• 血断

【血断】契り断たれし双子

マスター:ことね桃

シナリオ形態
ショート
難易度
難しい
オプション
参加費
1,500
参加制限
-
参加人数
3~9人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2019/02/25 07:30
完成日
2019/03/11 10:24

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●パルムがんばる!

 えっちらおっちら。とっとことっとこ。
 派遣されたばかりののパルムが神霊樹の分体を持って帝国の自然公園の脇道を歩いていく。
『おー、本当に運んでるなー。ちっこいのによくやるもんだ。頑張れよー!』
『俺達も神霊樹を運べるもんなら手伝いたいがなぁ……あいつらに任せるしかないのが情けないぜ。道中は気を付けてちゃんと帰って来るんだぞ!』
 壁の上から精霊達が道を覗き込み、パルムに励ましの言葉をかける。もちろんパルムの周囲には護衛を務めるハンターが何人もいるのだが――パルムは一瞬だけ精霊達に振り向くと『任せとけ』と言わんばかりにこくりと頷いた。


●仲違い

「アンネリース、もうこの家に戻るつもりはないというの!?」
 ここはクリムゾンウェストとは異なる、とある異世界。小さな農村の家屋で声を荒げた女――エレオノーラは目の前で傲慢な笑みを湛えた美女に怒りを露わにした。
「ええ、そうよ。今の私はこの国一番のオペラ座のプリマドンナ。こんな田舎の貧相な家の生まれだなんて知られたら恥ずかしくて舞台に立てなくなるわ。だから最後の挨拶にきたってわけ」
「昔のあなたはそんな子じゃなかった。あなたに歌の才能があることを知った両親が必死で朝から夜まで働き詰めて、あなたを首都の音楽学校に通わせて……そのことに感謝して頻繁に手紙を送ってくれたり、長期の休みには家の仕事を手伝ってくれる優しい子だった」
「それは昔の話でしょう。今はレッスンと舞台公演で忙しいのよ。だからせめて今までの恩返しにこれを届けに来たんじゃない」
 そう言うとアンネリースは大きな革の鞄を開いた。中には束にまとめられた金や宝飾品がこれでもかというほど詰め込まれている。
「……父さんも母さんも病気で1年前に亡くなったわ。あなたと再び会えることを願いながら。私は両親が生きている間にそのことをを何度も手紙に書いたのに、それでも帰ってきてくれなかったわよね。……こんなもの、受け取ったって父さんも母さんも喜ばないわ」
「それならこれで立派な墓でも建てれば? それか姉さんもこんな田舎から出てこのお金で毎日楽しく生活すればいいのよ。街には色んな仕事や物があるしね。それに妙齢の女がみすぼらしい格好で野良仕事なんて情けないと思わないの?」
 ふふふ、と質素な姿のエレオノーラを嘲笑うアンネリース。エレオノーラの拳が怒りで震えた。
 せめて両親に心からの感謝と謝罪をしてくれれば彼女は故郷を捨てた妹を赦し、自分なりの新しい人生を見つけ出そうと考えただろう。……それぐらい、妹のことを愛していた。
 だから――その愛情が「逆転」する。
 妹のやわらかな薔薇色の頬を姉のかさついた硬い手が激しく音を立てて打った。
「何をするのよっ!」
「あなたのそのねじ曲がった考え、両親が知ったらきっと悲しむわ。己の過ちに気づけないあなたにその痛みをほんの少し伝えただけよ!!」
「……っ。私はこの国で最も愛されている女なの。その大切な顔に手をあげるなんて、姉さんだろうと赦さないわ!」
 今までの嘲笑から打って変わり、怒りに満ちたアンネリースがテーブルに置かれた果物ナイフへ手を伸ばした。それは本来、殺意に基づいたものではなくただ姉を脅して屈服させるためだった。
 しかし――その時、ふたりに何者かの声が聞こえた。
『お前達に力を与えてやろう。……存分に憎しみあえ』
 その言葉に呼応するようにアンネリースの憎悪が爆発する。ナイフを感情の赴くままにエレオノーラの胸に刺すと生暖かい血が宙に迸る。
「あ、アンネ……あんたって子は……!」
 途端にエレオノーラの憎悪も肥大化した。よろめきながらも力を振り絞り、竈から煉瓦を掴むと妹のその美しい顔に力いっぱい叩きつける。白い顔が深紅に染まり、高い鼻があらぬ方向へ折れ曲がった。
 しかしそれでも不思議と互いの意識も命も尽きはしない。いくら血を流し骨が圧し折れても……むしろ生命力と憎しみが奔流の如く湧き出てくる。
 ――やがて殺しあいを繰り返すアンネリースの右腕がナイフと一体化した。花飾りとレースをふんだんにあしらったドレスがその全身を包み、かつてのプリマドンナは巨大なナイフを持った一輪の白薔薇の如き姿と化す。
 そしてまた、妹に煉瓦を投げつけようとした姉もめきめきと音を立てて姿を変えていった。純朴な顔は石で覆われ、素朴な衣服は岩の甲冑に変貌した。両腕にはスレッジハンマーのように肥大化した拳がぶら下がっているが、その重みを感じないのか彼女は腕を上下させては不思議そうにそれを見つめる。
 姉妹はそれっきり何の言葉を紡ぐくことも、互いに傷つけあうこともなかった。薔薇と岩は感情を失ったように見つめ合ったまま、誰かの言葉を待つ。
 そこでようやく、全く異なるふたりの姿に何者かが満足げに笑った。
『ふたりとも、よく似合っているぞ。……さあ、外に出ろ。お前達の憎しみを叩きつけるべき相手が待っている』
 薔薇と岩はその声に素直に頷くと、岩が巨大な腕を扉に叩きつけた。壁ごと崩れ落ちる家。降り注ぐ瓦礫を白薔薇が一瞬で粉砕する。
 かつて仲の良かった姉妹はこうして結束を取り戻し――そして見えぬ扉を開くと異世界クリムゾンウェストへ導かれていった。


