ゲスト
(ka0000)
【血断】浪漫のままに探し出せ
マスター:三田村 薫

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2019/03/18 12:00
- 完成日
- 2019/03/24 02:49
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●エバーグリーンへ
「すっげぇな」
エバーグリーンの概要をオフィス職員C.J.(kz0273)から聞かされたエドは、興味深そうに頷いた。
「人間同士の争いを克服して、全部機械に任せた世界か。SF的なロマンがあるよな」
「興味ある?」
「ある」
「じゃあ君にはエバーグリーンに行くチャンスを授けよう」
「え!? 行けるの!? 行きたい! 超行きたい!」
「ナード」
隣にいたジョンがぼそりと呟いた。エドはキッときつい目で振り返る。
「お前にはロマンってものがないのか? ロボットがいるんだぞロボット。憧れないのか?」
「まあ……正直面白そうだなとは思ってるけど、そこはVOIDに滅ぼされたんだろ?」
「まあね」
「下手したらリアルブルーもそうなるかも……と思うとはしゃげないな……いや、面白そうなのは僕も思う」
「うーん」
エドは唸った。C.J.は続ける。
「オートマトンって呼ばれる種族はみんなあそこの出身でね。エバーグリーンは精霊が奴隷みたいにこき使われていたわけ。機械の体に入れて」
「すげぇ。依代じゃん。神降ろしってやつだろ?」
「うーん、ミコと話が合いそうだなぁ。彼女もそういうの好きなんだよね。民俗学? フォークロアって言うの?」
「俺そう言う話大好き。今度ミコって人紹介して」
「はいはい。紹介してあげるから、とりあえずエバーグリーン行って」
オフィスからの説明はこうである。エバーグリーンから残存している自動兵器を回収する。オートソルジャーとかそれに類したものだ。
回収と言っても、動かないオートソルジャーたちをえっちらおっちら担いで戻って来るわけではない。小型の召喚マーカーを貼り付けて、転移のような形で持ってくるのだ。
「うわあ超胸が熱い。やりたい。やらせてその仕事」
「ところでエド。僕はリアルブルーの創作物も多少かじってるんだ。失われた文明、滅んだ遺跡……そう言うところに冒険家が行くと、どうなる?」
「……」
エドは目を細めた。
「番人とか根城にしてる悪党に襲われる」
「その通り。未だに根城にしてる歪虚はいるらしいし、自動兵器の中には歪虚に影響されて暴走してるのもある」
「なるほどな」
「と言うわけで、この前のパルムと同じように、君たちは練度の高いハンターに混ざって行ってきて。手は多いほど良いからね」
「わかった」
「単独行動は慎むこと。興味があっても一人であっちこっち行かないこと」
「すげぇな。CJが大人みたいなこと言ってる」
「大人ですけど!?」
●オタクの本懐
「ハァ……ハァ……」
「気持ち悪い」
「すごい。ボディ。ロボット。SF」
自動兵器に召喚マーカーを貼り付けながら、エドは興奮で息が荒い。
「ううっ……生きてて良かったって今日ほど思ったことねぇよ……」
「普通に引くんだけど」
「生きてこんなリアルSFにお目にかかれるなんて……最先端技術をこれでもかってほど使ってるんだぜ……こういうのをわがままボディって言うのか?」
「面白くない。気持ち悪い。それと、リアルとSFはほぼ対義なんだが」
「おい、見ろよ、ジョン。色違いだぜ。可愛いよな」
エドがそう言って、胸のランプが赤く光っているオートソルジャーに召喚マーカーを貼り付けようとしたその瞬間だった。
「ギャー!」
殴り飛ばされた。
"What's up!?"
