ゲスト
(ka0000)
【HW】不思議の国と謎のボール
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/11/06 15:00
- 完成日
- 2018/11/11 21:24
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
夢の中は無限大である。
だから、その日見たことがそのまま現れたりするらしい。実は記憶していることの情報の整理をするというのが本音だとか?
そして、ある夜、ルゥルやハンターたちがみたのは、不思議の国の夢だった。
●不思議の国
ルゥルは森の中にいた。
いや、草の中にいた。草の中と言っても、草と草の間である。
「ここはどこなのですうう。ああ、可愛いお洋服なのです! たぶん、見えないけれど可愛いのです」
パッパッと触ると、頭にはリボンもあるようだ。
「似合っているのか気になるのです……それより、不思議なところなのです」
ルゥルはトコトコと歩いていく。
「アリさんになった気分です」
木と木の間を歩ている、といっても、その下に生えている草と草の間を歩いているようだったからだ。
「これで虫さんにあったら怖いのです」
ルゥルはドキドキする。
すると、草がカサカサと鳴った。
ルゥルは足を止めてどこか隠れる所がないかさがす。とりあえず、道から外れて草に隠れた。
人形が三体出てくる。高さ三十センチから四十センチの茶髪の男の子のような人形は周囲を確認して何もいないと分かると出てきたのだ。
「お人形さんが動いているのです」
ルゥルは飛び出した。
人形たちはビクッと身を震わせ、止まる。ルゥルが見ているだけだったので、ほっとしたようだ。
三体は手に二色に色分けされたボールを持っていた。サイズはテニスボールほどなため、人形の手には大き目だった。
「ボール遊びをするのですか?」
人形たちは首を横に振る。
「どうするのですか?」
人形たちは道を歩き出した。一体が手招きをしている。
「ついてこいということですね」
ルゥルはついて行った。人形たちはテックテックと進むと道を逸れる。
「みぎゃああああああああああああああ」
色とりどりの傘のキノコがたくさん生えていた。それは高さが色々あるが、ルゥルはよじ登れそうだった。
「き、キノコがたくさんなのです。私より大きいのです」
興奮して震える。
人形たちは登り始めるが、軸を登り、傘に引っかかり、落ちる。それを三体で三度ほど繰り返したところで、ルゥルは一体ずつ傘の上に載せてやる。
ルゥルも登る。
次の傘に人形たちを載せる、ということを繰り返し、前に上に進んでいった。
木の枝に飛び移り進む。一瞬、一本橋のようで怖かったが、枝が太いためあまり怖くはなかった。
足元の空き地からおいしそうなにおいが漂ってくる。しかし、ルゥルは下を見なかった。見ると落ちるかもしれないから。
木からまたキノコに移り、下りていくと空き地に出た。
そこには、変な動物がいたのだ。変な動物は胴体はシャチで手足が猫である。シャチ猫とでも言う物だった。
「みぎゃあああ」
ルゥルが悲鳴を上げていると、人形たちは早速持っていたボールをシャチ猫に投げつけた――のだが、人形たちの腕力の限界や投げ方の下手さから、五十センチから一メートル先にボールは落ちた。
「……」
「……」
ルゥルもシャチ猫も沈黙した。
「みぎゃ」
「ケシャ」
「みぎゃああああああああああああ」
「ケシャアアアアアアアアアアアア」
そして、一人と一体はうなずいた。
「よく、わかりませんでした」
ルゥルは勢いで反応していたに過ぎない。シャチ猫は大げさに驚き、落ち込んだ。
人形たちはボールをその間に拾っている。今度はシャチ猫との間合いをニメートルほど詰めた。
そして、ボールを投げた。やはり、届かない。
「……みぎゃ」
「……ケシャ」
ルゥルと一頭は首を横に振った。
『プエル人形た……うおう!』
草むらからおしゃれな格好をした、高さ五十センチくらいの男の人形が現れた。しかし、ルゥルとシャチ猫を見た瞬間硬直した。ボールを拾った人形たちがその人形に群がる。
『なるほど、そのボールで変な動物や妖怪を捕まえられると?』
変な動物を捕まえるという謎のワードが飛び出していた。
「捕まえるとどうなるのです?」
『楽しいそうだ』
ルゥルは人形からボールを借りるとその変な動物に投げてみることにしたのだ。たぶん、人形よりルゥルの方が射撃の確率は高いと考えたのだった。
シャチ猫は警戒を始めた。対峙する双方の気迫に人形たちは人形のふりをすることでごまかしていた。
●いつも通り?
ルゥルが感じたいい匂いの元、木の下ではお茶会が行われていた。そこには大きな長テーブル、いくつもの椅子が並んでいる。椅子の半分にはプエル人形が載っている。
そのテーブルの一番奥には、シルクハットに燕尾服をもとにした可愛らしい服装のプエルいる。その帽子にウサギの耳が一対ついている。なお、可愛いというと怒ることを誰もが知っている。
「エクエスー、お茶、まだー」
プエルはスコーンを口に運ぶ。
「……はいはい、ご自分で淹れられたらどうです?」
執事調の服装をした青年エクエスはとりあえず、茶を淹れた。十中八九「まずい」と言われるのだが。
その前に事件は起こる。お茶会に参加しているプエル人形たちが、白くモフモフの生き物を見つけたのだ。その生き物に向かって二色に色分けされたボールを投げつけた。
ボールは五十センチから一メートルほどしか飛ばず、エクエスの足にぶつかる。さらにエクエスは足元に来たボールを避けた。足を向けた先にボールと白いモフモフの毛玉が転がっていたため、再度よけようとしたが運動神経がいかによかろうと、歪虚だろうとしても事故はまぬかれなかった。
「ぐは」
エクエスは滑って転ぶ。
「ああああ」
プエルは立ち上がり、盆ごとあらゆるものが宙に舞っているのをただ見ていた。
そんなこんなの平和なのか混沌としているのか不思議な夢の中、ハンターたちは今どこに?
