ゲスト
(ka0000)
【王戦】出没するにはわけがある
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2019/01/17 15:00
- 完成日
- 2019/01/22 19:31
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●領主、頭抱える
シャールズ・べリンガーは先日の事件以降、それが出現することに頭を悩ます。
ハンターたちのおかげでいくつか分かったことはあった。そのため、町に近づけさせないということで対応はできている。
「で、薬草園の主から静かなる怒りがやってくるし、街道あるし……」
頭を抱える。
「自分で見てこようか、リシャールをこちらに戻すか……」
扉が開き、マーク司祭が入ってくる。
「後者はともかく前者は却下ですよ?」
聞いていたマークの指摘に、シャールズの視線が泳いだ。
「マーナやアンジェは?」
ハンターをやっていたときの仲間である二人の名を出した。
「クリシス家に行っていますよ?」
「……ぐう」
シャールズは再度頭を抱えた。友人であるウィリアム・クリシスのところの名が出た為、事情を知ることもありそれ以上何も言えない。それどころか、何かが現れ楽を奏でるのは各地で起きているということの裏付けにつながっていた。
「どこから湧いてくるのか? ということは調べないとならないなぁ……」
シャールズは溜息を洩らした。
兵力の分散を避けるため、町の近く、川近辺で対応していたのだ。遮蔽物や道幅などの関係で。
「この辺りに出てくるのは、宙に浮くボールは銃弾めいたものを飛ばしてくる上、距離はそこそこ。回避力は高い。車がついているほうはビームみたいなのを飛ばしてくる……魔法的な感じだな……どっちも魔法的なんだろうけど」
扉がノックされる。許可を出すと、兵士に連れられた興奮状態のルゥルが入ってきた。
「大変なのですうううう、丸い変な雑魔とロボットみたいな雑魔が街道を来るのですうう」
「なんで、ルゥルちゃんが第一発見者なのかということを聞いていいかな?」
兵に迎撃の指示を出した後、シャールズは尋ねる。
「領主さんに貸与してもらったゴースロンのゴローちゃんの練習を兼ねて、薬草園に水やりをしに行ったのです」
薬草園の主が怒っている理由がこれであった。敵がいつ出るかわからないため、水やりや手入れができないという。一切駄目とは言っていないが、かなり弊害が出ている。薬草園以外にも畑があるため、そろそろ春であるし苦情は出そうだ。
「なんで水やりを……」
「アルバイトなのです」
ルゥルとユグディラのキソシロも一緒にいる。
「……街道から来た?」
「はい、なのです? ええと、ちょっと違うのです」
ルゥルは紙とペンを要求した。
そして、図を描く。
「ここが川なのです。こっちが薬草園でこっちが師匠の研究室です。ここが、以前家があったところです」
街道に抜ける道があり、そこの右手は小高くなっている。頂上は平地で古い家屋があったのだ。ルゥルたちが肝試ししたり、ゴブリンがいたりなど問題があったため、壊された。そのあとは特に利用されていない。
「前もそっちから来たね」
「なのです」
前回の目撃者は領主たちとルゥルである。
「……時々、反対側からも来るよね?」
「来るのです?」
「来るんだよ」
「あー」
ルゥルは気付いた、シャールズが言いたいことが。
「つまり、あの高台に何かあるかもしれないということだな」
「なのです」
シャールズの言葉にルゥルはうなずいた。
●依頼
シャールズからの依頼を受けて受付男子ロビン・ドルトスは了承したことを示した。
「でもなんでその高台に何かあると思ったんですか? ……待ってください……その高台のところにはトンネルがあるとか、そこに古代遺跡があってなんかわいているとか、それとも、転移門みたいな何かがあるとか……それとも」
「うん、ロビンくん、延々と推測を並べてもらちが明かないから依頼するんだよ?」
シャールズがやんわりとロビンの思考と止めてから、質問に答える。
「高台に何かるかなって話だけど、そこの高台で道に接している面で上り下りできる道があるのは、一辺だけなんだ。丸いのは宙にも浮いているし、はずみで落ちて転がったからたまたまいたのかなという推測なんだ」
「……あっ! つまり、分かれ道の反対側にいるというのは……何かしらで落ちてきたという考えですか?」
「それにね、高台の先にある街道の本筋のところでは出ていないんだ、変な雑魔。そう考えると高台に何かあるんだろうという推理なんだよ」
シャールズはロビンに説明した。ルゥルはこの件を察していたのは地形と情報のおかげである。
「……なるほど……それと、二種類の敵なんですね?」
「多分……敵が、何を考えているかわからないからわからないから絶対はないよ」
シャールズは慎重だった。
「依頼の確認です。高台もしくはその近辺に何かないか調査をするということ。敵は現状、宙に浮いた球状のものと車がついた箱のようなロボットみたいなものの二種類。行く手をふさいだり、攻撃すると攻撃をしてくるんですね」