ジョンがメイスを構える。目も赤く光らせたそれは、明らかにこちらに敵意を持っている。他のソルジャーたちとは違った。これが、オフィスで聞いた、歪虚の影響で暴走した自動兵器だろう。
「ろ、ロボットの反乱……」
「いい加減にしろナード! 戦え! 皆! 来て下さい! 暴走したオートソルジャーです!」
エドも短剣を抜いた。彼は、排気音高く息巻いているオートソルジャーの向こうから、見覚えのある影を見て片目を細める。
「お出ましか。おなじみの奴だ」
小型狂気だ。
同行のハンターたちが駆けつけた。戦闘開始だ。
●ハンドアウト
あなたたちは、エバーグリーンの自動兵器回収に赴いたハンターたちです。エドとジョンという二人の新人ハンターを、訓練も兼ねて連れてきています。
到着してから各々がはぐれすぎないように召喚マーカーの貼り付けを行なっていると、ジョンがあなたたちを呼ぶ声が聞こえました。
あなたたちは、召喚マーカー貼付作業を中断して戦闘に向かうのでした。
「すっげぇな」
エバーグリーンの概要をオフィス職員C.J.(kz0273)から聞かされたエドは、興味深そうに頷いた。
「人間同士の争いを克服して、全部機械に任せた世界か。SF的なロマンがあるよな」
「興味ある?」
「ある」
「じゃあ君にはエバーグリーンに行くチャンスを授けよう」
「え!? 行けるの!? 行きたい! 超行きたい!」
「ナード」
隣にいたジョンがぼそりと呟いた。エドはキッときつい目で振り返る。
「お前にはロマンってものがないのか? ロボットがいるんだぞロボット。憧れないのか?」
「まあ……正直面白そうだなとは思ってるけど、そこはVOIDに滅ぼされたんだろ?」
「まあね」
「下手したらリアルブルーもそうなるかも……と思うとはしゃげないな……いや、面白そうなのは僕も思う」
「うーん」
エドは唸った。C.J.は続ける。
「オートマトンって呼ばれる種族はみんなあそこの出身でね。エバーグリーンは精霊が奴隷みたいにこき使われていたわけ。機械の体に入れて」
「すげぇ。依代じゃん。神降ろしってやつだろ?」
「うーん、ミコと話が合いそうだなぁ。彼女もそういうの好きなんだよね。民俗学? フォークロアって言うの?」
「俺そう言う話大好き。今度ミコって人紹介して」
「はいはい。紹介してあげるから、とりあえずエバーグリーン行って」
オフィスからの説明はこうである。エバーグリーンから残存している自動兵器を回収する。オートソルジャーとかそれに類したものだ。
回収と言っても、動かないオートソルジャーたちをえっちらおっちら担いで戻って来るわけではない。小型の召喚マーカーを貼り付けて、転移のような形で持ってくるのだ。
「うわあ超胸が熱い。やりたい。やらせてその仕事」
「ところでエド。僕はリアルブルーの創作物も多少かじってるんだ。失われた文明、滅んだ遺跡……そう言うところに冒険家が行くと、どうなる?」
「……」
エドは目を細めた。
「番人とか根城にしてる悪党に襲われる」
「その通り。未だに根城にしてる歪虚はいるらしいし、自動兵器の中には歪虚に影響されて暴走してるのもある」
「なるほどな」
「と言うわけで、この前のパルムと同じように、君たちは練度の高いハンターに混ざって行ってきて。手は多いほど良いからね」
「わかった」
「単独行動は慎むこと。興味があっても一人であっちこっち行かないこと」
「すげぇな。CJが大人みたいなこと言ってる」
「大人ですけど!?」
●オタクの本懐
「ハァ……ハァ……」
「気持ち悪い」
「すごい。ボディ。ロボット。SF」
自動兵器に召喚マーカーを貼り付けながら、エドは興奮で息が荒い。
「ううっ……生きてて良かったって今日ほど思ったことねぇよ……」
「普通に引くんだけど」
「生きてこんなリアルSFにお目にかかれるなんて……最先端技術をこれでもかってほど使ってるんだぜ……こういうのをわがままボディって言うのか?」
「面白くない。気持ち悪い。それと、リアルとSFはほぼ対義なんだが」
「おい、見ろよ、ジョン。色違いだぜ。可愛いよな」
エドがそう言って、胸のランプが赤く光っているオートソルジャーに召喚マーカーを貼り付けようとしたその瞬間だった。
「ギャー!」
殴り飛ばされた。
"What's up!?"
ジョンがメイスを構える。目も赤く光らせたそれは、明らかにこちらに敵意を持っている。他のソルジャーたちとは違った。これが、オフィスで聞いた、歪虚の影響で暴走した自動兵器だろう。
「ろ、ロボットの反乱……」
「いい加減にしろナード! 戦え! 皆! 来て下さい! 暴走したオートソルジャーです!」
エドも短剣を抜いた。彼は、排気音高く息巻いているオートソルジャーの向こうから、見覚えのある影を見て片目を細める。
「お出ましか。おなじみの奴だ」
小型狂気だ。
同行のハンターたちが駆けつけた。戦闘開始だ。
