• 幻想

【幻想】力を継いだもの

マスター:猫又ものと

シナリオ形態
イベント
難易度
難しい
オプション
参加費
500
参加制限
-
参加人数
1~25人
サポート
0~0人
報酬
多め
相談期間
5日
締切
2019/01/25 09:00
完成日
2019/02/15 15:55

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●約束と願いと
 願いは、叶えられた。
 長きに渡って続いてきた確執。そして、戦い。
 それらの日々は終わりを迎えた。

 すべてはこの地位を手に入れる為。
 そして――これから、始まる。
 約束が果たされ、希望に満ちた祝福の日々が。

「どうしたんだ?」
 『闇黒の魔人』青木 燕太郎(kz0166)は、振り返った。
 先程まで眠っていたはずの怠惰王――オーロラが目を覚まして起き上がっている。
 いつもなら眠い目を擦りながら辺りを見回しているはずだ。
 元怠惰王ビックマー・ザ・ヘカトンケイルの姿を探す為に。
 だが、起き上がったオーロラにその気配はまったくない。
「……行くの」
「行く?」
「ビックマーを殺した、あいつらを……」
 オーロラにとって、ビックマーは最愛の存在だった。
 ビックマーがいたから、今の自分がある。
 もし、いなかったらと考えるだけでも恐ろしい。
 そんな存在を――ハンターは、殺した。
 オーロラの怒りは、部族会議とハンターへ向けられている。
 その様子に青木は、力強く頷いた。
「分かった。俺も行く」
「……何故?」
 オーロラの一言に、青木は満を持して答える。
 この地位を手に入れるまで、青木は策を巡らして戦い続けたのだから。
「俺が、お前を守る騎士だからだ」

●暗雲
「……ん?」
 辺境北部の森で斥候中だった部族の戦士達。
 彼らが異変に気付いたのは、偶然だった。
 先日の報告で、ゴヴニアがストーンゴーレムを引き連れて森に石路を作り上げた事は知っていた。
 一体、何のための路なのか。ハンターが調査して一部の情報は判明しているものの、部族会議として警戒を続けていた。
 そんな戦士達の目に入るのは、石路の傍らで繁る緑色に染まった森林が立ち枯れ、大量の枯葉が地面に降らせている。
 よく見れば枯葉に紛れて動物達が死に絶えている。
 視界に広がるのは、生物がその命を散らしていく光景。
 そして死の世界は、徐々に戦士達へと近づいていた。
「なんだよ、これ……」
 震えながらも後退る戦士。
 だが、死の世界の歩みは確実に戦士達へ近づいていく。
「お、おい! あれ!」
 傍らにいる戦士が、指差した。
 そこには死の世界を歩く人影。
 少女。
 その横を歩くのは、漆黒の男。
 二人は――ゆっくりと近づいてくる。
 戦士達に死を運ぶ為に……。
「……うっ!」
 突然苦しみ出す戦士達。
 藻掻き苦しんでいたが、やがてそれも静まった。
 地面に体を横たえる戦士達。
 続いていた呼吸も、ついには引き取る。
「ゴヴニアの作った路か。まさに『デスロード』だな」
 亡骸となった戦士の傍で、漆黒の男――青木は呟いた。
 戦闘らしい戦闘もなく、相手を死に至らしめる。
 強大な怠惰王の力。
 オーロラはその力を振るいながら、ただ黙って前を見据えていた。

●至急の依頼
「すみません! 皆さん手を貸してください! 大至急!」
「イェルズ? どうしたの?」
「一体何があった?」
 ハンターズソサエティに駆け込んで来たイェルズ・オイマト(kz0143)を注視するハンター達。
 彼は肩で息をしたまま続ける。
「……怠惰王オーロラが、暗黒の魔人青木を伴って南下を開始しました」
 その言葉に息を飲むハンター達。
 ――先にゴヴニアが辺境を貫き、敷いたコンクリートの路。
 それを辿り、青木を伴っただけのオーロラが森を抜け、荒野を渡ってさらにその先にある森を目指している。
 そして。
 オーロラは確実にビッグマーの“怠惰の感染”を引き継いで、進化させているという情報が入ってきたのだ。
 辺境の地に無差別に振りまかれる死の嵐。
 今ここで止めなければ、辺境はまさに滅びの道を進むことになる――。
「オーロラについては別動隊が向かってますので、俺達は青木の足止めに向かいます」
「足止め? 足止めってことは何か目的があるのか?」
「はい。ヴェルナーさんがオーロラの振り撒く怠惰の感染の対抗策を取りに行っています。それに青木が気づけば必ず妨害してくるはずです」
「ああ……だから、青木の気を逸らして、時間稼ぎをするのね?」
「話が早くて助かります。既に族長が辺境部族の戦士を伴って青木の元に向かっていますが、どこまで足止め出来るか……」
「……バタルトゥが先行してる? じゃあもう交戦しているのか?」
「はい。族長が一刻の猶予もないと仰って……」
「何てこと……。いくら辺境部族の戦士達が戦士として優秀って言ったって、ビックマーを吸収した青木と渡り合えるとは思えないわ」
「時間をかけているとバタルトゥもヤバいな」
「はい。だから俺達が一刻も早く応援に行く必要があるんです。……お願いです。辺境の為に力を貸してください!」
 ガバッと頭を下げるイェルズ。ハンター達は頷くと、大急ぎで出立の準備を開始する。

