伝説は、つくるもの。

マスター:樹シロカ

シナリオ形態
イベント
難易度
易しい
オプション
参加費
500
参加制限
-
参加人数
1~25人
サポート
0~0人
報酬
無し
相談期間
5日
締切
2019/02/20 07:30
完成日
2019/03/07 00:58

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング


 同盟の農業推進地域ジェオルジに、バチャーレ村という場所がある。
 ここにサルヴァトーレ・ロッソでクリムゾンウェストにたどり着いた人々が集団で移住した。
 様々な困難もあったが、今ではジェオルジの住人も受け入れ、近隣の村とも行き来する、本当の意味での「ジェオルジの村」となりつつある。
 この村の代表を務めるのはサイモン・小川(kz0211)、元はロッソの食料用植物プラントの技術者だ。
 彼は移民の際に小規模な実験ユニットをそのまま持ち込み、今は村にビニールハウス状の実験農園を作っている。

 今日はそこを、ジェオルジの若き領主セスト・ジェオルジ(kz0034)が訪れていた。
「すごいですね。こんなにびっしりと大きな実がついている穂は初めて見ます」
 植物オタクという意味ではサイモンに引けを取らないセストは、頬を紅潮させて試作品の小麦を見ている。
「リアルブルー産の収穫量の優秀な小麦と、この地域の病気に強い小麦のかけあわせです」
 サイモンは農閑期で多少は手が空くセストを、自分の実験農場に招いたのだ。
 もうひとり、近くの村の村長グイドも招かれていた。興味津々で、小麦を見つめている。
「これを分けてもらえたら、ずいぶん助かるな」
「そうですね、あと数年すれば外での栽培を試していいかもしれません」
「そんなにかかるのか」
 グイドの言葉に、サイモンは言葉を選びながらゆっくりと説明する。
「ええ。元々、我々は無人の惑星に移住するつもりでしたから……」

 誰もいない惑星なら、仮にその植物が失敗してもゼロに戻るだけだ。
 だが既に人が住んでいる場所に持ち込んだ植物が、どんな影響を及ぼすか予想もできない。
 飛んだ花粉がこれまで根付いていた品種の特性を台無しにしてしまい、災害やこの土地の微細な生物の攻撃に弱いものに変えてしまうかもしれないのだ。
 最悪、ジェオルジ中の人々を飢えさせてしまう危険すらある。

「ですから、慎重に見極める必要があるのです。外に植えるにしても、できれば交雑を避けられる遠隔地で10年は確かめたいですね」
「結構恐ろしい話なんだな」
 グイドが頭を振った。
「そうですね。だから本当は、この土地に元からある品種を栽培するのが一番なのですが。もう少し収量を上げられたら、とは誰でも考えることでしょう?」
「クリムゾンウェスト全体で人は増えているでしょう。ですが食料を供給する側の人間はさほど増えていないはずです。それでなくても長引く戦いは食料不足との闘いでもあります」
 セストは淡々とそう言うが、その表情は険しい。
「ともかく、今日はとても有意義でした。オガワ代表、またお邪魔させてください」
 サイモンと握手しながら、付け加える。
「それにしてもこんなに興味深い施設とは。我が家の傍に移住してもらえばよかったと後悔しています」
 どこまで本気かわからないセストの言葉に、サイモンは穏やかな笑顔を返す。
「お時間のある時ならいつでもお越しください。喜んでご案内しますよ」

 外に出たグイド村長が、サイモンの肩を叩いた。
「いや、本当に面白かった。お前さんの仕事もよくわかったよ。ところで前から聞きたかったことがあるんだが、ひとついいか?」
「なんでしょう?」
「ほら、あのオレンジ色の髪の美人。お前さんの恋人かなんかか?」

 ――しばらくお待ちください。

「……は?」
「違うのか? 始めはあの色っぽい子連れかと思ったんだが、旦那が合流したからな」
「え、あの、すみません、話が見えませんが……」
 グイドは元々余り表情の変わらない無骨な男だが、何故か今は妙に目がキラキラしているようだ。
「いいんだ、心当たりがないなら忘れてくれ。すまなかったな。それとは別件なんだが……」
 この間、何故かセストがあらぬ方に視線を彷徨わせていた。


 メディオ村に戻ったグイドは、自分の奥方と額を突き合わせる。
「……という訳で、バチャーレ村、特にサイモンと仲良くなっておいて損はない。若干頼りないが、いい奴だ」
「でもあなた、そんな勝手に……」
「チャンスを作るだけだ。どうなるかは当人次第だろう?」
 小さな男の子が駆け寄ってきて、グイドの背中に抱き着いた。
「とーちゃーん、たけとんぼまだー?」
「あー、よしよし、もうちょっと待ってろ。少し兄ちゃんに見てもらえ」
 グイドは改めて奥方に向き直る。
「これは村の活性化にもつながるはずだ。もしうまくいけば、新しい伝説になるかもしれんだろう?」


