涙の城

マスター:松尾京

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2015/01/07 12:00
完成日
2015/01/14 20:54

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●暴虐
 目の前で村が滅ぼされるというのは、どのような気分だろうか。
 ある日突然現れたその一団は、殺し、喰い、盗み、暴虐の限りを尽くした。
 後に残ったのは、地面に散らばる死体。空になった食糧庫。荒らされた田畑。腐臭と、生きた人間のいなくなった静けさ。
 全てを奪ったその一団は、やりたいことをやりたいだけやると、残った金品や武器などを、あらかた略奪して、去った。
 圧倒的な力の雪崩。村人が反抗する隙など、有りはしなかった。
 それは、驚くほど短い時間でのことだった。
 そうして全てが終わってしまった。
 人間などは決して敵わぬ力を持った一団に、村の人びとは、みすみす殺されてしまった。

 その様子を、森から戻ってきた猟師のパトリクは――
 物陰に隠れて、涙と鼻水を垂らしながら、ただただ見つからないように、震えて見ていることしかできなかった。

●生き残った男
 家族がいた。親友がいた。仲間がいた。
 村の人間が殺されるのを、パトリクは何とも思わなかったわけではない。
 ただ、足が動かなかった。
 自分が出て行っても、どうせ殺される。
 そんな恐怖と諦念が、パトリクを物陰にひたすら縛り付けた。
 そうして、全てが終わってしまった。
 ふらふらと、生きたもののいなくなった村に入ったパトリクは……物言わぬ死体の中で、一人、むせび泣いた。
「ごめんよ……ごめんよ」
 そうしてひとしきり泣いたあと、パトリクは――ゆっくりと立ち上がる。
 もう、遅い。全ては終わった。
 でも、最後に、やらなければいけないことがあった。
 村人を殺し尽くした一団は、誰も近寄らぬと言う、あの山へと去っていったのだ。

●一団
 村々を滅ぼすゴブリンの一団のことは、近くの村の間でも、恐怖の対象として話題に上っていた。
 風のように現れて、力で全てをねじ伏せる。
 そうして、また何事も無かったかのように去っていく。
 ジャイアントやコボルドをも手下として使い、強力な戦闘力を持つという。
 そんな狡猾な知能を持ったゴブリンが、人にはそうそう見つからない場所をアジトにして、略奪を繰り返しているという噂だった。
 だから、誰にも知られていなかった恐怖の一団の、アジトを突き止められれば――きっと、自分が生きている意味があったと思えると、パトリクは考えたのだ。
 一団はきっと、略奪した後は、アジトへ戻る。
 今から後をつければ、それは不可能ではないはずだった。
 ――そして、切り立った崖ばかりで危険視され、人びとが寄りつかぬ西の山の中に。
 パトリクは、ゴブリンのアジトの姿を見た。

●贖罪
 崖に囲まれた湖の中の高台。自然に守られたそこに、ゴブリンのアジトはあった。
 パトリクは喜んで、アジトまでの道のりと概略図をメモに残した。
 これで意味があったのだと……。
 そのとき、アジトの方で、騒ぎが持ち上がったのが見えた。
 木に隠れていたのに……今度ばかりは、パトリクは、見つかってしまったのだ。
 斥候のコボルドが追ってくる。パトリクは、それから必死で逃げた。
 命が惜しかったわけではない。この地図を、本当に力の持った人間に渡さない限りは、死ねないと思っただけだ。
 山を走り降りる。その間、コボルドに追いつかれ、剣で切られ、槍で突かれた。
 血まみれになりながら、それでもパトリクは止まらなかった。
 そして崖から転げ落ちるようにコボルドからも逃れ、とうとうパトリクは、人里にたどり着いた。
 その頃にはもう、足は動かなかったけれど。
 通りすがりの人間に、途切れた声で言った。
「これ……を……。強い、人……ハンター、に――」
 それがパトリクの最期の言葉だった。その目からは、涙が溢れていた。

