ゲスト
(ka0000)
マグノリアクッキーのチョコパーティー
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~8人
- サポート
- 0~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2019/02/19 07:30
- 完成日
- 2019/02/28 00:34
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
大切な人に贈り物をする日だと聞きました。ご主人さまはギアも友達に贈り物をしてはどうかと言います。
ギアの友達のメグは、甘い物が嫌いでは無いことをギアは知っています。
「…………ギアは、メグにお菓子をプレゼントしたいのです!」
ある日、マグノリアクッキージェオルジ支店に顔を出したギア、こと、アクレイギアは、「お久しぶりです」の挨拶もそこそこに、聖輝節で知り合った店長のローザにそう言った。
ローザは首を捻って考える。
ギアの瞳はきらきらと輝いている。
恐らく。
恋人の日の事だろう。
この店でも、恒例のようにその日の特別メニューを用意している。
恋人同士だけでは無く、家族や友人に菓子を送ることも珍しくは無い。
「では、パーティーでも開きましょうか。……このところ、色々と大変みたいですから」
アリシア、と、ローザはいつもの店員を呼ぶ。
急ですね、と、慣れた様子でアリシアは答える。
「何を作るんです?」
●
折角だから、作るところから参加出来るように。
振る舞いの菓子は、簡単で美味しい物を。
招待状を渡せるように。
店内は、装いを少し変えて、立食形式で。
「テーブルをもう1つくらい増やせないかしら?」
「お土産も用意したいわね」
「ギアは得意なお菓子ってある? この店のオススメは勿論クッキーなんだけど……」
「ギアの目算では、同じ形のテーブルを1つ増やすと、販売スペースにはみ出します」
「お土産は、ギアも欲しいです」
「……ギアの手は、泡立て器及びボウルとの相性が良くありません」
テーブルを並べて、キッチンは調理スペースを広く準備して。
不器用な手でも簡単に作れるように。
チョコレートは沢山用意して、それから、粉と卵、バターに砂糖。
パーティーには足りないから、いつものクッキーは、いつも通りに。
●『チョコレートパーティーのお誘い』
依頼に紛れて掲示された小さなポスター。
マグノリアクッキージェオルジ支店にて、昼頃からクッキーとパウンドケーキを作り、その後のティータイムにささやかな立食パーティーを催すという。
パーティーだけの参加も歓迎らしいが、お土産はクッキー作り参加者のみ。
ちょっとした息抜きに。
そんな文言を添えて、恋人の日に、恋人でも、そうじゃ無くても、大切な人と。
当日、材料を並べたり、机を拭いたりと、参加者を迎える準備を手伝いながら、ギアはキッチンの壁に掛けられたカレンダーの少し先の日付に付けられた、その日を塗りつぶさんばかりの印しに目を留めた。
夏を前にしたその日に付けられた真っ赤な印しに、特別な日かとローザに尋ねる。
ローザは困ったように少し笑った。
「里帰り」
ギアの指がきゅっと丸くなる。
「お祖母ちゃんに、偶には顔を出しなさいって。……ヴァリオスに行くから、もしかしたら道中の護衛をお願いするかもしれないわね」
ギアは己を奮い立たせるようにその指を握り締めて胸を張る。お任せ下さい、と真っ直ぐにローザを見詰めた。
大切な人に贈り物をする日だと聞きました。ご主人さまはギアも友達に贈り物をしてはどうかと言います。
ギアの友達のメグは、甘い物が嫌いでは無いことをギアは知っています。
「…………ギアは、メグにお菓子をプレゼントしたいのです!」
ある日、マグノリアクッキージェオルジ支店に顔を出したギア、こと、アクレイギアは、「お久しぶりです」の挨拶もそこそこに、聖輝節で知り合った店長のローザにそう言った。
ローザは首を捻って考える。
ギアの瞳はきらきらと輝いている。
恐らく。
恋人の日の事だろう。
この店でも、恒例のようにその日の特別メニューを用意している。
恋人同士だけでは無く、家族や友人に菓子を送ることも珍しくは無い。
「では、パーティーでも開きましょうか。……このところ、色々と大変みたいですから」
