ゲスト
(ka0000)
魔術師の弟子、ある日の昼
マスター:狐野径
オープニング
●リアルブルーのピンチを知る
グラズヘイム王国の中央のような北東寄りのような中途半端なところにある地域の小さな町。
ルゥルはリアルブルーの情報を隣町で得ていても立ってもいられなくなった。
「どこに行くのですか!」
隣のエクラ教会の司祭マークが声をかける。ルゥルが大きなリュックを背負い、【まるごとしまえなが】を着て出かけようとしていたからだ。
「止めないでください」
「止めます」
「みぎゃあああああああああああああああああ」
マークはルゥルの腰をガシッと掴むと抱き抱え、エクラ教会に消えて行った。
近所の人が何事かと思い、二人が消えた礼拝堂の扉を開けて、そっと見ていた。いつものことだと思ってはいるが、ルゥルの格好や尋常ではない悲鳴に驚いてはいるのだ。
覗くと礼拝堂の祭壇前で対峙するルゥルとマークの姿がある。
「木野 岳郎さんがいるのです」
「リアルブルーで知り合ったキノコ業者の方ですね」
「そうなのです。リアルブルーが大変なことになっているのです」
「それは聞こえてきていますね」
「だから、助けに行くのです!」
「駄目です!」
「みぎゃあああああああああああああああああああああああ」
泣いた。
これほどないというくらい泣いた。
礼拝堂、滅茶苦茶響くため、入り口で見ている人たちが不安になるくらいだった。
「だって、だってええええ、岳郎さんともっとお話ししたいのです! リアルブルーのキノコをもっと見たいのですううううううううううううううううううう」
いつかリアルブルーに行きたいと願っていたころは、ぼんやりとしていた。目標がなかったし、ただ行ってみたいだけだった。
ハンターということで魔術師ということで、キノコの研究というそれとなく目的ができた。そうなると、王国でキノコを探すということも重要だが、リアルブルーに行けるならば行ってキノコのことを知りたいと願うようになった。
偶然、岳郎と知り合った。そのあと、情報交換をして楽しかった。
もっと、知りたい、行きたい、見たい、食べたいとルゥルは願った。
「岳郎さんと、もっと……」
「落ち着いたら、行けますよ。リアルブルーを守るために戦っている人たちを信じましょう」
「みぎゃああ」
ルゥルはうなずいた。
エクラ様に御願いする、またキノコに会いたいのです、と。
●近隣でキノコ狩り
ルゥルは舗装されていない道をママチャリで隣町に向かった。隣町から歩いて三十分ほどの林でキノコ狩りをしてもいいというのを領主から連絡をもらったのだった。
ルゥルがした連絡ではなく、マーク司祭が昔馴染みということで連絡してくれたのだ。
理由ははっきりしている。
泊まるところの指定も領主の屋敷だからだ。
「監視なのです」
領主の屋敷に泊まる機会などないから楽しみであるのも事実。ハンターとして馴染みのあるリシャール・べリンガーの弟妹や姉もいる為、緊張する。リシャールが今いないということもある。
弟妹はルゥルと年齢は近い。姉の方はまだ会ったことはない。
「きちんとご挨拶をすればいいのです」
領主のことも知っているし、いい人だと知っている。だからこそ、昔なじみのマークの願いを聞き届けたのだ。
「……ルゥルはルゥルができることをするのです」
キノコのことを知って岳郎と会ったとき話すネタにするのだと決心したのだった。
自分が行ったところで何かできるわけではないのは分かっている。マークが言うように、日常生活を送り、再会を願うのだ。
「それに、キノコの研究をしていかないと、師匠に怒られるのです」
現実の問題がそこに横たわる。リアルブルーのキノコ事情だけでなく、自分の住む周りから攻めていくべきなのだ。キノコはおいしい、すごい、可愛い、かっこいいのだ!
