ゲスト
(ka0000)
豆まきからの雪合戦!
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~14人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2019/02/05 15:00
- 完成日
- 2019/02/18 14:21
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●豆まきとは?
ラカ・ベルフは近所の子リル・アウヌが見せてくれたルゥル(kz0210)作『王国とか知っていることメモ』にある節分を見て、頭を痛めていた。
「鬼に対して豆をまくのですか……鬼と言うと、さすがの私でも理解していますわ……エトファリカ連邦国特有の種族でしたわよね……」
それに対して「鬼は外、福は内」と豆をぶつけるという。フクと言うのが何かよくわからないが、ルゥルの説明だと「鬼は悪い人の例で、福は良い人の例だそうです」とある。
「通行人の鬼の方に豆をぶつけると問題ですわよね……確かに悪人であれば問題ありませんけれども」
ラカは首をかしげる。どうやって悪人かいい人か見分けるのかや良い悪いの判断基準がわからない。
この件に関して誰かに聞きたい欲求もあるが、誰に聞いたものだろうと悩んだ。
「そもそも、豆と一口にいっても色々ありますわね」
レンズ豆からカカオ豆までサイズも様々だと理解はしている。
「そういえば、バレンタインと言うのがあると聞くので、カカオ豆でしょうか?」
突っ込む係はラカの家にはいない。
小屋にいるフェレットのモニはハンモックで眠っている。起きていてもツッコミをしてくれるわけではない。
「カカオ豆を入手するのは大変ですよね……それにカカオ豆をぶつけると痛いですわよね……」
ラカは考える、どうしたらいいのか考えた。
「そうですわ! つららを投げればいいのです! つららを掴んで投げるのは難し……いですけれども、刺さったら痛いですわね……」
ラカはしおれていった。
「どうしたらいいのでしょう……何か、何か、こう、違うものを投げる……」
ラカなりに色々考えた。
●雪合戦
池の氷の上で雪合戦をすることにした。雪玉ならばつららに比べれば痛くはないし、投げやすいだろう。
「飛行するようなスキルはいけませんわ!」
依頼を受ける職員はうなずいた。それは同意する。スパイクなども禁止と職員は自主的に書いていく。
「依頼というより、何か新しい遊びの試運転ですか?」
「……そうなるのでしょうか? いえ、リアルブルーにあるというセツブンという儀式を確かめてみようと思ったはずでしたが……」
ラカははっとする。どこでどう間違ってこうなったのかわからなくなっていた。リルに調査結果を教えるのが締めの作業だが、全く違う方向に進んでいると職員の一言で気づいた。
「でもまあ、面白そうですね。で、依頼として登録しておきます。こういう時期じゃないと楽しめないことというのもいいものですよ」
職員はラカを促した。
「……えっと……私の気持ちはどこに行けばいいのでしょうか……そうですね、まあ……えっと、雪玉を作って投げます」
ルールをラカは説明していった。それを職員は書き込んでいく。
「勝敗は……相手の旗をとる……」
「あ、重要なのは投げるときは『フクハウチ』と叫ばないといけません!」
「叫びますか!」
そのあと、どうやって勝敗を決めるのかとかコートの広さとかルールがラカと職員の手で詰められていく。
その結果、最大で1チーム7人、1セット3分、3セットで2セット取ったチームが勝ちというシンプルにはなった。
職員はふと思った。
「場所……ものすごく寒いですよね……」
「まあ、寒いですよ? 何もありませんし、遮蔽物」
凍る池がある周りはたぶん草原で吹きさらしだった。
「大丈夫ですよ、このくらいは」
にこりと微笑むラカに職員は「寒さ注意」とメモをしておくのだった。
ラカ・ベルフは近所の子リル・アウヌが見せてくれたルゥル(kz0210)作『王国とか知っていることメモ』にある節分を見て、頭を痛めていた。
「鬼に対して豆をまくのですか……鬼と言うと、さすがの私でも理解していますわ……エトファリカ連邦国特有の種族でしたわよね……」
それに対して「鬼は外、福は内」と豆をぶつけるという。フクと言うのが何かよくわからないが、ルゥルの説明だと「鬼は悪い人の例で、福は良い人の例だそうです」とある。
「通行人の鬼の方に豆をぶつけると問題ですわよね……確かに悪人であれば問題ありませんけれども」
ラカは首をかしげる。どうやって悪人かいい人か見分けるのかや良い悪いの判断基準がわからない。
この件に関して誰かに聞きたい欲求もあるが、誰に聞いたものだろうと悩んだ。
「そもそも、豆と一口にいっても色々ありますわね」
レンズ豆からカカオ豆までサイズも様々だと理解はしている。
「そういえば、バレンタインと言うのがあると聞くので、カカオ豆でしょうか?」
突っ込む係はラカの家にはいない。
小屋にいるフェレットのモニはハンモックで眠っている。起きていてもツッコミをしてくれるわけではない。
「カカオ豆を入手するのは大変ですよね……それにカカオ豆をぶつけると痛いですわよね……」
ラカは考える、どうしたらいいのか考えた。
