ゲスト
(ka0000)
【東幕】知追う者、砦の先の人助け
マスター:狐野径
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
- 1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/11/28 07:30
- 完成日
- 2018/12/04 21:42
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●今後の国
大江 紅葉はスメラギ(kz0158)が出した体制を見直す案を聞き驚くがすぐに消える。
「現状を踏まえると、必要ですね……スメラギ様から出ているということで良いのか悪いのかわかりません。何かで見ましたが、革命というのが一番こわいのですよ」
一般庶民の不満の爆発というのは恐ろしいらしいと何かの文献から見ている。そうなると、公家も武家もつるし上げられる。かといって、武力を持って武家が公家を押しつぶすというのも恐ろしい。
「とはいえ、色々考えることは必要なのですよね……結界もない、互いにもめているという状況なのです……ですかねぇ……」
西方の国々の政治体制を紅葉は見たり、書物で見たりはしている。東方の現状は非常に中途半端な状況に見えていた。歪虚の影響から抜け始めたころは良かったが、徐々に中途半端な状況が浮き彫りにはなっていた。
「だからうちが勝手に戻ったりしているわけですし、私があちこちに畑をこしらえていたりしているのですが」
隙間を狙ってやりたい放題してはいた。もちろん法律というより、最低限何かあったら行動はするつもりだった。例えば、土地の持ち主がいたらすぐに立ち退くとか、犯罪の温床にしないといったことである。
「私の関心ごとは、家から追い出されないことや国の形態が変わって変な法律とかできたらどうしようということですかね」
内心でつぶやきながら、週末にすることを考えていた。地域の復興事業は人手不足や材料不足をどう補うかという問題になっている。
そんな中、南方に続く方は材木や竹材が取れるような気がしていた。歪虚支配地域から脱し、汚染状況の変化があれば、何か生えているはずだ。
教え処改め学校を建てるとして、頑丈な建物はほしいと思う。グラズヘイム王国に行きあちらの建築様式を使うことも検討したが、技術者を雇うなり、知識を習得してくるなりしてこないとならない。そもそも、風土的に合うのか、頑丈とはどういうことを指すのかと言った様々問題はなくはない。
「建物についての研究としてはいいと思いますが、学校は今いるのです」
紅葉は幕府側の組織のある建物の側をトコトコ歩く。松永 光頼は元気かなと思って寄って行こうとした。
「なんか、あわただしい雰囲気がしています?」
あまり武家の方に寄りにくい雰囲気がしていた。
「紅葉殿?」
血相を変えた光頼が通りがかる。
「どうかしたのですか?」
「どうも、南方で何かあったようで……情報が不足していて……」
「明日、師岬に戻りますから、調べてきましょうか?」
「それはいけません。あ、いえ、あの地域なら離れているからいいでしょうけど、南に行こうとしないでください」
光頼の言葉から何かあったかということを感じ取る。
「南方からつながる道はあるんですよね?」
主な道ではないため、人が使っているということは光頼は聞いていないが不意に尋ねた。
「妖怪道程度ですね……人間は通れるか確認していません」
「そうですか……無理に調査なんていかないでくださいね」
「なんか、信用がないです」
紅葉は頬を膨らませた。松永の家臣が近くでせかすような視線を向けてくる。彼が部下でなく家の者といるのが珍しいと感じた。それと同時に、何かがあったと理解した。
しかし、光頼が言いたくないなら無理には言わせるつもりはない。
「あの、光頼殿も無茶しないでくださいね。あと、えと……もし、今の政治体制が変わるとして、どうしますか?」
別れ際に紅葉は問う。光頼はキョトンとする。
「そうですね……人々が平和に笑顔で過ごせるならいいのではないですか」
光頼は曖昧に答える。
紅葉はうなずいた。とっさの言葉だとしても、良い答えだったからだ。
「紅葉殿、都から離れる際は気を付けてくださいね」
「はい。魔導トラックの運転技術をばしばし磨きますよ!」
光頼と別れたとき、紅葉はその背中をじっと見つめていた。
翌日、紅葉は師岬に発つ。南方の状況が不安定さを増しているならば、道なき道を妖怪が通る危険性がある。
「状況を見極めなければなりません」
状況によっては、武具等の強化、私兵の強化などしないとならない。
ハンターには「警備の協力」の依頼を出しておいた。その人員も紅葉が到着後、順次来ることを願った。
●現状
ガン。
里に到着すると特に変わっているところは見えなかった。むしろ、今、紅葉が柵にぶつけたため、へこみができている。何度かぶつけているため、補強がなされていた。
大島の方から家臣がやってくる。
「宗主」