だから、その日見たことがそのまま現れたりするらしい。実は記憶していることの情報の整理をするというのが本音だとか?
そして、ある夜、ルゥルやハンターたちがみたのは、不思議の国の夢だった。
●不思議の国
ルゥルは森の中にいた。
いや、草の中にいた。草の中と言っても、草と草の間である。
「ここはどこなのですうう。ああ、可愛いお洋服なのです! たぶん、見えないけれど可愛いのです」
パッパッと触ると、頭にはリボンもあるようだ。
「似合っているのか気になるのです……それより、不思議なところなのです」
ルゥルはトコトコと歩いていく。
「アリさんになった気分です」
木と木の間を歩ている、といっても、その下に生えている草と草の間を歩いているようだったからだ。
「これで虫さんにあったら怖いのです」
ルゥルはドキドキする。
すると、草がカサカサと鳴った。
ルゥルは足を止めてどこか隠れる所がないかさがす。とりあえず、道から外れて草に隠れた。
人形が三体出てくる。高さ三十センチから四十センチの茶髪の男の子のような人形は周囲を確認して何もいないと分かると出てきたのだ。
「お人形さんが動いているのです」
ルゥルは飛び出した。
人形たちはビクッと身を震わせ、止まる。ルゥルが見ているだけだったので、ほっとしたようだ。
三体は手に二色に色分けされたボールを持っていた。サイズはテニスボールほどなため、人形の手には大き目だった。
「ボール遊びをするのですか?」
人形たちは首を横に振る。
「どうするのですか?」
人形たちは道を歩き出した。一体が手招きをしている。
「ついてこいということですね」
ルゥルはついて行った。人形たちはテックテックと進むと道を逸れる。
「みぎゃああああああああああああああ」
色とりどりの傘のキノコがたくさん生えていた。それは高さが色々あるが、ルゥルはよじ登れそうだった。
「き、キノコがたくさんなのです。私より大きいのです」
興奮して震える。
人形たちは登り始めるが、軸を登り、傘に引っかかり、落ちる。それを三体で三度ほど繰り返したところで、ルゥルは一体ずつ傘の上に載せてやる。
ルゥルも登る。
次の傘に人形たちを載せる、ということを繰り返し、前に上に進んでいった。
木の枝に飛び移り進む。一瞬、一本橋のようで怖かったが、枝が太いためあまり怖くはなかった。
足元の空き地からおいしそうなにおいが漂ってくる。しかし、ルゥルは下を見なかった。見ると落ちるかもしれないから。
木からまたキノコに移り、下りていくと空き地に出た。
そこには、変な動物がいたのだ。変な動物は胴体はシャチで手足が猫である。シャチ猫とでも言う物だった。
「みぎゃあああ」
ルゥルが悲鳴を上げていると、人形たちは早速持っていたボールをシャチ猫に投げつけた――のだが、人形たちの腕力の限界や投げ方の下手さから、五十センチから一メートル先にボールは落ちた。
「……」
「……」
ルゥルもシャチ猫も沈黙した。
「みぎゃ」
「ケシャ」
「みぎゃああああああああああああ」
「ケシャアアアアアアアアアアアア」
そして、一人と一体はうなずいた。
「よく、わかりませんでした」
ルゥルは勢いで反応していたに過ぎない。シャチ猫は大げさに驚き、落ち込んだ。
人形たちはボールをその間に拾っている。今度はシャチ猫との間合いをニメートルほど詰めた。
そして、ボールを投げた。やはり、届かない。
「……みぎゃ」
「……ケシャ」
ルゥルと一頭は首を横に振った。
『プエル人形た……うおう!』
草むらからおしゃれな格好をした、高さ五十センチくらいの男の人形が現れた。しかし、ルゥルとシャチ猫を見た瞬間硬直した。ボールを拾った人形たちがその人形に群がる。
『なるほど、そのボールで変な動物や妖怪を捕まえられると?』
変な動物を捕まえるという謎のワードが飛び出していた。
「捕まえるとどうなるのです?」
『楽しいそうだ』
ルゥルは人形からボールを借りるとその変な動物に投げてみることにしたのだ。たぶん、人形よりルゥルの方が射撃の確率は高いと考えたのだった。
シャチ猫は警戒を始めた。対峙する双方の気迫に人形たちは人形のふりをすることでごまかしていた。
●いつも通り?
