ネレイド村の休日

マスター:とりる

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,500
参加制限
-
参加人数
3~15人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
無し
相談期間
5日
締切
2019/03/27 09:00
完成日
2019/04/13 07:55

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 ある日のネレイド村――。
 季節はそろそろ春の息吹が聞こえてくるころである……。

 族長の家にて……。
「ふむり……」
 ネレイド族長、ミサキ・ネレイド(kz0079)は床に胡坐をかいて座り、頬杖を突いて難しい顔を浮かべていた。
「ミサキ様……」
 その傍にて心配そうな顔でミサキの様子を窺う、ミサキの近衛隊隊長、ヴァイン・ネレイド。
「一応戦闘部隊の展開が間に合って、牙城・焔(kz0191)と交戦したハンターさん達の救護が出来て、牙城・焔の軍勢は掃討することが出来た……」
 しかしミサキは「けれども」と続ける。
「怠惰王オーロラのニガヨモギの件もあるし……まだまだ安心は出来ないね。むしろ非常事態の中、牙城・焔という不安要素が一つ取り除かれた程度、と言うべきか……」
 そしてミサキは再び頬杖を突き、「うむむ」と唸る。
「辺境地域だけじゃない、世界は大変なことになってる……。ハンターさん達は厳しい戦いの連続で、肉体的・精神的にかなり疲労が溜まってるんじゃないかな」
「ミサキ様、それでは……?」
「うん。だからこそ、息抜きは必要だと思うんだ。守護者という存在も出てきて、ハンターさん達もパワーアップしているけども、精神が擦り切れちゃったらそれ以上戦えない」
「だからさ」とミサキは言う。
「比較的安全なネレイド村にハンターさん達を招待して、一日ゆっくり休んでもらおうと思う。どうかな?」
「良い考えだと思います」
 ヴァインは頷く。
「というわけでヴァインは村の皆に準備の指示をお願い。私はハンターズソサエティに送る招待状を書くから」
「了解しました。お任せください」
「ハンターさん達……相当無理をしていると思う……少しでも役に立てれば……いいな……」
 そう言ってミサキは両手をそっと自分の胸に当てるのだった。

リプレイ本文


 世界――クリムゾンウェストは戦いに満ちている。指揮官クラス・ボスクラスの歪虚との決戦・決戦・決戦。
 ゆえに激戦続きで心身ともに疲労が蓄積しているのではないかと心配したミサキから『ネレイド村で休息しませんか?』との招待を受けた六名のハンター達がやって来た。

 ***

『俺たちが立つべき大地、守るべき生命、続いていく営み』
『そんな「当たり前」を目に焼き付けておきたいんだよ』
『力を求めすぎて』『見えなくなる前に』『忘れてしまう前に』
『何のために』『何を求めて』『恐怖(敵)に抗って立つのかを』

 ――龍崎・カズマ(ka0178)はそのような想いを胸に秘め、村へとやって来た。
 現在のクリムゾンウェストでは各地で決戦と呼べる戦いが日々繰り広げられている。
 その戦いの中で、ハンター達が失っていくものは大きい。
 …………カズマの場合も例外は無く、彼はかけがえのない、そしてとてつもなく大切なものを失ってしまった…………。
 負傷のリハビリを名目に、この村を訪れた彼だが、その本質は胸にぽっかりと空き、永遠に埋まらないであろう穴。
 それを自己の内で処理し『今を生きる』『生き残った』『これからを歩んでいく』“自分”を少しでも受け入れられるようにするための時間なのかもしれない……。

 ***

(ここが、噂のネレイド村……ですか? 穏やかな……良いところ、みたいですね。最近、彼方此方とあわただしいですからね)
 一人でノンビリと穏やかな時間を過ごすため、観光にネレイド村へやって来た天央 観智(ka0896)。
「貴女がミサキさんですね? このたびは、お招きいただき、ありがとう御座います。穏やかな……良いところですね」
 彼はネレイド族・族長のミサキ他、ネレイド族の皆々に招待して貰ったことにお礼を言う。
「いやいや、日々戦い続けているハンターさん達が少しでも心身を休めれば良いと思って招待しました。帝国とかと比べるとド田舎ですけどそれなりの施設はあるのでご自由に使ってください」
 と、ミサキは微笑み、歓迎ムードを作る。そして肝心のネレイド村での飲食と施設の利用が無料になる『招待券』を手渡した。