立ち話もあれだからと、陸の方で集会場に上がる。島に戻らないということは緊急を要することだと分かる。たぶん、立ち話でも知っていることではないかと思ったが、紅葉はおとなしく入った。
「山ありますよね?」
「ありますね」
「そこに黒い影がありまして……徐々に近づいてきています」
紅葉が目を見開く。
「山の道は妖怪の根城になっていたところにつながっていますよね? そうなると……ということで迂闊に砦から出て確認できません」
この里の防備は大江家と吉備家の一部と地域の有志でになっている。しかし、大江家と吉備家の者以外覚醒者や兵士はいない。
「ハンターにお手伝いをお願いしているので、見てこられます」
「宗主……先に行こうとしていますか」
「砦までですし、もし、妖怪討伐なら出ないとなりませんよ?」
紅葉の言葉に家臣はうなずいた。
「向こうに一応武具はあるのですね?」
「はい、弓など遠距離は狙えるものはおいてあります」
「分かりました」
紅葉は魔導トラックに乗って行こうとしたが、家臣が止める。砦にぶつけられたえたら困るということは黙っている。
そのため、しぶしぶ馬に乗っていったのだった。
砦は緊張感が漂っていた。紅葉が来たことで多少の安堵は漂う。
紅葉は見張り台に乗ると、軍用双眼鏡で見渡した。
「……え? あれ? 人ですか?」
近づいてきたということで形が明確になってきている。
「旗? まさか、あれは松永の? 光頼殿は濁していましたが、まさか弟さん? ……それに、地面にも空にも何かいます?」
紅葉は眉をしかめる。
「皆さん、救護の用意をお願いします。それと、弓を射られるものは準備を!」
紅葉は状況を見続ける。
「助けに行かないと……あの人たちが……」
紅葉は馬に向かう。それを誰もが止める。紅葉を単騎で行かせることは非常に危険であるのだ。だからと言って、状況を確認できない状況でそこに進める兵力はなかった。
大江 紅葉はスメラギ(kz0158)が出した体制を見直す案を聞き驚くがすぐに消える。
「現状を踏まえると、必要ですね……スメラギ様から出ているということで良いのか悪いのかわかりません。何かで見ましたが、革命というのが一番こわいのですよ」
一般庶民の不満の爆発というのは恐ろしいらしいと何かの文献から見ている。そうなると、公家も武家もつるし上げられる。かといって、武力を持って武家が公家を押しつぶすというのも恐ろしい。
「とはいえ、色々考えることは必要なのですよね……結界もない、互いにもめているという状況なのです……ですかねぇ……」
西方の国々の政治体制を紅葉は見たり、書物で見たりはしている。東方の現状は非常に中途半端な状況に見えていた。歪虚の影響から抜け始めたころは良かったが、徐々に中途半端な状況が浮き彫りにはなっていた。
「だからうちが勝手に戻ったりしているわけですし、私があちこちに畑をこしらえていたりしているのですが」
隙間を狙ってやりたい放題してはいた。もちろん法律というより、最低限何かあったら行動はするつもりだった。例えば、土地の持ち主がいたらすぐに立ち退くとか、犯罪の温床にしないといったことである。
「私の関心ごとは、家から追い出されないことや国の形態が変わって変な法律とかできたらどうしようということですかね」
内心でつぶやきながら、週末にすることを考えていた。地域の復興事業は人手不足や材料不足をどう補うかという問題になっている。
そんな中、南方に続く方は材木や竹材が取れるような気がしていた。歪虚支配地域から脱し、汚染状況の変化があれば、何か生えているはずだ。
教え処改め学校を建てるとして、頑丈な建物はほしいと思う。グラズヘイム王国に行きあちらの建築様式を使うことも検討したが、技術者を雇うなり、知識を習得してくるなりしてこないとならない。そもそも、風土的に合うのか、頑丈とはどういうことを指すのかと言った様々問題はなくはない。
「建物についての研究としてはいいと思いますが、学校は今いるのです」
紅葉は幕府側の組織のある建物の側をトコトコ歩く。松永 光頼は元気かなと思って寄って行こうとした。
「なんか、あわただしい雰囲気がしています?」
あまり武家の方に寄りにくい雰囲気がしていた。
「紅葉殿?」
血相を変えた光頼が通りがかる。
「どうかしたのですか?」
「どうも、南方で何かあったようで……情報が不足していて……」
「明日、師岬に戻りますから、調べてきましょうか?」
「それはいけません。あ、いえ、あの地域なら離れているからいいでしょうけど、南に行こうとしないでください」
光頼の言葉から何かあったかということを感じ取る。
「南方からつながる道はあるんですよね?」
主な道ではないため、人が使っているということは光頼は聞いていないが不意に尋ねた。
「妖怪道程度ですね……人間は通れるか確認していません」
「そうですか……無理に調査なんていかないでくださいね」
「なんか、信用がないです」
紅葉は頬を膨らませた。松永の家臣が近くでせかすような視線を向けてくる。彼が部下でなく家の者といるのが珍しいと感じた。それと同時に、何かがあったと理解した。