ルゥルが感じたいい匂いの元、木の下ではお茶会が行われていた。そこには大きな長テーブル、いくつもの椅子が並んでいる。椅子の半分にはプエル人形が載っている。
そのテーブルの一番奥には、シルクハットに燕尾服をもとにした可愛らしい服装のプエルいる。その帽子にウサギの耳が一対ついている。なお、可愛いというと怒ることを誰もが知っている。
「エクエスー、お茶、まだー」
プエルはスコーンを口に運ぶ。
「……はいはい、ご自分で淹れられたらどうです?」
執事調の服装をした青年エクエスはとりあえず、茶を淹れた。十中八九「まずい」と言われるのだが。
その前に事件は起こる。お茶会に参加しているプエル人形たちが、白くモフモフの生き物を見つけたのだ。その生き物に向かって二色に色分けされたボールを投げつけた。
ボールは五十センチから一メートルほどしか飛ばず、エクエスの足にぶつかる。さらにエクエスは足元に来たボールを避けた。足を向けた先にボールと白いモフモフの毛玉が転がっていたため、再度よけようとしたが運動神経がいかによかろうと、歪虚だろうとしても事故はまぬかれなかった。
「ぐは」
エクエスは滑って転ぶ。
「ああああ」
プエルは立ち上がり、盆ごとあらゆるものが宙に舞っているのをただ見ていた。
そんなこんなの平和なのか混沌としているのか不思議な夢の中、ハンターたちは今どこに?
リプレイ本文
●事件?
星野 ハナ(ka5852)はまず、ここはどこか理解しようとしていた。
「プエルさんにエクエスさんに白毛玉のモフリがいます。ここ、黄昏城ですぅ?」
エクエスが転び食器が割れ、モフリが集団で移動し、プエル人形がボールを拾いボールを投げる。
「違うよ、ここは不思議の国だよ?」
プエル(kz0127)が教えてくれる。
「なるほど、そちらですねぇ」
黄昏城と異なり、自然豊かな部屋だ。壁は草だし、上空には木が見える。
「お久しぶりですぅ。フカヒレにされなかったシャチ猫と口に棒をぶっ刺されたがっていたレチタン人形も元気ですか?」
「え、うん……」
プエルは怯えた目でハナを見ていた。
夢路 まよい(ka1328)はルゥル(kz0210)とシャチ猫がにらみあっているのを見ていた。
彼女は謎の動物。黒く大きい丸い耳のがついたカチューシャと白い大きくフワフワの手袋が特徴。黒い尻尾と黒のシャツに、赤いスカートである。
「電気を操るネズミだニャ! 十万ボルトな【ライトニングボルト】ニャ」
草むらか飛び出し、電気を放つ。
「けしゃあああああ」
シャチ猫に命中した。
「みぎゃあああああ」
ルゥルは悲鳴とともに、まよいにボールを投げた。
「簡単に回避ニャ」
まよいは草むらに消えた。
マリィア・バルデス(ka5848)はルゥルの悲鳴を聞いたため、急ぐ。
「何事!」
ルゥルと黒くプスプスと煙を出してシャチ猫がおろおろしている。
プエル人形はボールを拾っては投げ、拾っては投げでマリィアに近づいてくる。
「ボール遊び……にしてはおかしな状況よね?」
マリィアはルゥルに尋ねることにした。
レイア・アローネ(ka4082)は謎の場所に驚いたが、どこからか「みぎゃあああ」という悲鳴を聞いた。
「ルゥル? ルゥルが可愛すぎてこんな夢を……いや、ピンチの声じゃないか!」
身が軽くなっていたかもしれないが、気づかなかった。
「どうしたんだ? そのボールはなんだ? 人形たちも持っているが?」
到着してまず状況を確認する。
「変な動物を捕まえられるボールだそうです……変な動物が出たのです」
「変な? え、ルゥルにぶつけると?」
「みぎゃ?」
「……はっ、いや、違う、マリィア、目が怖いっ!」
レイアはセルフツッコミするよりも早く、マリィアに撃ち抜かれそうな気がして我に返った。
●人形
メイム(ka2290)はプエル人形と同じサイズで、デフォルメされた姿になっていた。桜貝を磨いて作った目がチャームポイント。
そして、手には二色に色分けされたボールを持っていた。ポテポテと歩く。
『おっそい!』
歩幅や全長が異なるため、仕方がない。しかし、一生懸命走ると意外と早く感じた。
『これで、レチタ人形とゲットするよー』
なお、既出のレチタン人形とレチタ人形はいずれもレチタティーヴォ人形の略であり、地の文ではレチ人形と略されるとここに解説を入れておく。
Gacrux(ka2726)はパチモントレーナー。謎の動物パチモンを捕まえ、魔物の図鑑にデータを収集する者のことである。
パチって何?