「あと、現在、ファイアーボールの特訓中のルゥルちゃんが行く気を見せているんだ。それに関しては、依頼を受ける人が決めてほしい……危険があれば逃げるだろうけど……どちらかと言うとルゥルちゃんの行動が……」
「……危険ですね……」
シャールズはうなずき、ロビンは前衛ハンターをなぎ倒すルゥルの【ファイアーボール】を想像していた。
シャールズ・べリンガーは先日の事件以降、それが出現することに頭を悩ます。
ハンターたちのおかげでいくつか分かったことはあった。そのため、町に近づけさせないということで対応はできている。
「で、薬草園の主から静かなる怒りがやってくるし、街道あるし……」
頭を抱える。
「自分で見てこようか、リシャールをこちらに戻すか……」
扉が開き、マーク司祭が入ってくる。
「後者はともかく前者は却下ですよ?」
聞いていたマークの指摘に、シャールズの視線が泳いだ。
「マーナやアンジェは?」
ハンターをやっていたときの仲間である二人の名を出した。
「クリシス家に行っていますよ?」
「……ぐう」
シャールズは再度頭を抱えた。友人であるウィリアム・クリシスのところの名が出た為、事情を知ることもありそれ以上何も言えない。それどころか、何かが現れ楽を奏でるのは各地で起きているということの裏付けにつながっていた。
「どこから湧いてくるのか? ということは調べないとならないなぁ……」
シャールズは溜息を洩らした。
兵力の分散を避けるため、町の近く、川近辺で対応していたのだ。遮蔽物や道幅などの関係で。
「この辺りに出てくるのは、宙に浮くボールは銃弾めいたものを飛ばしてくる上、距離はそこそこ。回避力は高い。車がついているほうはビームみたいなのを飛ばしてくる……魔法的な感じだな……どっちも魔法的なんだろうけど」
扉がノックされる。許可を出すと、兵士に連れられた興奮状態のルゥルが入ってきた。
「大変なのですうううう、丸い変な雑魔とロボットみたいな雑魔が街道を来るのですうう」
「なんで、ルゥルちゃんが第一発見者なのかということを聞いていいかな?」
兵に迎撃の指示を出した後、シャールズは尋ねる。
「領主さんに貸与してもらったゴースロンのゴローちゃんの練習を兼ねて、薬草園に水やりをしに行ったのです」
薬草園の主が怒っている理由がこれであった。敵がいつ出るかわからないため、水やりや手入れができないという。一切駄目とは言っていないが、かなり弊害が出ている。薬草園以外にも畑があるため、そろそろ春であるし苦情は出そうだ。
「なんで水やりを……」
「アルバイトなのです」
ルゥルとユグディラのキソシロも一緒にいる。
「……街道から来た?」
「はい、なのです? ええと、ちょっと違うのです」
ルゥルは紙とペンを要求した。
そして、図を描く。
「ここが川なのです。こっちが薬草園でこっちが師匠の研究室です。ここが、以前家があったところです」
街道に抜ける道があり、そこの右手は小高くなっている。頂上は平地で古い家屋があったのだ。ルゥルたちが肝試ししたり、ゴブリンがいたりなど問題があったため、壊された。そのあとは特に利用されていない。
「前もそっちから来たね」
「なのです」
前回の目撃者は領主たちとルゥルである。
「……時々、反対側からも来るよね?」
「来るのです?」
「来るんだよ」
「あー」
ルゥルは気付いた、シャールズが言いたいことが。
「つまり、あの高台に何かあるかもしれないということだな」
「なのです」
シャールズの言葉にルゥルはうなずいた。
●依頼
シャールズからの依頼を受けて受付男子ロビン・ドルトスは了承したことを示した。
「でもなんでその高台に何かあると思ったんですか? ……待ってください……その高台のところにはトンネルがあるとか、そこに古代遺跡があってなんかわいているとか、それとも、転移門みたいな何かがあるとか……それとも」
「うん、ロビンくん、延々と推測を並べてもらちが明かないから依頼するんだよ?」
シャールズがやんわりとロビンの思考と止めてから、質問に答える。
「高台に何かるかなって話だけど、そこの高台で道に接している面で上り下りできる道があるのは、一辺だけなんだ。丸いのは宙にも浮いているし、はずみで落ちて転がったからたまたまいたのかなという推測なんだ」
「……あっ! つまり、分かれ道の反対側にいるというのは……何かしらで落ちてきたという考えですか?」
「それにね、高台の先にある街道の本筋のところでは出ていないんだ、変な雑魔。そう考えると高台に何かあるんだろうという推理なんだよ」
シャールズはロビンに説明した。ルゥルはこの件を察していたのは地形と情報のおかげである。
「……なるほど……それと、二種類の敵なんですね?」
「多分……敵が、何を考えているかわからないからわからないから絶対はないよ」
シャールズは慎重だった。
