ゲスト
(ka0000)
歩く毛玉を刈れ!
マスター:奈華里

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2019/03/31 19:00
- 完成日
- 2019/04/13 00:02
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
ここはとある牧場。山羊チーズの生産を主としているがそれだけでは食べていけないと羊も共に飼育している。
「さてと、少し早いが今年も毛刈りしないとなぁ」
春先にするのがここの定番。まだ寒いようにも思えるが、余り後になると活発に動かれるし厄介なのだ。
だから重労働となる毛刈りはこの時期に済ませたい。一年間で伸びた毛は羊たちの身体全体を覆い、なかなかに膨れ上がっている。頭数もそこそこいるから一匹ずつ手作業で行うと結構な期間を要するのだ。
「さてとバリカンを用意して…洗い桶とかも必要だな」
リアルブルーでは電動のバリカンがあるらしいと聞いた事があるが、ここではまだまだアナログ式。
細かな部分は大型のハサミを用いて、その他は普通のバリカンを使っている。
使い込まれたそれを取り出して、しかしその道具を目にした途端羊達は僅かに動揺の顔を見せる。
そう、彼等も毛を刈られる事を判っているのだ。羽交い絞めにされて刈られるその行為はすっきりするというよりもストレスに感じる事の方が多い。刈られてしまえば快適になるのかもしれないが、人間の都合でそうされるのだから羊としてもたまったものではない。
「あなた、やるのね」
夫人も彼の様子を見取り、表情を曇らせる。
「まあな。大変な作業だが健康チェックも兼ねてるしな」
牧場の主人はそれに小さな苦笑いを返す。
この作業、実際のところ羊が嫌なのと同じように人間側もなかなかに楽しいものでは決してない。
暴れそうになる羊たちを巧みに抑え込み、スピーディーに刈り取らなければならないし、毛にはオイル成分が含まれているからバリカンの刃の切れ味にも気を配らないと刈ったつもりになっても仕上がりを左右する。
それに何より羊の肌を気付つけてしまっては見栄えも悪いし、病気になりやすくもなる。
ここまで聞けば本当に苦労の絶えない作業だという事が判るだろう。
それでも大事な羊達には変わりなく、主人は放牧中の羊を一頭ずつ捕まえて、早速毛を刈り始める。
一頭、二頭、三頭…次第と体勢から腰にも影響が出始める。
そこで三頭刈り終えた折、一旦ぐぐぐっと身体を反ってストレッチを始めた彼の目に異様な光景。
それは――完全な白い毛玉だった。それがのそのそと山を動いているではないか。
「な、なんだあれ!」
思わず何度も瞬きを繰り返し、モノを確認する。
がどう見ても毛玉に違いなく、しかしその大きさは自分の知っている羊のそれとは比べものにならない。
「かあさん! かあさん! 至急双眼鏡を!!」
主人はそれを見失わないように目で追いつつ、そう声をかける。
それに驚いて走ってきた夫人もそれを目撃するや否や目を見開く。
「ねえ、あれって…」
「羊…だよな?」
双眼鏡でもう一度確認し、彼は呟く。しかもだ。その気玉は一匹ではなく、ぞろぞろと列をなしている。
「野生かしら?」
夫人が言う。
「だろうな。ここらで羊を飼っているなら毛刈りは必須だ。あんなにまで放置しているという事は多分それしか考えられない」
色もかなり汚れてはいるからその辺を転々としてきたのだろう。捕食動物に奇跡的にやられず、あそこまで育ったのは不思議だが、あのままでは自分の毛の重さに耐えられず足をやられてしまうかもしれない。
「ほってはおけないが、あんなの刈れるのか?」
ここで飼育している羊は大凡平均七キロ前後だ。しかし、あの毛玉は軽くニ~三十はあると推測される。
「ねえ、あれは私達には手に負えないわ。組合を通してハンターオフィスに相談しましょ」
夫人がそう提案する。一匹ならまだしも十数匹となれば作業は更にだ。夫人の意見に乗るのが賢明。
なぜなら、相手は野生の羊だ。
毛刈りされる経験ゼロの初心者羊……つまりはかなり暴れる可能性があるのだから。
「さてと、少し早いが今年も毛刈りしないとなぁ」
春先にするのがここの定番。まだ寒いようにも思えるが、余り後になると活発に動かれるし厄介なのだ。
だから重労働となる毛刈りはこの時期に済ませたい。一年間で伸びた毛は羊たちの身体全体を覆い、なかなかに膨れ上がっている。頭数もそこそこいるから一匹ずつ手作業で行うと結構な期間を要するのだ。
「さてとバリカンを用意して…洗い桶とかも必要だな」
