クリスとマリーとルーサーと 王都の選択

マスター:柏木雄馬

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,500
参加制限
-
参加人数
6~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2018/11/14 07:30
完成日
2018/11/22 21:03

みんなの思い出

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オープニング

「せっかく王都にいることですし、貴女のフィアンセに顔を見せていきましょうか、マリー?」
 聖ヴェレニウス大聖堂で他の巡礼者たちと共に教区大司教からの祝福を受け、正式に巡礼の旅を終えた貴族の娘マリーは、お付きの侍女──遠縁の親戚の娘で幼馴染で親友でもある──クリスから不意にそう提案されて、愕然とした表情で振り返った。
「え……? ちょ……なんで、そんな、唐突に……?」
「だって、目と鼻の先にいるのですよ? 会わないで行けば角が立ちます」
「そんなこと言われても、心の準備とか……」
「……マリー。ちゃんと覚悟を決めたのではなかったのですか……?」
 彼女たちが巡礼の旅に出る前。オードラン伯爵家の跡取り娘マリーに縁談話が持ち上がった。相手は分家筋のパラディール子爵家の三男坊。幼い頃に幾度か顔を合わせた間柄ではあるが、『マリーにとっては』(本人が碌に周りの話を聞いていなかっただけだが)寝耳に水の話であり…… 何とか時間を稼ごうと父に申し出たのが、王国民なら生涯に一度は巡ると言われる王国巡礼の旅だった。
 現オードラン伯爵家当主である父親は娘の希望を溜め息交じりに了承した。以来、マリーは『生涯最初で最後の自由』を満喫した。本筋を外れて寄り道を繰り返し、王国全土の観光地を巡った。ダフィールド侯爵領では騒動に巻き込まれ…… 事件ぎを通じて自分の身分──貴族というものについて考えさせられた。
「それは…… 分かってはいる、んだけど……」
 口ごもるマリーに、クリスは返事を急がせなかった。マリーは暫し自分で考え……しぶしぶながら了承した。
「……婚約者であるジョアン様は王立学園を卒業後、ハルトフォート砦勤務を経て、現在、王立学園の騎士科で講師をなさっているそうです」
 大聖堂のある第一街区から、王立学園のある第二街区へ歩きながら。しかし、クリスの説明を耳から耳へと流しながらマリーは考え続けていた。
 結婚は、したくはなかった。自由奔放に育ったマリーは、ただ自分が家というものに縛り付けられるのが嫌だった。とにかく時間を稼げば……巡礼の旅の最中に何か良い解決策が浮かぶものと思っていた。
 だが、何も思いつかなかった。ただ旅を満喫しただけで終わってしまった。……侯爵領の騒動で、貴族やその責務について考えたのは本当だ。ただ、自分の固めた『覚悟』というのは……本当に覚悟だったのか。
 ……侯爵家の騒動に片が付いた後、マリーは前侯爵家当主ベルムドと話す機会があった。彼もまた若い頃、王都留学中に父親が倒れたことで急に結婚と家督を継ぐことを強いられた過去があった。
「……ふーん。まだ子供なのに大変なことだね。まあ、自分の思うままに生きてみるのが良いのではないか?」
「……なんかクリスに対するのと口調が違うんだけど……あと、子供じゃないし! ……っていうか、あなた、自分が思うままに生きた結果が今回の騒動の原因だったんじゃないの?」
「だからさ」
「え?」
「覚悟もないまま家督を継いで、何かズレた感覚を抱いたまま当主をやってきたその結果が今の私の体たらくというわけだ。……幸い、まだ君には時間がある。本当に選択肢はないのか…… 色々なことをよくよく考えてみるといい」
 考えた。この王都に来るまでも色んなことを考えた。でも答えは出なかった。何が正しいことなのか、若いマリーには判断が付かなかった。
 そして、そのまま…… 王立学園の門の前についてしまった。事務受付で面会の手続きを取り、その場で待つ。
「マリー」
「……何、クリス?」
「悩みがあるなら相談してくださいね。私はいつだって……貴女の味方ですから」
 驚くマリーに、クリスは悪戯っぽくウィンクを一つを返して。書類を手に事務員が戻って来るのを見て慎みある淑女の姿勢と表情に戻る。
「騎士科の臨時講師として機動砲兵科に在籍していたジョアン・L・パラディールは、前期いっぱいでその任期を終え、現役武官として新たな任地へ赴きました。当学園には既におりません」
 事務的な口調で告げる事務員に礼を言い、2人は受付を離れた。
 拍子抜けだった。同時にマリーはホッとした。実際に顔を合わせたとして、何を話せばいいのかまるで分からなかったから。
(ホッと、か…… 何もかも後延ばし後延ばしにしているばっかね、私は……)
 マリーが軽く落ち込んでいると、意外な再会が訪れた。
 クリスについて出たエントランスから正門へと続く庭── 学園に戻って来た学生と思しき少年が、すれ違う二人に気付いて声を上げた。
「……あれ? もしかして、クリスと、マリー……?」
 弾む様なその声に、クリスとマリーも顔を上げて振り返る。
 学生はルーサーだった。ダフィールド侯爵家の四男坊。マリーの、ハンターたちの弟分──
「うわ、ホントにクリスとマリーだ! なんだってこんな所に?!」
「ルーサー! お久しぶりです。つつがない様子でなによりです……! 私たちは、マリーの婚約者の方と会いに」
「婚約者!? マリーに!? ホントに実在したんだ……! 都市伝説の類かと思ってた……(←信じ難きものを目の当たりにしたような瞳で)」
「どういう意味よっ!? そんなことより、ルーサー。ホントに王立学園に入学したのね…… ルーサーが騎士科とか、想像つかないんだけど!」
「トレーニングは続けているから! もう小太りじゃないから! ……でも、騎士科じゃないんだよね、僕…… 父と兄の意向で」
「? じゃあ、どこよ?」
「……。芸術科」
「芸術科!?」
 ひとしきりやり取りが済んで。思わぬ再会に旧交を温めた(?)クリスははたと気付いてポンと手を叩き、マリーに笑い掛けながらこう提案をした。
「では、ちょうど時間も空いたことですし……予定を変更して今日はルーサーの学園生活を見学させてもらいましょうか」
 クリスの提案にニンマリと笑みを浮かべるマリー。ルーサーはえ"、と絶句した。


