ゲスト
(ka0000)
【血断】予感~精霊折衝任務~
マスター:近藤豊

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~4人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2019/05/28 19:00
- 完成日
- 2019/05/30 17:41
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
辺境が怠惰王、青髯といった大規模戦闘が続いている最中、一人静かに暮らす者がいた。
「……ふぅ」
四大精霊の一人、イクタサ(kz0246)はそっと椅子に腰掛ける。
パシュパティ砦の北にあるシンタチャシにある小屋に居続けたイクタサ。そんな大精霊の一部であるイクタサは、長く人々を見守ってきた。星の意志であるが故、矢面に立って人々を助ける訳にはいかない。大きすぎる力は災いとなる。
そう考えて来たイクタサであったが、歪虚側の行動は想像を超えるものがあった。
クリムゾンウェストに大きな節目に来ている事は理解できる。
ハンターに対して歪虚が持ち込んだ和平交渉。その上でハンター達は――。
「酷な選択だね。これはどうにも……」
「いるかホー?」
小屋の窓に止まったのはポロウの大精霊であるモフロウ博士である。
突然の来訪者にイクタサは面倒そうに顔を向ける。
「ああ、キミか。何か用?」
「冷たい態度だホー。もう少し持て成すとかできないホー?」
「悪いね。これがボクにとって普通なんだ。用がないなら帰ってくれない?」
イクタサは焚き火へ視線を落とす。
ハンターに選択が迫られている事はイクタサも知っている。
だからこそ、ハンターの決断を鈍らせる真似はしたくない。ハンターが選んだ結果を、イクタサは受け止める。仮にそれでハンターが敵対するというのであれば、イクタサに課せられた任務を全うするだけ。イクタサは自分にそう言い聞かせていた。
「用事はあるホー。お客さんを連れてきたホー」
「失礼します」
小屋の扉が開き、そこにいたのは辺境巫女のまとめ役である大巫女(kz0219)であった。
普段は豪快な喋り口であるが、四大精霊のイクタサを前にするとあって務めて敬語で話し掛ける。
「ああ。確か、大巫女だっけ?」
「はい。今日はお願いに上がりました」
「お願い?」
大巫女はイクタサと対峙するように向かいの椅子へ腰掛ける。
二人の間にある焚き火の中で、枯れ木がパチンと爆ぜた。
「ハンターと今後について話していただきたいのです」
「ハンターに? なんでボクが?」
「ご存じかと思いますが、ハンターは……あの子達は大きな選択を迫られています。それは世界の命運を決めるような大きな選択です。その選択の後には大きな責任がついて回るでしょう。
だからこそ、その選択に後悔がないように正しい情報をあの子達に教えてやりたいのです」
大巫女は辺境巫女同様、ハンター達とも接してきた。
大転移の後、大霊堂が解放されて辺境巫女は救われた。
それから何度も大きな戦いがあり、大巫女にとってハンター達は我が子同然。そんなハンター達が大きな選択を迫られる。誤れば、後悔や責任が追及される厳しい選択。それでも彼らは選ばなければならない。
大巫女としては選択を受け入れるつもりだが、選択を後悔するハンター達を見たくは無い。
「それは、親心って奴? ボクには分からないけど」
「そう考えていただいても良いかもしれません」
「ふぅん、それは随分と自分勝手なお願いだね。ハンターの苦しむ姿を見たくないって理由だもの。それに、自分が調べた情報をハンターに教えれば早いんじゃない?」
「そうかもしれません。ですが、当事者であるあなたから直接話していただきたいのです。彼らも自らの中で抱えた疑問もあるでしょう。それに答えてあげて欲しいのです」
頭を下げる大巫女。
イクタサは監視はしてきたが、このような人間の感情には疎い。
ただ、ハンター達が選択で悩むならばその疑問に答える機会があっても良い。大巫女の言葉でイクタサはそう考えていた。
「……いいよ」
「ありがとうございます」
「ただし、ボクは疑問に答えるだけ。何かしろと言われても確約はできないからね」
「……ふぅ」
四大精霊の一人、イクタサ(kz0246)はそっと椅子に腰掛ける。
パシュパティ砦の北にあるシンタチャシにある小屋に居続けたイクタサ。そんな大精霊の一部であるイクタサは、長く人々を見守ってきた。星の意志であるが故、矢面に立って人々を助ける訳にはいかない。大きすぎる力は災いとなる。