●ハンドアウト
あなたたちは、エバーグリーンの自動兵器回収に赴いたハンターたちです。エドとジョンという二人の新人ハンターを、訓練も兼ねて連れてきています。
到着してから各々がはぐれすぎないように召喚マーカーの貼り付けを行なっていると、ジョンがあなたたちを呼ぶ声が聞こえました。
あなたたちは、召喚マーカー貼付作業を中断して戦闘に向かうのでした。
リプレイ本文
●それぞれの思い
「エバーグリーンに来るの久しぶり」
天王寺茜(ka4080)は懐かしそうに周囲を見回した。
「この世界と、オートマトンの友達に出会ってからが、私のハンターとしての生活だったわね……」
しみじみと頷く。その彼女が装備している魔導ガントレットも、元はオートマトン向けに開発されていた武器だったらしい。
「そうだね。私も久しぶりだ。以前はサーバーのパーツを集めに来ていたし、ここでは探し物をしてばかりだね」
と、肩を竦めて見せたのは鞍馬 真(ka5819)。
「ざくろ、エバーグリーンの色々な所冒険したかったから、また来れて嬉しいな……」
冒険家を名乗る時音 ざくろ(ka1250)も、またエバーグリーンの景色に目を輝かせた。クリムゾンウェストもそうだが、エバーグリーンもまた異世界。冒険家としては、歩き回りたい場所なのである。
「そして、邪神との戦いに備えて力になってくれる自動兵器を、少しでも多く探さなくちゃ!」
彼が召喚マーカー片手に息巻いている後ろで、フィロ(ka6966)はきょろきょろと周囲を見回している。
「ここが……エバーグリーン。私達の、世界……」
「フィロさんも、こちらのご出身ですよね」
オートマトンは皆、ここの出身だと説明を受けたジョンが言うと、フィロはこくりと頷く。破損して転がっているオートソルジャーの、無機質な肌をそっと撫でる。
「はい……忘れたことの方が多いのですが……私もこちらの出身です。だった筈です」
「自動兵器。兵器というからには、人が犠牲にならないように代わりに戦争をさせるための道具。嫌な話ですが、人の力だけでは敵わないのですし」
レオナ(ka6158)も、その傍らに立って、眠り続けるソルジャーを見下ろした。瞳には慈しみの色がある。
「ここでこのまま世界と共に無に還るのと、私達の新しい仲間や予備パーツとしてクリムゾンウェストに連れて行かれるのと、彼らの本当の幸せはどちらなのでしょうね……」
「そうですね。機械にも愛着はわくし、持ち帰っても使い潰されるだけと思うとちょっと複雑ですね」
フィロがぽつりと呟くと、レオナが少し困った様な微笑みで頷いた。
「永遠のテーマだよな」
エドもそう頷く。それをジョンがうさんくさそうに見ていた。こいつ、本当にそんな深く考えているのか?
「……で、エドとジョンは何をそわそわしてるのかしら……?」
茜の鋭い指摘に、エドは飛び上がり、ジョンはぎくりと肩を強ばらせたのであった。
●戦闘開始
「いい加減にしろナード! 戦え! 皆! 来て下さい! 暴走したオートソルジャーです!」
ジョンの呼びかけに、三々五々ハンターたちが集まってくる。アルマ・A・エインズワース(ka4901)は、身構えるエドと、それを威嚇するように排気音を立てているオートソルジャーを見て、
「ぅぐ」
何があったかを察したらしい。笑いを堪えている。
「色違いだと思ったら暴走だった!」
「……わ、わん。……色違いがいたら持って帰りたい気持ち、すっごくわかるです……レアだと思うですもんね……」
肩を震わせている。
「並べたら可愛いかなって……」
「う、うん。そうだね。私もその気持ちはわかるけど……今は戦いだ! 切り替えよう!」
真はカオスウィースとオペレッタを抜く。彼は陽光の唄を高らかに歌い上げた。明るい調子の旋律がオペレッタから響く。
「ざくろはもっとこの世界を見てから帰りたいんだ、余計な邪魔をするなっ!」
ざくろもまた、カオスウィースとクウランムールを持って前に出た。
「加速装置……ここから先には行かせないよ」
強化術式・紫電を用いて備える。
「皆さん強者揃いなので、私も安心。ジョンさんもエドさんも慌てないで大丈夫です。おちついて頑張りましょう」
おおらかに告げるレオナを見て、エドとジョンも徐々に落ち着きを取り戻した。そう言うレオナだって二人から見たらめちゃくちゃ強いのである。
と、そこに、オレンジ色の影が疾風のように飛んできた。フィロだ。
「フィロさん!」
「ジョン、エドの怪我にヒールを! エドは遊ばないの!」
ガントレットを構えた茜が二人に指示を出す。その間に、自分はマテリアルアーマーで防御力を強化した。これは自分用だが、他者に対しては防御障壁の用意がある。
「わかった! エド、動くな。狙いが定まらない」
「お前が使うのヒールだよな!? あと俺は遊んでねぇ……」
「わふ! 回復だったら僕してあげます!」
