物には何か染料が塗られているようだ。
「あれは壁画でしょうか。だとすれば、重要な手掛かりかもしれません」
八島は瓦礫を一つずつ撤去していく。
二人の発見は、謎に対する鍵となるのであろうか。
●
調査を終えたハンター達は、ヴェルナーの執務室へと集合した。
「ヴェルナーさん、お休みできましたか?」
調査結果を報告する際にりるかはヴェルナーの体を案じていた。
聞けば、今回の調査であまり寝ていないらしい。ヴェルナーは体を休める意味でもハンターへ調査依頼していたのだ。
「ふふ、皆さんのおかげで少しは休めました」
「あの、これ……」
りるかはそっと紅茶を差し出した。
モーニングにしては遅い時間だが、体を休めていたヴェルナーにはちょうど良いタイミングだ。
「りるかさん、ありがとうございます。ふふ、とても美味しいですよ。
さて……」
ヴェルナーは口をつけたカップをソーサーに乗せた。
視線はりるかの方へと向けられる。
「りるかさん、調査の方は如何でしたか?」
「少しでも……ヴェルナーさんの為になれるよう、頑張って調査、しました」
りるかはアルマと共に大霊堂の蔵書を中心に調査していた。りるかの予想では騎士とは『ファリフやバタルトゥ』であった。
「ファリフさんとバタルトゥさんですか」
「はい。己の願望を強く抱く者で自分達が手伝う相手となればこの方々だと思いました」
ブラッドリーによれば、己の願望を強く抱く者が騎士であるという。
その上で騎士を手助けする存在としてハンターを天使とも呼んでいた。この事から、りるかは二人が騎士と予想したのだ。
「終末に関しては如何でしょう?」
「正直、良く分かりません。何かの封印を解くのではないか、と考えてます。たとえば、イクタサさんが施した封印を解いてしまう事件を終末と言っているのではないでしょうか?」
りるかも終末については明確な証拠は掴めなかった。終末論はリアルブルーでも世界各地にある。その中の一つを発見するのは容易ではなかった。
「楽園というのも……死語の世界ではないでしょうか?」
「わふぅ。ボクも終末については分からなかったですぅ」
アルマもりるか同様終末についての情報は掴めなかったようだ。
血盟作戦で神霊樹の記憶を見た際には、クリムゾンウェストの崩壊に触れた。しかし、アルマは直感的にこの崩壊と終末は別種と考えていた。
「ボクは騎士がナディアだと思うです。リアルブルーの聖書にはドリーさんの言っていた『古より伝えられる『付け加えられし白き言の葉』。その38番目』というのがあるです」
「なるほど。それで?」
アルマの指摘にヴェルナーは興味を抱いたようだ。
「詩篇の38。それは『悔悟』ですぅ。
ナディアさん、最近とっても後悔してばかりです。
それから……」
「あの……大霊堂でこんな本を、見つけました」
りるかはヴェルナーへ本を差し出した。
表紙はボロボロで判別はできない。おそらく、何処かの部族に伝わる予言を記した本だろう。
やたら毛だらけな気もするが、毛の色からチューダが枕にしていたと思われる。
「二人の功績ですね。さて、何が書かれているのでしょうか」
ヴェルナーは視線を落とした。
『……よりの来訪者……過去に囚われ……王の傍へ……ついには赤の大地に災厄をもたらさん』
「所々擦れて読みにくいですが、この、『過去に囚われ』というのは悔悟の事なのでは、ないでしょうか」
「だとするなら、ここにいる来訪者が騎士とも読めますね」
りるかの言葉にヴェルナーは耳を傾けた。
「赤の大地がクリムゾンウェストなら、この来訪者に龍が力を貸したとも考えられるです。
聖書には終末の獣に力を与えるのは龍と書かれているです。ナディアさんが大精霊と入れ替わるなんてことも考えられるです」
アルマは自らの推論を述べた。
大精霊の存在は今や無視できない存在だ。万一に問題が発生するならクリムゾンウェスト全体に及ぶ。
一方、ヴェルナーは二人の指摘した悔悟という言葉を前に思案していた。
それが本当に騎士の行動理由だとするなら、強い後悔から何らかの行動を取る者となる。