しかし、光頼が言いたくないなら無理には言わせるつもりはない。
「あの、光頼殿も無茶しないでくださいね。あと、えと……もし、今の政治体制が変わるとして、どうしますか?」
別れ際に紅葉は問う。光頼はキョトンとする。
「そうですね……人々が平和に笑顔で過ごせるならいいのではないですか」
光頼は曖昧に答える。
紅葉はうなずいた。とっさの言葉だとしても、良い答えだったからだ。
「紅葉殿、都から離れる際は気を付けてくださいね」
「はい。魔導トラックの運転技術をばしばし磨きますよ!」
光頼と別れたとき、紅葉はその背中をじっと見つめていた。
翌日、紅葉は師岬に発つ。南方の状況が不安定さを増しているならば、道なき道を妖怪が通る危険性がある。
「状況を見極めなければなりません」
状況によっては、武具等の強化、私兵の強化などしないとならない。
ハンターには「警備の協力」の依頼を出しておいた。その人員も紅葉が到着後、順次来ることを願った。
●現状
ガン。
里に到着すると特に変わっているところは見えなかった。むしろ、今、紅葉が柵にぶつけたため、へこみができている。何度かぶつけているため、補強がなされていた。
大島の方から家臣がやってくる。
「宗主」
立ち話もあれだからと、陸の方で集会場に上がる。島に戻らないということは緊急を要することだと分かる。たぶん、立ち話でも知っていることではないかと思ったが、紅葉はおとなしく入った。
「山ありますよね?」
「ありますね」
「そこに黒い影がありまして……徐々に近づいてきています」
紅葉が目を見開く。
「山の道は妖怪の根城になっていたところにつながっていますよね? そうなると……ということで迂闊に砦から出て確認できません」
この里の防備は大江家と吉備家の一部と地域の有志でになっている。しかし、大江家と吉備家の者以外覚醒者や兵士はいない。
「ハンターにお手伝いをお願いしているので、見てこられます」
「宗主……先に行こうとしていますか」
「砦までですし、もし、妖怪討伐なら出ないとなりませんよ?」
紅葉の言葉に家臣はうなずいた。
「向こうに一応武具はあるのですね?」
「はい、弓など遠距離は狙えるものはおいてあります」
「分かりました」
紅葉は魔導トラックに乗って行こうとしたが、家臣が止める。砦にぶつけられたえたら困るということは黙っている。
そのため、しぶしぶ馬に乗っていったのだった。
砦は緊張感が漂っていた。紅葉が来たことで多少の安堵は漂う。
紅葉は見張り台に乗ると、軍用双眼鏡で見渡した。
「……え? あれ? 人ですか?」
近づいてきたということで形が明確になってきている。
「旗? まさか、あれは松永の? 光頼殿は濁していましたが、まさか弟さん? ……それに、地面にも空にも何かいます?」
紅葉は眉をしかめる。
「皆さん、救護の用意をお願いします。それと、弓を射られるものは準備を!」
紅葉は状況を見続ける。
「助けに行かないと……あの人たちが……」
紅葉は馬に向かう。それを誰もが止める。紅葉を単騎で行かせることは非常に危険であるのだ。だからと言って、状況を確認できない状況でそこに進める兵力はなかった。
リプレイ本文
●状況
ミオレスカ(ka3496)は状況を予期していた大江 紅葉(kz0163)に関心する。
「さすが紅葉さんです。ト……ハンターに依頼を出していたのは先見の明ですね」
つい「トラブル」と言いかけるが、状況を見ると冗談を言っている場合ではないと感じてとどめた。
レイア・アローネ(ka4082)は反対側に出る場所から見える範囲で状況をとらえる。
「紅葉は下がっていろ。人には役割というものがある。これは我々の役割だ!」
紅葉はハンターが来る直前までに分かっている状況を教える。避難してくる人たちの状況や数以外は現在見えているのと変わらない。目視できる位置より先にも人がいるということは分かった。
夢路 まよい(ka1328)は空を見上げる。
「教え処改め学校になってお勉強する側が主役っていい感じでいいね! て話どころじゃないよね。私は空から行くよ」
まよいは錬金杖を握りしめ、紅葉を見る。
「ありがとうございます。人を助け、妖怪を止めないとそれどころではありませんね」
紅葉はまよいに微笑んだ。
鹿東 悠(ka0725)は眉間にしわを寄せ、難しい表情をしている。
「大江さん、あなたちに逃亡者の誘導を願えますか? ただし、砦の外で治療をお願いします。本当に味方の難民か……わかりかねますからね」
悠が告げると、紅葉は眉をしかめる。しかし、悠が言わんとすることは理解するため反論しない。なお、悠は吉備家の兵には鳥型の敵の急襲の警戒を頼んだ。
エラ・“dJehuty”・ベル(ka3142)は双眼鏡で見る。
「私は地上対応を重視する」
サクラ・エルフリード(ka2598)がうなずく。
「私も敵と避難民の間に入ります」
ステラ・フォーク(ka0808)も状況や仲間の行動からどうするか告げる。
「わたくしも地上を中心に、避難をしてくる人を守るためにいきますね」
