• 虚動

【虚動】望まれた殺戮劇

マスター:剣崎宗二

シナリオ形態
ショート
難易度
やや難しい
オプション
  • relation
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
6~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
7日
締切
2015/01/05 12:00
完成日
2015/01/08 06:25

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

「……面倒なのは分かっている。それは俺とて同じだ」
 暗所に立つ白衣の男。アレクサンドル・バーンズ。
 その手には、通信用の雑魔。
「……お互いの為、だ。…ああ、よろしく頼む」
 通信が途切れる。ふぅ、と息を吐き、後ろにあったソファーに倒れこむ。
「おっさん、疲れちゃったよ」
 誰にでもなく、空に向かって言い放つ。

「へっ、なら永眠したらどうだ?」
 奇襲。
 丸で空気が刃になったかのような、その一撃。
 だが、アレクサンドルに慌てる様子はない。それどころか、動く様子すらない。

『Stop』
 キン。
 何かに食い止められたかのように、刃は空中で静止する。
「やめといてくれよディーン。おっさんに無駄な力を使わせるんじゃない」
 丸で子供と遊ぶような口調に、彼を襲った『何か』は、「ちっ」と舌打ちしながら、刃を収める。

 ――体が1つしかないのは不便だ。
 そう考えた時に、とあるハンターの男が襲ってきた。適当に返り討ちしたら、命乞いしてきた。騙して奇襲の魂胆が見え見えだ。
 ――だから、殺して、その体にありとあらゆる『殺し』に関わる意思を押し込んだ。
 『殺人鬼』『通り魔』。様々な呼び方で呼ばれるその意思には、共通点があった。
 何れも『悪意を持って人を殺す人』だと言う事だ。

「ディーン。そんなに殺したいなら、良いお使いがある」
「なんだ?」
「暴れてくるといい。場所はこれから教える。大量の人間が居る場所だ」
「――いいんだな?全員殺してもよぉ」
「ああ――」
 と言いかけて、口を噤む。
 確かこの件は、ソトのヤツも近衛を派遣すると。

 ――まぁ、若しもディーンに殺害される程度の者だったのならば、そこまでなのだろう。
「ああ。殺してもいい。殺せれば、な」
 にやりと、悪夢は微笑を浮かべた。


●殺戮の嵐

「ぐぁぁぁ!」
 腕を切られた、一人の戦士が後退する。
「おいおい、何にげてんだよ、命を置いていけよ」
 迫る黒い影。周囲に浮かぶ無数の刃。刃の1つが戦士の脚に突き刺さり、動きを止める。と、直後。
 一閃する白刃が、心臓を貫いた。
「まだだ…まだ、殺したりねぇぜ…!!」
 刃を抜き、返り血を浴びて。『殺人鬼』はニタリと邪悪な笑みを浮かべる。

 ――彼が刃を抜いた瞬間、響き渡る音。
 それは丸で無数の人の断末魔、そして慟哭。
 歴戦の戦士の脚ですらも、竦ませるには十分な騒音。
 そして、一度動きが止まってしまえば――後は無数の刃に捉えられるがままだ。
 盾をすり抜け、肉のみに突き刺さる刃。その漆黒の刀身が血に濡れる毎に、彼本人の刃は鋭さを。速さを増していく。

 『彼』は黒い影。その名は――
「ディーン・キル。あんたら全員を……殺しに来たぜ」
 救援の為に来た戦士たちの前に、彼は立ちはだかった。

リプレイ本文

●惨劇現場

「ふざけなやワレ……人傷つけて……殺めて、なんが面白いんや…」
 地を染める血を踏みしめ、周囲の物言わぬ屍を見回しながら武神 守悟(ka3517)は、目の前の『殺人鬼』に接近する。

「あぁん? ……理由なんざねぇよ?」
 フードを上げず。それ所か振り向きもせず、『殺人鬼』ディーンは答える。
 だが、軽そうな言葉とは裏腹に、周りに浮かぶ黒い刃は一斉にその切っ先を、新たな獲物――その場に登場したハンターたちに向ける。

