ゲスト
(ka0000)
狐を助けて!
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/01/28 19:00
- 完成日
- 2015/02/07 18:30
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
久方ぶりの積もる雪だった。
工場の庭が真っ白だ。
「こりゃぁ……エンリコ君が来たら、雪かきだなぁ……」
屈んで一掬い握り取った雪は、掌の温度で溶けて流れた。
阪井紡績有限会社、社長兼フマーレ第一工場の工場長・阪井輔。若い頃にリアルブルーから流れ着き、数十年を経て蒸気工場都市フマーレにて紡績工場を開設。数百のスピンドルを日夜からからと回転させ、織機用の糸を紡ぐ日々。
今日も早朝出勤し、道ながら夜半に積もった雪を眺めた。
随分冷えると思ったら、結構降っていたらしい。
凍ったように冷たい門扉を開け、無垢な雪に足跡を刻みながら……
「おや?」
そこに小さな足跡を見つけた。
●
「エンリコ君」
工場の、現在唯一の社員エンリコ・アモーレ、フマーレに暮らす青年。阪井の声が厳しく彼を呼ぶ。
エンリコは背筋を伸ばして肩をびくつかせた。
阪井は深々と溜息を吐いた。
「……昨日は君に施錠をお願いしたはずだったね」
「……、……、……あ――――も、申し訳ありませんっしたー」
エンリコは瞬き三回、90度に頭を下げた。
「何か、……損害が」
こっそりと視線を機械に巡らせる。泥棒にでも入られただろうか、しかし、変わった様子も無い。
阪井は苦い表情のままで首を横に。そして、しぃっと人差し指を口元に立てる。
かたかた、……、かたかた。
「な、何の音、何かいます! 変な音、してます!」
エンリコが飛び上がって、阪井に身を寄せた。音の聞こえた機械の方を指さしながら、肩を震わせている。
「やっぱ、何かに忍び込まれて……」
「――はは、随分、可愛らしいお客さんに入られてしまってね……」
阪井は床に這って機械の隙間を覗く。歯車や支柱の間からふさふさの毛並みが覗える。エンリコを招くと、それを指さし、声を上げそうな口を片手で押さえた。
「……犬? い、いや、あの尻尾は……狐……?」
膝と手の埃を払い、阪井はまた深々と息を吐いた。
「これじゃあ、今日は動かせないね。……まあ、表の雪かきをしようか。溶ける前に済ませないと、泥濘になってしまうからね」
スコップが倉庫にあっただろう、とエンリコを促して。
●
倉庫から引っ張り出したスコップを担いでエンリコは空を見上げた。快晴だ。
そこへ、ふらりと通りがかった出勤前の受付嬢、案内人を自称してあちらこちらを彷徨いている。
「おはようございまーす!」
案内人が門の向こうから手を振ると、エンリコがスコップを持ち上げて応える。
「これから庭の雪かきっすよー」
「ふぁー、頑張って下さいねー。あ、ハンターさんの手が必要ですか?」
「いや、これくらいなら俺と阪井さんで十分……それより、ちょっと頭貸して貰えません?」
エンリコに招かれて案内人は工場の中へ、機械の隙間に揺れる尻尾を覗き込む。
阪井は機械をつついておびき出そうとしているが、眠っているのか動く気配は無い。息遣いの微かな蠢きが奥の部品を微かに揺らして小さな音を立てるばかりだ。
「あいつを、どうにかして貰えませんか?」
床にぺたりと座り込んで、案内人は首を捻る。
「難しそうですね……でも、ハンターさんなら、きっと、無傷で、完璧に、救出してくれますよ!」