●崩壊

 英霊フリーデリーケ・カレンベルク(kz0254)はパルムの警護を務めるさなか、同行するハンターから突然告げられた。
 パルムの目的地にシェオル型歪虚が2体出現し、周囲の家屋を手当たり次第に襲っていると先ほど通過した街のハンターオフィスから連絡があったと。
 たしかに意識を集中させてみれば、禍々しい気配がこの細い街道の先に満ちている。
「住民は今のところ近隣の町のオフィスに避難したり、馬車に乗って遠方に逃げているそうだけど……いつ本格的に移動を始めるかわからないからでいるだけ早めに早急に討伐してほしいそうだ。パルムもこの世界を守るため、絶対に死なせるわけにはいかない。護衛も大切だが、できる範囲で急ごう」
 ハンターの声に深く頷くフリーデ。美しくも峻厳たる戦がこの先に待っていることを彼女は予感していた。

リプレイ本文

●破滅の音

 ――遠くから音が聞こえる。何かが刻まれ、潰され、粉砕される音が。
 道中にありながらハンター達の鼻についたのはむっとした血の匂い。それは果たして何のものなのか。
(パルムと一緒に樹を植えて終わり……って簡単にいくと思ってた時期が僕にもありました)
 キヅカ・リク(ka0038)はふと遠い目になり自虐的に息を吐くと、それまで小脇に抱えていたパルムをそっと地に下ろした。
 パルムは使命感あふれる顔で神霊樹の分体を抱きしめていたが、瞬時に禍々しいマテリアルに気づいたのだろう。
 今にも泣きそうな顔でおろおろ歩き回る。
 自分には大切な使命があるのに、それが果たせないかもしれないと怯えているのだ。
「ごめんね、僕はこの先にいる奴らと直接やりあうから。君を最前線で守り抜くことは難しいんだ」
 リクの声にしょんぼりと俯くパルム。そこでフワ ハヤテ(ka0004)がパルムを自身の肩へひょいと乗せた。
「君は僕と一緒に居よう。僕は魔術師だから、奴等とは距離をとって戦える。大丈夫、ちゃんと守るよ。君も苗木もね」
 ふわふわした傘状のの頭をそっと撫でれば、パルムは「きゅ」と鳴いてハヤテの柔らかなブロンドに身を寄せる。
 その姿に澪(ka6002)が安堵した。
「パルムのこと、お願い。敵の意識があなたに向かわないよう、注意を惹くから」
「ああ、皆を頼りにさせてもらうよ」
 ハヤテはすっかり懐いた様子のパルムの背を擦り、穏やかな表情で歩き出した。
 それと真逆に眉間に皺を寄せ、駆け出そうとしたのがフリーデリーケ・カレンベルク(kz0254)。
 その太い手首をアルマ・A・エインズワース(ka4901)が掴み、いつもの柔らかな表情で語り掛ける。
「フリーデさん、落ち着いてください。まだ人的な被害は出ていないと聞きました。あちらがシェオル型なら僕らも相応に陣を整えていきませんと」
 その声はいつもの無邪気な子犬めいたものではなく、落ち着いた男のもの。
 フリーデは『……そうだな、すまない』と大人しく腕を下ろす。
 その様子にボルディア・コンフラムス(ka0796)はふたりの間に何かあったのだろうと勘付いたが――まぁ、今は戦の前だ。
 気合を入れるだけで十分だとフリーデの肩を軽く叩く。
「よォ、フリーデ。この前見た時よりはマシな面になったじゃねぇか。また何か言いてぇことがあったら聞いてやるよ。連中を片付けた後でな!」
『ああ。先日の酒場では情けないところを見せてしまったな。でも本当に……助けられたよ。お前の力、此度も頼りにしているぞ』
「おう、任せときな」
 ボルディアはにっと笑い、先日賜った星神器「ベルナクス」の柄を肩に乗せた。
 元は純白の戦斧が闘志あふれる彼女のマテリアルに反応し、今は炎に似た鮮烈な緋色に染まっている。
 澪もフリーデにはにかみながら挨拶した。
「フリーデ、久しぶり。今回は一緒に頑張ろう」
『澪、こちらこそよろしく頼む。お前の剣術の冴えはいつも心強い』
「……そんなこと、ないけど。でも頑張るよ」
 相変わらず澪はクールなようでいて、少し照れ屋だ。白い頬が桜色に染まっている。
 一方、フィロ(ka6966)はオフィスで事前に仕入れた情報をメモリーから読み出し、仲間達へ冷静に伝達する。
「この農村に住んでいた方々は近隣の街の祭の手伝いや朝の野菜の売り込みに行っていた都合で、運よく襲われずに済んだそうです。この血の匂いはおそらく、集落に残されていた家畜たちのものでしょう」
 その言葉にアルト・ヴァレンティーニ(ka3109)が苦い表情を浮かべた。
「そうか……彼らにとっては災難だっただろうね」
 小さな集落が突然歪虚に襲われて潰されるのは昔からあることだ。アルトはベテランのハンター故、そのことをよく知っている。だからこそ『この理不尽を終わらせねば』と心が氷に似た冷徹な決意を抱くのだ。
 一方、鞍馬 真(ka5819)は今回の依頼の大義のひとつである植樹に想いを馳せる。
「これ以上の被害を出さないためにも、早く倒さないとね。それに神霊樹ネットワークを一日も早く築かないと今後はこのような突発的かつ強力な敵の襲撃が続くことになる。それだけは絶対に防がないといけないよ」
 そう、この戦にはクリムゾンウェスト防衛の命運が賭けられている。全員深く頷き、目的地に向けて一心に足を速めた。