 そして、その日の午後── クリスとマリーはもう一つ思わぬ再会を果たすことになる。
 円卓会議に出席する為、王都を訪れていた現侯爵家当主、長男カールが、大勢の護衛を引き連れて学園を訪れることになるからだ。
「ルーサー! ルーサーは無事か!?」
 事務員が止めるのも聞かず、血相を変えて教室に飛び込んで来たカールは、ルーサーと、そして、クリスとマリー、ハンターたちを見てホッと胸を撫でおろす。
「無事ならいい…… ……。ルーサー、俺はこれからオーサンバラへ帰る。お前はこのままここで学業に励め」
「え、でも、兄さん、円卓会議は……」
 ルーサーの問いには答えず、カールは急ぎ踵を返した。そして……
「ルーサーの事、よろしく頼む……!」
 クリスとハンターたちだけに聞こえるように、ただそれだけを小声でそっと囁いた。

リプレイ本文

 教区大司教からの祝福を受け、巡礼の旅を終え── 聖ヴェレニウス大聖堂の宿坊を出たマリーとクリスは、ハンターたちとの待ち合わせ場所である第二城壁の門を潜……った次の瞬間。不意に横合いから飛び出して来た人影に思いっきり飛び掛かられた。
「久しぶりだね、マリーちゃぁん♪ 相変わらず可愛いね~♪」
 すわ暴漢かと身構えるクリスを他所に、すっかり蕩けた様な表情でマリーに激しく頬ずりをする赤髪の女。慌てて後から出て来た少女が冷や汗を飛ばしながら「すいませんすいません!」と謝りつつ、お久しぶりです、の挨拶をする。
 レベッカ・ヘルフリッヒ(ka0617)と狐中・小鳥(ka5484)── 所用で外れることとなった護衛の交代要員として派遣されたハンターたちだった。クリスとマリーの二人に会うのはオーサンバラ以来となる。
 そんなレベッカたちから距離を取り、孤高を保ちながら現れたのは美亜・エルミナール(ka4055)。軍人らしく(というか雰囲気は傭兵のそれに近いが)要点を押さえた簡潔な自己紹介を済ませた後、レベッカの後ろ襟を掴んでマリーから引き剥がす。
「悪い。以後、護衛として適切な距離感を取らせるんで」
「あん♪」
 美亜に摘み上げられたレベッカが、マリーの微妙な表情の変化に気付いた。
「あれ? マリーちゃん、悩み事? だったら、おねーさんが相談にノってあげるよぉっ♪ 大丈夫、まっかせて! ねー、小鳥ちゃーん♪」
「えーっと……」
 再び抱きつく口実を見つけてはしゃぐレベッカを、後ろ襟を引いて戻す美亜。レベッカに同意を求められた小鳥は曖昧な笑顔で言葉を濁したり。
「いえ、ちょっと…… 特に何があるというわけじゃ……」
「これからマリーの婚約者に会いに行くので、それで胸中複雑なんです」
 マリーが口籠る側から暴露するクリス。レイン・レーネリル(ka2887)が「婚約者っ!?」と素っ頓狂な声を上げ。ルーエル・ゼクシディア(ka2473)が恋人に呆れた様な視線を向ける。
「いや、レインお姉さん、前にそういう話を聞いたじゃない」
「だって、ルー君、『あの』マリーに、だよ!? 想像上の存在だったらどうしようかと! だったら触れずにおくのが優しさかなあ、と…… それが実在したなんて!」
 ツッコもうとしたマリーは、しかし、目をキラキラ輝かせたレベッカに詰め寄られて仰け反った。
「婚約者! じゃあ、おめかししないとね♪ ねぇねぇ、またブティックで色々とお着替えしてみる? しちゃう!?」
「お着替えって。別に、私は……」
「いえ、マリー。オードラン伯爵家令嬢として公的機関を訪問するのです。先方に恥をかかせるわけにもいきません」
「クリス……ッ!」(←劇画調)
 そんなマリーたちの姿を、大人なヴァイス(ka0364)とヴァルナ=エリゴス(ka2651)(ヴァルナはクリスと同い年だが)が優しく温かな瞳で見守っていた。
「マリー…… 年相応の、屈託のない表情をするようになったな」
「ええ、こちらの方がずっと良いです。……あの旅の最中は、いつも歯を食いしばるような顔をさせてしまっていましたから……」