アルマは胸を張るとエドにアンチボディをかけた。打撲になっていたところが綺麗に治る。エドはさっきまで痛かったところをさすりながら、
「これほんと慣れねぇ……ありがとう……」
「どういたしましてです!」
「行こう、エドくん」
真はエドに声を掛けてから、勇気づけるように……と言うよりも、緊張をほぐすように、笑って見せた。
「フォローするよ」
●鹿島の剣腕
フィロは星神器・角力の力を解放した。鹿島の剣腕と呼ばれるこの力は、連続攻撃を可能とし、普段よりも多く攻撃することが可能になる。
そのまま、手近なソルジャーに鎧徹しを叩き込んだ。エドたちは聞いたことがないような音が響く。人間の骨であったら粉砕されているであろうことは想像に難くない。その攻撃が、二度放たれた。二回目は流石にソルジャーも回避する。
その後ろで、レオナはForfedaでカードの組み合わせを変え、樹木の精霊に祈りを捧げる。Eadhaに必要な装填数まで増やす狙いもあった。その上で、結界を張る。木漏れ日のように空気が変わった。
「結界の中でしたら守りが堅くなります。この中で戦っていただいた方が安全かもしれませんね」
「ありがとうレオナさん! よし、行こうエドくん」
「エド、ジョン、小型の狂気を、慣れたのから倒しましょう!」
「お、おう」
「ソルジャーは僕たちに任せてくださいですー!」
アルマが陽気に言うと、紺碧の流星を発動した。青い光線が、三体のソルジャーに向かって飛んで行く。フィロが相手取っている一体は、攻撃されることで危機感でも覚えていたのだろうか、回避するが、他の二体は胴部を貫かれて動きを止めた。
残った一体に、ざくろが向かって行った。ソルジャーの脚を叩き斬る。異音とともにひっくり返ったそれは、そのまま動かなくなった。
●殴り合い
「フォローするよって……」
「そろそろ慣れたよね」
「エド、覚悟を決めろ。いつまでも甘えていられないぞ」
ジョンが真の意図を察してメイスを握り直した。エドも、躊躇している場合ではないと思って短刀による連撃を仕掛けた、初撃は空振りした上に二撃目は回避される。ジョンが片方にホーリーライトを撃ち込んだ。
茜が、エドに近い三体にデルタレイを撃ち込んだ。真が、ソウルエッジで強化した二刀流を放つ。一体をいとも簡単に塵に返してしまう威力に、味方でありながらエドは震え上がった。真にも自分みたいに全然攻撃が当たらない頃があったんだろうか。
「エドくん、来るよ! 構えて!」
「おっと」
手近な一体がエドに向かって触腕を振り上げる。マルチステップで回避する。真は警戒されているようで、二体がビームを放つが、真もまたステップで軽くかわした。
ちなみに、今回ジョンはシールドバッシュをセットしてきているので、殴られたら押し返す気満々だったのだが、どの歪虚も攻撃してこなかった。ちょっと複雑な気持ちである。
別の一体がざくろを狙った。どうも後衛を狙ったようだが、射線が通らなかったようである。ざくろは盾でその光線を受け止めた。レオナの結界に、盾の性能。かすり傷にもならない。
最後の一体はフィロに殴り掛かった。練気「龍鱗甲」でその触腕を殴り返す。衝撃で、狂気は後ろに下がった。彼女はそのまま攻撃に転じる。
鎧徹しが炸裂する。星神器から放たれる一撃は、まともに食らえば並の歪虚では歯が立たない。狂気の外殻に亀裂が入った。二度殴られた狂気はふらついた。
レオナが、できるだけ多くを巻き込むように白龍の息吹を発動した。フィロに殴り倒された狂気は、白龍の息吹で消滅した。巻き込まれた他の二体は混乱状態に陥る。
「エド! 今のうち!」
茜の声掛けで、エドは近い方へスラッシュエッジで斬りかかった。連撃では当たらない可能性がある。
「その調子!」
真が別の一体を斬り伏せた。ファイアスローワーで焼き払うつもりだったアルマは、近接攻撃に出る味方が多いのを見て紺碧の流星に切り替えた。
終わりが見え始めている。
●オートソルジャー
全ての敵を撃破し終わると、エドは大の字になって倒れた。緊張の糸が切れたらしい。
「エド、大丈夫?」
茜がくすりと笑う。
「大丈夫……」
「それにしても、二人ともそんなにロボットが好きなの?」
「僕はそうでもないが……まあ、胸が騒ぐのは事実だ」
ジョンが微妙に気まずそうな顔をして言う。エドと同類にはされたくないが好きなものを曲げたくないという複雑な気持ちの表れである。
「オートソルジャーさんがそんなに好きなら言ってくれればうちの子連れて行きますのに」
アルマが倒れたエドの傍らにしゃがみ込み、顔を覗き込みながら言う。
「私も一体ユニット契約してるけど」
「えっ! あれって仲間にできるの!?」
「仲間にしに来たんだよ!!!!!! 馬鹿!!!!」
ジョンが頭を抱えた。
「戻ったら見に行く? ふたりともハンターなら契約もできるんだし」
「えっ」