「騎士についてですが、ファリフさんもバタルトゥさんも強い後悔を持って行動しているようには見えません。彼らはハンターや仲間に助けられながら前を向くタイプです」
「そうですか……」
予想が外れていた為にややしょげるりるか。
「落ち込む必要はありません。予想と異なるというのは、その可能性が低下した事を意味します。別の答えと分かっただけでも前進ですよ。
それからナディアさんですが……私も深い接点がある訳ではありません。ですが、後悔の連続でもそれが自分の行動原理になる程の後悔をしているようには見えません」
「わふぅ。違ったですか」
テンションが下がるアルマ。
だが、アルマの推理も貢献している。悔悟という言葉に到達した事は大きな前進と言えるだろう。
「大神殿を調査していたお二人は如何でしょう?」
ヴェルナーは八島と雨を告げる鳥の方を向いた。
二人はチュプ大神殿で破壊された地域の調査に赴いていた。
「オレ達は破壊された壁画の一部を見つけました。これです」
八島が魔導スマートフォンで撮影した壁画。そこには地面に伏した人々。その中央には誰かの足。残念ながら壁が破損している為、足の部分しかない。
「この壁画から数パターンの解釈ができます。
地位の高い者を敬う民。
歪虚の出現で苦しむ民。
明確な答えは出ていません」
八島はこの壁画の解釈で迷っているようだ。
「私は問う。この部分は古代文明の文字なのか」
雨を告げる鳥はスマートフォンの隅を指差した。
そこにはチュプ大神殿で時折見掛ける古代文明文字らしきものが描かれている。欠けていることから文字であっても一部のみが判別できる状態だ。
「確かにこれは文字に見えます」
ヴェルナーな傍らにあった古代文明に関する書物を開くと近い言葉を探し始める。
「大神殿にあった古代文明でもあまり使われない文字ですね。この前の言葉は欠けて見えないのですが……推測はできますね」
「推測?」
「終末。その言葉の一部に見えます」
「!」
ヴェルナーの一言に八島は、真実に近付いた事を確信した。
「だとすれば、この壁画は終末で倒れる人々ですね」
「そうです。人々が倒れる光景。ですが、ここに楽園があるというのでしょうか?」
「楽園と言えば、皆が苦しみから解放されて幸せに暮らせる場所だと思います。でも、この壁画からはそんな様子は見られません。
……あ、それからブラッドリーが発言した言葉をオレなりに考えてみました」
八島が注目した言葉は複数あるが、新たに指摘された言葉は『蒼の1789』とはリアルブルーで発生したフランス革命である事。
そして楽園と呼ばれる『フロンティア』は邪神が食い蓄積した星の記憶から新天地ではないかと予想した。
「そこから終末とは大精霊に対する革命ではないかと考えています。六大龍の歪虚化を狙っているならば、大精霊の離反は立派な革命です。壁画の中央にいる人物はその事件の主犯だと思います」
「なるほど。雨を告げる鳥さんのご意見はどうでしょう?」
「私は答える。騎士とは、何らかの願望を持って行動する歪虚……青木燕太郎だと」
青木燕太郎。
闇黒の魔人と呼ばれる歪虚。雨を告げる鳥は終末を引き起こすのも歪虚であると考えたのだ。ラメトクの制御を司る遺跡で交戦した際には、怠惰王ビックマーへの対処について取引に興味を示した事は無視できない。
「私は考える。終末とは、ラッパ吹きによって王が倒され、騎士が王の力を手にして獣となる。
人類。歪虚。双方が滅び行く世界。そして、選ばれた者にのみ次世界を築く」
王。
その言葉を聞いた瞬間、ヴェルナーはりるかへ向き直った。
「りるかさん、先程お持ちいただいた書物の中に『王』という言葉がありましたね?」
「は、はい。『王の傍へ』と書かれています」
「八島さん、あなたの予想では蒼の1789とはリアルブルーの革命だそうですね」
「はい。王制が民によって倒されています」
「ここでも『王』ですか」
「私は危惧する。この王が怠惰王ビックマーであるならば、終末の引き金はビックマーを青木が倒す事」
「!」
雨を告げる鳥の言葉にヴェルナーは、その目を大きく見開いた。
青木が騎士であるならば、ハンターがビックマーを弱らせて騎士に倒される天使。
