• 血断

【血断】或いは選択肢の外側に接続する卵

マスター:ゆくなが

シナリオ形態
ショート
難易度
易しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
3~4人
サポート
0~4人
マテリアルリンク
報酬
無し
相談期間
5日
締切
2019/05/22 12:00
完成日
2019/06/03 11:17

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●英霊は考えるふりをする
 ぽかん、と帝都にあるカフェのテラス席で、アラベラ・クララ(kz0250)は通りを行く人を見ながら、邪神ファナティックブラッドに対する選択について考えていた。
 今回の投票イベントで投票権を持っているのはソサエティに登録しているハンターだけだ。精霊である彼女にはその権利がなかった。
 だが、アラベラは、その『協力的な精霊』という立場から、この世界が何に立ち向かっているか、どんな選択を迫られているかは知っていた。
 討伐か、封印か、恭順か。それとも、それら以外か。
 討伐を選べば、たくさんの死者が出るそうだ。そんな熾烈な戦場になるなら、アラベラは自分も参加したいと思った。その中で派手に散るのも良い選択だ。自分らしいと思う。
 封印を選べば、精霊と人間は分かたれる世界になるらしい。それはちょっと、面白くないと、彼女は思った。
 恭順を選べば、邪神の中に取り込まれ、人間は歪虚になる。そして那由多を超えるループの中で、可能性にすがりつく戦いがはじまるのだそう。これは、もっとも得体の知れない選択肢に見えた。
 アラベラは、この3つの中では恭順という選択に特別なものを感じていた。歪虚になるという選択も悪くないと思っているからだ。
 アラベラは2代目辺境伯時代を人間として生きて、現在は英霊として存在している。人間から英霊になるのがアリなら、歪虚になることも忌避することでもないと思えるのだ。
 人間は人間であることにこだわる必要があるのだろうか? 何になったって、あなたはあなたでしょう。
 アラベラに言わせれば、歪虚と精霊もさして変わらない。負のマテリアルに偏っているか、正のマテリアルに偏っているか、それだけの差だ。精霊の方がちょっとだけ、人類側に害のなさないというだけのこと。
 歪虚でも、精霊でも、人間でも、そんなに大差ない。
 でも、『そんなに大差ない』の『そんなに』がすごく大事な部分かもしれない。そこがアラベラにはわからなかった。
 仮にハンターが恭順を選んだとしたらどうなるだろう。3体の大精霊が敵にまわるらしいが、自分はどうするのだろう、とアラベラは考える。【反影】の時は、大精霊クリムゾンウェストが四大精霊を無理やり従わせようとする場面もあったと報告書で読んでいた。
 そもそも、精霊自体が大精霊に結びついた存在だ。この仕組みから、ハンターが邪神への恭順を選んでも、精霊は簡単には歪虚になれそうにはない。
(妾も、大精霊のように敵に回るのかしら。それとも、ハンターと戦うことを拒否するのかしら)
 多分、自分はハンターの敵になるんだろうな、とアラベラは思った。
(だって、その方が、ハンターの記憶に残りそうですし)
 理由なんて、それだけで充分だった。
(──でも、3つの選択肢以外の方法があるとしたら、どうなんでしょう)
 そんな、新しい選択肢が出てきたら、いちばん目立つに決まっている。アラベラとしては、目立ちたがりのアラベラ・クララとしては、そんな選択肢こそ最も応援したかった。
 与えられた選択肢の中に、最良のものがあるとは限らない。そんな中から嫌々選ぶしかないと言うのなら、白票を投じること、選択を放棄するという選択だって可能なはずだ。今回ばかりはそうもいっていられないのかもしれないが。
 邪神の件について、アラベラは取り立てて口出しするつもりはなかった。そもそもあまり考えないようにしていた。
【落葉】の一件で現れたエミル・ズィックと再会のように出会って以降、アラベラは、過去の人間の再現に過ぎない英霊がどこまで現在に干渉して良いものかと殊勝にも考えていたからだ。
(妾はこれから、どうするんでしょうね)
 夢はいつか醒める。英霊もその夢のひとつなのだとしたら、最後まで美しくいよう、とだけアラベラは思った。
 現実に帰還した後の、麗しい余韻になるように。