●死地
「ぐあっ」
 聞こえたくぐもった悲鳴。振るわれた槍でまた1人、戦士が倒れた。
 それに構う暇もなく、バタルトゥ・オイマト(kz0023)は鋭い槍の一撃を間一髪で避ける。
 ――目の前の黒衣の男から感じる負のマテリアルは以前とは比にならない。
 たった1人だというのに、辺境部族の戦士達がおもちゃのように薙ぎ払われていく。
「……部族会議の大首長自らお出ましとは、俺も随分名を上げたものだな」
 口の端を上げて笑う青木を睨みつけ、無言を返すバタルトゥ。
 ……この男は強敵だ。辺境部族の戦士では太刀打ちできないことは分かっていた。
 恐らく自分の力量も、怠惰王を吸収したこの歪虚の足元にも及ばないだろう。
 怠惰の感染に対抗する結界も持っているがいつまで持つか分からない。
 ――文字通りの死地だ。
 だが、ここで戦わねば……辺境に訪れる『終末』は避けられない。
 オーロラが進軍している以上、怠惰の感染は撒き散らされるのだ。
「……すまない、皆。俺に命を預けてくれ……。ヴェルナーが対抗策を持って来るまでの間、戦線を維持する……」
「分かりました……!」
「俺達は最期まで、大首長と共に戦います!」
「そうだ!! 辺境の赤き大地を守る為に!!」
 鬨を上げる辺境部族の戦士達。それに青木はフン、と鼻を鳴らす。
「有象無象が、よく吠えたものだな。邪魔をするのなら踏み砕くのみだ……!」
 笑う青木。
 辺境の地に、じわじわと絶望が広がりつつあった。

リプレイ本文

「怠惰王の進軍の為の道、か。怠惰属性の割にキッチリとした事をするんだね」
「それだけオーロラが大事なんだろう。さもなくば、彼女に道なき道を歩く程の身体能力がないのかもしれない」
「そういえば、今まではビックマーの上で寝てたんですもんね」
 長い髪を纏めながら呟く鞍馬 真(ka5819)。アルバ・ソル(ka4189)の声に、羊谷 めい(ka0669)も考え込む。
 そこにアルマ・A・エインズワース(ka4901)がハイッ! と元気に挙手をした。
「ゴヴニアさんが敷いた道はこの辺で……南に向かって伸びてます」
「やけにはっきり明言なさるんですね」
「僕、実際見て来たんで! 間違いないです!」
 かくりと首を傾げるフィロ(ka6966)にエッヘンと胸を張るアルマ。
 そう。彼は先日、怠惰の歪虚達の行動調査の依頼に参加していた。
 そこで見たのは道を作る歪虚達と……暗黒の魔人、青木 燕太郎の姿だった。

 ――以後、この路に近づくならば決めてこい。俺と対し、殺される覚悟をな。

 青木の言葉を思い出し、無意識に笑みを浮かべるアルマ。そんな彼を、仙堂 紫苑(ka5953)がつつく。
「おい、アルマ。ちょっと落ち着け」
「はいっ! 僕落ち着いてますよ!」
 にこっと笑うアルマに苦笑する紫苑。
 アルマは本気で怒ると笑う。さっきの笑みは怒っている時のものだった。
 他の人から見たらあまり差は分からないかもしれないが、そこはそれ。伊達にわんこの飼い主はやっていない。
 鳳城 錬介(ka6053)がゴヴニアの敷いた道の方角を見つめながら口を開く。
「それでは、アルマさんの仰る通り、戦場の特定を空から行えるようにしましょうか」
「そうだね。魔箒やソリに乗っている者であれば上空から見られるだろう」
「はい。位置を共有すればいいですね」
 ジェールトヴァ(ka3098)の声にこくりと頷く夜桜 奏音(ka5754)。
 アシェ-ル(ka2983)がうーん、と腕を組んで考え込む。
「成長する歪虚ですか……そのうち、新しい王になったりして……」
「それなんだけど。何だか違和感があるのよねえ……」
「違和感ですか?」
 マリィア・バルデス(ka5848)の呟きに首を傾げるアシェール。
 マリィアも腑に落ちない、という顔をしたまま続ける。
「……あいつの妄執って、本当に『騎士』になるだけで満足できるものだったかしら。元憤怒王を喰らってでも強くなりたいと願った目的がそれと言うのは、あまり信じられないというか、今までの行動とそぐわない気がするというか……」
「確かにあやつは『強さ』に執着しておる。それもどちらかというと、権威や立場というものに反発を示すが故だったような気がするのう」
「そうなの。青木の原動力は『理不尽に対する怒り』だと思ってたのよ。守りたかった仲間を、無力さの為に失ったから……。でも、守りたいという相手に怠惰王を選ぶ、というのは……ちょっと、青木の本質にそぐわない気がするのよね……」
 フラメディア・イリジア(ka2604)の言葉に、自分の頭の中を整理するように続けるマリィア。
 ――そう。今までの行動にそぐわない。
 あまりにも矛盾しているのだ。
 その矛盾に対して、リューリ・ハルマ(ka0502)は一つの可能性に思い当たった。
「……多分、だけど。燕太郎さん、前の記憶を取り戻してるんじゃないかな」
「え。リューリ、それ本当?」
 目を丸くするアルスレーテ・フュラー(ka6148)に、リューリはうん、と頷く。
「私、燕太郎さんと会う度にセトさんについて質問しててね。その質問すると、いっつも『知らない』、『何度も同じ話をするな』ってイライラして怒ってたんだけど、この間はそうじゃなかったんだよね」
「そう言われてみれば、この間はその話を振っても無反応だったな」
 先日のベアー・レヤクト作戦で対峙した青木を思い出すアルト・ヴァレンティーニ(ka3109)。
 その時はビックマーを吸収する為に急いでいるからだと思っていたのだが。
 もしかしたらそうではなくて……『セトについて思い出しているから』何も言えなかったのではないか?
「わたくしも、先日の作戦で青木さんに会ったですけど。その時、『探し物は見つけた。約束を果たす為に、もっと強くなる必要がある』って言ってたです。その探し物が……オーロラさんに纏わるものなんじゃないですかね」
 胸の前で手を組むエステル・ソル(ka3983)。その言葉にマリィアがハッとする。
「……それなら確かにこの違和感に説明はつくわね」
「そうだね。……そっか。思い出してるんだ……」
 眉根を寄せる岩井崎 メル(ka0520)。
 ――以前参加した依頼。辺境の山中で、朽ち果てたリアルブルーの哨戒艇を見つけた。
 氷で覆われ、朽ちた船。その近くにあった沢山の白骨化した遺体。
 ……それが、青木の歪虚としての始まりの場所だったと知った。
 知ってしまったからには放っておけない。だから……。
「ひとまず現状では仮説に過ぎぬ。……往くとしようかの。真実を確かめる為にも」
 煙管から煙草の火を落としながら言う蜜鈴=カメーリア・ルージュ(ka4009)に頷くハンター達。
 リューリもママチャリに足をかけながら、ぽつりと呟く。
「……燕太郎さんの果たしたい約束って、何なのかな」
「さあね。ロクでもない事じゃないといいんだけど。行きましょ」
 軽い調子で言うアルスレーテにリューリは頷いた。