そしてビックマーが青木に倒される事が終末の引き金であるならば――。
「わぅ? もしかしてピンチです?」
首を傾げるアルマ。
その問いに首を縦に振るヴェルナー。
「ええ。青木はハイルタイを始め、多くの歪虚を吸収してきました。怠惰王の力すら吸収するとなれば、青木という歪虚はとんでもない存在になります」
弱ったとはいえ、怠惰王の力を青木が手にすれば脅威以外の何物でもない。
部族会議としてはビックマーを倒すと同時に青木を止める必要がある。
「まだ終末にビックマーが絡むか推測の域を出ませんが、最終防衛ライン周辺の警戒を強化します」
「私はさらに告げる。今だ鍵は集まっていない」
雨を告げる鳥はこの状況でもまだすべての鍵が集まっていないと考えていた。
たとえばブラッドリーの言葉に『偽りの頂に立つ殉教者』という物がある。
偽りの頂に立つ者――現時点ではビックマーが有力だが、偽りとはどういう意味なのだろうか。
「そうですね。まだオレ達の知らない謎がありそうです。オレも注意してみます」
今回の調査は大きな前進となった。
マークすべき人物の候補が挙がった。
次に行うべきは、ブラッドリーの行動を如何に阻止するかである。
アルマ・A・エインズワース(ka4901)は、ぽつりと呟いた。
ヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032)の依頼で歪虚ブラッドリー(kz0252)が口にする『騎士』と『終末』について調べる事にしたのだが、調査場所に選んだ大霊堂の図書館は厄介な場所であった。
積み上げられた書物。
そこに降り積もり埃の山。
見るからに掃除されていない事が丸わかりだ。
「調べる事はたくさんありそうなの……だけど、まずはお掃除……」
桜憐りるか(ka3748)は、手にした書籍の中に散らばるクッキーのカスから目を背けた。
大巫女によれば、チューダが一時期この図書室を休憩室に使っていたらしく、お菓子を持ち込んでゴロゴロしていたらしい。その為、本の間にお菓子のカスが散乱。
昔から本が好きなアルマにとってチューダの所業は看過できなかった。
ロボットクリーナーで床の埃を掃除しながら必要な情報が記載されていると思われる書籍を選び始める。
「調べる項目は騎士と終末っと」
アルマは無造作に放置された蔵書を手に取った。
アルマの推測では騎士はナディア・ドラゴネッティ(kz0207)と予想していた。
ブラッドリーの出現場所が東方、龍園、辺境である事から六大龍に関わりがあると推測。青龍の巫女であるナディアが騎士ではないかと考えたのだ。
そしてブラッドリーが口にした『革命』はナディアが大精霊に成り代わる事を示唆していると睨んでいた。
「わふぅ。さすがにすぐにはヒントが見つからないですぅ」
アルマが手に取った書籍には、騎士の事は書かれていなかった。
この大霊堂にある書籍は手書きの物が多い。これは辺境部族が口伝で子孫に伝えていた事柄を記述してまとめた為だ。
「あ。アルマさん、ここは重要じゃ、ありませんか?」
横から覗き込んだりるかは、アルマが手にしていた書籍の一文を指差した。
そこには――。
「『白き言葉』……確か報告書にそんな言葉があったですー」
りるかが指摘した言葉はアルマにも記憶にある。
『古より伝えられる付け加えられし白き言の葉。その38番目』。それは騎士の行動理由らしいのだが、現時点でその意味は不明のままである。
「こちらに……似た言葉が出てくるの本を集めて、みました」
りるかはこの言葉が予言の一種と考えたのだろう。
似たタイトルを持つ本を選別して集めておいた。調べ終わった本を本棚へしまいながらかき集めていた。
「もし、予言の類なら、きっと……ヒントがあります」
「わふー! 一緒に探すですー……うわっぷ」
アルマが喜び勇んで本を開くと、舞い上がるお菓子のカス。
アルマの顔にチューダの悪行が襲い掛かる。
「やっぱり、あとでおしおきですぅ」
●
一方、チュプ大神殿で調査を続ける者達がいた。
「結構派手に壊れてますね」
八島 陽(ka1442)はクラッシャードリルを手に崩れた地面を見つめていた。