けれどもすぐに、にっこり、笑顔で、任せて下さい。
ハンターオフィス掲示板に急ぎの依頼が掲げられた。
『狐を助けてあげて下さい!』
久方ぶりの積もる雪だった。
工場の庭が真っ白だ。
「こりゃぁ……エンリコ君が来たら、雪かきだなぁ……」
屈んで一掬い握り取った雪は、掌の温度で溶けて流れた。
阪井紡績有限会社、社長兼フマーレ第一工場の工場長・阪井輔。若い頃にリアルブルーから流れ着き、数十年を経て蒸気工場都市フマーレにて紡績工場を開設。数百のスピンドルを日夜からからと回転させ、織機用の糸を紡ぐ日々。
今日も早朝出勤し、道ながら夜半に積もった雪を眺めた。
随分冷えると思ったら、結構降っていたらしい。
凍ったように冷たい門扉を開け、無垢な雪に足跡を刻みながら……
「おや?」
そこに小さな足跡を見つけた。
●
「エンリコ君」
工場の、現在唯一の社員エンリコ・アモーレ、フマーレに暮らす青年。阪井の声が厳しく彼を呼ぶ。
エンリコは背筋を伸ばして肩をびくつかせた。
阪井は深々と溜息を吐いた。
「……昨日は君に施錠をお願いしたはずだったね」
「……、……、……あ――――も、申し訳ありませんっしたー」
エンリコは瞬き三回、90度に頭を下げた。
「何か、……損害が」
こっそりと視線を機械に巡らせる。泥棒にでも入られただろうか、しかし、変わった様子も無い。
阪井は苦い表情のままで首を横に。そして、しぃっと人差し指を口元に立てる。
かたかた、……、かたかた。
「な、何の音、何かいます! 変な音、してます!」
エンリコが飛び上がって、阪井に身を寄せた。音の聞こえた機械の方を指さしながら、肩を震わせている。
「やっぱ、何かに忍び込まれて……」
「――はは、随分、可愛らしいお客さんに入られてしまってね……」
阪井は床に這って機械の隙間を覗く。歯車や支柱の間からふさふさの毛並みが覗える。エンリコを招くと、それを指さし、声を上げそうな口を片手で押さえた。
「……犬? い、いや、あの尻尾は……狐……?」
膝と手の埃を払い、阪井はまた深々と息を吐いた。
「これじゃあ、今日は動かせないね。……まあ、表の雪かきをしようか。溶ける前に済ませないと、泥濘になってしまうからね」
スコップが倉庫にあっただろう、とエンリコを促して。
●
倉庫から引っ張り出したスコップを担いでエンリコは空を見上げた。快晴だ。
そこへ、ふらりと通りがかった出勤前の受付嬢、案内人を自称してあちらこちらを彷徨いている。
「おはようございまーす!」
案内人が門の向こうから手を振ると、エンリコがスコップを持ち上げて応える。
「これから庭の雪かきっすよー」
「ふぁー、頑張って下さいねー。あ、ハンターさんの手が必要ですか?」
「いや、これくらいなら俺と阪井さんで十分……それより、ちょっと頭貸して貰えません?」
エンリコに招かれて案内人は工場の中へ、機械の隙間に揺れる尻尾を覗き込む。
阪井は機械をつついておびき出そうとしているが、眠っているのか動く気配は無い。息遣いの微かな蠢きが奥の部品を微かに揺らして小さな音を立てるばかりだ。
「あいつを、どうにかして貰えませんか?」
床にぺたりと座り込んで、案内人は首を捻る。
「難しそうですね……でも、ハンターさんなら、きっと、無傷で、完璧に、救出してくれますよ!」
けれどもすぐに、にっこり、笑顔で、任せて下さい。
ハンターオフィス掲示板に急ぎの依頼が掲げられた。
『狐を助けてあげて下さい!』
リプレイ本文
●