 辺境の戦士達と青木の交戦ポイントは、出発して早々に割り出す事が出来た。
 まずは、イェルズ・オイマト(kz0143)がある程度の場所は把握していた事。
 そして合わせて、上空から目視で確認していたハンター達がいた事。
 何より……青木が、派手に破壊行動をしていた為、遠目からでも分かり易かったのだ。
 聞こえる破裂音。沸き上がる爆風に、シアーシャ(ka2507)が目を丸くする。
「わあっ! 何アレ!?」
「……衝撃波だ。青木さんが使う技だよ」
 それに答えるイスフェリア(ka2088)。
 彼女は何度か青木と交戦している為、その技を見た事があったが――以前より格段に威力が上がっているように見える。
 再び起きる破裂音に、ラミア・マクトゥーム(ka1720)の背に冷たいものが落ちる。
「マズいよ。あんなの覚醒者じゃないやつが食らったらひとたまりもないじゃないか……!」
「そうですね。族長やハンターさんであれば何とか耐えられるかもしれませんが……時間と共に被害は広がるかと」
「わあ……! それじゃ早く怪我人離脱させなきゃダメじゃない!」
 イェルズの言葉に慌てるシアーシャ。
 辺境の戦士達への被害が広がれば、それだけ人質という『弱点』が増えてしまう――!
 それにいくらバタルトゥが強くても1人では長く持つまい。
 早く。早くあの人のところへ行かなくては……!
 聞こえて来る悲鳴と怒声。イスフェリアは魔箒から降りて走り出す。
「急ごう……!」


 閃く稲妻のような槍。それは身体を紙きれのように一気に貫いて……辺境の戦士は悲鳴をあげる暇もなく事切れる。
「……弱いな。こうも簡単に死なれてしまっては人質にも出来ん。その点お前はもう少し頑張ってくれそうだな? 大首長殿」
 口の端を上げて笑う青木を睨みつけ、無言を返すバタルトゥ。
 戦士達から犠牲を出さぬよう、積極的に青木の攻撃を受け続けていた彼は、身体のあちこちが血の赤に染まっていた。
 次の瞬間、大地を蹴るバタルトゥ。踏み込み、黒い男目掛けて叩き込まれる双剣。
 青木はそれを跳躍で避け、槍を構えて――その刹那。2人の間に赤い陽炎が滑り込む。
「そこまでだ! エンタロウ!!」
「……誰かと思えば茨の王か」
「いい加減ちゃんと名前を憶えてくれないものかな」
 悪態をつきつつ大精霊が司る『勇気』の力を解放し、バタルトゥに加護を与えるアルト。
 すまない、と短く告げた族長に頷き返すと、彼を守るように刀を構える。
 青木との交戦ポイントに、思い思いの移動手段でやってきたハンター達。
 それぞれの最速を目指したものの、到着タイミングのズレは否めない。
 その中でもアルトはぶっちぎりの速度を誇り、交戦ポイントに到達していた。
「今回は珍しいな。ゴヴニアが敷いた道を正々堂々と歩いて来るなんて。普段のお前ならもう少し策を弄してくると思ってたが」
「……力を得たはいいが、このマテリアル量では身を隠すことも難儀でな」
「へえ? 本当にそれだけかい?」
「何が言いたい」
「お前が力を求めた理由だよ。ビックマーを吸収したのは、彼女……オーロラの為か?」
「だとしたらどうする」
「なに。もしそうだったらセトさんと仲が良かったのも頷ける話だなと思っただけさ」
 聞こえた風を切る音。突然振るわれた槍。
 アルトはそれを刀で受け止める。
「……いきなり攻撃とは笑えないな」
「今日は随分とよく喋るな、茨の王」
「ちょっと話をしたい気分なんだよ……!」
 踏み込むアルト。閃く刀。それを青木が跳躍で避けて――そこに、アルスレーテとリューリが駆け込んで来た。
「よし! 追いついた!」
「アルトちゃん、大丈夫!?」
「ああ、オーロラについて話してたところだ」
 2人に頷き返すアルト。リューリはそっか、と頷くと、青木に向き直る。
「ねえねえ。聞きたいと思ってたんだけど。オーロラさんは燕太郎さんの天使なの?」
 笑顔のリューリ。揺れる金色の長い髪。どこかで見た光景。青木の動きが一瞬止まる。