「そうですわ! つららを投げればいいのです! つららを掴んで投げるのは難し……いですけれども、刺さったら痛いですわね……」
ラカはしおれていった。
「どうしたらいいのでしょう……何か、何か、こう、違うものを投げる……」
ラカなりに色々考えた。
●雪合戦
池の氷の上で雪合戦をすることにした。雪玉ならばつららに比べれば痛くはないし、投げやすいだろう。
「飛行するようなスキルはいけませんわ!」
依頼を受ける職員はうなずいた。それは同意する。スパイクなども禁止と職員は自主的に書いていく。
「依頼というより、何か新しい遊びの試運転ですか?」
「……そうなるのでしょうか? いえ、リアルブルーにあるというセツブンという儀式を確かめてみようと思ったはずでしたが……」
ラカははっとする。どこでどう間違ってこうなったのかわからなくなっていた。リルに調査結果を教えるのが締めの作業だが、全く違う方向に進んでいると職員の一言で気づいた。
「でもまあ、面白そうですね。で、依頼として登録しておきます。こういう時期じゃないと楽しめないことというのもいいものですよ」
職員はラカを促した。
「……えっと……私の気持ちはどこに行けばいいのでしょうか……そうですね、まあ……えっと、雪玉を作って投げます」
ルールをラカは説明していった。それを職員は書き込んでいく。
「勝敗は……相手の旗をとる……」
「あ、重要なのは投げるときは『フクハウチ』と叫ばないといけません!」
「叫びますか!」
そのあと、どうやって勝敗を決めるのかとかコートの広さとかルールがラカと職員の手で詰められていく。
その結果、最大で1チーム7人、1セット3分、3セットで2セット取ったチームが勝ちというシンプルにはなった。
職員はふと思った。
「場所……ものすごく寒いですよね……」
「まあ、寒いですよ? 何もありませんし、遮蔽物」
凍る池がある周りはたぶん草原で吹きさらしだった。
「大丈夫ですよ、このくらいは」
にこりと微笑むラカに職員は「寒さ注意」とメモをしておくのだった。
リプレイ本文
●準備
「節分アタック楽しみですぅ」
星野 ハナ(ka5852)は節分が何か理解している。そのため、状況は楽しむべきであり、節分が何かさりげなく教えることを検討しつつ準備する。
「殻付き落花生を参加者の年齢合計プラス100粒ほど……あとは海鮮と肉の恵方巻」
雪合戦の後のお楽しみ。
フィロ(ka6966)は依頼の内容を見て、職員に尋ねる。
「リアルブルーの節分と言う行事を龍園風に取り入れたい、という御意向なのでしょうか?」
節分について調べた後に浮かんだ疑問だ。
星空の幻(ka6980)も話を聞く。
「俺知ってるよ、せつぶんって枝豆が成長した豆を投げるんだよね……? ええと……確か、きなこだっけ?」
「節分とは炒り豆をまいて邪気払う。寒い地方や落花生の産地では殻付き落花生を使用する……龍園は寒いですから炒り豆より殻付き落花生がよさそうです」
二人は一斉に喋ったため、職員は反応が遅かった。
「防寒の準備をしてくる時間はあるよね?」
星空の幻が参加のための準備に走りる。
「きなこは炒り豆の先のことです……タイミングを逃してしまいました」
フィロはこの後、職員から雪合戦の経緯を聞いた。
ユウ(ka6891)は龍園の実家に寄り、人数分の軽食や飲み物を保温して持っていくことにする。
地元で神官主催の雪合戦という依頼な、わくわくとテンション高い。
「勝敗より皆で楽しく過ごすことが大切です。でも、勝つためには全力を尽くします!」
荷物を持って元気よく出かけた。
ヴォーイ・スマシェストヴィエ(ka1613)は早めに現地にやってくる。休憩用ティピーや温まるための道具をソリに積んでいる。
「ラカちゃん、コート作り頑張ったなぁ」
障害物たる壁を作るのは骨が折れるはずだ。ラカ・ベルフ(kz0240)がどうやってこれを作ったのかは本人が語らなければわからない。
木綿花(ka6927)は集合場所でラカにあいさつをする。
「面白そうですし、スキル使用もとは覚醒者限定の遊びなのですね?」
「え? あら?」
なぜかラカは困った顔をし、その背後では大きな汗が一つ垂れたようにも見えた。
「このような遊びは何のためなのかと不思議にも思いました。神官様方の運動のため?」
本、持っている人多いし、ひきこもり万歳と言う人もいるようだからだろうか。
人数が集まったところでチーム分けから始める。
●玉つくり
チーム毎に雪玉作りと作戦タイム。
エステル・ソル(ka3983)は着ぐるみ装備の「まるごときつね」をまとっている。
「ぬくぬくでかわいいのです! 尻尾もふさふさーとしているのです」
ゆれる尻尾をラカがじっと見ているのに気づいて振り返ると、視線が逸らされた。
「節分さんと雪合戦さん……知っているのと違います。でも、楽しいことは良いことです 気にせず楽しむのです」
リュー・グランフェスト(ka2419)はうなずいた。
「なんで豆まきから雪合戦になっているのか、ツッコミどころは多いな」
考えても仕方がないので前を向いた。
レイア・アローネ(ka4082)は首をかしげていた。
「豆まきってこういうものだとは知らなかったぞ? ラカによると、ルゥル(kz0210)から聞いたというのだ」