チュプ大神殿にあった幻獣強化システム『ラメトク』によってチューダが巨大化。その影響で神殿の一部が破壊されていた。本来であればある程度調査が進んでいた大神殿を改めて調査する必要はないと思われるが、遺跡が破壊された事から新たなる発見があるのではないかと考えて調査に赴いたのだ。
「私は提案する。ドリルで破壊するなら岩だけにすべきだ」
八島の背後から雨を告げる鳥(ka6258)が声をかけた。
クラッシャードリルならば瓦礫を破壊できるだろうが、チュプ大神殿の壁は古代文明の技術により硬質化されているものもある。無理に破壊しようとすればドリルの方にダメージを受けるかもしれない。
「分かってます。ご先祖さん、後進に道を示してくれ」
八島は手近の岩をドリルで破壊し始めた。
足場が崩壊する可能性も視野に入れながら、慎重に大神殿への入り口を斬り開いていく。
「騎士とは誰の事だと思います?」
八島が雨を告げる鳥へ問いかけた。
瓦礫を排除しながらも、その脳裏では調査対象についてフル回転しているようだ。
「私は考える。候補は二名いる。一人はファリフ・スコール」
ファリフは大精霊の加護を受けた存在として知られている。特に四大精霊の一人であるイクタサからは異常なまでの寵愛を受けている。ハンターをラッパ吹きの天使と称するブラッドリーではあるが、ファリフは別格と考えて良いのではないか。
「その可能性はオレも考えました。でも、『騎士』が悔悟により『終末の獣』になるという点に疑問が残ります。
守護者の制約を犯した結果、悔悟するケースならカレンデュラはどうでしょう?」
八島はハンターとは別の存在を騎士と睨んでいた。
「おっ?」
八島のドリルから手応えが消えた。
見れば、瓦礫の下に空間がある。それも比較的大きな空間だ。
「私は記憶している。この位置はチュプ大神殿で発見されている通路ではない」
雨を告げる鳥は瓦礫の下にある空間を覗き込んだ。
薄暗くて分かり難いが、光に照らされた壁らしき物には何か染料が塗られているようだ。
「あれは壁画でしょうか。だとすれば、重要な手掛かりかもしれません」
八島は瓦礫を一つずつ撤去していく。
二人の発見は、謎に対する鍵となるのであろうか。
●
調査を終えたハンター達は、ヴェルナーの執務室へと集合した。
「ヴェルナーさん、お休みできましたか?」
調査結果を報告する際にりるかはヴェルナーの体を案じていた。
聞けば、今回の調査であまり寝ていないらしい。ヴェルナーは体を休める意味でもハンターへ調査依頼していたのだ。
「ふふ、皆さんのおかげで少しは休めました」
「あの、これ……」
りるかはそっと紅茶を差し出した。
モーニングにしては遅い時間だが、体を休めていたヴェルナーにはちょうど良いタイミングだ。
「りるかさん、ありがとうございます。ふふ、とても美味しいですよ。
さて……」
ヴェルナーは口をつけたカップをソーサーに乗せた。
視線はりるかの方へと向けられる。
「りるかさん、調査の方は如何でしたか?」
「少しでも……ヴェルナーさんの為になれるよう、頑張って調査、しました」
りるかはアルマと共に大霊堂の蔵書を中心に調査していた。りるかの予想では騎士とは『ファリフやバタルトゥ』であった。
「ファリフさんとバタルトゥさんですか」
「はい。己の願望を強く抱く者で自分達が手伝う相手となればこの方々だと思いました」
ブラッドリーによれば、己の願望を強く抱く者が騎士であるという。
その上で騎士を手助けする存在としてハンターを天使とも呼んでいた。この事から、りるかは二人が騎士と予想したのだ。
「終末に関しては如何でしょう?」
「正直、良く分かりません。何かの封印を解くのではないか、と考えてます。たとえば、イクタサさんが施した封印を解いてしまう事件を終末と言っているのではないでしょうか?」
りるかも終末については明確な証拠は掴めなかった。終末論はリアルブルーでも世界各地にある。その中の一つを発見するのは容易ではなかった。
「楽園というのも……死語の世界ではないでしょうか?」
「わふぅ。ボクも終末については分からなかったですぅ」