「エトファリカにもキノコはありそうなのです。あとは、龍園はどうなのでしょうか」
そう考えるとワクワクする。
「あの林は時々色々なのが来るのです」
街道が脇にあるせいか、雑魔や歪虚も移動してくることがある。そのための準備もルゥルはしている。
「準備は万全なのです!」
ルゥルは領主の屋敷に行って挨拶をした。子どもたちは勉強中で出てこなかったが、領主の妻が応対してくれる。
「よろしくね、ルゥルさん」
「はい、なのです! あ、えと、お世話になりますのでよろしくお願いいたしまする」
緊張気味のルゥルに夫人は微笑む。
「良いキノコが見つかるといいわね。いくらでも泊ってくださってもかまわないのよ?」
「そそれは」
「ふふ、そのくらい、気軽に来てくれていいということよ。さあ、行っていらっしゃい。日が暮れるまでには戻っていらっしゃいね」
「はいなのです! いってまいりますー」
「行っていらっしゃい」
ルゥルは丁寧に頭を下げた後、手をぶんぶんと振って、ママチャリに乗っかると林に向かった。
泊まりに必要な荷物は置いて、調査に必要な道具だけになり身軽になった。
ルゥルはママチャリを必死に漕いで林に向かった。もう、楽しみで仕方がなかった。
●通りすがりのハンター
その街道を通っていたのはたまたまだった。
入口にママチャリが止まっている。
子どもが遊びに来ているのだろうか? それでも一台しかないということは一人か、二人乗りで来たのか。想像する。
雑魔がいることもあるけれど大丈夫かと心配になる人もいるかもしれない。
林の周囲は牧草地や草原が広がる。ところどころ、ここと同じような林が点在はしている。
休憩をとってもいいのだろうかと思える。街はすぐそこだが、のんびりできそうな林で気分転換もよいかもしれない。ちょっとしたたき火ならできそうだし、そこで茶を飲んでもよいのかもしれない。
ハンターはただ、通り過ぎただけ。ある秋の平穏な昼の風景だった。
グラズヘイム王国の中央のような北東寄りのような中途半端なところにある地域の小さな町。
ルゥルはリアルブルーの情報を隣町で得ていても立ってもいられなくなった。
「どこに行くのですか!」
隣のエクラ教会の司祭マークが声をかける。ルゥルが大きなリュックを背負い、【まるごとしまえなが】を着て出かけようとしていたからだ。
「止めないでください」
「止めます」
「みぎゃあああああああああああああああああ」
マークはルゥルの腰をガシッと掴むと抱き抱え、エクラ教会に消えて行った。
近所の人が何事かと思い、二人が消えた礼拝堂の扉を開けて、そっと見ていた。いつものことだと思ってはいるが、ルゥルの格好や尋常ではない悲鳴に驚いてはいるのだ。
覗くと礼拝堂の祭壇前で対峙するルゥルとマークの姿がある。
「木野 岳郎さんがいるのです」
「リアルブルーで知り合ったキノコ業者の方ですね」
「そうなのです。リアルブルーが大変なことになっているのです」
「それは聞こえてきていますね」
「だから、助けに行くのです!」
「駄目です!」
「みぎゃあああああああああああああああああああああああ」
泣いた。
これほどないというくらい泣いた。
礼拝堂、滅茶苦茶響くため、入り口で見ている人たちが不安になるくらいだった。
「だって、だってええええ、岳郎さんともっとお話ししたいのです! リアルブルーのキノコをもっと見たいのですううううううううううううううううううう」
いつかリアルブルーに行きたいと願っていたころは、ぼんやりとしていた。目標がなかったし、ただ行ってみたいだけだった。
ハンターということで魔術師ということで、キノコの研究というそれとなく目的ができた。そうなると、王国でキノコを探すということも重要だが、リアルブルーに行けるならば行ってキノコのことを知りたいと願うようになった。
偶然、岳郎と知り合った。そのあと、情報交換をして楽しかった。
もっと、知りたい、行きたい、見たい、食べたいとルゥルは願った。
「岳郎さんと、もっと……」
「落ち着いたら、行けますよ。リアルブルーを守るために戦っている人たちを信じましょう」
「みぎゃああ」
ルゥルはうなずいた。
エクラ様に御願いする、またキノコに会いたいのです、と。
●近隣でキノコ狩り
ルゥルは舗装されていない道をママチャリで隣町に向かった。隣町から歩いて三十分ほどの林でキノコ狩りをしてもいいというのを領主から連絡をもらったのだった。
ルゥルがした連絡ではなく、マーク司祭が昔馴染みということで連絡してくれたのだ。
理由ははっきりしている。
泊まるところの指定も領主の屋敷だからだ。
「監視なのです」
領主の屋敷に泊まる機会などないから楽しみであるのも事実。ハンターとして馴染みのあるリシャール・べリンガーの弟妹や姉もいる為、緊張する。リシャールが今いないということもある。
弟妹はルゥルと年齢は近い。姉の方はまだ会ったことはない。
「きちんとご挨拶をすればいいのです」
領主のことも知っているし、いい人だと知っている。だからこそ、昔なじみのマークの願いを聞き届けたのだ。
「……ルゥルはルゥルができることをするのです」
キノコのことを知って岳郎と会ったとき話すネタにするのだと決心したのだった。
自分が行ったところで何かできるわけではないのは分かっている。マークが言うように、日常生活を送り、再会を願うのだ。
「それに、キノコの研究をしていかないと、師匠に怒られるのです」
現実の問題がそこに横たわる。リアルブルーのキノコ事情だけでなく、自分の住む周りから攻めていくべきなのだ。キノコはおいしい、すごい、可愛い、かっこいいのだ!