●岩と花、瓦礫に聳え立つ

 ハンマー状の腕が叩きつけられ崩れる石壁。
 そこに見目麗しい銀のナイフが舞うと、石は砂粒と化す。
 シェオル型歪虚2体は互いに背を預け合うと、周囲に生物がいないか確認するように睨みつけた。
 その瞬間――澪が「先手必勝」と呟き、仲間達の脚から頭脳へ一気にマテリアルを巡らせる。
 力の漲りを認識したフィロはそれまで隠れていた瓦礫の陰から2体の傍を挑発するように縮地移動をもって駆け抜けた。
 2体とも人のカタチをしたフィロを殺害対象と認め、嬉々として彼女の元へ動き出す。
 その様にアルトが危機感を覚えた。
(岩は見るからに堅そうだな。2体いるとなると、できるだけ連携を取らさない方が得策か。ならば私は比較的柔らかそうな白薔薇を攻める……それも早急に!)
 アルトは踏鳴を発動させると脅威的な速度で白薔薇に追いつき、試作法術刀「華焔」を横一閃に振るった。
(元は人間だ。痛みは一瞬、苦しまずに逝かせてやる!)
 だが、首を撥ねるはずの刃が萼に食い込み、中程でぐっと圧し留められる。しかも花粉の匂いが漂った途端、刃が押し退かれ傷がみるみる癒えていった。
「くっ、流石だな。易々と首は取らせないか。だがどのような事情があれど、シェオル型になってしまった以上はお前を滅ぼさせてもらうぞ。戻してやる手段は知らないしな。すまない」
 輝く刃を構えつつ、岩とは逆の方向に大きくステップするアルト。蔓が彼女の元へ迫るたび、2体の間隔が空いていく。惹きつけはどうやら成功したようだ。
 その時、機導剣・操牙で2つの盾を浮遊させたアルマがアンチボディを自身に付与し駆け出した。
 本来なら最前衛に立つ仲間達にもアンチボディを付与したかったが障壁としての効果には時間制限がある以上、悔しいが自身のみで手一杯となってしまう。だから彼は2体の間の壁となると決意し、岩を背に花へ機械剣「ドリーフック」を向けた。
「わふー。白薔薇さんには回復の力があるですか。残してたら被害が増えそうです? 先に白薔薇さんを叩くです! フリーデさんも一緒に頑張るですっ!」
『ああ!』
 だがフリーデより速く、真が動いた。
 真は既に守りの構えを展開している。
 そして彼の静かな心に反応したのか暗緑色に染まった星神器「カ・ディンギル」が天を衝くように掲げられた。
「断絶の理を解き放て……ヤルダバオートッ!!」
 真の周囲にいる仲間達には守護の力を、傍にいる敵には認識能力を歪める呪いを与える恐るべき結界が一瞬にして展開される。
 彼は役目を終えたカ・ディンギルを刀に持ち換え、仲間達に叫んだ。
「結界の中であれば多少強引に攻めてもどうにかなるはずだ。今のうちに!!」
 そこでしたたかに動いたのがボルディア。彼女はフィロを鈍足ながら追う岩に対し、魔導ママチャリ「銀嶺」で一気に前方へ回り込み、それを乗り捨てた。
 ヤルダバオートの範囲外になってしまうが、岩の惹きつけを担った以上は退がるつもりはない。
「テメェの相手は俺達だよ。こっから先にはどこにも行かせねえ!」
 彼女が逞しい腕を突き出せば、その腕から炎を纏った鎖が意志を持つかのように地を這い、宙を駆け、岩人形の身体を拘束する。
「……ガッ!!?」
 その炎は幻影に過ぎず熱こそ持たないが、鎖が互いに絡みあった途端に強固な檻と化す。それを一気に引き摺り込みんだボルディアは「ふっ!!」と流れるような動きで砕火を叩き込んだ。だが地面から分厚い岩壁が突出し、岩人形の代わりに砕け散る。
「へえ、岩の盾を造れんのか。硬ぇなあ、テメェ! だがなァ、いつまでテメェが俺の斧が受け止められるか試してみようじゃねぇか! ほら、テメェの出番だ!」
「サンキュ、ボルちゃんっ! さて、どこまで耐えられるか見せてもらうよ!!」
 岩壁を砕かれ一瞬隙を見せた岩人形にリクが聖機剣「マグダレーネ」を通して機導砲を放つ。しかし岩は自身の防御力に自信があるのか、ハンマー状の腕を盾の如く構えエネルギーを受け流した。僅かにヒビが入ったが、岩を完全に砕くほどの影響は――ない。
(腕は盾も兼ねるほど頑丈か。それじゃ僕は次善策に行かせてもらうよ)
 リクは岩の真正面に立つと僅かに腰を落とし、盾を構えた。