朝日の眩しさに目を眇めて、工場へと向かう。
門を入って真っ直ぐ、扉までの雪を一直線だけ片付けて、阪井とエンリコがハンター達を迎えた。
「フランチェスカじゃ。よろしく願いするぞよ」
フランチェスカ・アヴィーナ(ka1862)がくるりとハンター達と2人の依頼人を見回す。
地面を眺めていた岩井崎 旭(ka0234)が「よろしく」と顔を上げた。
「急ぎらしいし。キツネ、可愛いからな……猫じゃらし、見つかんねーかな……」
彼が拾ってきた数本の枝を抱え直と、軽い音が鳴った。猫じゃらしは雪の下で枯れてしまっているらしい。
「動物なら、任せろ」
リアルブルーでも野生生物の多い土地から来たハニーラヴァ・ベア(ka3793)が胸を張った。
「慣れてっからな、大丈夫だと思うぜ」
頼もしいねと頷いて、阪井が工場の扉を開ける。煉瓦造りの建物の中は機械が止まっており、とても静かだ。
阪井は右手奥の機械の前にハンター達を招き、その下を覗いて狐の場所と状態を伝えると、後は頼んだと表へ出てスコップを担ぐ。
「――早く助けて、もふもふし……もとい、元の所に返してやらねーとな」
機械の隙間から黄金色の毛並みを覗き、鹿島 雲雀(ka3706)が呟いて、咳払いをひとつ置いて言い直す。
「寒いな。こいつにも、まずは、暖を与えてやらねーとな」
ジオラ・L・スパーダ(ka2635)が頷いて、隣から覗き込む。
「衰弱してるっていう事は、命の危機って事でもあるからな」
「おう、体温が下がるのも時間の問題だ」
不安げに唇を結び、何か暖房器具は無いかと屋内を見回す。
それらしい物は見当たらないが、この中で火を付けるには燃える物が多い。機械の上部には綿、手前のスピンドルにも糸が厚く巻かれている。回りを片付けても火花1つで燃え上がってしまいそうだ。
大柄な体を屈めてエヴァンス・カルヴィ(ka0639)は機械の下から狐を覗き込む。
「…………怖くないぞ……?」
隙間から指を揺らしてみるが、狐は丸くなったまま反応を見せない。その柔らかそうな毛並みが穏やかに揺れることに安堵しながら立ち上がる。怪我をしている様子は無いが、手当の道具は用意した方が良さそうにも見えた。
狐を前に話し合ったハンター達は、餌となりそうな山芋と葡萄、油揚げそれを加工する調理道具と、捕まえるためのタオルや毛布、手当の道具、暖房器具と、入り用そうな物をまとめた。
エンリコが様子を見に顔を出すと、丁度良かったと鹿島が手を振る。
「温めてやりたいんだよ」
親指で機械の下、そこに丸まった狐を指して。ここで火を出せるかと尋ねる。岩井崎も薪にしようと抱えてきた枝に視線を落とした。
ぽんと手を打ってエンリコは2人を連れて外へ、煉瓦の壁に沿って裏まで歩くと1箇所陰るところがあった。土は湿気っているが雪は無い。仰ぐと張り出した狭い露台の裏側が見えた。
「寒い時はここで火を焚いて、その辺の鉄屑とか石とか焼いて温めてるんす。後でバケツとか持って来ますね」
岩井崎が焦げた跡のある地面に枝を下ろす。置きっ放しにされていた燐寸を灯し投げ込むと、暫く燻った火が煙を吐いて燃え上がる。
火が落ち着く頃、エンリコから火箸と石、焼けた石を運ぶバケツが届けられた。
狐にと挙げた食べ物の中で、芋は幸いにもエンリコの家にあるらしい。その他の道具、毛布や包帯とも合わせてすぐに揃うだろうと伝えられた。
「……豆腐屋は、有るらしいんだけど、ここからはすっごく遠いって阪井さん言ってたんすよ……あ、あと、葡萄って干してあっても良いっすか?」