アリシア、と、ローザはいつもの店員を呼ぶ。
急ですね、と、慣れた様子でアリシアは答える。
「何を作るんです?」
●
折角だから、作るところから参加出来るように。
振る舞いの菓子は、簡単で美味しい物を。
招待状を渡せるように。
店内は、装いを少し変えて、立食形式で。
「テーブルをもう1つくらい増やせないかしら?」
「お土産も用意したいわね」
「ギアは得意なお菓子ってある? この店のオススメは勿論クッキーなんだけど……」
「ギアの目算では、同じ形のテーブルを1つ増やすと、販売スペースにはみ出します」
「お土産は、ギアも欲しいです」
「……ギアの手は、泡立て器及びボウルとの相性が良くありません」
テーブルを並べて、キッチンは調理スペースを広く準備して。
不器用な手でも簡単に作れるように。
チョコレートは沢山用意して、それから、粉と卵、バターに砂糖。
パーティーには足りないから、いつものクッキーは、いつも通りに。
●『チョコレートパーティーのお誘い』
依頼に紛れて掲示された小さなポスター。
マグノリアクッキージェオルジ支店にて、昼頃からクッキーとパウンドケーキを作り、その後のティータイムにささやかな立食パーティーを催すという。
パーティーだけの参加も歓迎らしいが、お土産はクッキー作り参加者のみ。
ちょっとした息抜きに。
そんな文言を添えて、恋人の日に、恋人でも、そうじゃ無くても、大切な人と。
当日、材料を並べたり、机を拭いたりと、参加者を迎える準備を手伝いながら、ギアはキッチンの壁に掛けられたカレンダーの少し先の日付に付けられた、その日を塗りつぶさんばかりの印しに目を留めた。
夏を前にしたその日に付けられた真っ赤な印しに、特別な日かとローザに尋ねる。
ローザは困ったように少し笑った。
「里帰り」
ギアの指がきゅっと丸くなる。
「お祖母ちゃんに、偶には顔を出しなさいって。……ヴァリオスに行くから、もしかしたら道中の護衛をお願いするかもしれないわね」
ギアは己を奮い立たせるようにその指を握り締めて胸を張る。お任せ下さい、と真っ直ぐにローザを見詰めた。
リプレイ本文
●
喫茶スペースのテーブルは配置を決めかねたように隅に寄せられ、選び掛けのクロスが数枚折り重なって積まれている。壁の絵も掛け替えるらしく外されたまま、恋人の日のプレートが立て掛けてあった。
高瀬 未悠(ka3199)は小さな黒猫をあしらったエプロンの紐を肩から背へ垂らし、腰の輪を通して両端を引っ張る。背後の指が覚束なく、結んで引っ張ると裾が揺れた。
お揃いのような位置にカップとハートを描いたエプロンを先に身に着けたユメリア(ka7010)が、高瀬のエプロンに手を伸ばす。ねじれてしまった紐を整え、肩を合わせて腰のリボンを様結びに。白い指が赤い紐の輪をきゅっと引っ張り、出来ましたと微笑む。
「ありがとう、ユメリア。精一杯頑張るからよろしくね」
気合十分に、高瀬がくるりとターンを見せた。
長い黒髪を三角巾で覆って既に身支度を終えた玲瓏(ka7114)がギアの支度を手伝っている。
「ギア様は、メグ様に手作りのお菓子を?」
エプロンの紐を結ばれながら飛び跳ねるようにはしゃいでギアは、はいと答える。しかしすぐに、料理は苦手だと項垂れる。
テーブルから離した棚に並んだ商品に添えられたロゴに、玲瓏は祭の日に手伝いをしていた2人を思い出す。素敵な縁だと微笑み、励ます様にギアの背を叩いた。
「ありがとうございます。励まして頂きました。ギア、がんばります」
ブラウンの髪をリボンで一つに束ね、三角巾で覆う。明るいグレーのエプロンを1人で着ると、手探りで結び目の形を確かめて、できたわ、と、カリアナ・ノート(ka3733)はすこし得意気な気分で笑う。
菓子作りも好きな事の1つだと鞍馬 真(ka5819)も慣れた手で身支度を調え、久しぶりに訪れた店内を眺めている。
どんなクッキーを作ろうかと楽しそうに想像を膨らませながら、星野 ハナ(ka5852)はバンダナで髪を覆い、楽しみだとキッチンへ向く。
「お待たせ、準備出来たわ。こちらへどうぞ」
丁度、調理台の支度をしていたローザがカウンターからハンターを呼んだ。
ケーキ、作ったことは無い。そう不安になって。彼等の様子を眺めてそわそわと落ち付かなくしていたイルミナ(ka5759)の肩をコウ(ka3233)が捕まえる。
「盛り上げるのはやぶさかじゃないぜ、飾りつけとかテーブルの準備とかかな」