「ナカマを集めて火の中、水の中、森の中……真の廃人になると、スカートの中にまで……俺は社会的に抹殺されるまでには至りませんよ!」
謎のパチモントレーナーであっても、倫理感がしっかりしていないと生き延びられない。
マリィアはボールの使い道を聞き、考えたことを告げる。
「ねぇ、ルゥル、先にボールが入った物が出せるかどうか、その人形たちに確認した方がよくないかしら? だって、出す方法がなかったら、この変わった猫さんを死ぬまで……この世界は死がなさそう、この世界がなくなるまでここに閉じ込めることになっちゃうかもしれないのよ?」
「それは恐ろしい話だな……」
レイアが驚き人形を見ると、人形たちは首を傾げいている。
「ここはお人形さんたちの世界だから、私たちだって人形さんから見たら、変な生き物なのよ? このボールに閉じ込められて、おうちに帰れなくなったら嫌でしょう?」
「み、みぎゃあ」
「それは困るぞ……あ、ルゥル」
レイアはしがみついてきたルゥルを安心させるように抱きしめておく。
『ちょっと待ったー』
人形メイムが現れた。
『プエル人形に聞くなら、あたしがするよ!』
プエル人形に近い存在ならば、ひょっとしたら何か意思疎通ができるかもしれないと考えた。
『プエル人形たちの言葉は癖があるから気を付けるといい』
レチ人形が親切に教えてくれた。
メイムはプエル人形の動作を見たが手話や全身運動などで伝わることはなかった。耳を大きくする気持ちで聞いてみる。
『オカシオカシオカシ(以下略)』
『わあああわああああ(以下略)』
『ボールボールボール(以下略)』
プエル人形たちは連呼している。
『で、このボールは何かを捕まえるの?』
メイムが試しに問う。
『ポーンポーンポーン(以下略)』
『レチ様レチ様レチ様(以下略)』
『あはははははははは(以下略)』
何度か根気よく尋ねるが意味が通らない。
「で、結局、メイムが言っていることは伝わったが、こいつらは何か言ったのか?」
レイアが問うと疲れた様子のメイムに代わりレチ人形が答える。
『どうやら、動物を捕まえたことないそうだ』
『え、あれでわかるの!?』
メイムはレチ人形を揺さぶったのだった。
●出会い
Gacruxが広場に近づく際、謎の生き物が現れ、攻撃された。
「クッ! 人間ですね?」
「にゃんと? 気のせいニャ」
ボールを持ったGacruxと魔法を使う構えのまよいはにらみ合う。
「あっちに行くニャ」
まよいは軽やかに広場に飛び出した。
「待つのですっ! おっ!?」
Gacruxの前にシャチ猫や動き回る人形たちがいる。
(これは個体値の厳選のしがいがありますね。片っ端から捕まえるか……あれは、水属性の新種? レアは逃さずゲットしたいですねぇ)
色々考えている間に、まよいに対し初見のレイアとマリィアが挨拶している。驚いているがすぐに顔見知り判断をしたようだった。
「さっきの変な動物なのです」
『見覚えあるんだけど』
ルゥルにメイムは冷静に答える。
「よし、私が捕まえてみよう!」
レイアがボールを持ち思いっきり振りかぶり投げたが、まよいがよけGacruxに腹にめり込んだ。
「みぎゃあ、おじさん!」
なんとなく微妙な呼ばれ方をしたのをGacruxはうめきながら聞き「これしき」と答えた。
「きちんと念じるとか?」
「いや、捕まえられるなら捕まえたいなという感じか?」
「なら、今度は私が」
プエル人形がマリィアにすっとボールを差し出した。
「電撃攻撃ニャ」
マリィア対まよいの対決だが、決着はつかない。この間にGacruxは何を捕まえるか考えておくことにした。
「片づけましょうねぇ。ここ結構いい匂いしていたですから、みんな来ますよぉ」
ハナは【御霊符】を用い大量に式神を作り、散らかった皿やカップ、食べ物を片付けていく。
「実はエクエスさんってうっかりキャラですぅ?」
ハナは片づけながら言った。エクエスはハナと距離を一気に詰めた。
「なっ、なんですぅ?」
「も、もう一回、俺の名を呼んでください」
「は? ちょ、なんか変な……エクエスさん?」
「き、聞きました、プエル様! 私に敬称が付いています! ああ、あなたはいい人だ! どうぞ、お座りください。あとは私がしますから!」
エクエスは異様にいい笑顔である。
「いえ、さっさと片づけてお茶会再開しませんか? それより、台所はどこですぅ?」
エクエスとプエルが首をかしげる。
「存在しているの?」
プエルはモフリを捕まえて撫でている。
ハナは片づけと称して式神が消えていく壁の前に立つ。
「先は台所なのですぅ。古今東西のおいしい食材があるのです」
扉を押し開けると、そこに台所があり、食材もどっさりあった。
「とにかく時短と考えるとこれになっちゃいますねぇ。寝かせる時間がいらないって最高です」
ふんわりパンケーキを作成することにした。
●捕まるの?
