ゲスト
(ka0000)
要塞の日常
マスター:近藤豊

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2014/06/26 07:30
- 完成日
- 2014/06/27 22:40
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
辺境の南部にある古びた施設。
スコール族の言葉で『星の灯』を意味する要塞都市『ノアーラ・クンタウ』は、ゾンネンシュトラール帝国の国境に位置していた。
ここより先は辺境の部族が住まう場所。
そして、歪虚の侵攻を食い止める最前線でもある。
「困りましたね」
ヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032)は、帝都『バルトアンデルス』から届いた手紙に視線を落として呟いた。
「ヴェルナー様、如何されましたか?
またヨアキム(kz0011)様が何かされましたか?」
ヴェルナーの呟きを聞きつけた部下が問いかけてきた。
視線を上げれば、部下が紅茶と温められたティーカップを置いている。
お茶の時刻が近づいている事を、ヴェルナーはその時になって気付いた。
(おやおや、もうそんな時間ですか……。
時間が経過するのは早いものです。こうしている間にも歪虚の軍勢が……否、それよりも帝都の動きも気にかけないといけません)
「ヴェルナー様?」
部下の声で現実に引き戻されるヴェルナー。
問いかけに反応がない事を心配したようだ。
「失礼、考え事をしていました。何の話でしょうか?」
「ヴェルナー様がお困りの事案です。私はヨアキム様が何かされたのかと思いましたが」
「先日また騒ぎを起こしたようですが、それは執事のキュジィが収めたようです。
あれは見た目よりも有能な人材です。それより困っているのは帝都からの指示です」
ヴェルナー宛に送られた手紙には、ハンターに対する配慮が記載されていた。
つまり、要塞『ノアーラ・クンタウ』内におけるハンターの行動をある程度容認しろ、という指示だ。この要塞には冒険都市『リゼリオ』へ続く転送ゲート、ハンターズソサエティの支部が存在している。その関係から要塞へハンターが訪れる事は珍しくない。
おそらく帝都はハンターを戦力として見定めており、ハンターと良好な関係を構築したいのだろう。
ヴェルナーは、そう考えていた。
「しかし、要塞は軍事拠点です。オープンにできない施設もございます。
それに……」
「そう。あなたが言いたい事こそ、悩みの種です。
ですが、この状況であればいずれハンターにも知れ渡ってしまいます」
ヴェルナーは紅茶の入ったポットを手に取ると、もう片方の手で持ったティーカップ目掛けて紅茶を注ぎ混んだ。
ポットをより高く掲げ、ティーカップから紅茶の雫が飛び跳ねる。
「問題は、やはり山岳猟団ですか」
「…………」
部下の問いに、ヴェルナーは沈黙を守った。
辺境管理者として異例の若さで就任したヴェルナーであったが、要塞に駐留する帝国軍からの受けは良くない。特に帝国軍第一師団分隊である『山岳猟団』からの評判は最悪だ。帝都から人類守護を任務に派遣された山岳猟団は、誉れある部隊として歪虚の侵攻を食い止めてきた。
そんな彼らが帝都から送られたヴェルナーを快く思うはずがなかった。
「山岳猟団は、謂わば最前線で体を張ってきた叩き上げの部隊です。
帝都から派遣された私は、出世の為に来た管理官と思われていてもおかしくはありません」
紅茶に口を付けながら、冷静に現実を分析するヴェルナー。
まるで他人事のような口ぶりだ。
しかし、その間に状況を打破するべく脳をフル回転させていた。
そして、しばしの沈黙の後――ヴェルナーは口を開いた。
「ハンターをこの要塞の施設へ案内します。案内役は私です。
それ程多くの者は招待できませんが、そこは機会を別に設けましょう。
それから……」
ヴェルナーは再び紅茶を口へ運ぶ。
一呼吸置いた後、ゆっくりと言葉を続ける。
「例の傭兵団を呼び出して下さい」
スコール族の言葉で『星の灯』を意味する要塞都市『ノアーラ・クンタウ』は、ゾンネンシュトラール帝国の国境に位置していた。
ここより先は辺境の部族が住まう場所。
そして、歪虚の侵攻を食い止める最前線でもある。
「困りましたね」
ヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032)は、帝都『バルトアンデルス』から届いた手紙に視線を落として呟いた。
「ヴェルナー様、如何されましたか?