 サイモンはバチャーレ村の面々に、グイド村長の『農閑期の交流会』を説明する。
「我々の村にはそれなりに大きな集会所があるからね、向こうの村の人に来てもらって、ちょっとしたパーティーでもどうかということなんだ」
「面白そうじゃない。皆、今の時期は退屈しているし、ちょうどいいと思うわ」
 そう言うマリナ・リヴェール(kz0272)の顔を見ると、サイモンは先ほどの会話を思い出してしまう。
「あー、うん。ただどうせなら精霊様にもお参りして、それからティーパーティーでどうだということになってね」
 折しもこの時期、リアルブルー発祥のバレンタインデーというものもある。
 精霊への冬のお参りをこの日と決めておけば、来年以降も継続できるのではないか……というのが、グイド村長の言だ。
 何やら妙な引っ掛かりを感じながらも、断る理由もないので話は決まった。
「それで今年は、領主様も顔を出していただくことになってね。だったら少し賑やかに、外からもお越しいただこうかという話になったんだ。皆、忙しくなるけど、よろしく頼むよ」
 ――サイモンは、グイドの本当の狙いをまだ知らない。


 セストは家に戻り、事実上の権力者である母バルバラに外出の予定を報告した。
「……という訳で、パーティーにお邪魔します。あまり頻繁に同じ村に足を運ぶのは良くないと思うのですが、今回は精霊をお参りしますので」
 セストの表情は変化に乏しく、何を考えているのか読み取りにくい。
 とはいえ、身内は別だ。
「セスト、あなた何か隠しているのではないかしら?」
「え?」
「そのパーティーよ。もう一度詳しく説明して頂戴」
 母の勘は鋭い。セストは誘導に引っ掛かり、グイドの言葉まで再現する羽目になる。
 だがバルバラは意外にもにっこり微笑んだ。
「いいわ、行ってらっしゃいな。そこでたくさん同年代のお友達を見つけられるといいわね」
 心なしか「お友達」に力がこもっていた。

リプレイ本文


 精霊の祠へ続く山道は、それなりに雪が積もっていた。
 小さな悲鳴を上げて、ひとりの若い女性が山肌に手をついた。足を滑らせたらしい。
「大丈夫ですか?」
 すぐ近くを歩いていたサイモン・小川が振り返り、手を差し出して立ち上がらせる。
 その様子を隣村の村長グイドは少し後方から眺める。
 そのグイドをマリィア・バルデス(ka5848)が見ていた。
「……なるほど」
 恐らくサイモンよりも先に、グイドが手助けできたはずだ。
 同じようにトリプルJ(ka6653)も察したらしい。完全に面白い見世物を見る目でニヤニヤ笑っている。
「農閑期の農村交流、永続的な祭ね……まあ悪くないんじゃねぇの? 永住を視野に入れるならな」
「そうね、いいんじゃないかしら。パートナーがいるって素敵なことよ」
「なんだ、心当たりでもあるのか」
 ルトガー・レイヴンルフト(ka1847)がまぜっかえすと、マリィアは動じるそぶりも見せずに訊き返した。
「ふふ、どうかしら。でも一般的にはそうじゃない?」
「まあそうだな。今回すぐにというのではなく、将来的にそうなればめでたいことだ」
 ラィル・ファーディル・ラァドゥ(ka1929)がからからと笑った。
「意向は把握。まあ精霊さんにとっても、人間が何代にもわたって住み続けるのはええことやと思うで。ほな、さりげなーく協力させてもらおか」
 ルーキフェル・ハーツ(ka1064)とウェスペル・ハーツ(ka1065)の兄弟は、そんな大人たちの会話を目を丸くして聞いている。
「なかよくするのはいいことですお」
「うーたちもおてつだいするですなの」
 なんとなく、ちょっと意味が違うような気はしている。
 だが子供は意外と空気を読むもので、とりあえず様子を見る。

 見上げれば、遠くの山肌はところどころ黒く見えている。
 ルトガーは眩しい光に目を細めた。
「もうすぐ春だな」
 いずれ雪は消え、木々は緑の葉を広げるだろう。精霊たちの目覚めももうすぐだ。
 ミア(ka7035)は身体の割に大きな荷物を背負って軽々と山道を走り、黙々と前を歩くセスト・ジェオルジに追いつく。
「あ! セストちゃん!」
 ふと見ると、セストはいつもに増して表情のない顔をしており、その隣にはふたりの若い娘さんが。
「おっとと、えへへ……お久しぶりニャスよ♪」
 ひらひらと手を振りながら、若干距離を取るミア。
(な、なんかおかしな雰囲気ニャス???)
 だがセストはそのままミアと並んで歩く。
「お久しぶりです。お元気そうで何よりです」
 ミアはセストの顔を覗き込みながら、小声で囁く。
「ニャんか、セストちゃんちょっと元気ない? お疲れニャスか?」
「ああ、いえ、大丈夫です。その、僕はあまり楽しい話題を続けられるほうではありませんから」
 最後の方は何やらむにゃむにゃ。
 セストらしくない様子に、ミアは小首をかしげつつ、近くの木に生った実を指さす。
「赤い実ニャス! 食べられニャスか?」
「ああ、コケモモですね。ジャムなどにすると美味しいですが、そのままではすっぱくて食べにくいですよ」
「残念ニャス……」
「パーティーにジャムが出るはずですよ」
 植物の話題になると饒舌になる、わかりやすいセストである。


