ゲスト
(ka0000)
スライム屋敷を探検せよ!
マスター:きりん

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/10/01 15:00
- 完成日
- 2018/10/02 11:10
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●はた迷惑な錬金術師
とある街の屋敷に、一人の錬金術師がいた。
行っているのは、スライムの研究である。
雑魔ではなく、魔法生物としてのスライムを専門に扱っていたその錬金術師は、スライムを利用して何か新たな発明ができないか考えていた。
例えばスライムの分解吸収作用を利用して肌の老廃物を取り除く、美容用のスライムパックや、湯に入れることで湯を吸収し、浴槽いっぱいに膨れ上がって身体中の垢を食べてくれるスライム風呂など、画期的ではあるが現時点では完成の目途が立たない無駄な研究を日々続けている。
それだけだったのならば、無駄な研究であれど他人に迷惑をかけるものではなかったかもしれないが、彼は一つ過ちを犯した。
研究材料として用意したスライムの中に、雑魔が混じっていたのである。
雑魔スライムは魔法生物スライムのマテリアルを貪り、巨大化増殖分裂を繰り返すとともに、魔法生物スライムを雑魔スライムへと転化させていった。
そして研究者である錬金術師が気付いた時には、どうにもならなくなっていた。
異変に気付いた時には、全てが手遅れだった。
一見すると普通の屋敷に見える錬金術師の家は、スライムが蔓延るダンジョンと化していたのである。
錬金術師は部屋を出た瞬間、天井から降ってきた巨大スライムに全身を飲み込まれ、消化された。
それは、男が研究していたスライム風呂の成れの果てであった。
スライムという扱いを一歩間違えれば歪虚に転ずる可能性がある魔法生物を扱っていることもあり、錬金術師は定期的に錬金術師組合と連絡を取っていた。
その定期連絡がなくなったことで、組合は何かが起きたと判断、非常事態を踏まえハンターズソサエティに協力を要請した。
●ハンターズソサエティ
本日も、風雲急を告げる第一声は受付嬢ジェーン・ドゥの口から紡がれた。
「事件です」
依頼を見繕うためにたむろしていたハンターたちに、ジェーンは斡旋する依頼の説明を始める。
「とある街に住む錬金術師から定期連絡が途絶えました。錬金術師は街郊外に大きな屋敷を構えて魔法生物としてのスライムを研究していたのですが、研究用のスライムに雑魔が混じっていたことに気付かず、大増殖許してしまったようです。もしかしたら、何か事故があって身動きが取れないのかもしれません。最悪死亡している可能性もあります。屋敷の状況を確認するとともに、繁殖したスライムを駆除してください」
説明を終えたジェーンは、最後に頭を下げた。
とある街の屋敷に、一人の錬金術師がいた。
行っているのは、スライムの研究である。
雑魔ではなく、魔法生物としてのスライムを専門に扱っていたその錬金術師は、スライムを利用して何か新たな発明ができないか考えていた。
例えばスライムの分解吸収作用を利用して肌の老廃物を取り除く、美容用のスライムパックや、湯に入れることで湯を吸収し、浴槽いっぱいに膨れ上がって身体中の垢を食べてくれるスライム風呂など、画期的ではあるが現時点では完成の目途が立たない無駄な研究を日々続けている。
それだけだったのならば、無駄な研究であれど他人に迷惑をかけるものではなかったかもしれないが、彼は一つ過ちを犯した。
研究材料として用意したスライムの中に、雑魔が混じっていたのである。