またヨアキム(kz0011)様が何かされましたか?」
ヴェルナーの呟きを聞きつけた部下が問いかけてきた。
視線を上げれば、部下が紅茶と温められたティーカップを置いている。
お茶の時刻が近づいている事を、ヴェルナーはその時になって気付いた。
(おやおや、もうそんな時間ですか……。
時間が経過するのは早いものです。こうしている間にも歪虚の軍勢が……否、それよりも帝都の動きも気にかけないといけません)
「ヴェルナー様?」
部下の声で現実に引き戻されるヴェルナー。
問いかけに反応がない事を心配したようだ。
「失礼、考え事をしていました。何の話でしょうか?」
「ヴェルナー様がお困りの事案です。私はヨアキム様が何かされたのかと思いましたが」
「先日また騒ぎを起こしたようですが、それは執事のキュジィが収めたようです。
あれは見た目よりも有能な人材です。それより困っているのは帝都からの指示です」
ヴェルナー宛に送られた手紙には、ハンターに対する配慮が記載されていた。
つまり、要塞『ノアーラ・クンタウ』内におけるハンターの行動をある程度容認しろ、という指示だ。この要塞には冒険都市『リゼリオ』へ続く転送ゲート、ハンターズソサエティの支部が存在している。その関係から要塞へハンターが訪れる事は珍しくない。
おそらく帝都はハンターを戦力として見定めており、ハンターと良好な関係を構築したいのだろう。
ヴェルナーは、そう考えていた。
「しかし、要塞は軍事拠点です。オープンにできない施設もございます。
それに……」
「そう。あなたが言いたい事こそ、悩みの種です。
ですが、この状況であればいずれハンターにも知れ渡ってしまいます」
ヴェルナーは紅茶の入ったポットを手に取ると、もう片方の手で持ったティーカップ目掛けて紅茶を注ぎ混んだ。
ポットをより高く掲げ、ティーカップから紅茶の雫が飛び跳ねる。
「問題は、やはり山岳猟団ですか」
「…………」
部下の問いに、ヴェルナーは沈黙を守った。
辺境管理者として異例の若さで就任したヴェルナーであったが、要塞に駐留する帝国軍からの受けは良くない。特に帝国軍第一師団分隊である『山岳猟団』からの評判は最悪だ。帝都から人類守護を任務に派遣された山岳猟団は、誉れある部隊として歪虚の侵攻を食い止めてきた。
そんな彼らが帝都から送られたヴェルナーを快く思うはずがなかった。
「山岳猟団は、謂わば最前線で体を張ってきた叩き上げの部隊です。
帝都から派遣された私は、出世の為に来た管理官と思われていてもおかしくはありません」
紅茶に口を付けながら、冷静に現実を分析するヴェルナー。
まるで他人事のような口ぶりだ。
しかし、その間に状況を打破するべく脳をフル回転させていた。
そして、しばしの沈黙の後――ヴェルナーは口を開いた。
「ハンターをこの要塞の施設へ案内します。案内役は私です。
それ程多くの者は招待できませんが、そこは機会を別に設けましょう。
それから……」
ヴェルナーは再び紅茶を口へ運ぶ。
一呼吸置いた後、ゆっくりと言葉を続ける。
「例の傭兵団を呼び出して下さい」
リプレイ本文
「お話、ありがとうございます。神のご加護がありますように」
ライエル・ブラック(ka1450)は、呼び止めた商人に深々と頭を下げた。
ライエルへ商売における愚痴話を一頻り話し終えた商人は、足早に目的地へと歩き始める。
「彼はこの先にある商業管理事務所へ赴くのでしょう。要塞内の商売を取り仕切る重要な施設です」
ライエルの背後からヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032)が、微笑みを浮かべて立っている。
実は要塞管理者である彼が要塞施設を案内する見学会が催されているのだ。ライエルはこの見学会へ参加しながら道行く者から様々な話に耳を傾けていた。
「要塞には様々な人間が居住している模様、と。
要塞都市と伺っていましたが、想像よりも大きく戸惑いが隠せません」
手にしていたメモ帳に三日月 壱(ka0244)は、入手した情報を書き込んでいく。
こうしている間にも三日月の傍らを様々な人間が通り過ぎていく。
「はい。この要塞は対歪虚最前線ではありますが、防衛する軍人以外にもその家族や過去を捨てて帝国へ助けを求めた部族の者など多くの者が居住しています」
「つまり、非戦闘員がそれだけ多く居住しているのですね。