リアルブルーでは電動のバリカンがあるらしいと聞いた事があるが、ここではまだまだアナログ式。
細かな部分は大型のハサミを用いて、その他は普通のバリカンを使っている。
使い込まれたそれを取り出して、しかしその道具を目にした途端羊達は僅かに動揺の顔を見せる。
そう、彼等も毛を刈られる事を判っているのだ。羽交い絞めにされて刈られるその行為はすっきりするというよりもストレスに感じる事の方が多い。刈られてしまえば快適になるのかもしれないが、人間の都合でそうされるのだから羊としてもたまったものではない。
「あなた、やるのね」
夫人も彼の様子を見取り、表情を曇らせる。
「まあな。大変な作業だが健康チェックも兼ねてるしな」
牧場の主人はそれに小さな苦笑いを返す。
この作業、実際のところ羊が嫌なのと同じように人間側もなかなかに楽しいものでは決してない。
暴れそうになる羊たちを巧みに抑え込み、スピーディーに刈り取らなければならないし、毛にはオイル成分が含まれているからバリカンの刃の切れ味にも気を配らないと刈ったつもりになっても仕上がりを左右する。
それに何より羊の肌を気付つけてしまっては見栄えも悪いし、病気になりやすくもなる。
ここまで聞けば本当に苦労の絶えない作業だという事が判るだろう。
それでも大事な羊達には変わりなく、主人は放牧中の羊を一頭ずつ捕まえて、早速毛を刈り始める。
一頭、二頭、三頭…次第と体勢から腰にも影響が出始める。
そこで三頭刈り終えた折、一旦ぐぐぐっと身体を反ってストレッチを始めた彼の目に異様な光景。
それは――完全な白い毛玉だった。それがのそのそと山を動いているではないか。
「な、なんだあれ!」
思わず何度も瞬きを繰り返し、モノを確認する。
がどう見ても毛玉に違いなく、しかしその大きさは自分の知っている羊のそれとは比べものにならない。
「かあさん! かあさん! 至急双眼鏡を!!」
主人はそれを見失わないように目で追いつつ、そう声をかける。
それに驚いて走ってきた夫人もそれを目撃するや否や目を見開く。
「ねえ、あれって…」
「羊…だよな?」
双眼鏡でもう一度確認し、彼は呟く。しかもだ。その気玉は一匹ではなく、ぞろぞろと列をなしている。
「野生かしら?」
夫人が言う。
「だろうな。ここらで羊を飼っているなら毛刈りは必須だ。あんなにまで放置しているという事は多分それしか考えられない」
色もかなり汚れてはいるからその辺を転々としてきたのだろう。捕食動物に奇跡的にやられず、あそこまで育ったのは不思議だが、あのままでは自分の毛の重さに耐えられず足をやられてしまうかもしれない。
「ほってはおけないが、あんなの刈れるのか?」
ここで飼育している羊は大凡平均七キロ前後だ。しかし、あの毛玉は軽くニ~三十はあると推測される。
「ねえ、あれは私達には手に負えないわ。組合を通してハンターオフィスに相談しましょ」
夫人がそう提案する。一匹ならまだしも十数匹となれば作業は更にだ。夫人の意見に乗るのが賢明。
なぜなら、相手は野生の羊だ。
毛刈りされる経験ゼロの初心者羊……つまりはかなり暴れる可能性があるのだから。
リプレイ本文
●予習
「うーん…これはちょっと想像とは違う様な…」
牧場に到着したサクラ・エルフリード(ka2598)が言う。
澄み切った空に新緑の大地。僅かに雪が残っている所もあるが、それも景色のいいアクセント。
そんな場所でもふもふと戯れる…そんな至福の依頼だと思って引き受けた彼女であったが、現実はそう甘くない。
「いいですか、毛刈りはスピードが命です。こちらにとっても羊にとっても長引けば長引く程ストレスとなります。かと言って雑には刈らないで下さいね。そうしないと商品としての価値が幾分か下がってしまいますので」
牧場主がそう話しつつ、テキパキと羊の毛を刈っていく。
ポイントはまずお腹から進める事だそうだ。後ろから両足に挟む形で抑え込んで、まずはお腹を。ハサミやバリカンにビックリする羊もいるから気を付ける。そして、お腹が済めば足から股へ。慎重に刃を進め、お尻に背中、そして首周りから顔へと移動する。
「まずはうちの羊で試して下さい。ここにいる子達はまだ慣れていますから」
牧場主がそう言い、一人一人の作業を確認する。
「ん…これは、なかなか…」
女子とはいえハンターであるから一般人より力がある。だが、それでも大人しくさせるのに一苦労だ。
羊の機嫌に常に気を配り、バリカンを進める。これがとても難しい。
「ちょっ、何故だ。なぜ逃げる…」