状況の確認が終わったハンターたちは出陣することになる。
「なら、空の敵はお二人にお任せします」
サクラが確認のために言うと、まよいとミオレスカが了解の旨を示す。砦でも兵が用心はするが、ハンターが止めきれれば一番いい。
「紅葉さん、通信は可能でしょうか? 私たちは少し前にでますので、様子が見えましたら連絡を願いします」
ミオレスカは紅葉に確認すると、荷物からトランシーバーを取り出していた。
一行は避難民を守るため、敵を殲滅するために乗っているモノ、スキルを発動する等すると一気に前に進んだ。
●空
悠はすぐに重魔導バイクを走らせた。距離がある上、敵が人を襲う寸前なため、まずは時間との戦いだった。
悠は到着すると、逃げている人たちの状況を確認する。そのあと、人から雑魔を引き離すために【ソウルトーチ】を使った。
「避難民は一応、ただの人に見えます。負のマテリアルが感じないからと言って敵でないとは言い切れない……」
負のマテリアルだけが敵味方を分けるとは限らない。人間同士でもめているならば陥れる為の何かがあるかもしれない。砦の向こうには戦えない人が多いのだから、用心は必要だ。
「疑い始めるときりはありませんが、雑魔がいることは事実……鳥が牽制、地上が追い立て役といったところですか? 意外と頭が回る指揮官がいる?」
イノシシ型雑魔に向かいながら悠は思案した。
まよいは空を飛び鳥雑魔との距離を詰める。
「うーん、まとまってくれているといいのだけど……ばらばらに来るね……」
まよいは【マジックフライト】の効果がどれだけ続くかを意識する。効果の及ぶ時間やホバリングはできないことを考えつつ攻撃を選ぶ。【マジックアロー】をアクセサリーに込められた力を使い、範囲にいるモノを狙う。
まよいが攻撃した後、地上からの矢が複数煌めく。
「【リトリビューション】! でも、変なところに落ちないでくださいね」
ミオレスカは呟く。地上を行く避難民の位置が明確ではないこともあり、少々不安はある。落ちた雑魔が地面にたたきつけられ消えるならばいいが。
まよいは雑魔が消えたのと落ちたのを確認した。
「お、落ちていくのもいるね。あ、でも、地面にたたきつけられているよ」
「ちょっと気がかりでしたが、ほっとしました。次に行きましょう」
まよいは声をミオレスカにかけてから地上の雑魔対応に向かった。
エラは【ランディングファイト】を用いて試作前線指揮用魔導二輪の移動力をあげる。悠のスキルもあり、雑魔の動きが変わる。
避難民に対しての不安よりも、まずは雑魔を討伐するほうが先だ。そして、先を見ると動けないものは遠くにいる状況だった。
「結構遠くまでいる」
砦から離れすぎるのも問題だ。紅葉たちが避難する人を連れて下がるとき、ハンターの目がなくなるのは問題だ。しかし、先に行くよりも近くで雑魔が追いついているところに対し攻撃を開始する。
それに続くようにステラとサクラが同様に避難民と雑魔の間に入ろうとしている。
「逃げている人たち、見たところ一般人に見えますが……悠さんの不安が外れるとよいのですけれども……」
サクラのつぶやきを耳にしたステラはうなずく。
「まずは少しでも引き離しますわ」
ステラは敵に向かって魔導銃を放ち、サクラは避難民との間に盾を持って入る。
「さあ、お前たちの相手は私たちです」
【金剛】を用い己の力を引き出し、【ジャッジメント】を用いて、避難民に敵を近づけさせないようにした。
撃たれた雑魔はステラに向かい、立ちふさがれた雑魔はサクラに向かう。
紅葉たちはハンターが出た後、砦を出る。
「いいですか、皆さんは私の側から離れてはいけませんよ」
「宗主、それはこちらのセリフっすよ?」
鬼が言うと誰もがうなずいた。避難している人たちのところに向かって急いだ。
レイアは紅葉たちが前に出るのに合わせた。仲間が先行しているため、雑魔たちは足止めされている状況だ。
「なら、私は先に行こう」
すでに戦端は開かれている。空にいた鳥雑魔が討たれるのは早かった。
「そこだな」
一番手前にいた避難民たちを守るために戦っているところに、【ソウルトーチ】を用い、回り込むように近づいたのだった。
近寄ってきた雑魔に対してサクラが【セイクリッドフラッシュ】を放つ。逃げきれなかったモノがふらつくくらいになっていた。そこにエラが【三散】を用いて三点の光で敵を穿つ。ステラのマテリアルを込めた魔導銃による攻撃により、敵は減る。
そこに近づいてくるのはレイアだった。より鮮明なマテリアルの印象に、雑魔たちは力を欲し向かい始める。
雑魔たちがまとまったことで、ハンターは攻撃がしやすくなったのだった。砦に近いところにいた数体は消えた。
悠は敵を引き付けつつ、どこを狙うべきが見渡した。
イノシシは数が多い問題はある。この雑魔の特徴は真っ直ぐ進むためか、追いかけてくる分には脅威であるが彼にとってはそこまで問題がある者ではなかった。避難民からそらしたということで、数を減らそうと行動しつつ、状況をうかがう。
「大きいのがいますね」
クマがいる、二頭。