 一行は服飾通りで買い物(とマリーのファッションショー←強制)を済ませると、王立学校近くの宿を借りて、そこで着替えた。
 ヒラヒラした服は仕事(護衛)に差し支えると拒否した美亜を除き、全員が正装に着替えた。ヴァイスは大貴族に仕える執事風。ある意味、普段の仕事着と言ってもいい。同じくアイドルであるヴァルナと小鳥もその事を意識しながら、それぞれ別系統のコーディネイトで。ルーエルはヴァイスと同じ執事服(もう少しで女物を着させられるところだった……)にし、レインはエルフらしく装飾の簡素な動き易いデザインのフォーマルなものを選んだ。
 レベッカとクリスはマリーを引き立てるべく侍女風に。そして、今日の主役たるマリーはその『侍女』二人があーでもこーでもと検討し選んだ、正統派でありながら少女らしい可愛らしさをあしらったドレス姿──
「~~~~~ッ!!!」
 そんなヒラヒラとした恰好で街を歩くことに、顔を真っ赤に染めるマリー。だが第二街区の人々は(着飾った貴族が出歩くのも日常なので)特に気にしない。
 そうして辿り着いた王立学校は、1000年の都に相応しく、荘厳で格調高い立派な石造りの建物だった。レインがポカンとそれを見上げて呟く。
「ほへー、ここが王立学校かぁ…… 学究の徒が集いし学問の府、ってやつ? おねーさんとは無縁と思ってたよ。あ、インテリ感出す為にメガネかけた方が良い? 出来るおねーさん感的に」
「こちらにご用意しております」
「うわ、ヴァイスさん!? 何この出来る執事感!」
 と言う訳で、希望者は伊達メガネを装着した。
 勿論、美亜は断った。
「王立学校ねえ…… また敷居の高そうな場所ですこと」
 美亜は御大層な学舎から視線を逸らし、クリスに訊ねる。
「ねえ、護衛……ってもタダの傭兵ごときがこんなとこ入れるの? んまあ、入れないなら入れないで外で時間潰すけど(入れても暇だろうし)」
「手続きすれば大丈夫ですよ。成績が優秀なら貴族も平民も(学費さえあれば)分け隔てなく入学できる学校です。普段から入学予定や貴族の父兄とかが見学に来てますし…… あ、ハンターを臨時教官として雇ったりもしているそうですよ」
「うん。僕も……実は砲兵科の方に顔を出したことがあるよ。臨時教官の一員として」
「えっ!? ルー君が!? 砲兵科?!」
「……何? 何か変?(ジト目」
「だって、砲兵科だよ!? 熱き男の大艦巨砲主義だよ?! あ、でもルー君も時々とっても男らしい時もあるか! やだ惚れ直しちゃう(←惚気」
 とりあえず、ルーエルは、クネクネするレインを放っておいて、(軽く赤面しつつ)懐かしいな、と呟いた。
「そうか。マリーの婚約者さんってここで教官を務めてたのか。ふふっ、もしかしたら僕も会っているかもしれないね」(←ええ、思いっきり会ってます)
 だが、事務室で訊ねると、マリーの婚約者は既に軍人として別の任地に異動していた。新学年の開始に合わせて──今年の九月のことだった。
「あらあら、マリーさんのフィアンセがどんな方なのか拝見出来ず残念です」
「うーん。一目見ておきたかった。友人としては気になるところだし」
「ねー!」
 残念そうに頷き合うルーエルとレイン。ヴァルナはちょっと思考を進める。
(それにしても、任地が変わった事ぐらい、婚約者に伝えても良い気がしますが…… 案外、覚悟が決まってないのは、お互い様なのかもしれませんね)
 考え込むヴァルナを他所に、ルーエルが訊ねた。
「ねえ、マリーはその婚約者と実際に会って話したことはあるの? いや、ほら、気軽に話せる人だと良いねー、って」
「……小さい頃、何度か親戚の集まりで。何か、喧嘩したり、一緒にいたずらして怒られたり……」