 地精霊マニュス・ウィリディスの祠の辺りは、まだかなり雪が残っていた。
 一同は雪を払い、あたりの枯れ枝や落ち葉を片付ける。
「精霊祭がどんな風になったのかなと思ってたけど。色々あったんだね」
 宵待 サクラ(ka5561)は雪を板に乗せ、林の奥に運ぶ。
「……あれ?」
 何やらひそひそ話し込む男女の姿に、そーっとその場を離れた。
 よく見れば、ほかにも。
「……うん、色々あったんだね」
 サクラは何事かを悟った様子でひとり頷いていた。
 天王寺茜(ka4080)が顔を上げ、戻ってきたサクラに声をかける。
「どう? こんな感じかな?」
「随分すっきりしたよね」
「今は少し殺風景だけど。そのうちに花がいっぱいのお参り道になるはずよ」
 茜は白い雪に覆われた祠が、若葉や花に包まれた光景を想像して微笑む。

 カイン・シュミート(ka6967)は持参した花束を祠に供えた。
 白いヴェールで作った白い花を、白いリボンで飾った造花の花束だ。
 少し前に、ハンター達はマニュスの頼みを受けて、山向こうの精霊に詣でたことがある。
 今では各地で、忘れられた精霊を祀り人との関係を繋ぎなおす試みが広がっているという。
 カインは山向こうの精霊の報告を兼ねて、かの精霊に供えたものと同じ花を作った。ただし、まだ色はついていない。
「この花に色を願ってくださるなら、春にお出でいただけると嬉しい」
 果実の実りの色、樹木の皮の色、草花の色。どのような色を好むのか、それはマニュス次第ということか。
 リーベ・ヴァチン(ka7144)は花と蔓草を編んで作ったフラワーリースを供えた。
「好みかどうかは判らないが、豊穣に感謝と時を越える信頼を願って」
 この土地に生きるものへの感謝と、ずっと共にあることへの願いはきっと精霊にも伝わるだろう。

 どさり。
 時折、枝から雪の塊が落ち、冬木立の間にその音が響く。
「ふおおおお!?」
 頭からその雪をまともにかぶったルーキフェルが雄たけびを上げた。
「るーが雪だるまになるなの!!」
 ウェスペルは兄を救出しようと一生懸命に駆け寄るが、滑る落ち葉に足を取られて見事に転ぶ。
「ふわああああ!?」
 しがみついたルーキフェルも一緒になって雪の上に転がり、じたばた。
 その体がふわりと浮き上がる。
「ふたりとも、大丈夫ですか?」
 意外にも力持ちのセストが、両脇に双子の身体を抱え上げて助け出した。
「だいじょうぶですお!! ちょっと雪のふかさをしらべていただけですお!!」
 苦しい言い訳でウェスペルは雪の上に踏ん張り、服についた雪を慌てて払う。
「よかったなの、おそなえものは無事ですなの」
 ルーキフェルは大事に抱えていた花束を覗き込む。これを庇ったためにうまく歩けなかったのだ。
「それは良かった。さっそくお供えしてください」
 双子は祠の前に持ってきたクッキーと花束を供える。
 家族が心を込めて焼いてくれたクッキーは、世界のどんなお菓子よりも美味しいとルーキフェルは信じている。
「甘くてとってもおいしいの、ぜひ食べてくださいなの!」
「本当に美味しそうね。きっと喜んでいらっしゃるわよ」
 マリィアは双子の頭を撫でてから、自分の供え物を置いた。
 瓶に入った酒は、精霊の為でもあり、それ以外の誰かの為でもある。
(だって勝手に死地に飛び込んでいくように思えるんだもの。性分だからしょうがないんでしょうけど、だからって諦められるわけないじゃない)
 静かに手を組み合わせ、祠に向かって祈る。
 大事な人が長生きできるように――。
(無理をするなって言ったって、聞かないでしょうしね)
 顔を上げたマリィアは、祠の裏側の地面に何かを見つけた。