エドが胸を押さえた。
「どうしたの」
「心の準備が」
「大袈裟ね。じゃあ戻ったら紹介するわ」
「茜のソルジャーってすごい優しそうだし、アルマのソルジャーって何かお利口そうだよな」
「ユニット契約は気になるけど、ひとまず残りの召喚マーカー貼り付けに戻るぞ。エド、立て」
「お前、たまに看守みたいになるよな」
●浪漫のままに探し出せ
「占いで探せれば良いのですけどね」
レオナはそう言いながらも、目当てのものを探し出していた。感受性が高く、占いの評判が良い彼女だが、占い結果を読み取るのには高度な知識や頭の働きが要求される。その頭脳が活きただろうか。本人が言うよりも順調に貼付が進んでいる。
「どんな占いをされるんですか?」
ジョンが尋ねる。
「木片に記号を書いたものを使います」
レオナはにこりと微笑みながら答える。
「木がお好きなんですか?」
「そうですね、契約しているのも樹木の精霊ですし」
「結界も木漏れ日でしたね」
ジョンは納得したように頷く。
「あの結界を張っていると、符にポプラの葉紋が浮かぶんですよ。恐怖を克服する勇気と力を与えると言われています」
「ポプラの木の下で守られてるイメージなんですか」
「異世界への冒険って言うのはロマンだよね!」
その向こうで、ざくろとエドは熱く語り合っている。ざくろは写真を撮って、憧憬に目を輝かせていた。エドは見たこともないような設備に顔が赤い。
「何て言うか……無機物が動くって言うのは良いよな。本来だったら素材にされて終わりのものが自分で動く。それってすごくロマンチックだと思うんだよ俺」
それを聞いて、ジョンが顔をしかめた。そのジョンの顔を、アルマがひょいと覗き込む。
「……ジョンさん、あんまりたのしくないです?」
「え? あ、いや、そういうわけじゃないんですけど……仕事だしおのぼりさんするのもちょっと……」
「僕らがいるので、ちょっとくらい大丈夫です! 時々楽しいお仕事があっても何にもばち当たらないです。だって僕ら、普段から命懸けてるわけですしー」
アルマはしれっとして言うと、相好を崩した。
「えへへ。って言うか、僕も今すっごく楽しいです。滅んでるとはいえ、トマーゾ先生が住んでた世界を見られるんですよ? 嬉しいに決まってるです!」
トマーゾ・アルキミア(kz0214)へ対して、狂信に近い感情を持つアルマは、エバーグリーンと言う異世界そのものがトマーゾに関連するものとしてインプットされているらしい。
「ああ、それはわかるかも。尊敬する人に関わりのある土地はテンション上がりますよね」
ジョンは微笑んで、頷いた。
さて、引き続き召喚マーカーの貼付である。
「冒険家としての直感が、ここにあると言って……あったあった!」
ざくろはソルジャーを見付けると、嬉しそうにマーカーを貼り付けた。
「今までずっと、エバーグリーンの自動兵器は敵だったから、戦力として召喚するのは感慨深いものがあるなあ……」
真も微笑みながら、見付けたソルジャーに召喚の準備を施す。鼻息荒く見て回っているエドに気付いて、彼は苦笑した。はしゃぐ気持ちもわからないではないので、それについて何か言うつもりはない。
「周囲には気を付けてね、前来た時はもっとおっかない敵も居たよ?」
それを聞くと、エドはぴたっと動きを止めた。
「おっかないの?」
「おっかないよ」
くすくすと笑いながら応じる。そんな雑談をしながらも、真は周りへの注意は怠らない。さっきみたいに胸のランプが赤く光っていないかなどに注意する。それから彼は、見える範囲に一人いないのに気付いて首を傾げた。
「あれ、そう言えば、フィロさんは?」
「向こうにいます」
茜が答えた。
「何か思うところがあるのかも。そっとしておきましょう」
「そうだね……帰るときに声を掛ければ、フィロさんならすぐ戻って来てくれるだろうし」
●Ever,ever,ever
遠くで楽しげな笑い声が聞こえる。エバーグリーンは興味を持つハンターも多い。フィロは、そんな一行から少し離れたところで自動兵器たちを探している。自身の持つ知識や周囲にあるものを立体的に把握する能力を活かしてソルジャーを探し出す。歪虚と争い、抗うも虚しく滅んでしまった世界の兵士。敗北したとしても、彼らの戦いはそこで終わった筈だった。
動かない、静かに眠るその姿を見て、小さく呟く。
「他者の滅びた世界ですから、興味を持って下さるだけでありがたいと思わなければならないと……そう思います。そう、思いたいと思って、いるんです……」
エバーグリーン。永遠の名を冠したその世界は、永遠に滅んだまま。
滅んだままから何も変わらず、失われた世界の代名詞。
フィロはオートソルジャーに召喚マーカーを貼り付けると、その兜に似た頭をそっと撫でた。
エバーグリーン。永遠に、緑色。
永遠に、永遠に、永遠に。
「エバーグリーンに来るの久しぶり」