 ――天使?
 噎せ返る血の匂い。
 手にした白い花。
 地獄の中で出会ったのは――。

「やめろ……! 黙れ……!!」
 金色に光る青木の瞳。槍を振るい――。
「衝撃波だ! 散れ!!」
 アルトの叫びとアルスレーテとリューリが飛んだのはほぼ同時。
 抉れる地面。凄まじい爆風。ビリビリと震える空気。
 アルスレーテは持ち上がるスカートを抑えながら叫ぶ。
「スカートめくれるじゃないのこのスケベ!! ちょっとリューリ! いきなり核心突いちゃったんじゃないの!?」
「えっ。セトさんがアルトちゃんを『赤毛の天使』って言ったから……」
「やっぱり類友ってことなのかな。とりあえず皆が来るまで……」
 言いかけたアルト。そこに脚にマテリアルの力を込めて全力疾走してきたレイア・アローネ(ka4082)と真、支援用歩行機に乗ったメルが現れた。
「3人共無事か!?」
「今支援する!」
「遅くなってごめーん! その分これから頑張るよ!」
「私達は平気! それよりバタルトゥと兵士達をお願い!」
「分かった!!」
 アルスレーテに応えるように走り出すレイア。
 真は目の前に広がる光景に思わず顔を顰めた。
 ……覚醒者ではない辺境の戦士に、青木の相手は荷が重かったのだろう。
 沢山の人が地に伏して、血に塗れて――死屍累々と言える状況だった。
「……世界を繋ぎとめるもの。そして全てのものを断ち切るもの。今ここその理を開放する――結界展開!」
 迷わずカ・ディンギルの力を開放する彼。
 彼の使う星神器の結界は、こういった乱戦で、かつ何かを守ろうと思った時に真価を発揮する。
 これでバタルトゥやかなりの辺境の戦士達が支援出来るはずで……。
 大精霊の力を感じ取ったのか、青木は舌打ちをする。
「星神器使いか。厄介だな……」
 輝く機械仕掛けの杖を構える真に狙いを定める青木。咄嗟に身を翻すと、そこに光を纏う大剣が振り下ろされる。
「ほう。そこから避けるか。『厄介なもの』を先に叩くとは、狡猾さは相変わらずじゃのう、青木よ」
「お前も相変わらずのようだな、フラメディア」
 フラメディア目掛けて振り下ろされる槍。
 踏み込み、一気に距離を詰めたアイビス・グラス(ka2477)がそれをパリィグローブで受け流す。
 青木の攻撃は幾度となく受けて来たが、比にならない重みに腕が悲鳴を上げる。
「……っ」
「アイビス、怪我はないかえ?」
「何とかね……! 青木、見ないうちに変わったわね、あなた……」
「そりゃあビックマー吸収してますしねぇ。……というか負のマテリアル半端ないですよぅ」
 目の前の青木から感じる負のマテリアル。
 その量は、近づいただけで凍えるようで……思わず震える星野 ハナ(ka5852)。
 寒気はするが、身体が重いという事なく、怠惰の感染の影響は受けていないように思える。
 これは結界の効果で薄められているからなのか、それとも青木自身に怠惰の感染の能力はないのだろうか……?
 再びぶつかるフラメディアの剣と青木の槍。
 その隙をついて迫るアイビス。
 拳の一撃。確かに感じる手ごたえ。青木は薄く笑うと彼女の腕を掴もうとして……それを遮る青い光線。
 コートを焦がしたそれに、青木が舌打ちする。
「ダメです。させませんよ……!」
「アルマ! まだ殺すなよ!」
 紫苑の指示にこくりと頷くアルマ。青木は口の端を上げて笑う。
「ほう? 俺が殺せると思っているのか?」
「殺す気でやらないとつまんないだろ? なあ、青木。俺の事覚えてるか? ……遊ぼうぜ」
「ハンターなど掃いて捨てるほどいる。いちいち覚えていられんな」
「そうか。そりゃ残念。じゃあ今日は俺の名前を憶えて帰れよ」
「……紫苑、いつでも行けるぞ」
 不敵な笑みを浮かべる紫苑の後ろで銃を構えるキャリコ・ビューイ(ka5044)。
 アルマがニコニコしながら続ける。
「燕太郎さん。僕のお兄ちゃんがお世話になったみたいですねー?」
「……兄? 誰のことだ」
「僕と同じ色の髪に緑の瞳のひとですよ」
「さて、覚えがないな……」
「そうですか。じゃあ、思い出させてあげるですよ! キャリコさん!」
「了解! 仕掛けるぞ!」
 青木の底冷えする目線を受け止めて、更に口角を上げるアルマ。
 キャリコは黒い歪虚に銃口を合わせ、光弾を発射する――。