 各々が静かに祈る。
 その音のない声を聴いたかのように、祠の岩が柔らかな光を帯びる。
「……冬の眠りは春の芽吹きのため。今暫くの間、待つがよかろう」
 声と共に光が優しく瞬き、それもすぐに消えた。精霊なりに頑張って挨拶を返してくれたようだ。
 カインが改めて軽く頭を下げた。
「勿論待つ。だからこれからも人の声に耳を傾けて、村を見守って欲しい」
「もうすぐ春だからな。谷を越えた先の例の精霊にも、春になったらまた逢いに行くと約束してきた。安心してもう暫く眠っていてくれ」
 ルトガーはそう言ってから、軽くウィンクして付け加えた。
「と、だが今日はパーティーらしい。少し騒がしくなるのは勘弁してほしい」
「今日はバレンタインパーティーやからな。精霊さんにはあんま馴染みもないかもしれんけど」
 ラィルがルトガーと顔を見合わせてニヤリと笑う。
 ――何と言っても春だから。
「さて、そろそろ下山しよか。あんまり暖かくなったら、余計に道がぬかるむで」
 そのほうが都合がいいケースもあるかもしれない、とは思うラィルであった。

 下山しながら、茜はルトガーと並んで歩く。
「どうした、疲れたのか」
 ルトガーがどことなく上の空の茜に気づいたようだ。
「あ、いえ、全然! えっと、グイド村の村長さん、利益が見込めると知って早速、行動してきましたね……って」
「ああ、さすがの行動力だな。目の付け所もいい。茜には気になることがあるのか?」
「う~ん……サイモンさんがなんか、乗り気じゃないみたいな気がして」
 以前お見合いを勧めたこともある手前、面と向かって何かを言える筋合いでもない。
 だが何かが違う、という感覚があった。
「たぶん、私達が住んでた世界の習慣か、やっぱりお付き合いはまず恋愛が前提かなって考えちゃって……」
 茜がもごもごとつぶやく言葉に、ルトガーが笑った。
「じゃあまずはお付き合いの相手を探せって、サイモンに助言してやったらどうだ?」
「いえ、あの、け、経験値が足りなくて助言は……出来そうにないんですけど」
「お前さんの歳で経験値があったほうが驚くがな」
「ええっ? いえ、そういう意味じゃ……でもそうだ、皆が幸せになれると良いですね……!」
 この気持ちは本当だ。
 だからサイモンにも、ゆっくり考えて、最良の道を選んでほしいと願わずにはいられない。


 村に残った者も、交流会の準備に大忙しだった。
 特に星野 ハナ(ka5852)は、バチャーレ村の住民やグイドのメディオ村からやって来た参加者と一緒になって、調理場で奮闘を続けている。
 野菜の皮をむき、同じ大きさに切り分け、余った野菜とハーブを煮込んでスープを作る。
「寒い時期ですからぁ、身体があったまるポトフは外せないですぅ」
 いっぱいにスープが入った大鍋を軽々と持ち上げ、火にかける。
 大丈夫かと声をかける村の住民に、可憐な笑みで応えるハナ。
「これぐらい大丈夫ですぅ。気合入りまくりですよぅ」
 たくさんの材料でたくさんのお料理を作り、みんなが笑顔でテーブルを囲む。
 その光景を思うだけで幸せになれる。
「あ、えっとぉ、このお肉も使っちゃっても大丈夫ですかぁ?」
 塊肉の余りに目をつけると、挽肉に。キャベツと重ねて大きな平鍋に詰め込んだキャセロールをオーブンに入れ、残りはすべてスパイスを混ぜてこね、大量の肉団子を作る。
「分けられるお料理もあるといいと思うんですぅ。やっぱり山の精霊様ですからぁ、それっぽい料理もあった方が良いと思うんですよねぇ」
 メディオ村の女性が、切り分けたパンを差し出す。
「これ、うちの村のミルクジャムよ。食べてみて」
 つまみ食いも、料理担当の特権である。
 優しい甘さのジャムのパンを頬張り、ハナは内緒話のようにくすくす笑う。
「おいしいですぅ。後で作り方とかぁ、教えて欲しいですぅ」
「勿論よ。書いて渡すわね」
 ハナだけではなく、バチャーレ村の住民たちも興味津々だ。
 交流会は、お互いの村にとって良い経験となることは間違いないだろう。


 村に戻る途中、マリィアはマリナに声をかけた。
「ちょっといい? これ……もらってもいい物なのかしら」
 マリィアの手のひらには、柔らかな光をたたえる小さな小石が2つ乗っていた。
「ああ、キアーラ石ね。色は綺麗だけど、柔らかくて加工も難しいし、大した価値のある石じゃないわ。この辺り以外では、ね」
 マリナは楽しそうに笑うと、『気に入った色の石をプレゼントすると相手が幸せになれる』という謂れを説明した。
「マニュス様の石だけど、気が向いた時には結構皆に分けてくださるの。だから大丈夫よ」
「そう。有難う」
 マリィアは貴石をハンカチに包んで、ポケットにしまう。
(相手が幸せになれるように……ね。ミサンガにつけるぐらいなら、なんとかなるかしら?)
 祈りを込めて、飾り紐を作ろう。暫しの間、マリィアは楽しい空想にふける。