●お品書き
 カフェ『哲学者の卵』は、帝都の大通りにある喫茶店だ。歴史は古く、がっしりとした建物は風格がある。しかしテラスなどを飾る花々によって近寄りがたい雰囲気はない。
 メニュウにはコーヒーや紅茶、果実のジュースなどがある。
 サンドウィッチやサラダなどの軽食や、アフタヌーンティセットもある。また、季節限定でさくらんぼのタルトがあった。
 広々とした店内は照明と太陽光が柔らかく照らしている。友達や恋人と、未来とか過去とか、どこか形而上学的なことを囁くように話し合っても良いかもしれない。
 あるいは、1人でスモーキィなコーヒーをゆっくり冷ましながら本を読んでもいいかもしれない。できれば、これからの何か難しいことを考えるための本を。
 話し相手が欲しいなら、テラスでぼんやりしている英霊を相手にしてもいいだろう。彼女も持てました時間をあなたのために使うはずだ。今日の彼女は大人しいから、話を聴く側に回るだろう。
 きっと、どの選択をしたって、何かは決定的に変わってしまうのだ。
 それまでの日々を、好きなように過ごせばいいと思うよ。

リプレイ本文

「はじめまして。貴女がアラベラさんですね? お噂はかねがね……」
『哲学者の卵』のテラス席にかけていたアラベラ・クララ(kz0250)は名前を呼ばれてふと顔を上げた。
 声の主は天央 観智(ka0896)であった。アラベラも報告書の中で彼の名前を見たことがある。
「こちらこそはじめましてですね」
「あの、よろしければ、同席しても……?」
「構いませんよ」
 観智はアラベラと向かい合って座った。
「早速ですが……この世界が抱えている問題はご存知ですか?」
 観智が言うのは、つまり邪神への対応とその投票についてだった。
「ええ。妾には投票権はありませんが、外野なりに考えていることはあるのですよ」
 アラベラはざっと、自分の考えを告げた。
「ふむ……」
 話が終わった頃には、観智が頼んでいたコーヒーが運ばれて来た。それがくゆる中、ゆっくりと観智も口を開いた。
「個人的に思う所としては、”恭順”の選択肢は無いかな? と」
「そうなのですか?」
「ただ……ファナティックブラッドが、新しい世界として再誕する事が、本当に可能なのか? というのはありますよね。可能なら……新しい世界、というものにも……興味が無い、訳ではありませんし。とはいえ、終わらない悪夢に付き合う気は無いですけれど。共存の道は……無いものですかね?」
「それには邪神側がどう考えるか、という問題もありますね」
 黙示騎士とて邪神の傀儡ではない。意志を持った固体なのだ。
「何処まで行っても……仮定なんですよね」
 邪神に飲み込まれたからといって、その中での保存が約束される訳ではない。ファナティックブラッドが有限の記録機関であるならば、欠落するデータもあると予想するのが安全な思考だろう。
「邪神の再誕も、此処が最後の1ピースだと言っている事も。なら、再誕が不可能な可能性もありますし、最後の1ピースが別のモノな可能性も、在る訳で……。クリムゾンウェストは、既にリアルブルーやエバーグリーンを食べて、旗下に置いてしまった貪欲な大精霊な訳ですけれど……彼方の再誕を待たなくても、正側に……というだけなら、全部食べて貰う選択も……一応、在る訳ですよね? 支え切れるのか? 判りませんけれど。それをやった結果……邪神同様に、負側に堕ちる様では……意味がありませんし」
「歪虚になるのは嫌ですか?」
「……そうですね。アレは……やはり、自然とは相容れないものではないかと思いますから……」


その後、テラス席には2人の人間と、1人のエルフと英霊が、同じテーブルを囲んでいた。
「ふーむ。話はわかった」
 岩井崎 旭(ka0234)が深く頷いた。彼の前には紅茶の注がれたティーカップと本があり、全体として知的なイメージだ。
 アラベラは3人に対し、ふんわりと自分の思っていることやハンターたちがどう思っているかを尋ねたのだった。
「いい機会だし、みんなでワイワイ相談でもしようぜ。答えの出ない悩みを一人で抱えてると、ロクなことねーんだぜ」
「そうですね……私も、私の考えを誰かに聞いてもらって、問題点とか話し合えればいいと思うのです」
 Uisca Amhran(ka0754)はいくつか自分の中にある考えを整理しているようであった。
「アラベラは恭順を支持……っていうか、気になっているんだっけ?」
 夢路 まよい(ka1328)が、ティーカップに手を添えて言う。
「興味深い選択肢だと思いますよ。まよいはどうですか?」
「私は……。自分でもまだわからないことがあるし、だからこそ、みんなの話を聞いてみたいと思っているよ」