雑魔スライムは魔法生物スライムのマテリアルを貪り、巨大化増殖分裂を繰り返すとともに、魔法生物スライムを雑魔スライムへと転化させていった。
そして研究者である錬金術師が気付いた時には、どうにもならなくなっていた。
異変に気付いた時には、全てが手遅れだった。
一見すると普通の屋敷に見える錬金術師の家は、スライムが蔓延るダンジョンと化していたのである。
錬金術師は部屋を出た瞬間、天井から降ってきた巨大スライムに全身を飲み込まれ、消化された。
それは、男が研究していたスライム風呂の成れの果てであった。
スライムという扱いを一歩間違えれば歪虚に転ずる可能性がある魔法生物を扱っていることもあり、錬金術師は定期的に錬金術師組合と連絡を取っていた。
その定期連絡がなくなったことで、組合は何かが起きたと判断、非常事態を踏まえハンターズソサエティに協力を要請した。
●ハンターズソサエティ
本日も、風雲急を告げる第一声は受付嬢ジェーン・ドゥの口から紡がれた。
「事件です」
依頼を見繕うためにたむろしていたハンターたちに、ジェーンは斡旋する依頼の説明を始める。
「とある街に住む錬金術師から定期連絡が途絶えました。錬金術師は街郊外に大きな屋敷を構えて魔法生物としてのスライムを研究していたのですが、研究用のスライムに雑魔が混じっていたことに気付かず、大増殖許してしまったようです。もしかしたら、何か事故があって身動きが取れないのかもしれません。最悪死亡している可能性もあります。屋敷の状況を確認するとともに、繁殖したスライムを駆除してください」
説明を終えたジェーンは、最後に頭を下げた。
リプレイ本文
●集合
時音 ざくろ(ka1250)は錬金術師の屋敷を探索し、繁殖したスライムを退治するためやってきた。
純粋な興味もそうだが、敵の性質が気になるのも事実で、事前に話を聞いておいた。
「パックの代わりになったり、お風呂で綺麗にしてくれるスライムか……実用化できるなら、生活の役に立ったかもだけど、雑魔化が解決しないと」
「スライムね~。襲ってきたりしなければ、プニプニの触り心地は嫌いじゃないんだけどな。人が襲われたらしい以上は、退治しなきゃしょうがないけどね」
スライムを駆除しようと夢路 まよい(ka1328)は遺跡へやってきた。
館の内情は判明しているのだから、液体が溜まっていそうな場所は注意して、迂闊に近づかないようにするつもりだ。
館にやってきたレイア・アローネ(ka4082)は、妙な既視感を覚えていた。
「なんか私少し前にも錬金術師に迷惑かけられた気がする。主に下水とかで。もしかして錬金術師ってろくなのいないのか?」
風評被害である。
「とはいえ不始末を命で贖う事になろうとは流石に気の毒だ。彼の名誉の為にもこれ以上被害が広がらないようにしておくか」
「魔術師さんの救出がなければ、屋敷を燃やしちゃう方が早いかなとは私も思ったの」
窒息は御免こうむるので、ディーナ・フェルミ(ka5843)は全スライムを退治するつもりである。
ヘルメットに似た形状のヘルムを対策として装備してきており、いざとなればどこを押さえるべきか復習しながら、灯の水晶球を取り出している。
「危険なスライム……ねぇ」
呟く十色 乃梛(ka5902)の心情は判然としないが、その目的がスライム全滅にあることは周知の事実だ。
聞き込みをし、何の研究をしていたのかおおよその情報を引き出している。
ざくろが得た情報も合わせると、どうやら、スライムを利用した美容法を研究していたらしい。他、主にいそうな場所も検討がついた。
「別れる余裕はなさそうだし、皆で動くのを推奨するわ」
こうして、集まったハンターたちが屋敷内に突入する。
さあ、冒険の始まりだ!