それだけこの要塞と守護する軍が強い、という事でしょうか」
三日月はメモを取りながらヴェルナーへ質問を投げかけた。
「お褒めいただき光栄です。
帝国軍が歪虚を撃退する戦力を保持している事もさることながら……あの壁をご覧下さい」
ヴェルナーが指差したのは要塞の外周。
高さ10メートル、厚さは5メートル程の壁が周囲に張り巡らされ、境界線の役割を果たしている。
「あれはなんでしょう?」
ライエルから出た言葉を待っていたかのように、ヴェルナーはゆっくりと話し始める。
「あれがこの要塞を歪虚から守る城壁。『リーゼ』と呼ばれる二枚の壁が、歪虚の侵入を防いでいます。ちなみに内側の壁が『ケルブローデ』、外側の壁が『ボォン・ゲイアー』と個別の名称があります」
ヴェルナーが紹介したリーゼこそ、要塞を守る施設の一つだ。
この城壁、さらに帝国の国境を示すかのように長く連なった長城があるからこそ歪虚の襲撃を防げているという訳だ。
「にゃは、ではあのリーゼの外が辺境って呼ばれる地域ですね。辺境の部族はあの壁なしで歪虚と渡り合っている……そういう事でしょうか」
常闇(ka0345)は、露天で購入したパンを囓りながら呟いた。
あの城壁から先が辺境と呼ばれる地域であり、多数の辺境部族が居住している。
「そうなります。私も辺境の部族には生き残る為に帰順を促しているのですが、『伝統や誇りを捨てる事はできない』と拒絶されています。中には協力的な部族もございますが……あ、失礼。愚痴になってしまいました。
この先は監獄ですので来た道を戻りましょう。
そうですね、ハンターズソサエティへ参りましょうか」
●
「おそらく、ここは皆様の方が詳しいのではないでしょうか」
ヴェルナーと共にハンター達はハンターズソサエティを訪れた。
冒険都市『リゼリオ』への転送ゲートが存在する要塞は、ハンターズソサエティの支部が存在する。ハンター達は辺境周辺の依頼をここで受ける。
「にゃは。要塞に襲来している歪虚ってどんな連中なの?」
常闇はハンターズソサエティの受付嬢へ問いかけた。
敵に関する情報はハンターズソサエティに聞いた方が早い。最近の辺境は雑魔退治がメインのようだが、それ以前は歪虚の軍勢が攻撃を仕掛けていたはずだ。
「はい。過去の情報から辺境地域で活動している歪虚は『怠惰』と呼ばれる軍勢です」
「怠惰……」
常闇は、言葉に出して呼んでみた。
聞き覚えのない単語だ。
「そいつらってどんな連中なんだ?」
シャルラッハ・グルート(ka0508)がカウンターに寄りかかった。
これから自分が本格的に戦う相手の事を知れるとあって、シャルラッハは興味津々だ。「そこからは私が話しましょう」
常闇とシャルラッハの背後からヴェルナーが声をかけた。
「にゃはは。要塞管理者直々に説明してくれるんですね」
買っておいたパンを掴みながら、ヴェルナーの声に耳を傾ける常闇。
ヴェルナーは咳払いを一つした後、話し始めた。
「辺境の周辺で活動しているのは『怠惰』と呼ばれる集団です。
連中は巨体から繰り出される力が武器です。ですが、最大の特徴は……その名の通り怠惰です」
「あ、あの……どういう事でしょう?」
宇都宮 祥子(ka1678)が質問する。
最大の特徴が、怠惰。
これだけ聞いてもまったく意味が分からない。
「奴らは基本的に怠け者と言いますか……実は、戦闘中に本気を出す事が稀です。
さらに戦略を立てる事も面倒である為、散逸的な戦闘のみ仕掛けていました。その為、他の歪虚と比較すれば戦い易い相手でした。今までは……」
「にゃは。『今までは』って事は、何か変わった事が起こるのでしょうか」
ヴェルナーの話を聞きながら、常闇はパンの欠片を飲み込んだ。
ヴェルナーは、大きくため息をついた。
「いえ、まだ何も。
ですが、ここ最近は歪虚の動きがありません。あれだけ攻撃していた歪虚がその動きを止めた。その事実が、私には不安に思えてなりません」
●
ハンターズソサエティから司令部へと向かうハンター達。
ヴェルナーの傍らにベアトリス・ド・アヴェーヌ(ka0458)が並んだ。
「管理者自らがわたくしを案内してくださる事、満足しておりますわ」
「そうですか、気に入っていただいて嬉しい限りです」
「ですが、あのリーゼは万全ではない……違いまして?」
ベアトリスの言葉に、一瞬ヴェルナーは動きが止まった。
しかし、次の瞬間には再び笑顔を浮かべている。