「彼らを守るなら、最も嫌な相手ですね」
生きているクマを考えれば、体が大きい上にすばしっこい面があるからだ。追いついてきた場合強力な攻撃が向かうに違いない。
●地上
紅葉たちはようやく避難民のところに着いた。
鳥型の雑魔がいなくなったところで、ミオレスカが一旦合流する。
「動ける状況ですね? 大丈夫ですか」
ミオレスカは紅葉が周囲を見ていることを確認して、避難民に声をかける。
「ああ、でも、他の者が」
相手からの返答にミオレスカは言葉は通じていることにまずはほっとした。
「せめて、この方だけでも先に」
比較的怪我は浅い若者を怪我が重い中年の男が言う。
「駄目だ」
若者がきっぱり言う。
「この方々をまずは運びましょう。皆さんが伸び切っていますし……」
「そうなのです。避難している人が幅広くいますし、【ソウルトーチ】が効いているみたいですね」
紅葉に場を任せ、ミオレスカは前の者たちに合流するため移動した。
避難する人たちの進行具合がばらばらなため、戦場が伸び切っている。
エラは後方を気にはする。確実に敵は倒しているため後方に影響は出ていない。
「後ろに突破されないように確実に倒す」
それが最善であった。前にいるイノシシ型雑魔たちは幸いハンターの方を意識していた。
空からやってきたまよいは巻き込まれる仲間や物がないことを瞬時にとらえ、イノシシ型雑魔に対し魔法を紡ぐ。
「今のうちだよね。全て無に帰せ【ブラックホールカノン】!」
イノシシ型雑魔たちが巻き込まれた。
「焼き払え【延炎】!」
エラが放った機導術の炎が動きを止めていた敵を巻き込む。これで範囲が重なった敵は倒れる。
数体残っているところに、レイアが向かう。
「まだ攻撃は終わっていないぞ」
レイアが【衝撃波】を放ち、どちらかの攻撃からは外れていたモノたちのとどめを刺した。そのあと、彼女たちは前に向かった。
サクラは悠に追いた。そこには動けなくなっている人たちがいた為、サクラは盾を構えかばう。
「ここからは反撃です」
「そうですね。クマ雑魔に対処するために早々に片づけないといけません」
悠は前に出る。クマは二体いるため、【ソウルトーチ】で引き付けるならば、場所を変えないとならない。
「まずは【セイクリッドフラッシュ】です」
サクラが放った法術の後、悠の攻撃が敵を葬る。
後方から仲間が来る音がしていた。
ステラは避難する人を守るようにイノシシ雑魔に攻撃を仕掛ける。その時、流れ弾の影響が出る危険性を意識していた。きちんと狙ったとしても何が起こるかわからない。
避難する人達の怪我の重さは動くのがやっとだと分かる。そこに流れ弾や敵の動きが加わると一層危険が増してしまう。
「一応、本当に被害にあった人達のようですわね」
すれ違う時に感じたのはそれだった。
イノシシ雑魔は二度目の攻撃で一体倒す。すると近くにいたクマ雑魔がステラの方に向かってくる。それは威嚇してきた。
「その程度で怯えたりはしませんわ!」
ステラは冷静に対処して、攻撃を叩き込んだ。倒れる方向なども今度は意識しつつ狙うところと自分の位置を選んでいく。
クマ雑魔とステラが対峙している間にもう一体は悠に向かった。サクラはイノシシ雑魔を倒し切ったところで悠の近くに向かう。
その上、まよい、エラ、ミオレスカとレイアがクマ雑魔と対峙する者たちに合流した。そのため、クマ雑魔が討伐されるのに時間はかからなかった。
●無事
応急手当やサクラの【ヒーリングスフィア】で避難してきた人達は一息ついた。あくまで安静にしていれば治る程度になっただけであるが、ずいぶん辛さは違うだろう。
「ありがとうございます」
怪我が比較的軽かった若者が言う。
「あの、どういう状況だったのでしょうか? まだ、避難してくる人がいるのでしょうか?」
ミオレスカが応急手当をしつつ問う。
「分かりません」
彼が見たことは、噴火の後、妖怪があふれたこと。警備のためにいたが、自分たちの命が危険だと判断して生き残っていたもので撤退したこと。退路が断たれていたため、仕方がなく獣道であったが進んだという。
救援が必要だった人は多分もう死んでいるだろうという。逃げる間に傷を負ったり、彼を逃すためにしんがりに着いた者たちだった。
「私が、もっと、力があれば……」
若者が悔しそうに言う。
「都に連絡を入れます。お名前をうかがってよろしいですか?」
「松永 光月(みつき)と申します」
「……えっと、光頼殿の弟さん?」
紅葉は知り合いの松永 光頼の名を出した。
「ひょっとして、大江様ですか?」
光月は驚いた顔をした後、意識を失った。
レイアがその背を抑える。
「ほっとしたのだろうな」
レイアが彼の表情を見て告げる。そして、地面に一旦横たわらせる。
「負のマテリアルを感じたり、偽装しているようなこともないようだ」
エラが悠たちに耳打ちする。
「そうですね……杞憂で済んでよかったです」
悠は大きく息を吐いた。危惧していたのは、避難する人たちが偽装なことや背後に強い妖怪がいること。現在のところ何か現れるような様子はなかった。