●顔面スライムを倒せ
一階で、一行はさっそくぼよんぼよんと飛び跳ねる小型のスライムと出くわした。
もっとも、小型とはいっても人の顔面位はある大きさなのだが、
早速注意すべき方の種類から敵が現れたため、レイアは警戒を新たにした。
仲間がやられそうな場合は最悪肩代わりして助けるつもりだ。
(魔法障壁系を使ってガードしてる場合はそちらに任せよう)
そんなことを思いつつ、生体マテリアルを魔導剣に流し込み、魔導剣と星神器をそれぞれの手に持ち、二刀による攻撃を行う。
物理攻撃に耐性がある事を見越して、魔法攻撃での斬撃を食らわせようと思ったのだが、上手く効いたようだ。
まよいの火力が鍵だと思っているディーナはまよいをすぐ庇える位置に陣取っていた。
跳ねる顔面スライムがまよいの顔にヒットしそうになれば身を呈し、ヘルムの水濡れしたことで分かった隙間部分を押さえつつ、衝撃を伴う光の波動を周囲に放つ。
それも一回ではない。前を塞がれて状況が分からないので顔面スライムが消滅するまでひたすら連打である。
何発か阻害されて発動をかき消されるものの、しつこく放たれる魔法に顔面スライムの方が根負けした。
「まよいちゃん、ガツンとお願いするの!」
ディーナの声に、まよいは即座に行動に移した。
集中し限界まで魔力を高めてから魔法を解き放つ。
「全てを無に帰せ……ブラックホールカノン!」
放たれた禍々しい紫色の球体が顔面スライムに着弾し、強力な重力波を広域に発生させようとした瞬間、まよいの元気な声が飛ぶ。
「一点収束だよ!」
魔法の効果範囲を変化させる高等技術でもって、破壊エネルギーを顔面スライム一体に収束させる。
「地面にべちゃってへばりついちゃえ!」
さすがに耐えきれなかったのか、潰された顔面スライムが盛大にはじけ飛んだ。
跳ねてくる他の顔面スライムに対し、ざくろは顔にへばりつかれないよう、盾で顔をガードする。
それとともに、襲ってきたところでマテリアルで形成した光の障壁に雷撃を纏わせ弾き飛ばし、すかさず光でできた三角形を作り出し、その頂点一つ一つから伸びた光で攻撃する。
「パックは間に合ってるよ、超機導パワーオン! 弾け飛べっ……更に、必殺デルタエンドだ」
光に焼かれた顔面スライムのうち、一匹が爆発四散した。
乃梛は錫杖に魔力を集中させ、顔面目掛けて飛んでくる顔面スライムたちを叩き落としていく。
咄嗟に反応できない場合は光の波動を放ち、顔面スライムたちを牽制する。
「窒息して死ぬのはさすがに御免よ」
個人としては スケルトンマスクで対策しているつもりだが、実際に防げるかどうかは未知数だ。
いざとなれば断固たる意志を示すことで顔面スライムに圧力を加え、その隙に周囲に不可視の境界を作り上げて攻撃を遮り、張り付かれるのを阻止する狙いだった。
数で負けてるので防げるものは防ぎたいし、張り付かれた場合は仮面ごと剥がして逃げるつもりでいた。
厄介な攻撃をしてきても、所詮はスライム。
一行はサクッと殲滅し、二階へ進んだ。
●巨大スライムを倒せ
二階に上がるといかにも怪しげな浴槽があったので、乃梛は手持ちの人形を投げてスライムがいるか試してみることにした。
スライムの感触はクセになっているが、実際に全身取り込まれるのはさすがに刺激が強すぎる。
案の定引っかかってくれたので、とにかく光の波動を乱打するとともに、不可視の境界を作り近付かせないことを重視した。
回復は後でまとめてやれば十分だろう。
「安全無害なスライム風呂……ちょっと興味あったな~」
その間にも、仲間たちに巨大スライムは殲滅されていた。
ざくろはスライムお約束の頭上からの攻撃に警戒し、主に天井に注意を払っていた。
だからだろうか。浴槽を出た瞬間二段構えだとばかりに降ってきた二匹目の巨大スライムに反応して仲間に警戒を促すことができたのは。
浴槽でのことも、研究の特質が残っているなら擬態しているかもしれないと考えた判断は間違っていなかった。
やはり、身構えておくことに越したことはない。もっとも、小さい方のスライムは顔を狙ってきそうな事しかざくろに予想できることはなかったが……。
レイアは巨大スライムに取り付かれないよう、守り重視の構えを取り、防御主体の立ち回りで、いざとなれば鎧の金属板部分で攻撃を受けれるように警戒する。
巨大スライムが仲間たちを襲おうとするのを、自身の周囲にマテリアルを漲らせ、感覚を空間に拡張させることで攻撃の対象を強引に変更した。