「ま、その方が単純明快でいいけどな」
 銜えたタバコの火が、吐き出す息と共に一層明るく点る。シャルラッハ・グルート(ka0508)が、その背から大太刀を抜き放つ。
「なら、お互い遠慮なく、気が済むまで殺しあおうか!」
「へっ、分かってんじゃねぇかぁ!!」
 袖から突き出される凶刃は、周囲に惨劇を思い起こさせる慟哭を響き渡らせる。
 それが、開戦の合図。
 ハンターたちもまた、各々の得物を構え、そして各々の思いを秘め。
 命を救うためか。はたまた、その報いを受けさせるためか。
 かくして、ここに戦は開始された。


●Trick of Black Blade

「さて、その手札……暴かせてもらいたいものだねぇ」
 ヒース・R・ウォーカー(ka0145)の手から、投げつけられる黒の手裏剣。
 先程の騒音で脚の動きは鈍い。が、敵もこちらを目標と認識したのか、あちらから近づいてきた故に射程外ではない。
 放たれた手裏剣を、然しディーンは回避する様子はない。腕で、手裏剣を『受け止めた』。
 カキーンと言う金属音。恐らくはまだ袖に残っている刃で受けたのだろう。
 だが、ディーンの刃は盾ではない。殺すために研がれた物であり、防ぐために作られた物ではない。
 故にその防御は不完全であり、僅かにずれるようにして、黒の手裏剣は、ディーンの腕に突き刺さる。
「へっ、いい一撃だぜ。俺ももうちょっと、がんばらねぇとな?」
「ちょこまかと……!」
 飛び込んだシャルラッハの一閃がが空を切る。地面に残る斬撃跡が、その威力を物語るが――射程が長いヒースの一撃とは違い、彼女のリーチは大太刀の長さのみ。重量で元より移動速度には優れず、故に騒音の足止め効果を受けた後はほぼ、動けない。
 ヒースを狙ったディーンが加速した事で、シャルラッハの攻撃範囲から離れてしまったのだった。
「先ずは下ごしらえだ!」
 交差するように、振るわれる銀刃。
「遅いよぉ」
 瞬間的な加速。
 マルチステップと呼ばれるその技法による、立体的な動きは、騒音で機動力を殺いだと油断していたディーンの裏を掻いた。跳躍したヒースの足元を、ディーンの腕の銀の刃は通り抜ける。
 着地と共に、ヒースは反撃に移る。騒音の効果を完全に打ち消すには及ばない物の、脚にマテリアルを強引に集中させることで、彼は僅かに移動する。
 ――そう、ディーンの背後へと。

 一閃。袈裟斬りに振るわれた一撃は、ディーンのマントごと、肉を裂く。
 傷は浅くはない。元よりヒースの攻撃力は低くはない上、マテリアルの力を上乗せしているのだ。
 だが、それでも、ディーンに怯む様子はない。
「へへへ、やるじゃねぇか……!!」
 体勢が整わぬうちに、周囲に浮かぶ黒の刃がヒースに迫る。
「打ち落としたるわ!」
 ヒースを援護すべく、守悟が手裏剣を投げつけ、黒刃の打ち落としを試みる。
 その風貌に似合わぬ驚くべき精度で、黒刃に迫る手裏剣たち。
 だが、手裏剣は黒の刃と交差した瞬間、まるでそれが空気であったかのようにするりとすり抜けてしまう。
「……なんやて……!?」
「やはり、武器もすり抜けるようだ……ね――ッ!?」
 再度跳躍し、空中で急激に体を捻る事によって、ヒースは黒の刃の襲撃を回避する。
 だが、彼の着地地点には、ディーンが待ち構えていた。
「フェイント――!?」

「――っ」
 銃を握り、照準をディーンに合わせるレム・K・モメンタム(ka0149)の手は、僅かに震えていた。
 それもその筈。彼女は今まで、ここまでの溢れる殺意に晒された事はない。
 動乱で両親を失い、孤児院で育った彼女にとって、死はそれ程までに遥か遠くの存在ではなかった。
 だが、それでも、目の前の敵は――彼女が始めてみる類の者であった。
 目的など無く、信念もまた感じられない。ただ、殺意の塊のような存在。
 刃が抜かれた時放たれる怨嗟の声は、或いは彼の犠牲者の声その物か。