「何故そう思われたのですか?」
「これだけ長い壁です。メンテナンスするだけでも大変でしょう。
いえ、正確には手が回っていないのではありませんか? 歪虚の襲撃で壁を補修し続けたとしても度重なる襲撃で補修が間に合わない」
「……失礼。正直、ハンターを見くびっていました」
「褒めても何も出ませんわ。
周囲の家屋を見れば帝国調の建物ですが、所々壊れかけています。これだけ人口が多い都市なのに、建物だけは地方の寂れた都市のようです。おそらく、建物の補修ができない理由がある……そう考えただけですわ」
「ご指摘通り、壁の補修は間に合っていません。特に『ボォン・ゲイアー』の損壊は激しく、早急な補修が必要となっています。この為、この要塞内でも時折雑魔が紛れ込む事があるのです。その際は、あなた方ハンターに駆除を依頼するかもしれません」
ヴェルナーは想像よりも早く実情を口にした。
あの壁の補修が間に合わないのであれば、歪虚の襲撃は想像よりもずっと激しいのかもしれない。
「どんな敵でも依頼があれば、戦うまでですわ。
そうでなければ、こんなポテト臭い国……」
そこまで口にしたベアトリスは、突然ヴェルナーの手で口を塞がれた。
「失礼。今日はあなた方を案内する立場ですが、帝国の侮辱は見過ごせません。
何より、もうすぐ兵舎です。周囲には私よりもずっと血の気の多い者がいます。帝国の悪口を耳にすれば、あなたを取り囲まれるかもしれません」
●
要塞内兵舎。
「ここが誉れ高い山岳猟団の兵舎って訳か」
シャルラッハは、堂々とした面持ちで山岳猟団の建物へ足を踏み入れる。
山岳猟団といえば、帝国軍第一師団分隊でこの要塞を拠点にして歪虚の侵入を防いできた名誉ある部隊と聞いている。願わくば、シャルラッハは彼ら山岳猟団と戦闘訓練を希望していたのだが――。
「なんだこれ?」
シャルラッハの眼前に広がるのは、共有スペースらしき大きな部屋に横たわる様々な男女。
誰しもが顔に生気もなく、疲労困憊の面持ちだ。
ハンター達が姿を見せても、何の興味も示さない。
「自己鍛錬をされていると思っていましたが……これは、どういう事でしょうか?」
山岳猟団見学を希望していた祥子は、思わず背後にいたヴェルナーへ向き直った。
この疲れ切った者達が、本当に誉れ高い戦士達なのだろうか。
祥子も山岳猟団の戦闘訓練に参加する予定だったが、とても訓練しようと言い出せる空気じゃない。
不安そうな祥子を前にしたヴェルナーは、微笑み掛けると前へと歩み出る。
「辺境管理者のヴェルナーです」
「!?」
ヴェルナーの顔を見た猟団の者は全員顔を上げてこちらを見ている。
それも端から見て明らかに怒気を込めた視線を投げかけている。
「なんだ、いい顔できるじゃねぇか」
「シャルラッハさん、感心している場合ではありません」
嬉しそうなシャルラッハの傍らで祥子は周囲を警戒している。
山岳猟団とヴェルナーの関係が険悪だと聞いていた。
しかし、これは険悪なんてものじゃない。
明らかに憎しみが向けられている。
(ヴェルナーさんは山岳猟団と険悪、と……。
なんか裏がありそうな見学会だと思ってたけど、ヴェルナーの狙いはこの辺かな?)
無言でメモを取りながら、三日月は見学会を振り返った。
そもそも案内するのであれば部下に丸投げしても良いはずだ。それを要塞を管理する責任者がわざわざ赴いたのだ。この見学会には別の何か裏がある、三日月はそう考えていた。
「団長はまだ医務室のベットだ。先日の戦闘で重傷を負ったのは知っているだろう」
「失礼。連絡が遅れているようです。その団長ですが、今朝亡くなりました」
「なにぃ!!」
突然の訃報告に響めく山岳猟団。
それも快く思っていないヴェルナーの口からあっさりと告げられたのだ。
「負傷した時点で団長交代を要請していたのですが……今朝お亡くなりになるとは思いませんでした」
「ヴェルナーさん、随分あっさりと死去を口にするのですね」
山岳猟団同様衝撃を受けていた祥子は、ヴェルナーに率直な想いを伝えた。
本来なら山岳猟団と訓練してわかり合った後、笑顔で要塞を去るつもりだった。
しかし、急展開な事態を前にしても冷静なヴェルナーに冷酷さを垣間見てしまう。
「あっさりしているように見えますか。
ですが、これでもショックを受けています。この要塞を守ってきた山岳猟団にとっては大幅な戦力ダウンです」
「おい、いい加減にしろよ!」