「俺はさ、邪神が世界に侵攻して来ているってのを聞いて、自分は何を守りたいんだろうって考えたんだよな」
 旭は守りたいものを思い浮かべる。
「まず、クリムゾンウェスト。そしてその住民。人がいて、植物や動物がいて、精霊に幻獣、龍に大精霊……いろんな生物や生物以外のものいて、ごちゃごちゃしていて面白くってこそ、この世界だと思う。だから、俺はその上で考えているんだけど……。3つの選択肢が提示された時、俺がパッと思ったのは討伐だった。邪神っていう原因を取り除いちまうんだからな。でも、邪神と真っ向からやり合うと、被害が半端ないのがなー」
 邪神は簡単に倒せる相手ではない。未来予測には、討伐を選んだ場合絶大な被害が出ることが予想されている。
「それはさ。前線で戦う俺たちにもすごい被害が出るんだろうけど、邪神の本格的な侵攻がはじまったらこの世界全土にとんでもない被害が出るんだと思うんだ」
 仮に邪神が倒せたとしても被害は甚大だろう。
「俺らはいいけど、世界中巻き込むじゃん? 俺たちにはどの選択をするかの投票権があるから覚悟を決められる。でも巻き込まれる人たちや幻獣たちは、それだってなくて、邪神の攻撃から逃げたり、耐えたりすることしかできない……。なんと言うか、そういうシビアな状況に放りこんじまっていいものか悩むんだよな……」
 そのタイミングで、旭が頼んでいたサラダをウェイターが運んできた。
「うん。野菜が旨けりゃ今日も元気だ」
フォークを突き刺すと、瑞々しい緑の葉が軽快な音を立ててくれる。しゃくしゃくと旭がサラダを咀嚼して嚥下。そしてある問いを投げかけた。
「そういやさ、世界中巻き込んで歪虚になるってのは、みんなOKなのか?」
 恭順すれば邪神に取り込まれる以上、歪虚に変質する。
「私は殲滅を考えているけれど……」
 まよいがそれに答える。
「……でもさ、それは別に邪神の言いなりになるのが嫌とかじゃない気がする。歪虚になるっていうのも……想像してみてもよくわからないし、それが嫌っていうのとも違うかもしれない。私が恭順を選ぼうとしてないのは、大精霊たちと道を違えてしまうから、かな……?」
「大精霊というのは、クリムゾンウェストやリアルブルーのことですか?」
 アラベラがきいた。
「そう。私は守護者なんだけど……守護者になるとき、大精霊と約束したから。大好きなこの世界の味方になるって。恭順すれば彼らと戦わなくちゃいけない。だから、……相反する道を歩むよりは、たとえ破滅に向かう道だとしても同じ道を歩みたいっていう我儘かな。たとえ、その道で犠牲になるのが私だとしても、一緒に歩みたいんだ」
「私も恭順は被害が少ないと言うことは理解しているのです。ですが恭順では……」
 それはUiscaの言葉だった。確かに恭順すれば、邪神討伐を目指すより犠牲は少なく済むらしい。けれど、旭も言ったが最大の問題は……、
「歪虚になることを嫌がる人が多いことなのではないかと思うのです」
 歪虚は今まで敵対していた存在だ。それらに大事な人を奪われた者もあることだろう。拒絶も無理からぬことかもしれない。
 アラベラは、『歪虚だから』とか『精霊だから』とかではなく、『敵対して目立てる相手はどれか』で生きて来たので、この辺りの感覚はかなり疎い。というかない。
「歪虚でも精霊でも人間でも、妾は妾だと思うのですが……」
「アラベラさん。私は少し違うと思うのです」
「そうなのですか?」
「歪虚化は違う気がするのです……。アラベラさんにあえていいますが、歪虚化したエミルさんも英霊のアラベラさんも生前の本人とは別人ではないかと……輪廻転生って考え方、ありますよね? あれに近いです」
 英霊は伝承に左右される部分もあるので、厳密には『本人そのもの』ではない。どちらかといえば、Uiscaの認識の方が近いのだろう。
「ですから、魂は同じでも人格は違うみたいな……」
「ふむ……人格は違うから、同一人物ではないと」
「私は今のアラベラさんしか知りませんから、その……生前のアラベラさんとどう違うのかはわかりませんけれど……でもやっぱり、違うモノになってしまうのではないかと思うのです」
 うーむ、とアラベラは過去の記憶と今の自分を照らし合わせてみたりした。
「俺は、恭順のうまく行けば総取りっぽいのは好き。……でもさ、歪虚になったら新しい命が生まれてこなくねぇ?」
 旭は大切な人と結婚していることもあって、気になるのだろう。
 歪虚は生物ではない。マテリアルを摂取することで存在を維持するが、新しい生命を作り出せる仕組みはないだろう。また、恭順では一定期間をループすることになるとされているので、仮に新しい命を授かってもリミットが来ればふりだしに戻ってしまう。邪神側が言うには、ループを打破することで新しい宇宙が開ける可能性もあると言うが……。
「結局、どの選択肢だってやってみなければわからない。でも、どれも私たちのいい話ばかりではないんだよね……」
 まよいが話を引き受けた。どれを選んだって、犠牲が出ることだけは確実だ。それは人々の死であったり、精霊との別れであったり、歪虚化することであったりする。
「私は誰かに犠牲を強いる選択はしたくないのです!」
 いつも穏やかなUiscaの声には、何か確固たるものが含まれていた。
「ですので、私は私の望む未来のために、3つの選択肢とは違う道を模索したいのです」