 村の入口で、サイモンとセストが一行から分かれる。
「ちょっと失礼します、すぐに戻りますから」
 セストが何やらいそいそとついていくので、サクラも気になって後を追った。
 ついた先は他の建物にうまく隠された、サイモンの実験用ハウスだ。
 そこで揺れる小麦にサクラは目を奪われ、思わずサイモンに駆け寄る。
「あのっ、ごめん、農場覗いちゃった! あの麦は売ってる? それともまだ試験中?」
 一瞬その勢いに驚いたサイモンも、サクラが一生懸命に語る言葉に耳を傾け、農業に興味を持っていることを理解する。
「成程、貴女も小麦の研究をされているのですね。ならばご理解いただけると思うのですが……」
 サイモンはサクラに、何故新種を隔離して実験しているのか、それを外に出すとどんな危険があるのか、丁寧に説明した。
 サクラは柔らかい表現ながら、サイモンが意思を曲げるつもりがないことを悟らざるを得なかった。
「でもいつか、お互いの研究成果を交換しあえるようになればいいですね」
「うん、そのときが来たら、きっともっと技術が進むよね」
 残念そうに小麦を振り返りながら、サクラはサイモンとセストと共にその場を離れた。

 戻った一行を、グイド村長が待ち構えていた。
 さすがにセストには丁重な礼を取るが、サイモンの腕をつかむと引き立てるようにして連れていく。
「どこに行っていた? そろそろパーティーが始まる時間だぞ」
「え? いや、ちょっと領主様との話が……」
「折角の料理が冷めては、作り手に失礼だろう。後にして構いませんな?」
 振り向いたグイドの勢いに、思わずセストも頷いてしまう。
「ええ勿論です。皆様を待たせるわけにはいきませんね」
 セストが今回の主目的を知りながらわざわざ来た理由は、実験農園を見学するためだったが、さすがにそれを口にできない。
 後ろ髪を引かれる思いで、パーティー会場へ向かった。


 それでも、パーティー会場の光景にはさすがに目を奪われる。
 それぞれの村の住民が腕によりをかけて作ったごちそうは、見た目も匂いもとても美味しそうだった。
 中でも目を引くのが、巨大な雪山……のような、ホワイトソースのかかった肉団子を盛りつけた大皿である。
「これはすごい」
 思わずつぶやいたセストに、制作者のハナがニッコリ笑顔を向ける。
「山と言うと茶色ですしぃ、お肉を連想しませんかぁ」
 サイモンもまじまじと顔を近づけて見つめる。
「いや、本当にすごいな。見たことがありませんよ、これは」
「頑張ってみたんですよぅ。だってこれから精霊祭の名物料理になるかもしれないじゃないですかぁ」
「いいですね。『早春の雪山』とか、何か名前を付けて……」
 なお、サイモンのネーミングセンスは「イマイチ」という定評がある。

 乾杯の合図で、ふたつの村の住民にハンターを加えた一同はグラスを掲げ、早速パーティーのごちそうに食らいつく。
 ハナの雪山肉団子(仮称)は大人気で、大きな山もすぐに「採掘」が進んでいく。
「こっちのリンゴベリージャムを添えて食べると美味しいですよぅ」
「美味しそうねえ。私ももらっていい?」
 マリナは籠に山盛りのパンを抱えていた。
「どうぞですぅ。すごいパンの山ですねぇ」
「私、パンを焼くぐらいしか能がないのよねえ。でもこのフォッカッチャは焼き立てだから美味しいわよ」
「いただきますぅ」
 並んで腰を落ち着け、しっかり自分たちもごちそうを食べる。
 他の住民も集まってきて、テーブルは持ち寄った料理のサンプルのようだ。
 ハナは自分の料理を皆に配りながら、バチャーレの住民が作ったクワスや、メディオ自慢の白ワインなどを次々と飲み干し、ごちそうを平らげる。
 マリナも嬉しそうにぱくついている。
「おいしいわー! こうしてみると色んな味付けがあって楽しいわね!」
「やっぱりぃ、お祭りはこうでなくっちゃですぅ」
 何人かの若者が胃袋をガッチリつかまれて、ハナの所へお酒など持って近づいてくる。
「一緒に飲むのは歓迎ですよぅ」
 だが、ハナの採用基準は極めて厳しかったので、あくまでも「宴会参加者」どまりのようだ。