そう考えて来たイクタサであったが、歪虚側の行動は想像を超えるものがあった。
クリムゾンウェストに大きな節目に来ている事は理解できる。
ハンターに対して歪虚が持ち込んだ和平交渉。その上でハンター達は――。
「酷な選択だね。これはどうにも……」
「いるかホー?」
小屋の窓に止まったのはポロウの大精霊であるモフロウ博士である。
突然の来訪者にイクタサは面倒そうに顔を向ける。
「ああ、キミか。何か用?」
「冷たい態度だホー。もう少し持て成すとかできないホー?」
「悪いね。これがボクにとって普通なんだ。用がないなら帰ってくれない?」
イクタサは焚き火へ視線を落とす。
ハンターに選択が迫られている事はイクタサも知っている。
だからこそ、ハンターの決断を鈍らせる真似はしたくない。ハンターが選んだ結果を、イクタサは受け止める。仮にそれでハンターが敵対するというのであれば、イクタサに課せられた任務を全うするだけ。イクタサは自分にそう言い聞かせていた。
「用事はあるホー。お客さんを連れてきたホー」
「失礼します」
小屋の扉が開き、そこにいたのは辺境巫女のまとめ役である大巫女(kz0219)であった。
普段は豪快な喋り口であるが、四大精霊のイクタサを前にするとあって務めて敬語で話し掛ける。
「ああ。確か、大巫女だっけ?」
「はい。今日はお願いに上がりました」
「お願い?」
大巫女はイクタサと対峙するように向かいの椅子へ腰掛ける。
二人の間にある焚き火の中で、枯れ木がパチンと爆ぜた。
「ハンターと今後について話していただきたいのです」
「ハンターに? なんでボクが?」
「ご存じかと思いますが、ハンターは……あの子達は大きな選択を迫られています。それは世界の命運を決めるような大きな選択です。その選択の後には大きな責任がついて回るでしょう。
だからこそ、その選択に後悔がないように正しい情報をあの子達に教えてやりたいのです」
大巫女は辺境巫女同様、ハンター達とも接してきた。
大転移の後、大霊堂が解放されて辺境巫女は救われた。
それから何度も大きな戦いがあり、大巫女にとってハンター達は我が子同然。そんなハンター達が大きな選択を迫られる。誤れば、後悔や責任が追及される厳しい選択。それでも彼らは選ばなければならない。
大巫女としては選択を受け入れるつもりだが、選択を後悔するハンター達を見たくは無い。
「それは、親心って奴? ボクには分からないけど」
「そう考えていただいても良いかもしれません」
「ふぅん、それは随分と自分勝手なお願いだね。ハンターの苦しむ姿を見たくないって理由だもの。それに、自分が調べた情報をハンターに教えれば早いんじゃない?」
「そうかもしれません。ですが、当事者であるあなたから直接話していただきたいのです。彼らも自らの中で抱えた疑問もあるでしょう。それに答えてあげて欲しいのです」
頭を下げる大巫女。
イクタサは監視はしてきたが、このような人間の感情には疎い。
ただ、ハンター達が選択で悩むならばその疑問に答える機会があっても良い。大巫女の言葉でイクタサはそう考えていた。
「……いいよ」
「ありがとうございます」
「ただし、ボクは疑問に答えるだけ。何かしろと言われても確約はできないからね」
リプレイ本文
「ボクに聞きたいことがあるんだって?
……で、何? 早く済ませてくれるとありがたいんだけど」
シンタチャシの小屋を訪れたハンター達の前でイクタサ(kz0246)は、気怠そうに言い放った。
歪虚との和平交渉を前に選択と共に責任を負わされるハンターを案じた大巫女(kz0219)が、せめて選択の役に立てばとイクタサとハンターの面通りを実現させたのだ。
「イクタサ。実はファリフから……」
「……!」
八島 陽(ka1442)が口にした名前を聞いた途端、イクタサは突然体を前のめりにする。
先程までやる気なさげな態度だったが、名前一つで火が付いたようだ。
ファリフ・スコール(kz0009)――その名前は絶大な効果を発揮する。
「ファリフがボクに何か言いたい事があったのかい? それはきっとボクに早く会いたいとかかな? 相変わらず恥ずかしがり屋だな。だが、それがいい。
あれ? でも、なんでファリフは今日いないの?」
矢継ぎ早に次々と紡がれる言葉。
八島は切れ目を見つけ、ようやく口を挟む。
「連合軍の仕事で忙しいみたいなんだ。オレもここに呼べないかと思ったんだけど」
「なーんだ。つまらないなぁ」
一度は火のついたテンションだったが、再び気怠そうなイクタサに戻ってしまう。