「エトファリカにもキノコはありそうなのです。あとは、龍園はどうなのでしょうか」
そう考えるとワクワクする。
「あの林は時々色々なのが来るのです」
街道が脇にあるせいか、雑魔や歪虚も移動してくることがある。そのための準備もルゥルはしている。
「準備は万全なのです!」
ルゥルは領主の屋敷に行って挨拶をした。子どもたちは勉強中で出てこなかったが、領主の妻が応対してくれる。
「よろしくね、ルゥルさん」
「はい、なのです! あ、えと、お世話になりますのでよろしくお願いいたしまする」
緊張気味のルゥルに夫人は微笑む。
「良いキノコが見つかるといいわね。いくらでも泊ってくださってもかまわないのよ?」
「そそれは」
「ふふ、そのくらい、気軽に来てくれていいということよ。さあ、行っていらっしゃい。日が暮れるまでには戻っていらっしゃいね」
「はいなのです! いってまいりますー」
「行っていらっしゃい」
ルゥルは丁寧に頭を下げた後、手をぶんぶんと振って、ママチャリに乗っかると林に向かった。
泊まりに必要な荷物は置いて、調査に必要な道具だけになり身軽になった。
ルゥルはママチャリを必死に漕いで林に向かった。もう、楽しみで仕方がなかった。
●通りすがりのハンター
その街道を通っていたのはたまたまだった。
入口にママチャリが止まっている。
子どもが遊びに来ているのだろうか? それでも一台しかないということは一人か、二人乗りで来たのか。想像する。
雑魔がいることもあるけれど大丈夫かと心配になる人もいるかもしれない。
林の周囲は牧草地や草原が広がる。ところどころ、ここと同じような林が点在はしている。
休憩をとってもいいのだろうかと思える。街はすぐそこだが、のんびりできそうな林で気分転換もよいかもしれない。ちょっとしたたき火ならできそうだし、そこで茶を飲んでもよいのかもしれない。
ハンターはただ、通り過ぎただけ。ある秋の平穏な昼の風景だった。
リプレイ本文
●それぞれの理由
夢路 まよい(ka1328)は雑魔の目撃情報があったため討伐のためやってきていた。場所は町から行くと林の近辺からその先にある牧草地だという。
雑魔ならどうにかなるだろうと、単独で乗り込んだ。何かあってもオフィス側が把握しているし、無茶をするつもりは毛頭ない。
心配することなく、経験を積んだハンターであるまよいは難なくこなせた。
「林突っ切って帰ってみようかな」
街道に戻るのも面倒くさい位置だった。林に入ってのんびり歩きだした。
エンバディ(ka7328)はふらりとやってきた街に滞在していた。魔術の訓練をしたいと思っていたところ、ハンターソサエティで林やその近くの草地を紹介された。そこならば、人は来るけれど、さほどではないし、雑魔が出るとしてもほぼないという。
「いや、でも、訓練なら雑魔がいたほうがいいんだけどな」
雑魔目撃情報はあり、別途討伐に動いたハンターがいるとオフィスの職員は言っていた。
「どうなるかわからないし、結局は緊張感をもって行動しつつ、動かない目標でも重要だろうし」
何事も訓練だと割り切り出かけた。街道の周囲は草地や牧草地で、歩いていくと林が見えてくる。
「……こういう草地というのは新鮮だな」
街道を逸れ、草地側から林に入っていった。
レイア・アローネ(ka4082)は町の外れまで散歩および剣の訓練にやってきた。街道自体はさほど人が多くないが、ハンターであるレイアも歩くことで安全に上乗せがある。
「林の中を行くのもいいな。遮蔽物があるということは緊張感につながる」
牧草地を見れば牛や羊が草を食んでいる。
「時々雑魔やなんやら出るという情報はあっても基本は平和だな」
前方からやってくる重魔導バイク、どこか見覚えがあると思いながら林の入り口に目を向けるとママチャリがあった。
「おや? 子どもがいるのか?」
そちらに足を向けた。
マリィア・バルデス(ka5848)は依頼を終えて町に向かっている最中だった。荷物を運ぶというお遣いであるが、速く移動でき、身を守るすべを知っているハンターは、速達を頼みやすいようだった。
「そりゃそうよね。信用してもらってるみたいだし、こちらも仕事させてくれるって助かるわ」
向かう町の近くにルゥル(kz0210)が住んでいるため、顔を見に行ってみようかなと思ったりする。
町からこちらに向かってくる人影に見覚えがあった。その人は林の入り口側に行く。
そこにあるのは所有が子どもと語るママチャリ。サドルはきっちり下げられ、ハンドルが下に向けられている。乗りやすいか不明だが、子ども用カスタマイズ。
「雑魔が出るというし確認したほうがいいな」
レイアが考えて入ろうとしたとき、バイクの音が来て止まる。
「こんにちは。こんなところで奇遇ね」
「ああ、そうだな」
マリィアはバイクを降りて、やってくる。ママチャリを見た瞬間、パッと顔を輝かせるがすぐにまじめな顔に戻る。