 そんな中にも、どこか遠慮がちに並んで座る、若い男女があちこちで見られた。
 ラィルはグイド村長の背中を親しみを込めて小突いた。
「やっぱりなかなかのやり手やなあ、グイド村長。強引にくっつけんでも、いい雰囲気になりそうやで」
「何を他人事のように。そういうお前さんにはいい相手はいないのか? なんなら誰か……」
「ははっ、ハンターはやめといた方がええで。折角の住民を、連れ出してしまうしなあ」
 さらっと受け流し、ラィルは楽器を手にする。
「ほなちょっと盛り上げて来るわ。一緒にダンスでも踊れば、もっと盛り上がるで?」
 歌と手拍子が沸き起こり、誰かが誰かを誘い出し、素朴な踊りの輪が広がっていった。

 踊りの輪を見ながら、リーベが重々しく呟く。
「要約すると村コンか」
 村単位の合同コンパ、略して村コン。
 カインもとっくに、その意図には気づいていた。
「出会いたい奴限定ならいんじゃね? 最後にどうするかは本人同士の話だし」
「本人同士だけでどうにもならないこともあるだろう。お前自身が鈍いのによく言うものだ」
 リーベの言葉に、カインは声を低くする。
「あ? 鈍いって誰が」
「自分のことだとはわかっているようだな」
「鋭いとは言わねぇけど、普通だろ」
 リーベが片眉を器用に上げて、カインをしげしげと眺める。
 自分の周りで繰り広げられている愛憎劇(※ただし獣女子)に本気で気づいていない様子に、呆れるばかりだ。
 だがカインにも言いたいことはあった。
(好意にも色々あるだろうが。俺と同じ方向だとは限らねぇしな)
 それを言葉にすればいいのに、カインはむっつりと黙り込む。
「よし。分かった」
 リーベは突然、カインの手を引いて輪に加わる。
「何が、分かっただ!? おい!!」
 抗議の声に耳を貸さず、リーベは声を上げる。
「いいか、女達! 自分にとっていい男には少ない……ならばお姫様のように待つな。欲しい物は自分で奪いに行け。自分が伝説になることを目指せ!!」
 朗々と宣言するなり、リーベはカインの顎を引き寄せた。
「しっかり、全部、奪ってやろう。覚悟しておけ」
「え、お、おま、おま、えええ!?」
 カインの悲鳴のような声は、リーベの唇によって塞がれた。
 当然、周りは大騒ぎだ。
 しばらくして解放されたカインは、ほとんどパニック状態である。
「待て、何が起こって、いやなんでお前!!」
「有言実行。邪魔者がいない隙に、奪えるお姫様は奪うさ」
「お姫様は……俺かあああああ」
 顔を覆って膝から崩れ落ちるカインに、周りから「この幸せ者~」などという声が飛んだが、当人の耳には届かなかった。
 きっとふたりは、祭の最大の「伝説」として後の語り草になるだろう。

 マリナがこの顛末を口を半開きにして見ていると、トリプルJに肩を叩かれた。
「よぉマリナ、聖導士になったんだってな。最近活躍してるって聞いたぜ?」
「あはは、皆に助けてもらってばっかりよ」
 トリプルJはさりげなくマリナを他の連中から匿うように立つ。
(永住するつもりがないなら、声をかけられても困るだろうしな)
 マリナが今、どう考えているのかはわからないが。
「よし、ちょっと体を動かすか!」
「え? ちょっと!?」
 マリナの腕を引いて、トリプルJは踊りの輪の中に入っていく。
 他の人々もそれぞれの相手と手を取り合い、楽しそうに踊っている。
 いろんな選択肢がある。何を選ぼうとも、今独りぼっちでいる必要はない。
 歌い、踊り、皆と共に過ごす時間も、大事なことなのだ。


 グイド村長は、会場に視線を巡らせる。
 何人かの料理を運ぶ女性に囲まれる、ひょろりとしたサイモンの姿が飛び出して見えた。
「……もっと食わせたほうがいいな」
 ぼそりと呟く。まるで親兄弟のようである。
「村長さん、お疲れさまですなの。お茶はどうですかなの」
 声がしたのはかなり下の方。見ると、小さな男の子がふたり、キラキラした目でグイドを見上げていた。
「お花の砂糖漬けもつくってきたお。紅茶に浮かべてもきれいですお、お砂糖がわりになりますお」
「じゃあ遠慮なく貰おうか」
 グイドは香りのよい花を浮かべた紅茶に口をつける。
「坊やたちもハンターか」
「ルーキフェルですお。こっちは弟のウェスペルですお。がんばってお仕事してますお!」
 ふたりがそろって胸を張る。
「そうか、頼もしいな。あと10年ほどしたら、うちの村にも来てくれ。歓迎するぞ」
 なかなか含みのある発言だが、双子はキャッキャと喜んだ。
「いきますなの! たのしみですなの!!」
 そこで、ダンスの輪の中から歓声が上がる。
 思わずそちらを見ると、顔を真っ赤にしたカップルが見つめあい、周囲から何やら冷やかされていた。
「ふおー、あれは二人の世界というやつなの」
 ウェスペルが大人びた口調で頷く。
「砂糖なんか要らない連中ということだな」
 ルーキフェルはグイドを見上げた。
「……お砂糖みたいな雰囲気? あの人とその人は、うふふであちちですかお?」
「まあそういうことだ。サイモンも頑張ってくれればいいんだが」
「サイモンさんも囲まれてるの、頑張れなの」
 だが頑張る方向が違うようで、サイモンはさり気なく輪の中から抜け出していく。