アルト・ヴァレンティーニ(ka3109)の隣りでは未だ羊を捕まえる事に苦戦しているレイア・アローネ(ka4082)。
狩猟知識はあるものの、こういう時の動物との距離の取り方が判らない。
「よーしよしよし、いい子ですね~」
一方、Gacrux(ka2726)は見た目に反して動物の扱いはうまいようだ。
じっと見つめた後、そろそろと近付いてはさっと背後をとる事に成功している。
(うーん…でも、あれはきっと)
羊ははたして彼を受け入れているのか? 答えは否。
推測であるがきっとあの瞳に気圧されているに違いないと傍観していた星野 ハナ(ka5852)は推理する。
(恐るべし眼力ですねぇ~。私にアレは出来ないのですよぉ)
いつも笑顔なハナの事。違った意味での凄みはあるが、それは羊相手には通じないと思う。
そんなこんなで一通り、毛刈りのレクチャーを受けたハンター達は早速野生の羊探しへ。
「俺はエクウスを連れてきましたので、こちらに乗って探す事にします」
Gacruxが待たせていた騎馬に跨り、外に走る。
「私はこれです。そして、秘密兵器はこの子達ですぅ」
それに続き、愛車(ママチャリ)とペットを紹介したのはハナだ。ゴールデン・レトリバーのデンちゃんとイヌイット・ハスキ―のハッちゃん。犬種は違うが、主人に似て元気だ。
「あら、カワイイですねー」
思わずサクラが二匹をなでなでする。名前のセンスはともかくとして、二匹共なかなか人懐こく、頼もしそうだ。
そこで二匹に羊の匂いを嗅がせ、野に放つ。そんな二匹を見送って、残りの三人は情報を頼り。
アルトはスキルを使い、まずは屋根に上がる。
「んー、それにしてもいい天気だな」
眼下では牧場の親子山羊がのんびり散歩中。空には小鳥が羽ばたいている。
「長閑だ…」
季節は春、眠気に襲われないよう注意して彼女は双眼鏡を覗く。
だが、ここからではそれらしき影を見つける事は出来なかった。
(あの時はしくじりましたが、今日はそうはいきませんよー)
以前の失敗を胸にママチャリで山道を走るという凄技を見せつつ、ハナがワンコを追う。
が、嗅がせたのは牧場の羊だからして…。
「えっ、ちょっ、二匹共~」
始めのうちはよかったものの、気付けば元いた牧場に戻って来ていて…警察犬の様にはいかないらしい。
が、二匹は匂いの在処を見つけたと得意気に彼女にご褒美のおやつをせがんでくる。
「あっ、待って…そんな飛び掛からなくてもー」
ガッシャーン
ハナが盛大な音を立てた。その音を聞いた周辺の動物が一斉に動き離れていく。
「痛…たた…ってんん?」
けれど、それが僥倖。転んだ視界で毛玉が動く。
遥か先であるが、もこもこしたその毛玉は牧場主が言っていたものに間違いない。
「い、いました! あっちですぅ~~」
ハナが大声で叫び位置を皆に知らせる。そんなハナの傍に二匹が群がって、彼女は熱烈なぺろぺろの雨が降る。
(いや~、もう好かれてるって罪なのですぅ)
愛犬二匹のそれにハナ、至福のひととき。
●毛玉
初めはそれが羊だとは判らなかった。それ程までにその毛玉は大きい。
「あ、あれが雑魔でもなく、歪虚でもなく…普通の羊、だと?」
牧場の羊との質量の違いにレイアは驚愕する。しかし、微かに聞こえる鳴き声は間違いなく羊のものだ。
「あ、あそこに顔があるとでも言うのか…」
毛が伸び過ぎていて視界が塞がれているから顔の位置さえ判り辛い。
僅かにむぐむぐ動く口らしきものが見えているのだが、それもほんの少しだ。
(よくあれで生きてこれたものだな)
匂いを頼りにしていたのだろうか。まぁ、それはそれとして本当に自然とは不思議なものだ。
「ここでしたか……っと、これは確かに凄いですね」
馬で駆け付けたGacruxも見た目の凄さに呆気にとられる。それ程までにこの羊は毛が凄いのだ。遠くから見た時は白く見えたが、やはり近付くと汚れが目立つ。ウールとして使うにしても念入りな洗浄が必要だろう。
「うーん、どうしたものでしょうか」
メェメェいう羊達の足取りは重そうだ。だから、慌てて追いかけると言った事はなさそうだが、それでも人の気配に気付いたのか羊達はじわじわとこちらから距離をとり始めている。
「どうしますか? 皆が来るまで餌で引付けるって手もありますが」
戦馬の背に藁を括りつけてきていた彼がそう提案する。
だが、振り返った先のレイアは今それ所ではないようで。
「アレが普通、アレが普通、アレが普通…」
この現実を受け入れるので精一杯。特に羊が嫌いという訳ではないだろうが、それでも不思議な物体を前にして自分を落ち着かせる事を最優先にしていると見える。
(こんな姿でも所詮は動物…餌が一番ですよね?)