「悠さんの心配が外れたとはいっても、あちらは続いているんですよね、妖怪が多いところに」
サクラは遠くの山を見る。近くに見えるが、乗り物がない状況で、ケガを負ってくるには相当の距離があるだろう。
「ここの防備は強化しないといけないんだよね? 学校より、こっちが優先だよね」
残念けれど仕方がないとまよいは言う。
「そうですね。こちらが優先です。まずは、ケガ人を運ばないといけませんね。魔導トラックを運んできましょう」
紅葉が自分で言いながら、出番だ、役目だと言わんばかりに立ち上がる。この瞬間、砦に緊張が走った。
「ま、待ってください。えっと、紅葉さんは別にもやることありますよね? 都への連絡とる……のは私たちが帰るときでいいですわね……警備強化等がありますし」
ステラが慌てて制止した。ハンターに目を走らせ「止めたほうがいいのですわよね?」と念のために確認を入れている。あれを知らない人はキョトンとしているが、ミオレスカが神妙にうなずいている。
「魔導トラックを壊したりはしませんから、こちらに貸していただければ、適宜応対します」
紅葉の目を見て、ミオレスカがしっかりと重い口調で言ったのだった。
この後、ハンターは手分けをして、砦の外を警戒とけが人を指定の場所に移動させることになったのだった。
ミオレスカ(ka3496)は状況を予期していた大江 紅葉(kz0163)に関心する。
「さすが紅葉さんです。ト……ハンターに依頼を出していたのは先見の明ですね」
つい「トラブル」と言いかけるが、状況を見ると冗談を言っている場合ではないと感じてとどめた。
レイア・アローネ(ka4082)は反対側に出る場所から見える範囲で状況をとらえる。
「紅葉は下がっていろ。人には役割というものがある。これは我々の役割だ!」
紅葉はハンターが来る直前までに分かっている状況を教える。避難してくる人たちの状況や数以外は現在見えているのと変わらない。目視できる位置より先にも人がいるということは分かった。
夢路 まよい(ka1328)は空を見上げる。
「教え処改め学校になってお勉強する側が主役っていい感じでいいね! て話どころじゃないよね。私は空から行くよ」
まよいは錬金杖を握りしめ、紅葉を見る。
「ありがとうございます。人を助け、妖怪を止めないとそれどころではありませんね」
紅葉はまよいに微笑んだ。
鹿東 悠(ka0725)は眉間にしわを寄せ、難しい表情をしている。
「大江さん、あなたちに逃亡者の誘導を願えますか? ただし、砦の外で治療をお願いします。本当に味方の難民か……わかりかねますからね」
悠が告げると、紅葉は眉をしかめる。しかし、悠が言わんとすることは理解するため反論しない。なお、悠は吉備家の兵には鳥型の敵の急襲の警戒を頼んだ。
エラ・“dJehuty”・ベル(ka3142)は双眼鏡で見る。
「私は地上対応を重視する」
サクラ・エルフリード(ka2598)がうなずく。
「私も敵と避難民の間に入ります」
ステラ・フォーク(ka0808)も状況や仲間の行動からどうするか告げる。
「わたくしも地上を中心に、避難をしてくる人を守るためにいきますね」
状況の確認が終わったハンターたちは出陣することになる。
「なら、空の敵はお二人にお任せします」
サクラが確認のために言うと、まよいとミオレスカが了解の旨を示す。砦でも兵が用心はするが、ハンターが止めきれれば一番いい。
「紅葉さん、通信は可能でしょうか? 私たちは少し前にでますので、様子が見えましたら連絡を願いします」
ミオレスカは紅葉に確認すると、荷物からトランシーバーを取り出していた。
一行は避難民を守るため、敵を殲滅するために乗っているモノ、スキルを発動する等すると一気に前に進んだ。
●空
悠はすぐに重魔導バイクを走らせた。距離がある上、敵が人を襲う寸前なため、まずは時間との戦いだった。
悠は到着すると、逃げている人たちの状況を確認する。そのあと、人から雑魔を引き離すために【ソウルトーチ】を使った。
「避難民は一応、ただの人に見えます。負のマテリアルが感じないからと言って敵でないとは言い切れない……」
負のマテリアルだけが敵味方を分けるとは限らない。人間同士でもめているならば陥れる為の何かがあるかもしれない。砦の向こうには戦えない人が多いのだから、用心は必要だ。
「疑い始めるときりはありませんが、雑魔がいることは事実……鳥が牽制、地上が追い立て役といったところですか? 意外と頭が回る指揮官がいる?」
イノシシ型雑魔に向かいながら悠は思案した。
まよいは空を飛び鳥雑魔との距離を詰める。
「うーん、まとまってくれているといいのだけど……ばらばらに来るね……」
まよいは【マジックフライト】の効果がどれだけ続くかを意識する。効果の及ぶ時間やホバリングはできないことを考えつつ攻撃を選ぶ。【マジックアロー】をアクセサリーに込められた力を使い、範囲にいるモノを狙う。
まよいが攻撃した後、地上からの矢が複数煌めく。
「【リトリビューション】! でも、変なところに落ちないでくださいね」