「依頼の確認です。高台もしくはその近辺に何かないか調査をするということ。敵は現状、宙に浮いた球状のものと車がついた箱のようなロボットみたいなものの二種類。行く手をふさいだり、攻撃すると攻撃をしてくるんですね」
「あと、現在、ファイアーボールの特訓中のルゥルちゃんが行く気を見せているんだ。それに関しては、依頼を受ける人が決めてほしい……危険があれば逃げるだろうけど……どちらかと言うとルゥルちゃんの行動が……」
「……危険ですね……」
シャールズはうなずき、ロビンは前衛ハンターをなぎ倒すルゥルの【ファイアーボール】を想像していた。
リプレイ本文
●ぽむ
ハンターたちは出発前に領主のシャールズ・べリンガーに確認をした。
高台のあたりで敵が湧いているという状況であるが、知っている限り何もないはずだということである。
エステル・ソル(ka3983)は首をかしげる。
「建物はないのです?」
「ないはずだよ? あるなら、何らかの理由があって誰かが建てたことになる」
シャールズは想像して嫌な顔をした。
ツィスカ・V・アルトホーフェン(ka5835)は前回、敵を見ているし、敵の状況がわからないため下手なことは言えないと考える。
「私に調査されたい謎ということですね……という冗談はおいておき……状況を確認することが重要ですね」
依頼の内容の裏付けが今後につながるだろう。
ルゥル(kz0210)が近くでどきどきわくわくしながら見ている。
キヅカ・リク(ka0038)はその視線と、依頼に注意事項があることの理由を理解した。
「あるよね……特に若手の後衛に……ただ、魔法は、威力として、シャレにならないかな……」
ルゥルの【ファイアーボール】が誤爆する可能性というから何か記憶がよぎっようだ。
ピアレーチェ・ヴィヴァーチェ(ka4804)はルゥルを連れて行くか否かについてすぱっと答えを出す。
「ルゥルちゃん、ファイアーボールの練習がてら、歪虚がいたらぶっ飛ばしちゃおう!」
ルゥルはぱああと顔を明るくした。
マリィア・バルデス(ka5848)はルゥルの肩をポンポンとたたく。
「ルゥル、コントロールが悪いと話に聞いているの。仲間を巻き込むように撃っちゃだめだし、慣れては駄目よ? その慢心はやっちゃいけないところでいつか仲間大怪我させるから」
ルゥルはまじめにうなずく。
フィロ(ka6966)がマリィアの言葉に同意するようにうなずく。
「ルゥル様は魔術師なのでよくご存じだと思いますが、術の中には敵のみに攻撃できるものと、そこにいる全員を攻撃するものがあります。ファイアーボールは強力ですが、範囲内全員に被害が出ます。仲間が戦っている場所や避けてきそうなところに使用しないことが大前提です。今回はあるかもしれない何かを調査する依頼です。たとえ、敵がいたとしても、素早く倒すことは求められていません。どう殲滅するかではなく、仲間をどうやって助けて調査を行うかを一番に考えてくださいね」
ルゥルは激しく首を縦に振った。
「高台にしゅっぱーつ!」
ピアレーチェが明るく言ったのにルゥルがつられ、両手を上げていた。
●ずんずん
ルゥルの道案内で、道が分かれるところにやってきた。
「いいですね、気を付けてくださいね」
フィロは念を押す。
「ルゥルちゃん、タイミングや連携だよ! 魔法を撃ってほしい時は言うけど、ルゥルちゃんも撃つときは教えてね!」
ピアレーチェが笑顔で念を押した。
「わ、わかったのです。でも、敵にもわかってしまうのです?」
「……敵にもよるかな?」
リクは考えた後、質問に答えた。
「今後はエステルちゃんと僕で連絡を取り合うということで」
「分かっています!」
リクの確認にエステルが連絡手段のトランシーバーを見せる。
「必要なら【電波増幅】で支援します」
「最短だと問題なくても、互いの進路によっては距離が開くから、心強いわね」
ツィスカにマリィアはうなずいた。
そして、一行は二手に分かれたのだった。
のり面の方に向かう道は、両脇には木が多く普段はのんびりとするところだろう。林が途切れると、岩肌が見えた。
「壁面に穴があったりするのかな」
「それを探すとなると広いね」
ピアレーチェのつぶやきに、リクも見上げる。もし穴があっても、飛べないと出入りは難しい。
「以前出現したといわれる飛ぶモノが出てくるとお考えでしょうか?」
フィロは確認する。情報にはこちらでも時々ふわふわ浮かぶ丸い雑魔だけは見られたというのだ。
「うーん、上、それなりに広いよね? でも、時々こちらに転がってくるってことは、何かあるのかなって」
「確かに、それは様々な角度から考えると怖いかもしれない?」
リクは一瞬考えた後、エステルに状況の確認の連絡を入れた。
林に囲まれた道は異変があると考える為か、違和感を覚える。鳥の声や動物の気配がないのかもしれない。
階段があるところまで何事もなくやってきた。
「馬で上がるには狭いし、普通に足で上がりましょう」
マリィアが告げる。特に否定をする材料はない。
「わたくしは魔箒で上がります。少しでも場所に余裕があった方がいいのです」
エステルが告げる。
「階段は利用しますが、必要なら鎧の力も使えるのでどうにかします」