 ***

 見た感じには疲労を感じさせないエルフの元気っ娘、ネフィリア・レインフォード(ka0444)。
 今回は他の二人の姉妹が忙しいので一人でネレイド村へ遊びに来たらしい。ネフィは村に着くと真っ先にミサキの家を尋ね、遊びに誘う。
「ミサキちゃん、遊びに来たのだ♪ 一緒にデートするのだー♪」
「ああ、ネフィちゃんいらっしゃい。歓迎するよ。この間は大変だったね。怪我とかもう大丈夫? って、遊ぶのは良いけど……デート??」
 そうして二人は仲良く手を繋いで遊びに出かける。……なお、デートの意味をネフィは理解していない模様。

 ***

「ここに来るのも半年振りか」
 これまた激戦の日々を潜り抜けているビキニアーマーが良く似合う美女のレイア・アローネ(ka4082)もネレイド村を訪れる。
「居酒屋でアルバイト。……それも悪くはない」
 とも考える彼女だったが――
「だが折角の保養地なのだ。招待されたからにはせっかくの休暇を楽しみたいな」
 戦いに明け暮れる戦士であるレイア……。今日はのどかな村で過ごす休日を楽しみ、日々の疲れを癒すことにした。

 ***

「うーん、混浴銭湯も一人で一日じゃ茹っちゃいますしぃ、今回は海鮮居酒屋で新しい料理を教えて貰うのが良いかもですぅ」
 同じく激戦の日々を過ごす星野 ハナ(ka5852)。彼女は料理のレパートリーを増やすのが目的らしい。
 大きなお風呂も良いが一人で一日中ずっと入っているのもアレなので、せっかくなので実践的なほうを選ぶ。
 というわけで彼女は海鮮居酒屋へ向かうことにした。

 ***

「久しぶりに訪れました! 牙城・焔所縁の地です!(※違います)」
 何やらネレイド村のことを誤解しているらしき多由羅(ka6167)。
(以前この地で牙城・焔打倒を誓い、終わってまたここに来る。感慨深いものがありますね……)
 指揮官クラスの歪虚、牙城・焔率いる軍勢との激戦を生き抜いた多由羅は再びこの地を踏めた喜びを噛み締める。
「尤も、首級を我が手に揚げられなかった事は無念極まりないですが」
 それは致し方あるまい。あの戦いでは牙城・焔を直接相手にしていた極めて高い練度を誇るハンター三名でも戦闘不能に追い込まれるほどだったのだ。
 二刀爆炎の牙城・焔…………何度もハンターを退けた指揮官クラスの歪虚というのは伊達では無かった。


 カズマは到着後、出されたお茶で一息ついてから、ふらふらと村を見て回る。
 今回は基本、負傷から回復後のリハビリがてらのため、一人で行動。
(……面識ある人も特にいないしな。……うん、実に不審者だな!)
「今更気にはしないけどな。事実、不審者でしかなかろうさ。ふらっと来ただけなんだし」
 …………いやいや、きちんと招待を受けて依頼に参加したハンターなのだから不審者扱いはされないだろう。
 むしろ歓迎されると思われる。お茶を出してくれたネレイド族のお姉さんも少しやつれた様子のカズマを気にかけてくれた。

 ***

 ネフィはミサキと二人、手を繋いでるんるんとのんびりと砂浜を散歩しつつ、いつの間にか追いかけっこになり、ネフィが追いかけたり追いかけられたり。
 靴を脱ぎ、足首程度まで海に入り、水を掛け合ったり。
「もう少し暖かかったら海で遊べたのにねー? ミサキちゃん……えーい♪ あはは♪」
「まあ夏ごろにまた来てくれればいっぱい海遊びが出来るよ。……きゃっ、冷たーい! やったなー!」
 などとキャッキャウフフする二人。
「夏が待ち遠しいのだー♪ ……それまでに色々あるかもだけど、必ずまたここに姉妹皆で帰って来るのだ。ミサキちゃん、待っててね?」
「もちろんだよ! 私も色々あるかもだけど、ネフィちゃん達を待ってる。夏になったら、たくさん……た~くさん遊ぼうね!」
 そう言って二人は微笑み合い、指切りをするのだった。