 その頃、フリーデは白薔薇に向け雷を宿す斧を振り下ろした。しかしふわりとした質感の花弁が広がり重なることで、彼女の攻撃を不気味なほど優しく受け止める。その感覚にフリーデはぞっとし、再び斧を構えた。
『くっ……花弁も萼も守りは硬いか』
 だが、その様子を冷静に分析する者がいた。常に敵から距離をとりつつ、虎視眈々と魔法を紡ぐハヤテだ。
(シェオル型か。随分久しぶりに見る気がするね。いや、イグノラビムスだっけ? あれとは別にさ……前にこの世界が滅びた時以来じゃないか。まあ、それは現状関係のないことだ。とりあえず岩を巻き込むことはできなさそうだが、白薔薇だけなら十分な距離だね)
 魔導書を模した星神器「キタブ・アル・アジフ」がハヤテのマテリアルに反応し、透徹な蒼に染まる。ハヤテはそこから解読不能な紋様を宙に浮かせ――宣告した。
「白薔薇の君、死者は死者のあるべき場所へ逝くべきだ。塵は塵に、灰は灰へ、君はその純白を死の理に捧げるべし……『死者の掟』っ!!」
 白薔薇を中心に闇を封ずる結界が展開される。
 その力は非常に強力で、白薔薇は何が重い物に圧し掛かられたように全身を地に圧しつけられ、花弁の中央から「ぎいいぃいいイッ!!」と絹を裂くような悲鳴を上げた。
 すると突然、岩人形が両腕を広げて我武者羅に振り回す。まるで壊れた玩具のように。
「ぐっ……!」
 フィロは突然の暴走に対応しきれず、岩塊の直撃を脇腹にまともに受ける。
 それはボルディアとリクも同じこと。ボルディアは胸元に、リクは頭部に重き岩が叩きつけられ足をよろめかせる。
 それはハンター達への暴力のみならず明らかに拘束への抵抗だった。
 脚が白薔薇に向けて突き進もうと瓦礫を何度も踏みつけていたのだから。
 しかしボルディアの檻はその程度で解けるほど緩いものではない。
 そしてリクは額から垂れる血に構わず叫んだ。彼は殴られた瞬間、攻性防壁で岩人形の動きを一時的に封じ込めたのだ。
 視界が赤く染まれども、彼は盾を構え、何度でも岩人形を食い止める覚悟を決める。
「フィロさんは一旦下がって態勢を取り直して! こいつは僕が食い止めるから!」
「感謝いたします、リク様。しかしながら私も守りの壁を務めます故、どうぞお気遣いなく!」
 フィロが後退し手早くヒーリングポーションを使用する。その間、リクは何度でも攻撃を跳ね返してやるとばかりに岩人形を挑発した。
「君の攻撃、見た目の割に軽いよ。こんなのじゃ到底僕らを抜くのは無理だね。正直、酔ってたフリーデの一撃の方が重かったよ!」
 ――その瞬間『何だと!? リク、貴様ァ!!?』とどこかの英霊が怒鳴りながら斧をブン回していたが、それはそれとして。リクはボルディアとフィロと頷きあい、声を張る。
「皆、抑えるだけなら僕らだけでいけるいける。フリーデ、皆、そっちは宜しく!」
『ああ、さっさと終わらせてやる。お前が先ほどの発言を後悔するほどに力を見せつけてな!』
 宿敵フリーデの自意識過剰な返答にリクは苦笑する。だが、間もなく表情を引き締めた。
「まぁ、今回の依頼は運がないね。ま、それは……向こうも同じか。割とこっちの戦力もガチ目だし」
「おう。守護者、星神器に選ばれた奴、高度な魔術の使い手と剣術の熟練者。ついでに帝国の武闘派英霊。こんだけ揃ってて負ける気はしねえよ」
 ボルディアの胸元は酷く青黒く染まっているが、抉られた肉から血が零れる度に炎の如く燃え上がり傷を癒やしていく。まるで不死鳥のような生命力。リクは戦友のその逞しさをとても心強く思う。
(油断はしないけれど気張りすぎずに行こう、やるだけのことをすれば十分な結果がついてくる面子だから)
 その頃、白薔薇に対峙した澪は敵の力を冷静に分析した。
(相手は風の精霊のフリーデの攻撃をものともしなかった。だから少なくとも土属性ではない。でも相手の属性を安易に決めつけるのは早計。……それなら私の持つ力を全てぶつける!)
 澪が地を強く蹴り、光の力を宿す聖罰剣「ターミナー・レイ」でまずは疾風剣で蔓を突き、そのまま横に引き千切る。そのまま続けて放ったのは力を炎にしぼったオーラ……つまりは火鳥風月だ。
「全てを燃やし尽くしてっ!!」
 しかし炎は花弁と蔓の表面を僅かに黒く焦がし、静かに消えていった。つまり白薔薇には炎も効かない。
 ならば――澪はヤルダバオートの範囲内へと跳び退りながら光の刃を頼りに強く握りしめた。