 目立たないように隅の席に座って息をついたところで、サイモンの目の前にグラスが置かれた。
「どうも……?」
 見上げると、マリィアが面白い物を見るような表情で隣に座る。
「大人気ね、村長さん。さすが優良物件だけあるわね」
「いやあ……全くですよ。こういう場所では早婚が多いでしょうし、力仕事ができない人間は好まれないでしょう」
 マリィアが遠慮なく笑う。
「それもそうね。でも住民にとってはいいことじゃない。精霊祭も精霊様との仲も順調。周囲の村にも認められて……永住する気、あるんでしょう?」
 サイモンがあいまいな笑みを浮かべた。
「ええ、永住のつもりです。ただ、まだまだ手探りですね」
 サイモンは賑やかな光景が眩しいかのように目を細める。
「僕はこの世界で、酷い風邪をひいたことがありまして」
「そうなの?」
 マリィアはサイモンが語りたいままに促す。
「そのときに思ったんです。僕たちがこの土地に混ざり込んで、果たして大丈夫なのかと」
 リアルブルーの小麦の花粉は、クリムゾンウェストの小麦を変えてしまうかもしれない。
 同じように、人間が混ざり合えば、この土地に昔から生きる人々を変えてしまうかもしれない。
「いずれ交流は進むでしょう。けれどあまり急な変化はどうなのだろうかと、考えてしまうんです」
 サイモンは頭を振って、苦笑いを浮かべる。
「……すみません、つまらない話で。この通りですから、とても優良物件とはね」
「いいんじゃないかしら。人にはそれぞれの考えがあるもの。それを理解してくれる人が見つかるといいわね」
 マリィアはそう言いながら、ポケットに入れた貴石の重みを感じていた。


 ルーキフェルとウェスペルは、会場を走り回ってお手伝いを済ませながら、やっとセストの姿を見つける。
「セストやっと会えましたお! これ、食べてほしいですお」
 ルーキフェルが可愛くラッピングされた包みを手渡す。
「これは……?」
「クッキーですお。うーにもプレゼントですお」
「るーのサプライズですなの! うれしいですなの!!」
 受けとったウェスペルは、包みをほどくのももどかしそうに中身を取り出した。
 星型のクッキーに、砂糖漬けの花が飾られている。
「ふおおおお! きれいですなの!!」
「ありがとうございます、大事に頂きますね」
 嬉しそうに微笑むセスト。
 ウェスペルは暫く眉間にしわを寄せて考えていたが、クッキーのひとつをぱりんと割って、セストの口元に運ぶ。
「セスト、あーんですなの」
「え?」
「あっちでおねえさんがしてましたなの。仲良しさんにはするらしいですなの」
 セストはクッキーをかじり、おいしいです、と言いながらも何とも複雑な表情をした。
 なお、ルーキフェルは同じようにあーんしてもらい、嬉しそうにクッキーを頬張っている。

 ふと視線を感じてセストが振り向くと、テーブルに肘をついて、楽しそうにこちらを見ているミアと目があった。
「セストちゃんはどんなお菓子がおススメニャス? よかったらミアにも教えて欲しいニャス」
「なんでもいただきますよ。チョコレートのケーキなども好きですね」
 クッキーあーんの不意打ちにも、育ちの良さを思わせるきちんとした座り方を崩さないセスト。
 お茶を飲む姿勢も綺麗だ。
「むむ……」
 なんとかその姿勢を真似しようと、ミアも頑張って背筋を伸ばし、控えめにおしゃべりする。
 だが暫く経つと、いつも通り。
「セストちゃん、あんまり女の子とおしゃべりしないニャスか?」
 ずばり本質を突いてくる。
「ええと……そうですね、年の近い女性は、姉ぐらいしかいませんでしたから……」
「じゃあ今から仲良しさんを作るといいニャスよ!」
 セストはちょっと困ったように首を傾げ、それから口を開く。
「僕と仲良しさんになると、色々大変なんですよ。僕は自分がもう少ししっかりしないと、その人を守れないのではないかと考えています」
 あまり自分のことを語らないセストがこんなことを言い出すのは珍しい。
 祭の雰囲気と、ミアの明るさがそうさせたのだろうか。
「でもセストちゃんの人生はセストちゃんのものニャス。誰かのものじゃないニャスよ?」
 セストが微笑む。
「僕は結構、我儘なんです。だからもう暫くは、好き勝手に生きるつもりですよ」
「それならいいニャス。みんなセストちゃんを応援してるニャスよ」
 ね? というように顔を向けると、双子の少年がニコニコ笑いながらこちらを見ていた。