 ***

 観智はネレイド族の主要メンバーに招待のお礼を言って回る。その後。
 ついでに村の観光名所的なスポットの説明を受け、お店でお弁当を貰った後に“村や海を一望出来る小高い丘”へ向かう。
 ……丘へ向かう途中は新緑がたくさん煌いていた。……一時期は歪虚の支配地域になっていたというこのネレイド村。
 浄化は完全なようである。小鳥たちのさえずりも聞こえる……。
「空気が美味しい……ですね……。自然がたくさんで癒されます……小高い丘とやらも楽しみです……」
 そう呟きつつ、観智はこのような美しい場所・自然を、世界を無に帰そうとしてる歪虚の手から守らねば……と決意を新たにした。

 ***

 お客さんが入店すると、可愛らしい声が店内に響き、出迎えてくれる。
「いらっしゃいませぇ、ご注文が決まりましたらお呼び下さいぃ」
 ハナは海鮮居酒屋にてアルバイトを開始。まずは接客業務を任せられていた。
 ハンターを生業にしていると様々な業務をこなすことになる(まあどんな依頼を受けるのかは自分で選べるのだが)。
 スムーズにお客さんを席へ案内するなど、そつなくこなしているところを見ると、ハナは接客業の経験があったのかもしれない。
 …………ちなみに接客業を経験すると、接客される側になった場合、店員さんに優しくなれるとかなんとか…………。


 カズマはお気楽ぼっち観光を継続。村の観光スポットを順繰りに回っていく。
 海を眺めながら砂浜をぶらぶら歩き、小高い丘を登り観智が居たので軽く挨拶し、そのあとは丘を降りて少し歩き海辺の岩場にある小さな侵食洞へ行って、ぐるりと内部を眺める。
 確かに観光スポットとして紹介されているだけあってどこも綺麗だった……。しかし彼の心を癒すに足りるかは不明……。

 …………ちなみにカズマはやけにカップルへ気を使っていたが、今回参加したハンター達は全員単独であるし、時期的に一般の観光客にもカップルはほとんど居なかった。
 ゆえにカップルへ気を使う必要は無いのだ。カズマ自身が少しでも楽しめれば良いというお話。……そんな気分では無いかもしれないが。

 ***

 さて、“村や海を一望出来る小高い丘”へ到着した観智。
 ぐーっと身体を伸ばし、すぅーっと息を吸っては~~と吐き、深呼吸。……先ほどよりも空気がより美味しい。
 緑が茂る地面にシートを敷いて腰掛け、のんびりと春風に吹かれながら景色を愉しむ。
「いやあ絶景……ですね」
 目を細める観智。まさにそこは“ネレイド村や海を一望出来る場所”だったのだ。
 ミサキがこの場所を大変気に入っているという話を聞いたのだが、すごく納得。

 お昼には貰ったお弁当を開いて海の幸に舌鼓を打ち、ず~っと丘の上で過ごす。場所を動く気が無いくらい筋金入りに。
 一応近場を散策程度には歩いて景色を見て回ったが。他の観光スポットへは行かず、時間帯によって変わりゆく景色や気候条件なども愉しむ。

 …………夕陽が沈むのを見届けた後は、宿泊出来るところを探して、ネレイド村へまた降りる。

 ***

 たくさん動いてお腹がぺこぺこになったネフィとミサキは栄養補給のため、海鮮居酒屋を訪れる。
「いっぱい運動したからお腹減ったのだ。お魚さん、いっぱい食べるのだ♪」
 さっそく招待券パワーを使ってメニューを注文しまくり。小さい身体に似合わずたくさん食べる。どんどん食べる。がつがつ食べる。
 お刺身・魚の煮付け・たっぷり脂の乗った旬の焼き魚などなど、色々新鮮な海の幸を堪能。
 姉妹と一緒に食事する時の癖でミサキにもあーんして食べさせてあげたりもする。
「あ、これ美味しいのだ♪ ミサキちゃんもどうぞ。はい、あーん、だよ♪ ……あ、ついいつもの癖でやっちゃったのだ」
「あはは。ネフィちゃんの姉妹は仲良しさんだからねー」
 ミサキはにっこりと笑って見せる。