 交戦ポイントに到着しためいはすぐに傷だらけのバタルトゥのところに駆けつけた。
「バタルトゥさん! 回復をしましょう」
「必要ない。俺より戦士達の回復を頼む」
「ダメだよ。こんなに怪我してるんだから」
 額から流れる血を気にする様子もない族長に必死に言い募るイスフェリア。
「バタルトゥさん、皆を守りたいなら……」
 言いかけて、エステルはギクリとする。
 バタルトゥが、酷く冷たい無機質な目をしていたから。
 ――この人は時々こういう顔をする。
 大切なものを守る為に、色々すり減らして行った結果こうなったのだろうと言うのは今なら理解できる。
 ――でも。この人に、こういう顔をさせてはいけないと思うのだ。
 蜜鈴は鷹揚にため息をつくと、ぐいっと族長の腕を引っ張って下がらせる。
「おんしもほんに強情じゃのう。共に生きて帰らねば、許さぬぞ。民と共に帰るのじゃ。分かったらさっさと治療して来ぬか」
「しかし……」
「そうですよ。バタルトゥさんを失うなんて嫌ですから。辺境のみなさんも、バタルトゥさんを好いている人も、わたしだってそう思っていますよ? 勿論皆さんの回復もします。だから、バタルトゥさんもぱぱっと治してしまいましょう!」
 真剣な表情を見せるめいに観念したのか、動きを止めるバタルトゥ。
 大急ぎで治療を開始する彼女の横で、イスフェリアは精霊に祈りを捧げて彼のマテリアルを活性化させる。
 ――この人はいくら怪我をしても、きっと最後まで下がることはしないだろう。
 辺境の未来のために自分を投げ出す人。彼の描く未来に、彼自身はいない。
 全部ひとりで背負って消えて行く……そんな覚悟を感じる。
 それはとても、悲しい事だと思うし。彼の描く未来を築くお手伝いをしたいと願っているのに――。
「バタルトゥさん、無理はダメだよ。1人で戦ってる訳じゃない。皆辺境を守りたいと思ってるんだから」
「はいです。戦うなとは言いません。その代わりわたくしはあなたを守ります。これは絶対に譲りません!」
 イスフェリアとエステルの真摯な訴え。
 バタルトゥは眉間に皺を寄せて、深くため息をつく。
「……俺は大丈夫だから構うなと言っても聞かぬのだろうな。……治療、助かった。恩に着る。……前線に戻る。……お前達はくれぐれも無理をするなよ」
「どの口がそれを言うのかえ? 下がれと言うても征くのであろ。なれば供に征こう」
 蜜鈴の呆れた声。双剣を手にしたバタルトゥ。その背を守るように追いかける。


 その頃。ラミアとアシェールは部族の戦士達の救護にあたっていた。
 立って戦える戦力は既に半数以下というところだろうか。
 地に伏した戦士達は青木の衝撃波にまとめて薙ぎ払われたのだろうか。
 装備までボロボロになって――。
 どこからか聞こえる呻き声。続く屍の中、微かに息があるものもいて、シアーシャは慌てて駆け寄る。
「まだ息がある……。しっかりして……!」
「どれ。回復をしよう。こちらへ」
 戦士達の傷を確かめるジェールトヴァ。ラミアは動ける戦士達を見渡す。
「皆は怪我人を連れてここから退避してくれる?」
「どうしてだ?! 俺達も最後まで戦う!」
「そうだ! 命を捨てる覚悟をして来たんだ!」
「馬鹿だね! あんた達が今ここで死んだら、誰が辺境の未来を作って行くのさ!!」
 ラミアの一喝にハッとする戦士達。彼女は地に伏した戦士達を見つめながら続ける。
「……青木は強い。あんた達が太刀打ち出来るような歪虚じゃないよ。……今まで、良く頑張って持ちこたえたね」
「ラミアさんの言う通りだよ。後はあたし達が引き受けるから」
「まだオーロラだっているんだ。まだまだ戦いは続くんだよ。生きて次の事を考えな」
 シアーシャとラミアの説得に唇を噛む兵士達。暫しの沈黙の後、重々しく頷く。
「……すみません。大首長を宜しくお願いします」
「うん。任せて!」
「さあ、早く行きな。怪我人はあたしも運ぶから……アルバ! あいつをこっちに寄せないでおくれよ」
「努力するよ。……まあ、今のあいつは他の面々が引き付けてくれているが、念には念を入れよう」
 頷き返すシアーシャ。怪我人を背負いながら言うラミアに、アルバが突然の襲撃に備える。
 イェルズも動けない辺境の戦士を背負うと、ラミアに声をかけた。
「……ありがとうございます」
「何がだい?」
「いや、皆を説き伏せて貰って。俺は族長みたいには出来ないから。助かりました」
「は? 何言ってんのさ。あんただってそれくらいやろうと思えば出来るだろ」
「そうですかね……」
「そうだよ! イェルズさん色々できるじゃない」
「あのねー。あんたは何でそう……とにかく! その話は後! 急ぐよ!!」
 ラミアはシアーシャとイェルズを追い立てると、辺境の戦士達を連れて避難を急ぐ。