「肉は無いかな? キツネが食べそうな、ネズミ、スズメ……」
ハニーラヴァが、キツネの食性を思い出しながら尋ねた。
エンリコは空を眺め、地面を眺め、冬だからなと首を捻る。
「……鶏肉でいいっすか?」
そう、困ったように頬を掻いた。
工具とロープは倉庫に、紐は紡ぎたての物を適宜ちぎって使って欲しい、他に何かあったら工場長にと言い残し、エンリコは走っていく。
「まずは、真っ直ぐ出てきて貰うためのバリケード作りぞ」
フランチェスカは屈んで隙間へ手を伸ばす。キツネには届かないが、機械の下はキツネが出口を違えてしまいそうな隙間が多い。
「この辺り、塞いでしまうのが良さそうよの……どうかえ?」
「網なんかを張って置いた方が良さそうだな。倉庫を探してくる」
ハニーラヴァが外へ向かうと、ジオラがその後に続いた。
「あたしも行くよ、作っておきたい道具があるんだ」
ぽんと肩に止まった紫色のパルムが、跳ねるように揺れる。今日は手伝って貰うよと目を細めると、いつもよりも高く飛び上がってその居住まいを硬くした。
手が空き、暫くキツネを覗いていたエヴァンスが体を起こす。
「仕事に支障が出ぬよう早めに狐を救出するのであるよ」
「ああ、そうだな」
フランチェスカの言葉に工場内を見回す。歯車の繋がった機械はキツネの潜った場所だけでは無く、全て止められている。
「ま、今は出来ることもなさそうだ。キツネが増えても困るだろうから、表を見てくる」
「そうかえ、妾は……」
「付いててやったらいい」
「そうよな」
白い脚を伸ばし床へ座す。機械に凭れるほど体を近付けてキツネの様子を覗き込んだ。
尻尾が微かに揺れた気がした。
エヴァンスが外に出ると焚き火の温かな風と、薪の爆ぜる音が聞こえる。
「そっちはどうだ」
そちらに向かい鹿島と岩井崎に声を掛けると、火の落ち着いた焚き火で石を炙っているところだった。
熱し終えた幾つかをバケツに積み、手を翳して熱を確かめると、鹿島は工場へ戻っていく。
「これ運んでくるよ。中はまだ寒いだろ?」
「ああ、早く行ってやってくれ」
こくんと頷いて、鹿島は足を急かした。
「中よりここの方が温かいだろ?」
「焚き火ひとつで違うもんだな……それももう焼けるのか」
「ああ、もうすぐだ。食い物が届く頃には中も温かくなるだろう。後は食い物も炙ったら匂いに釣られて起きてこねぇかなって、なー」
エヴァンスの連れた犬が耳の先を揺らしながら焚き火を眺める、くんと鳴いて振り返ると、倉庫からハニーラヴァとジオラが戻ってくるところだった。
工具箱を提げて、倉庫の奥から見つけたらしい麻布やロープ、紐と針金の束と、諸々の道具を抱えて工場へ戻る。
「あ、結構温まるもんだね」
出た時よりも幾らか温かく感じる空気に、ジオラはバケツを指して言う。道具を置くと、その中から薄い板を取り出して筒状に組み合わせる。キツネの様子を覗きながら鼻歌交じりに作業を進めた。最後にロープを通して端を引けば捕獲用の道具に使える。
紡績機の綿を見上げ、使うことになったら宛がっておこうかと手を止めた。
「こちらも、作っておくかえ?」
フランチェスカがハニーラヴァを呼んで機械の下を覗き込む。キツネが動く前に回りを塞いでしまった方が良いだろう。
「ああ。これでどうだろう?」
麻布に残った綿屑を払って広げる。硬い布は山型に折れば自立した。
「ふむ……こう、上手く潜ってくれるじゃろうか?」
「キツネが気に入ってくれたらだね」