(おや、ミサキがいるではないか。牙城討伐の報告をしなければと思っていたところだ。海鮮居酒屋で魚介を楽しみながら色気の無い話に花を咲かせようか)
 レイアも海鮮居酒屋でやって来て、ミサキの隣に座り、改めて牙城・焔討伐の報告をする。ミサキは「本当にお疲れ様でした」と労った。
(ネフィや多由羅も来ているな)
「問題なければ牙城との戦いを振り返ろうか」
 というわけで済し崩し的に対牙城・焔戦の反省会が開かれる。
「牙城を倒したのは私ではない別のハンターだ。因縁もあり、そこは譲ったが私ももう少し渡り合ってみたかったという思いはある」
 お猪口で酒を一口飲み、レイアは話し始める。
「だがしかし、それでも奴は歪虚。必ずあの場で仕留め、倒さねばならぬ敵だった。誰が倒すとかではない。武人として認められなくはないところはあったものの、そこを譲ってはハンターではなくなる」
 酒が進み饒舌になってくるレイア。
「……それでも戦い以外で解り合えればという想いは否定できなかったがな」
 歪虚と人。それはどうしても相容れぬ存在。もしも解り合おうとするならば、やはり倒し、次の輪廻の巡り合わせにかけるしかない。
(それ以前に私はまだまだ力不足。球磨でさえ二人で掛からなければ勝てたかどうか……)
 日々戦い、己を酷使し、その中で自らを鍛え上げているレイアでさえまだ足りないという。
「星神器に見合う戦士になる為にも更なる精進が必要だな」
 ぐっと力を込めて、レイアは拳を握った。

「レイア様やミサキ達と酒宴を楽しみましょう」
 多由羅もレイアと同じように牙城・焔の軍勢との戦いを振り返りつつがばがば呑む。どんどん呑む。
「あれからずいぶん経ちます。もうそろそろ酒も飲める歳にはなったでしょう?」
 しかしミサキはまだ未成年。飲酒は厳禁である。「まだ私、お酒はダメですよー」とミサキに怒られてしまう。
「むう……仕方ありません。飲める面子だけで飲むとしましょう」
 彼女もミサキには牙城・焔を倒した事実のみを簡潔に報告。
「私では奴には及びませんでした。それは素直に認めましょう。いずれ腕を上げてもっと強い敵を仕留めたいものです」
 多由羅の志は高い模様。表情には出ていないが瞳は静かに燃えている。
「ミサキ、宜しければ手合わせしては頂けませんか?」
「良いですけど皆さんかなーり強くなりましたからねえ。私は霊闘士の奥義発動状態じゃないと修練の相手にはならなそうかな?」
 と、ミサキは首をかしげる。事実、決戦に次ぐ決戦にてハンター達の力は極めて強化されていると言えるだろう。

 ***

 ハナは海鮮居酒屋の厨房内で調理業務に移行。明るく声掛けしつつネレイド族の固有料理などを勉強。しっかりメモも取る。
「いろんな部族のお料理を勉強すればぁ、胃袋鷲掴みの可能性も上がるかもしれませんしぃ、ぐふ、ぐふふふ」
 メインで提供される料理の他、賄いでも特徴的な物が出ないか期待しながら、ネレイド族の郷土料理の調理方法を盗む。
「ミサキ様が族長に就任してからは部族会議・帝国経由で様々な国の料理を学べるようになった。ここしばらくだとリアルブルーの料理もそうだ。色々取り入れてアレンジしている」
 とは厨房を仕切っている海鮮居酒屋の大将の談。ハナは大将の料理に対する情熱・熱弁を、手を動かしながらしっかりと耳にし、聴いておく。
 元は下心なのだがハナは熱心にネレイド族の料理を学ぶ。…………ちなみにまかないは余りながらも新鮮な魚介類を使った海鮮丼だった。
 ハナはクリムゾンウェスト特産の魚などの説明を大将から詳しく聴きつつ、たくさん働いてぺこぺこになったお腹……ゆえにぱくぱくと海鮮丼を平らげるのだった。