涙を拭きながら山岳猟団の団員がヴェルナ-へ食って掛かる。
「山岳猟団は襲ってくるかも分からない歪虚に備えて常時臨戦態勢なんだ。それでも団長は俺達を気遣って……団長がいなければ、この要塞はとっくに陥落してたんだよ!」
(なるほど。他の猟団員に生気がないのはその為ですか)
ベアトリスは、心の中でそう呟いた。
この山岳猟団は歪虚の軍勢や雑魔が現れる度に出動要請があるのだろう。
それは決まった時間ではなく、夜中だろうが、早朝だろうが容赦なく呼び出される。
そんな生活を繰り返せば、兵士の疲弊はピークに達する。
「山岳猟団長死亡は私としても看過できません。ですから、対応策を用意致しました。
まず山岳猟団支援をハンターに依頼します」
「つまり、ハンターが俺達の仕事を奪おうってぇのか!」
「そうではないと思います。皆さん、落ち着いて下さい」
ライエルの反論にも耳を傾けず、より騒がしくなる猟団員。
どうやらハンターが助けてくれるという発想には至っていないようだ。
「それより団長の代わりはどうするんだよ!」
「その事ですが……そろそろ待ち合わせの時間ですね」
「もう来ている」
ハンターの背後から現れたのは一人の男。
髭を生やした壮年の男性で、黒を基調とした防弾チョッキにジャングルブーツを履いている。首いはゴーグルが下がっており、リアルブルー出身である事は誰の目にも明らかだ。
新たな客の登場に猟団員達の苛立ちを隠せない。
「誰だ、そいつは!」
「彼は『極東第十八傭兵団』という傭兵団の八重樫敦さんです。
あなた方の中に山岳猟団を率いるだけの才覚がある者はおりません。さらに帝都から新しい指揮官を招聘する時間もありません。
ですので、山岳猟団は八重樫さんにお預けします。何か質問はありますか?」
●
「今日は要塞を案内していただきありがとうございました。
この要塞は凄いのですが、正直バラバラな印象を受けました。ヴェルナーさんはもっと他の方と交流を持つべきです。」
ライエルは酒場で催された食事会の中で、今日の感想を述べる。
一方、常闇は別の意見も持っていた。
「にゃは。要塞の人達は仲間意識が強く、自分達を一つの個であり家族だと信じている場合も多い。故に私達はあくまで余所者なの……他人尾家に土足で上がり込んできた不法侵入者なのですよね……ま、仕方ないですよね……」
常闇は、他の者と交流する中でやや寂しさを感じる場面があった。
それが今回の常闇の発言に繋がるのだが、その言葉に対してヴェルナーから思わぬ発言が飛び出した。
「私も山岳猟団から見れば不法侵入者です。そもそも私が要塞へ派遣されたのは一年半前です。前任の要塞管理者は……それはもう酷い者でした。
帝都からの救援物資を横流しするのは日常茶飯事。兵力の把握や物資の管理も杜撰でした。前任者の横領が発覚して更迭されて私が着任してからすべての組織を刷新。山岳猟団も再編したのですが、その頃から彼らとの仲は良くありません」
「今後の戦いを考えれば不仲の原因を究明すべきです」
「原因は分かっています」
紅茶を一口飲んだヴェルナーは、意見した三日月にそう答えた。
「前任の要塞管理者は彼らを冷遇しました。そして、私が着任した時も『出世の為に自分達を道具にするつもりだ』と凄い剣幕で罵られたものです。おそらく帝都から来る者を信用できないのでしょう」
「では、誤解を解くべきです」
「何故?」
ライエルの提案に、ヴェルナーはそう答えた。
「山岳猟団は誉れ高いと称されてますが、実際は部族の戦士や傭兵出身者が多く素行も良くありません。ですが共通の敵が存在すれば彼らは一致団結します。私を敵視する事で山岳猟団が団結する。ならば、その誤解を解く必要はありません」
「それではあまりにヴェルナーさんが不憫でなくて?」
ベアトリスがヴェルナーの身を案じた。
ヴェルナーは一息ついた後、ハンター達へ向き直った。
「私は歪虚の手から帝国を守る為であれば、どんな手段も厭いません。
私は結果を求めます。経緯や状況は帝国を守る為ならば二の次です。
今後、皆さんへ依頼を出す事になります。その際は宜しくお願いします。
――貴方もですよ、八重樫さん。山岳猟団をあなたに預けます。この要塞と帝国を守って下さい」
ヴェルナーは八重樫の方へ視線を送る。
八重樫は顔色一つ変える事無く、小声で呟いた。
「与えられた任務を完遂する事が、俺達傭兵団の存在意義だ。
あんたは依頼を出すだけでいい。そこから先は俺達の仕事だ」