「ほかに生き物がいないか見てみましょうか?」
マリィアに促され、ルゥルとレイアは広場を離れた。まよいもついていく。
木の枝の道に来た時マリィアが下を見る。
「そういえば、この下でプエルがお茶会を――」
「よく見る気になったのですぅ」
ルゥルは真っ直ぐ歩いている。
「ん? なんか、白いモフモフがいるような」
「にゃんだろう、じゃれたいようニャ、ねずみだから違うようニャ」
レイアの指摘に、まよいはどうすべきか考える。
「ここは向かうべきニャ」
まよいは全速力で枝を走っていった。
残された三人は追いかける形で進むと、巨大キノコが重なったところにやってきた。
「ここはワクワクするのですぅ」
ルゥルは飛び跳ねる。
「この辺りのキノコ随分大きいわね。ルゥルも知っているキノコなのかしら?」
マリィアの問いかけにルゥルは首をひねる。
「うーん、一番似ているのは『デザインキノコ』なのです」
「デザインキノコ?」
デフォルメもしくは空想上のグッズにあるキノコだという。
「そういえば、どこに変な動物はいるんだろうか? ここも登っていける気がするんだ」
レイアは先ほどからジャンプ力が上がっているような気がしてた。そして、拳を天に突き出すように飛んでみる。
何もないはずの空間から、デザインキノコが降ってきた。レイアが取ってみる。
「おいしいのか……」
「も、もし毒だったらどうするのです?」
ルゥルがハラハラする中、レイアは食べてみた。みょんみょんと妙な音をたて、大きくなった。
「みぎゃああああ」
「……ああ、なんか……」
ルゥルが驚き、マリィアがボールを投げつけてきた。
「いてっ」
レイアは元に戻った。
「なんか面白くなってきたぞ! あの花を取るとどうなるのだろうか! 植物の力が、私に力を!」
「キノコは植物ではなく菌類なのです」
ルゥルが的確なツッコミをするが、そういう話でもないため、マリィアは温かく見守る。
レイアは木をよじ登り、花を手にした。すると何か火の力を得たようなきがした。そのまま、手にしたボールを投げると火属性がつくに違いない。
「ここはおとなしく葉を手にしてみるか……なんか、こう、化けて飛べる気がしてくる」
わくわくと実験が続く。
(ふむ、赤毛の人形は賢そうですね、数がいる人形は……どちらも体力的に弱そうな)
Gacruxはプエル人形たちとレチ人形を見て考える。
「ところで……君たちは何をしているのですか。そうです、俺のナカマにならないですか?」
Gacruxはしゃがむとプエル人形たちに話しかけた。しかし、プエル人形は首を傾げたり、ぴょこぴょこするだけだった。
「何が欲しいのですか? カネですか、お菓子ですか、マテリアルですか」
プエル人形は跳ねた。
『たぶん、くれるならどれでもいいってパターンだと思う』
メイムが観察して告げる。
『やっぱりここは、ボールに頼った方がいいよ』
「それならば、ある程度痛めつけて弱ったところを捕獲、と行きましょうか」
『まあ、そうよね。そういえば、ボールのステイタスとか見られないかな』
メイムがきょろきょろと探す。
プエル人形が木の看板を持って立っている。
『何々、「色分けされたボールは歪虚や精霊、幻獣などにぶつけると捕まえることのできる不思議なアイテム」。あ、やっぱり捕まえられるんだ』
二枚目の看板が現れる。
『「コツがいるんだってー」って! 感想だよ。結局捕まえられるの?』
結局、ボールは機能しているかしないのか試さないならない。
Gacruxとメイムはボールでシャチ猫と人形たちを捕獲できないか頑張ってみた。
Gacruxのナカマとなっているブナシメジ(パルム)の活躍や、ダイフク(モフロウ)友好度が低くボイコットされたり波乱がある。なお、この二体はボールから出ているから、アイテムとして何か機能はしているようだ。
『そろそろおやつの時間だぞ』
レチ人形のこの一言で、捕獲対象物は全員移動を始めた。
『ちょ、何、それ! ……そういえば、プエルもいるね!』
メイムは人形たちについていく。
「え……全員?」
Gacruxはうろたえけど、ついていくよ。
まよいが駆け込んだ台所では、ハナが忙しく立ち回り、おやつを作っていた。
「十万ボ――」
「ほほーう、ここで、何かすると、どうなるかわかっていますぅ?」
かしこいまよいはおとなしくした。
「あっちで白毛玉とプエルと遊んでください」
「わかったニャ」
まよいは手を振り振り立ち去った。
そして、テーブルのある部屋において、唐突に魔法を放った。
「うわあ、危ない客だね……僕にけんか売っているのかな?」
プエルが怒った顔で立ち上がる。
「おやつはあと少しですぅ。席について用意ですぅ」
ハナの声が届く。
「命拾いしたな」
プエルはあっさりと引いた。
「ささ、お座りください」
エクエスがまよいに席を勧める。そこには白い毛玉のような生き物がたくさん載っていた。