 そして、ルーサーとの思わぬ邂逅──
「ルーサーさん……! 元気そうで安心しました」
 笑顔で挨拶を交わし、近況を語り合うヴァルナたち。ヴァイスは「頑張っているか?」とだけ訊いて無言で手を差し出して…… ルーサーは軽く目を瞠り、照れ臭そうにその手をギュッと握り返す(でも、何で執事服……?)
「へー、ルーサー君は芸術科なんだね」
「なんだか、世の中から一歩退いて世界を見ているようなイメージがあるなあ。芸術関係の人って」
 実家の意向で芸術科に入ったと聞いて、少し意外そうにレインとルーエル。
 貴族出身のヴァルナは黙っていた。そして、痛ましさを感じていた。
 王立学校には大きく分けて一般科・騎士科(砲兵科もここに属する)・芸術科・神学科・魔術科の五つの科ががある。政治学科というものはない。領地の統治方法は各貴族家が個別に世嗣に教育するからだ。
 入学する貴族の子弟は世嗣以外の者が多い。彼ら『部屋住み』(家督を相続できない子ら)はその多くが独立する。騎士として国や家に仕えるか、僧籍(?)に入るか、社交界のサロンで詩や絵を披露するか、学者にでもなるか……
 だが、レインとルーエルの見方はあくまで明るい。
「自分たちの世界の厳しさを知っているからこその『意向』なのかもね!」
「色んなことを感じ取れると良いね。自分たちとは全く違った視点を持ってくれることを、お兄さんたちも期待しているのかもしれないね」
 きっと、そうですよ、と頷くクリス。ヴァルナは彼女と目を合わせ、互いに自分たちの懸念が取り越し苦労であることを心の底から祈った。
「よし! ここは姉貴分として、ルーサーの授業態度を見学していこう!」
 婚約者に会わずに済んで元気を取り戻したマリーが、面白いこと見つけたとばかりに提案した。その様子を見て小鳥は安心し、微笑を浮かべて賛同した。
「それは楽しそうですね!」
「私は騎士科でしたから、芸術科ではどのような事をしているのか楽しみです」
 小鳥の返事に、気持ちを切り替え明るく振舞うヴァルナ。それに「だよね♪」とレベッカも乗っかった。
「い、いいよ、そんなの!」
 ルーサーは驚愕し、全力で両手と頭を振った。そのルーサーの肩を、背後から同情を込めてレインがポンと叩く。
「んー、知り合いが授業を見学するって、嫌だよね。分かる、分かるよ、ルーサー君……! 写生やらポエムやら知り合いに見られるのは恐ろしいほど恥ずかしいよね…… でも、見ちゃう! 面白そうだから! ゴメンネ!」
 彼らがこうなってしまうと、か弱きルーサーの反駁は無意味だった。ヴァイスも頑張れと良い笑顔でサムズアップするばかりで助けてはくれなかった。美亜はただひたすらに護衛任務に集中している(あー、暇)
 見学の手続きを済ませ、燃え尽きたルーサーを連れて教室へと移動する。
 途中、壺やら陶芸品やらの展示された廊下を歩きながら、それをジッと見て…… レインが「……値札がついてない。これじゃあ価値が分からないよ」と元も子もないことを言う。
「おねーさん、芸術ってそうやって見るものじゃあ……」
「えー。だったらどうやって価値を決めるのよ。機械だったら『今まで1時間かかっていた作業が5分で完了します!』みたいな分かり易い目安があるじゃない。無駄のない完璧な機能美とか、動作とか、そういうのなら分かるけど…… あ、無駄に回っている歯車とかは素敵だと思うよ、私。ずっと見ていられる! そう言うのは…… え、無い? 無いかー。じゃあ、ルーサーがなってよ、世界で初めての歯車芸術家」
 そんな事を言い合っている内に教室へと辿り着いた。
 最初の授業は音楽だった。ルーサーの属するクラスは初心者が集められた級のようで、後に専門に進む為の基礎を固めたり、適性を見る段階らしかった。
「声楽かぁ…… 歌ならアイドルの私に任せろー!(バリバリドドーン! ←効果音) ……と言っても、こういった所できちんと習ったわけじゃないんだけどね」
 そう苦笑する小鳥は、なんだかんだ言って生徒たちよりも余程、授業内容に興味があった。その傍らに立つヴァルナは……どこか緊張しているような?
「ルーサー、ちゃんと歌いなさいよ。さっきから音程がずれているわよ?」
 授業の邪魔にならぬよう小声で、心底楽しそうに野次を飛ばしていたマリーだったが……
「どうでしょう? 参観の皆様も合唱に参加なされては?」
 ……講師のこの台詞でピシリと凍り付くこととなった。
「よ、よろしいのでしょうか、私たちみたいな素人が加わってしまって…… 皆様の美しい歌声の、全体の調和を乱すことになってしまいます。ええ、ここはご遠慮しないと」
 早口で捲し立てたのは、マリーではなくヴァルナだった。普段とはかけ離れた余裕のない様子に、幾人かの仲間たちが驚いた。
「大丈夫ですよ。今は基礎の段階ですし、歌うことが楽しいことだと生徒たちと共に知っていただけたら」
 なんか冷や汗を流すヴァルナを心配してクリスが顔を覗く。
「う、歌ですね。も、問題ありません。覚醒すれば問題ありませんとも」
「覚醒!?」
 結論から言えば、覚醒すれば問題なかった。合唱中に燐光纏って光っていたことは中々ツッコめないことではあったが。