 青木とハンターの攻防は熾烈さを極めた。
 青木は特に守護者と星神器を持っているハンター……アルトと真、フィロ、レイア、そしてアルマを優先して狙ってきている。
 アルマは守護者でもなければ星神器を持っている訳ではなかったが、単純にその火力が危険視された結果だと思われる。
「兵士の皆さん、無事に戦線離脱したって」
「それは良かった。錬介君、大丈夫かい?」
「ええ、何とか……!」
 メルの報告に頷くジェールドヴァ。彼に気遣われ、廉介は笑みを返すが……少し疲れが見える。
 無理もない。ガウスジェイルでずっと前衛のダメージを肩代わりしているのだ。
 実際、錬介とジェールトヴァの切れ目のない支援と回復、真の張っている星神器による結界がなければここまで長時間の戦いは不可能だったであろう。
「本来、回復役がここまで忙しいというのも大問題なんですけどね……!」
「全くだ。やれやれ。老体を働かせるなんて君も罪な男だね、青木君」
 聞き覚えのある声に振り返る青木。ジェールトヴァに気付いて、槍を肩に担ぐ。
「……来ていたのか」
「ああ。久しぶりだね。……ビッグマーの力を手に入れて調子はどうだい。オーロラさんはさぞや悲しんだ事だろうね」
「そう、だな」
「けど不思議な事に、オーロラさんはきみと決裂している様子は見られない。彼女はこの事実を知らないようだね?」
 ジェールドヴァの言葉に無言を返す青木。否定しない……いや、出来ないのか。
 この男は、勝つ為の手段には手段を択ばないが、嘘はつかない。
 これも、生前の生真面目さから来ているものなのかな……。
 そんな事を考えながら、彼は続ける。
「事実は隠しておけるものでもない。いずれ彼女の知る所になると思うけど……その時は、どうするのかな」
「そんな日は来ない。その事実を知っている者は全てこの手で消滅させる」
「そんなのハンター全員殺さなきゃいけないじゃないですか! 無茶苦茶ですよ!」
「出来るさ。この力を持ってしてならな……!」
「――轟く雷、穿つは我が怨敵……一閃の想いに貫かれ、己が矮小さを識れ」
 アシェールの叫びに笑う青木。続く蜜鈴の詠唱。同時に打ち出される火球と雷撃。
 槍を振るう青木。打ち出される衝撃波。それは彼女の放った火球を巻き込んで消えて行く。
「えっ。あれを打ち消すんです……!?」
「雷撃は通ったようじゃし、流石に全部とはいかぬようじゃがなあ。ほんに厄介なやつよの」
「うわあ……。さすが強敵なだけありますね。よし、嫌がらせしてやります!」
「……待つのじゃアシェール」
 飛び出して行こうとするアシェールを引き留める蜜鈴。
 突如感じた寒気。周囲のマテリアルが急激に吸い取られるような感覚。
 この感覚には覚えがある。
「投擲槍! 来るぞえ!!」
 フラメディアの鋭い声に咄嗟に反応する仲間達。
 次の瞬間、飛来する槍。
 轟音と共に地面に大きな穴が開く。
「……威力がえげつない事になってるわね」
「前兆は変わらぬが、投擲までの時間が短くなっておるな」
 自分の近くの土がごっそり消えて目を丸くするアイビス。
 フラメディアの呟きに、銃撃を繰り返しているマリィアが舌打ちをする。
「攻撃スキルは打ち消す、行動阻害は効かない、本当に敵としてはいやらしいわね……!」
 マリィアが放つ銃弾から降り注ぐ光の雨。それは封印の力を持つ筈なのだが――。
 奏音も幾度となく五色光符陣と白龍の息吹を繰り出しているが、青木に効いた様子は見られない。
「元々、こういった行動阻害系のスキルには強い歪虚だったけど、ビックマーを吸収した事で更に特化されたのかしら」
「その可能性はありますね……。一先ず、何が効いて何が効かないのか、1つ1つ試しましょう」
 再び符を投げる奏音に頷き、銃を構えるマリィア。
 こうなったら徹底的に調べてやるまでだ。
「キャリコ、アルマ! あいつをこっちにおびき寄せろ!」
「了解!」
「はいはーい!!」
 紫苑の声に応えて、走り出すキャリコとアルマ。
 アルマの光線を避けようと衝撃波を繰り出そうとした青木。
 キャリコの妨害射撃に槍を弾かれ、青木が舌打ちをする。
「あはっ。キャリコさん流石です! 僕も一撃くらい、お礼させてくださいね。燕太郎さん……!」
 真っ直ぐに飛来する蒼い光線。それは青木の身体に吸い込まれ、顔を顰める。
「アルマの攻撃食らって生きてるってすげえな……」
 呟きと共に跳躍し、筋肉の波動を解き放つ紫苑。
 残念ながら知力の低下は引き起こせなかったが、青木を怒らせるには十分過ぎた。
「ちょこまかと煩い……! 死ね……!」
 忌々しげに叫ぶ青木。
 右手をまっすぐに。そして左手を折り曲げて……まるで、矢を番えるような姿勢になる。
 その手に、じわじわと形を成す何か。
 半透明の、黒い大きな弓が出現して――。
「黒弓じゃ!」
 逃げよ、と言いかけたフラメディア。
 あの槍を至近距離で食らったら、逃げおおせられるものでもない。
 ましてや、ビックマーを吸収している今は、力が上がっている可能性がある……!
「くそ……! ハナ! あれを封じられるかえ!?」
「はーい! 試してみるですぅ! これで駄目だと私は打つ手が尽きちゃいますぅ」
 フラメディアの声に応え、符を空に投げるハナ。
 符が当たった黒弓が、じわじわと消えて行く。
「あれっ。黒曜封印符効いたですよぅ……!?」
「今まで試した事なかったの!?」
 びっくりしているハナに目を丸くするマリィア。アルバが思い出すように首をひねる。
「確かソードブレイカーとカウンターマジックは試した事があったんだが……」
「黒曜封印符は状況が許さなかったりして試せた事がなかったんじゃなかった?」
「カウンターマジックは効かなかったですけど、ソードブレイカーは効いてたです!」
 アルスレーテの言葉を補足するエステル。
 マリィアが納得したように頷く。
「行動阻害系は効きにくいけど、武器を封じたりスキル自体を封じたりっていうのはアリって事ね……!」
「なるほど。本人じゃなくて武器ってとこがポイントか? 流石のやっこさんも無敵じゃないってこったな」
「とにかくハナさんは引き続き封印を! 彼女の護衛をお願いします!」
「了解。引き受けた!」
「任せておけ。まさに今回の私の使命だ」
 フィロの叫びに応じるアルバと真。
 彼女は星神器に力を込めて青木に迫る。
「さて、そろそろお帰り戴きたいのですが……少しお伺いしたいのでお付き合いくださいませ」
「よし! 強化したよ!! バビッと攻撃しちゃって!」
「ありがと! 青木くらえー!」
「とりゃー!」
 メルの支援を受けて飛びかかるアルスレーテ。
 同時に跳躍したアイビス。
 2人同時に連撃が叩き込まれる。
「私の生足見た代償は払って貰うわ……って硬っ!!!」
「……本当、厄介になったわねあなた」
 腕をぷるぷると振るアルスレーテに呟くアイビス。
 これもビックマーを吸収した影響なのだろうか。青木から溢れ出る負のマテリアルは暴力的で、触るだけでダメージを貰いそうだ。
 リューリは大きな斧を構えてこそいるが、あまり攻撃する気はないらしい。紫の双眸を青木に向ける。
「ねえ、燕太郎さん。セトさんの事覚えてる? 親友だったんでしょう?」
 必死に言い募るリューリ。青木から反応がないが……それでも。彼女は言葉を紡ぐ。
「セトさん、燕太郎さんの事心配してたよ。きっと今だって……燕太郎さんは、銀色の蝶を見た事ない?」
 返答の代わりにリューリに目掛けて振るわれた槍。それを代わりに受け止めたアルト。
 ……それで、彼女は確信した。
 ――青木は、セトの事を思い出している。
 今まで何度か対峙してきて、こんなに『迷い』のある一撃を受けたのはこれが初めてだった。
「今更それについて話す意味はない」
「そうか。でも、私達は、セトさんにお前を止めろって頼まれてるんでね……!」
 青木の槍を押し返すアルト。フラメディアも刀を振るいながら黒い歪虚を睨む。
「……まったく、ここまで強くなって何がしたいのやら。そろそろ教えてもろうてもよかろう?」
「……青木様。怠惰王は貴方の仲間ですか。王に仕えるのが青木様の目的ですか?」
「……違う。俺は……」
「オーロラさんは蒼の世界の人ではないですか? 彼女は誰と契約して歪虚になったのですか?」
「……オーロラと誰が契約したか? こっちが知りたい! 一体彼女が何をした!? 何故あの子があんな目に遭う……!」
 フィロとエステルの問い。青木の慟哭。
 次の瞬間、青木から膨大な負のマテリアルが噴き出す。
「皆! 伏せてーーー!!」
「まずい! エステル!」
「きゃあああっ!」
 拡声器から響くメルの声。咄嗟にエステルを抱え込み、地に伏せたアルバ。
 放出された負のマテリアルは無数の黒い鎖となって、次々と青木の近くにいた者達……リューリとアルト、アルスレーテ、アイビス、フィロを次々と貫いた。
「何だあれは……!」
「あれが新技ってとこだろうな」
「わー。めっちゃ面白そうですー」
 驚愕するキャリコに興味深げに呟く紫苑の横で、アルマが殊更深い笑みを浮かべる。
「今回復を……!」
「待って。青木の様子が……」
 仲間の元に駆け寄ろうとする錬介を制止するメル。
 見ると、青木の右腕が異様に大きく膨れ上がり、苦悶の表情を浮かべていて……満身創痍の身体を引きずりながら青木に近づこうとするリューリに、アルトが息を飲む。
「リューリちゃん! ダメだ……!」
「……燕太郎さん、苦しいの?」
「……心配をする相手を間違っているぞ、リューリ。……時間切れか。勝負は預ける」
 リューリを人質に取ることもなく、腕を押さえ、跳躍して距離を取る青木。
 ――そのまま、振り返らずに去って行った。