アルマもりるか同様終末についての情報は掴めなかったようだ。
血盟作戦で神霊樹の記憶を見た際には、クリムゾンウェストの崩壊に触れた。しかし、アルマは直感的にこの崩壊と終末は別種と考えていた。
「ボクは騎士がナディアだと思うです。リアルブルーの聖書にはドリーさんの言っていた『古より伝えられる『付け加えられし白き言の葉』。その38番目』というのがあるです」
「なるほど。それで?」
アルマの指摘にヴェルナーは興味を抱いたようだ。
「詩篇の38。それは『悔悟』ですぅ。
ナディアさん、最近とっても後悔してばかりです。
それから……」
「あの……大霊堂でこんな本を、見つけました」
りるかはヴェルナーへ本を差し出した。
表紙はボロボロで判別はできない。おそらく、何処かの部族に伝わる予言を記した本だろう。
やたら毛だらけな気もするが、毛の色からチューダが枕にしていたと思われる。
「二人の功績ですね。さて、何が書かれているのでしょうか」
ヴェルナーは視線を落とした。
『……よりの来訪者……過去に囚われ……王の傍へ……ついには赤の大地に災厄をもたらさん』
「所々擦れて読みにくいですが、この、『過去に囚われ』というのは悔悟の事なのでは、ないでしょうか」
「だとするなら、ここにいる来訪者が騎士とも読めますね」
りるかの言葉にヴェルナーは耳を傾けた。
「赤の大地がクリムゾンウェストなら、この来訪者に龍が力を貸したとも考えられるです。
聖書には終末の獣に力を与えるのは龍と書かれているです。ナディアさんが大精霊と入れ替わるなんてことも考えられるです」
アルマは自らの推論を述べた。
大精霊の存在は今や無視できない存在だ。万一に問題が発生するならクリムゾンウェスト全体に及ぶ。
一方、ヴェルナーは二人の指摘した悔悟という言葉を前に思案していた。
それが本当に騎士の行動理由だとするなら、強い後悔から何らかの行動を取る者となる。
「騎士についてですが、ファリフさんもバタルトゥさんも強い後悔を持って行動しているようには見えません。彼らはハンターや仲間に助けられながら前を向くタイプです」
「そうですか……」
予想が外れていた為にややしょげるりるか。
「落ち込む必要はありません。予想と異なるというのは、その可能性が低下した事を意味します。別の答えと分かっただけでも前進ですよ。
それからナディアさんですが……私も深い接点がある訳ではありません。ですが、後悔の連続でもそれが自分の行動原理になる程の後悔をしているようには見えません」
「わふぅ。違ったですか」
テンションが下がるアルマ。
だが、アルマの推理も貢献している。悔悟という言葉に到達した事は大きな前進と言えるだろう。
「大神殿を調査していたお二人は如何でしょう?」
ヴェルナーは八島と雨を告げる鳥の方を向いた。
二人はチュプ大神殿で破壊された地域の調査に赴いていた。
「オレ達は破壊された壁画の一部を見つけました。これです」
八島が魔導スマートフォンで撮影した壁画。そこには地面に伏した人々。その中央には誰かの足。残念ながら壁が破損している為、足の部分しかない。
「この壁画から数パターンの解釈ができます。
地位の高い者を敬う民。
歪虚の出現で苦しむ民。
明確な答えは出ていません」
八島はこの壁画の解釈で迷っているようだ。
「私は問う。この部分は古代文明の文字なのか」
雨を告げる鳥はスマートフォンの隅を指差した。
そこにはチュプ大神殿で時折見掛ける古代文明文字らしきものが描かれている。欠けていることから文字であっても一部のみが判別できる状態だ。
「確かにこれは文字に見えます」
ヴェルナーな傍らにあった古代文明に関する書物を開くと近い言葉を探し始める。
「大神殿にあった古代文明でもあまり使われない文字ですね。この前の言葉は欠けて見えないのですが……推測はできますね」
「推測?」
「終末。その言葉の一部に見えます」
「!」
ヴェルナーの一言に八島は、真実に近付いた事を確信した。
「だとすれば、この壁画は終末で倒れる人々ですね」
「そうです。人々が倒れる光景。ですが、ここに楽園があるというのでしょうか?」