「座れないニャ!」
まよいは別の席を選んだ。
●お茶会
テーブルが一つ。大きく、何十人も座れそうだった。
「ようやく到着したのですぅ。こちらはモフリ用です」
ハナは何枚かの大皿に小ぶりのパンケーキを盛りつけ、椅子から離したところに置いた。
「ようこそ、お茶会へ。楽しいことが一番だよ」
プエルが一番奥の席で話す。
「いい匂いなのですー」
ルゥルはマリィアとレイアの間に座った。
「そうだな……結局、何も捕まえられなかったな」
レイアは植物から力を得られるかと思って試したり、謎の生き物捕獲に魔導スマートフォンを使ったりした。
マリィアは大勢で囲むテーブルを見て目を細める。
「幸せであってほしいと思った人がここで笑っているのを見たら、夢の叶う世界と思っているわ。だけど、願いはすべて叶うわけじゃない、思い込みでしっぺ返しを食らうのも嫌……」
ボールで何かを捕獲する話を細かく確認しようとしたのも落とし穴があることを想定したのだ。夢も、何かにつながっているかもしれない。
『……プエル、三秒待ってあげる。たぶん、野生の身で飲む末期のお茶だから、味わうといいわよ』
「なるほど、これも捕獲対象ですか! ボールまたは交渉」
メイムとGacruxは獲物を見る目でプエルを見ている。
レチ人形はエクエスに何か言い、エクエスはプエルに何かを渡した。
誰かからボールがプエルに向かう。プエルはバッドを振りかぶり、ボールをたたき落とした。
テーブルの上でボールが跳ね、何か割ろ、飛ばし、蹴散らした。
「そろそろ、お暇するニャ」
まよいが察した。
「ボールを振り回してもいいですがぁ、テーブルの上に何をしているんですぅ」
ハナの声音と雰囲気から、気温がぐんぐん下がっていくようだった。
星野 ハナ(ka5852)はまず、ここはどこか理解しようとしていた。
「プエルさんにエクエスさんに白毛玉のモフリがいます。ここ、黄昏城ですぅ?」
エクエスが転び食器が割れ、モフリが集団で移動し、プエル人形がボールを拾いボールを投げる。
「違うよ、ここは不思議の国だよ?」
プエル(kz0127)が教えてくれる。
「なるほど、そちらですねぇ」
黄昏城と異なり、自然豊かな部屋だ。壁は草だし、上空には木が見える。
「お久しぶりですぅ。フカヒレにされなかったシャチ猫と口に棒をぶっ刺されたがっていたレチタン人形も元気ですか?」
「え、うん……」
プエルは怯えた目でハナを見ていた。
夢路 まよい(ka1328)はルゥル(kz0210)とシャチ猫がにらみあっているのを見ていた。
彼女は謎の動物。黒く大きい丸い耳のがついたカチューシャと白い大きくフワフワの手袋が特徴。黒い尻尾と黒のシャツに、赤いスカートである。
「電気を操るネズミだニャ! 十万ボルトな【ライトニングボルト】ニャ」
草むらか飛び出し、電気を放つ。
「けしゃあああああ」
シャチ猫に命中した。
「みぎゃあああああ」
ルゥルは悲鳴とともに、まよいにボールを投げた。
「簡単に回避ニャ」
まよいは草むらに消えた。
マリィア・バルデス(ka5848)はルゥルの悲鳴を聞いたため、急ぐ。
「何事!」
ルゥルと黒くプスプスと煙を出してシャチ猫がおろおろしている。
プエル人形はボールを拾っては投げ、拾っては投げでマリィアに近づいてくる。
「ボール遊び……にしてはおかしな状況よね?」
マリィアはルゥルに尋ねることにした。
レイア・アローネ(ka4082)は謎の場所に驚いたが、どこからか「みぎゃあああ」という悲鳴を聞いた。
「ルゥル? ルゥルが可愛すぎてこんな夢を……いや、ピンチの声じゃないか!」
身が軽くなっていたかもしれないが、気づかなかった。
「どうしたんだ? そのボールはなんだ? 人形たちも持っているが?」
到着してまず状況を確認する。
「変な動物を捕まえられるボールだそうです……変な動物が出たのです」
「変な? え、ルゥルにぶつけると?」
「みぎゃ?」
「……はっ、いや、違う、マリィア、目が怖いっ!」
レイアはセルフツッコミするよりも早く、マリィアに撃ち抜かれそうな気がして我に返った。
●人形
メイム(ka2290)はプエル人形と同じサイズで、デフォルメされた姿になっていた。桜貝を磨いて作った目がチャームポイント。
そして、手には二色に色分けされたボールを持っていた。ポテポテと歩く。
『おっそい!』
歩幅や全長が異なるため、仕方がない。しかし、一生懸命走ると意外と早く感じた。
『これで、レチタ人形とゲットするよー』
なお、既出のレチタン人形とレチタ人形はいずれもレチタティーヴォ人形の略であり、地の文ではレチ人形と略されるとここに解説を入れておく。
Gacrux(ka2726)はパチモントレーナー。謎の動物パチモンを捕まえ、魔物の図鑑にデータを収集する者のことである。
パチって何?