小柄な2人で手を添えながら、それを機械の隙間に合わせていく。キツネの近くまで至るが、当のキツネに目覚める気配は無い。麻布の囲いから覗き込んでフランチェスカは溜息を零す。
かんかんと軽い音が鳴り、すぐに「出来た」と声が上がる。
鹿島が板を継ぎ合わせて箱を作っていた。完成した簡素な空箱を置いて、後は、エンリコが持ってくると行ったタオルと、紙くずを詰めるだけだ。
●
4人がそれぞれに捕獲の準備を整えた頃、焚き火に当たっていた岩井崎とエヴァンスの横で彼の柴犬がまた、くんと鳴いた。
「お待たせしましたー」
すっかり日も昇りきった頃、雪の溶けた水溜まりを踏みながらエンリコが帰ってきた。
「いやー、油揚げ、ありましたよ。豆腐よりも持ちが良いからって、いつもよりちょっと先の……あ、阪井さん」
「エンリコ君はそれを届けたら、すぐにスコップを持って庭に来なさい」
「はーい。じゃ、ハンターさん、コレ。後は頼みます」
エンリコは肩を竦めてスコップを担いだ。
荷物を受け取ると、岩井崎は炙って持って行くと油揚げと肉を取り出す。
残りを抱えて、エヴァンスは工場に戻った。
肉と干しぶどう、芋と油揚げと餌を並べ、毛布とタオル、包帯も取り敢えずは……とフランチェスカに、調理道具は鹿島に渡す。
ジオラは干しぶどうをひとつ摘まむと、パルムを床に降ろして麻布のアーチの中を進ませる。
「緊張するな。……コレをあの子に届けてやってくれ。引っ張り出すのは可哀想だろ?」
長身を屈めて囲いの中を覗き込むと、柔らかそうな尾が揺れた。
パルムは時折飛び上がりながら少しずつ進んでいった。
エヴァンスは犬に持参した餌を見せるが、人向けの塩気はどうも合わないらしい。犬の鼻先は未加工の鶏肉へ向いた。
「これか? よし、行くぞ」
一口大に切った肉をパルムに持たせ。ジオラの送った紫のパルムに続かせる。
2匹のパルムが誘うが、出てくる気配は無い。
「やっぱ、あーいう狭い空間が一番落ち着くんだろうなぁ。防衛本能か何かが働いてるんだっけか?」
鹿島は出てきたら食べさせようといくつかの材料を選んで刻む。
ボールの中に完成したそれを掻き混ぜながら、食べさせるためにも出てこないかと様子を覗う。狭い場所は落ち着くだろうが、そのままでは更に弱ってしまうだろう。
ふっと鼻腔を芳ばしい匂いが擽る。
振り返ると岩井崎が火箸に肉と油揚げを挟んで戻ってきていた。
「食べ物の匂いに釣られないかと思ってな」
まだ熱いと言いながら、キツネの麻布の近くでそれを揺らす。
薄い煙と油揚げと鶏肉の脂の匂いが広がり、キツネの側にも漂っていく。
「ハニーラヴァが言ってただろ? 肉食に近い雑食。だから、油揚げと鶏の脂の匂いな」
動物の脂で揚げられたら良かったけど、と火箸の先を揺らしながら。
ハニーラヴァはパルムの運ぶ餌にキツネが食い付かないかと、じっと見詰めている。
餌の近付く気配か焼けた脂の匂いか、キツネの尾がくるりと動いた。
黒い円らな目が瞬いて麻布の中、パルムを見詰める。
「気付いたか?」
「おお、目覚めたようぞよ」
「そのままこっちまで誘ってくるんだ」
麻布を覗っていた岩井崎とフランチェスカが声を上げ、ジオラが潜めた声でパルムを招く。
2匹のパルムが麻布の中を下がり始めると、キツネは前足を伸ばしてその餌を捕まえようとする。
狭い場所で捕まえるように伸ばされる前足を躱しながら、パルム達はそれぞれのハンターの元へ帰ってきた。
キツネがその頭を麻布の外へ覗かせる。
自身を見詰める幾つもの目に呻り、高い音で一度鳴いた。
「……この中に入ってきてくれると嬉しいんだけどな」