 美亜は誰もいない廊下で一人、護衛の任に就きつつそれを聞いていた。
(文字通り住む世界違うわ。羨ましいとかは全く思わないけど)

 続いての授業は絵画。校庭での写生だった。
 まさかの授業参加でルーサーと同じ立場に立たされたマリーは、写生なら道具がないから、と安心してルーサーの絵のセンスの無さを横から揶揄していたが……
「それでは、マリアンヌ様。どうでしょう? 是非ともルーサー様にお手本をお見せして差し上げては?」
 ……執事然とした笑みを浮かべたヴァイスにそう恭しく提案された。
「そ、そうね! でも、ほら、道具が無いし!」
「こんなこともあろうかと、こちらに準備させていただいております」
 筆や絵具、画板といった写生セット一式を手にキラリと白い歯を光らせ、ヴァイス。うぐぐ……と言葉を失くしたマリーは「謀られた……!」と呻きつつ、筆を手に取って。どっこいどっこいの絵を仕上げて、ルーサーと二人、沈黙する……
 一方、レインとルーエル──
「そういや、ルー君の絵とかって風景とかを忠実に描いてるだけだよね。もっとこう、よくわからない魂の叫びも描き写さなきゃ! 私の作品はどう見ても芸術でしょ? 天才肌美人お姉さんって呼んでも良いヨ?」
「……そう言うレインお姉さんの絵は随分と抽象的だね。なんか緑がゴチャッとしてるけど……何?」
「森の多様性の表現だよ! 知ってる? 森ってただの木の集合体じゃないんだよ? 多種多様な要素が有機的・複合的に絡み合って完成した一つの機能美なんだから!」
「うん、いるよね。虫とか」
「私の森(絵)に奴らなどいない!」