ツィスカは鎧に飛ぶ能力があることを告げておいた。もしもがあっても、階段をマリィアとルゥルが使い、分散でき、動きやすいはずだった。
エステルは反対側にいるリクからの連絡を受けた。
「どちらも妨害は受けていないね。向こうも登り口にやってきたみたいだ」
リクが情報共有のため告げる。
「エステルちゃんが【式符】で見てみるというから、そのあとに再度連絡することになってる」
ピアレーチェは乗ってきた試作魔導バイクを置いて、魔箒を手にする。
「了解。いつでも行動できるように準備はしておくよ」
「警戒は怠りません。上がり次第、敵や不自然なものは写真に撮っておきたいです」
ピアレーチェとフィロは答えた。高台に何かいれば、こちらの様子をうかがっている可能性もある。それに、丸いのが転がってくる可能性もある。
エステルが術を行使している間、他の者は警戒をしておく。
「先日見た、丸いのと車がついているのはいました。建物みたいなところに人がいるようでした」
エステルは何かがいるということは情報共有としてトランシーバーを通じてリク側にも告げる。
「ルゥル、高台に上がったら、ニメートルくらい先にアースウォールを建ててもらえる? それで遮蔽を取ってファイアーボールをすればいいわ」
マリィアはルゥルに作戦を教えておいた。
「なるほど……具体的ですね」
ツィスカはうなずき、ルゥルを見る。マリィアの提案をルゥルを確実に実行すれば、ハンターに被害は出ないはずだった。
「が、頑張るのです」
ルゥルは杖をぎゅっと握った。
●がらり
ハンターたちは階段側とのり面側、双方から登っていく。飛んで上がる方が先に高台に上がった。
フィロは敵に認識されるように動き、攻撃を仕掛けた。階段側に行かれると問題である。
まずは、目についた、射程内の敵を狙ったのだった。写真を撮るタイミングも計っていた。
リクは丸い雑魔を【ファイアスローワー】で狙う。回避が高いと言われている上、転がって反対側に落ちる可能性があるからだ。
「少しでも早く倒しておいて事故は防がないと」
リクは全体を見つつ、地面に下りて次の行動をとることを考える。ふわふわ浮かんでいる敵も、魔法の射程内だ。
ピアレーチェは敵の行動を止めることを意識した。
「ルゥルちゃんがいれば、魔法の的にしてもらうけどね」
現在のところ、ルゥルはまだいない。それであっても【プルガトリオ】が効けば、フィロやリクの攻撃はより確実になるのだから必要なことであった。
それらは敵がいるという認識を持った。車のついた雑魔はビームを発し、宙に浮いているものは弾丸を吐き出す。
人の姿をしたものは、状況を把握するように一行を見ていた。武器を手に迎撃に移るのだった。
エステルは交戦の音を聞いて、先に高台に行く。階段から来る人達に影響があることは避けたかった。アイテムの力を解放し、【星鳥】を放つ。
「こちらです」
エステルは階段から目をそらさせるように移動した。
攻撃を受けた雑魔たちはエステルの方に向いた。
ルゥルを連れたマリィアとツィスカは急ぐ。
「いい、ルゥル、冷静に行動するのよ」
「ハイなのですうう」
緊張がうかがえる声音にツィスカは内心びくっとなる。
(移動のことを考えるより、こちらの方が不安です)
ツィスカは腹をくくる。ルゥルもハンターの端くれであり、成長を望んでいるがわかるからだ。ならば、力をどう使っていくか見届けても悪くはないと考えた。
人の姿をした歪虚はフィロを狙った。彼女が攻撃対象として優先順位を上げていることもあり、それを引き付けることに成功している証しでもあった。近づいてもらう方が写真に収めやすくはなる。
この敵はは技を使って攻撃をしてこない。しかし、他のモノから射撃による攻撃もあるため、フィロは避けきれなかった。
「このくらいは耐えられます」
魔導カメラから出てくる物を守る必要もあった。
ピアレーチェはルゥルが上がったのを見た。とはいえ、敵のまとまりが今一つない。場所が広い上、狙う相手が定まっていないからだろう。
「うーん、これはルゥルちゃんの出番がないかな?」
それでも飛んでくる可能性があるのだ、単体の敵に対して【ファイアーボール】が。
リクは敵がフィロを狙っているのに気づいた。
「次はそっちに行こう」
マリィアたちが上がってきているため、のり面側に引き付けておく理由もなくなっている。
「にしても……これで【ファイアーボール】来るのかな……」
後ろから来るわけではないが、正面から来るのでも非常に嫌だった。
マリィアはルゥルの状況を視界に収めつつ、敵に向かって引き金を絞る。
「今のところは大丈夫ね」
ルゥルはアースウォールを建てて、その陰に隠れて顔をのぞかせている。
ツィスカは魔導銃で宙を浮く敵を重点的に狙っていく。すると敵から集中砲火を食らった。
「……さすがに避けきれません……」
次の攻撃を考えると位置を変えて、確実に敵を狙っていきたかった。
ツィスカが動いた瞬間、目の前で爆発が起こる。一瞬何かわからなかったが、タイミング的にルゥルだとはわかった。