パルムに小さく切った芋の欠片を持たせて近付かせ、タオルと紙くずを詰めた木箱を構えると鹿島はキツネの前に屈む。
「俺の顔じゃ怖がらせちまうか?」
指に蜂蜜を一掬い、箱とキツネの間で揺らし、エヴァンスもキツネを箱へと誘う。
その横でフランチェスカは毛布を広げ、キツネの体が麻布を抜け出したら木箱ごと包もうと構えた。
キツネの小さな舌が蜂蜜に触れる。
ちろ、と一瞬だけ伸びたそれが舐め取り、僅かに遠のく指を追って、前足がぱたっと床を叩いた。
尻尾の端がするりと抜け出すと毛布に追われるように箱の中へ、柔らかな場所に収まると蓋をするように毛布が被り、すぐに頭だけが抜け出す。
パルムが集まり、キツネの回りを楽しげに揺れる。新しく得た場所で蜂蜜を舐めながら、もう一度小さな声で鳴いた。
●
木箱の中に収まって毛布に包まれたキツネに、ハンター達の顔にも安堵が浮かんだ。
知らせを受けた阪井とエンリコもスコップを置いて戻ってきた。雪かきは粗方終わったらしい。
「捕まえたんすか」
「いやぁ、助かったよ……どこかな?」
鹿島に箱ごと抱えられたキツネは、フランチェスカに擽られている。
「良きかな良きかな」
機嫌良く笑って、頭をゆっくりと撫でる。
「狐も愛いものよの……のう?」
宝石のような緑の相貌がエヴァンスを捕らえる。栄養価が高いからと言って蜂蜜を指に掬っては狐に差し出していた彼の手が止まった。
視線を逸らし、何かを言い掛けて唇を結ぶ。
「……そうだな」
餌を急かす様に指を舐める、まだ憔悴の色濃い狐を視界の端に。淡い溜息交じりに頷いた。
鹿島の作った流動食も、差し出すスプーンに噛み付くように食べるようになった。
「んー、やっぱり動物ってのはいいよな。ほれ、早く元気になるんだぞ?」
「元気になるのが一番だ。……しかし、野に帰すのか? 必要なら小屋くらい作れそうな材料は倉庫にあったが」
給餌に回った鹿島から箱を受け取り、狐の揺れる耳を眺めながらジオラが尋ねる。
「今度、ジェオルジに行くんです。綿の買い付けに。あの辺少し奥に行くと山があるんで、そこに逃がしてこようかと……それまでに元気になってくれたら良いんですけど」
ハニーラヴァが頷き、そして首を傾がせた。
「すぐには難しそうだな」
彼の差し出す鶏肉には齧り付くものの咀嚼が覚束ないのか噎せるように零している。
「でも、こうして食わせてると、懐くかもな」
放すまでは可愛がってやりたいと岩井崎が潰した芋を指に乗せて差し出した。
空腹が癒えたのか、ハンター達に構われながらくんと小さく鳴いた狐は紙くずを掻き分けるように箱の中に丸くなった。
尻尾を抱えるように身を竦めると、すぅと静かな寝息を立て始めた。
朝日の眩しさに目を眇めて、工場へと向かう。
門を入って真っ直ぐ、扉までの雪を一直線だけ片付けて、阪井とエンリコがハンター達を迎えた。
「フランチェスカじゃ。よろしく願いするぞよ」
フランチェスカ・アヴィーナ(ka1862)がくるりとハンター達と2人の依頼人を見回す。
地面を眺めていた岩井崎 旭(ka0234)が「よろしく」と顔を上げた。
「急ぎらしいし。キツネ、可愛いからな……猫じゃらし、見つかんねーかな……」
彼が拾ってきた数本の枝を抱え直と、軽い音が鳴った。猫じゃらしは雪の下で枯れてしまっているらしい。
「動物なら、任せろ」
リアルブルーでも野生生物の多い土地から来たハニーラヴァ・ベア(ka3793)が胸を張った。
「慣れてっからな、大丈夫だと思うぜ」
