ゲスト
(ka0000)
涙の城
マスター:松尾京

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/01/07 12:00
- リプレイ完成予定
- 2015/01/16 12:00
オープニング
●暴虐
目の前で村が滅ぼされるというのは、どのような気分だろうか。
ある日突然現れたその一団は、殺し、喰い、盗み、暴虐の限りを尽くした。
後に残ったのは、地面に散らばる死体。空になった食糧庫。荒らされた田畑。腐臭と、生きた人間のいなくなった静けさ。
全てを奪ったその一団は、やりたいことをやりたいだけやると、残った金品や武器などを、あらかた略奪して、去った。
圧倒的な力の雪崩。村人が反抗する隙など、有りはしなかった。
それは、驚くほど短い時間でのことだった。
そうして全てが終わってしまった。
人間などは決して敵わぬ力を持った一団に、村の人びとは、みすみす殺されてしまった。
その様子を、森から戻ってきた猟師のパトリクは――
物陰に隠れて、涙と鼻水を垂らしながら、ただただ見つからないように、震えて見ていることしかできなかった。
●生き残った男
家族がいた。親友がいた。仲間がいた。
村の人間が殺されるのを、パトリクは何とも思わなかったわけではない。
ただ、足が動かなかった。
自分が出て行っても、どうせ殺される。
そんな恐怖と諦念が、パトリクを物陰にひたすら縛り付けた。
そうして、全てが終わってしまった。
ふらふらと、生きたもののいなくなった村に入ったパトリクは……物言わぬ死体の中で、一人、むせび泣いた。
「ごめんよ……ごめんよ」
そうしてひとしきり泣いたあと、パトリクは――ゆっくりと立ち上がる。
もう、遅い。全ては終わった。
でも、最後に、やらなければいけないことがあった。
村人を殺し尽くした一団は、誰も近寄らぬと言う、あの山へと去っていったのだ。
●一団
村々を滅ぼすゴブリンの一団のことは、近くの村の間でも、恐怖の対象として話題に上っていた。
風のように現れて、力で全てをねじ伏せる。
そうして、また何事も無かったかのように去っていく。
ジャイアントやコボルドをも手下として使い、強力な戦闘力を持つという。
そんな狡猾な知能を持ったゴブリンが、人にはそうそう見つからない場所をアジトにして、略奪を繰り返しているという噂だった。
だから、誰にも知られていなかった恐怖の一団の、アジトを突き止められれば――きっと、自分が生きている意味があったと思えると、パトリクは考えたのだ。
一団はきっと、略奪した後は、アジトへ戻る。
今から後をつければ、それは不可能ではないはずだった。
――そして、切り立った崖ばかりで危険視され、人びとが寄りつかぬ西の山の中に。
パトリクは、ゴブリンのアジトの姿を見た。
●贖罪
崖に囲まれた湖の中の高台。自然に守られたそこに、ゴブリンのアジトはあった。
パトリクは喜んで、アジトまでの道のりと概略図をメモに残した。
これで意味があったのだと……。
そのとき、アジトの方で、騒ぎが持ち上がったのが見えた。
木に隠れていたのに……今度ばかりは、パトリクは、見つかってしまったのだ。
斥候のコボルドが追ってくる。パトリクは、それから必死で逃げた。
命が惜しかったわけではない。この地図を、本当に力の持った人間に渡さない限りは、死ねないと思っただけだ。
山を走り降りる。その間、コボルドに追いつかれ、剣で切られ、槍で突かれた。
血まみれになりながら、それでもパトリクは止まらなかった。
そして崖から転げ落ちるようにコボルドからも逃れ、とうとうパトリクは、人里にたどり着いた。
その頃にはもう、足は動かなかったけれど。
通りすがりの人間に、途切れた声で言った。
「これ……を……。強い、人……ハンター、に――」
それがパトリクの最期の言葉だった。その目からは、涙が溢れていた。
目の前で村が滅ぼされるというのは、どのような気分だろうか。
ある日突然現れたその一団は、殺し、喰い、盗み、暴虐の限りを尽くした。
後に残ったのは、地面に散らばる死体。空になった食糧庫。荒らされた田畑。腐臭と、生きた人間のいなくなった静けさ。