●白薔薇の行く手

 星神器による拘束や回復不能効果による力で一度はイニシアチブを完全に握ったかと思われたハンター達。
 しかし敵も邪神の使者として相応しい耐久力と戦意を持ち合わせていた。
 ――ハヤテの「死者の掟」の効果が切れたその瞬間、それまでめった刺しにされ、蔓をほぼ失っていた白薔薇は再び花粉で自らの蔓を回復させると動きは鈍いながらも岩人形のもとへ歩みだし、岩人形に続く道を塞ぐ形で守りの構えを続ける真にナイフを振るう。
 強烈な連撃は回避することを許さず、重厚な装甲に守られた真の皮膚までも易々と裂き血を飛び散らせる。
 胸から腹にかけてひりつく痛み。――だが、それこそが真の狙い通り。ここで自らが構えている限り、白薔薇はそうそう先に進めはしない。真は右手の血色の刃にソウルエッジの力を付与し、左手には白光の剣を展開させた。
「ここから先は修羅の道……通りたければ覚悟が必要だよ」
 回復させる間も与えない。彼は2つの刃で花弁で刃を包ませる間も与えず十文字に斬り裂いた。そしてリバースエッジによる追撃は萼片の付け根に大きなヒビを刻み込んだ。
「アルマ君、今だ!」
「ふんすっ。了解です! 三柱の光……哀れな死者に光導を与えるですっ!」
 勇んだアルマはドリーフックに祈りを捧げ、3本の光を白薔薇に集中させる。その桁外れの魔力が萼片を砕き――花がぐらつき始めた。
 首を落とせば少なくとも回復手段は無くなるはずだ。もしくは蔓が消えて身動きを取れなくできるかもしれない。
 だが後方から白薔薇にとどめを刺そうと駆ける澪にだらりと白い花弁が垂れ下がり、彼女の華奢な肉体を軋ませるように強く巻き付いた。
「くっ……何、これ……! いやぁ……!!」
 花弁には細やかな模様が編み込まれていて、まるでドレスを飾る麗しいレースのようだ。そして同時に漂う芳しい薔薇の香り。
 体が締めつけられ、全身の骨が少しずつ砕かれるような痛みが続くにも関わらず、何故か抵抗する力が出てこない。
 まるで夢の中にいるような感覚が彼女を支配していく。
「澪君、今助ける! 意識をしっかり保て!!」
 アルトが叫び、地面を強く蹴ろうとする。しかし――白薔薇はアルトのもとににたりと笑うように、レースを垂らして振り返った。ぐったりとし、身動きの取れない澪を盾にしているのだ。
(どうする……飛花・焔と踏鳴を行使して跳び込み、連華であのレースを斬り裂くか? だがリスクが多すぎる……)
 その時、アルマが叫んだ。
「フリーデさん! あなたの雷撃なら……ついでに歪虚さんも巻き込むです!」
『……! 了解した。行くぞ、漆黒の霹靂ッ!!』
 フリーデの腕から敵のみを穿つ黒き雷が放たれる。それは白薔薇に大きな傷をつけることこそ叶わなかったが、拘束を緩める程度に怯ませられたようだ。
 澪の身体がぐらりと前に倒れかけたところでアルトは飛花・焔と踏鳴を駆使し、意識のない彼女を保護すると後方支援のアルマとハヤテの元へ届ける。
「すまん、彼女の意識が戻るまで頼む」
「わふわふ、ありがとうなのですー。僕、知ってるですー。綺麗な花には棘があるっていうですっ。あの白薔薇さん、まだ技を隠してる気がするです……どうか、お気をつけて」