展開したのは一種の結界であり、攻撃のベクトルを捻じ曲げるものだ。これで仲間の方にいく攻撃を引き寄せようというわけである。
巨大スライムを前に、ディーナはレイアの星神器に光の精霊力を付与し、強化した。
白い光が星神器を取り巻き輝く。
「援護するの!」
攻撃の瞬間、ホーリーメイスに魔力を集中させ、ぶん殴る。
その間にも巨大スライムがコンニチハとばかりにレイアへと圧し掛かっていた。
「ガボガボガボ、なの!」
うっかりレイアと一緒に取り込まれたディーナはどこか呑気そうな態度ながらも、その実割と必死にここから出せと光の波動を乱れ撃ちしていた。
放っておけば失神しかねないので仕方ない。
巨大スライムの落下に反射的にマテリアルを自身に直接集束したうえで継続して放出し、防御膜を形成したざくろは、電撃を纏った光の障壁で弾き飛ばして取り込まれないようにしようとして、その必要がないことを知り二人が救出されるのを待つ。
「フリージングレイ! 氷付けっ」
救出されたのを確認してから、魔導冷蔵庫の急速冷凍技術を応用し、魔導機械を媒体にして、直線状に青白く輝く冷凍光線を発射した。
精神を集中し、マテリアルを感じることで、魔法攻撃の威力を研ぎ澄ませたまよいは、巨大スライムに向けその圧倒的な魔力を開放した。
「スライムはプニプニして攻撃しづらいのが面倒くさいんだよね~」
ぼやきつつ魔力は水と地の力を生み出し、急激にそれを成長させてそれぞれ氷の槍と岩の槍を作り上げる。
「それいけっ」
連続で射出された二本の槍は、巨大スライムの一匹に突き刺さるとその力を解き放ち、極寒の冷気と泥濘を巻き散らし巨大スライムの動きを停止させる。
巨大スライムはそのままぐずぐずと溶け崩れていった。
●その後
ざくろが屋敷内を探索するも錬金術師の生存を示すものは見つからなかったが、スライムの駆除自体は滞りなく完了した。
かなり余力を残したまよいは、まだ魔法の矢を乱れ撃ちするのに十分な余力があった。やらないが。
スライムが雑魔という魔法生物かという疑念がレイアの脳裏に沸き上がるものの、すぐにどっちもあまり変わらない気がして思い直すレイアだった。
「魔術師さん……」
生存を期待しざくろと一緒に館内を捜索するも、痕跡を見つけることができなかったディーナだったが、代わりに研究日誌を見つけ、提出するため持ち帰ることにした。
最後に、乃梛とディーナで傷を負った仲間たちを回復し、一行は帰路についた。
時音 ざくろ(ka1250)は錬金術師の屋敷を探索し、繁殖したスライムを退治するためやってきた。
純粋な興味もそうだが、敵の性質が気になるのも事実で、事前に話を聞いておいた。
「パックの代わりになったり、お風呂で綺麗にしてくれるスライムか……実用化できるなら、生活の役に立ったかもだけど、雑魔化が解決しないと」
「スライムね~。襲ってきたりしなければ、プニプニの触り心地は嫌いじゃないんだけどな。人が襲われたらしい以上は、退治しなきゃしょうがないけどね」
スライムを駆除しようと夢路 まよい(ka1328)は遺跡へやってきた。
館の内情は判明しているのだから、液体が溜まっていそうな場所は注意して、迂闊に近づかないようにするつもりだ。
館にやってきたレイア・アローネ(ka4082)は、妙な既視感を覚えていた。
「なんか私少し前にも錬金術師に迷惑かけられた気がする。主に下水とかで。もしかして錬金術師ってろくなのいないのか?」
風評被害である。
「とはいえ不始末を命で贖う事になろうとは流石に気の毒だ。彼の名誉の為にもこれ以上被害が広がらないようにしておくか」
「魔術師さんの救出がなければ、屋敷を燃やしちゃう方が早いかなとは私も思ったの」
窒息は御免こうむるので、ディーナ・フェルミ(ka5843)は全スライムを退治するつもりである。
ヘルメットに似た形状のヘルムを対策として装備してきており、いざとなればどこを押さえるべきか復習しながら、灯の水晶球を取り出している。
「危険なスライム……ねぇ」
呟く十色 乃梛(ka5902)の心情は判然としないが、その目的がスライム全滅にあることは周知の事実だ。
聞き込みをし、何の研究をしていたのかおおよその情報を引き出している。
ざくろが得た情報も合わせると、どうやら、スライムを利用した美容法を研究していたらしい。他、主にいそうな場所も検討がついた。
「別れる余裕はなさそうだし、皆で動くのを推奨するわ」
こうして、集まったハンターたちが屋敷内に突入する。
さあ、冒険の始まりだ!