一緒にやろうぜ、とイルミナを誘い、ローザにも飾り付けを任せて欲しいと言う。
手の回っていないテーブルの様子に、それじゃあ、と二人に任されることになった。
テーブルを並べてクロスを掛ける、壁の飾りを交換して、余った物を片付けて。
「…………これは、どうすればいいのかしら……?」
リボンの花を手に円らな赤い瞳を揺らすイルミナに、コウが明るく手を差し伸べた。
「そこに飾ろうぜ、センスの良い奴がやった方が良いんだろうけど」
ここは2人しかいないようだから。
頷いたイルミナが壁に花を飾る。白い壁が少しずつ花畑の彩りに染まっていく。
暫くすると、キッチンの方から甘い香りも漂ってくる。そうしていると、孤児院にいた頃のささやかな催しを思い出した。
懐かしさに笑って、イルミナを見ると、細い指がそっとコウの指に触れて少し頬を赤らめた。
●
「もう生地が出来てるんですぅ? わーい、至れり尽くせりですぅ」
調理台に広げられたクリーム色の平らな生地と並べられた銀色の型。
両手にサイズの異なるハートの型を取り、重ねて覗いて、ぱちりと片目を瞑って見せる。
星野は作りたい物も決まっているらしく、店員の1人にキャンディの所在を尋ねている。
「そうですね、ではまずは動物からにします」
簡単な説明を聞いた後、玲瓏はネコの型、ウサギの型と選ぶように並べ、生地の角からぽん、と手際よく抜いて並べていく。
寄せすぎず、離しすぎず。天板に並べたそれをオーブンへ。
焼き色を気にして覗き込み、途中で一度向きを変え、全体が淡いきつね色にこんがりと仕上がった。
焼き立てを一つずつ味見に振る舞い、残りを冷ます間に次の型を抜く。花の形、葉の形には焼く前に筋を描いてから、今度も美味しく焼けるように願ってオーブンへ運ぶ。
星野は大小のハートを重ねて抜いたクッキーのフレームを数分焼いて、砕いたキャンディを詰めて残り時間をオーブンに貼り付いて。キャンディが程よく溶けて、クッキーが焦げない内に取り出して、固まるまでよく冷ます。
小さなハートにチョコチップを飾って、顔を描いて砂糖漬けのチェリーを載せたクマの型に抜いた生地と一緒に焼き、溶けたチョコにアラザンを散らす。
作り終えたクッキーを見回して、満足したと頷いた。
「……パウンドケーキも見てきたいんですよねぇ」
ナッツとチョコチップを練り込んだもの焼いたものが食べたい。と、星野は隣の調理台へ。
「さて、よく焼けました」
玲瓏は整えた調理台に熱の取れたクッキーを並べ、ピンクのアイシングを混ぜながら眺める。
ピンクの花、黄色の花、動物には可愛らしく顔を描こう。
完成まではまだまだ時間が必要そうだ。
「ギア君は何を作るのかな?」
鞍馬が尋ねるとギアはチョコチップクッキーの材料が並んだ調理台へ向かう。
ボウルとヘラを持つ手は少しぎこちなく動いた。
沈みそうになる表情を堪え、目を閉じて首を振る。
「美味しいチョコチップクッキーを作りたいのです」
分かった、手伝うよ、と鞍馬はレシピを手に材料と量りを側に置きながらギアの手を見る。
銃を器用に使いこなす手は、調理道具を前に竦んでいるらしく、篦の持ち方も逆手になっている。
こうだよ、と示し、バターを測ったボウルを差し出す。先ずは柔らかくなるまで切って練るように。
時々交代して使い方を教え、バターか白く滑らかになる頃には、叩き付けるばかりだった篦の動きが幾分かスムーズになっていた。
馴染みの無い動きの理解に苦しんでいるようだが、一度覚えると淀みなく動かせるらしい。
ギアの表情が和らぐと、鞍馬も安堵して、そのまま混ぜていてと、砂糖を少しずつボウルへ加える。
「そういえば、私もメグには暫く会えてないなあ」
調理の手を止めずに鞍馬が呟く。ギアは今日は誘ったと言って嬉しそうに笑った。
材料を全て混ぜ終えて、腕を眺めて首を傾げたギアに、疲れたかと尋ねる。慣れないことをしたからかなと、天板を置いて、後は焼くだけだと言えば、ギアは、はいと両手を挙げてみせた。
その手へスプーンを握らせる。まだ頑張れるようだ。
「カリアナも一緒に作らない?」
パウンドケーキの材料が置かれた調理台で、一緒になったカリアナに高瀬が声を掛ける。こくりとユメリアも頷いた。
「ええ! 高瀬おねーさん、ユメリアおねーさん、よろしくお願いするわ」
カリアナは2人に礼を、そしてしゃんと背を伸ばすと、ユメリアの手元をじっと見詰めた。