頼もしいねと頷いて、阪井が工場の扉を開ける。煉瓦造りの建物の中は機械が止まっており、とても静かだ。
阪井は右手奥の機械の前にハンター達を招き、その下を覗いて狐の場所と状態を伝えると、後は頼んだと表へ出てスコップを担ぐ。
「――早く助けて、もふもふし……もとい、元の所に返してやらねーとな」
機械の隙間から黄金色の毛並みを覗き、鹿島 雲雀(ka3706)が呟いて、咳払いをひとつ置いて言い直す。
「寒いな。こいつにも、まずは、暖を与えてやらねーとな」
ジオラ・L・スパーダ(ka2635)が頷いて、隣から覗き込む。
「衰弱してるっていう事は、命の危機って事でもあるからな」
「おう、体温が下がるのも時間の問題だ」
不安げに唇を結び、何か暖房器具は無いかと屋内を見回す。
それらしい物は見当たらないが、この中で火を付けるには燃える物が多い。機械の上部には綿、手前のスピンドルにも糸が厚く巻かれている。回りを片付けても火花1つで燃え上がってしまいそうだ。
大柄な体を屈めてエヴァンス・カルヴィ(ka0639)は機械の下から狐を覗き込む。
「…………怖くないぞ……?」
隙間から指を揺らしてみるが、狐は丸くなったまま反応を見せない。その柔らかそうな毛並みが穏やかに揺れることに安堵しながら立ち上がる。怪我をしている様子は無いが、手当の道具は用意した方が良さそうにも見えた。
狐を前に話し合ったハンター達は、餌となりそうな山芋と葡萄、油揚げそれを加工する調理道具と、捕まえるためのタオルや毛布、手当の道具、暖房器具と、入り用そうな物をまとめた。
エンリコが様子を見に顔を出すと、丁度良かったと鹿島が手を振る。
「温めてやりたいんだよ」
親指で機械の下、そこに丸まった狐を指して。ここで火を出せるかと尋ねる。岩井崎も薪にしようと抱えてきた枝に視線を落とした。
ぽんと手を打ってエンリコは2人を連れて外へ、煉瓦の壁に沿って裏まで歩くと1箇所陰るところがあった。土は湿気っているが雪は無い。仰ぐと張り出した狭い露台の裏側が見えた。
「寒い時はここで火を焚いて、その辺の鉄屑とか石とか焼いて温めてるんす。後でバケツとか持って来ますね」
岩井崎が焦げた跡のある地面に枝を下ろす。置きっ放しにされていた燐寸を灯し投げ込むと、暫く燻った火が煙を吐いて燃え上がる。
火が落ち着く頃、エンリコから火箸と石、焼けた石を運ぶバケツが届けられた。
狐にと挙げた食べ物の中で、芋は幸いにもエンリコの家にあるらしい。その他の道具、毛布や包帯とも合わせてすぐに揃うだろうと伝えられた。
「……豆腐屋は、有るらしいんだけど、ここからはすっごく遠いって阪井さん言ってたんすよ……あ、あと、葡萄って干してあっても良いっすか?」
「肉は無いかな? キツネが食べそうな、ネズミ、スズメ……」
ハニーラヴァが、キツネの食性を思い出しながら尋ねた。
エンリコは空を眺め、地面を眺め、冬だからなと首を捻る。
「……鶏肉でいいっすか?」
そう、困ったように頬を掻いた。
工具とロープは倉庫に、紐は紡ぎたての物を適宜ちぎって使って欲しい、他に何かあったら工場長にと言い残し、エンリコは走っていく。
「まずは、真っ直ぐ出てきて貰うためのバリケード作りぞ」
フランチェスカは屈んで隙間へ手を伸ばす。キツネには届かないが、機械の下はキツネが出口を違えてしまいそうな隙間が多い。
「この辺り、塞いでしまうのが良さそうよの……どうかえ?」
「網なんかを張って置いた方が良さそうだな。倉庫を探してくる」