天王寺茜(ka4080)は懐かしそうに周囲を見回した。
「この世界と、オートマトンの友達に出会ってからが、私のハンターとしての生活だったわね……」
しみじみと頷く。その彼女が装備している魔導ガントレットも、元はオートマトン向けに開発されていた武器だったらしい。
「そうだね。私も久しぶりだ。以前はサーバーのパーツを集めに来ていたし、ここでは探し物をしてばかりだね」
と、肩を竦めて見せたのは鞍馬 真(ka5819)。
「ざくろ、エバーグリーンの色々な所冒険したかったから、また来れて嬉しいな……」
冒険家を名乗る時音 ざくろ(ka1250)も、またエバーグリーンの景色に目を輝かせた。クリムゾンウェストもそうだが、エバーグリーンもまた異世界。冒険家としては、歩き回りたい場所なのである。
「そして、邪神との戦いに備えて力になってくれる自動兵器を、少しでも多く探さなくちゃ!」
彼が召喚マーカー片手に息巻いている後ろで、フィロ(ka6966)はきょろきょろと周囲を見回している。
「ここが……エバーグリーン。私達の、世界……」
「フィロさんも、こちらのご出身ですよね」
オートマトンは皆、ここの出身だと説明を受けたジョンが言うと、フィロはこくりと頷く。破損して転がっているオートソルジャーの、無機質な肌をそっと撫でる。
「はい……忘れたことの方が多いのですが……私もこちらの出身です。だった筈です」
「自動兵器。兵器というからには、人が犠牲にならないように代わりに戦争をさせるための道具。嫌な話ですが、人の力だけでは敵わないのですし」
レオナ(ka6158)も、その傍らに立って、眠り続けるソルジャーを見下ろした。瞳には慈しみの色がある。
「ここでこのまま世界と共に無に還るのと、私達の新しい仲間や予備パーツとしてクリムゾンウェストに連れて行かれるのと、彼らの本当の幸せはどちらなのでしょうね……」
「そうですね。機械にも愛着はわくし、持ち帰っても使い潰されるだけと思うとちょっと複雑ですね」
フィロがぽつりと呟くと、レオナが少し困った様な微笑みで頷いた。
「永遠のテーマだよな」
エドもそう頷く。それをジョンがうさんくさそうに見ていた。こいつ、本当にそんな深く考えているのか?
「……で、エドとジョンは何をそわそわしてるのかしら……?」
茜の鋭い指摘に、エドは飛び上がり、ジョンはぎくりと肩を強ばらせたのであった。
●戦闘開始
「いい加減にしろナード! 戦え! 皆! 来て下さい! 暴走したオートソルジャーです!」
ジョンの呼びかけに、三々五々ハンターたちが集まってくる。アルマ・A・エインズワース(ka4901)は、身構えるエドと、それを威嚇するように排気音を立てているオートソルジャーを見て、
「ぅぐ」
何があったかを察したらしい。笑いを堪えている。
「色違いだと思ったら暴走だった!」
「……わ、わん。……色違いがいたら持って帰りたい気持ち、すっごくわかるです……レアだと思うですもんね……」
肩を震わせている。
「並べたら可愛いかなって……」
「う、うん。そうだね。私もその気持ちはわかるけど……今は戦いだ! 切り替えよう!」
真はカオスウィースとオペレッタを抜く。彼は陽光の唄を高らかに歌い上げた。明るい調子の旋律がオペレッタから響く。
「ざくろはもっとこの世界を見てから帰りたいんだ、余計な邪魔をするなっ!」
ざくろもまた、カオスウィースとクウランムールを持って前に出た。
「加速装置……ここから先には行かせないよ」
強化術式・紫電を用いて備える。
「皆さん強者揃いなので、私も安心。ジョンさんもエドさんも慌てないで大丈夫です。おちついて頑張りましょう」
おおらかに告げるレオナを見て、エドとジョンも徐々に落ち着きを取り戻した。そう言うレオナだって二人から見たらめちゃくちゃ強いのである。
と、そこに、オレンジ色の影が疾風のように飛んできた。フィロだ。
「フィロさん!」
「ジョン、エドの怪我にヒールを! エドは遊ばないの!」
ガントレットを構えた茜が二人に指示を出す。その間に、自分はマテリアルアーマーで防御力を強化した。これは自分用だが、他者に対しては防御障壁の用意がある。
「わかった! エド、動くな。狙いが定まらない」
「お前が使うのヒールだよな!? あと俺は遊んでねぇ……」
「わふ! 回復だったら僕してあげます!」
アルマは胸を張るとエドにアンチボディをかけた。打撲になっていたところが綺麗に治る。エドはさっきまで痛かったところをさすりながら、
「これほんと慣れねぇ……ありがとう……」
「どういたしましてです!」
「行こう、エドくん」
真はエドに声を掛けてから、勇気づけるように……と言うよりも、緊張をほぐすように、笑って見せた。
「フォローするよ」
●鹿島の剣腕
フィロは星神器・角力の力を解放した。鹿島の剣腕と呼ばれるこの力は、連続攻撃を可能とし、普段よりも多く攻撃することが可能になる。