ライエル・ブラック(ka1450)は、呼び止めた商人に深々と頭を下げた。
ライエルへ商売における愚痴話を一頻り話し終えた商人は、足早に目的地へと歩き始める。
「彼はこの先にある商業管理事務所へ赴くのでしょう。要塞内の商売を取り仕切る重要な施設です」
ライエルの背後からヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032)が、微笑みを浮かべて立っている。
実は要塞管理者である彼が要塞施設を案内する見学会が催されているのだ。ライエルはこの見学会へ参加しながら道行く者から様々な話に耳を傾けていた。
「要塞には様々な人間が居住している模様、と。
要塞都市と伺っていましたが、想像よりも大きく戸惑いが隠せません」
手にしていたメモ帳に三日月 壱(ka0244)は、入手した情報を書き込んでいく。
こうしている間にも三日月の傍らを様々な人間が通り過ぎていく。
「はい。この要塞は対歪虚最前線ではありますが、防衛する軍人以外にもその家族や過去を捨てて帝国へ助けを求めた部族の者など多くの者が居住しています」
「つまり、非戦闘員がそれだけ多く居住しているのですね。
それだけこの要塞と守護する軍が強い、という事でしょうか」
三日月はメモを取りながらヴェルナーへ質問を投げかけた。
「お褒めいただき光栄です。
帝国軍が歪虚を撃退する戦力を保持している事もさることながら……あの壁をご覧下さい」
ヴェルナーが指差したのは要塞の外周。
高さ10メートル、厚さは5メートル程の壁が周囲に張り巡らされ、境界線の役割を果たしている。
「あれはなんでしょう?」
ライエルから出た言葉を待っていたかのように、ヴェルナーはゆっくりと話し始める。
「あれがこの要塞を歪虚から守る城壁。『リーゼ』と呼ばれる二枚の壁が、歪虚の侵入を防いでいます。ちなみに内側の壁が『ケルブローデ』、外側の壁が『ボォン・ゲイアー』と個別の名称があります」
ヴェルナーが紹介したリーゼこそ、要塞を守る施設の一つだ。
この城壁、さらに帝国の国境を示すかのように長く連なった長城があるからこそ歪虚の襲撃を防げているという訳だ。
「にゃは、ではあのリーゼの外が辺境って呼ばれる地域ですね。辺境の部族はあの壁なしで歪虚と渡り合っている……そういう事でしょうか」
常闇(ka0345)は、露天で購入したパンを囓りながら呟いた。
あの城壁から先が辺境と呼ばれる地域であり、多数の辺境部族が居住している。
「そうなります。私も辺境の部族には生き残る為に帰順を促しているのですが、『伝統や誇りを捨てる事はできない』と拒絶されています。中には協力的な部族もございますが……あ、失礼。愚痴になってしまいました。
この先は監獄ですので来た道を戻りましょう。
そうですね、ハンターズソサエティへ参りましょうか」
●
「おそらく、ここは皆様の方が詳しいのではないでしょうか」
ヴェルナーと共にハンター達はハンターズソサエティを訪れた。
冒険都市『リゼリオ』への転送ゲートが存在する要塞は、ハンターズソサエティの支部が存在する。ハンター達は辺境周辺の依頼をここで受ける。
「にゃは。要塞に襲来している歪虚ってどんな連中なの?」
常闇はハンターズソサエティの受付嬢へ問いかけた。
敵に関する情報はハンターズソサエティに聞いた方が早い。最近の辺境は雑魔退治がメインのようだが、それ以前は歪虚の軍勢が攻撃を仕掛けていたはずだ。
「はい。過去の情報から辺境地域で活動している歪虚は『怠惰』と呼ばれる軍勢です」
「怠惰……」
常闇は、言葉に出して呼んでみた。
聞き覚えのない単語だ。
「そいつらってどんな連中なんだ?」
シャルラッハ・グルート(ka0508)がカウンターに寄りかかった。
これから自分が本格的に戦う相手の事を知れるとあって、シャルラッハは興味津々だ。「そこからは私が話しましょう」
常闇とシャルラッハの背後からヴェルナーが声をかけた。
「にゃはは。要塞管理者直々に説明してくれるんですね」
買っておいたパンを掴みながら、ヴェルナーの声に耳を傾ける常闇。
ヴェルナーは咳払いを一つした後、話し始めた。
「辺境の周辺で活動しているのは『怠惰』と呼ばれる集団です。
連中は巨体から繰り出される力が武器です。ですが、最大の特徴は……その名の通り怠惰です」
「あ、あの……どういう事でしょう?」