ルゥルが放った【ファイアーボール】はふわふわ浮かぶ敵一体と石塔をなぎ払い、無に帰した。
「あっ! 倒して良かったのです?」
ルゥルはびくびくしていた。その石塔はそこにあるだけで何もしていなかったし、簡単に魔法で倒れるとは思わなかったのだ。
「問題はないよ」
ピアレーチェは石塔が気にはなっていたが、ルゥルを不安にさせないようにきっぱりと言った。
そして、残っていた敵も倒されるまでに時間はかからなかった。
●調査
ピアレーチェは石塔があったところを調査する。
「石塔、あるだけだったよね? 負のマテリアルを感じるくらいで、そこにあっただけ。地面に何か埋まっているとか?」
その場所を見てみるが、負のマテリアルに汚染されているということ以外何もなかった。汚染自体は問題なため、報告対象にはなる。
「うーん」
ピアレーチェは首を傾げ、仲間がいる方に向かった。
ツィスカは敵が倒れたところを念のために確認する。
「さすがに何もないですね……ただ、前回同様の様子ですし、人の姿をした歪虚に至っては、この辺りの者ではない……クリムゾンウェストでは見られない様相でしたね」
人の姿をしたものは何も言葉を発さなかった。
「どこからあれらは湧いてきたのでしょうか?」
無に返るモノが残すのは何もない。石塔があったところの汚染だけが気になることではあった。
エステルはマッピングセットを用いて、マップを作り気になる物を記載していく。
建物があること以外、特に問題があるようには見えなかった。
建物は掘っ立て小屋に等しい。
「放っておけば拠点にはなるということかな? とはいえ、この建物が組み立て施設だったり、転移門があるかとも思ったのだけど?」
リクは表と裏を確認して考える。組み立てに必要な特に材料があるわけではなかった。小太鼓は残っているが、適度な樽のような物に皮を張っただけのような物に見えた。。
「ここにどこかに続く洞窟とかあるわけではないようですね……」
フィロは地下室すらないことを確認した。
「ルゥル何か気づいた?」
「壊すのです! ここに何かあると、色々問題なので壊すのです。更地にするのです」
質問したマリィアはルゥルの一足飛びの発言に何とも言えない表情となった。
「それは領主が判断することだからね、帰ろうか?」
リクは促した。
「結局、歪虚はどこから湧いてきたんでしょうか? 本格的な戦闘の前に地理や戦力を確認するのが任務だったのでしょうか?」
エステルは首をかしげる。
状況としてはそれに近い。しかし、どこから湧いてきたのかは全く分からなかった。
●報告へ
帰り道、マリィアはルゥルを褒めた。
「慎重に行動とれたわね、偉いわね」
マリィアが出した指示や作戦にルゥルが従うかや理解して行動をとれるかは話が別だった。
ルゥルはやり切ったという得意げな顔をしている。
「あ、薬草園に水やりして行こうか?」
リクが提案するが門が閉まっていた。ヤギなどの動物やユグディラはいたが、人間はいなかった。
「無理にしない方がいいね」
ルゥルが神妙にうなずく。
「ひょっとして、主って人、相当怖いのかな?」
リクはおっかなびっくり言うとルゥルは「怖いのです」と神妙に言った。
「スキル構成が上手になってきたのです」
エステルもルゥルを褒めた。
「でも、一つ変えたらもっとよかったのです。例えば、岳郎さんが人質だったらファイアーボールを使えますか?」
エステルはルゥルのリアルブルーの知り合い木野 岳郎の名を出して諭した。
「ファイアーキノコを習得する為なのです……」
ルゥルはしょげた。
「コツはつかめそうですか?」
「はいなのです。皆さんが解説してくれたので、こう、なんとなく注意事項もわかりました」
ルゥルはエステルやフィロを見て笑顔で言った。
「それは良かったです、ルゥル様」
フィロは淡く笑う。
「敵の写真は撮りました。領主様に確認を頂き、今後に生かしていただければと思います」
城壁に到着後、状況の説明をすることとなる。
ツィスカは説明後シャールズをうかがう。貴族、それも領主としてどういう判断を下すのか、どういう態度に出るのか興味があった。
「そこにあった物は倒したわけで、よくわからない石塔……? 攻撃すらしてこなかったんだね」
「ルゥルちゃんの魔法の一撃で倒れる強度で、その場所に穴とか何もなかったよ? 負のマテリアルは強かったみたいだけど。あと、のり面も特に穴があるわけではないし……」
ピアレーチェが追加で報告した。
「なるほどね……目印とか? 小太鼓? これは、枠に何かの皮を張っただけだな」
手作り感があふれるものだ。
「分かった。他にも報告はしておこう。様子見だが、人の姿の歪虚がいることはよろしくないことだから警戒は強める」
シャールズは解かることから方向を定めた。
「無事でよかった」
シャールズは引き締めていた表情を緩め、一行をねぎらったのだった。
ハンターたちは出発前に領主のシャールズ・べリンガーに確認をした。
高台のあたりで敵が湧いているという状況であるが、知っている限り何もないはずだということである。