「ナカマを集めて火の中、水の中、森の中……真の廃人になると、スカートの中にまで……俺は社会的に抹殺されるまでには至りませんよ!」
謎のパチモントレーナーであっても、倫理感がしっかりしていないと生き延びられない。
マリィアはボールの使い道を聞き、考えたことを告げる。
「ねぇ、ルゥル、先にボールが入った物が出せるかどうか、その人形たちに確認した方がよくないかしら? だって、出す方法がなかったら、この変わった猫さんを死ぬまで……この世界は死がなさそう、この世界がなくなるまでここに閉じ込めることになっちゃうかもしれないのよ?」
「それは恐ろしい話だな……」
レイアが驚き人形を見ると、人形たちは首を傾げいている。
「ここはお人形さんたちの世界だから、私たちだって人形さんから見たら、変な生き物なのよ? このボールに閉じ込められて、おうちに帰れなくなったら嫌でしょう?」
「み、みぎゃあ」
「それは困るぞ……あ、ルゥル」
レイアはしがみついてきたルゥルを安心させるように抱きしめておく。
『ちょっと待ったー』
人形メイムが現れた。
『プエル人形に聞くなら、あたしがするよ!』
プエル人形に近い存在ならば、ひょっとしたら何か意思疎通ができるかもしれないと考えた。
『プエル人形たちの言葉は癖があるから気を付けるといい』
レチ人形が親切に教えてくれた。
メイムはプエル人形の動作を見たが手話や全身運動などで伝わることはなかった。耳を大きくする気持ちで聞いてみる。
『オカシオカシオカシ(以下略)』
『わあああわああああ(以下略)』
『ボールボールボール(以下略)』
プエル人形たちは連呼している。
『で、このボールは何かを捕まえるの?』
メイムが試しに問う。
『ポーンポーンポーン(以下略)』
『レチ様レチ様レチ様(以下略)』
『あはははははははは(以下略)』
何度か根気よく尋ねるが意味が通らない。
「で、結局、メイムが言っていることは伝わったが、こいつらは何か言ったのか?」
レイアが問うと疲れた様子のメイムに代わりレチ人形が答える。
『どうやら、動物を捕まえたことないそうだ』
『え、あれでわかるの!?』
メイムはレチ人形を揺さぶったのだった。
●出会い
Gacruxが広場に近づく際、謎の生き物が現れ、攻撃された。
「クッ! 人間ですね?」
「にゃんと? 気のせいニャ」
ボールを持ったGacruxと魔法を使う構えのまよいはにらみ合う。
「あっちに行くニャ」
まよいは軽やかに広場に飛び出した。
「待つのですっ! おっ!?」
Gacruxの前にシャチ猫や動き回る人形たちがいる。
(これは個体値の厳選のしがいがありますね。片っ端から捕まえるか……あれは、水属性の新種? レアは逃さずゲットしたいですねぇ)
色々考えている間に、まよいに対し初見のレイアとマリィアが挨拶している。驚いているがすぐに顔見知り判断をしたようだった。
「さっきの変な動物なのです」
『見覚えあるんだけど』
ルゥルにメイムは冷静に答える。
「よし、私が捕まえてみよう!」
レイアがボールを持ち思いっきり振りかぶり投げたが、まよいがよけGacruxに腹にめり込んだ。
「みぎゃあ、おじさん!」
なんとなく微妙な呼ばれ方をしたのをGacruxはうめきながら聞き「これしき」と答えた。
「きちんと念じるとか?」
「いや、捕まえられるなら捕まえたいなという感じか?」
「なら、今度は私が」
プエル人形がマリィアにすっとボールを差し出した。
「電撃攻撃ニャ」
マリィア対まよいの対決だが、決着はつかない。この間にGacruxは何を捕まえるか考えておくことにした。
「片づけましょうねぇ。ここ結構いい匂いしていたですから、みんな来ますよぉ」
ハナは【御霊符】を用い大量に式神を作り、散らかった皿やカップ、食べ物を片付けていく。
「実はエクエスさんってうっかりキャラですぅ?」
ハナは片づけながら言った。エクエスはハナと距離を一気に詰めた。
「なっ、なんですぅ?」
「も、もう一回、俺の名を呼んでください」
「は? ちょ、なんか変な……エクエスさん?」
「き、聞きました、プエル様! 私に敬称が付いています! ああ、あなたはいい人だ! どうぞ、お座りください。あとは私がしますから!」
エクエスは異様にいい笑顔である。
「いえ、さっさと片づけてお茶会再開しませんか? それより、台所はどこですぅ?」
エクエスとプエルが首をかしげる。
「存在しているの?」
プエルはモフリを捕まえて撫でている。
ハナは片づけと称して式神が消えていく壁の前に立つ。
「先は台所なのですぅ。古今東西のおいしい食材があるのです」
扉を押し開けると、そこに台所があり、食材もどっさりあった。
「とにかく時短と考えるとこれになっちゃいますねぇ。寝かせる時間がいらないって最高です」
ふんわりパンケーキを作成することにした。
●捕まるの?
「ほかに生き物がいないか見てみましょうか?」
マリィアに促され、ルゥルとレイアは広場を離れた。まよいもついていく。
木の枝の道に来た時マリィアが下を見る。
「そういえば、この下でプエルがお茶会を――」
「よく見る気になったのですぅ」
ルゥルは真っ直ぐ歩いている。
「ん? なんか、白いモフモフがいるような」
「にゃんだろう、じゃれたいようニャ、ねずみだから違うようニャ」
レイアの指摘に、まよいはどうすべきか考える。
「ここは向かうべきニャ」
まよいは全速力で枝を走っていった。
残された三人は追いかける形で進むと、巨大キノコが重なったところにやってきた。
「ここはワクワクするのですぅ」
ルゥルは飛び跳ねる。
「この辺りのキノコ随分大きいわね。ルゥルも知っているキノコなのかしら?」
マリィアの問いかけにルゥルは首をひねる。
「うーん、一番似ているのは『デザインキノコ』なのです」
「デザインキノコ?」
デフォルメもしくは空想上のグッズにあるキノコだという。
「そういえば、どこに変な動物はいるんだろうか? ここも登っていける気がするんだ」