「バタルトゥさん、大丈夫ですか……!?」
「……ああ、お前達が怪我をする間もなく回復してくれたからな……大事ない……」
「良かった……」
 真っ先にバタルトゥの無事を確認しためい。
 深い傷を負った様子のない彼に、イスフェリアは安堵のため息をつく。
 青木の去って行った方角を見つめて、紫苑が口を開いた。
「……あいつ、もしかしたら力の制御をしきれてないのかもしれないな」
「わう? 何でそう思うです?」
「ん? ちょっと帰り際、様子がおかしかったんでな。お前だって飯食い過ぎたら腹壊したりするだろ?」
「あ……。クマさんの力が大きすぎて食あたりしてるってことです?」
「まあ、分かり易く言うとそういうことだな」
 説明になるほどー! と頷くアルマ。
 青木はハイルタイに加え、蓬生の弟である災狐、そしてビックマーを吸収している。
 それだけ食い続ければ、何らかの悪影響が出ても不思議ではない。
 キャリコは銃を仕舞いながら仲間達を見る。
「これから先、あいつが制御の方法を覚える可能性もある。早期の決着を目指すというのも手かもしれんな」
「そうだね……。勤勉な彼のことだから、問題の修正は試みるだろうからね」
「やれやれ。もうしばらく辺境は落ち着きそうにないのう……」
 ジェールドヴァの呟きに、煙管に火を入れた蜜鈴。ため息と共に紫煙を吐き出した。