「イクタサ。ファリフへの宣託はイクタサからの物なのかな?」
ファリフへの宣託。
それはファリフが求め続けた『星の友』を集める事だった。ファリフはその宣託に従い、様々な人と出会った。もし、イクタサが与えた宣託であるなら、ファリフは本当に星の友と出会えているのだろうか。
そして、ハンター達が星の友であるなら、八島達は星の友たり得たのだろうか。
「そう。それはボクが託したものだよ。ファリフは人と人を繋ぐ素養がある」
「素養?」
「歪虚を倒すには単独で戦ってはダメなんだ。すべての力を結集して対抗しなければ勝てない相手。だから、ファリフには星の友を探してもらったんだ。そうすれば必ず歪虚に対抗する力を集められるから。
ハンターであるキミ達は星の友として十分働いてくれているよ。そうでなければ、とうの昔にこの星は滅んでいたよ」
八島はハーブティー「リスペルン」と特製フルーツコンポートを準備しながら、心の中で安堵していた。
ファリフを一つの切っ掛けとしてクリムゾンウェストで戦う事ができた。それも各世界が共に歩調を合わせて戦えた事は大きな意味があった。
「ボクからもいいかい? キミは選択をどうする?」
「正直、分からない。三つの選択肢が本当に正しいのか」
八島は選択について思い悩んでいた。
殲滅を選べば勝てても甚大な被害を受ける。辺境一つとっても部族会議が国家へ昇格する事は不可能となるだろう。
封印を選べば邪神に抗えた理由――ヒトと精霊、世界と世界が分断される為、封印が破られれば各個撃破される。
恭順は負のマテリアルのみで宇宙再誕に至るとは思えない。それに再誕しても今いる者はそこにいない事になる。
「想いを引き継ぐ者が残らないなら、三つの選択肢はどれも値しない。もしかしたら、選択自体が罠じゃないかって思うぐらいだ」
「キミの答えがこの選択にはない、という訳だね。なら、キミの答えをギリギリまで探し続けるべきだよ」
「え?」
「ボクは星の意志である大精霊の一部だからね。邪神は殲滅以外考えられない。そしてそれに対するリスクも理解はしている。その選択で多くのヒトが死滅し、不幸になる。それでもボクは殲滅以外は選べない。
でも、キミ達は諦めが悪いのだろう? もしかしたら、それ以外の方法を見つけられるかもしれない」
イクタサの言葉を八島は反芻する。
八島達がここまで来られたのはファリフが力を結集したからだけではない。諦めず最後まで戦った事も忘れてはならない。邪神内に保存中の各世界の未来をハンターがイレギュラーとして見出し、想いを引き継ぐ事で一つずつ地道にループを断ち切っていけば……。
八島は三つの選択肢以外の可能性を思案し始めていた。
●
八島が特製フルーツコンポートを切り分け終わった頃、耳を傾けていた大巫女は次に質問するハンターを募った。
「次は誰が質問するんだい?」
「僕でいいかい?」
挙手したのはキヅカ・リク(ka0038)であった。
その顔は少々落ち込んでいるようにも見える。
少しばかりの沈黙の後、キヅカはゆっくりと口を開ける。
「イクタサ、教えてくれ。世界を救うのは……救世主でないとダメなのか。凡人が世界を救いたいというのはおかしいのか?」
キヅカが思い悩む切っ掛けは先日の青髯討伐戦の最中にあった。
この世界に転移してから様々な出会いと別れがあり、キヅカはそこにあった想いに従って戦ってきた。キヅカはキヅカなりに戦い、最後まで諦めずに戦ってきた。
三つの世界すべての人間を救う事はできないかもしれないが、自分の手が届く人達だけでも守ってみせる。
そう願って戦い続けたキヅカだが、その願いを傲慢だと指摘する者が現れた。
『あなたは無意識のうちに救うべき人々を選別している。その有り余る力は、あなたの意識を他者よりも上にある上位の存在として認識させる。それは有り余る力を根源とした傲慢。その傲慢はあなたを増長させ、神を脅かす存在になる』
さらにキヅカはハンターとしての強さが次なる脅威になるとも言われていた。
「どうだろうね。そもそも最初から救世主だと自覚している存在がどれ程いるのかな? 皆、最初はキミの言う『凡人』じゃないのかい?」
八島がキヅカの前にフルーツコンポートが乗せられた皿を目の前に置いた。
だが、キヅカは気付かない。キヅカの脳裏に様々な出来事が思い浮かぶ。
何の力もない駆け出しのハンターだった頃、ハジャに言ったあの日の台詞。
そんな未来は間違ってる。ただ湧き上がる衝動のまま抗って打ちのめされたあの日。
「……分からない。膨大な力を持つ者は救世主……いや怪物なのかもしれない」