「……その時点で色々混じっていたのかもな」
「ルゥルを私は信じる」
「待て、いいのか」
リューのツッコミは何かを信じ切ったレイアの耳には届かなかった。
サクラ・エルフリード(ka2598)は色々考えたが、面白ければいいと最終結論を出していた。
「福は内というとはいえ、それ以外は普通の雪合戦な気がしますね」
せっせと雪玉を作る。
「アイテムを投げるなら【アイテムスロー】が使えます? でも、こっそり雪玉を投げるにしても『福は内』と言わないといけないので、こっそりは無理ですね……バレバレでした……」
スキルで雪玉が道具の何かに分類されるならば、味方に渡すことは可能かもしれない。
星空の幻はぎゅぎゅと握り、雪玉を作る。
「投げるのだから、しっかりと握らないとだね?」
用意されている雪はどちらかと言うと氷に近いかもしれなかった。
「それより、作戦はどうしますか?」
フィロが淡々と尋ねる。手元には雪玉ができていく。
「そうだな……まず……」
リューが提案する。それに対し、自分ができること、分担をしていく。
エルバッハ・リオン(ka2434)はラカにもしもの時を考えて【ウォーターウォーク】について許可を取っておくことにした。
「もしもがないことに越したことはありません。しかし、氷が割れてしまう緊急時に【ウォーターウォーク】は使ってもよろしいですね?」
スキルの制限を考えると浮くとい作用があるため、念のために問う。
「もしもがある方が困りますが……必要な時に使うものは止めません」
ラカはまじめな顔でうなずいた。
「では、あちらで作戦会議に行ってきますね」
エルバッハはBチームに合流する。
ヴォーイとハナ、ユウ、木綿花がせっせと雪玉を作っている。
「通信機のチャンネルは合わせておかないといけませんね」
木綿花の言葉に全員が通信機を合わせる。
「私はまず、雪玉を壁に隠しに持っていきますね。そのあとは、適宜動きます」
「人数的に余裕があるのでぇ、式神に雪玉運ばせましょうか」
ユウとハナが告げる。雪玉を移動させるということは重要だ。雪玉は後方にしかないのだから。
「範囲的には……自陣の真ん中あたりの壁に行けば魔法は届きますね……」
エルバッハは敵陣を見て考えた。
そのあと、どうするかを綿密に練った。
試合開始の前に星空の幻は防寒済みのペットのもっちゃりかっぱをラカに渡した。
「もっちー、がんばるよー」
ラカは防寒対策ばっちりのもっちゃりかっぱを持ち、試合開始の合図をする。
(モニが好きそうです)
エステルのきつねの尻尾はもこもこ動くし、フェレットがじゃれつくのにはよさそうだと微笑んでいるのだった。
●試合開始
後方線に並び、試合開始の挨拶。
ヴォーイとユウは雪玉を持って前の壁に移動していく。ハナは人数を考え式神を作り、雪玉を運ばせる。
「式神が見つかると狙われるかもしれませんしぃ、開始直後の今のうちですぅ」
エルバッハは自陣の中ほどの壁に隠れる。そして、【集中】し、アイテムのサポートを引き出しつつ【エクステンドレンジ】を絡め【スリープクラウド】を唱え始めた。
木綿花は余っている魔導スマートフォンを「城」に置いておき、自分は雪玉を持って壁に隠れ、状況をうかがった。
一方、Aチームは動きが速かった。
リューとレイアは使う雪玉を手に、前に出る。足元が滑るためであるため、ある程度動きは制限される。
こっそりと隠密行動で移動するサクラはできる限り雪玉は持つ。アイテムスローできるか否かもあるけれど、持っていかないことには何もできない。
フィロと星空の幻は後方から敵陣に雪玉を投げ入れる。相手もこそりこそりと移動するため、見えづらい。
エステルはおもむろに旗の回りを固め始めた。
ヴォーイは敵チームの一部が前に来たことから、壁から飛び出す。そして、おもむろに筋肉のアピールを始めた。
リューとレイア、サクラは進行方向にある輝きに目を奪われてしまった。
「うおおお!」
「なんてことだ!」
「え? え?」
ヴォーイに向かって雪玉を投げようとしている。
そこにエルバッハの【スリープクラウド】が飛んでくる。さらなる精神抵抗を求められた三人は乗り切れた――わけではなく、レイアが眠る。そこに木綿花の雪玉が飛んでくる。
「ふくはうちー」
冷たさで目を覚ましたレイアはしおしおとコートの外に出ることになった。
なお、【マッスルトーチ】のヴォーイに対し、リューがぶん殴るように雪玉をたたきつけ、サクラがこっそりと潜み「福は内」と言いながら雪玉を投げた。
「あっ」
ヴォーイは外に出ることになった。
ユウは近づいたリューに雪玉を投げてたが、よけられた。
「これは危険なのです! 【アースウォール】」
エステルは前に雪玉を運ぶために壁を作った。
ほぼ同時にフィロと星空の幻からエルバッハを狙う雪玉が投げられた――が、壁に当たった。
「今、余計な壁ができたような気がしたのですが……」
審判のラカ、動体視力は良くないのか、手元にいたもっちゃりかっぱに気を取られていたのか、試合を見ていなかった。
「壁は駄目なのでしょうか?」
「反則とられませんでしたが、ラカ様の言葉から不穏な気がします」
エステルは首を傾げ、フィロが分析の結果告げた。
「……でも、スリープクラウドは許されているよね……」
星空の幻は首をかしげる。
この間、ハナが符を放り投げて何かをしていた。