そこでレイアをそっとしておいて、Gacruxは試しに藁の束を羊達の前に差し出してみる。
すると、暫くは警戒していたものの徐々に動いて一歩、二歩と藁へと寄ってくるではないか。
(フッ、所詮は動物…たわいもな)
そう思いかけたその時だった。
「ダメです! Gacruxさんっ!!」
丘の上、サクラが咄嗟に大声で叫ぶ。
その後には何故だかスキルを発動し超高速で駆けてくるアルトの姿まである。
「え、は? ええっ?」
そして、その直後アルトはどういう訳かGacruxの持っていた残りの藁束をふんだくり、あっさての方向にぶん投げる。突然の事にGacruxは受け身をとれず、そのままその場ですっ転んだ。そして極めつけは――。
「どっせーーい!」
猛スピードで降りてくる一台のママチャリが見えたかと思うと、彼を通り越して羊の背後に着地し勢いよく羊達の足元に符を投げ放つではないか。
「ブメェェェェ…」
その後から聞こえたのは羊達の微妙な悲鳴。どうやら地縛符を効いているらしい。
「…ふぅ、間に合って良かったですー」
サクラが遅れてやってき言葉する。
「そうだな。もう少し遅ければ危なかった」
そう言うのはアルトだ。しかし、当のGacruxは全く訳が判らない。
「ええーと、これはまたどういう…」
「今、餌をあげようとしましたよね? それがダメなんです」
ママチャリをマウンテンバイクの如く操って見せたサクラが言う。
「ん?? みんないつの間にやってきたんだ?」
がこの騒ぎにあっても現実を理解するのに時間がかかっていたレイアは今のそれを見ていなかったのか、仲間の到着に驚き顔。
「あはは…まあ、とにかく餌は絶対に駄目なんです」
サクラが言う。実はGacruxが馬に藁を乗せているのを見て、もしやと思い牧場主から残っていた者達に忠告したとか。それは毛刈りの前の断食の必要性。野生にいる羊であるから既に食べてしまっている可能性はあるものの、こちらからやるのは絶対にやめて欲しいと。何故なら毛刈り時にお腹が膨らんでいるとお腹を圧迫してしまう可能性があるからなのだという。
「成程…それは失礼しました。手っ取り早い方法だと思ったのですが」
Gacruxがようやく理解して皆に謝る。
「しっかし、これは確かに骨が要りそうだね。ハナ、うまく誘導は出来そうか?」
ここにいるのが全部かどうかは判らないが、それでもぱっと見で十匹は越えている。そして体重に至っても伸び固まった毛は硬く重い訳で、もし持ち上げて運ぼうものならハンターと言えど腕が悲鳴を上げてしまう事だろう。
「はい、一応やってみますね」
二匹の犬を再び呼び寄せて、地縛符を解除すると彼女が追い立ての指示を出す。
一瞬犬達も何者かと不思議そうに羊達を見ていたが、匂いで悟るとすぐに作業を開始する。
「本当に便利なもんだな」
その様子を眺めながらレイアが言う。
「本当に…」
それに同意するGacruxだったが、二人を新たな悲劇が――。
「ベェェェベェェ」
始めは何となく聞いていたが、その声が次第に二人の近くから聞こえてきて、気付いた時にはすでに手遅れ。
「えっ、ちょっ…まさかだろう!」
自慢の黒髪をひっぱる羊にレイアが焦る。
「こっちもですか…って、あ、逃げて下さいっ、俺に構わず~」
そういうのはGacruxだ。何を思ったかマントなんかを装備してきていたものだから、羊達は餌と間違えレイアは髪を、Gacruxはマントをはみはみされている。加えて、戦馬のしっぽも狙われていると感じた彼は必死に馬を逃がそうとする。
「丁度いいですね。お二人もそのまま牧場に向かって誘導して下さい」
サクラがさらりと二人にそう言い放つ。
「ま、まあ…役に立てるなら」
レイアがしぶしぶ動き出す。
Gacruxもべちゃべちゃに涎まみれたマントに涙しつつ、ぽつぽつと動き出す。
「では、我々は迷子がいないか探してこようか」
アルトが言う。その声に頷いて、サクラもまだ未探索の場所へと足を向けるのであったが、ここにいたので全部だったようで、他の羊を見つける事は出来なかった。
●重労働
念の為、牧場内に収納された野生の羊達の断食を決行。翌日に毛刈り作業を行う事になり、ハンター達は一仕事終えて牧場での夕食をご馳走になる。勿論その夕食も牧場ならではの乳製品が多い。山羊チーズを使ったサラダや近所の牧場の牛乳で作られたシチュー、デザートには新鮮なヨーグルトなんかもついてきたから役得だろう。
「いよいよ、明日ですね」
練習したとはいえ、アレをはたしてうまく刈れるのかという不安を抱えて、サクラが呟く。
「何、きっとうまくいくさ。私以上にサクラは器用だからな」
レイアはそう彼女を励ます。
「フフ、自分を信じれば大丈夫だよ。あの子達もあれはあれで苦しい筈だからすっきりさせてあげようじゃないか」
アルトはそう言い、残っていたミルクを飲み干す。
明日は毛刈り本番。はてさてどうなる?