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MVP一覧

  • ずっとあなたの隣で
    ラミア・マクトゥームka1720
  • 茨の王
    アルト・ヴァレンティーニka3109
  • 部族なき部族
    エステル・ソルka3983
  • 大局を見据える者
    仙堂 紫苑ka5953
  • 流浪の聖人
    鳳城 錬介ka6053

重体一覧

  • 元気な墓守猫
    リューリ・ハルマka0502
  • 戦いを選ぶ閃緑
    アイビス・グラスka2477
  • 洞察せし燃える瞳
    フラメディア・イリジアka2604
  • 茨の王
    アルト・ヴァレンティーニka3109
  • お約束のツナサンド
    アルスレーテ・フュラーka6148
  • ルル大学防諜部門長
    フィロka6966

参加者一覧

  • 元気な墓守猫
    リューリ・ハルマ(ka0502
    エルフ|20才|女性|霊闘士
  • 「ししょー」
    岩井崎 メル(ka0520
    人間(蒼)|17才|女性|機導師
  • Sanctuary
    羊谷 めい(ka0669
    人間(蒼)|15才|女性|聖導士
  • ずっとあなたの隣で
    ラミア・マクトゥーム(ka1720
    人間(紅)|15才|女性|霊闘士
  • 導きの乙女
    イスフェリア(ka2088
    人間(紅)|17才|女性|聖導士
  • 戦いを選ぶ閃緑
    アイビス・グラス(ka2477
    人間(蒼)|17才|女性|疾影士
  • 力の限り前向きに!
    シアーシャ(ka2507
    人間(紅)|16才|女性|闘狩人
  • 洞察せし燃える瞳
    フラメディア・イリジア(ka2604
    ドワーフ|14才|女性|闘狩人
  • 東方帝の正室
    アシェ-ル(ka2983
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • 大いなる導き
    ジェールトヴァ(ka3098
    エルフ|70才|男性|聖導士
  • 茨の王
    アルト・ヴァレンティーニ(ka3109
    人間(紅)|21才|女性|疾影士
  • 部族なき部族
    エステル・ソル(ka3983
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • ヒトとして生きるもの
    蜜鈴=カメーリア・ルージュ(ka4009
    エルフ|22才|女性|魔術師
  • 乙女の護り
    レイア・アローネ(ka4082
    人間(紅)|24才|女性|闘狩人
  • 正義なる楯
    アルバ・ソル(ka4189
    人間(紅)|18才|男性|魔術師
  • フリーデリーケの旦那様
    アルマ・A・エインズワース(ka4901
    エルフ|26才|男性|機導師
  • 自在の弾丸
    キャリコ・ビューイ(ka5044
    人間(紅)|18才|男性|猟撃士
  • 想いと記憶を護りし旅巫女
    夜桜 奏音(ka5754
    エルフ|19才|女性|符術師

  • 鞍馬 真(ka5819
    人間(蒼)|22才|男性|闘狩人
  • ベゴニアを君に
    マリィア・バルデス(ka5848
    人間(蒼)|24才|女性|猟撃士
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナ(ka5852
    人間(蒼)|24才|女性|符術師
  • 大局を見据える者
    仙堂 紫苑(ka5953
    人間(紅)|23才|男性|機導師
  • 流浪の聖人
    鳳城 錬介(ka6053
    鬼|19才|男性|聖導士
  • お約束のツナサンド
    アルスレーテ・フュラー(ka6148
    エルフ|27才|女性|格闘士
  • ルル大学防諜部門長
    フィロ(ka6966
    オートマトン|24才|女性|格闘士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 青木さんの能力共有卓
エステル・ソル(ka3983
人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|魔術師(マギステル)
最終発言
2019/01/20 09:37:51
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2019/01/22 23:20:41
アイコン 相談卓
アルスレーテ・フュラー(ka6148
エルフ|27才|女性|格闘士(マスターアームズ)
最終発言
2019/01/25 04:46:30