「お楽しみはこれからですぅ」
ぐふふ、と微妙な笑いを漏らしていた。
乱戦から抜け、敵陣に一番早く入ったのはリューだった。雪玉は先ほど投げた。
「旗を取れば勝ちなんだよな」
「そうはさせません! 【スリープクラウド】」
「うがっ」
エルバッハは味方を巻き込まず、入ってきた敵を範囲にうまい具合に魔法を放つ。
こっそりと入ろうとしていたサクラは雲に包まれていた。
「ま、まさか……ね、寝たら死にま……すーーーーーーーーーーー」
ユウとハナ、木綿花は侵入者リューや壁から出たところで眠りについたサクラを狙って雪玉を投げた。
「……あれ? 残念ですぅ」
ハナは仕込んだ【地縛符】設置部分に通ったサクラが、何事もなくそのあとのスリープクラウドに掛かったのを見た。とはいえ、サクラはコートの外に出ている。
Aチーム後衛組。エステルは白い布をかぶって、旗の側でうずくまった。
「ここで驚かせて捕まえるのです」
踏まれないように。
フィロは前衛総崩れの現状を見て、前に出ることにした。
「援護をお願いします」
「うん……福はーうちー」
星空の幻は勢いよく雪玉を投げた。その雪玉は自陣に入ろうとしているユウに向かっていくが、回避された。
なお、コートの外に出たメンバーは離れたところに作られた風よけと簡易のかまどの火にあたる。火にあたるというより、その周りが暖かい。
「動かないと……」
「……寒い」
ヴォーイとリューは足踏み等をして止まらないようにする。
「それにしても、光る次は寝る……」
レイアが頭を抱える。
「タイミングですよね……」
サクラは溜息を洩らした。そろそろ勝敗がつくころだろうとコートを見つめる。
エルバッハは敵陣にスリープラウドを投げ込む。
前進してきていたフィロは巻き込まれて眠った。むろん、その直後、ハナから雪玉が当てられる。
一方で敵陣に入ったユウを星空の幻が狙うが避けた。
エステル、着ぐるみ着ていても伏せている間、下から冷たい空気が当たる。
「羊さんはぬくぬくで気持ちがいいのです、キツネさんも……ぬく……ん……寝たら、駄目なのです」
寒さによる睡魔が襲ってきていた。
「回避の回数と人数……Bチームの勝ちです」
ラカが終了を宣言した。どのタイミングか、計算をしないで見ていたのか変なタイミングに宣言が入る。
旗に近づいていたユウは、白い布の下でうつらうつらするエステルに気づいた。
「エステルさん!? エステルさん、駄目です、寝たら死にます!」
慌てて抱き起こす。
審判兼救急隊のラカが毛布を持って走り寄り、火の有るところにエステルを運んでいった。
「神官様! さすがです」
ユウが感動するほどラカは素早かった。
エステルはぎゅと抱きしめるレイアとかまどの火により解凍された。
「こ、ここまで寒さが来るとは思いませんでした」
「よ、よかったエステル」
レイアは泣き出しそうだった。
氷にふせるのは危険なので禁止というルールが加わった。
●2ゲーム目
雪玉作り第二弾と作戦タイム。
「雪玉をどうやって送るか、すぐに旗を取るか」
「そうですね。旗を取ってしまえば終わりです」
リューの言葉を受けてフィロはうなずく。
「雪玉送ることは……マッスルにスリープ……」
「……スキルをガンガン使ってくるなあっちは」
サクラとレイアは前に出たときスキルの影響を受けた。Aチームも使っていなくはないが、身体能力を上げるものが多い。
「壁を作ります?」
「場所、重要だね」
エステルの提案に星空の幻が言った。計画的に立てないと、敵に届かないで雪玉は終わってしまう。それと、ラカが反則をどう取るかがわからない問題もある。
次はスキル、使ってしまおうという結論。
「このままでいいってことか」
「でも、相手もこちらの手を読んでくるでしょう」
ヴォーイに対しエルバッハが告げる。
「本格的にスキル使ってもいいのですぅ?」
ハナは言うが、1ゲーム目もしっかり使っている。
「ラカ様、障害物発生について何も言いませんでしたね」
「空中に浮かぶ以外なら比較的、何でもありなのでしょうか……」
木綿花とユウはラカを見つめる。ラカは氷が大丈夫か確認を行っているようだった。
2ゲーム目が始まった。皆、スピード重視になっている。
雪玉を送ろうとしたエステルは躓いて滑った。
「きゃあああ」
「エステルさん!?」
雪玉を持って移動していたサクラは慌ててエステルを回避する。持っていた雪玉は宙を舞い、エステルは壁にぶつかり止まった。
リューとレイアは前に出る。
「あいつに気を取られても、落とせばいい」
リューは気合を入れた。
「壁は作ればいい!」
レイアは気合を入れてスキルを発動する。ぶわーと雪や氷のかけらが宙を舞った。
一方で後衛の星空の幻は雪玉を大量に持ち上げる。
「一気に行くのー! 福は内!」
バッと放り投げた雪玉はマテリアルが込められていたかもしれない。
それはまるで彼女が編み出した【星々の泪】が発動したかの如く、氷の塊が隕石のように降ってくるかもしれない。そんな頑丈な塊が降ってきたら氷は厚くてもどうなるかわからない。ただし、スキル発動させる条件をみたしているのかと言われるとラカは「え?」と答えるだろう。
「……これは何でしょう……不安? それとも、恐怖」
フィロは仲間の援護のために雪玉を投げながら、誰かに警告を発するべきか何か一瞬考えた。