牧場内に入れたとはいえ、毛刈りを始めるには捕獲する事が必要だ。
次の毛刈りを考えて、彼らは生身一つで羊達を捕まえなくてはならない。ただ、眠らせたり、縛り上げたりしないスキルであれば使用してもいい訳で、こういう時のナイトカーテンは非常に便利だと言えよう。
「ほらほら、じっとして…そのままそのまま」
アルトはステルス状態になって羊に近付き、悟る前にこてんと人が座ったような状態にさせれる。これをするだけでも多くの者は時間を必要とするのだが、それが一瞬で出来てしまうというのは非常にデカい。顔が毛で隠れている事をいい事に大き目のバリカンを入れても怯えたりはしない。そこで大胆に、彼女はがしがしと毛に刃を入れていく。
「わぁお。うまいもんですねー」
その様子を横目にハナは羊を半ば羽交い絞めにしながら力押し。汗だくになりながらの毛刈りとなる。
「あっ、もう。怖くない、怖くないですよ…なんなら私の胸にどんっと…ってひぃやぁぁ」
その傍では小柄なサクラが苦戦中。羊に本当に飛び込まれて、軽く後ろに弾かれ尻餅をついている。
「うー…もふもふするまで私は諦めません」
がそれでもめげてはいない様で、再び駆け寄り羊をぎゅっと抱きしめたり。
そんな中、レイアはすでに毛刈りを諦めたようだ。髪も一時的に縛って、挑んでみた様だが、思う様な結果は得られなかったらしい。刈る側を諦め皆が刈った毛の回収やら、バリカンの切り味が弱った時の為に代えの準備に余念がない。
「私もまだまだ修行が足りんという事だな。まあ、向き不向きもあるから仕方がない」
服の汚れから何度かは飛びつき捕まえようとしたのであろうが…こればかりは動物次第。そう割り切って、彼女は案外前向きだ。
一方、思ったよりうまくいっているのはGacrux。
普通の羊の時もそうだったが、彼と目が合うとどういう訳か羊が大人しくなってしまうのだ。
(まさかこの目付きが役に立つ時が来るとは…)
だからという訳ではないが、普通は顔を後にする所を腹の後顎から顔に進める事で彼は羊を早期に黙らせて、スムーズな毛刈りを終えている。
「はい、これで完成です」
人が着ぐるみを脱いだ如く、刈った毛が服の様に軽く繋がって見える仕上がり。抜け落ちているスキルが狩猟知識だからそれもまあ納得だ。けれど、そんな彼等であっても一匹刈ると疲労困憊。夕方になる頃には彼らは全身に汗だくだく。しかし、それと引き換えに刈られた後の羊の動きのなんと軽やかな事か。
「あんなに丸くてもふもふしてましたが、ああなるとまるで別人…いえ、別羊ですね」
最後の羊を解放したサクラがその様子を眺め、ぽつりと感想を漏らす。
「そうだね。ま、本来野生種はあそこまで伸びないらしい。毛を必要とした人間が品種改良してよくのびるようにしたらしいから…そうなると刈ってやるのが私達の義務なんだってさ」
そういうのはアルトだ。実はこの事はついさっき牧場主から聞いたと言う。
「では、あれらは正真正銘の野生ではないと?」
「みたいですよぅ。だって、自然の摂理に反してますもん…普通なら毛が生え変わったりして、自分の健康を害するくらい毛が生えるなんてありえないでしょ」
レイアの質問にハナがワンコを撫でつつ答える。
「どちらにしても自然が一番ですよ。さぁ、お食事ができたようですよ」
そこへGacruxが割って入って、これで牧場めしも食べ納め。
ハンターらは自然の恵みを堪能して、またそれぞれの日常へと帰ってゆくのであった。
「うーん…これはちょっと想像とは違う様な…」
牧場に到着したサクラ・エルフリード(ka2598)が言う。
澄み切った空に新緑の大地。僅かに雪が残っている所もあるが、それも景色のいいアクセント。
そんな場所でもふもふと戯れる…そんな至福の依頼だと思って引き受けた彼女であったが、現実はそう甘くない。
「いいですか、毛刈りはスピードが命です。こちらにとっても羊にとっても長引けば長引く程ストレスとなります。かと言って雑には刈らないで下さいね。そうしないと商品としての価値が幾分か下がってしまいますので」
牧場主がそう話しつつ、テキパキと羊の毛を刈っていく。
ポイントはまずお腹から進める事だそうだ。後ろから両足に挟む形で抑え込んで、まずはお腹を。ハサミやバリカンにビックリする羊もいるから気を付ける。そして、お腹が済めば足から股へ。慎重に刃を進め、お尻に背中、そして首周りから顔へと移動する。
「まずはうちの羊で試して下さい。ここにいる子達はまだ慣れていますから」
牧場主がそう言い、一人一人の作業を確認する。
「ん…これは、なかなか…」
女子とはいえハンターであるから一般人より力がある。だが、それでも大人しくさせるのに一苦労だ。
羊の機嫌に常に気を配り、バリカンを進める。これがとても難しい。