●顔面スライムを倒せ
一階で、一行はさっそくぼよんぼよんと飛び跳ねる小型のスライムと出くわした。
もっとも、小型とはいっても人の顔面位はある大きさなのだが、
早速注意すべき方の種類から敵が現れたため、レイアは警戒を新たにした。
仲間がやられそうな場合は最悪肩代わりして助けるつもりだ。
(魔法障壁系を使ってガードしてる場合はそちらに任せよう)
そんなことを思いつつ、生体マテリアルを魔導剣に流し込み、魔導剣と星神器をそれぞれの手に持ち、二刀による攻撃を行う。
物理攻撃に耐性がある事を見越して、魔法攻撃での斬撃を食らわせようと思ったのだが、上手く効いたようだ。
まよいの火力が鍵だと思っているディーナはまよいをすぐ庇える位置に陣取っていた。
跳ねる顔面スライムがまよいの顔にヒットしそうになれば身を呈し、ヘルムの水濡れしたことで分かった隙間部分を押さえつつ、衝撃を伴う光の波動を周囲に放つ。
それも一回ではない。前を塞がれて状況が分からないので顔面スライムが消滅するまでひたすら連打である。
何発か阻害されて発動をかき消されるものの、しつこく放たれる魔法に顔面スライムの方が根負けした。
「まよいちゃん、ガツンとお願いするの!」
ディーナの声に、まよいは即座に行動に移した。
集中し限界まで魔力を高めてから魔法を解き放つ。
「全てを無に帰せ……ブラックホールカノン!」
放たれた禍々しい紫色の球体が顔面スライムに着弾し、強力な重力波を広域に発生させようとした瞬間、まよいの元気な声が飛ぶ。
「一点収束だよ!」
魔法の効果範囲を変化させる高等技術でもって、破壊エネルギーを顔面スライム一体に収束させる。
「地面にべちゃってへばりついちゃえ!」
さすがに耐えきれなかったのか、潰された顔面スライムが盛大にはじけ飛んだ。
跳ねてくる他の顔面スライムに対し、ざくろは顔にへばりつかれないよう、盾で顔をガードする。
それとともに、襲ってきたところでマテリアルで形成した光の障壁に雷撃を纏わせ弾き飛ばし、すかさず光でできた三角形を作り出し、その頂点一つ一つから伸びた光で攻撃する。
「パックは間に合ってるよ、超機導パワーオン! 弾け飛べっ……更に、必殺デルタエンドだ」
光に焼かれた顔面スライムのうち、一匹が爆発四散した。
乃梛は錫杖に魔力を集中させ、顔面目掛けて飛んでくる顔面スライムたちを叩き落としていく。
咄嗟に反応できない場合は光の波動を放ち、顔面スライムたちを牽制する。
「窒息して死ぬのはさすがに御免よ」
個人としては スケルトンマスクで対策しているつもりだが、実際に防げるかどうかは未知数だ。
いざとなれば断固たる意志を示すことで顔面スライムに圧力を加え、その隙に周囲に不可視の境界を作り上げて攻撃を遮り、張り付かれるのを阻止する狙いだった。
数で負けてるので防げるものは防ぎたいし、張り付かれた場合は仮面ごと剥がして逃げるつもりでいた。
厄介な攻撃をしてきても、所詮はスライム。
一行はサクッと殲滅し、二階へ進んだ。
●巨大スライムを倒せ
二階に上がるといかにも怪しげな浴槽があったので、乃梛は手持ちの人形を投げてスライムがいるか試してみることにした。
スライムの感触はクセになっているが、実際に全身取り込まれるのはさすがに刺激が強すぎる。
案の定引っかかってくれたので、とにかく光の波動を乱打するとともに、不可視の境界を作り近付かせないことを重視した。
回復は後でまとめてやれば十分だろう。
「安全無害なスライム風呂……ちょっと興味あったな~」
その間にも、仲間たちに巨大スライムは殲滅されていた。
ざくろはスライムお約束の頭上からの攻撃に警戒し、主に天井に注意を払っていた。
だからだろうか。浴槽を出た瞬間二段構えだとばかりに降ってきた二匹目の巨大スライムに反応して仲間に警戒を促すことができたのは。