「ああ、わかっている。奴が灰燼と化すまで気は抜かない」
 アルトはそう言って再び白薔薇と距離をとりながら斬りつけるタイミングを窺う。
 そこでハヤテは(頃合いか)と見据えると、自身の指先と頭脳にマテリアルを巡らせた。
「たしか風と火が効かないんだったよね、それならこれはどうかな。どこまで耐えられるか見せてよ……アブソリュートゼロ!」
 それは水と土の力を集め、2連撃の魔法攻撃とする高度な業。その恐ろしさは威力だけでなく、行動を阻害する力さえも備わっていることにある。
 結果はどうあれ――当たれば相手の動きを封じる可能性が在るのだ。
「……グギャアアアッ!!? オネエチャン、オネエチャン、タスケテッ! イタイヨ、イタイヨオ!!」
 白薔薇が悲痛な声を上げる。どうやら白薔薇は水の属性を持っていたようだ。濡れた瓦礫の合間に溜まった泥が彼女の蔓の自由を奪っていく。
 そこで真が、アルトが、フリーデが得物を構え、アルマとハヤテが再度術式を唱えんとしたところ――突然、蔓の一本が爆発し棘が真とフリーデの身体に突き刺さった。
 辛うじてアルト達は距離をとっていたため無事だったが、真の手足からは血が滴り、半ば半裸で戦っているフリーデに至っては慌てて庇った頭以外満身創痍となり膝をつく。
 そして何より恐ろしいのは、他の蔓も同様に弾けんと膨らみ始めたところ。いくらヤルダバオートの加護があると言えど、何度も爆発されては前衛が全滅しかねない。
「イタイノイヤァアアアア! ミンナコロス、オネエチャンイガイナンニモイラナイノ!! ダカラワタシ、フクモホウセキモウッテ、イツカオネエチャントイッショニマチデクラソウッテ……ゾレナノニスナオ二ナレナクテ……アアアアアアアアッ! コロス、コロス、ゴロズウゥウウウウウウッ!!! ワタシモ、ミンナモゼンインシネエエエエエッ!!!!!」
「……そうか。君は姉を求めていたのだな。だがこちらとて譲れぬものがある。その悲しみごと、斬らせてもらうぞ」
 アルトは静かに宣告すると己が身を紅い花吹雪と化した。それは飛花・焔と踏鳴の連動によるもの。敵の死角に入り、必殺の一撃で仕留める最強クラスのハンターならではの俊敏さだ。
 そしてまたアルマは剣に術式を唱える。先ほどは救済の祈りを。今度は破滅の願いを込めて。
「僕のフリーデさんを傷つけた罪は重いです。魔王の卵の力、とくと味わうといいです……破滅の光柱、哀れな死者に鉄槌を与えるですッ!!」
 彼が剣を天に翳して描いた三角形。そこから氷を思わせる薄青の光が激しい音とともに白薔薇を串刺しにする。
 その痛みに悶絶する白薔薇にアルトが「これが君に私にしてやれる慈悲だ、許してくれ」と斜め下から剣を振り上げ、連華による2連撃を繰り出した。
 それを最後に泣き叫んでいた首が「がくん」と折れてついに地に落ちる。
 続いて真が「いつかお姉さんに会えるように、祈っているよ」と後方から怒りを感じさせぬほど穏やかに囁くと――ソウルエッジから二刀流、そしてリバースエッジと続く強烈な破壊力によって蔓が粉々に粉砕された。
 それが白薔薇の最期、だった。