「ちょっ、何故だ。なぜ逃げる…」
アルト・ヴァレンティーニ(ka3109)の隣りでは未だ羊を捕まえる事に苦戦しているレイア・アローネ(ka4082)。
狩猟知識はあるものの、こういう時の動物との距離の取り方が判らない。
「よーしよしよし、いい子ですね~」
一方、Gacrux(ka2726)は見た目に反して動物の扱いはうまいようだ。
じっと見つめた後、そろそろと近付いてはさっと背後をとる事に成功している。
(うーん…でも、あれはきっと)
羊ははたして彼を受け入れているのか? 答えは否。
推測であるがきっとあの瞳に気圧されているに違いないと傍観していた星野 ハナ(ka5852)は推理する。
(恐るべし眼力ですねぇ~。私にアレは出来ないのですよぉ)
いつも笑顔なハナの事。違った意味での凄みはあるが、それは羊相手には通じないと思う。
そんなこんなで一通り、毛刈りのレクチャーを受けたハンター達は早速野生の羊探しへ。
「俺はエクウスを連れてきましたので、こちらに乗って探す事にします」
Gacruxが待たせていた騎馬に跨り、外に走る。
「私はこれです。そして、秘密兵器はこの子達ですぅ」
それに続き、愛車(ママチャリ)とペットを紹介したのはハナだ。ゴールデン・レトリバーのデンちゃんとイヌイット・ハスキ―のハッちゃん。犬種は違うが、主人に似て元気だ。
「あら、カワイイですねー」
思わずサクラが二匹をなでなでする。名前のセンスはともかくとして、二匹共なかなか人懐こく、頼もしそうだ。
そこで二匹に羊の匂いを嗅がせ、野に放つ。そんな二匹を見送って、残りの三人は情報を頼り。
アルトはスキルを使い、まずは屋根に上がる。
「んー、それにしてもいい天気だな」
眼下では牧場の親子山羊がのんびり散歩中。空には小鳥が羽ばたいている。
「長閑だ…」
季節は春、眠気に襲われないよう注意して彼女は双眼鏡を覗く。
だが、ここからではそれらしき影を見つける事は出来なかった。
(あの時はしくじりましたが、今日はそうはいきませんよー)
以前の失敗を胸にママチャリで山道を走るという凄技を見せつつ、ハナがワンコを追う。
が、嗅がせたのは牧場の羊だからして…。
「えっ、ちょっ、二匹共~」
始めのうちはよかったものの、気付けば元いた牧場に戻って来ていて…警察犬の様にはいかないらしい。
が、二匹は匂いの在処を見つけたと得意気に彼女にご褒美のおやつをせがんでくる。
「あっ、待って…そんな飛び掛からなくてもー」
ガッシャーン
ハナが盛大な音を立てた。その音を聞いた周辺の動物が一斉に動き離れていく。
「痛…たた…ってんん?」
けれど、それが僥倖。転んだ視界で毛玉が動く。
遥か先であるが、もこもこしたその毛玉は牧場主が言っていたものに間違いない。
「い、いました! あっちですぅ~~」
ハナが大声で叫び位置を皆に知らせる。そんなハナの傍に二匹が群がって、彼女は熱烈なぺろぺろの雨が降る。
(いや~、もう好かれてるって罪なのですぅ)
愛犬二匹のそれにハナ、至福のひととき。
●毛玉
初めはそれが羊だとは判らなかった。それ程までにその毛玉は大きい。
「あ、あれが雑魔でもなく、歪虚でもなく…普通の羊、だと?」
牧場の羊との質量の違いにレイアは驚愕する。しかし、微かに聞こえる鳴き声は間違いなく羊のものだ。
「あ、あそこに顔があるとでも言うのか…」
毛が伸び過ぎていて視界が塞がれているから顔の位置さえ判り辛い。
僅かにむぐむぐ動く口らしきものが見えているのだが、それもほんの少しだ。
(よくあれで生きてこれたものだな)
匂いを頼りにしていたのだろうか。まぁ、それはそれとして本当に自然とは不思議なものだ。
「ここでしたか……っと、これは確かに凄いですね」
馬で駆け付けたGacruxも見た目の凄さに呆気にとられる。それ程までにこの羊は毛が凄いのだ。遠くから見た時は白く見えたが、やはり近付くと汚れが目立つ。ウールとして使うにしても念入りな洗浄が必要だろう。
「うーん、どうしたものでしょうか」
メェメェいう羊達の足取りは重そうだ。だから、慌てて追いかけると言った事はなさそうだが、それでも人の気配に気付いたのか羊達はじわじわとこちらから距離をとり始めている。
「どうしますか? 皆が来るまで餌で引付けるって手もありますが」
戦馬の背に藁を括りつけてきていた彼がそう提案する。
だが、振り返った先のレイアは今それ所ではないようで。
「アレが普通、アレが普通、アレが普通…」
この現実を受け入れるので精一杯。特に羊が嫌いという訳ではないだろうが、それでも不思議な物体を前にして自分を落ち着かせる事を最優先にしていると見える。
(こんな姿でも所詮は動物…餌が一番ですよね?)