エステル・ソル(ka3983)は首をかしげる。
「建物はないのです?」
「ないはずだよ? あるなら、何らかの理由があって誰かが建てたことになる」
シャールズは想像して嫌な顔をした。
ツィスカ・V・アルトホーフェン(ka5835)は前回、敵を見ているし、敵の状況がわからないため下手なことは言えないと考える。
「私に調査されたい謎ということですね……という冗談はおいておき……状況を確認することが重要ですね」
依頼の内容の裏付けが今後につながるだろう。
ルゥル(kz0210)が近くでどきどきわくわくしながら見ている。
キヅカ・リク(ka0038)はその視線と、依頼に注意事項があることの理由を理解した。
「あるよね……特に若手の後衛に……ただ、魔法は、威力として、シャレにならないかな……」
ルゥルの【ファイアーボール】が誤爆する可能性というから何か記憶がよぎっようだ。
ピアレーチェ・ヴィヴァーチェ(ka4804)はルゥルを連れて行くか否かについてすぱっと答えを出す。
「ルゥルちゃん、ファイアーボールの練習がてら、歪虚がいたらぶっ飛ばしちゃおう!」
ルゥルはぱああと顔を明るくした。
マリィア・バルデス(ka5848)はルゥルの肩をポンポンとたたく。
「ルゥル、コントロールが悪いと話に聞いているの。仲間を巻き込むように撃っちゃだめだし、慣れては駄目よ? その慢心はやっちゃいけないところでいつか仲間大怪我させるから」
ルゥルはまじめにうなずく。
フィロ(ka6966)がマリィアの言葉に同意するようにうなずく。
「ルゥル様は魔術師なのでよくご存じだと思いますが、術の中には敵のみに攻撃できるものと、そこにいる全員を攻撃するものがあります。ファイアーボールは強力ですが、範囲内全員に被害が出ます。仲間が戦っている場所や避けてきそうなところに使用しないことが大前提です。今回はあるかもしれない何かを調査する依頼です。たとえ、敵がいたとしても、素早く倒すことは求められていません。どう殲滅するかではなく、仲間をどうやって助けて調査を行うかを一番に考えてくださいね」
ルゥルは激しく首を縦に振った。
「高台にしゅっぱーつ!」
ピアレーチェが明るく言ったのにルゥルがつられ、両手を上げていた。
●ずんずん
ルゥルの道案内で、道が分かれるところにやってきた。
「いいですね、気を付けてくださいね」
フィロは念を押す。
「ルゥルちゃん、タイミングや連携だよ! 魔法を撃ってほしい時は言うけど、ルゥルちゃんも撃つときは教えてね!」
ピアレーチェが笑顔で念を押した。
「わ、わかったのです。でも、敵にもわかってしまうのです?」
「……敵にもよるかな?」
リクは考えた後、質問に答えた。
「今後はエステルちゃんと僕で連絡を取り合うということで」
「分かっています!」
リクの確認にエステルが連絡手段のトランシーバーを見せる。
「必要なら【電波増幅】で支援します」
「最短だと問題なくても、互いの進路によっては距離が開くから、心強いわね」
ツィスカにマリィアはうなずいた。
そして、一行は二手に分かれたのだった。
のり面の方に向かう道は、両脇には木が多く普段はのんびりとするところだろう。林が途切れると、岩肌が見えた。
「壁面に穴があったりするのかな」
「それを探すとなると広いね」
ピアレーチェのつぶやきに、リクも見上げる。もし穴があっても、飛べないと出入りは難しい。
「以前出現したといわれる飛ぶモノが出てくるとお考えでしょうか?」
フィロは確認する。情報にはこちらでも時々ふわふわ浮かぶ丸い雑魔だけは見られたというのだ。
「うーん、上、それなりに広いよね? でも、時々こちらに転がってくるってことは、何かあるのかなって」
「確かに、それは様々な角度から考えると怖いかもしれない?」
リクは一瞬考えた後、エステルに状況の確認の連絡を入れた。
林に囲まれた道は異変があると考える為か、違和感を覚える。鳥の声や動物の気配がないのかもしれない。
階段があるところまで何事もなくやってきた。
「馬で上がるには狭いし、普通に足で上がりましょう」
マリィアが告げる。特に否定をする材料はない。
「わたくしは魔箒で上がります。少しでも場所に余裕があった方がいいのです」
エステルが告げる。
「階段は利用しますが、必要なら鎧の力も使えるのでどうにかします」
ツィスカは鎧に飛ぶ能力があることを告げておいた。もしもがあっても、階段をマリィアとルゥルが使い、分散でき、動きやすいはずだった。
エステルは反対側にいるリクからの連絡を受けた。
「どちらも妨害は受けていないね。向こうも登り口にやってきたみたいだ」
リクが情報共有のため告げる。
「エステルちゃんが【式符】で見てみるというから、そのあとに再度連絡することになってる」
ピアレーチェは乗ってきた試作魔導バイクを置いて、魔箒を手にする。
「了解。いつでも行動できるように準備はしておくよ」
「警戒は怠りません。上がり次第、敵や不自然なものは写真に撮っておきたいです」