「こちらこそ、よろしくお願いしますね」
始めに材料を全て等量に測るところから。
砂糖の混ざったバターが白く柔らかくなったら、卵は分離しないように一匙ずつ。
焦ったように混ぜては止まる手に、少し覚束ない手に、ユメリアは一旦自分のボウルを置いて竪琴を取る。
「高瀬さん、カリアナさん、調理はメロディ。混ぜる音でリズムをとって……」
奏でる竪琴はアップテンポで、一節毎に短く拍子を刻む。ボウルを見ながら卵を混ぜるタイミングで変調を加え、詩のない曲を口ずさむように歌う。
ユメリアの音に合わせるように、2人の泡立て器がくるくると一定の速さで動き続ける。
クリーム状になるまで卵を混ぜると、協力して粉を篩い具材を加える。
「私、気負い過ぎてたかも。楽しくが一番よね」
つやつやと滑らかな生地に粉を篩いながら高瀬がありがとうと穏やかに笑った。
「難しいわね。ユメリアおねーさんみたいには、まだできないわ」
アプリコット、クランベリー、アップル。
高瀬の選んだドライフルーツをぱらり、ぱらりと一掴みずつ加え、カリアナも生地を切り混ぜるユメリアの手元を見詰めた。
簡単そうに混ぜていく手首の動きはとても滑らかだ。
1つ目を型に流して、とん、とん、と空気を抜く。2つ目に取り掛かろうとしたところへ、ナッツとチョコチップを手にした星野が声を掛けた。
美味しそう、2つ目はそれにしましょう、と粉をカリアナがボウルへ篩い、ユメリアがチョコチップと数種類のナッツを交互に加える。
緩やかなメロディを歌うユメリアの声を聞きながら、高瀬が生地を丁寧に混ぜた。
3つめはチョコの日に合わせたココアの生地に、ナッツとフルーツを混ぜた物、カリアナがユメリアの手を思い出しながら、歌に聴き入ってしまわないように混ぜる。
生地を予熱したオーブンに並べ、様子を見ながら数十分。
次第に膨らんで焼き色を付ける生地は、中央をぱっくりと割って更に膨らむ。
焼けるまでの待ち時間にハーブティーを煎れて寛ぎながら、どうだったとユメリアが2人に尋ねる。
赤いエプロンに白い粉の跡を一筋走らせ、祈るようにオーブンを見詰めながら、それでも高瀬は頬を紅潮させて素敵だったと答えた。
「また作りたいわ、おねーさん、ありがとう! 高瀬おねーさんも、誘ってくれて嬉しかったわ!」
カリアナも乗り出して目を輝かせる。
オーブンの火を3人で覗き、甘い香りを漂わせるケーキを見詰める。温度とタイマーを見ながら、もう少し、もう少しと気持ちを抑え、鳴ると同時に扉に手を掛けた。
やってみる、と差し出された串を高瀬が順に差していく。すっ、と通る感触に焼けていると安堵して二人の顔を交互に見詰めた。
焼けたと跳ねる様に喜びながらミトンを付けて天板を取り出し、調理台へ運び慎重に型を外して紙を剥がして切り分ける。ナイフを握る手も緊張に震え、1つ切る度に深呼吸をしながら、昼下がりを迎えるまでには全て仕上がった。
できた。と、三人で手を叩いてそれを飾り付けも終えたテーブルへ運んでいく。
●
白い皿に格子柄のペーパーナプキン。ハートとスクエアのカラフルなステンドグラスクッキーが広げられ、隣には一回り小さいハートとスクエアの、クッキーがチョコレートチップとアラザンできらきらと飾られている。
もう1つの皿にはつやつやと赤いチェリーを抱えたクマと、嬉しそうに、楽しそうに、豊かな表情で笑うネコにウサギ、イヌ、そしてパルムのようなキノコのクッキー。
蕊まで描いた色取り取りの花と添えられた葉は一輪ずつ。それぞれの名前を華やかな文字で綴っている。
ドット柄のペーパーナプキンの皿には、大粒のチョコチップを混ぜ込んだ、ごつごつ、ごろごろした転がる様なクッキー。香ばしく焼けたプレーンと、甘そうなココア。チョコチップが所々とろりと溶け出している。
花柄の上に整然と並べられた三種類のパウンドケーキ。1つは三種類のドライフルーツがたっぷりと混ざったもの、もう1つはチョコチップとナッツの香りと食感を楽しめるもの、最後の1つはココアに染めて残りの材料を合わせたもの。
出来たての菓子がクロスを掛けたテーブルの上に運ばれ、いつものクッキーと飲み物が用意される頃、メグが店のドアをノックした。
ティータイムのパーティーが始まり、ユメリアが歌を披露する。
竪琴の透き通る音色に合わせて優しい声が歌う。