 Uiscaは提示された以外の選択肢を考えていた。
「邪神さん側の話を聞くに、邪神を歪虚化させてしまった方……はじまりの守護者の方も後悔しているのではないかと思うのです。ですから、邪神の体外で宇宙の再誕を再現すればいいと思うのです」
 一息ついてからUiscaは続ける。
「邪神の中にはたくさんの食べて来た宇宙が記録保存されているのですよね? これはきっと……ファナティックブラッドを作った方がいた世界の神霊樹ライブラリを応用していると思うのです。私の推測ですけど……もしそうだとしたら、クリムゾンウェストの神霊樹ライブラリでも再現が可能だと思うのです」
「クリムゾンウェストの神霊樹を使って、邪神がしようとしていることを真似る、と言うことでしょうか?」
 アラベラが確認した。
「はい。邪神に飲み込まれてしまえば、歪虚になってしまうのです。でも、邪神の外側で、邪神やクリュティエさんたちの目指す世界が創れたのなら、問題は解決すると思います。クリムゾンウェストの神霊樹なら、私たちも歪虚にならずに済みますし、大精霊さんたちと敵対せずに済むはずです」
「なるほど」
「グラウンド・ゼロでは数々の異界が発見されていますし、黙示騎士たちやシェオル型歪虚も異界の記憶の結晶と言えなくないと思います。彼らの記憶をこちらの神霊樹に読み込ませれば、邪神さんが記録しているものとほぼ変わらないものができるのではないでしょうか。データ不足や技術の不備ははじまりの守護者の方に協力してもらえば解決できるでしょうし、彼らだって宇宙の再誕が目的なら力をあわせることだってできるはずです。だから──歪虚さんたちとの共闘も可能だと思うのです」
「ん? それってさ……」
 そこで、旭が質問した。
「邪神がやろうとしていることを神霊樹に移すってことだよな? もしそれが成功したら、邪神はどうするんだ? こっちの神霊樹があればいらないんだろ?」
「正直、やってみないことには本当に不要になるかわからない部分もありますが……、不要ならば破棄か破壊したいと思います。もし、話がこの段階まで運んだのならば、歪虚さんは仲間になっているはずなので、一緒に戦えば私たちだけで戦うより被害は少なくなるはずですよ」
「そうなるよな……。OK、続けてくれ。止めちまって悪いな」
「いえ、他の方がどう思うかも聞きたかったので、こちらこそありがとうございますですよ、旭さん。……それでですね。神霊樹ライブラリには過去の話を再現してダイブすることができますよね? ですから、邪神の記録を保存したクリムゾンウェストのライブラリにダイブして、滅んでしまった世界を見て回ります。そこで、世界の滅亡を一時的にでも回避するデータを蓄積して宇宙の再誕を目指したいのです」
「ふむ……Uiscaはそう考えるのですね」
 アラベラは頷く。それが実際に可能かどうかはアラベラの知識と立場ではわからない。ただ、『犠牲を強いたくない』というUiscaらしい優しさを感じていた。
「うまくいったら、俺らは人間のまま、大した犠牲も出さずに未来へ進めるわけか」
 腕を組んだ旭が言う。
「邪神は寿命で世界が滅びるのをどーにかしたいんだよな。人間だっておんなじこと考えるし、多分どの世界だって同じだよなー。……なのにどうして衝突しちゃうんだろうな」
「私は……ウィスカのことを否定するつもりはないし、第4の選択肢を探すことも否定するわけではないんだけれど……」