リプレイ本文

●霧の要塞
 六人は南北に分かれ、森からアジトをにらんでいた。
 その南側。霧の先に、アジトのかがり火が浮かぶの見ながら――柊 紅葉(ka3799)は北からの連絡を受けていた。
「わかりました。それじゃあ、こちらからはじめさせてもらいますね」
 伝話を降ろし――そして目を仲間に向ける。作戦開始の合図だ。
「では……私がまず……火をつけますね」
 Luegner(ka1934)が静かに道に出る。たいまつを地に刺し点火すると木の陰に戻った。
「これで、向こうが明かりに気付くのも時間の問題だろうな」
 クローディア(ka3392)は振動刀を握り、臨戦態勢で待ち構えている。
 すると遠くでたいまつが揺らめき、ゆっくりとこちらに近づいてくるのが見えた。おそらくは、斥候。
 それを待ちながら、紅葉は何とはなしに言っていた。
「それにしても、攻城戦なんて面倒なことこの上ないですね~」
 戦闘を目の前にして、緊張もなく。マイペースに仕事をこなす顔がそこにはあった。反してLuegnerは物思いながら霧を見つめる。
「最後の思いが……恨みであったとは……考えたくないですね……」
「彼や村のことは、今となっては私たちにはわからない。今できるのは――敵を殲滅することだけだ」
 答えたクローディアの言葉は、静かだ。ただ、心まで圧するかのような空気が、覚醒によって生まれていた。
 そして、アジトからやってきた影は、森の手前まで来た。
 コボルドが、一匹。地に刺さるたいまつに不審な面持ちを浮かべていた。
 と、森から光が瞬く。紅葉が暗闇から光らせているLEDライトだ。
 コボルドは、剣を構えつつも森にひた、と入ってきて――
 どうっ! 背後からの銃弾に転げた。覚醒によって銀の髪を輝かせる――Luegnerの攻撃だ。
 ギャギャッ、と立ち上がり、剣をがむしゃらに振るうが、狙いも定めずにあたらない。
 ざんっ、とその背にとどめの刺突を放ったのは、紅葉だった。

 北側では、それから少し時間をおいて作戦を開始した。
 仁川 リア(ka3483)は、霧の先を見据えていた。
 自分も、両親を殺された。それを思い、表情が引き締まっていた。
「……許せないよ、本当に」
「ふむ、必ず、仕留めて見せようのう」
 星輝 Amhran(ka0724)は、獲物を前にしたかのような笑みを浮かべ……ランプを取り出す。リアのランタンも合わせ、不審な明かりを作り上げた。
 ほどなく、一つのたいまつの明かりが、アジトから向かってきた。
「背の高さから見ると、コボルドか。――さて。復讐タイム、だね」
 黄金の翼のようなオーラを発するリア。
 星輝が出ようとすると、瀬織 怜皇(ka0684)が星輝の前で神楽鈴を構えていた。髪と瞳の色を変化させ、周囲に蒼き龍の幻影を浮かべている。
「キララ。まずは、俺が、やりますよ」
「……ふうむ。将来の義弟候補殿は、頼もしいのぅ?」
 星輝の呟きが怜皇に聞こえたかは定かでないが……ともかくコボルドは森までやってきて、周囲を見回しはじめた。
 それを後ろから強襲される。怜皇の、近接攻撃だ。しゃん、という音と共に攻撃を受けたコボルドは慌てて振り返る、が、闇に狙いは定まらない。怜皇の続けての打撃に、あっけなく絶命した。
 わずか一匹のコボルドの死体に、怜皇は少し考える。
「これだと、まだ斥候を排除したとは言い難い、ですね」
 リアが伝話で連絡をすると、南にも現れたのは一匹だけらしい。
 ここで突入する手もあるが……伝話から、紅葉が言った。
「斥候がやられた、とまで思うには時間があると思います。少し待ちましょう」
 すると、その言葉通り。北の道に、また、動く明かりが現れた。