クッキーを1つ食べる度に、蕩ける笑顔を浮かべていた高瀬は、幸せと言いながらパウンドケーキを取りフォークを立てる。焼けているし美味しそうな匂いもする。それでも緊張は拭えず、ゆっくりと一口切り取って口へ運ぶ。
「美味しいっ!……奇跡ね。今日は最高に幸せな一日だわ!」
ユメリアへも勧めながら、2口目も確りと味わって。美味しく作れたこと以上に、親友と一緒に作れたことこそが奇跡のような一時。親友への感謝を込めて、彼女の歌に声を重ねた。
優しい旋律の中、コウはクッキーを取る度に、イルミナに勧めている。
寄り添うようにクッキーを齧りながら、イルミナの視線は迷うように揺れている。
楽しくないのだろうか、ここの菓子は美味しかったよな、と首を捻り。こっちが良いのか、と、ケーキを1つ皿へ。
「ほれ」
一口大をフォークに差して口許へ差し出した。イルミナは目を瞠って赤くなっているが、差しだしているコウも次第に恥ずかしくなってくる。さっさと食べろと言いながら待ち、ケーキにぱくついたイルミナにほっとする。
一緒に過ごす穏やかな時間も大事なんだと、何となく分かってきた気がした。
鞍馬はメグに手を振ってギアの側へ招き、ギアが作った物だとチョコチップクッキーを指して教える。
メグとギアの談笑を聞きながら、クッキーを摘まみ、なんと無しに落ち付かないとカップを運ぶ店員へ手伝いを申し出た。
「何もせずに見ているだけなのは……けど、こうやって落ち着ける時間は大切だね」
最近、世の中は忙しない。自身も落ち付いているとは言いがたいけれど。こういう機会があって良かったと、告げる表情は凪いでいる。
「……やっぱりこのお店のお茶、美味しいわ……久しぶりね、マーガレットおねーさん」
紅茶を片手にクッキーを摘まみ、カリアナはメグに声を掛ける。
ひさしぶりです、とメグも頭を下げて、どの菓子も美味しいと、少しはにかんだように笑う。
「クッキーやパウンドケーキだとジャム使ってる方が好きなんですよねぇ」
ぱく、とケーキの最後の1口を食べて、またクッキーへ手を伸ばす。
一通り楽しんで、マシュマロを浮かべたホットチョコレートを味わう。
ギアとメグの会話がふと耳に届いた。支店長の旅の護衛の予定が有るらしい。
「……ヴァリオス」
その行き先をテーブルに視線を落として呟く。すぐにその双眸は支店長を見て、是非ご用命を、と、にこりと笑う。
私の名前も書いてくれたんですね。そうメグの声が嬉しそうに言った。
ギアが誘ったと聞いていたからと玲瓏は頷く。
「手作りのお菓子を、と、頑張っていらっしゃいました」
隣の調理台で見ていた、慣れない道具に苦戦する様子を思いながら、それを知ってか知らずか、美味しいよ、すごいねと無邪気に悦ぶメグの様子を微笑ましく見詰めた。
「ギアの手、お菓子も作れるようになりました」
メグが気に入ったなら十分です。そう言ったギアの手を握って、メグはありがとうと満面の笑みを向けた。
冬の終わりの昼下がり、小さなパーティーの時間は、甘い香りと共に穏やかに過ぎていった。
喫茶スペースのテーブルは配置を決めかねたように隅に寄せられ、選び掛けのクロスが数枚折り重なって積まれている。壁の絵も掛け替えるらしく外されたまま、恋人の日のプレートが立て掛けてあった。
高瀬 未悠(ka3199)は小さな黒猫をあしらったエプロンの紐を肩から背へ垂らし、腰の輪を通して両端を引っ張る。背後の指が覚束なく、結んで引っ張ると裾が揺れた。
お揃いのような位置にカップとハートを描いたエプロンを先に身に着けたユメリア(ka7010)が、高瀬のエプロンに手を伸ばす。ねじれてしまった紐を整え、肩を合わせて腰のリボンを様結びに。白い指が赤い紐の輪をきゅっと引っ張り、出来ましたと微笑む。
「ありがとう、ユメリア。精一杯頑張るからよろしくね」
気合十分に、高瀬がくるりとターンを見せた。
長い黒髪を三角巾で覆って既に身支度を終えた玲瓏(ka7114)がギアの支度を手伝っている。
「ギア様は、メグ様に手作りのお菓子を?」
エプロンの紐を結ばれながら飛び跳ねるようにはしゃいでギアは、はいと答える。しかしすぐに、料理は苦手だと項垂れる。
テーブルから離した棚に並んだ商品に添えられたロゴに、玲瓏は祭の日に手伝いをしていた2人を思い出す。素敵な縁だと微笑み、励ます様にギアの背を叩いた。
「ありがとうございます。励まして頂きました。ギア、がんばります」