「仮にそうだとしても、キミを止める存在が他にいるんじゃないのかい?」
キヅカはイクタサの言葉で思い出す。
キヅカもたった一人で戦ってきた訳ではない。必ず傍に誰かがいた。
仮に膨大な力で怪物になろうとしても、誰かが人間に引き戻してくれる。
さらにイクタサは言葉を付け加える。
「いいかい。キミが悩むのは、当たり前の事だ。みんな悩みながら戦っていた。それこそ矛盾を抱えながらね」
「当たり前……」
キヅカはイクタサの言葉を繰り返した。
この苦しみがあるからこそ、キヅカは人間でいられる。
同時に、悩む事が生きる事でもある。手を伸ばして、届かなくて。それでも、と何度でも抗い続ける。
「イクタサ。僕は邪神の世界をすべて救いたいなんて思わない。だけど、あの邪神が背負った願いをただ討てばいいとも思わない。誰かの願いでしか自分の輪郭を保てない。アイツは……」
僕なんだ。
キヅカは最後の言葉を飲み込んだ。
今はその術が分からない。だが、きっと何か方策があるはずだ。
「今までと同じように諦めず最後まで悩みな。
そして答えを見つけてごらん。誰かの言葉じゃない。自分の言葉でその本当の答えって奴を仲間に告げるんだ」
キヅカの決意を促すかのように大巫女は言葉をかける。
悩む事は恥ではない。それは諦めず戦い続ける事と変わらない。
「イクタサ、もう一つ教えてくれ」
そう言ってキヅカが取り出したのは星の記憶石だ。
「この石が守護兵器に変わった時、僕はどれだけ『降ろせる』のか?」
キヅカはナディア・ドラゴネッティ(kz0207)が行っている大精霊の器についてだ。
万一を考えてキヅカは器になる覚悟なのだろう。
しかし――。
「ごめん。それはボクにもはっきりとは分からない。ただ、絶対不可能ではないはずだよ。相応の素養や条件は必要だろうから簡単ではないだろうけどね」
●
「聞いてもいいかな?」
天央 観智(ka0896)はイクタサに質問する。
本来であればイクタサが適任でない質問なのは理解しているが、現状で一番詳しいと思われるのがイクタサである以上、質問しない手はない。
「大精霊クリムゾンウェストは、あとどの程度世界を食べられますか?」
「……!」
観智の直接な質問にイクタサは少々驚いたようだ。
既にエバーグリーンやリアルブルーと深い関係を持っているクリムゾンウェストだ。もし、無尽蔵に世界を取り込めるとするならば邪神に対抗する可能性は残されている。
「まず、クリムゾンウェストの容量はまだ十分あるよ。そもそも、この世界を取り込むという能力は邪神に一度砕かれて致命傷を負った事、邪神が異世界を喰らう行為から着想した奇跡的な特性だからね。無尽蔵って訳にはいかないだろうけど、まだ世界を取り込む余地はあるね」
イクタサは、この異世界を取り込む能力自体がイレギュラーに発生した能力だと言っている。
幸いにもエバーグリーンやリアルブルーと比較すると小さいクリムゾンウェストだったからこそ、他の世界を取り込む事ができた。だ
「そうか」
「だけど……」
そこで、イクタサは言葉を濁す。
「邪神レベルかというとそれは分からないかな。希望がある、と言い切るのも微妙な賭けだね。元々とがイレギュラーの能力だし」
「もう一つ教えて下さい。封印領域マグ・メルを作り、希望を繋いだ……力のリソースは何でしょう?」
封印領域マグ・メルは大精霊を封じていた場所だが、この場所がどのように築かれたかを観智は知りたいようだ。
仮にそのリソースが精霊だというなら大精霊の意志を無視した事になる。逆に精霊に関わりが無い力があるなら、ヒトの意志だけで為し得た事なのだろうか。邪神の管轄下で確実に存在しないモノは『諦めない』事と考える観智は、この邪神の勢力が探している再誕への一欠片だとも考えていた。
「大精霊をマグ・メルに封じていたのは大精霊自身だよ。特殊なリソースはないよ」
「……? どういう事?」
「古代人は人間に降霊させて大精霊の一部を顕現させていたんだ。今のナディアのようにね。その降霊させた人間の人格を借りてコミュニケーションを取っていたんだ」
つまり、大精霊をヒトの側に繋ぎ止めているのはその降霊させた人間であり、降霊させた人間が死亡すれば大精霊はこの顕現を維持できなくなる。
マグ・メルはいざというの為に作られたシェルターに近い場所で、大精霊は降霊した人間に力を貸すと同時に自分を封じる檻を一緒に作った。マグ・メルに封じられていたのも降霊した人間が入って自らの命を絶って降霊を解除したに過ぎない。
「となると、そうしたパワーは存在しないという訳か」
「そうなるね。残念だけど」