ヴォーイは雪玉を運んだ後、囮をするか止めるかと言うことを考える。
「ここは私の方がスキルを使います【スリープクラウド】」
「おう、来るものは止めて狙う」
動きを止めるのはエルバッハに任せ、ヴォーイは【ファントムハンド】で押さえて雪玉を当てることにした。
ユウは雪玉を移動させた後、乱戦を避け相手に向けて雪玉を投げる。
「……Aチーム……武器抜くのありなのです?」
ユウはスキルの使用のことも考えると、雪玉は武器であって武器ではないため、相手が何かするならばスキルにあった行動をするしかないと気づいた。
ハナも前の方には出ていたが視界は白い。
「うーん、これは……少し視界が悪いのですぅ」
ハナの前で符が舞った。炎が生まれ、敵陣の壁にぶつかった。
「……えっと? ふくはうちー」
木綿花は荒れる視界に動揺しつつ、自分ができる最大限の行動をとった。
「え?」
ラカは困惑した。雪や氷が巻き上げられ真っ白になっている上、一瞬、炎が走ったようだったためだ。
ビシリ。
何か嫌な音がした。
ハンターたちのパワフルな行動に氷が持たなかった。
「あっ」
「きゃああ」
「うわあああ」
後方の線近くにいた者以外、氷の水の中に落ちた。
ラカは慌てて後方に飛びのいた。
この後、救出作戦が執り行われた。
●自宅へ
何とかラカの家に到着した。
全員入るとさすがに狭い。狭いけれども暖かさは確保された。
フィロは出入り口に柊とイワシの頭を置いた。
「その年の恵方を長い太巻きを切らないで無言で食べながら願い事をするそうです。恵方巻の材料七品目……ノリ、酢飯、卵焼き、おぼろ、ホウレンソウ、煮シイタケにかにかま……です」
フィロは台路所を借りててきぱき作る。
「あそこで食べ損ねたので、これもどうぞ……ふ、ふええ、くしゅん」
ユウがテーブルに軽食を置いた。飲み物ので温められるのもは温め直す。
「チョコ餅を食べる余裕が有りませんでした……ところでラカ様、今はバレンタインの時期で親しい方にはチョコレートを贈ると聞き及びました。ラカ様もどうぞ」
木綿花はチョコ餅を薦める。
「豆をまくスペースはないのですねぇ……今年の恵方は頭北東よりちょっと東と言うかぁ、真東より十五度北らしいですぅ」
寒さが震えつつハナが方位磁針で方向をチェックし、恵方巻を食べ始める。願い事は「今年こそ、彼氏を!」だということ。
「あったけぇ……」
「五臓六腑に染みる……」
ヴォーイはとリューはスープのカップを握りしめ、飲み干す。
「無事終わっ……くしゅん……無事?」
エルバッハは毛布に丸まりスープを飲む。
「……本当にこの時期このようなことをみんなやっているのか……でも、ルゥルが言うなら……」
レイアは毛布にくるまりつぶやく。
「……手が、カジカジですが……楽しかったのですぅ」
鼻が赤いエステルはスープの入ったカップを握りしめる。今度はぬくもりが眠気を誘ってきた。
「楽しかった……ですが、寒かったです」
サクラもスープの入ったカップを握り、暖炉の側でうとうとし始めてたいた。
「もっちーあたたかいねぇ」
星空の幻は暖炉の前でとろけていた。
「節分アタック楽しみですぅ」
星野 ハナ(ka5852)は節分が何か理解している。そのため、状況は楽しむべきであり、節分が何かさりげなく教えることを検討しつつ準備する。
「殻付き落花生を参加者の年齢合計プラス100粒ほど……あとは海鮮と肉の恵方巻」
雪合戦の後のお楽しみ。
フィロ(ka6966)は依頼の内容を見て、職員に尋ねる。
「リアルブルーの節分と言う行事を龍園風に取り入れたい、という御意向なのでしょうか?」
節分について調べた後に浮かんだ疑問だ。
星空の幻(ka6980)も話を聞く。
「俺知ってるよ、せつぶんって枝豆が成長した豆を投げるんだよね……? ええと……確か、きなこだっけ?」
「節分とは炒り豆をまいて邪気払う。寒い地方や落花生の産地では殻付き落花生を使用する……龍園は寒いですから炒り豆より殻付き落花生がよさそうです」
二人は一斉に喋ったため、職員は反応が遅かった。
「防寒の準備をしてくる時間はあるよね?」
星空の幻が参加のための準備に走りる。
「きなこは炒り豆の先のことです……タイミングを逃してしまいました」
フィロはこの後、職員から雪合戦の経緯を聞いた。
ユウ(ka6891)は龍園の実家に寄り、人数分の軽食や飲み物を保温して持っていくことにする。
地元で神官主催の雪合戦という依頼な、わくわくとテンション高い。
「勝敗より皆で楽しく過ごすことが大切です。でも、勝つためには全力を尽くします!」
荷物を持って元気よく出かけた。
ヴォーイ・スマシェストヴィエ(ka1613)は早めに現地にやってくる。休憩用ティピーや温まるための道具をソリに積んでいる。
「ラカちゃん、コート作り頑張ったなぁ」
障害物たる壁を作るのは骨が折れるはずだ。ラカ・ベルフ(kz0240)がどうやってこれを作ったのかは本人が語らなければわからない。
木綿花(ka6927)は集合場所でラカにあいさつをする。
「面白そうですし、スキル使用もとは覚醒者限定の遊びなのですね?」
「え? あら?」
なぜかラカは困った顔をし、その背後では大きな汗が一つ垂れたようにも見えた。
「このような遊びは何のためなのかと不思議にも思いました。神官様方の運動のため?」