ブラウンの髪をリボンで一つに束ね、三角巾で覆う。明るいグレーのエプロンを1人で着ると、手探りで結び目の形を確かめて、できたわ、と、カリアナ・ノート(ka3733)はすこし得意気な気分で笑う。
菓子作りも好きな事の1つだと鞍馬 真(ka5819)も慣れた手で身支度を調え、久しぶりに訪れた店内を眺めている。
どんなクッキーを作ろうかと楽しそうに想像を膨らませながら、星野 ハナ(ka5852)はバンダナで髪を覆い、楽しみだとキッチンへ向く。
「お待たせ、準備出来たわ。こちらへどうぞ」
丁度、調理台の支度をしていたローザがカウンターからハンターを呼んだ。
ケーキ、作ったことは無い。そう不安になって。彼等の様子を眺めてそわそわと落ち付かなくしていたイルミナ(ka5759)の肩をコウ(ka3233)が捕まえる。
「盛り上げるのはやぶさかじゃないぜ、飾りつけとかテーブルの準備とかかな」
一緒にやろうぜ、とイルミナを誘い、ローザにも飾り付けを任せて欲しいと言う。
手の回っていないテーブルの様子に、それじゃあ、と二人に任されることになった。
テーブルを並べてクロスを掛ける、壁の飾りを交換して、余った物を片付けて。
「…………これは、どうすればいいのかしら……?」
リボンの花を手に円らな赤い瞳を揺らすイルミナに、コウが明るく手を差し伸べた。
「そこに飾ろうぜ、センスの良い奴がやった方が良いんだろうけど」
ここは2人しかいないようだから。
頷いたイルミナが壁に花を飾る。白い壁が少しずつ花畑の彩りに染まっていく。
暫くすると、キッチンの方から甘い香りも漂ってくる。そうしていると、孤児院にいた頃のささやかな催しを思い出した。
懐かしさに笑って、イルミナを見ると、細い指がそっとコウの指に触れて少し頬を赤らめた。
●
「もう生地が出来てるんですぅ? わーい、至れり尽くせりですぅ」
調理台に広げられたクリーム色の平らな生地と並べられた銀色の型。
両手にサイズの異なるハートの型を取り、重ねて覗いて、ぱちりと片目を瞑って見せる。
星野は作りたい物も決まっているらしく、店員の1人にキャンディの所在を尋ねている。
「そうですね、ではまずは動物からにします」
簡単な説明を聞いた後、玲瓏はネコの型、ウサギの型と選ぶように並べ、生地の角からぽん、と手際よく抜いて並べていく。
寄せすぎず、離しすぎず。天板に並べたそれをオーブンへ。
焼き色を気にして覗き込み、途中で一度向きを変え、全体が淡いきつね色にこんがりと仕上がった。
焼き立てを一つずつ味見に振る舞い、残りを冷ます間に次の型を抜く。花の形、葉の形には焼く前に筋を描いてから、今度も美味しく焼けるように願ってオーブンへ運ぶ。
星野は大小のハートを重ねて抜いたクッキーのフレームを数分焼いて、砕いたキャンディを詰めて残り時間をオーブンに貼り付いて。キャンディが程よく溶けて、クッキーが焦げない内に取り出して、固まるまでよく冷ます。
小さなハートにチョコチップを飾って、顔を描いて砂糖漬けのチェリーを載せたクマの型に抜いた生地と一緒に焼き、溶けたチョコにアラザンを散らす。
作り終えたクッキーを見回して、満足したと頷いた。
「……パウンドケーキも見てきたいんですよねぇ」
ナッツとチョコチップを練り込んだもの焼いたものが食べたい。と、星野は隣の調理台へ。
「さて、よく焼けました」
玲瓏は整えた調理台に熱の取れたクッキーを並べ、ピンクのアイシングを混ぜながら眺める。
ピンクの花、黄色の花、動物には可愛らしく顔を描こう。
完成まではまだまだ時間が必要そうだ。
「ギア君は何を作るのかな?」
鞍馬が尋ねるとギアはチョコチップクッキーの材料が並んだ調理台へ向かう。
ボウルとヘラを持つ手は少しぎこちなく動いた。
沈みそうになる表情を堪え、目を閉じて首を振る。
「美味しいチョコチップクッキーを作りたいのです」
分かった、手伝うよ、と鞍馬はレシピを手に材料と量りを側に置きながらギアの手を見る。
銃を器用に使いこなす手は、調理道具を前に竦んでいるらしく、篦の持ち方も逆手になっている。
こうだよ、と示し、バターを測ったボウルを差し出す。先ずは柔らかくなるまで切って練るように。
時々交代して使い方を教え、バターか白く滑らかになる頃には、叩き付けるばかりだった篦の動きが幾分かスムーズになっていた。
馴染みの無い動きの理解に苦しんでいるようだが、一度覚えると淀みなく動かせるらしい。