そのまま、手近なソルジャーに鎧徹しを叩き込んだ。エドたちは聞いたことがないような音が響く。人間の骨であったら粉砕されているであろうことは想像に難くない。その攻撃が、二度放たれた。二回目は流石にソルジャーも回避する。
その後ろで、レオナはForfedaでカードの組み合わせを変え、樹木の精霊に祈りを捧げる。Eadhaに必要な装填数まで増やす狙いもあった。その上で、結界を張る。木漏れ日のように空気が変わった。
「結界の中でしたら守りが堅くなります。この中で戦っていただいた方が安全かもしれませんね」
「ありがとうレオナさん! よし、行こうエドくん」
「エド、ジョン、小型の狂気を、慣れたのから倒しましょう!」
「お、おう」
「ソルジャーは僕たちに任せてくださいですー!」
アルマが陽気に言うと、紺碧の流星を発動した。青い光線が、三体のソルジャーに向かって飛んで行く。フィロが相手取っている一体は、攻撃されることで危機感でも覚えていたのだろうか、回避するが、他の二体は胴部を貫かれて動きを止めた。
残った一体に、ざくろが向かって行った。ソルジャーの脚を叩き斬る。異音とともにひっくり返ったそれは、そのまま動かなくなった。
●殴り合い
「フォローするよって……」
「そろそろ慣れたよね」
「エド、覚悟を決めろ。いつまでも甘えていられないぞ」
ジョンが真の意図を察してメイスを握り直した。エドも、躊躇している場合ではないと思って短刀による連撃を仕掛けた、初撃は空振りした上に二撃目は回避される。ジョンが片方にホーリーライトを撃ち込んだ。
茜が、エドに近い三体にデルタレイを撃ち込んだ。真が、ソウルエッジで強化した二刀流を放つ。一体をいとも簡単に塵に返してしまう威力に、味方でありながらエドは震え上がった。真にも自分みたいに全然攻撃が当たらない頃があったんだろうか。
「エドくん、来るよ! 構えて!」
「おっと」
手近な一体がエドに向かって触腕を振り上げる。マルチステップで回避する。真は警戒されているようで、二体がビームを放つが、真もまたステップで軽くかわした。
ちなみに、今回ジョンはシールドバッシュをセットしてきているので、殴られたら押し返す気満々だったのだが、どの歪虚も攻撃してこなかった。ちょっと複雑な気持ちである。
別の一体がざくろを狙った。どうも後衛を狙ったようだが、射線が通らなかったようである。ざくろは盾でその光線を受け止めた。レオナの結界に、盾の性能。かすり傷にもならない。
最後の一体はフィロに殴り掛かった。練気「龍鱗甲」でその触腕を殴り返す。衝撃で、狂気は後ろに下がった。彼女はそのまま攻撃に転じる。
鎧徹しが炸裂する。星神器から放たれる一撃は、まともに食らえば並の歪虚では歯が立たない。狂気の外殻に亀裂が入った。二度殴られた狂気はふらついた。
レオナが、できるだけ多くを巻き込むように白龍の息吹を発動した。フィロに殴り倒された狂気は、白龍の息吹で消滅した。巻き込まれた他の二体は混乱状態に陥る。
「エド! 今のうち!」
茜の声掛けで、エドは近い方へスラッシュエッジで斬りかかった。連撃では当たらない可能性がある。
「その調子!」
真が別の一体を斬り伏せた。ファイアスローワーで焼き払うつもりだったアルマは、近接攻撃に出る味方が多いのを見て紺碧の流星に切り替えた。
終わりが見え始めている。
●オートソルジャー
全ての敵を撃破し終わると、エドは大の字になって倒れた。緊張の糸が切れたらしい。
「エド、大丈夫?」
茜がくすりと笑う。
「大丈夫……」
「それにしても、二人ともそんなにロボットが好きなの?」
「僕はそうでもないが……まあ、胸が騒ぐのは事実だ」
ジョンが微妙に気まずそうな顔をして言う。エドと同類にはされたくないが好きなものを曲げたくないという複雑な気持ちの表れである。
「オートソルジャーさんがそんなに好きなら言ってくれればうちの子連れて行きますのに」
アルマが倒れたエドの傍らにしゃがみ込み、顔を覗き込みながら言う。
「私も一体ユニット契約してるけど」
「えっ! あれって仲間にできるの!?」
「仲間にしに来たんだよ!!!!!! 馬鹿!!!!」
ジョンが頭を抱えた。
「戻ったら見に行く? ふたりともハンターなら契約もできるんだし」
「えっ」
エドが胸を押さえた。
「どうしたの」
「心の準備が」
「大袈裟ね。じゃあ戻ったら紹介するわ」
「茜のソルジャーってすごい優しそうだし、アルマのソルジャーって何かお利口そうだよな」
「ユニット契約は気になるけど、ひとまず残りの召喚マーカー貼り付けに戻るぞ。エド、立て」
「お前、たまに看守みたいになるよな」
●浪漫のままに探し出せ
「占いで探せれば良いのですけどね」