そこでレイアをそっとしておいて、Gacruxは試しに藁の束を羊達の前に差し出してみる。
すると、暫くは警戒していたものの徐々に動いて一歩、二歩と藁へと寄ってくるではないか。
(フッ、所詮は動物…たわいもな)
そう思いかけたその時だった。
「ダメです! Gacruxさんっ!!」
丘の上、サクラが咄嗟に大声で叫ぶ。
その後には何故だかスキルを発動し超高速で駆けてくるアルトの姿まである。
「え、は? ええっ?」
そして、その直後アルトはどういう訳かGacruxの持っていた残りの藁束をふんだくり、あっさての方向にぶん投げる。突然の事にGacruxは受け身をとれず、そのままその場ですっ転んだ。そして極めつけは――。
「どっせーーい!」
猛スピードで降りてくる一台のママチャリが見えたかと思うと、彼を通り越して羊の背後に着地し勢いよく羊達の足元に符を投げ放つではないか。
「ブメェェェェ…」
その後から聞こえたのは羊達の微妙な悲鳴。どうやら地縛符を効いているらしい。
「…ふぅ、間に合って良かったですー」
サクラが遅れてやってき言葉する。
「そうだな。もう少し遅ければ危なかった」
そう言うのはアルトだ。しかし、当のGacruxは全く訳が判らない。
「ええーと、これはまたどういう…」
「今、餌をあげようとしましたよね? それがダメなんです」
ママチャリをマウンテンバイクの如く操って見せたサクラが言う。
「ん?? みんないつの間にやってきたんだ?」
がこの騒ぎにあっても現実を理解するのに時間がかかっていたレイアは今のそれを見ていなかったのか、仲間の到着に驚き顔。
「あはは…まあ、とにかく餌は絶対に駄目なんです」
サクラが言う。実はGacruxが馬に藁を乗せているのを見て、もしやと思い牧場主から残っていた者達に忠告したとか。それは毛刈りの前の断食の必要性。野生にいる羊であるから既に食べてしまっている可能性はあるものの、こちらからやるのは絶対にやめて欲しいと。何故なら毛刈り時にお腹が膨らんでいるとお腹を圧迫してしまう可能性があるからなのだという。
「成程…それは失礼しました。手っ取り早い方法だと思ったのですが」
Gacruxがようやく理解して皆に謝る。
「しっかし、これは確かに骨が要りそうだね。ハナ、うまく誘導は出来そうか?」
ここにいるのが全部かどうかは判らないが、それでもぱっと見で十匹は越えている。そして体重に至っても伸び固まった毛は硬く重い訳で、もし持ち上げて運ぼうものならハンターと言えど腕が悲鳴を上げてしまう事だろう。
「はい、一応やってみますね」
二匹の犬を再び呼び寄せて、地縛符を解除すると彼女が追い立ての指示を出す。
一瞬犬達も何者かと不思議そうに羊達を見ていたが、匂いで悟るとすぐに作業を開始する。
「本当に便利なもんだな」
その様子を眺めながらレイアが言う。
「本当に…」
それに同意するGacruxだったが、二人を新たな悲劇が――。
「ベェェェベェェ」
始めは何となく聞いていたが、その声が次第に二人の近くから聞こえてきて、気付いた時にはすでに手遅れ。
「えっ、ちょっ…まさかだろう!」
自慢の黒髪をひっぱる羊にレイアが焦る。
「こっちもですか…って、あ、逃げて下さいっ、俺に構わず~」
そういうのはGacruxだ。何を思ったかマントなんかを装備してきていたものだから、羊達は餌と間違えレイアは髪を、Gacruxはマントをはみはみされている。加えて、戦馬のしっぽも狙われていると感じた彼は必死に馬を逃がそうとする。
「丁度いいですね。お二人もそのまま牧場に向かって誘導して下さい」
サクラがさらりと二人にそう言い放つ。
「ま、まあ…役に立てるなら」
レイアがしぶしぶ動き出す。
Gacruxもべちゃべちゃに涎まみれたマントに涙しつつ、ぽつぽつと動き出す。
「では、我々は迷子がいないか探してこようか」
アルトが言う。その声に頷いて、サクラもまだ未探索の場所へと足を向けるのであったが、ここにいたので全部だったようで、他の羊を見つける事は出来なかった。
●重労働
念の為、牧場内に収納された野生の羊達の断食を決行。翌日に毛刈り作業を行う事になり、ハンター達は一仕事終えて牧場での夕食をご馳走になる。勿論その夕食も牧場ならではの乳製品が多い。山羊チーズを使ったサラダや近所の牧場の牛乳で作られたシチュー、デザートには新鮮なヨーグルトなんかもついてきたから役得だろう。
「いよいよ、明日ですね」
練習したとはいえ、アレをはたしてうまく刈れるのかという不安を抱えて、サクラが呟く。
「何、きっとうまくいくさ。私以上にサクラは器用だからな」
レイアはそう彼女を励ます。
「フフ、自分を信じれば大丈夫だよ。あの子達もあれはあれで苦しい筈だからすっきりさせてあげようじゃないか」
アルトはそう言い、残っていたミルクを飲み干す。
明日は毛刈り本番。はてさてどうなる?