「このステッカーは以前私があげた物に似ているわ……ということは、これはルゥルのものね」
「あのエルフの子か」
「そうよ、近くに住んでいるし……でも他の人の乗騎が見えないわね」
「確かにないな」
「独りでキノコ狩りでも来たのかしら?」
「あり得るな。ただ、雑魔が出ることもあると聞いたぞ」
「様子を見に行きましょう」
マリィアは言いながらすでに林に足を向けていた。
●偶然
まよいはのんびりと歩く。
木々の音、何か歩いている音、鳥の音、牛の声……。
「すごく、色々抜けていきそうなくらい平和だよ……」
近くでガサゴソと音がした。錬金杖を握りしめる。
「何かいるのかな?」
雑魔討伐してきたところだけれども、まだ余裕は十分ある。
エンバディは林の中では方向感覚が鈍る感覚を改めて知る。
「この林自体、大きくはないから、道から外れたところで、一方に進めば出て行ける……のは分かっているけれど」
一瞬、ドキリとなる。
「魔法だけではないな、訓練というのは。知識にあるだけでは生かせない……」
実際やってみないといけないと改めて思う。
「さてと……ん?」
木が不自然に動く音がした。
ルゥルはキノコを探すがなかなか見つからない。
「最近の天気を思い出すのです。晴れ、晴れ……どう考えも雨がそろそろ降ってほしいころです」
キノコは生えていないかもしれないと考える。
「種類や場所によっては生えているです」
湿っていればいいというわけでもなく、様々な条件が関わる。
ルゥルははっとしてワンドを握りしめる。何かがいるような音を聞いたため、この林に雑魔が出ることもあるということを思い出した。
「依頼だと困るから……α、吠えずにルゥルの匂いをたどってくれる?」
マリィアはママチャリの匂いを犬に嗅がせる。αはとことこと進む。
「確かに依頼でないという確証もないな」
レイアがつぶやく。ルゥルも一応ハンターなのだから。
「キノコを採るだけならいいが、例えば、誰かと戦闘訓練ということもありうるのか?」
レイアが言ったことをマリィアは検討した。
「ママチャリは一台よ?」
「相手は馬で入っているとか」
「それは不公平よ」
「それはそうだな」
しばらく行くと何かが立てる音を聞いた。
二人は警戒する。武器に手をかけ、状況をうかがった。
そろりそろり。
小さな林の中、警戒しつつ進む人々。
林の中央付近の少し開けたところで、一同は顔を合わせた。
「みぎゃあああ……みぎゃ?」
「なーんだ!」
「あら!」
「ル、ルゥル……!」
「お、おおおう?」
悲鳴やら感激の声やら、困惑やらの第一声。
ルゥルはしまえながの尻尾がビョーンと上に上がるくらい驚いている。
「偶然があるってことで驚くべきだね」
まよいは笑う。知っている顔ばかりだ。
(やだもう、ルゥルに抱き着いたら、もっとみぎゃっていうのか、叫ばれたい……って、私、何考えているんだ!)
レイアは表面はまじめに、内心はにんまりと苦悩していた。
「ルゥル、その格好は似合っているわね。それよりなんでここにいるのかしら」
マリィアは立ち直るのが早く平常運行でルゥルに質問をした。
「えっと? エルフの子供? それと、東方ではどうも」
エンバディは状況が全くつかめず、顔見知りになっていたまよいとレイアにとりあえず挨拶をしていた。
初対面もいる為、自己紹介後、何故ここにいるかという話になった。
「キノコを探しに来たのです」
「そんな面白そうなことなら誘ってくれればいいのに、で、何のキノコを探しているの?」
マリィアが問うとルゥルは「突然決まったことだったのです」とすまなそうに答える。
「キノコを探す? 毒薬でも作るの?」
エンバディをルゥルは驚いた顔で見る。
「なぜそうなるのです?」
「キノコはたくさんの種類があるけれども、そのうち大半が毒キノコだというからさ」
「みぎゃ、その通りなのです。未知のキノコがたくさんある上、食べられるか食べられないかがわかっているキノコもたくさんあるのです。毒キノコが多いという実態が……」
「そうなんだよね。キノコって本当は正しい名前でないということは知っているかい?」
「それは勿論ですよ」
ルゥルとエンバディの話は他の三人を置いてどこかに向かう。
「ピクニックみたいで楽しそうだし、キノコ探し手伝うよ」
「ああ、私も手伝うぞ」
まよいとレイアが話をやんわりと止めに入った。どこかで見た光景だと思わなくはなかった。
「でも忙しいのではないですか」
「いや、今仕事ではないし」
「終わったし」
レイアとまよいは正直に答える。
「僕も付き合うよ」
エンバディも答えたところで、マリィアが「それより、何のキノコを探すのかしら」と根気よく問う。
「とりあえず、キノコです。何が生えているのか知りたいのです」
調査研究の第一歩だという。それと食べられるならお昼にするという目的もあるというのだった。なお、薪も集めるという。
●巨大キノコ現る
「どういうところにあるのかな?」
「日陰でじめっとしているけれど、風通しがいいと思います」