 また村の中をぶらぶら歩いているカズマ。
(村の中で手伝いが必要なら率先して、とかね)
 そんなわけでまたぶらぶらしていると……船着き場にて作業をしている水色の髪に褐色肌・金色の瞳――ネレイド族の少女達を発見。
 彼女達は漁に使う網を運んだり、破損個所を修理したりしていた。カズマは少女達に声をかけ、それを手伝ってみる。
(あーだがリハビリ中なので細かい作業はちょっと苦手かもしれん。ストライダーなのにな! いや一時的なものだと信じたいけど)

 その後、小腹が空いたのでそろそろ夕飯にしようかと海鮮居酒屋へ移動。
 海鮮丼を注文し、醤油を垂らしてからもぐもぐする。…………山葵の辛さか、それとも別の何かの所為か、瞳に涙が滲んだ。
 美味い。ネレイド村は漁村と言って良く、海産物が新鮮で魚介類は例外なく美味しい。……美味しい。
 ……酒を呑んで騒いでいた一行は先に銭湯へ移動したらしく、静かになった店内でカズマは海鮮丼を頬張る。
 招待券を見せれば飲食は無料なので気になったメニューも片っ端から注文してみた。……どれも美味。――どんなときでも腹は減る。
 これが少しでもカズマの癒しになれば良いが……。店の大将も雰囲気を察してか、一等新鮮な魚を次々に捌いて出してくれた。

 ***

 居酒屋でいい感じになった一行は銭湯へ移動。
「…………固い話になってしまった。魚を頂いた後は皆でお風呂に入ろう」
 酒が入り饒舌になり、せっかくの休暇なのに戦いの話ばかりしてしまったレイアは少し反省。
「海はまだ寒いので銭湯のお風呂に入りましょう。友人も誘って来たかったですね。もし夏ごろにまた招待頂けたらその時は是非」
 ひたすら酒を呑んでいた多由羅はまだまだ元気。海にも入りたかったがまだ春。時期では無いのでまた夏に来たいとミサキに言っておいた。
「水着……は必要なのかな? 混浴なら必要だろう」
 レイアは黒ビキニ、多由羅は白ビキニをチョイス。女性用の脱衣場でお着替え。二人ともなかなかのスタイルをしている。
 戦士・剣士ゆえに引き締まっていながらも女性らしさを残した身体つきと言うべきか。
「のんびり骨を休めながらも次の戦いの事を考えてしまう。やれやれ、私は休むのが下手くそなようだ……」
 などと言いながらレイアは多由羅と一緒に洗い場で身体を流した後、湯船に浸かる。

 ネフィも(布面積少なめの)ビキニ着用。ちなみにミサキは濃紺の旧型スクール水着姿。
 ちゃんと身体を二人で洗いっこした後、遊んで疲れた身体を癒すよう、ゆったり入浴。
 ネフィはミサキの身体を洗うついでにマッサージ。じゃれあいつつも肩までお湯に浸かりまったり。
「走り回ったし身体はしっかり解しておかないとなのだ♪ 僕がマッサージしてあげるよ♪ いつも住処でしてるしね♪」
「あぁ~効くぅ~。族長の書類仕事で肩こりまくりだったんだよね~。助かる~」
「確かにけっこうこってるねー。族長さんにもなると戦いよりも書類仕事とかのほうが多くなっちゃうのかな? かな?」
「そうだねー。最近はあんまり前線に出てないや。戦場でも主に部隊の全体指揮だし。これじゃ身体がなまっちゃうよ」
 そのようにネフィとミサキは会話。ミサキは適度に愚痴をこぼしつつ、日頃のストレスケアである。