レイアは先ほどからジャンプ力が上がっているような気がしてた。そして、拳を天に突き出すように飛んでみる。
何もないはずの空間から、デザインキノコが降ってきた。レイアが取ってみる。
「おいしいのか……」
「も、もし毒だったらどうするのです?」
ルゥルがハラハラする中、レイアは食べてみた。みょんみょんと妙な音をたて、大きくなった。
「みぎゃああああ」
「……ああ、なんか……」
ルゥルが驚き、マリィアがボールを投げつけてきた。
「いてっ」
レイアは元に戻った。
「なんか面白くなってきたぞ! あの花を取るとどうなるのだろうか! 植物の力が、私に力を!」
「キノコは植物ではなく菌類なのです」
ルゥルが的確なツッコミをするが、そういう話でもないため、マリィアは温かく見守る。
レイアは木をよじ登り、花を手にした。すると何か火の力を得たようなきがした。そのまま、手にしたボールを投げると火属性がつくに違いない。
「ここはおとなしく葉を手にしてみるか……なんか、こう、化けて飛べる気がしてくる」
わくわくと実験が続く。
(ふむ、赤毛の人形は賢そうですね、数がいる人形は……どちらも体力的に弱そうな)
Gacruxはプエル人形たちとレチ人形を見て考える。
「ところで……君たちは何をしているのですか。そうです、俺のナカマにならないですか?」
Gacruxはしゃがむとプエル人形たちに話しかけた。しかし、プエル人形は首を傾げたり、ぴょこぴょこするだけだった。
「何が欲しいのですか? カネですか、お菓子ですか、マテリアルですか」
プエル人形は跳ねた。
『たぶん、くれるならどれでもいいってパターンだと思う』
メイムが観察して告げる。
『やっぱりここは、ボールに頼った方がいいよ』
「それならば、ある程度痛めつけて弱ったところを捕獲、と行きましょうか」
『まあ、そうよね。そういえば、ボールのステイタスとか見られないかな』
メイムがきょろきょろと探す。
プエル人形が木の看板を持って立っている。
『何々、「色分けされたボールは歪虚や精霊、幻獣などにぶつけると捕まえることのできる不思議なアイテム」。あ、やっぱり捕まえられるんだ』
二枚目の看板が現れる。
『「コツがいるんだってー」って! 感想だよ。結局捕まえられるの?』
結局、ボールは機能しているかしないのか試さないならない。
Gacruxとメイムはボールでシャチ猫と人形たちを捕獲できないか頑張ってみた。
Gacruxのナカマとなっているブナシメジ(パルム)の活躍や、ダイフク(モフロウ)友好度が低くボイコットされたり波乱がある。なお、この二体はボールから出ているから、アイテムとして何か機能はしているようだ。
『そろそろおやつの時間だぞ』
レチ人形のこの一言で、捕獲対象物は全員移動を始めた。
『ちょ、何、それ! ……そういえば、プエルもいるね!』
メイムは人形たちについていく。
「え……全員?」
Gacruxはうろたえけど、ついていくよ。
まよいが駆け込んだ台所では、ハナが忙しく立ち回り、おやつを作っていた。
「十万ボ――」
「ほほーう、ここで、何かすると、どうなるかわかっていますぅ?」
かしこいまよいはおとなしくした。
「あっちで白毛玉とプエルと遊んでください」
「わかったニャ」
まよいは手を振り振り立ち去った。
そして、テーブルのある部屋において、唐突に魔法を放った。
「うわあ、危ない客だね……僕にけんか売っているのかな?」
プエルが怒った顔で立ち上がる。
「おやつはあと少しですぅ。席について用意ですぅ」
ハナの声が届く。
「命拾いしたな」
プエルはあっさりと引いた。
「ささ、お座りください」
エクエスがまよいに席を勧める。そこには白い毛玉のような生き物がたくさん載っていた。
「座れないニャ!」
まよいは別の席を選んだ。
●お茶会
テーブルが一つ。大きく、何十人も座れそうだった。
「ようやく到着したのですぅ。こちらはモフリ用です」
ハナは何枚かの大皿に小ぶりのパンケーキを盛りつけ、椅子から離したところに置いた。
「ようこそ、お茶会へ。楽しいことが一番だよ」
プエルが一番奥の席で話す。
「いい匂いなのですー」
ルゥルはマリィアとレイアの間に座った。
「そうだな……結局、何も捕まえられなかったな」
レイアは植物から力を得られるかと思って試したり、謎の生き物捕獲に魔導スマートフォンを使ったりした。
マリィアは大勢で囲むテーブルを見て目を細める。
「幸せであってほしいと思った人がここで笑っているのを見たら、夢の叶う世界と思っているわ。だけど、願いはすべて叶うわけじゃない、思い込みでしっぺ返しを食らうのも嫌……」
ボールで何かを捕獲する話を細かく確認しようとしたのも落とし穴があることを想定したのだ。夢も、何かにつながっているかもしれない。
『……プエル、三秒待ってあげる。たぶん、野生の身で飲む末期のお茶だから、味わうといいわよ』
「なるほど、これも捕獲対象ですか! ボールまたは交渉」
メイムとGacruxは獲物を見る目でプエルを見ている。
レチ人形はエクエスに何か言い、エクエスはプエルに何かを渡した。
誰かからボールがプエルに向かう。プエルはバッドを振りかぶり、ボールをたたき落とした。
テーブルの上でボールが跳ね、何か割ろ、飛ばし、蹴散らした。
「そろそろ、お暇するニャ」
まよいが察した。
「ボールを振り回してもいいですがぁ、テーブルの上に何をしているんですぅ」
ハナの声音と雰囲気から、気温がぐんぐん下がっていくようだった。
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相談卓 夢路 まよい(ka1328) 人間(リアルブルー)|15才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2018/11/05 19:26:12 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/11/06 13:38:27 |