「結構、難しいような気もするね」
まよいはコツを聞きながら試しに木の陰を見る。ルゥルが寄ってきて、草を傾ける。
「こういうところにいるときがあるのです」
「なるほど……いる?」
まよいはルゥルの言葉にふと疑問が生じたが、気にせずじわじわ移動して探す。
「北方のキノコとどう違うのかな」
「北のキノコはあまり知らないのです」
「それなら、キノコを見つけたら、とる前に君に聞いたほうがいいかい?」
「用心をするならそうですが、そこまで危険なものは見たことがないのです」
エバンディは「取ったあと聞こう」と告げ、キノコを探すため人がいない方向に行く。
「そういえば、ルゥルはちょっと元気がないように見えるが、心配事とかあれば相談に乗るぞ?」
レイアに言われてルゥルは「みぎゃあ」という。
「だ、大丈夫なのです」
「ルゥル、そういうってことは大丈夫ではないわよ?」
マリィアも心配して告げた。
「みぎゃああああああああ。リアルブルーが大変だと聞きました」
心配していることをルゥルは機関銃のようにしゃべった。半泣きであるため、まよいとエンバディも手を止め、近くで話を聞く。
「キノコも、キノコ屋さんのお兄さんの、木野 岳郎さんも、大変だというのです。だけど、ルゥルは何もできないのです。だから、日常を送るのです」
レイアとマリィアがほぼ同時にルゥルの頭を撫でる。
「そうか、そのお兄さんが心配なのだな……キノ タケロウさんが」
「なのですー」
確かに助けに行っても、ずっとハンターがいられるわけではない。根本の解決ができない限り、終わらない悩みだ。
「そうか、安心しろ。リアルブルーに行くことがあったら無事を確認してきてやろう!」
レイアはむんと胸を張る。
「ほ、本当ですか?」
ルゥルは笑う。
「ありがとうございましたです。また会えるのです! だから、岳郎さんが言っていたマツタケというのがあったらびっくりさせるのです」
「松茸?」
マリィアが今度は驚いた。
「生えているかしら? 松茸は赤松の林で見かけると聞いたけれど、そんなにおいしいの? 私はカンタレリが一番だと思うけど」
「分からないのです。でも、美味しいらしいです、岳郎さんには」
「へえ」
マリィアは赤松を探そうと考える。
「赤松は生えてないと思うよ?」
「見ていないね」
違う方向からここに来ているまよいとエンバディが首を傾げた。
とりあえず、探していくと、あまり人が踏み込まないらしいポイントにルゥルはやってきた。
「な、なんか白くて大きなものがあるのです」
ルゥルが驚愕の声をあげた。
他の者が見てもはっきりと灌木の隙間に白くて大きなものが見える。
負のマテリアルは感じない。
「行ってみるぞ」
レイアがルゥルのスコップを借りて、偵察に行った。
まよいやエンバディは術が使えるか確認し、マリィアも武器に手が伸びている。
「……ルゥル、これはなんだ!」
レイアの悲鳴により、敵ではないが謎の物体があることを察した。
「なに、これ? これ、キノコ?」
まよいは目を丸くして巨大キノコを眺める。
「え、ええと、なんか、大きくなるキノコはあると聞いたことはあるわ、でも、これかしら?」
マリィアは知識を総動員して確認する。
「キノコは図鑑でも異なるものがあるから、わからないな」
エンバディは驚き、苦笑している。
「え、っと……キノコとは……タケノコとは何が違うのか……」
まよいがなぞの言葉を発する。
「雨が降るとキノコが生える、雨後のタケノコとはいうけれども、雨後のキノコとは言わない……なんというか……ここまで成長するモノはなんというか……キノコ、タケノコ……先ほどの名前聞いてから、こう」
「ああ、気のせいじゃなかったのか……キノコ、タケノコ……」
まよいとレイアがうなずき合っていた。
食べられるか否かをかんかんがくがくしつつ、結論、この地域でこのタイプのキノコは生えるという。ただし、ここまで巨大化することはさすがに珍しいというところでまとまった。
そして、昼ごはん時であるため、早速、焼き、あぶって食べることにしたのだった。
広いところで薪をくべて、エンバディが【リトルファイア】で火をつける。鉄板等があるわけではないため、キノコに棒をさして焼くもしくはあぶる。
「しっかり火を通さないと駄目だね」
まよいは火が付かない程度に放し、キノコを焼く。
「キノコの毒、でなく、生が駄目なキノコだった場合、それで腹おかしくするのは困るな」
レイアはルゥルがしっかりあぶるのを見ている。
「ルゥル、そろそろこの辺りのは焼けたわよ」
マリィアが担当していた当たりのキノコはきちんと焼けていた。
「はいですー。皆さんもキノコは持ちましょう」
ルゥルはキノコを持つと何かを宣言する。
「今日は皆さんありがとうございました! 『かんきのこ』なのですー」
乾杯らしい。そして、キノコを軽く当てるようにしてから、熱々なキノコをはふはふしながら食べた。
たぶん、あのキノコと思われるキノコは癖はなく、すっと入る味だった。