本、持っている人多いし、ひきこもり万歳と言う人もいるようだからだろうか。
人数が集まったところでチーム分けから始める。
●玉つくり
チーム毎に雪玉作りと作戦タイム。
エステル・ソル(ka3983)は着ぐるみ装備の「まるごときつね」をまとっている。
「ぬくぬくでかわいいのです! 尻尾もふさふさーとしているのです」
ゆれる尻尾をラカがじっと見ているのに気づいて振り返ると、視線が逸らされた。
「節分さんと雪合戦さん……知っているのと違います。でも、楽しいことは良いことです 気にせず楽しむのです」
リュー・グランフェスト(ka2419)はうなずいた。
「なんで豆まきから雪合戦になっているのか、ツッコミどころは多いな」
考えても仕方がないので前を向いた。
レイア・アローネ(ka4082)は首をかしげていた。
「豆まきってこういうものだとは知らなかったぞ? ラカによると、ルゥル(kz0210)から聞いたというのだ」
「……その時点で色々混じっていたのかもな」
「ルゥルを私は信じる」
「待て、いいのか」
リューのツッコミは何かを信じ切ったレイアの耳には届かなかった。
サクラ・エルフリード(ka2598)は色々考えたが、面白ければいいと最終結論を出していた。
「福は内というとはいえ、それ以外は普通の雪合戦な気がしますね」
せっせと雪玉を作る。
「アイテムを投げるなら【アイテムスロー】が使えます? でも、こっそり雪玉を投げるにしても『福は内』と言わないといけないので、こっそりは無理ですね……バレバレでした……」
スキルで雪玉が道具の何かに分類されるならば、味方に渡すことは可能かもしれない。
星空の幻はぎゅぎゅと握り、雪玉を作る。
「投げるのだから、しっかりと握らないとだね?」
用意されている雪はどちらかと言うと氷に近いかもしれなかった。
「それより、作戦はどうしますか?」
フィロが淡々と尋ねる。手元には雪玉ができていく。
「そうだな……まず……」
リューが提案する。それに対し、自分ができること、分担をしていく。
エルバッハ・リオン(ka2434)はラカにもしもの時を考えて【ウォーターウォーク】について許可を取っておくことにした。
「もしもがないことに越したことはありません。しかし、氷が割れてしまう緊急時に【ウォーターウォーク】は使ってもよろしいですね?」
スキルの制限を考えると浮くとい作用があるため、念のために問う。
「もしもがある方が困りますが……必要な時に使うものは止めません」
ラカはまじめな顔でうなずいた。
「では、あちらで作戦会議に行ってきますね」
エルバッハはBチームに合流する。
ヴォーイとハナ、ユウ、木綿花がせっせと雪玉を作っている。
「通信機のチャンネルは合わせておかないといけませんね」
木綿花の言葉に全員が通信機を合わせる。
「私はまず、雪玉を壁に隠しに持っていきますね。そのあとは、適宜動きます」
「人数的に余裕があるのでぇ、式神に雪玉運ばせましょうか」
ユウとハナが告げる。雪玉を移動させるということは重要だ。雪玉は後方にしかないのだから。
「範囲的には……自陣の真ん中あたりの壁に行けば魔法は届きますね……」
エルバッハは敵陣を見て考えた。
そのあと、どうするかを綿密に練った。
試合開始の前に星空の幻は防寒済みのペットのもっちゃりかっぱをラカに渡した。
「もっちー、がんばるよー」
ラカは防寒対策ばっちりのもっちゃりかっぱを持ち、試合開始の合図をする。
(モニが好きそうです)
エステルのきつねの尻尾はもこもこ動くし、フェレットがじゃれつくのにはよさそうだと微笑んでいるのだった。
●試合開始
後方線に並び、試合開始の挨拶。
ヴォーイとユウは雪玉を持って前の壁に移動していく。ハナは人数を考え式神を作り、雪玉を運ばせる。
「式神が見つかると狙われるかもしれませんしぃ、開始直後の今のうちですぅ」
エルバッハは自陣の中ほどの壁に隠れる。そして、【集中】し、アイテムのサポートを引き出しつつ【エクステンドレンジ】を絡め【スリープクラウド】を唱え始めた。
木綿花は余っている魔導スマートフォンを「城」に置いておき、自分は雪玉を持って壁に隠れ、状況をうかがった。
一方、Aチームは動きが速かった。
リューとレイアは使う雪玉を手に、前に出る。足元が滑るためであるため、ある程度動きは制限される。
こっそりと隠密行動で移動するサクラはできる限り雪玉は持つ。アイテムスローできるか否かもあるけれど、持っていかないことには何もできない。
フィロと星空の幻は後方から敵陣に雪玉を投げ入れる。相手もこそりこそりと移動するため、見えづらい。
エステルはおもむろに旗の回りを固め始めた。
ヴォーイは敵チームの一部が前に来たことから、壁から飛び出す。そして、おもむろに筋肉のアピールを始めた。
リューとレイア、サクラは進行方向にある輝きに目を奪われてしまった。
「うおおお!」
「なんてことだ!」
「え? え?」
ヴォーイに向かって雪玉を投げようとしている。
そこにエルバッハの【スリープクラウド】が飛んでくる。さらなる精神抵抗を求められた三人は乗り切れた――わけではなく、レイアが眠る。そこに木綿花の雪玉が飛んでくる。
「ふくはうちー」
冷たさで目を覚ましたレイアはしおしおとコートの外に出ることになった。