「楽園と言えば、皆が苦しみから解放されて幸せに暮らせる場所だと思います。でも、この壁画からはそんな様子は見られません。
……あ、それからブラッドリーが発言した言葉をオレなりに考えてみました」
八島が注目した言葉は複数あるが、新たに指摘された言葉は『蒼の1789』とはリアルブルーで発生したフランス革命である事。
そして楽園と呼ばれる『フロンティア』は邪神が食い蓄積した星の記憶から新天地ではないかと予想した。
「そこから終末とは大精霊に対する革命ではないかと考えています。六大龍の歪虚化を狙っているならば、大精霊の離反は立派な革命です。壁画の中央にいる人物はその事件の主犯だと思います」
「なるほど。雨を告げる鳥さんのご意見はどうでしょう?」
「私は答える。騎士とは、何らかの願望を持って行動する歪虚……青木燕太郎だと」
青木燕太郎。
闇黒の魔人と呼ばれる歪虚。雨を告げる鳥は終末を引き起こすのも歪虚であると考えたのだ。ラメトクの制御を司る遺跡で交戦した際には、怠惰王ビックマーへの対処について取引に興味を示した事は無視できない。
「私は考える。終末とは、ラッパ吹きによって王が倒され、騎士が王の力を手にして獣となる。
人類。歪虚。双方が滅び行く世界。そして、選ばれた者にのみ次世界を築く」
王。
その言葉を聞いた瞬間、ヴェルナーはりるかへ向き直った。
「りるかさん、先程お持ちいただいた書物の中に『王』という言葉がありましたね?」
「は、はい。『王の傍へ』と書かれています」
「八島さん、あなたの予想では蒼の1789とはリアルブルーの革命だそうですね」
「はい。王制が民によって倒されています」
「ここでも『王』ですか」
「私は危惧する。この王が怠惰王ビックマーであるならば、終末の引き金はビックマーを青木が倒す事」
「!」
雨を告げる鳥の言葉にヴェルナーは、その目を大きく見開いた。
青木が騎士であるならば、ハンターがビックマーを弱らせて騎士に倒される天使。
そしてビックマーが青木に倒される事が終末の引き金であるならば――。
「わぅ? もしかしてピンチです?」
首を傾げるアルマ。
その問いに首を縦に振るヴェルナー。
「ええ。青木はハイルタイを始め、多くの歪虚を吸収してきました。怠惰王の力すら吸収するとなれば、青木という歪虚はとんでもない存在になります」
弱ったとはいえ、怠惰王の力を青木が手にすれば脅威以外の何物でもない。
部族会議としてはビックマーを倒すと同時に青木を止める必要がある。
「まだ終末にビックマーが絡むか推測の域を出ませんが、最終防衛ライン周辺の警戒を強化します」
「私はさらに告げる。今だ鍵は集まっていない」
雨を告げる鳥はこの状況でもまだすべての鍵が集まっていないと考えていた。
たとえばブラッドリーの言葉に『偽りの頂に立つ殉教者』という物がある。
偽りの頂に立つ者――現時点ではビックマーが有力だが、偽りとはどういう意味なのだろうか。
「そうですね。まだオレ達の知らない謎がありそうです。オレも注意してみます」
今回の調査は大きな前進となった。
マークすべき人物の候補が挙がった。
次に行うべきは、ブラッドリーの行動を如何に阻止するかである。
依頼結果
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- 雨呼の蒼花
雨を告げる鳥(ka6258)
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依頼相談掲示板 | |||
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知恵の実 八島 陽(ka1442) 人間(リアルブルー)|20才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2018/09/10 04:18:42 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/09/09 13:35:40 |