 その頃の美亜。
「あ、あのヒゲの生徒、チェ・○バラに似てる……」

 最後は文学。授業内容は詩の創作活動──
「うーん…… 服飾とかなら得意なのにな、私」
「私は好きだよ、こういうの。曲がりなりにもアイドルだしね♪」
 ペンを鼻に挟んで椅子を揺らすレベッカに、自身で作詞活動もする小鳥が活き活きとペンを走らせる。一方、ルーサーはなかなかペンが動かない。
 音楽には音程と言う『正解』が見えた。写生に関しては技術も発想も平凡ながら、風景をそのまま写し取ろうとすることで対応できた。だが、無から有を生み出さなければならないこのポエムと言うものは……
「やっぱり、向いてないな、僕には……」
 落ち込むルーサーに小鳥は優しく笑い掛けた。
「ポエムとか、下手でもいいと思うんだよ。自分の想いとか感情を込められていれば…… 歌とかでもそうだしね♪」
「……なぜ私の方を見るのです?」
 なんか流れ弾が飛んできて、ガーンとショックを受けるヴァルナ。
「さてさて、マリーちゃんの方はどうかな~?」
 とりあえずひやかしに向かったレベッカとレインは、後ろからマリーの詩を覗き込み…… 無言で視線を交わし合った。
 お転婆なイメージのマリーだったが、そこに描かれた文面はきちんと定型を踏んだ、意外と本格的なものだった。題材は定番──鳥籠の鳥に心を重ね、若者らしく(厨二っぽく)自由への希求を謳い上げていた。
 レベッカとレインはそのまま皆の所へ戻り、ヒソヒソと何かを話し合った。
 するとヴァルナとルーエルがやって来て、何か優しい目でマリーに訊ねた。
「ところで、マリーさん…… 何やら悩み事があるのではないでしょうか?」
「え? い、いきなり何?」
「気持ちは分かるよ…… 僕自身、選んだ道が正しかったのかどうか、たまに考えることあるし」
「うえっ!!!???」
 なんか唐突な展開に慌てるマリー。それを見ていたレインが目の端に涙を浮かべながら(←嘘泣き)クッ、と目を逸らす。(分かる、分かるよ、マリーちゃん……! ポエムを見られた後で心配そうにそんなことを訊かれたら、そりゃ顔も真っ赤になっちゃうよね……!)
「間近に迫った結婚という現実に、気後れしているんだね。その気持ち、おねーさんにも分かるなぁ。……分かるヨ?」
「……どうして僕を見るのかな?」
 微苦笑を浮かべて牽制し合うレインとルーエル。背後から近づいたレベッカがギュッとマリーを抱き締める。
「さっきも言ったけど…… おねーさんがちゃんと相談に乗るよ?」
 少し真面目な口調と表情でレベッカがそう言ってあげると、マリーはバツが悪くて少し不貞腐れたような顔をして、自分の胸の内を語り始めた。
「……侯爵領での事件を見て、貴族の役割とか、責任とか、どーあるべきかとか…… 色々考えて、悩んで、結婚する覚悟みたいなものは決めてみたけど…… ぶっちゃけ、結婚する必要ってホントにある?」
 うわお、と誰かが呟いた。ぶっちゃけ過ぎです、マリーさん。覚悟を決めた、って……元の木阿弥邪ないですか。
「だって、貴族の本分を尽くすのに旦那の有無とか関係ないよね? 王女殿下だって結婚拒否ったし! こんな若い身空で家に縛り付けられて……そしたら、こんな風に皆と旅をすることも出来なくなっちゃう……! 私にはまだやりたいことが、やってみたいことが沢山あるの! だって、私は…… まだ世界と言うものを、全っ然っ、見れてない!」
 マリーの言葉に、ルーサーは一人、目を瞠った。
 彼女の言葉は、彼の心情を代弁するものでもあった。自分もこのままここにいて、果たして世間を、世界を知れるのだろうか、という──
「……そう言うことを言っていると、行き遅れてしまうのです」
「うっ……!?」
 ヴァルナの言葉に、声を詰まらせるマリー。まだ若いマリーには「一生結婚できなくてもいい!」と言い切れる程の覚悟(諦念とも言う)はまだ無い。
「……私自身、若輩者で未だ何が正しいのかなんて分かっていない身分ですから、その悩みに答えを出して差し上げることはできません。そもそも正解というものがある類の話でもありませんし…… ですから、やりたいようにやってみてはどうでしょう?」
 ヴァルナの言葉にレベッカも頷いた。
「未来なんて分からなくて当たり前! 良い事もあるし、悪い事もある! だからこそ、どちらに転んだとしても、精一杯、全力で生きて、最終的に笑えていればそれで良いんだよ」
 正解なんて存在しない。だからこそ人は選んだ現実の中で少しでも現状を良くしていこうと生きていく。その為に必要なことは、知識を蓄え、技術を磨き、人脈を広げていくこと──
「『覚悟』とか『行動』とワンセット。結果を恐れるのではなく、自分の信念に従ってこそ…… つまり、今まで貴女がやって来たことだよ、マリーちゃん。『自分で決めて、自分で動く』── 旅の中で出来ていなかった?」
 どんな生き方を選択しても── レベッカの言葉にマリーは蒙を啓かれた。
「……あくまで私の経験ですが、やって失敗した時よりも、何も出来なかった時の方が悔いは強く残ります。だからこそ自分の心に従って、正しいと思うことを為せば良いかと。……気侭な独り身が何を言っているのか、と思われるかもしれませんけど」
 最後、自嘲気味に苦笑するヴァルナに、マリーは力強く頷いた。その瞳にはもう迷いは残ってはいなかった。

「どうやら上手くいきましたね、執事さん」
 傍からそれを見ていたところをクリスにそう呼び掛けられて……
「俺は何もしてないさ。皆がマリーの悩みに気付き、相談に乗ってやって、マリーが自分で解決しただけさ」
 ……ヴァイスはそう微笑を浮かべて頭を振った。
「色々と悩んでいるみたいだったからな。年相応に自爆なり、感情を右往左往させたり…… 悩んでいる時間を少しでも減らして、マリーのストレス発散になれば、と思っての行動だったが…… 予想以上に上手く纏まったようだ」
 どうやらルーサーにも思うところがあったようだしな、と、温かい目で若い二人を見つめて、ヴァイス。

 その背後の扉がスッと開かれ、美亜がクリスとヴァイスに目配せをした。
 何があった、と訊ねるヴァイスに、美亜は小声で急を告げた。
「武装した小集団が正門から敷地内へ侵入した。確認し、指示を乞いたい」