 ――故に彼女は、その怨嗟を払うため。目の前の凶敵を撃つため、己を奮い立たせる。
 全員で、生き延びる為に。
「それでも、負けてやるものかああああッ!」
 『死』に打ち勝つために。

 彼女は照準を合わせた銃のトリガーを引く。
 パン、と乾いた音。
 白と赤の銃から吐き出された弾丸は、真っ直ぐにディーンの背後へと向かって行き――その背後から腹部へと貫通した。
 「やった――」
 喜びもつかの間。寧ろ速度を増して、ディーンの腕は振るわれ。ヒースの腹部を銀刃が貫いた。

「テメェ…ッ!」
 守悟のワイヤー鞭がディーンの腕の刃を狙う。然し、細いワイヤーが正面から実体の刃を打ち砕ける訳は無く、ディーンの腕を掠めるに留まる。
 そして忘れてはならない。この敵は血に塗れ、痛みを感じる毎に鋭さと速さを増す。例え、それが僅かな傷だったとしても。

「――!」
 パンを引き裂き、耳に突っ込んでいたが故に、ウォルター・ヨー(ka2967)は完全に騒音の影響は防げないまでも、大きくその影響を減らしていた。故に動けなく成った者が多い中、彼は瞬脚を併用して、動けていた。
 腰に手を当て、アンガルドの構えから突き出される刃。先ほどヒースがつけた傷に突き刺さる。
 人間ならば、痛みで気絶していてもおかしくはあるまい。
 だが――目の前の敵には、その人間の常識は適用されない。
「いいねいいねぇ!」
 刃がヒースの太ももに突き立てられ、血を噴出させる。
(「――正確に装甲が薄い場所を狙った…!?」)
 倒れながらも、ヒースはその情報を脳内に刻む。
 負けてもただでは倒れない。次に、生かすために。


●逃走開始・その代償

「今の内に早く逃がしてくだせぇ!」
 降り注ぐ黒刃を地を蹴り回避しながら、ウォルターは敵の背後へ回り込もうと試みる。
 だが、それこそがディーンの仕掛けたフェイント。『虚』の刃は、巧妙にウォルターを追い込み、ヒースに刺さった刃を、抜く勢いそのままにディーンは背後のウォルターに向かって振るう。
「――ッ」
 ――アンガルドの構えの長所は、伸ばした剣を払う事で敵の攻撃を弾き、受け流す事にある。
 だが、その構えは、受ける事を犠牲にし、純粋に回避するマルチステップとは相性が悪いといわざるを得ない。
 刃が脇腹に食い込む。その瞬間、女性の姿が頭を過ぎる。
 どこかで、ウォルターの為に祈る、『あの娘』。その姿が、ウォルターに力を与える。
 強引に、ほぼ不可能と言える体勢にまで体を捻り、突き出された刃を脇腹へのかすり傷に留める。
「んだとぉ!?」
 顔こそ見えないが、その口調から、ディーンの驚愕が聞いて取れる。
「所詮殺人鬼なんだよ、このヘタクソ」
 今まで腰に構えていた手で拳を握り。体を回した勢いで裏拳をディーンの側頭部に叩き込む。
 ただのガントレットと思うが無かれ。篭手――『ブラストナックル』は、れっきとした武器なのである。
 周囲の空気を吸い込み、爆発が起きる。それは大きく、ディーンの頭部を揺らす。
 フードが吹き飛び、その素顔を晒す。
「あんた……」
 僅かにウォルターの目が見開かれたのは。その素顔が、以前彼も戦ったことのある銀行強盗犯――ディーン・E・ヴィルの物であったからだろうか。

「僕たちが止めている……今の内に、早く逃げてください!」
 ディーンから避難民の間に立っていた、日高・明(ka0476)が、後ろの者達に叫ぶ。
 混戦により時間は経ち、最初の騒音で足が竦んだ者たちも動き出せている。今をおいて、逃走チャンスはない。そう判断したのだ。
 彼は、オイマト族戦士にも、全力で避難民の逃走に協力するように依頼していた。戦士たちは、何も言わずに頷いた。