観智は聞いていた情報を元に次なる手を思案し始める。
観智もまた決して諦めず、最後まで選択に『抗う』つもりのようだ。
●
「まずは今回の場を提供してくれた大巫女とイクタサに感謝しますよ。これは礼と考えてもらえれば」
Gacrux(ka2726)はイクタサへの質問の場を設けた大巫女へ感謝を述べると同時に、多くのお茶や食事を用意した。
バラエティ-ランチ、揚げ林檎豚のクレープ、海のトルタサラータ。お茶もハーブティー「リスペルン」やデュニクスワイン「ロッソフラウ」まで準備していた。それだけ今回の機会を重要に考えていたのだろう。
「こりゃまた随分と用意したねぇ。ありがたくいただくとするよ。
……で、あんたは何をイクタサ様に聞くんだい?」
大巫女は手近にあったクレープを掴みながら、大巫女はGacruxへ質問を促す。
Gacruxは咳払いをすると改めてイクタサへ向き直る。
「生命が願い、祈る限りは大精霊……星のマテリアルは枯渇しないのでは? 星の寿命はそれとは無関係に訪れますか?」
「どういう事?」
「この星の神霊樹の記憶機能にも限界があると推測します。ですが、それは神霊樹を含む星の周辺機能であり、大精霊のマテリアル保有量事態は無限であるという解釈でよろしいですか?」
Gacruxはクリムゾンウェストのマテリアルが無限と考えていた。
巫女が祈る事で負のマテリアルが浄化されるようにヒトが祈る事でマテリアルが生じる。もし、そうであるならばヒトの力を結集すればマテリアルが無限に精製できるのではないか、と考えたのだ。
「ヒトが祈ってもマテリアルの絶対量は増えないよ。祈る事で惑星のマテリアルがその場所に集中して浄化されたり、精霊が顕現しやすくなるだけだからね。マテリアルが無から発生している訳じゃないんだ」
人間が祈る事で浄化できているのも、惑星を観測する事でその状態を神に伝えているに過ぎない。過去の作戦で『人間は星の観測者である』と言われた所以はここにある。
「そうですか……だとすると全人類の祈りが一丸になれば邪神召喚に対抗し得る結界陣を星にかける事は……」
「難しいかもね。結界の仕組みにもよるけど」
「あともう一つ、お聞きしたい事があります」
Gacruxは食い下がるようにイクタサへ問いかける。
実はこの質問こそが、Gacruxにとって本命。一番重要視していた質問であった。
「死生の理として、星の全ての生命に輪廻転生があるとすれば……マテリアルが巡ればいずれその命はクリムゾンウェストに還ってくるのでしょうか? 以前出会った歪虚が『還った』と言っていたのでこの星のマテリアルに還ったなら、可能性はあると考えてます」
歪虚が死亡した場合、負のマテリアルも星のマテリアルの流れに乗って循環していれば、いずれその歪虚はクリムゾンウェストの地へ蘇るのではないか。
Gacruxはその質問にある種の希望を抱きながら投げかけた。イクタサはGacruxの態度から素早くそれを感じ取る。
「それ、誰か特定の人が蘇る事を期待していたりする?」
「…………」
「ま、いいか。残念だけど歪虚は死んだらそれでおしまい。マテリアルの粒になって消滅するんだ。だから、何処にも残らないよ」
イクタサも歪虚の詳しい成り立ちまでは知らないと断りを入れた上で説明してくれた。
確かに輪廻転生の思想はクリムゾンウェストにも存在する。だが、死者の魂やマテリアルがいつか巡って蘇る保証はない。マテリアルは惑星に還るが、新たな生物が発生するリソースとして消費される。そこには前者の記憶は介在しない。つまり、生まれ変わる訳ではないのだ。
さらに歪虚は邪神に取り込まれて歪虚になった者も含めて消滅させる以外に未来はない。星の生命へ転生させる事もできない。
「歪虚を歪虚以外の何かに存在する方法は存在しないよ。負のマテリアルは基本的に消えるだけだからね」
「……そうですか」
Gacruxは静かに、そう呟いた。
……で、何? 早く済ませてくれるとありがたいんだけど」
シンタチャシの小屋を訪れたハンター達の前でイクタサ(kz0246)は、気怠そうに言い放った。
歪虚との和平交渉を前に選択と共に責任を負わされるハンターを案じた大巫女(kz0219)が、せめて選択の役に立てばとイクタサとハンターの面通りを実現させたのだ。
「イクタサ。実はファリフから……」
「……!」
八島 陽(ka1442)が口にした名前を聞いた途端、イクタサは突然体を前のめりにする。
先程までやる気なさげな態度だったが、名前一つで火が付いたようだ。
ファリフ・スコール(kz0009)――その名前は絶大な効果を発揮する。