●岩人形の悲嘆

「アアアアアッ! アンネガ、アンネガシンジャッタ!! ワダジハ、ワダジワァアアアアッ!!!」
 白薔薇が灰と化した途端、岩人形がけたたましく喚き始めた。岩人形は目の前でしぶとく粘るハンター3人に手当たり次第に腕を振り上げた。
「オマエダチノセイデッ、アンネガ、アンネガ……タスケラレナカッタ!!」
 恨み言を叫びながらボルディアの頬をハンマーで打つ岩人形。唇が切れたボルディアは口内に溢れた血を軽く吐いた。
「ハッ、あの歪虚と何があったのかは知らねえがテメェ如きが俺の守りを崩せると思ってるんじゃねえぞ! ホラ、こっからどっちが硬いか勝負といこうかぁ!!」
 彼女は再び獣じみた表情で砕火を放つ。今度こそあの防御を超えてみせると力を込めて――だが、今まで岩壁を出現させて身代わりとしてきた岩人形がとうとうその能力を尽きさせてしまったのか、上下からその獰猛な打撃をまともに喰らった。
「グアアアアッ、アシガ…テガ……!」
 度重なる攻撃に耐えてきたハンマーと分厚い爪先がガラガラと音を立てて崩れていく。
 重量ある肉体故に、体を支える脚部が壊れては満足な移動も叶わない。その懐にすかさず飛び込むのはフィロだった。
「随分と硬い甲冑をお纏いですこと。しかし私のマテリアルの奔流はそれで防ぎきれるものではございません!」
 星神器「角力」が彼女の瞳に似た琥珀色に染まり「鹿島の剣腕」が発動する。今まで金剛不壊で攻撃を耐え抜いてきた分、気迫は十分すぎるほど充実している。後は――自身が倒れる前に相手を打ち抜くのみ。
「はあああああッ!!」
 フィロの鉄拳が鎧通しの力を宿し、岩人形の体内へ2度気功を瞬時に打ち込む。
 その瞬間、外からでは鉄の如き硬度を誇っていた肌がぼろりと崩れ落ちた。
 彼女の勇ましさにリクが親指を立て、気合を入れて術式を組む。
「フィロさん、いい腕してるっ。僕も負けてられないね。アイシクルコフィンッ!!」
 リクの剣から放たれる無数の氷柱。それは土属性の岩人形には大きな苦痛となる。
 石に滲み、結合を解いていく氷。長きにわたり滴るだけで巌を砕く水は彼女にとって脅威そのものだ。
「イヤアアアッ!! カラダクダカレル、イタイイタイイタイーッ!!!! アンネ、アンネ、ゴメン……タスケテアゲラレナクテェエエエ」
 だがその悲鳴に臆しないのがハンター達だ。意識を取り戻した澪が先手必勝を再び発動させる。
「ごめんね、こっちにもやらなきゃいけないことがあるから。それに……君も苦しいならもう終わりにしなきゃね。辛いでしょ? 恨みや憎しみを抱えて生きていくのはさ」
 そうドライに言い放ち、アブソリュートゼロを放つハヤテ。
 彼の優れた感覚で放たれた土と水のエネルギーは岩人形に泥のようにへばりつくと、その動きをより緩慢にしていく。
 続いてアルマが「もう戦いは終わりにするです! あなた達が強い結びつきをもっていることはわかりましたが……それでもこうするしか救えないんです、今の僕らには!」と剣を通したデルタレイで集中砲火する。
 すると頭の半分がごきり、と音を立てて落ちた。
 そこに「皆さん、道を開けて!」と叫ぶ真。彼はソウルエッジを用いた二刀流で岩人形の足首を掻くように斬り裂くと、どっと地面に崩れ落ちる岩人形にアスラトゥーリを叩き込んだ。
 澪はその岩人形の姿に憐れみを感じたのだろう。「……大切なもの、奪ってごめん。でも、次はきっと」と言って、疾風剣を放つ。すると岩人形の首がごろりと落ちた。
 だがそれでも歪虚は生きている。頭がなくなっても、それでもなお腕で身体を引き摺り――仇を討とうとしている。
 何度も崩れそうな腕を無茶苦茶に振り回し、這いずり回る姿は……最早哀れですらあった。
 リクは瞼を落とすとボルディアとフィロに多重性強化を付与し、自身も剣を握りしめる。
「さあ、行こう。シェオル型がいかに邪神の被害者といっても、僕らはこんな処じゃ終われない……そうだろ」
「ああ、苦しませずに送ってやろうぜ」
「どうか、この方たちの魂が救われますよう……」
 どっ、と同時に叩きつけられる3人の業。すると呆気なく岩人形は土塊となり、動きを止めた。
「……シェオル型は邪神に利用されたもの。本来なら望まぬであろう暴虐を働かされ、悪として討伐される……。なんという理不尽か。疲れただろう、ふたりともゆっくり休め……」
 アルトはそう呟くと、回収してきた白薔薇の残滓――灰を土に混ぜ、農村の外れに埋めた。ここなら人が来ることは少ないはずだし、静かに眠れるに違いない。澪は白薔薇の美麗さにこそ程遠いが、素朴な野花を供えて静かに手を合わせた。
「この歪虚達、引き離されてからも何度も合流しようとしてた。見た目は全然違っていたけど……生前に縁の深い繋がりがあったのかな」
 ぼそっとした澪の呟き。それにアルマも同調し、小首を傾げた。
「お二人のことは初対面ですしよく知らないですけど、きっと、お互いが大事だったです? ……次は引き離されないといいです」
 そんな2人に仲間達は歪虚達は恐らく大切に思いあっていた家族だったのだろうと告げた。白薔薇は岩人形を姉と呼び縋るような悲鳴をあげたこと、白薔薇が散った後で岩人形が仇を討つために「アンネ」という名を叫び続け首を失っても戦い続けたこと。
 その事実に澪が悲しげに視線を落とした。本当は歪虚なんかになるはずのなかった人たちだったのではないかと思うと――胸が痛くなる。
 一方アルマは綺麗な石を2つ拾うと、歪虚の埋められた地の上に墓代わりに肩を並べるよう突き立てた。
(敵さんですけど、ああいう結びつきも素敵だな、なんて……互いに思いあうのって、良い事ですよね? 悪いことしたら「めっ」ですけど……大切な人を支えるのは幸せなことです。だから……次は本当の意味で幸せになってほしいです。2人とも一緒に)
 そう思い、フリーデの肩にそっと頭を寄せる。
『な、何だいきなり……』
「わふふ、なんでもないですー。ただ……ちょっとわふーしたくなっただけです。フリーデさんのおっきな肩にわふーすると『ああ、一緒にいるんだなー』って思うです!」
 アルマの顔が近づいただけで真っ赤になるフリーデと、子犬のように遠慮なく甘えるアルマ。リクやボルディアらは(……やっぱり絶対何かあったな、こいつら)と、生暖かい目で見守るのだった。