 そして、事態は急変する。


「ルーサー! ルーサーは無事か!?」
 その小集団を率いていたのは、ルーサーの兄──ダフィールド侯爵家の長男、カールだった。彼は教室に飛び込むや否や、きょとんと見返す弟の姿にホッと息を吐き…… 次いで、クリスとマリーとの思わぬ再会に驚き、ハンターたちが共にいることを知って大いに安堵した。
「カ、カール兄さん!? どうしたっていうのさ、いきなり…… 円卓会議は?!」
「……何かあったのですか?」
 ヴァルナの問いにカールはあからさまに言葉を濁し、少し考える素振りをした後、「何事もないなら良いのだ」と教室を後にした。途中、警戒を緩めぬ様子のヴァイスと美亜に「それでいい」と頷いて……「ルーサーを守ってやってくれ」と、小声で呟き、去っていく。
「……いや、ボク、クリスとマリーの護衛なんだけど……」
「あの旅装…… 王都を出るつもりなのか?」
 カールの背を見送りながら、美亜とヴァイス。ヴァルナと小鳥も重苦しい声で呟く。
「……カール様のご様子、只事ではありませんでしたね」
「いい事ではなさそうだよね、どう考えても……」
 どこか不安そうなルーサーに心配せぬよう声を掛け、最後まで参観を終えた後、寮で別れて、宿へと戻る。
 その途上、クリスはハンターたちにオーサンバラで何があったのか、調べて欲しい、と頼んだ。
「ふんふん。それがクライアントのオーダーなら従いましょ」
 美亜はすぐにハンターズソサエティの王都支部に赴き、何か情報が入っていないか問い合わせてみた。
 結果から言えば、情報は何も無かった。正確にはまだ入っていなかった。美亜は知らない事だが、『庭師』のオーサンバラ襲撃事件の際、事態の収拾に動いたハンターたちは偶々ソサエティの出張所にいたところを事件の報に接し、依頼契約を結ばぬまま現場へと飛び出していた。依頼に関しては解決後に事後契約の形で結ばれることになるのだが、この時点ではまだ報告書は上がっていない。
(こんなに離れた所じゃ確実な情報は手に入らないか…… 直接聞き取るしかないかな、これは)

 翌日── 何かと口実を付けて再び参観に訪れたハンターたちは、学校のそこかしこに隠れ潜んだ人の気配に気が付いた。
「こりゃまた、あからさまに増えたな」
 呟くヴァイスにはその人員に心当たりがあった。恐らくはカールによって付けられたルーサーの護衛だろう。
 小鳥はそのままルーサーたちと時を過ごし、課題の最中にさり気なく姿を晦ませて…… 侯爵家の末弟を隠れて見守る護衛が交代し、引継ぎを終えて引き上げる途中、ホッとしたタイミングを狙って、その背を指でツンツンと突く。
「はい?」
 暢気な調子で振り返る見張りの男。次の瞬間、それが小鳥と気付いて口から心臓を飛び出させた。
「やあ。ボクの可愛いルーサー君のこと、どーして見張ってたのかなぁ?」
 更に背後からしな垂れかかりながら、耳元に口を持っていって訊ねるレベッカ。驚き、慌てつつもその背中に感じた柔らかな感触は、直後、叩きつけられた硬い壁の感触に取って代わられた。
「単刀直入に訊く。何があった?」
 腕で相手の首を壁へと押し付けつつ訊ねるヴァイス。男の顔には見覚えがあった。オーサンバラで見掛けたカール配下の兵だ。だが、ヴァイスは油断しない。
「言え。それはルーサーが襲撃される可能性があるものなのか? クリスとマリーは? 話せるだけでいい」
「し、知らない……! 分からない! 何も分からないんだ……! 俺たちにも……!」
 彼らも隠れてルーサーを護衛するよう命じられただけで、何も知らされていなかった。
「昨日、オーサンバラから報せが届いた。すぐにかん口令が敷かれた。カール様は見たことも無いくらい狼狽していた。いつも冷静な、あのカール様が……!」
 ヴァイスはカールの所在、予定を聞き出すと、ヴァルナと共にそちらへ向かった。
 カールはエリダス川を往く船便の乗り継ぎの為、王都から一泊分離れた船宿に泊まっていた。
「教えてください。オーサンバラでいったい何があったのですか?」
 ヴァルナの問いに、カールは尚も言い渋った。
「……お願いします。ルーサーさんを心配されるお気持ちは分かります。しかし、下手に隠し立てをしては逆効果。自分の目で確かめようと飛び出しかねません」
 ヴァルナの説得に、ついにカールも折れた。或いは彼こそが誰よりも他者の助けを必要としていたのかもしれない。
 知らされた事実は予想以上にヘビーなものだった。
 カールの元に届いた第一報は、オーサンバラの館が歪虚に襲われ、全焼し、館にいた父ベルムドと弟シモンの所在が確認できていないというもの。その後(つい先程だが)続報が届き、歪虚は討伐されたものの、未だにベルムドとシモンは行方不明。状況からして最悪のケースも考慮に入れざるを得ない、とのことで──