「それより、そんな習慣があるのかな?」
エンバディがキノコを食べてからふと問う。
「ないですよ。でも、なんか楽しかったのです」
ルゥルはにこりと笑った。
●香りを残して
キノコの残りは持って帰れそうだったため、分担して持って帰る。
火の始末などもして一行は街に向かった。
「仕事して、キノコ食べて、楽しかったよ」
まよいは仕事の報告があるため、町に到着後別れた。
「ルゥル、家まで送るかしら?」
「今日は、領主さんのお宅に泊めてもらえるのです」
「そうなのね」
マリィアは残念と思う。
「では、そのキノコは土産だな」
レイアに言われ、ルゥルは大きくうなずいた。
「時間があるなら、龍園のキノコの話もするよ?」
エンバディはが言った瞬間、ルゥルの目が輝いたが、マリィアとレイアの目が光った。エンバディはぎょっとして、急用を思い出したのだった。
夢路 まよい(ka1328)は雑魔の目撃情報があったため討伐のためやってきていた。場所は町から行くと林の近辺からその先にある牧草地だという。
雑魔ならどうにかなるだろうと、単独で乗り込んだ。何かあってもオフィス側が把握しているし、無茶をするつもりは毛頭ない。
心配することなく、経験を積んだハンターであるまよいは難なくこなせた。
「林突っ切って帰ってみようかな」
街道に戻るのも面倒くさい位置だった。林に入ってのんびり歩きだした。
エンバディ(ka7328)はふらりとやってきた街に滞在していた。魔術の訓練をしたいと思っていたところ、ハンターソサエティで林やその近くの草地を紹介された。そこならば、人は来るけれど、さほどではないし、雑魔が出るとしてもほぼないという。
「いや、でも、訓練なら雑魔がいたほうがいいんだけどな」
雑魔目撃情報はあり、別途討伐に動いたハンターがいるとオフィスの職員は言っていた。
「どうなるかわからないし、結局は緊張感をもって行動しつつ、動かない目標でも重要だろうし」
何事も訓練だと割り切り出かけた。街道の周囲は草地や牧草地で、歩いていくと林が見えてくる。
「……こういう草地というのは新鮮だな」
街道を逸れ、草地側から林に入っていった。
レイア・アローネ(ka4082)は町の外れまで散歩および剣の訓練にやってきた。街道自体はさほど人が多くないが、ハンターであるレイアも歩くことで安全に上乗せがある。
「林の中を行くのもいいな。遮蔽物があるということは緊張感につながる」
牧草地を見れば牛や羊が草を食んでいる。
「時々雑魔やなんやら出るという情報はあっても基本は平和だな」
前方からやってくる重魔導バイク、どこか見覚えがあると思いながら林の入り口に目を向けるとママチャリがあった。
「おや? 子どもがいるのか?」
そちらに足を向けた。
マリィア・バルデス(ka5848)は依頼を終えて町に向かっている最中だった。荷物を運ぶというお遣いであるが、速く移動でき、身を守るすべを知っているハンターは、速達を頼みやすいようだった。
「そりゃそうよね。信用してもらってるみたいだし、こちらも仕事させてくれるって助かるわ」
向かう町の近くにルゥル(kz0210)が住んでいるため、顔を見に行ってみようかなと思ったりする。
町からこちらに向かってくる人影に見覚えがあった。その人は林の入り口側に行く。
そこにあるのは所有が子どもと語るママチャリ。サドルはきっちり下げられ、ハンドルが下に向けられている。乗りやすいか不明だが、子ども用カスタマイズ。
「雑魔が出るというし確認したほうがいいな」
レイアが考えて入ろうとしたとき、バイクの音が来て止まる。
「こんにちは。こんなところで奇遇ね」
「ああ、そうだな」
マリィアはバイクを降りて、やってくる。ママチャリを見た瞬間、パッと顔を輝かせるがすぐにまじめな顔に戻る。
「このステッカーは以前私があげた物に似ているわ……ということは、これはルゥルのものね」
「あのエルフの子か」
「そうよ、近くに住んでいるし……でも他の人の乗騎が見えないわね」
「確かにないな」
「独りでキノコ狩りでも来たのかしら?」
「あり得るな。ただ、雑魔が出ることもあると聞いたぞ」
「様子を見に行きましょう」
マリィアは言いながらすでに林に足を向けていた。
●偶然
まよいはのんびりと歩く。
木々の音、何か歩いている音、鳥の音、牛の声……。
「すごく、色々抜けていきそうなくらい平和だよ……」
近くでガサゴソと音がした。錬金杖を握りしめる。
「何かいるのかな?」
雑魔討伐してきたところだけれども、まだ余裕は十分ある。
エンバディは林の中では方向感覚が鈍る感覚を改めて知る。
「この林自体、大きくはないから、道から外れたところで、一方に進めば出て行ける……のは分かっているけれど」
一瞬、ドキリとなる。
「魔法だけではないな、訓練というのは。知識にあるだけでは生かせない……」
実際やってみないといけないと改めて思う。
「さてと……ん?」