レオナはそう言いながらも、目当てのものを探し出していた。感受性が高く、占いの評判が良い彼女だが、占い結果を読み取るのには高度な知識や頭の働きが要求される。その頭脳が活きただろうか。本人が言うよりも順調に貼付が進んでいる。
「どんな占いをされるんですか?」
ジョンが尋ねる。
「木片に記号を書いたものを使います」
レオナはにこりと微笑みながら答える。
「木がお好きなんですか?」
「そうですね、契約しているのも樹木の精霊ですし」
「結界も木漏れ日でしたね」
ジョンは納得したように頷く。
「あの結界を張っていると、符にポプラの葉紋が浮かぶんですよ。恐怖を克服する勇気と力を与えると言われています」
「ポプラの木の下で守られてるイメージなんですか」
「異世界への冒険って言うのはロマンだよね!」
その向こうで、ざくろとエドは熱く語り合っている。ざくろは写真を撮って、憧憬に目を輝かせていた。エドは見たこともないような設備に顔が赤い。
「何て言うか……無機物が動くって言うのは良いよな。本来だったら素材にされて終わりのものが自分で動く。それってすごくロマンチックだと思うんだよ俺」
それを聞いて、ジョンが顔をしかめた。そのジョンの顔を、アルマがひょいと覗き込む。
「……ジョンさん、あんまりたのしくないです?」
「え? あ、いや、そういうわけじゃないんですけど……仕事だしおのぼりさんするのもちょっと……」
「僕らがいるので、ちょっとくらい大丈夫です! 時々楽しいお仕事があっても何にもばち当たらないです。だって僕ら、普段から命懸けてるわけですしー」
アルマはしれっとして言うと、相好を崩した。
「えへへ。って言うか、僕も今すっごく楽しいです。滅んでるとはいえ、トマーゾ先生が住んでた世界を見られるんですよ? 嬉しいに決まってるです!」
トマーゾ・アルキミア(kz0214)へ対して、狂信に近い感情を持つアルマは、エバーグリーンと言う異世界そのものがトマーゾに関連するものとしてインプットされているらしい。
「ああ、それはわかるかも。尊敬する人に関わりのある土地はテンション上がりますよね」
ジョンは微笑んで、頷いた。
さて、引き続き召喚マーカーの貼付である。
「冒険家としての直感が、ここにあると言って……あったあった!」
ざくろはソルジャーを見付けると、嬉しそうにマーカーを貼り付けた。
「今までずっと、エバーグリーンの自動兵器は敵だったから、戦力として召喚するのは感慨深いものがあるなあ……」
真も微笑みながら、見付けたソルジャーに召喚の準備を施す。鼻息荒く見て回っているエドに気付いて、彼は苦笑した。はしゃぐ気持ちもわからないではないので、それについて何か言うつもりはない。
「周囲には気を付けてね、前来た時はもっとおっかない敵も居たよ?」
それを聞くと、エドはぴたっと動きを止めた。
「おっかないの?」
「おっかないよ」
くすくすと笑いながら応じる。そんな雑談をしながらも、真は周りへの注意は怠らない。さっきみたいに胸のランプが赤く光っていないかなどに注意する。それから彼は、見える範囲に一人いないのに気付いて首を傾げた。
「あれ、そう言えば、フィロさんは?」
「向こうにいます」
茜が答えた。
「何か思うところがあるのかも。そっとしておきましょう」
「そうだね……帰るときに声を掛ければ、フィロさんならすぐ戻って来てくれるだろうし」
●Ever,ever,ever
遠くで楽しげな笑い声が聞こえる。エバーグリーンは興味を持つハンターも多い。フィロは、そんな一行から少し離れたところで自動兵器たちを探している。自身の持つ知識や周囲にあるものを立体的に把握する能力を活かしてソルジャーを探し出す。歪虚と争い、抗うも虚しく滅んでしまった世界の兵士。敗北したとしても、彼らの戦いはそこで終わった筈だった。
動かない、静かに眠るその姿を見て、小さく呟く。
「他者の滅びた世界ですから、興味を持って下さるだけでありがたいと思わなければならないと……そう思います。そう、思いたいと思って、いるんです……」
エバーグリーン。永遠の名を冠したその世界は、永遠に滅んだまま。
滅んだままから何も変わらず、失われた世界の代名詞。
フィロはオートソルジャーに召喚マーカーを貼り付けると、その兜に似た頭をそっと撫でた。
エバーグリーン。永遠に、緑色。
永遠に、永遠に、永遠に。
依頼結果
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相談卓 天王寺茜(ka4080) 人間(リアルブルー)|18才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2019/03/17 22:43:17 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/03/17 08:37:02 |