 まよいが抑揚を控えた声で語る。
「何も犠牲にせずに、全てを得られる方法があるのかもしれない。代わりに、それを探してる間に、何も得られず全てを犠牲にしたらどうしよう」
 邪神側がハンターたちに与えた猶予は長いとは言えない。
「どの選択肢を選んでも、私達ハンターが失敗したら全てを犠牲にするかもしれないのは一緒だよね。……やっぱり、全てが丸く収まる第4の選択肢……そんなものが、あるのかな? 第4の選択肢によって犠牲になるものがやっぱりあるとしたら……結局、私達はそれを選べるかしら」
「他の選択肢も考えてみればと妾は言いましたが……妾自身は、犠牲を厭うている訳ではないのですよ」
 そこで、この話し合いのキッカケであるアラベラが口を挟んだ。
「どれを選んでも、失敗する可能性はあります。望んだものが何も得られずに敗北し死亡することもあるでしょう。選択に犠牲はつきものですが、成功は約束されないものです。だから……それぞれの覚悟とは、『何を目指したか』でも『何を獲得したか』でもなく『何を犠牲にしたか』で問われるものではないか、と考えます。もちろん、犠牲を出さないという志は尊いものです。……やりたいようにやる決意があるのなら、自分で選択肢を作り出してしまえ、ということです」
 しゃべり過ぎましたね、とアラベラは静かに紅茶を飲んだ。
「やっぱこーやって誰かと相談したり意見ぶつけたり、気分転換したりしねーと1人で考えてたって、ぐずぐず煮詰まるだけだぜ」
 サラダを完食した旭は、紅茶を飲みながらあることを思っていた。話している間に、紅茶は飲みやすい温度になっていた。
「……邪神だとかファーザーだとかも、こんなふうに一緒に考える仲間が必要だったんじゃね?」
「そうですね……。他の方法だってあったのかもしれませんね」
 Uiscaがティーカップをソーサーの上へ戻して言う。
「だろ? いろんな世界を復活? 再生? 創造? して、大精霊会議でもやればいいのにな。なんだっけ、学会? みたいな。各地の大精霊に聞く! あなたの若さの秘訣とは? とかさ」
「……なんか、それ面白そうだね」
 旭の言葉に、まよいはふふっと微笑んだのだった。

依頼結果

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MVP一覧

重体一覧

参加者一覧

  • 戦地を駆ける鳥人間
    岩井崎 旭(ka0234
    人間(蒼)|20才|男性|霊闘士
  • 緑龍の巫女
    Uisca=S=Amhran(ka0754
    エルフ|17才|女性|聖導士
  • 止まらぬ探求者
    天央 観智(ka0896
    人間(蒼)|25才|男性|魔術師
  • 夢路に誘う青き魔女
    夢路 まよい(ka1328
    人間(蒼)|15才|女性|魔術師

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
夢路 まよい(ka1328
人間(リアルブルー)|15才|女性|魔術師(マギステル)
最終発言
2019/05/21 22:09:57
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2019/05/18 01:58:42