●忘れてはならない植樹

 戦が終わって粗方の連絡が終わった頃。ハヤテは髪にしがみついたままのパルムに「もう大丈夫、怖いのはもういないよ」と言って、そっと彼を地に下ろした。するとパルムはぺこぺことハヤテにお辞儀をしてちょろちょろと走り回る。
「……何をしてるのかな、瓦礫だらけだから転ばないといいけど」
 真が心配そうにパルムを追う。その後ろで「フリーデが痛む身体をアルマに支えてもらいながら口を開いた。
『神霊樹の分体を植えるにふさわしい場所を探しているのだろう。何せこの通りの惨状だ……以前なら井戸や水路などの水場があっただろうがな』
 そこに丁度、歪虚討伐成功の報を受けた住民が戻って来た。
 中には大切な家や家畜を一気に失い泣き崩れる者もあったが、薄々覚悟はしていたのだろう。
 村長がハンター達から詳しく状況を確認すると、かつて井戸のあった場所に皆を案内し「もう一度ここに井戸を掘りましょう。この下に水脈があるのです。初めこそ定期的な水やりは要するでしょうが、いずれこの地の水で成長してくれるはずです。樹が街の守りとなるのであれば反対する者もおらんでしょう」とハンター達に神霊樹の世話を約束した。
 そこでパルムが張り切って土を掘り始める。人間よりずっと小さいのにその手際は良く、あっという間に植樹を終わらせた。
 ……だが、今日は天気が良すぎて雨が降りそうにない。水場も壊滅状態だ。
 その時、フィロが大きな革袋を手に走ってきた。ボルディアが首を傾げる。
「なんだそりゃ、随分でけえ袋だな」
「こちらの袋でございますか? これは苗を植える時のために事前に水を汲んだものです。歪虚出現の報告から少々時間が経ちましたゆえ、おそらく井戸や用水路などの取水場は壊されているでしょうから……」
「はぁ、なるほどなぁ……。メイドっぽい服装や言葉遣いだけじゃなく、気遣いまでプロ並みってわけか」
 感心したように頷くボルディアにフィロが「恐れ入ります」とスカートの端を軽くつまんで一礼する。ボルディアは「いいよ、そんな堅くなくて……」と呟きかけたが、思い返してみればフィロは誰に対してもそういう存在だ。
 もし彼女がもっと気さくになる機会があるとすれば……とボルディアは考えたが、恐らくそれはとても難しい事なのだろう。
 何はともあれ、こうして無事に誰一人欠けることなく戦は終わった。村人たちは一旦気落ちこそしたが必ず村を再建していくという。
 その時に神霊樹の苗が大きく育ち、いつか皆の安らぎの場になるようにとハンター達は強く願うばかりだ。
 アルトは自分達を見送る村人たちが健気に手を振ったり礼をしている姿に(彼らも戦っているのだ。生きるために、誰かを生かすために……。無辜の民を救うためにも私は今以上に力を尽くさねばならないな)と無意識に拳を強く握りしめ――守護者としての責務を新たに実感するのだった。

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MVP一覧

  • ボルディアせんせー
    ボルディア・コンフラムスka0796
  • 茨の王
    アルト・ヴァレンティーニka3109

  • 鞍馬 真ka5819

重体一覧

参加者一覧

  • THE "MAGE"
    フワ ハヤテ(ka0004
    エルフ|26才|男性|魔術師
  • 白き流星
    鬼塚 陸(ka0038
    人間(蒼)|22才|男性|機導師
  • ボルディアせんせー
    ボルディア・コンフラムス(ka0796
    人間(紅)|23才|女性|霊闘士
  • 茨の王
    アルト・ヴァレンティーニ(ka3109
    人間(紅)|21才|女性|疾影士
  • フリーデリーケの旦那様
    アルマ・A・エインズワース(ka4901
    エルフ|26才|男性|機導師
  • 自在の弾丸
    キャリコ・ビューイ(ka5044
    人間(紅)|18才|男性|猟撃士

  • 鞍馬 真(ka5819
    人間(蒼)|22才|男性|闘狩人
  • 比翼連理―瞳―
    澪(ka6002
    鬼|12才|女性|舞刀士
  • ルル大学防諜部門長
    フィロ(ka6966
    オートマトン|24才|女性|格闘士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
鬼塚 陸(ka0038
人間(リアルブルー)|22才|男性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2019/02/24 18:51:37
アイコン 【質問卓】
アルマ・A・エインズワース(ka4901
エルフ|26才|男性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2019/02/24 15:33:27
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2019/02/22 00:13:05