ギアの表情が和らぐと、鞍馬も安堵して、そのまま混ぜていてと、砂糖を少しずつボウルへ加える。
「そういえば、私もメグには暫く会えてないなあ」
調理の手を止めずに鞍馬が呟く。ギアは今日は誘ったと言って嬉しそうに笑った。
材料を全て混ぜ終えて、腕を眺めて首を傾げたギアに、疲れたかと尋ねる。慣れないことをしたからかなと、天板を置いて、後は焼くだけだと言えば、ギアは、はいと両手を挙げてみせた。
その手へスプーンを握らせる。まだ頑張れるようだ。
「カリアナも一緒に作らない?」
パウンドケーキの材料が置かれた調理台で、一緒になったカリアナに高瀬が声を掛ける。こくりとユメリアも頷いた。
「ええ! 高瀬おねーさん、ユメリアおねーさん、よろしくお願いするわ」
カリアナは2人に礼を、そしてしゃんと背を伸ばすと、ユメリアの手元をじっと見詰めた。
「こちらこそ、よろしくお願いしますね」
始めに材料を全て等量に測るところから。
砂糖の混ざったバターが白く柔らかくなったら、卵は分離しないように一匙ずつ。
焦ったように混ぜては止まる手に、少し覚束ない手に、ユメリアは一旦自分のボウルを置いて竪琴を取る。
「高瀬さん、カリアナさん、調理はメロディ。混ぜる音でリズムをとって……」
奏でる竪琴はアップテンポで、一節毎に短く拍子を刻む。ボウルを見ながら卵を混ぜるタイミングで変調を加え、詩のない曲を口ずさむように歌う。
ユメリアの音に合わせるように、2人の泡立て器がくるくると一定の速さで動き続ける。
クリーム状になるまで卵を混ぜると、協力して粉を篩い具材を加える。
「私、気負い過ぎてたかも。楽しくが一番よね」
つやつやと滑らかな生地に粉を篩いながら高瀬がありがとうと穏やかに笑った。
「難しいわね。ユメリアおねーさんみたいには、まだできないわ」
アプリコット、クランベリー、アップル。
高瀬の選んだドライフルーツをぱらり、ぱらりと一掴みずつ加え、カリアナも生地を切り混ぜるユメリアの手元を見詰めた。
簡単そうに混ぜていく手首の動きはとても滑らかだ。
1つ目を型に流して、とん、とん、と空気を抜く。2つ目に取り掛かろうとしたところへ、ナッツとチョコチップを手にした星野が声を掛けた。
美味しそう、2つ目はそれにしましょう、と粉をカリアナがボウルへ篩い、ユメリアがチョコチップと数種類のナッツを交互に加える。
緩やかなメロディを歌うユメリアの声を聞きながら、高瀬が生地を丁寧に混ぜた。
3つめはチョコの日に合わせたココアの生地に、ナッツとフルーツを混ぜた物、カリアナがユメリアの手を思い出しながら、歌に聴き入ってしまわないように混ぜる。
生地を予熱したオーブンに並べ、様子を見ながら数十分。
次第に膨らんで焼き色を付ける生地は、中央をぱっくりと割って更に膨らむ。
焼けるまでの待ち時間にハーブティーを煎れて寛ぎながら、どうだったとユメリアが2人に尋ねる。
赤いエプロンに白い粉の跡を一筋走らせ、祈るようにオーブンを見詰めながら、それでも高瀬は頬を紅潮させて素敵だったと答えた。
「また作りたいわ、おねーさん、ありがとう! 高瀬おねーさんも、誘ってくれて嬉しかったわ!」
カリアナも乗り出して目を輝かせる。
オーブンの火を3人で覗き、甘い香りを漂わせるケーキを見詰める。温度とタイマーを見ながら、もう少し、もう少しと気持ちを抑え、鳴ると同時に扉に手を掛けた。
やってみる、と差し出された串を高瀬が順に差していく。すっ、と通る感触に焼けていると安堵して二人の顔を交互に見詰めた。
焼けたと跳ねる様に喜びながらミトンを付けて天板を取り出し、調理台へ運び慎重に型を外して紙を剥がして切り分ける。ナイフを握る手も緊張に震え、1つ切る度に深呼吸をしながら、昼下がりを迎えるまでには全て仕上がった。
できた。と、三人で手を叩いてそれを飾り付けも終えたテーブルへ運んでいく。
●
白い皿に格子柄のペーパーナプキン。ハートとスクエアのカラフルなステンドグラスクッキーが広げられ、隣には一回り小さいハートとスクエアの、クッキーがチョコレートチップとアラザンできらきらと飾られている。
もう1つの皿にはつやつやと赤いチェリーを抱えたクマと、嬉しそうに、楽しそうに、豊かな表情で笑うネコにウサギ、イヌ、そしてパルムのようなキノコのクッキー。
蕊まで描いた色取り取りの花と添えられた葉は一輪ずつ。それぞれの名前を華やかな文字で綴っている。