 だが、この逃走開始は、思いも寄らぬ効果を作り出す事になる。
「おいおい、どこへ行ってんだよ!」
 頭を血まみれにしながらも、ディーンの注意が、一気にそちらに引かれた。

 ディーンの目的は、この場の全てを殺す事。
 故に、攻撃してくる敵は何もしない敵よりも優先される。が、逃げる敵はそれよりも更に優先されるのだ。
「余りにもあたしを嘗め過ぎやしませんかい?」
 背を向けた彼に、ウォルターの拳は迫る。が、空中で駆け出すように動いたディーンが後ろに蹴りだした足が、彼の腹部を捉える。脚は、僅かに腕よりも長いのだ。
 蹴った反動で加速するディーン。
「行かせんでぇ……目の前で人が死ぬんはもう見たくない、けぇな……」
 守悟のワイヤーウィップが、その脚に巻きつく。
 だが、ディーンは己の脚が裂かれるのも構わず、全力でそれを引きちぎる。追撃するウォルターを、黒刃が地に縫いとめる。

「やーっとまともに戦えそうだぜ…ってか?」
 立ちはだかるは、シャルラッハ。大太刀を横一文字に構え、その刃でディーンの行く先を阻むようにする。
 接近した瞬間、握る手に力を込め、猛烈な勢いで横に振りぬく。
 刃が、ディーンの脇腹を掠める。それだけで噴き出す血が、威力を物語る。だが、それでも彼は、シャルラッハよりも、逃げる民衆を優先した。
 振るわれる腕から、伸びる刃。騒音が、再度人の精神を揺らし、その脚を止める。

 通常の状態ならば、確かに疾影士のスキルで先回りする事は可能だろう。
 だが、ハンターたちは、騒音による足止めを甘く見すぎていた。
「通す訳にはいきませんね」
 元々こういった状況を想定していた故に、間に立ちはだかった明以外は。
 大振りで振るう槍は、続く味方の攻撃を援護するための物。
 が、フェイントとも言える明のそれを、ディーンはかわさなかった。
 元々防御を重視した構えだった故に、ダメージは大きいとは言えず。一撃を受けたディーンは、更に加速する。
 猛烈な蹴りを受けた明だが、ディーンが移動を優先していた事もあり、ダメージは大きくない。更に通すまいと、回り込む。
「――邪魔くせぇ!」
 明が時間を稼いだお陰で、既にいくらかの民衆たちは、戦場から脱出している。
 守悟の一撃で脚を負傷したディーンの機動力では、槍のリーチの差もあり中々回り込めず。イライラする彼は終に、全力で明の相手をする事となる。
 迫る黒刃。それが明を地に縫い付けた瞬間。弾丸が、背後からディーンの腹部へ貫通する。
「刃が落とせないなら、本体を撃つだけ…ッ!」
 レムの射撃であった。

 その隙に、明は逆に攻撃に出る。
 攻めの姿勢に切り替え、すべての力を槍に込め、逆袈裟に振り上げる。
 が、それもまたフェイント。振るわれた槍の柄を踏みつけるようにし、ディーンは彼の背後にいる一般人に飛び掛る。
 精密な一撃が、首を跳ね飛ばす。


●逆襲と、卑劣なる凶手

「クソ……がぁあ!」
 一筋の涙が、守悟の目から流れる。強引に体に鞭打ち、騒音の呪縛を打ち破った彼は、全力で駆け抜け、残った民衆とディーンの間に立ちはだかる。
「……なんでだ……なんでこんなことができるんだよ!」
 目の前の殺戮に憤慨したのは、明もまた同じ。
 身を挺して、彼らは刃から民衆を守る。

 その隙に、一人、また一人と、戦場から離脱していく。
「あーあ、逃げられちまったじゃねぇか!」
 怒りの一撃が、明の腕を捉える。そのまま翻した刃が、守悟の胴を薙ぐ。
 数々の連撃をハンターたちから受けていたディーンの刃の速さは、既に凶悪なレベルまで高まっており。怒りのままに放たれた連続斬撃が、彼ら二人を切り伏せる。
 満足げに笑みを浮かべた次の瞬間。 槍は、正面から彼のふくらはぎに突き刺さった。
 最後に一矢報いるべく。すべての力を込め。明が投げつけたのであった。