 その情報を、ヴァイスとヴァルナは一旦、クリスとマリーとハンターたちの元へと持ち帰った。ルーサーにこの事実を伝えるべきか、話し合う為だ。
「……身内がここにいろ、って言ってるんだから、ここにいた方がいいんじゃないかな、弟くんは。必要があれば呼ばれるでしょ」
 話を聞いた皆が沈黙する中、美亜が頭を掻きつつ、会議の先鞭をつける。
「私も……家長の指示があるまでは動くべきじゃない、かな?」
「……うん。私もカールさんに戻って来いと言われるまで、ここで学んでいた方がいいと思う」
 レベッカに続き、小鳥もそう同意する。……こう言っては何だが、戻ったところでルーサーに何が出来るとも思えない。それならこちらでやれることを──学問を修める方が本人の為でもないだろうか。
「勿論、話が本当なら、飛んで帰りたいという気持ちも分かるんだよ。でも、まだ危険かもしれないし、何が起こるかも分からないし…… 王都の王立学校なら安心という意味ではこの上なく安全だし、将来の事を考えるなら、むしろここで勉学に励んでいた方が……」
 心底心配そうに語る小鳥に、ハンターたちは沈黙した。
 ヴァイスはクリスとマリーにも意見を訊いてみた。
「……。私は大人として『報せるべきではない』という判断もできますが……」
「私は報せるべきだと思う」
 マリーは曇りの無い真っ直ぐな瞳でハンターたちにそう告げた。
「私だったら知らせてもらいたい。だって、家族が死んじゃってるのかもしれないんだよ? 『ルーサーに余計な心配を掛けたくない』、『学業に専念して欲しい』、『危険から遠ざけたい』──それは分かるよ。でも、自分だけ何も知らずに安穏と学園生活を満喫して、後から事実を知らされたら……」
 私だったら、家族の死を知らずに呑気に笑っていた自分を許せなくなる。或いは、その自身の心理的負担を軽減する為に、何も知らせてくれなかったカールを恨む様にもなるかもしれない。
「それに…… それにさ。幾らルーサーの為だからと言って、『何もできないから蚊帳の外に置いておく』って…… それって『子供扱い』ってことだよね?」
 ともかく、ルーサーには報せるべきだ、とマリーは言った。その後、どう行動するかは本人が決める事。説得するのが大人の仕事だ。

 翌日。クリスによって、現状、知り得る限りの情報がルーサーに伝えられた。
 長兄の態度から、恐らく何かがあるのだろう、と覚悟をしていたルーサーだったが、父と兄の事を報されると流石に顔面を蒼白にした。
「僕は…… オードランに戻りたい」
 ルーサーははっきりと皆に告げた。自分だけ安全な所で無為に時間を過ごしていられない。……それに、アレだ。僕にはやっぱり芸術は向いてない。
「僕に力が無いことは重々承知しています。ですから……皆さんの力を貸してください」
 もう子供ではない表情でそう告げられて……ヴァルナは深く溜め息を吐いた。
「……ルーサーさんを領地に返すことには反対なのですけどね、私…… そう言われてしまったら、友人として力を貸すしかないじゃないですか」
 ヴァイスもまたルーサーの頭を無言でクシャクシャに撫で回し…… 一通の手紙を手渡した。
 それはヴァイスがカールに頼んで、想いをしっかり伝えて欲しい、と頼んで書いてもらったものだった。
 そこにはルーサーには侯爵家四男としてしっかりと学業を修めて欲しいとの兄の言葉が書かれていた。弟の成長を願う兄の想いも。
 同時に、事情を知ってオーサンバラに戻りたいと言うのなら…… 好きにして良いとも記されていた。
「君たちと出会ってルーサーは大きく変わった」
 カールの元を辞去する際、彼はヴァイスとヴァルナに言った。
「良い方に、だ。兄としてこれほど嬉しいことはない。もしあいつが若者らしい無鉄砲さで行動を起こすというのなら、君らが支えてやってくれ」

「個人的には、クライアントの二人がどうするのか、聞いておきたいんだけど。だって、ホラ、ボク、二人の護衛だし」
 会議の終わりしな── 美亜がそう訊いてきた。
 マリーはクリスの顔を見上げた。その瞳に迷いは無かった。
「私もルーサーを手伝いたい。クリス、賛成してくれる?」
「……ええ、それが結婚を引き延ばす為の時間稼ぎでないのなら。……もう訊くまでもないでしょうけどね」

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参加者一覧


  • ヴァイス・エリダヌス(ka0364
    人間(紅)|31才|男性|闘狩人
  • みんなトモダチ?
    レベッカ・ヘルフリッヒ(ka0617
    人間(蒼)|20才|女性|猟撃士
  • 掲げた穂先に尊厳を
    ルーエル・ゼクシディア(ka2473
    人間(紅)|17才|男性|聖導士
  • 誓槍の騎士
    ヴァルナ=エリゴス(ka2651
    人間(紅)|18才|女性|闘狩人
  • それでも私はマイペース
    レイン・ゼクシディア(ka2887
    エルフ|16才|女性|機導師
  • 能力者
    美亜・エルミナール(ka4055
    人間(蒼)|20才|女性|闘狩人
  • 笑顔で元気に前向きに
    狐中・小鳥(ka5484
    人間(紅)|12才|女性|舞刀士

サポート一覧

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依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2018/11/11 19:06:23
アイコン 相談だよー
狐中・小鳥(ka5484
人間(クリムゾンウェスト)|12才|女性|舞刀士(ソードダンサー)
最終発言
2018/11/14 06:56:05