浴槽でのことも、研究の特質が残っているなら擬態しているかもしれないと考えた判断は間違っていなかった。
やはり、身構えておくことに越したことはない。もっとも、小さい方のスライムは顔を狙ってきそうな事しかざくろに予想できることはなかったが……。
レイアは巨大スライムに取り付かれないよう、守り重視の構えを取り、防御主体の立ち回りで、いざとなれば鎧の金属板部分で攻撃を受けれるように警戒する。
巨大スライムが仲間たちを襲おうとするのを、自身の周囲にマテリアルを漲らせ、感覚を空間に拡張させることで攻撃の対象を強引に変更した。
展開したのは一種の結界であり、攻撃のベクトルを捻じ曲げるものだ。これで仲間の方にいく攻撃を引き寄せようというわけである。
巨大スライムを前に、ディーナはレイアの星神器に光の精霊力を付与し、強化した。
白い光が星神器を取り巻き輝く。
「援護するの!」
攻撃の瞬間、ホーリーメイスに魔力を集中させ、ぶん殴る。
その間にも巨大スライムがコンニチハとばかりにレイアへと圧し掛かっていた。
「ガボガボガボ、なの!」
うっかりレイアと一緒に取り込まれたディーナはどこか呑気そうな態度ながらも、その実割と必死にここから出せと光の波動を乱れ撃ちしていた。
放っておけば失神しかねないので仕方ない。
巨大スライムの落下に反射的にマテリアルを自身に直接集束したうえで継続して放出し、防御膜を形成したざくろは、電撃を纏った光の障壁で弾き飛ばして取り込まれないようにしようとして、その必要がないことを知り二人が救出されるのを待つ。
「フリージングレイ! 氷付けっ」
救出されたのを確認してから、魔導冷蔵庫の急速冷凍技術を応用し、魔導機械を媒体にして、直線状に青白く輝く冷凍光線を発射した。
精神を集中し、マテリアルを感じることで、魔法攻撃の威力を研ぎ澄ませたまよいは、巨大スライムに向けその圧倒的な魔力を開放した。
「スライムはプニプニして攻撃しづらいのが面倒くさいんだよね~」
ぼやきつつ魔力は水と地の力を生み出し、急激にそれを成長させてそれぞれ氷の槍と岩の槍を作り上げる。
「それいけっ」
連続で射出された二本の槍は、巨大スライムの一匹に突き刺さるとその力を解き放ち、極寒の冷気と泥濘を巻き散らし巨大スライムの動きを停止させる。
巨大スライムはそのままぐずぐずと溶け崩れていった。
●その後
ざくろが屋敷内を探索するも錬金術師の生存を示すものは見つからなかったが、スライムの駆除自体は滞りなく完了した。
かなり余力を残したまよいは、まだ魔法の矢を乱れ撃ちするのに十分な余力があった。やらないが。
スライムが雑魔という魔法生物かという疑念がレイアの脳裏に沸き上がるものの、すぐにどっちもあまり変わらない気がして思い直すレイアだった。
「魔術師さん……」
生存を期待しざくろと一緒に館内を捜索するも、痕跡を見つけることができなかったディーナだったが、代わりに研究日誌を見つけ、提出するため持ち帰ることにした。
最後に、乃梛とディーナで傷を負った仲間たちを回復し、一行は帰路についた。
依頼結果
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スライムの不思議なダンジョン レイア・アローネ(ka4082) 人間(クリムゾンウェスト)|24才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/10/01 14:40:23 |
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![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/10/01 09:57:27 |