なお、【マッスルトーチ】のヴォーイに対し、リューがぶん殴るように雪玉をたたきつけ、サクラがこっそりと潜み「福は内」と言いながら雪玉を投げた。
「あっ」
ヴォーイは外に出ることになった。
ユウは近づいたリューに雪玉を投げてたが、よけられた。
「これは危険なのです! 【アースウォール】」
エステルは前に雪玉を運ぶために壁を作った。
ほぼ同時にフィロと星空の幻からエルバッハを狙う雪玉が投げられた――が、壁に当たった。
「今、余計な壁ができたような気がしたのですが……」
審判のラカ、動体視力は良くないのか、手元にいたもっちゃりかっぱに気を取られていたのか、試合を見ていなかった。
「壁は駄目なのでしょうか?」
「反則とられませんでしたが、ラカ様の言葉から不穏な気がします」
エステルは首を傾げ、フィロが分析の結果告げた。
「……でも、スリープクラウドは許されているよね……」
星空の幻は首をかしげる。
この間、ハナが符を放り投げて何かをしていた。
「お楽しみはこれからですぅ」
ぐふふ、と微妙な笑いを漏らしていた。
乱戦から抜け、敵陣に一番早く入ったのはリューだった。雪玉は先ほど投げた。
「旗を取れば勝ちなんだよな」
「そうはさせません! 【スリープクラウド】」
「うがっ」
エルバッハは味方を巻き込まず、入ってきた敵を範囲にうまい具合に魔法を放つ。
こっそりと入ろうとしていたサクラは雲に包まれていた。
「ま、まさか……ね、寝たら死にま……すーーーーーーーーーーー」
ユウとハナ、木綿花は侵入者リューや壁から出たところで眠りについたサクラを狙って雪玉を投げた。
「……あれ? 残念ですぅ」
ハナは仕込んだ【地縛符】設置部分に通ったサクラが、何事もなくそのあとのスリープクラウドに掛かったのを見た。とはいえ、サクラはコートの外に出ている。
Aチーム後衛組。エステルは白い布をかぶって、旗の側でうずくまった。
「ここで驚かせて捕まえるのです」
踏まれないように。
フィロは前衛総崩れの現状を見て、前に出ることにした。
「援護をお願いします」
「うん……福はーうちー」
星空の幻は勢いよく雪玉を投げた。その雪玉は自陣に入ろうとしているユウに向かっていくが、回避された。
なお、コートの外に出たメンバーは離れたところに作られた風よけと簡易のかまどの火にあたる。火にあたるというより、その周りが暖かい。
「動かないと……」
「……寒い」
ヴォーイとリューは足踏み等をして止まらないようにする。
「それにしても、光る次は寝る……」
レイアが頭を抱える。
「タイミングですよね……」
サクラは溜息を洩らした。そろそろ勝敗がつくころだろうとコートを見つめる。
エルバッハは敵陣にスリープラウドを投げ込む。
前進してきていたフィロは巻き込まれて眠った。むろん、その直後、ハナから雪玉が当てられる。
一方で敵陣に入ったユウを星空の幻が狙うが避けた。
エステル、着ぐるみ着ていても伏せている間、下から冷たい空気が当たる。
「羊さんはぬくぬくで気持ちがいいのです、キツネさんも……ぬく……ん……寝たら、駄目なのです」
寒さによる睡魔が襲ってきていた。
「回避の回数と人数……Bチームの勝ちです」
ラカが終了を宣言した。どのタイミングか、計算をしないで見ていたのか変なタイミングに宣言が入る。
旗に近づいていたユウは、白い布の下でうつらうつらするエステルに気づいた。
「エステルさん!? エステルさん、駄目です、寝たら死にます!」
慌てて抱き起こす。
審判兼救急隊のラカが毛布を持って走り寄り、火の有るところにエステルを運んでいった。
「神官様! さすがです」
ユウが感動するほどラカは素早かった。
エステルはぎゅと抱きしめるレイアとかまどの火により解凍された。
「こ、ここまで寒さが来るとは思いませんでした」
「よ、よかったエステル」
レイアは泣き出しそうだった。
氷にふせるのは危険なので禁止というルールが加わった。
●2ゲーム目
雪玉作り第二弾と作戦タイム。
「雪玉をどうやって送るか、すぐに旗を取るか」
「そうですね。旗を取ってしまえば終わりです」
リューの言葉を受けてフィロはうなずく。
「雪玉送ることは……マッスルにスリープ……」
「……スキルをガンガン使ってくるなあっちは」
サクラとレイアは前に出たときスキルの影響を受けた。Aチームも使っていなくはないが、身体能力を上げるものが多い。
「壁を作ります?」
「場所、重要だね」
エステルの提案に星空の幻が言った。計画的に立てないと、敵に届かないで雪玉は終わってしまう。それと、ラカが反則をどう取るかがわからない問題もある。
次はスキル、使ってしまおうという結論。
「このままでいいってことか」
「でも、相手もこちらの手を読んでくるでしょう」
ヴォーイに対しエルバッハが告げる。
「本格的にスキル使ってもいいのですぅ?」
ハナは言うが、1ゲーム目もしっかり使っている。
「ラカ様、障害物発生について何も言いませんでしたね」
「空中に浮かぶ以外なら比較的、何でもありなのでしょうか……」
木綿花とユウはラカを見つめる。ラカは氷が大丈夫か確認を行っているようだった。
2ゲーム目が始まった。皆、スピード重視になっている。
雪玉を送ろうとしたエステルは躓いて滑った。
「きゃあああ」
「エステルさん!?」