牧場内に入れたとはいえ、毛刈りを始めるには捕獲する事が必要だ。
次の毛刈りを考えて、彼らは生身一つで羊達を捕まえなくてはならない。ただ、眠らせたり、縛り上げたりしないスキルであれば使用してもいい訳で、こういう時のナイトカーテンは非常に便利だと言えよう。
「ほらほら、じっとして…そのままそのまま」
アルトはステルス状態になって羊に近付き、悟る前にこてんと人が座ったような状態にさせれる。これをするだけでも多くの者は時間を必要とするのだが、それが一瞬で出来てしまうというのは非常にデカい。顔が毛で隠れている事をいい事に大き目のバリカンを入れても怯えたりはしない。そこで大胆に、彼女はがしがしと毛に刃を入れていく。
「わぁお。うまいもんですねー」
その様子を横目にハナは羊を半ば羽交い絞めにしながら力押し。汗だくになりながらの毛刈りとなる。
「あっ、もう。怖くない、怖くないですよ…なんなら私の胸にどんっと…ってひぃやぁぁ」
その傍では小柄なサクラが苦戦中。羊に本当に飛び込まれて、軽く後ろに弾かれ尻餅をついている。
「うー…もふもふするまで私は諦めません」
がそれでもめげてはいない様で、再び駆け寄り羊をぎゅっと抱きしめたり。
そんな中、レイアはすでに毛刈りを諦めたようだ。髪も一時的に縛って、挑んでみた様だが、思う様な結果は得られなかったらしい。刈る側を諦め皆が刈った毛の回収やら、バリカンの切り味が弱った時の為に代えの準備に余念がない。
「私もまだまだ修行が足りんという事だな。まあ、向き不向きもあるから仕方がない」
服の汚れから何度かは飛びつき捕まえようとしたのであろうが…こればかりは動物次第。そう割り切って、彼女は案外前向きだ。
一方、思ったよりうまくいっているのはGacrux。
普通の羊の時もそうだったが、彼と目が合うとどういう訳か羊が大人しくなってしまうのだ。
(まさかこの目付きが役に立つ時が来るとは…)
だからという訳ではないが、普通は顔を後にする所を腹の後顎から顔に進める事で彼は羊を早期に黙らせて、スムーズな毛刈りを終えている。
「はい、これで完成です」
人が着ぐるみを脱いだ如く、刈った毛が服の様に軽く繋がって見える仕上がり。抜け落ちているスキルが狩猟知識だからそれもまあ納得だ。けれど、そんな彼等であっても一匹刈ると疲労困憊。夕方になる頃には彼らは全身に汗だくだく。しかし、それと引き換えに刈られた後の羊の動きのなんと軽やかな事か。
「あんなに丸くてもふもふしてましたが、ああなるとまるで別人…いえ、別羊ですね」
最後の羊を解放したサクラがその様子を眺め、ぽつりと感想を漏らす。
「そうだね。ま、本来野生種はあそこまで伸びないらしい。毛を必要とした人間が品種改良してよくのびるようにしたらしいから…そうなると刈ってやるのが私達の義務なんだってさ」
そういうのはアルトだ。実はこの事はついさっき牧場主から聞いたと言う。
「では、あれらは正真正銘の野生ではないと?」
「みたいですよぅ。だって、自然の摂理に反してますもん…普通なら毛が生え変わったりして、自分の健康を害するくらい毛が生えるなんてありえないでしょ」
レイアの質問にハナがワンコを撫でつつ答える。
「どちらにしても自然が一番ですよ。さぁ、お食事ができたようですよ」
そこへGacruxが割って入って、これで牧場めしも食べ納め。
ハンターらは自然の恵みを堪能して、またそれぞれの日常へと帰ってゆくのであった。
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アルト・ヴァレンティーニ(ka3109)
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/03/31 10:47:30 |