木が不自然に動く音がした。
ルゥルはキノコを探すがなかなか見つからない。
「最近の天気を思い出すのです。晴れ、晴れ……どう考えも雨がそろそろ降ってほしいころです」
キノコは生えていないかもしれないと考える。
「種類や場所によっては生えているです」
湿っていればいいというわけでもなく、様々な条件が関わる。
ルゥルははっとしてワンドを握りしめる。何かがいるような音を聞いたため、この林に雑魔が出ることもあるということを思い出した。
「依頼だと困るから……α、吠えずにルゥルの匂いをたどってくれる?」
マリィアはママチャリの匂いを犬に嗅がせる。αはとことこと進む。
「確かに依頼でないという確証もないな」
レイアがつぶやく。ルゥルも一応ハンターなのだから。
「キノコを採るだけならいいが、例えば、誰かと戦闘訓練ということもありうるのか?」
レイアが言ったことをマリィアは検討した。
「ママチャリは一台よ?」
「相手は馬で入っているとか」
「それは不公平よ」
「それはそうだな」
しばらく行くと何かが立てる音を聞いた。
二人は警戒する。武器に手をかけ、状況をうかがった。
そろりそろり。
小さな林の中、警戒しつつ進む人々。
林の中央付近の少し開けたところで、一同は顔を合わせた。
「みぎゃあああ……みぎゃ?」
「なーんだ!」
「あら!」
「ル、ルゥル……!」
「お、おおおう?」
悲鳴やら感激の声やら、困惑やらの第一声。
ルゥルはしまえながの尻尾がビョーンと上に上がるくらい驚いている。
「偶然があるってことで驚くべきだね」
まよいは笑う。知っている顔ばかりだ。
(やだもう、ルゥルに抱き着いたら、もっとみぎゃっていうのか、叫ばれたい……って、私、何考えているんだ!)
レイアは表面はまじめに、内心はにんまりと苦悩していた。
「ルゥル、その格好は似合っているわね。それよりなんでここにいるのかしら」
マリィアは立ち直るのが早く平常運行でルゥルに質問をした。
「えっと? エルフの子供? それと、東方ではどうも」
エンバディは状況が全くつかめず、顔見知りになっていたまよいとレイアにとりあえず挨拶をしていた。
初対面もいる為、自己紹介後、何故ここにいるかという話になった。
「キノコを探しに来たのです」
「そんな面白そうなことなら誘ってくれればいいのに、で、何のキノコを探しているの?」
マリィアが問うとルゥルは「突然決まったことだったのです」とすまなそうに答える。
「キノコを探す? 毒薬でも作るの?」
エンバディをルゥルは驚いた顔で見る。
「なぜそうなるのです?」
「キノコはたくさんの種類があるけれども、そのうち大半が毒キノコだというからさ」
「みぎゃ、その通りなのです。未知のキノコがたくさんある上、食べられるか食べられないかがわかっているキノコもたくさんあるのです。毒キノコが多いという実態が……」
「そうなんだよね。キノコって本当は正しい名前でないということは知っているかい?」
「それは勿論ですよ」
ルゥルとエンバディの話は他の三人を置いてどこかに向かう。
「ピクニックみたいで楽しそうだし、キノコ探し手伝うよ」
「ああ、私も手伝うぞ」
まよいとレイアが話をやんわりと止めに入った。どこかで見た光景だと思わなくはなかった。
「でも忙しいのではないですか」
「いや、今仕事ではないし」
「終わったし」
レイアとまよいは正直に答える。
「僕も付き合うよ」
エンバディも答えたところで、マリィアが「それより、何のキノコを探すのかしら」と根気よく問う。
「とりあえず、キノコです。何が生えているのか知りたいのです」
調査研究の第一歩だという。それと食べられるならお昼にするという目的もあるというのだった。なお、薪も集めるという。
●巨大キノコ現る
「どういうところにあるのかな?」
「日陰でじめっとしているけれど、風通しがいいと思います」
「結構、難しいような気もするね」
まよいはコツを聞きながら試しに木の陰を見る。ルゥルが寄ってきて、草を傾ける。
「こういうところにいるときがあるのです」
「なるほど……いる?」
まよいはルゥルの言葉にふと疑問が生じたが、気にせずじわじわ移動して探す。
「北方のキノコとどう違うのかな」
「北のキノコはあまり知らないのです」
「それなら、キノコを見つけたら、とる前に君に聞いたほうがいいかい?」
「用心をするならそうですが、そこまで危険なものは見たことがないのです」
エバンディは「取ったあと聞こう」と告げ、キノコを探すため人がいない方向に行く。
「そういえば、ルゥルはちょっと元気がないように見えるが、心配事とかあれば相談に乗るぞ?」
レイアに言われてルゥルは「みぎゃあ」という。
「だ、大丈夫なのです」
「ルゥル、そういうってことは大丈夫ではないわよ?」
マリィアも心配して告げた。
「みぎゃああああああああ。リアルブルーが大変だと聞きました」