全てを奪ったその一団は、やりたいことをやりたいだけやると、残った金品や武器などを、あらかた略奪して、去った。
圧倒的な力の雪崩。村人が反抗する隙など、有りはしなかった。
それは、驚くほど短い時間でのことだった。
そうして全てが終わってしまった。
人間などは決して敵わぬ力を持った一団に、村の人びとは、みすみす殺されてしまった。
その様子を、森から戻ってきた猟師のパトリクは――
物陰に隠れて、涙と鼻水を垂らしながら、ただただ見つからないように、震えて見ていることしかできなかった。
●生き残った男
家族がいた。親友がいた。仲間がいた。
村の人間が殺されるのを、パトリクは何とも思わなかったわけではない。
ただ、足が動かなかった。
自分が出て行っても、どうせ殺される。
そんな恐怖と諦念が、パトリクを物陰にひたすら縛り付けた。
そうして、全てが終わってしまった。
ふらふらと、生きたもののいなくなった村に入ったパトリクは……物言わぬ死体の中で、一人、むせび泣いた。
「ごめんよ……ごめんよ」
そうしてひとしきり泣いたあと、パトリクは――ゆっくりと立ち上がる。
もう、遅い。全ては終わった。
でも、最後に、やらなければいけないことがあった。
村人を殺し尽くした一団は、誰も近寄らぬと言う、あの山へと去っていったのだ。
●一団
村々を滅ぼすゴブリンの一団のことは、近くの村の間でも、恐怖の対象として話題に上っていた。
風のように現れて、力で全てをねじ伏せる。
そうして、また何事も無かったかのように去っていく。
ジャイアントやコボルドをも手下として使い、強力な戦闘力を持つという。
そんな狡猾な知能を持ったゴブリンが、人にはそうそう見つからない場所をアジトにして、略奪を繰り返しているという噂だった。
だから、誰にも知られていなかった恐怖の一団の、アジトを突き止められれば――きっと、自分が生きている意味があったと思えると、パトリクは考えたのだ。
一団はきっと、略奪した後は、アジトへ戻る。
今から後をつければ、それは不可能ではないはずだった。
――そして、切り立った崖ばかりで危険視され、人びとが寄りつかぬ西の山の中に。
パトリクは、ゴブリンのアジトの姿を見た。
●贖罪
崖に囲まれた湖の中の高台。自然に守られたそこに、ゴブリンのアジトはあった。
パトリクは喜んで、アジトまでの道のりと概略図をメモに残した。
これで意味があったのだと……。
そのとき、アジトの方で、騒ぎが持ち上がったのが見えた。
木に隠れていたのに……今度ばかりは、パトリクは、見つかってしまったのだ。
斥候のコボルドが追ってくる。パトリクは、それから必死で逃げた。
命が惜しかったわけではない。この地図を、本当に力の持った人間に渡さない限りは、死ねないと思っただけだ。
山を走り降りる。その間、コボルドに追いつかれ、剣で切られ、槍で突かれた。
血まみれになりながら、それでもパトリクは止まらなかった。
そして崖から転げ落ちるようにコボルドからも逃れ、とうとうパトリクは、人里にたどり着いた。
その頃にはもう、足は動かなかったけれど。
通りすがりの人間に、途切れた声で言った。
「これ……を……。強い、人……ハンター、に――」
それがパトリクの最期の言葉だった。その目からは、涙が溢れていた。
解説
●目的
ゴブリンの一団を討伐。
●場所
山中にある、崖に囲まれたアジト。位置関係は以下。
―――――――――――
(北側)
崖崖崖道道崖崖崖
崖 道道 崖
崖 ○■■ 崖
崖 ■■■■ 崖
崖 ■■○ 崖
崖 道道 崖
崖 道道 崖
崖崖崖崖道道崖崖崖崖
(南側)
■:アジト
○:ゴブリン用のはしご
―――――――――――
崖の外は森で、内部の空白部分は湖。湖は崖や道より20m以上低く、湖から上れるのは南端の崖のみ。
南側の道はアジトまで100m。
北側の道はアジトまで50mだが、急な上り坂である。登坂する場合、移動力は1、射撃の命中値は半分となる。
道の幅は南北とも4スクエア。
横側の崖とアジトの距離は、左右どちらも50m。
アジトは高い石壁に守られ、入口は南北のみ。
見張り台のような高台があり、そこは視界がよく防御にも優れる。