「ファリフがボクに何か言いたい事があったのかい? それはきっとボクに早く会いたいとかかな? 相変わらず恥ずかしがり屋だな。だが、それがいい。
あれ? でも、なんでファリフは今日いないの?」
矢継ぎ早に次々と紡がれる言葉。
八島は切れ目を見つけ、ようやく口を挟む。
「連合軍の仕事で忙しいみたいなんだ。オレもここに呼べないかと思ったんだけど」
「なーんだ。つまらないなぁ」
一度は火のついたテンションだったが、再び気怠そうなイクタサに戻ってしまう。
「イクタサ。ファリフへの宣託はイクタサからの物なのかな?」
ファリフへの宣託。
それはファリフが求め続けた『星の友』を集める事だった。ファリフはその宣託に従い、様々な人と出会った。もし、イクタサが与えた宣託であるなら、ファリフは本当に星の友と出会えているのだろうか。
そして、ハンター達が星の友であるなら、八島達は星の友たり得たのだろうか。
「そう。それはボクが託したものだよ。ファリフは人と人を繋ぐ素養がある」
「素養?」
「歪虚を倒すには単独で戦ってはダメなんだ。すべての力を結集して対抗しなければ勝てない相手。だから、ファリフには星の友を探してもらったんだ。そうすれば必ず歪虚に対抗する力を集められるから。
ハンターであるキミ達は星の友として十分働いてくれているよ。そうでなければ、とうの昔にこの星は滅んでいたよ」
八島はハーブティー「リスペルン」と特製フルーツコンポートを準備しながら、心の中で安堵していた。
ファリフを一つの切っ掛けとしてクリムゾンウェストで戦う事ができた。それも各世界が共に歩調を合わせて戦えた事は大きな意味があった。
「ボクからもいいかい? キミは選択をどうする?」
「正直、分からない。三つの選択肢が本当に正しいのか」
八島は選択について思い悩んでいた。
殲滅を選べば勝てても甚大な被害を受ける。辺境一つとっても部族会議が国家へ昇格する事は不可能となるだろう。
封印を選べば邪神に抗えた理由――ヒトと精霊、世界と世界が分断される為、封印が破られれば各個撃破される。
恭順は負のマテリアルのみで宇宙再誕に至るとは思えない。それに再誕しても今いる者はそこにいない事になる。
「想いを引き継ぐ者が残らないなら、三つの選択肢はどれも値しない。もしかしたら、選択自体が罠じゃないかって思うぐらいだ」
「キミの答えがこの選択にはない、という訳だね。なら、キミの答えをギリギリまで探し続けるべきだよ」
「え?」
「ボクは星の意志である大精霊の一部だからね。邪神は殲滅以外考えられない。そしてそれに対するリスクも理解はしている。その選択で多くのヒトが死滅し、不幸になる。それでもボクは殲滅以外は選べない。
でも、キミ達は諦めが悪いのだろう? もしかしたら、それ以外の方法を見つけられるかもしれない」
イクタサの言葉を八島は反芻する。
八島達がここまで来られたのはファリフが力を結集したからだけではない。諦めず最後まで戦った事も忘れてはならない。邪神内に保存中の各世界の未来をハンターがイレギュラーとして見出し、想いを引き継ぐ事で一つずつ地道にループを断ち切っていけば……。
八島は三つの選択肢以外の可能性を思案し始めていた。
●
八島が特製フルーツコンポートを切り分け終わった頃、耳を傾けていた大巫女は次に質問するハンターを募った。
「次は誰が質問するんだい?」
「僕でいいかい?」
挙手したのはキヅカ・リク(ka0038)であった。
その顔は少々落ち込んでいるようにも見える。
少しばかりの沈黙の後、キヅカはゆっくりと口を開ける。
「イクタサ、教えてくれ。世界を救うのは……救世主でないとダメなのか。凡人が世界を救いたいというのはおかしいのか?」
キヅカが思い悩む切っ掛けは先日の青髯討伐戦の最中にあった。
この世界に転移してから様々な出会いと別れがあり、キヅカはそこにあった想いに従って戦ってきた。キヅカはキヅカなりに戦い、最後まで諦めずに戦ってきた。
三つの世界すべての人間を救う事はできないかもしれないが、自分の手が届く人達だけでも守ってみせる。
そう願って戦い続けたキヅカだが、その願いを傲慢だと指摘する者が現れた。
『あなたは無意識のうちに救うべき人々を選別している。その有り余る力は、あなたの意識を他者よりも上にある上位の存在として認識させる。それは有り余る力を根源とした傲慢。その傲慢はあなたを増長させ、神を脅かす存在になる』
さらにキヅカはハンターとしての強さが次なる脅威になるとも言われていた。