●接近
 明かりは、慌てているようではない。おそらく、コボルドの様子を確認しに来たというところだろう。
 ただ、このとき霧から現れたのは――巨体。棍棒を持ったジャイアントだ。
「これは、連携していった方がいいであろうのう」
 星輝は体に黒い昇竜の刻印を浮かべる。取り巻く霧にできる影は、さながら天女舞だ。
 そのままジャイアントの足元に飛び込むと……攻撃する間も与えず、部位狙いで脚を切り裂いた。
 ゴアアッ! 巨人は大声を上げる。よろめきながら星輝を狙うが、挑発するような鈴の音が響く。怜皇だ。
「……そっちじゃなくて、こっち、ですよ!」
 顔を向けるジャイアントに接近。星輝が痛めつけた場所を追撃した。
 悲鳴を上げながらも、ジャイアントは間近の怜皇に、棍棒をたたき込む。
 ずん、と直撃を受ける怜皇。だが――ダメージは、信じられないほどに浅い。何か、温かい祈りのようなものが痛みを和らげた感覚だった。
「隙だらけだよ」
 その巨体に、リアが太刀での斬撃を見舞う。それでジャイアントは動かなくなった。

 南側。予想通り、アジトから斥候の第二陣が来た。
 背の低い影が持った明かり、三つ。コボルドだ。
 たいまつの周辺をうろつく三匹を、紅葉が同様に森に引き込む。
 注意深く森に入るコボルドを、最初に襲ったのは――クローディアだった。
「遅いな、亜人」
 暗闇から振りかぶった振動刀が、コボルドの背を一閃。両断するように、一撃で倒した。
 二匹のコボルドは、ギャギャッ! と慌てる。
 一匹がクローディアに向くが、紅葉が背後から太刀を突き刺した。コボルドは血を流しながらも紅葉に向いて、槍を突き出すが――紅葉は巧みに木を盾にし、通さない。
 紅葉は正面から、刺突。心臓を貫かれたコボルドは倒れた。
 Luegnerは残る一匹に銃を突きつけていた。
「この一匹を帰し……さらなる増援を呼び込む手も……あるかと思いますが……」
 ジャイアントがこちらに来ていないことを鑑みての言葉だ。
 紅葉は伝話での連絡をしながら言う。
「確かに、北側ではジャイアントも出てきたようなので、さらなるおびき寄せは有効かも知れませんね……」
 ただ、向こうも最低限の見張りは保つつもりである可能性はあった。
 皆で北側と相談し……その結果、敵に気付かれぬうちに突入することに決まった。
 三人は早々に北側と息を合わせ――霧の中、アジトへと踏み出した。

 霧の道を、音を立てないようにアジトへ、駆ける。
 南側の三人は、気付かれることなくアジトの近くまで来ていた。北と連絡を取り合い、突入の息を整えるが――
 ずざざざっ、と矢の雨が降り注ぐ。
「さすがに、この距離では気付かれてしまいますか」
 紅葉が見上げると、霧に阻まれながらも、高台のかがり火が近くに見えた。
 そして正面から低いうめき声。一匹のジャイアントが門を守っていた。
 矢と、巨人の二段構えだが――
 紅葉の行動は機敏だった。ひもで括ったライトを、横へ投げる。
 すると、矢がそちらに集中した。それを機に、三人は一気に前進していた。
 紅葉とLuegnerが、素速くそれぞれの銃でジャイアントを狙撃。ひるんだジャイアントをクローディアの熾烈な斬撃が襲った。
 ジャイアントは瀕死になりながらも、棍棒を振り回した。ごっ、と悪視界の中、それがクローディアを直撃する。だが――彼女自身も驚く程にダメージは少ない。
 大切な何かに守れているかのような思いが、ふと胸に生まれていた。
 ジャイアントの懐で、クローディアは一歩も引かない。
「おまえは、死ぬんだ」
 渾身撃が巨人の腹を貫き、息絶えさせた。
 三人の前に、霧の要塞の入口が、開いた。