 白のビキニ姿で入浴中の多由羅。
 居酒屋で気に入った酒を持ち込み浸かりながら一杯……。
「故郷でもやってましたが湯に浸かりながらの一杯は格別です。寝酒用にも一瓶取ってあります。飲んでばかり? 良いではないですか。剣士の休息に酒はつきものです」
 そんなわけで念のため銭湯の責任者に許可を取り、湯に浸かりながら酒を楽しむ。
「そうだ、リリレル達も飲めるようになったその時にはご一緒しましょう。約束ですよ」
 いつの間にか一緒にお風呂に浸かっていたリリレルとミリレルにそんな約束を取り付ける多由羅であったそうな。

 ネフィは風呂上りにキンキンに冷えた瓶牛乳を腰に手を当てて一気飲み。ミサキも同じく。
「ミルクはこうやって一気に飲むと身体が大きくなると聞いたのだ♪」
「確かに牛乳を飲んで運動してたくさん寝ると背が伸びるって聞くけど……飲み方も関係するの??」
 ミサキはまた不思議そうな顔を浮かべて首をかしげた。
 それにしては初対面の頃からあまり身長や体型が変わっていないネフィに疑惑の目を向ける……。

 ***

 皆が宿へ向かったころ、カズマが銭湯へやって来た。……男性用の脱衣場で水着に着替えて、風呂場へ。
 まずは洗い場で身体をしっかり洗い……目の前の鏡に映る自分の肉体は傷跡が増えたなあ、などと思いつつ流してから肩まで湯船に浸かる。……少し熱めのお湯だった。
 温泉ではないが大浴場での入浴は気分が良い……。もう遅い時間なので客はカズマ以外数人だけ。ほぼ貸し切り状態。
 …………ぼーっとしているとここ最近の戦いを思い出す。どうしても思い出してしまう。
 最期まで気高くあり、己の矜持を示し、歪虚との戦いの中に散っていった仲間のことも。
 ハンターという、戦いの中に生きる職業上仕方ないのだが。
 カズマは誰もこちらを見ていない・誰も近くに居ないことを確認すると、天を仰ぎ、目頭を押さえた…………。

 ***

 観智達はネレイド族のスタッフに案内された宿に一泊。
 そこはそれまで民泊に頼っていたがミサキ達の働きもあり、ネレイド村を訪れる観光客が増えたので新設された観光客用の宿泊施設。

 その夜、ハンター達はよく干されたふかふかのオフトゥンに包まれてぐっすり眠れた。
 ……朝になり晴れやかな気分で起床し、美味しい朝食を摂る。その後腹ごなしに外を散歩する者も居た。
 観智などはネレイド族の皆に「お世話になりました、ありがとう御座います」とお礼を言う。
 それから昼前、迎えが来て時間となり、ハンター達は帰路に着く。ちなみに海産物の干物や伝統工芸品などのお土産もたくさん貰えたとのこと。

 こうしてネレイド族・族長であるミサキが発案したハンター達への一日休暇は終了。
 まだまだ続く激戦・決戦。少しでもそれを乗り越える力になることが出来ればと、ネレイド村の皆は思い、ハンター達の背中を見送った……。

依頼結果

依頼成功度大成功
面白かった! 50
ポイントがありませんので、拍手できません

現在のあなたのポイント:-753 ※拍手1回につき1ポイントを消費します。
あなたの拍手がマスターの活力につながります。
このリプレイが面白かったと感じた人は拍手してみましょう!

MVP一覧

重体一覧

参加者一覧

  • 虹の橋へ
    龍崎・カズマ(ka0178
    人間(蒼)|20才|男性|疾影士
  • 爆炎を超えし者
    ネフィリア・レインフォード(ka0444
    エルフ|14才|女性|霊闘士
  • 止まらぬ探求者
    天央 観智(ka0896
    人間(蒼)|25才|男性|魔術師
  • 乙女の護り
    レイア・アローネ(ka4082
    人間(紅)|24才|女性|闘狩人
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナ(ka5852
    人間(蒼)|24才|女性|符術師
  • 秘剣──瞬──
    多由羅(ka6167
    鬼|21才|女性|舞刀士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2019/03/24 21:51:06