 家や宿泊先に引き上げる者、河原などへ散歩に行く者もあり、会場は幾分落ち着いてきた。
 サイモンはようやく安心したように、ハンター達とテーブルを囲む。
「今日は本当にありがとうございました。この様子だと大成功と言っていいでしょう」
 ルトガーがジョッキを掲げて、サイモンを労った。
「今回はメディオ村だけだったが、これから先はもっといろいろな村と交流するのもいいかもしれないな」
「はは……考えてみます」
 ふたりの間から、マリナが顔を出す。
「あんまり大きな声でそんなこと言うと、またグイド村長が何か策略を練ってくるわよ」
 ルトガーには、マリナがかなり落ち着いたように思えた。ので、話を振ってみる。
「バチャーレ村はこれまで生きる残ることに必死だったが、少しは余裕もできただろう。そろそろ皆、自分のこれからの人生について考える時期かもしれないな」
「考えることは山のようにあるわ。でも楽しいし、忙しいのは悪いことじゃないわね」
 マリナは無理なくそう思えるようになったようだ。

 サイモンはテーブルの隅で、皆の話に耳を傾けていた茜に顔を向ける。
「そうだ、天王寺さん。グイド村長にも協力してもらって、来月ぐらいから苗木を植えるつもりなんです。もしお時間が許せば、手伝っていただけますか」
 茜が頷く。
「そうですね。できればお手伝いしたいです」
 精霊の慰めと、お参りに来る人達が絶えることのないよう、祠の周りに春に花咲く木を植える。
 茜達が提案したことが、現実になりそうだ。
 賑やかなエピソードだけではなく、苗木の1本ずつがいつか伝説になるかもしれない。
「助かりますよ! 今年は苗木だけで少し寂しいですから、草花も植えてみようかと思っていましてね」
 話を聞いていたサクラが、我慢できずに尋ねた。
「何の木を植えるのかな。苗木ってどれぐらい? 桜の木もある?」
「勿論ですよ。とはいっても、元々山に自生している種類ですが……」
 計画を説明するサイモンにも、今の同盟が大変な状況にあることは分かっている。
 だが誰かが「現在」を戦う必要があるのと同様に、誰かが「未来」のために準備する必要がある。
 それぞれがやれることをやらねばならない。
 これからもこの世界で、人間が生きていくためには。
「精霊の桜かあ」
 サクラは花に囲まれる祠を思い浮かべる。
(早くその日が来ますように)
 それは約束された、幸せな未来だと思えた。

 トリプルJはマリナを外に連れ出し、空を見上げる。
「もうすっかり日が暮れているな。星が見えるぜ」
「ほんとだ。あの星が見えるころには、雪が消えるって聞いたわ」
 トリプルJはぽん、とマリナの頭に手を置く。
「生きてるとな、目的が多くなりすぎることはある。でもその時1番やりたいことを優先すりゃ、さほど間違わんと思うぜ」
 マリナも迷っているのだろう。だが迷いは正しい道を選ぶための準備でもある。
「そうね。後はやりたいことをやりたいと、ちゃんと言えるようにならなきゃね」
 今日の皆みたいに……。
 マリナの思い出し笑いは暫く収まりそうもなかった。

<了>

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参加者一覧

  • がんばりやさん
    ルーキフェル・ハーツ(ka1064
    エルフ|10才|男性|闘狩人
  • がんばりやさん
    ウェスペル・ハーツ(ka1065
    エルフ|10才|男性|魔術師
  • クラシカルライダー
    ルトガー・レイヴンルフト(ka1847
    人間(紅)|50才|男性|機導師
  • システィーナのお兄さま
    ラィル・ファーディル・ラァドゥ(ka1929
    人間(紅)|24才|男性|疾影士
  • 語り継ぐ約束
    天王寺茜(ka4080
    人間(蒼)|18才|女性|機導師
  • イコニアの騎士
    宵待 サクラ(ka5561
    人間(蒼)|17才|女性|疾影士
  • ベゴニアを君に
    マリィア・バルデス(ka5848
    人間(蒼)|24才|女性|猟撃士
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナ(ka5852
    人間(蒼)|24才|女性|符術師
  • Mr.Die-Hard
    トリプルJ(ka6653
    人間(蒼)|26才|男性|霊闘士
  • 離苦を越え、連なりし環
    カイン・シュミート(ka6967
    ドラグーン|22才|男性|機導師
  • 天鵞絨ノ風船唐綿
    ミア(ka7035
    鬼|22才|女性|格闘士
  • 負けない強さを
    リーベ・ヴァチン(ka7144
    ドラグーン|22才|女性|闘狩人

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ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2019/02/20 01:27:18