「どうだろうね。そもそも最初から救世主だと自覚している存在がどれ程いるのかな? 皆、最初はキミの言う『凡人』じゃないのかい?」
八島がキヅカの前にフルーツコンポートが乗せられた皿を目の前に置いた。
だが、キヅカは気付かない。キヅカの脳裏に様々な出来事が思い浮かぶ。
何の力もない駆け出しのハンターだった頃、ハジャに言ったあの日の台詞。
そんな未来は間違ってる。ただ湧き上がる衝動のまま抗って打ちのめされたあの日。
「……分からない。膨大な力を持つ者は救世主……いや怪物なのかもしれない」
「仮にそうだとしても、キミを止める存在が他にいるんじゃないのかい?」
キヅカはイクタサの言葉で思い出す。
キヅカもたった一人で戦ってきた訳ではない。必ず傍に誰かがいた。
仮に膨大な力で怪物になろうとしても、誰かが人間に引き戻してくれる。
さらにイクタサは言葉を付け加える。
「いいかい。キミが悩むのは、当たり前の事だ。みんな悩みながら戦っていた。それこそ矛盾を抱えながらね」
「当たり前……」
キヅカはイクタサの言葉を繰り返した。
この苦しみがあるからこそ、キヅカは人間でいられる。
同時に、悩む事が生きる事でもある。手を伸ばして、届かなくて。それでも、と何度でも抗い続ける。
「イクタサ。僕は邪神の世界をすべて救いたいなんて思わない。だけど、あの邪神が背負った願いをただ討てばいいとも思わない。誰かの願いでしか自分の輪郭を保てない。アイツは……」
僕なんだ。
キヅカは最後の言葉を飲み込んだ。
今はその術が分からない。だが、きっと何か方策があるはずだ。
「今までと同じように諦めず最後まで悩みな。
そして答えを見つけてごらん。誰かの言葉じゃない。自分の言葉でその本当の答えって奴を仲間に告げるんだ」
キヅカの決意を促すかのように大巫女は言葉をかける。
悩む事は恥ではない。それは諦めず戦い続ける事と変わらない。
「イクタサ、もう一つ教えてくれ」
そう言ってキヅカが取り出したのは星の記憶石だ。
「この石が守護兵器に変わった時、僕はどれだけ『降ろせる』のか?」
キヅカはナディア・ドラゴネッティ(kz0207)が行っている大精霊の器についてだ。
万一を考えてキヅカは器になる覚悟なのだろう。
しかし――。
「ごめん。それはボクにもはっきりとは分からない。ただ、絶対不可能ではないはずだよ。相応の素養や条件は必要だろうから簡単ではないだろうけどね」
●
「聞いてもいいかな?」
天央 観智(ka0896)はイクタサに質問する。
本来であればイクタサが適任でない質問なのは理解しているが、現状で一番詳しいと思われるのがイクタサである以上、質問しない手はない。
「大精霊クリムゾンウェストは、あとどの程度世界を食べられますか?」
「……!」
観智の直接な質問にイクタサは少々驚いたようだ。
既にエバーグリーンやリアルブルーと深い関係を持っているクリムゾンウェストだ。もし、無尽蔵に世界を取り込めるとするならば邪神に対抗する可能性は残されている。
「まず、クリムゾンウェストの容量はまだ十分あるよ。そもそも、この世界を取り込むという能力は邪神に一度砕かれて致命傷を負った事、邪神が異世界を喰らう行為から着想した奇跡的な特性だからね。無尽蔵って訳にはいかないだろうけど、まだ世界を取り込む余地はあるね」
イクタサは、この異世界を取り込む能力自体がイレギュラーに発生した能力だと言っている。
幸いにもエバーグリーンやリアルブルーと比較すると小さいクリムゾンウェストだったからこそ、他の世界を取り込む事ができた。だ
「そうか」
「だけど……」
そこで、イクタサは言葉を濁す。
「邪神レベルかというとそれは分からないかな。希望がある、と言い切るのも微妙な賭けだね。元々とがイレギュラーの能力だし」
「もう一つ教えて下さい。封印領域マグ・メルを作り、希望を繋いだ……力のリソースは何でしょう?」
封印領域マグ・メルは大精霊を封じていた場所だが、この場所がどのように築かれたかを観智は知りたいようだ。
仮にそのリソースが精霊だというなら大精霊の意志を無視した事になる。逆に精霊に関わりが無い力があるなら、ヒトの意志だけで為し得た事なのだろうか。邪神の管轄下で確実に存在しないモノは『諦めない』事と考える観智は、この邪神の勢力が探している再誕への一欠片だとも考えていた。
「大精霊をマグ・メルに封じていたのは大精霊自身だよ。特殊なリソースはないよ」
「……? どういう事?」
「古代人は人間に降霊させて大精霊の一部を顕現させていたんだ。今のナディアのようにね。その降霊させた人間の人格を借りてコミュニケーションを取っていたんだ」