宇都宮 祥子(ka1678)が質問する。
最大の特徴が、怠惰。
これだけ聞いてもまったく意味が分からない。
「奴らは基本的に怠け者と言いますか……実は、戦闘中に本気を出す事が稀です。
さらに戦略を立てる事も面倒である為、散逸的な戦闘のみ仕掛けていました。その為、他の歪虚と比較すれば戦い易い相手でした。今までは……」
「にゃは。『今までは』って事は、何か変わった事が起こるのでしょうか」
ヴェルナーの話を聞きながら、常闇はパンの欠片を飲み込んだ。
ヴェルナーは、大きくため息をついた。
「いえ、まだ何も。
ですが、ここ最近は歪虚の動きがありません。あれだけ攻撃していた歪虚がその動きを止めた。その事実が、私には不安に思えてなりません」
●
ハンターズソサエティから司令部へと向かうハンター達。
ヴェルナーの傍らにベアトリス・ド・アヴェーヌ(ka0458)が並んだ。
「管理者自らがわたくしを案内してくださる事、満足しておりますわ」
「そうですか、気に入っていただいて嬉しい限りです」
「ですが、あのリーゼは万全ではない……違いまして?」
ベアトリスの言葉に、一瞬ヴェルナーは動きが止まった。
しかし、次の瞬間には再び笑顔を浮かべている。
「何故そう思われたのですか?」
「これだけ長い壁です。メンテナンスするだけでも大変でしょう。
いえ、正確には手が回っていないのではありませんか? 歪虚の襲撃で壁を補修し続けたとしても度重なる襲撃で補修が間に合わない」
「……失礼。正直、ハンターを見くびっていました」
「褒めても何も出ませんわ。
周囲の家屋を見れば帝国調の建物ですが、所々壊れかけています。これだけ人口が多い都市なのに、建物だけは地方の寂れた都市のようです。おそらく、建物の補修ができない理由がある……そう考えただけですわ」
「ご指摘通り、壁の補修は間に合っていません。特に『ボォン・ゲイアー』の損壊は激しく、早急な補修が必要となっています。この為、この要塞内でも時折雑魔が紛れ込む事があるのです。その際は、あなた方ハンターに駆除を依頼するかもしれません」
ヴェルナーは想像よりも早く実情を口にした。
あの壁の補修が間に合わないのであれば、歪虚の襲撃は想像よりもずっと激しいのかもしれない。
「どんな敵でも依頼があれば、戦うまでですわ。
そうでなければ、こんなポテト臭い国……」
そこまで口にしたベアトリスは、突然ヴェルナーの手で口を塞がれた。
「失礼。今日はあなた方を案内する立場ですが、帝国の侮辱は見過ごせません。
何より、もうすぐ兵舎です。周囲には私よりもずっと血の気の多い者がいます。帝国の悪口を耳にすれば、あなたを取り囲まれるかもしれません」
●
要塞内兵舎。
「ここが誉れ高い山岳猟団の兵舎って訳か」
シャルラッハは、堂々とした面持ちで山岳猟団の建物へ足を踏み入れる。
山岳猟団といえば、帝国軍第一師団分隊でこの要塞を拠点にして歪虚の侵入を防いできた名誉ある部隊と聞いている。願わくば、シャルラッハは彼ら山岳猟団と戦闘訓練を希望していたのだが――。
「なんだこれ?」
シャルラッハの眼前に広がるのは、共有スペースらしき大きな部屋に横たわる様々な男女。
誰しもが顔に生気もなく、疲労困憊の面持ちだ。
ハンター達が姿を見せても、何の興味も示さない。
「自己鍛錬をされていると思っていましたが……これは、どういう事でしょうか?」
山岳猟団見学を希望していた祥子は、思わず背後にいたヴェルナーへ向き直った。
この疲れ切った者達が、本当に誉れ高い戦士達なのだろうか。
祥子も山岳猟団の戦闘訓練に参加する予定だったが、とても訓練しようと言い出せる空気じゃない。
不安そうな祥子を前にしたヴェルナーは、微笑み掛けると前へと歩み出る。
「辺境管理者のヴェルナーです」
「!?」
ヴェルナーの顔を見た猟団の者は全員顔を上げてこちらを見ている。
それも端から見て明らかに怒気を込めた視線を投げかけている。
「なんだ、いい顔できるじゃねぇか」
「シャルラッハさん、感心している場合ではありません」
嬉しそうなシャルラッハの傍らで祥子は周囲を警戒している。
山岳猟団とヴェルナーの関係が険悪だと聞いていた。
しかし、これは険悪なんてものじゃない。
明らかに憎しみが向けられている。
(ヴェルナーさんは山岳猟団と険悪、と……。
なんか裏がありそうな見学会だと思ってたけど、ヴェルナーの狙いはこの辺かな?)