はしごはゴブリンの緊急用らしく、人間には多少小さい。
依頼段階では真夜中で、夜霧が立ちこめている。
早朝は霧が残るが、真昼には晴れるという。
●敵
『ジャイアント』×3
アジト入口付近で見張っている。
南側に2匹、北側に1匹。武器は巨大な棍棒。
『コボルド』×5
アジト入口付近で見張っている。
南側に4匹、北側に1匹。武器は剣や槍。異常を察知した際の斥候役。
『ゴブリン』×6
アジトの高台から常に外の様子をうかがっている。リーダー格は内部にいるらしい。
見える範囲では、全員が大きな弓を持っている。
なお、それぞれの亜人に交代要員が1~2匹いると思われる。
●その他
敵などの情報は全てパトリクによる観察、推察による。
敵とは直接関係無いが、メモにはパトリクによる謝罪の言葉が書かれていた。
ゴブリンの一団を討伐。
●場所
山中にある、崖に囲まれたアジト。位置関係は以下。
―――――――――――
(北側)
崖崖崖道道崖崖崖
崖 道道 崖
崖 ○■■ 崖
崖 ■■■■ 崖
崖 ■■○ 崖
崖 道道 崖
崖 道道 崖
崖崖崖崖道道崖崖崖崖
(南側)
■:アジト
○:ゴブリン用のはしご
―――――――――――
崖の外は森で、内部の空白部分は湖。湖は崖や道より20m以上低く、湖から上れるのは南端の崖のみ。
南側の道はアジトまで100m。
北側の道はアジトまで50mだが、急な上り坂である。登坂する場合、移動力は1、射撃の命中値は半分となる。
道の幅は南北とも4スクエア。
横側の崖とアジトの距離は、左右どちらも50m。
アジトは高い石壁に守られ、入口は南北のみ。
見張り台のような高台があり、そこは視界がよく防御にも優れる。
はしごはゴブリンの緊急用らしく、人間には多少小さい。
依頼段階では真夜中で、夜霧が立ちこめている。
早朝は霧が残るが、真昼には晴れるという。
●敵
『ジャイアント』×3
アジト入口付近で見張っている。
南側に2匹、北側に1匹。武器は巨大な棍棒。
『コボルド』×5
アジト入口付近で見張っている。
南側に4匹、北側に1匹。武器は剣や槍。異常を察知した際の斥候役。
『ゴブリン』×6
アジトの高台から常に外の様子をうかがっている。リーダー格は内部にいるらしい。
見える範囲では、全員が大きな弓を持っている。
なお、それぞれの亜人に交代要員が1~2匹いると思われる。
●その他
敵などの情報は全てパトリクによる観察、推察による。
敵とは直接関係無いが、メモにはパトリクによる謝罪の言葉が書かれていた。
マスターより
弱い、力がない、どうしてもできなかった。
そんな場面に直面することは、誰にだって訪れるのだと思います。
パトリクもそんな一人でしたが、彼は、最後に自分が生きた証を残そうと、あがきました。そこに意味があるのならば、きっとそれが少しでも未来を変えるのかも知れません。
今回は、弓に巨人に自然にと、強固に守られたアジト攻略戦です。遠くから、近くから。様々な方法を試みて、敵をやっつけてみてください。
そんな場面に直面することは、誰にだって訪れるのだと思います。
パトリクもそんな一人でしたが、彼は、最後に自分が生きた証を残そうと、あがきました。そこに意味があるのならば、きっとそれが少しでも未来を変えるのかも知れません。
今回は、弓に巨人に自然にと、強固に守られたアジト攻略戦です。遠くから、近くから。様々な方法を試みて、敵をやっつけてみてください。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/01/14 20:54
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/01/04 19:21:53 |
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相談卓 星輝 Amhran(ka0724) エルフ|10才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/01/06 11:09:02 |