ミオレスカは呟く。地上を行く避難民の位置が明確ではないこともあり、少々不安はある。落ちた雑魔が地面にたたきつけられ消えるならばいいが。
まよいは雑魔が消えたのと落ちたのを確認した。
「お、落ちていくのもいるね。あ、でも、地面にたたきつけられているよ」
「ちょっと気がかりでしたが、ほっとしました。次に行きましょう」
まよいは声をミオレスカにかけてから地上の雑魔対応に向かった。
エラは【ランディングファイト】を用いて試作前線指揮用魔導二輪の移動力をあげる。悠のスキルもあり、雑魔の動きが変わる。
避難民に対しての不安よりも、まずは雑魔を討伐するほうが先だ。そして、先を見ると動けないものは遠くにいる状況だった。
「結構遠くまでいる」
砦から離れすぎるのも問題だ。紅葉たちが避難する人を連れて下がるとき、ハンターの目がなくなるのは問題だ。しかし、先に行くよりも近くで雑魔が追いついているところに対し攻撃を開始する。
それに続くようにステラとサクラが同様に避難民と雑魔の間に入ろうとしている。
「逃げている人たち、見たところ一般人に見えますが……悠さんの不安が外れるとよいのですけれども……」
サクラのつぶやきを耳にしたステラはうなずく。
「まずは少しでも引き離しますわ」
ステラは敵に向かって魔導銃を放ち、サクラは避難民との間に盾を持って入る。
「さあ、お前たちの相手は私たちです」
【金剛】を用い己の力を引き出し、【ジャッジメント】を用いて、避難民に敵を近づけさせないようにした。
撃たれた雑魔はステラに向かい、立ちふさがれた雑魔はサクラに向かう。
紅葉たちはハンターが出た後、砦を出る。
「いいですか、皆さんは私の側から離れてはいけませんよ」
「宗主、それはこちらのセリフっすよ?」
鬼が言うと誰もがうなずいた。避難している人たちのところに向かって急いだ。
レイアは紅葉たちが前に出るのに合わせた。仲間が先行しているため、雑魔たちは足止めされている状況だ。
「なら、私は先に行こう」
すでに戦端は開かれている。空にいた鳥雑魔が討たれるのは早かった。
「そこだな」
一番手前にいた避難民たちを守るために戦っているところに、【ソウルトーチ】を用い、回り込むように近づいたのだった。
近寄ってきた雑魔に対してサクラが【セイクリッドフラッシュ】を放つ。逃げきれなかったモノがふらつくくらいになっていた。そこにエラが【三散】を用いて三点の光で敵を穿つ。ステラのマテリアルを込めた魔導銃による攻撃により、敵は減る。
そこに近づいてくるのはレイアだった。より鮮明なマテリアルの印象に、雑魔たちは力を欲し向かい始める。
雑魔たちがまとまったことで、ハンターは攻撃がしやすくなったのだった。砦に近いところにいた数体は消えた。
悠は敵を引き付けつつ、どこを狙うべきが見渡した。
イノシシは数が多い問題はある。この雑魔の特徴は真っ直ぐ進むためか、追いかけてくる分には脅威であるが彼にとってはそこまで問題がある者ではなかった。避難民からそらしたということで、数を減らそうと行動しつつ、状況をうかがう。
「大きいのがいますね」
クマがいる、二頭。
「彼らを守るなら、最も嫌な相手ですね」
生きているクマを考えれば、体が大きい上にすばしっこい面があるからだ。追いついてきた場合強力な攻撃が向かうに違いない。
●地上
紅葉たちはようやく避難民のところに着いた。
鳥型の雑魔がいなくなったところで、ミオレスカが一旦合流する。
「動ける状況ですね? 大丈夫ですか」
ミオレスカは紅葉が周囲を見ていることを確認して、避難民に声をかける。
「ああ、でも、他の者が」
相手からの返答にミオレスカは言葉は通じていることにまずはほっとした。
「せめて、この方だけでも先に」
比較的怪我は浅い若者を怪我が重い中年の男が言う。
「駄目だ」
若者がきっぱり言う。
「この方々をまずは運びましょう。皆さんが伸び切っていますし……」
「そうなのです。避難している人が幅広くいますし、【ソウルトーチ】が効いているみたいですね」
紅葉に場を任せ、ミオレスカは前の者たちに合流するため移動した。
避難する人たちの進行具合がばらばらなため、戦場が伸び切っている。
エラは後方を気にはする。確実に敵は倒しているため後方に影響は出ていない。
「後ろに突破されないように確実に倒す」
それが最善であった。前にいるイノシシ型雑魔たちは幸いハンターの方を意識していた。
空からやってきたまよいは巻き込まれる仲間や物がないことを瞬時にとらえ、イノシシ型雑魔に対し魔法を紡ぐ。
「今のうちだよね。全て無に帰せ【ブラックホールカノン】!」
イノシシ型雑魔たちが巻き込まれた。
「焼き払え【延炎】!」
エラが放った機導術の炎が動きを止めていた敵を巻き込む。これで範囲が重なった敵は倒れる。
数体残っているところに、レイアが向かう。
「まだ攻撃は終わっていないぞ」
レイアが【衝撃波】を放ち、どちらかの攻撃からは外れていたモノたちのとどめを刺した。そのあと、彼女たちは前に向かった。
サクラは悠に追いた。そこには動けなくなっている人たちがいた為、サクラは盾を構えかばう。