ピアレーチェとフィロは答えた。高台に何かいれば、こちらの様子をうかがっている可能性もある。それに、丸いのが転がってくる可能性もある。
エステルが術を行使している間、他の者は警戒をしておく。
「先日見た、丸いのと車がついているのはいました。建物みたいなところに人がいるようでした」
エステルは何かがいるということは情報共有としてトランシーバーを通じてリク側にも告げる。
「ルゥル、高台に上がったら、ニメートルくらい先にアースウォールを建ててもらえる? それで遮蔽を取ってファイアーボールをすればいいわ」
マリィアはルゥルに作戦を教えておいた。
「なるほど……具体的ですね」
ツィスカはうなずき、ルゥルを見る。マリィアの提案をルゥルを確実に実行すれば、ハンターに被害は出ないはずだった。
「が、頑張るのです」
ルゥルは杖をぎゅっと握った。
●がらり
ハンターたちは階段側とのり面側、双方から登っていく。飛んで上がる方が先に高台に上がった。
フィロは敵に認識されるように動き、攻撃を仕掛けた。階段側に行かれると問題である。
まずは、目についた、射程内の敵を狙ったのだった。写真を撮るタイミングも計っていた。
リクは丸い雑魔を【ファイアスローワー】で狙う。回避が高いと言われている上、転がって反対側に落ちる可能性があるからだ。
「少しでも早く倒しておいて事故は防がないと」
リクは全体を見つつ、地面に下りて次の行動をとることを考える。ふわふわ浮かんでいる敵も、魔法の射程内だ。
ピアレーチェは敵の行動を止めることを意識した。
「ルゥルちゃんがいれば、魔法の的にしてもらうけどね」
現在のところ、ルゥルはまだいない。それであっても【プルガトリオ】が効けば、フィロやリクの攻撃はより確実になるのだから必要なことであった。
それらは敵がいるという認識を持った。車のついた雑魔はビームを発し、宙に浮いているものは弾丸を吐き出す。
人の姿をしたものは、状況を把握するように一行を見ていた。武器を手に迎撃に移るのだった。
エステルは交戦の音を聞いて、先に高台に行く。階段から来る人達に影響があることは避けたかった。アイテムの力を解放し、【星鳥】を放つ。
「こちらです」
エステルは階段から目をそらさせるように移動した。
攻撃を受けた雑魔たちはエステルの方に向いた。
ルゥルを連れたマリィアとツィスカは急ぐ。
「いい、ルゥル、冷静に行動するのよ」
「ハイなのですうう」
緊張がうかがえる声音にツィスカは内心びくっとなる。
(移動のことを考えるより、こちらの方が不安です)
ツィスカは腹をくくる。ルゥルもハンターの端くれであり、成長を望んでいるがわかるからだ。ならば、力をどう使っていくか見届けても悪くはないと考えた。
人の姿をした歪虚はフィロを狙った。彼女が攻撃対象として優先順位を上げていることもあり、それを引き付けることに成功している証しでもあった。近づいてもらう方が写真に収めやすくはなる。
この敵はは技を使って攻撃をしてこない。しかし、他のモノから射撃による攻撃もあるため、フィロは避けきれなかった。
「このくらいは耐えられます」
魔導カメラから出てくる物を守る必要もあった。
ピアレーチェはルゥルが上がったのを見た。とはいえ、敵のまとまりが今一つない。場所が広い上、狙う相手が定まっていないからだろう。
「うーん、これはルゥルちゃんの出番がないかな?」
それでも飛んでくる可能性があるのだ、単体の敵に対して【ファイアーボール】が。
リクは敵がフィロを狙っているのに気づいた。
「次はそっちに行こう」
マリィアたちが上がってきているため、のり面側に引き付けておく理由もなくなっている。
「にしても……これで【ファイアーボール】来るのかな……」
後ろから来るわけではないが、正面から来るのでも非常に嫌だった。
マリィアはルゥルの状況を視界に収めつつ、敵に向かって引き金を絞る。
「今のところは大丈夫ね」
ルゥルはアースウォールを建てて、その陰に隠れて顔をのぞかせている。
ツィスカは魔導銃で宙を浮く敵を重点的に狙っていく。すると敵から集中砲火を食らった。
「……さすがに避けきれません……」
次の攻撃を考えると位置を変えて、確実に敵を狙っていきたかった。
ツィスカが動いた瞬間、目の前で爆発が起こる。一瞬何かわからなかったが、タイミング的にルゥルだとはわかった。
ルゥルが放った【ファイアーボール】はふわふわ浮かぶ敵一体と石塔をなぎ払い、無に帰した。
「あっ! 倒して良かったのです?」
ルゥルはびくびくしていた。その石塔はそこにあるだけで何もしていなかったし、簡単に魔法で倒れるとは思わなかったのだ。
「問題はないよ」
ピアレーチェは石塔が気にはなっていたが、ルゥルを不安にさせないようにきっぱりと言った。
そして、残っていた敵も倒されるまでに時間はかからなかった。
●調査
ピアレーチェは石塔があったところを調査する。
「石塔、あるだけだったよね? 負のマテリアルを感じるくらいで、そこにあっただけ。地面に何か埋まっているとか?」