心配していることをルゥルは機関銃のようにしゃべった。半泣きであるため、まよいとエンバディも手を止め、近くで話を聞く。
「キノコも、キノコ屋さんのお兄さんの、木野 岳郎さんも、大変だというのです。だけど、ルゥルは何もできないのです。だから、日常を送るのです」
レイアとマリィアがほぼ同時にルゥルの頭を撫でる。
「そうか、そのお兄さんが心配なのだな……キノ タケロウさんが」
「なのですー」
確かに助けに行っても、ずっとハンターがいられるわけではない。根本の解決ができない限り、終わらない悩みだ。
「そうか、安心しろ。リアルブルーに行くことがあったら無事を確認してきてやろう!」
レイアはむんと胸を張る。
「ほ、本当ですか?」
ルゥルは笑う。
「ありがとうございましたです。また会えるのです! だから、岳郎さんが言っていたマツタケというのがあったらびっくりさせるのです」
「松茸?」
マリィアが今度は驚いた。
「生えているかしら? 松茸は赤松の林で見かけると聞いたけれど、そんなにおいしいの? 私はカンタレリが一番だと思うけど」
「分からないのです。でも、美味しいらしいです、岳郎さんには」
「へえ」
マリィアは赤松を探そうと考える。
「赤松は生えてないと思うよ?」
「見ていないね」
違う方向からここに来ているまよいとエンバディが首を傾げた。
とりあえず、探していくと、あまり人が踏み込まないらしいポイントにルゥルはやってきた。
「な、なんか白くて大きなものがあるのです」
ルゥルが驚愕の声をあげた。
他の者が見てもはっきりと灌木の隙間に白くて大きなものが見える。
負のマテリアルは感じない。
「行ってみるぞ」
レイアがルゥルのスコップを借りて、偵察に行った。
まよいやエンバディは術が使えるか確認し、マリィアも武器に手が伸びている。
「……ルゥル、これはなんだ!」
レイアの悲鳴により、敵ではないが謎の物体があることを察した。
「なに、これ? これ、キノコ?」
まよいは目を丸くして巨大キノコを眺める。
「え、ええと、なんか、大きくなるキノコはあると聞いたことはあるわ、でも、これかしら?」
マリィアは知識を総動員して確認する。
「キノコは図鑑でも異なるものがあるから、わからないな」
エンバディは驚き、苦笑している。
「え、っと……キノコとは……タケノコとは何が違うのか……」
まよいがなぞの言葉を発する。
「雨が降るとキノコが生える、雨後のタケノコとはいうけれども、雨後のキノコとは言わない……なんというか……ここまで成長するモノはなんというか……キノコ、タケノコ……先ほどの名前聞いてから、こう」
「ああ、気のせいじゃなかったのか……キノコ、タケノコ……」
まよいとレイアがうなずき合っていた。
食べられるか否かをかんかんがくがくしつつ、結論、この地域でこのタイプのキノコは生えるという。ただし、ここまで巨大化することはさすがに珍しいというところでまとまった。
そして、昼ごはん時であるため、早速、焼き、あぶって食べることにしたのだった。
広いところで薪をくべて、エンバディが【リトルファイア】で火をつける。鉄板等があるわけではないため、キノコに棒をさして焼くもしくはあぶる。
「しっかり火を通さないと駄目だね」
まよいは火が付かない程度に放し、キノコを焼く。
「キノコの毒、でなく、生が駄目なキノコだった場合、それで腹おかしくするのは困るな」
レイアはルゥルがしっかりあぶるのを見ている。
「ルゥル、そろそろこの辺りのは焼けたわよ」
マリィアが担当していた当たりのキノコはきちんと焼けていた。
「はいですー。皆さんもキノコは持ちましょう」
ルゥルはキノコを持つと何かを宣言する。
「今日は皆さんありがとうございました! 『かんきのこ』なのですー」
乾杯らしい。そして、キノコを軽く当てるようにしてから、熱々なキノコをはふはふしながら食べた。
たぶん、あのキノコと思われるキノコは癖はなく、すっと入る味だった。
「それより、そんな習慣があるのかな?」
エンバディがキノコを食べてからふと問う。
「ないですよ。でも、なんか楽しかったのです」
ルゥルはにこりと笑った。
●香りを残して
キノコの残りは持って帰れそうだったため、分担して持って帰る。
火の始末などもして一行は街に向かった。
「仕事して、キノコ食べて、楽しかったよ」
まよいは仕事の報告があるため、町に到着後別れた。
「ルゥル、家まで送るかしら?」
「今日は、領主さんのお宅に泊めてもらえるのです」
「そうなのね」
マリィアは残念と思う。
「では、そのキノコは土産だな」
レイアに言われ、ルゥルは大きくうなずいた。
「時間があるなら、龍園のキノコの話もするよ?」
エンバディはが言った瞬間、ルゥルの目が輝いたが、マリィアとレイアの目が光った。エンバディはぎょっとして、急用を思い出したのだった。
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/10/14 22:08:46 |