●突入
 北側の三人は、道を一気に登坂していた。進みは遅いが距離は短く、ほどなくアジトの大きな影を目の前にした。
 と、北から回ってきたのか……正面にジャイアントが一匹見えた。同時に、空から矢が強襲する。
 その一本が星輝めがけて飛んでくるが――マテリアルの光がその衝撃をはじき飛ばす。
 怜皇の防御障壁だ。
 怜皇は自らもムーバブルシールドで矢を防ぐ。ジャイアントはリアに近づいて棍棒を振り下ろす、が、リアは立体的な動きでかわした。
「っと、今は倒れるわけにはいかないんだよね!」
 太刀での反撃をたたき込んだ。だが、巨人はまだ倒れない。
 大きく棍棒を突き出し、次に狙ったのは星輝だったが……またもそこに滑り込んだのは怜皇だった。身代わりになり、棍棒を受ける。
「……キララは何としてでも、護ります!」
「レオ――その行動には、報いねばならんのう」
 星輝は前に出て、低い姿勢からジャイアントを、切り上げた。
 続けざまにリアが横一閃。倒れた巨人に神楽鈴でとどめを刺したのは、怜皇だった。
「道が、開きました、ね」
 そのままジャイアントを乗り越え、三人は入口から、アジト内部へ。
 南側の三人の声も聞こえた。突入は、成功だ。

 アジトへ侵入すると――亜人たちの混乱したような声が、つんざいた。
 内部は、薄明るい。全体に屋根があるわけではないが、霧も薄かった。
 後は――敵を殲滅させるのみ。一堂に会した六人は、それぞれの役割へと、散った。
「ここから、総力戦、ですね」
 北から入った怜皇の目についたのは――コボルドとジャイアントの二匹。
 怜皇は即座に、直線上にいるコボルドに機導砲。その命までもをつらぬいた。
 ジャイアントは驚き、振り返るが……そこを背後から銃弾が襲った。
 南から入ったLuegnerである。守りの強みを生かして間近での銃撃をしていた。
「もう……諦めては……どうでしょう」
 グォアッ! とジャイアントはLuegnerへの反撃に出る。
 だがその前にさらなる射撃が巨体を穿った。離れた位置で、紅葉が拳銃を構えていた。
「私は、後方から援護させてもらいますね」
 紅葉の銃弾は、エイミングにより狙い違わず急所にあたっていた。ジャイアントはそのまま倒れ込む。
 クローディアは、高台へのはしごを破壊、ゴブリンを容易に降りられなくさせていた。
「南側は、ここだけか。……そちらはどうだ?」
「こっちも今、壊した――よっ」
 折れて崩れる北側のはしごをよけているのは、リアだ。
 すると、頭上のゴブリンたちがにわかに騒ぎ出す。状況の不利をはじめて悟ったようだ。
 高台から外へは落差がありすぎる。こうなると中に飛び降りてくるしかなかった。
 だが、そうなればいい的だった。
 中には転げて体勢すら整わないゴブリンもいた。その胸部を、ずん! とクローディアの刀が刺し貫いていた。
 リアも、反対側で近くに飛び降りてきたゴブリンを相手にしていたが……そこで、ギャギャギャッ、と声を上げるゴブリンがいるのに気付いた。
 入口にワイヤートラップをしかけていた星輝も、目を向ける。
 物陰に潜んでいたようだが、状況が悪くなったのに気付いて、指示を飛ばしだした一匹のゴブリン。まわりより装備も上物だった。
 星輝はにたりと、凄絶に笑った。
「……ほう」

●静寂
 一目でわかった。それが、ここのリーダーだと。
 そのゴブリンは壁際から、自分も逃げる隙をうかがっているようだった。
「――させないよ」
 リアが、瞬脚で素速く近づいた。敵はすぐに察知したが……それでもリアが速い。
 スラッシュエッジを袈裟懸けにたたき込まれると壁に激突する。
 リアは追撃しようとした。が――そこで、目にも留まらぬ斬撃を喰らった。
「くっ――!」
 リーダーのゴブリンは……鋭い剣を、二刀流で使っていた。ぽた、と刃先から血が落ちる。
 が、そのゴブリンに、逆側からもスラッシュエッジが切り裂いた。二刀流の一本が、落ちる。
 ひたひたと近寄るのは、星輝だ。
「ヌシが頭かや? 少々、行いが過ぎたようじゃの」
 リーダーのゴブリンは、そこではじめて焦りを浮かべた。
 敵の恐ろしさを、はじめて感じたかのように。
「一人の男が幾多の人の恨み辛みを背負い、最後には貴様らの死を望んで絶命したそうじゃ。呪いは強い。幾多の魂が織りなす強く、黒い希望の祈りじゃ」
 星輝は刀を突きつけ、リアと同時に敵を挟む。
「その呪いが今、貴様らに輪廻してきたのじゃ! わしらは言うなれば、限りなく清浄なる黒き祈りの執行を賜って参った。――楽に死ねると思うでないぞ」
 殺意をみなぎらせ、再びスラッシュエッジ。逆側にリアがいるので、逃れられない。
 リアが浮かべるのは、無慈悲なものに対する怒りだ。
「――君に教えてあげるよ……目の前で仲間も友達も殺される悲しみを。何も出来なかった悔しさを!!」
 ほぼ同時に、リアもスラッシュエッジを放つ。猛烈な攻撃を連続でその身に受け、甲高い悲鳴と共に、ゴブリンは息絶えた。