つまり、大精霊をヒトの側に繋ぎ止めているのはその降霊させた人間であり、降霊させた人間が死亡すれば大精霊はこの顕現を維持できなくなる。
マグ・メルはいざというの為に作られたシェルターに近い場所で、大精霊は降霊した人間に力を貸すと同時に自分を封じる檻を一緒に作った。マグ・メルに封じられていたのも降霊した人間が入って自らの命を絶って降霊を解除したに過ぎない。
「となると、そうしたパワーは存在しないという訳か」
「そうなるね。残念だけど」
観智は聞いていた情報を元に次なる手を思案し始める。
観智もまた決して諦めず、最後まで選択に『抗う』つもりのようだ。
●
「まずは今回の場を提供してくれた大巫女とイクタサに感謝しますよ。これは礼と考えてもらえれば」
Gacrux(ka2726)はイクタサへの質問の場を設けた大巫女へ感謝を述べると同時に、多くのお茶や食事を用意した。
バラエティ-ランチ、揚げ林檎豚のクレープ、海のトルタサラータ。お茶もハーブティー「リスペルン」やデュニクスワイン「ロッソフラウ」まで準備していた。それだけ今回の機会を重要に考えていたのだろう。
「こりゃまた随分と用意したねぇ。ありがたくいただくとするよ。
……で、あんたは何をイクタサ様に聞くんだい?」
大巫女は手近にあったクレープを掴みながら、大巫女はGacruxへ質問を促す。
Gacruxは咳払いをすると改めてイクタサへ向き直る。
「生命が願い、祈る限りは大精霊……星のマテリアルは枯渇しないのでは? 星の寿命はそれとは無関係に訪れますか?」
「どういう事?」
「この星の神霊樹の記憶機能にも限界があると推測します。ですが、それは神霊樹を含む星の周辺機能であり、大精霊のマテリアル保有量事態は無限であるという解釈でよろしいですか?」
Gacruxはクリムゾンウェストのマテリアルが無限と考えていた。
巫女が祈る事で負のマテリアルが浄化されるようにヒトが祈る事でマテリアルが生じる。もし、そうであるならばヒトの力を結集すればマテリアルが無限に精製できるのではないか、と考えたのだ。
「ヒトが祈ってもマテリアルの絶対量は増えないよ。祈る事で惑星のマテリアルがその場所に集中して浄化されたり、精霊が顕現しやすくなるだけだからね。マテリアルが無から発生している訳じゃないんだ」
人間が祈る事で浄化できているのも、惑星を観測する事でその状態を神に伝えているに過ぎない。過去の作戦で『人間は星の観測者である』と言われた所以はここにある。
「そうですか……だとすると全人類の祈りが一丸になれば邪神召喚に対抗し得る結界陣を星にかける事は……」
「難しいかもね。結界の仕組みにもよるけど」
「あともう一つ、お聞きしたい事があります」
Gacruxは食い下がるようにイクタサへ問いかける。
実はこの質問こそが、Gacruxにとって本命。一番重要視していた質問であった。
「死生の理として、星の全ての生命に輪廻転生があるとすれば……マテリアルが巡ればいずれその命はクリムゾンウェストに還ってくるのでしょうか? 以前出会った歪虚が『還った』と言っていたのでこの星のマテリアルに還ったなら、可能性はあると考えてます」
歪虚が死亡した場合、負のマテリアルも星のマテリアルの流れに乗って循環していれば、いずれその歪虚はクリムゾンウェストの地へ蘇るのではないか。
Gacruxはその質問にある種の希望を抱きながら投げかけた。イクタサはGacruxの態度から素早くそれを感じ取る。
「それ、誰か特定の人が蘇る事を期待していたりする?」
「…………」
「ま、いいか。残念だけど歪虚は死んだらそれでおしまい。マテリアルの粒になって消滅するんだ。だから、何処にも残らないよ」
イクタサも歪虚の詳しい成り立ちまでは知らないと断りを入れた上で説明してくれた。
確かに輪廻転生の思想はクリムゾンウェストにも存在する。だが、死者の魂やマテリアルがいつか巡って蘇る保証はない。マテリアルは惑星に還るが、新たな生物が発生するリソースとして消費される。そこには前者の記憶は介在しない。つまり、生まれ変わる訳ではないのだ。
さらに歪虚は邪神に取り込まれて歪虚になった者も含めて消滅させる以外に未来はない。星の生命へ転生させる事もできない。
「歪虚を歪虚以外の何かに存在する方法は存在しないよ。負のマテリアルは基本的に消えるだけだからね」
「……そうですか」
Gacruxは静かに、そう呟いた。
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 |