「ここからは反撃です」
「そうですね。クマ雑魔に対処するために早々に片づけないといけません」
悠は前に出る。クマは二体いるため、【ソウルトーチ】で引き付けるならば、場所を変えないとならない。
「まずは【セイクリッドフラッシュ】です」
サクラが放った法術の後、悠の攻撃が敵を葬る。
後方から仲間が来る音がしていた。
ステラは避難する人を守るようにイノシシ雑魔に攻撃を仕掛ける。その時、流れ弾の影響が出る危険性を意識していた。きちんと狙ったとしても何が起こるかわからない。
避難する人達の怪我の重さは動くのがやっとだと分かる。そこに流れ弾や敵の動きが加わると一層危険が増してしまう。
「一応、本当に被害にあった人達のようですわね」
すれ違う時に感じたのはそれだった。
イノシシ雑魔は二度目の攻撃で一体倒す。すると近くにいたクマ雑魔がステラの方に向かってくる。それは威嚇してきた。
「その程度で怯えたりはしませんわ!」
ステラは冷静に対処して、攻撃を叩き込んだ。倒れる方向なども今度は意識しつつ狙うところと自分の位置を選んでいく。
クマ雑魔とステラが対峙している間にもう一体は悠に向かった。サクラはイノシシ雑魔を倒し切ったところで悠の近くに向かう。
その上、まよい、エラ、ミオレスカとレイアがクマ雑魔と対峙する者たちに合流した。そのため、クマ雑魔が討伐されるのに時間はかからなかった。
●無事
応急手当やサクラの【ヒーリングスフィア】で避難してきた人達は一息ついた。あくまで安静にしていれば治る程度になっただけであるが、ずいぶん辛さは違うだろう。
「ありがとうございます」
怪我が比較的軽かった若者が言う。
「あの、どういう状況だったのでしょうか? まだ、避難してくる人がいるのでしょうか?」
ミオレスカが応急手当をしつつ問う。
「分かりません」
彼が見たことは、噴火の後、妖怪があふれたこと。警備のためにいたが、自分たちの命が危険だと判断して生き残っていたもので撤退したこと。退路が断たれていたため、仕方がなく獣道であったが進んだという。
救援が必要だった人は多分もう死んでいるだろうという。逃げる間に傷を負ったり、彼を逃すためにしんがりに着いた者たちだった。
「私が、もっと、力があれば……」
若者が悔しそうに言う。
「都に連絡を入れます。お名前をうかがってよろしいですか?」
「松永 光月(みつき)と申します」
「……えっと、光頼殿の弟さん?」
紅葉は知り合いの松永 光頼の名を出した。
「ひょっとして、大江様ですか?」
光月は驚いた顔をした後、意識を失った。
レイアがその背を抑える。
「ほっとしたのだろうな」
レイアが彼の表情を見て告げる。そして、地面に一旦横たわらせる。
「負のマテリアルを感じたり、偽装しているようなこともないようだ」
エラが悠たちに耳打ちする。
「そうですね……杞憂で済んでよかったです」
悠は大きく息を吐いた。危惧していたのは、避難する人たちが偽装なことや背後に強い妖怪がいること。現在のところ何か現れるような様子はなかった。
「悠さんの心配が外れたとはいっても、あちらは続いているんですよね、妖怪が多いところに」
サクラは遠くの山を見る。近くに見えるが、乗り物がない状況で、ケガを負ってくるには相当の距離があるだろう。
「ここの防備は強化しないといけないんだよね? 学校より、こっちが優先だよね」
残念けれど仕方がないとまよいは言う。
「そうですね。こちらが優先です。まずは、ケガ人を運ばないといけませんね。魔導トラックを運んできましょう」
紅葉が自分で言いながら、出番だ、役目だと言わんばかりに立ち上がる。この瞬間、砦に緊張が走った。
「ま、待ってください。えっと、紅葉さんは別にもやることありますよね? 都への連絡とる……のは私たちが帰るときでいいですわね……警備強化等がありますし」
ステラが慌てて制止した。ハンターに目を走らせ「止めたほうがいいのですわよね?」と念のために確認を入れている。あれを知らない人はキョトンとしているが、ミオレスカが神妙にうなずいている。
「魔導トラックを壊したりはしませんから、こちらに貸していただければ、適宜応対します」
紅葉の目を見て、ミオレスカがしっかりと重い口調で言ったのだった。
この後、ハンターは手分けをして、砦の外を警戒とけが人を指定の場所に移動させることになったのだった。
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依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 鹿東 悠(ka0725) 人間(リアルブルー)|32才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/11/28 02:21:18 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/11/27 23:36:51 |