雪玉を持って移動していたサクラは慌ててエステルを回避する。持っていた雪玉は宙を舞い、エステルは壁にぶつかり止まった。
リューとレイアは前に出る。
「あいつに気を取られても、落とせばいい」
リューは気合を入れた。
「壁は作ればいい!」
レイアは気合を入れてスキルを発動する。ぶわーと雪や氷のかけらが宙を舞った。
一方で後衛の星空の幻は雪玉を大量に持ち上げる。
「一気に行くのー! 福は内!」
バッと放り投げた雪玉はマテリアルが込められていたかもしれない。
それはまるで彼女が編み出した【星々の泪】が発動したかの如く、氷の塊が隕石のように降ってくるかもしれない。そんな頑丈な塊が降ってきたら氷は厚くてもどうなるかわからない。ただし、スキル発動させる条件をみたしているのかと言われるとラカは「え?」と答えるだろう。
「……これは何でしょう……不安? それとも、恐怖」
フィロは仲間の援護のために雪玉を投げながら、誰かに警告を発するべきか何か一瞬考えた。
ヴォーイは雪玉を運んだ後、囮をするか止めるかと言うことを考える。
「ここは私の方がスキルを使います【スリープクラウド】」
「おう、来るものは止めて狙う」
動きを止めるのはエルバッハに任せ、ヴォーイは【ファントムハンド】で押さえて雪玉を当てることにした。
ユウは雪玉を移動させた後、乱戦を避け相手に向けて雪玉を投げる。
「……Aチーム……武器抜くのありなのです?」
ユウはスキルの使用のことも考えると、雪玉は武器であって武器ではないため、相手が何かするならばスキルにあった行動をするしかないと気づいた。
ハナも前の方には出ていたが視界は白い。
「うーん、これは……少し視界が悪いのですぅ」
ハナの前で符が舞った。炎が生まれ、敵陣の壁にぶつかった。
「……えっと? ふくはうちー」
木綿花は荒れる視界に動揺しつつ、自分ができる最大限の行動をとった。
「え?」
ラカは困惑した。雪や氷が巻き上げられ真っ白になっている上、一瞬、炎が走ったようだったためだ。
ビシリ。
何か嫌な音がした。
ハンターたちのパワフルな行動に氷が持たなかった。
「あっ」
「きゃああ」
「うわあああ」
後方の線近くにいた者以外、氷の水の中に落ちた。
ラカは慌てて後方に飛びのいた。
この後、救出作戦が執り行われた。
●自宅へ
何とかラカの家に到着した。
全員入るとさすがに狭い。狭いけれども暖かさは確保された。
フィロは出入り口に柊とイワシの頭を置いた。
「その年の恵方を長い太巻きを切らないで無言で食べながら願い事をするそうです。恵方巻の材料七品目……ノリ、酢飯、卵焼き、おぼろ、ホウレンソウ、煮シイタケにかにかま……です」
フィロは台路所を借りててきぱき作る。
「あそこで食べ損ねたので、これもどうぞ……ふ、ふええ、くしゅん」
ユウがテーブルに軽食を置いた。飲み物ので温められるのもは温め直す。
「チョコ餅を食べる余裕が有りませんでした……ところでラカ様、今はバレンタインの時期で親しい方にはチョコレートを贈ると聞き及びました。ラカ様もどうぞ」
木綿花はチョコ餅を薦める。
「豆をまくスペースはないのですねぇ……今年の恵方は頭北東よりちょっと東と言うかぁ、真東より十五度北らしいですぅ」
寒さが震えつつハナが方位磁針で方向をチェックし、恵方巻を食べ始める。願い事は「今年こそ、彼氏を!」だということ。
「あったけぇ……」
「五臓六腑に染みる……」
ヴォーイはとリューはスープのカップを握りしめ、飲み干す。
「無事終わっ……くしゅん……無事?」
エルバッハは毛布に丸まりスープを飲む。
「……本当にこの時期このようなことをみんなやっているのか……でも、ルゥルが言うなら……」
レイアは毛布にくるまりつぶやく。
「……手が、カジカジですが……楽しかったのですぅ」
鼻が赤いエステルはスープの入ったカップを握りしめる。今度はぬくもりが眠気を誘ってきた。
「楽しかった……ですが、寒かったです」
サクラもスープの入ったカップを握り、暖炉の側でうとうとし始めてたいた。
「もっちーあたたかいねぇ」
星空の幻は暖炉の前でとろけていた。
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チーム宣言卓 エステル・ソル(ka3983) 人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2019/02/05 09:22:58 |
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【Bチーム相談所】 エステル・ソル(ka3983) 人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2019/02/05 12:34:40 |
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ラカさんに質問 エステル・ソル(ka3983) 人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2019/02/04 21:46:27 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/02/04 21:38:58 |