その場所を見てみるが、負のマテリアルに汚染されているということ以外何もなかった。汚染自体は問題なため、報告対象にはなる。
「うーん」
ピアレーチェは首を傾げ、仲間がいる方に向かった。
ツィスカは敵が倒れたところを念のために確認する。
「さすがに何もないですね……ただ、前回同様の様子ですし、人の姿をした歪虚に至っては、この辺りの者ではない……クリムゾンウェストでは見られない様相でしたね」
人の姿をしたものは何も言葉を発さなかった。
「どこからあれらは湧いてきたのでしょうか?」
無に返るモノが残すのは何もない。石塔があったところの汚染だけが気になることではあった。
エステルはマッピングセットを用いて、マップを作り気になる物を記載していく。
建物があること以外、特に問題があるようには見えなかった。
建物は掘っ立て小屋に等しい。
「放っておけば拠点にはなるということかな? とはいえ、この建物が組み立て施設だったり、転移門があるかとも思ったのだけど?」
リクは表と裏を確認して考える。組み立てに必要な特に材料があるわけではなかった。小太鼓は残っているが、適度な樽のような物に皮を張っただけのような物に見えた。。
「ここにどこかに続く洞窟とかあるわけではないようですね……」
フィロは地下室すらないことを確認した。
「ルゥル何か気づいた?」
「壊すのです! ここに何かあると、色々問題なので壊すのです。更地にするのです」
質問したマリィアはルゥルの一足飛びの発言に何とも言えない表情となった。
「それは領主が判断することだからね、帰ろうか?」
リクは促した。
「結局、歪虚はどこから湧いてきたんでしょうか? 本格的な戦闘の前に地理や戦力を確認するのが任務だったのでしょうか?」
エステルは首をかしげる。
状況としてはそれに近い。しかし、どこから湧いてきたのかは全く分からなかった。
●報告へ
帰り道、マリィアはルゥルを褒めた。
「慎重に行動とれたわね、偉いわね」
マリィアが出した指示や作戦にルゥルが従うかや理解して行動をとれるかは話が別だった。
ルゥルはやり切ったという得意げな顔をしている。
「あ、薬草園に水やりして行こうか?」
リクが提案するが門が閉まっていた。ヤギなどの動物やユグディラはいたが、人間はいなかった。
「無理にしない方がいいね」
ルゥルが神妙にうなずく。
「ひょっとして、主って人、相当怖いのかな?」
リクはおっかなびっくり言うとルゥルは「怖いのです」と神妙に言った。
「スキル構成が上手になってきたのです」
エステルもルゥルを褒めた。
「でも、一つ変えたらもっとよかったのです。例えば、岳郎さんが人質だったらファイアーボールを使えますか?」
エステルはルゥルのリアルブルーの知り合い木野 岳郎の名を出して諭した。
「ファイアーキノコを習得する為なのです……」
ルゥルはしょげた。
「コツはつかめそうですか?」
「はいなのです。皆さんが解説してくれたので、こう、なんとなく注意事項もわかりました」
ルゥルはエステルやフィロを見て笑顔で言った。
「それは良かったです、ルゥル様」
フィロは淡く笑う。
「敵の写真は撮りました。領主様に確認を頂き、今後に生かしていただければと思います」
城壁に到着後、状況の説明をすることとなる。
ツィスカは説明後シャールズをうかがう。貴族、それも領主としてどういう判断を下すのか、どういう態度に出るのか興味があった。
「そこにあった物は倒したわけで、よくわからない石塔……? 攻撃すらしてこなかったんだね」
「ルゥルちゃんの魔法の一撃で倒れる強度で、その場所に穴とか何もなかったよ? 負のマテリアルは強かったみたいだけど。あと、のり面も特に穴があるわけではないし……」
ピアレーチェが追加で報告した。
「なるほどね……目印とか? 小太鼓? これは、枠に何かの皮を張っただけだな」
手作り感があふれるものだ。
「分かった。他にも報告はしておこう。様子見だが、人の姿の歪虚がいることはよろしくないことだから警戒は強める」
シャールズは解かることから方向を定めた。
「無事でよかった」
シャールズは引き締めていた表情を緩め、一行をねぎらったのだった。
依頼結果
依頼成功度 | 普通 |
---|
面白かった! | 5人 |
---|
ポイントがありませんので、拍手できません
現在のあなたのポイント:-753 ※拍手1回につき1ポイントを消費します。
あなたの拍手がマスターの活力につながります。
このリプレイが面白かったと感じた人は拍手してみましょう!
MVP一覧
重体一覧
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
【相談】変な物を追え! エステル・ソル(ka3983) 人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2019/01/17 06:12:48 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/01/14 20:15:46 |