無言でメモを取りながら、三日月は見学会を振り返った。
そもそも案内するのであれば部下に丸投げしても良いはずだ。それを要塞を管理する責任者がわざわざ赴いたのだ。この見学会には別の何か裏がある、三日月はそう考えていた。
「団長はまだ医務室のベットだ。先日の戦闘で重傷を負ったのは知っているだろう」
「失礼。連絡が遅れているようです。その団長ですが、今朝亡くなりました」
「なにぃ!!」
突然の訃報告に響めく山岳猟団。
それも快く思っていないヴェルナーの口からあっさりと告げられたのだ。
「負傷した時点で団長交代を要請していたのですが……今朝お亡くなりになるとは思いませんでした」
「ヴェルナーさん、随分あっさりと死去を口にするのですね」
山岳猟団同様衝撃を受けていた祥子は、ヴェルナーに率直な想いを伝えた。
本来なら山岳猟団と訓練してわかり合った後、笑顔で要塞を去るつもりだった。
しかし、急展開な事態を前にしても冷静なヴェルナーに冷酷さを垣間見てしまう。
「あっさりしているように見えますか。
ですが、これでもショックを受けています。この要塞を守ってきた山岳猟団にとっては大幅な戦力ダウンです」
「おい、いい加減にしろよ!」
涙を拭きながら山岳猟団の団員がヴェルナ-へ食って掛かる。
「山岳猟団は襲ってくるかも分からない歪虚に備えて常時臨戦態勢なんだ。それでも団長は俺達を気遣って……団長がいなければ、この要塞はとっくに陥落してたんだよ!」
(なるほど。他の猟団員に生気がないのはその為ですか)
ベアトリスは、心の中でそう呟いた。
この山岳猟団は歪虚の軍勢や雑魔が現れる度に出動要請があるのだろう。
それは決まった時間ではなく、夜中だろうが、早朝だろうが容赦なく呼び出される。
そんな生活を繰り返せば、兵士の疲弊はピークに達する。
「山岳猟団長死亡は私としても看過できません。ですから、対応策を用意致しました。
まず山岳猟団支援をハンターに依頼します」
「つまり、ハンターが俺達の仕事を奪おうってぇのか!」
「そうではないと思います。皆さん、落ち着いて下さい」
ライエルの反論にも耳を傾けず、より騒がしくなる猟団員。
どうやらハンターが助けてくれるという発想には至っていないようだ。
「それより団長の代わりはどうするんだよ!」
「その事ですが……そろそろ待ち合わせの時間ですね」
「もう来ている」
ハンターの背後から現れたのは一人の男。
髭を生やした壮年の男性で、黒を基調とした防弾チョッキにジャングルブーツを履いている。首いはゴーグルが下がっており、リアルブルー出身である事は誰の目にも明らかだ。
新たな客の登場に猟団員達の苛立ちを隠せない。
「誰だ、そいつは!」
「彼は『極東第十八傭兵団』という傭兵団の八重樫敦さんです。
あなた方の中に山岳猟団を率いるだけの才覚がある者はおりません。さらに帝都から新しい指揮官を招聘する時間もありません。
ですので、山岳猟団は八重樫さんにお預けします。何か質問はありますか?」
●
「今日は要塞を案内していただきありがとうございました。
この要塞は凄いのですが、正直バラバラな印象を受けました。ヴェルナーさんはもっと他の方と交流を持つべきです。」
ライエルは酒場で催された食事会の中で、今日の感想を述べる。
一方、常闇は別の意見も持っていた。
「にゃは。要塞の人達は仲間意識が強く、自分達を一つの個であり家族だと信じている場合も多い。故に私達はあくまで余所者なの……他人尾家に土足で上がり込んできた不法侵入者なのですよね……ま、仕方ないですよね……」
常闇は、他の者と交流する中でやや寂しさを感じる場面があった。
それが今回の常闇の発言に繋がるのだが、その言葉に対してヴェルナーから思わぬ発言が飛び出した。
「私も山岳猟団から見れば不法侵入者です。そもそも私が要塞へ派遣されたのは一年半前です。前任の要塞管理者は……それはもう酷い者でした。
帝都からの救援物資を横流しするのは日常茶飯事。兵力の把握や物資の管理も杜撰でした。前任者の横領が発覚して更迭されて私が着任してからすべての組織を刷新。山岳猟団も再編したのですが、その頃から彼らとの仲は良くありません」
「今後の戦いを考えれば不仲の原因を究明すべきです」
「原因は分かっています」
紅茶を一口飲んだヴェルナーは、意見した三日月にそう答えた。
「前任の要塞管理者は彼らを冷遇しました。そして、私が着任した時も『出世の為に自分達を道具にするつもりだ』と凄い剣幕で罵られたものです。おそらく帝都から来る者を信用できないのでしょう」
「では、誤解を解くべきです」
「何故?」
ライエルの提案に、ヴェルナーはそう答えた。
「山岳猟団は誉れ高いと称されてますが、実際は部族の戦士や傭兵出身者が多く素行も良くありません。ですが共通の敵が存在すれば彼らは一致団結します。私を敵視する事で山岳猟団が団結する。ならば、その誤解を解く必要はありません」
「それではあまりにヴェルナーさんが不憫でなくて?」
ベアトリスがヴェルナーの身を案じた。
ヴェルナーは一息ついた後、ハンター達へ向き直った。
「私は歪虚の手から帝国を守る為であれば、どんな手段も厭いません。
私は結果を求めます。経緯や状況は帝国を守る為ならば二の次です。
今後、皆さんへ依頼を出す事になります。その際は宜しくお願いします。
――貴方もですよ、八重樫さん。山岳猟団をあなたに預けます。この要塞と帝国を守って下さい」
ヴェルナーは八重樫の方へ視線を送る。
八重樫は顔色一つ変える事無く、小声で呟いた。
「与えられた任務を完遂する事が、俺達傭兵団の存在意義だ。
あんたは依頼を出すだけでいい。そこから先は俺達の仕事だ」
依頼結果
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 シャルラッハ・グルート(ka0508) 人間(クリムゾンウェスト)|25才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2014/06/25 16:42:32 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/06/24 07:32:55 |