 指示を受けたゴブリンたちの多くは、逃げ出そうとしていた。
 その一匹が北側出口に走るが――星輝のワイヤートラップに引っかかり、倒れた。
 首から血を流しながらも這うゴブリンだが……そこをLuegnerが銃撃する。
 ギャッ、ともんどり打ったゴブリンは、息絶え絶えになりながらも外を目指すが……伸ばした腕を、今度はクローディアが突き刺した。
 出口を塞ぐように前に回ると……クローディアは、その脳天に刀を振り下ろした。
 それは、少なからず敵の士気に影響を与えるであろう光景だった。
「……こんなに無慈悲で血の匂いのする女でも、一緒にいてくれますか? 」
 クローディアは、誰にも聞こえない声で、ぽつりと呟いていた。
 と、そこで星輝がリーダーの首を取り喧伝した。残りのゴブリンは色めき立ち、統制を欠いて右往左往しだした。
 ハンターは、冷静だ。南の入口も、後方の紅葉がしっかりと見張っていた。
「頭脳を失った敵はもう、怖くないですね」
 言いながら、確実にゴブリンを撃ってゆく。敵味方がそれぞれに動く中でも狙いを逃さず――敵の武器を狙って、跳弾。
 予想外の方向から撃たれたゴブリンは、自分を襲ったものの正体もわからず、死んだ。
 両方の出口がふさがり、がむしゃらに逃げ回るゴブリンは……略奪した荷を台にして、屋根へと飛び出そうとした。そこを、一条の光が捕らえた。
「……逃がしは、しません、よ」
 怜皇の、機導砲。浅ましい行いを繰り返してきた亜人は、最後には浄化されるかのように、マテリアルのエネルギーの餌食となった。
 それを境にアジトは静かになった。
 敵が、全滅したのだ。
「やっと、終わりましたね~」
 紅葉の言葉に、皆も息をつく。
 そこに残ったのは、略奪された品々と、暴虐の一団の無残な亡骸。
 Luegnerは何かを思うように、空を見上げて呟いていた。
「最後の思いが……村の皆への謝罪であったのなら……新たな被害者がもういなくなることを……皆に伝えに行ってください……それは間違いなく……あなたの行いに連なる結果なのですから……」
 霧の要塞は、静寂に包まれていた。
 きっと、気のせいであろう。
 そのときほんの少しだけ、空の霧が晴れたようだったのは。

依頼結果

依頼成功度大成功
面白かった! 6
ポイントがありませんので、拍手できません

現在のあなたのポイント:-753 ※拍手1回につき1ポイントを消費します。
あなたの拍手がマスターの活力につながります。
このリプレイが面白かったと感じた人は拍手してみましょう!

MVP一覧

重体一覧

参加者一覧

  • 聖なる焔預かりし者
    瀬織 怜皇(ka0684
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • 【魔装】の監視者
    星輝 Amhran(ka0724
    エルフ|10才|女性|疾影士
  • 私の話を聞きなさい
    Luegner(ka1934
    人間(蒼)|18才|女性|闘狩人
  • 角折の銀瞳
    クローディア(ka3392
    人間(紅)|16才|女性|闘狩人
  • 大地の救済者
    仁川 リア(ka3483
    人間(紅)|16才|男性|疾影士

  • 柊 紅葉(ka3799
    人間(蒼)|17才|女性|猟撃士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/01/04 19:21:53
アイコン 相談卓
星輝 Amhran(ka0724
エルフ|10才|女性|疾影士(ストライダー)
最終発言
2015/01/06 11:09:02