 阻止する者を失った殺戮者は、そのまま殺戮を続ける。
 が、ハンターたちとて、座してそれを見る訳ではない。
 ディーンが離れた以上、騒音による足止め効果はそれ程長続きしない。それは即ち、この場で最大の攻撃力を持つシャルラッハが、ディーンへ接近してくると言う事であった。
 振り下ろされる刃が、大地を叩き割る。返す銀刃が膝を掠めるが、シャルラッハもそれを気にする様子は無い。横に薙ぎ払う一閃を、ディーンは足の裏で受け、そのままの勢いで逃げようとした民衆の一人に刃を突き立てる。飽くまでも逃走する者を優先する形だ。

「あたしは人殺しは大嫌いだけど、どうせしなきゃならないなら綺麗に、痛みなく殺してやりたい」
 サーベルの斬撃の直後に、ウォルターの逆手の拳が突き出される。顎を狙った一撃は直撃ではないが、爆発が彼を吹き飛ばす。
「――とどのつまり、あんたとあたしの差ってそう言う事だ。――だから、きっと一生分かりあえないさ」
「ああ、分かり合う必要もねぇよ」
 血飛沫が舞う。吹き飛ばしたその先で、また一人、切り伏せられる。
「――てめぇは飯を食う時、皿に乗ってる肉と分かり合おうと思うのか?」

「殺すのなら、当然――殺される覚悟も出来ているんでしょうね!?」
 連続で銃のトリガーを引きながら、少しずつ、接近するレム。逆手に隠して構えるは、必殺の刃。
「ああ、当然――」
 にやりと、笑みがディーンの口元に浮かぶ。
「俺の周りでは常に人が殺されるんだよ。俺じゃなくても、な」
 隣の手負いのオイマト族戦士を引き寄せ、その頭部を銃弾に対する盾として突き出した。
「なっ――」
 自らの銃弾が人の命を奪った。僅か心の揺らぎが、刃を遅らせる。
 その僅かな遅れは、限界まで加速したディーンの刃の前では、命取りだったのである。


●End of the Game

「ぐっ……」
「中々に楽しませてもらったぜ……ゲハッ」
 血を吐くディーン。然しそれに大太刀を突き立てたシャルラッハも、彼の刃に貫かれていた。
 ディーンは彼女を黒刃を以って足止めし、ウォルターを倒して一対一に持ち込んだのである。

 ほぼ相打ちとなったこの一合の後、何者かから連絡を受けたのか、それとも彼の体力もまた限界だったのか、ディーンはその場から撤退する。
 その直後、村の前方で戦っていたハンターたちが、到着したのであった。
 村人、戦士たちのの半分程は、ハンターたちの尽力により逃げ切った。
 然し、それは残りの者が、惨殺されたと言う意味でもある。

 弔いに参加した守悟が、顔を伏せ、静かに死体を拭く。
 その後ろで、ヒースは、敵を頭に思い浮かべる。
 ――その正体は分かった。己の負傷を厭わぬ、狂人。虚実の黒刃を扱い、人の手を借りてまで殺しを行う殺人鬼。
「次は必ず――」
 己に、誓った。

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MVP一覧

  • ミストラル
    ウォルター・ヨーka2967
  • 守る物・失う物
    武神 守悟ka3517

重体一覧

参加者一覧

  • 真水の蝙蝠
    ヒース・R・ウォーカー(ka0145
    人間(蒼)|23才|男性|疾影士
  • 運命の反逆者
    レム・K・モメンタム(ka0149
    人間(紅)|16才|女性|闘狩人
  • 挺身者
    日高・明(ka0476
    人間(蒼)|17才|男性|闘狩人
  • 威を放つ猛獣
    シャルラッハ・グルート(ka0508
    人間(紅)|25才|女性|闘狩人
  • ミストラル
    ウォルター・ヨー(ka2967
    人間(紅)|15才|男性|疾影士
  • 守る物・失う物
    武神 守悟(ka3517
    人間(蒼)|22才|男性|疾影士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 【相談】その殺意を止める
レム・K・モメンタム(ka0149
人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2015/01/05 07:50:09
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2014/12/30 21:32:01