ドット柄のペーパーナプキンの皿には、大粒のチョコチップを混ぜ込んだ、ごつごつ、ごろごろした転がる様なクッキー。香ばしく焼けたプレーンと、甘そうなココア。チョコチップが所々とろりと溶け出している。
花柄の上に整然と並べられた三種類のパウンドケーキ。1つは三種類のドライフルーツがたっぷりと混ざったもの、もう1つはチョコチップとナッツの香りと食感を楽しめるもの、最後の1つはココアに染めて残りの材料を合わせたもの。
出来たての菓子がクロスを掛けたテーブルの上に運ばれ、いつものクッキーと飲み物が用意される頃、メグが店のドアをノックした。
ティータイムのパーティーが始まり、ユメリアが歌を披露する。
竪琴の透き通る音色に合わせて優しい声が歌う。
クッキーを1つ食べる度に、蕩ける笑顔を浮かべていた高瀬は、幸せと言いながらパウンドケーキを取りフォークを立てる。焼けているし美味しそうな匂いもする。それでも緊張は拭えず、ゆっくりと一口切り取って口へ運ぶ。
「美味しいっ!……奇跡ね。今日は最高に幸せな一日だわ!」
ユメリアへも勧めながら、2口目も確りと味わって。美味しく作れたこと以上に、親友と一緒に作れたことこそが奇跡のような一時。親友への感謝を込めて、彼女の歌に声を重ねた。
優しい旋律の中、コウはクッキーを取る度に、イルミナに勧めている。
寄り添うようにクッキーを齧りながら、イルミナの視線は迷うように揺れている。
楽しくないのだろうか、ここの菓子は美味しかったよな、と首を捻り。こっちが良いのか、と、ケーキを1つ皿へ。
「ほれ」
一口大をフォークに差して口許へ差し出した。イルミナは目を瞠って赤くなっているが、差しだしているコウも次第に恥ずかしくなってくる。さっさと食べろと言いながら待ち、ケーキにぱくついたイルミナにほっとする。
一緒に過ごす穏やかな時間も大事なんだと、何となく分かってきた気がした。
鞍馬はメグに手を振ってギアの側へ招き、ギアが作った物だとチョコチップクッキーを指して教える。
メグとギアの談笑を聞きながら、クッキーを摘まみ、なんと無しに落ち付かないとカップを運ぶ店員へ手伝いを申し出た。
「何もせずに見ているだけなのは……けど、こうやって落ち着ける時間は大切だね」
最近、世の中は忙しない。自身も落ち付いているとは言いがたいけれど。こういう機会があって良かったと、告げる表情は凪いでいる。
「……やっぱりこのお店のお茶、美味しいわ……久しぶりね、マーガレットおねーさん」
紅茶を片手にクッキーを摘まみ、カリアナはメグに声を掛ける。
ひさしぶりです、とメグも頭を下げて、どの菓子も美味しいと、少しはにかんだように笑う。
「クッキーやパウンドケーキだとジャム使ってる方が好きなんですよねぇ」
ぱく、とケーキの最後の1口を食べて、またクッキーへ手を伸ばす。
一通り楽しんで、マシュマロを浮かべたホットチョコレートを味わう。
ギアとメグの会話がふと耳に届いた。支店長の旅の護衛の予定が有るらしい。
「……ヴァリオス」
その行き先をテーブルに視線を落として呟く。すぐにその双眸は支店長を見て、是非ご用命を、と、にこりと笑う。
私の名前も書いてくれたんですね。そうメグの声が嬉しそうに言った。
ギアが誘ったと聞いていたからと玲瓏は頷く。
「手作りのお菓子を、と、頑張っていらっしゃいました」
隣の調理台で見ていた、慣れない道具に苦戦する様子を思いながら、それを知ってか知らずか、美味しいよ、すごいねと無邪気に悦ぶメグの様子を微笑ましく見詰めた。
「ギアの手、お菓子も作れるようになりました」
メグが気に入ったなら十分です。そう言ったギアの手を握って、メグはありがとうと満面の笑みを向けた。
冬の終わりの昼下がり、小さなパーティーの時間は、甘い香りと共に穏やかに過ぎていった。
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相談 カリアナ・ノート(ka3733) 人間(クリムゾンウェスト)|10才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2019/02/19 07:15:55 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/02/17 20:08:55 |