ハニーラヴァが外へ向かうと、ジオラがその後に続いた。
「あたしも行くよ、作っておきたい道具があるんだ」
ぽんと肩に止まった紫色のパルムが、跳ねるように揺れる。今日は手伝って貰うよと目を細めると、いつもよりも高く飛び上がってその居住まいを硬くした。
手が空き、暫くキツネを覗いていたエヴァンスが体を起こす。
「仕事に支障が出ぬよう早めに狐を救出するのであるよ」
「ああ、そうだな」
フランチェスカの言葉に工場内を見回す。歯車の繋がった機械はキツネの潜った場所だけでは無く、全て止められている。
「ま、今は出来ることもなさそうだ。キツネが増えても困るだろうから、表を見てくる」
「そうかえ、妾は……」
「付いててやったらいい」
「そうよな」
白い脚を伸ばし床へ座す。機械に凭れるほど体を近付けてキツネの様子を覗き込んだ。
尻尾が微かに揺れた気がした。
エヴァンスが外に出ると焚き火の温かな風と、薪の爆ぜる音が聞こえる。
「そっちはどうだ」
そちらに向かい鹿島と岩井崎に声を掛けると、火の落ち着いた焚き火で石を炙っているところだった。
熱し終えた幾つかをバケツに積み、手を翳して熱を確かめると、鹿島は工場へ戻っていく。
「これ運んでくるよ。中はまだ寒いだろ?」
「ああ、早く行ってやってくれ」
こくんと頷いて、鹿島は足を急かした。
「中よりここの方が温かいだろ?」
「焚き火ひとつで違うもんだな……それももう焼けるのか」
「ああ、もうすぐだ。食い物が届く頃には中も温かくなるだろう。後は食い物も炙ったら匂いに釣られて起きてこねぇかなって、なー」
エヴァンスの連れた犬が耳の先を揺らしながら焚き火を眺める、くんと鳴いて振り返ると、倉庫からハニーラヴァとジオラが戻ってくるところだった。
工具箱を提げて、倉庫の奥から見つけたらしい麻布やロープ、紐と針金の束と、諸々の道具を抱えて工場へ戻る。
「あ、結構温まるもんだね」
出た時よりも幾らか温かく感じる空気に、ジオラはバケツを指して言う。道具を置くと、その中から薄い板を取り出して筒状に組み合わせる。キツネの様子を覗きながら鼻歌交じりに作業を進めた。最後にロープを通して端を引けば捕獲用の道具に使える。
紡績機の綿を見上げ、使うことになったら宛がっておこうかと手を止めた。
「こちらも、作っておくかえ?」
フランチェスカがハニーラヴァを呼んで機械の下を覗き込む。キツネが動く前に回りを塞いでしまった方が良いだろう。
「ああ。これでどうだろう?」
麻布に残った綿屑を払って広げる。硬い布は山型に折れば自立した。
「ふむ……こう、上手く潜ってくれるじゃろうか?」
「キツネが気に入ってくれたらだね」
小柄な2人で手を添えながら、それを機械の隙間に合わせていく。キツネの近くまで至るが、当のキツネに目覚める気配は無い。麻布の囲いから覗き込んでフランチェスカは溜息を零す。
かんかんと軽い音が鳴り、すぐに「出来た」と声が上がる。
鹿島が板を継ぎ合わせて箱を作っていた。完成した簡素な空箱を置いて、後は、エンリコが持ってくると行ったタオルと、紙くずを詰めるだけだ。
●
4人がそれぞれに捕獲の準備を整えた頃、焚き火に当たっていた岩井崎とエヴァンスの横で彼の柴犬がまた、くんと鳴いた。
「お待たせしましたー」
すっかり日も昇りきった頃、雪の溶けた水溜まりを踏みながらエンリコが帰ってきた。
「いやー、油揚げ、ありましたよ。豆腐よりも持ちが良いからって、いつもよりちょっと先の……あ、阪井さん」
「エンリコ君はそれを届けたら、すぐにスコップを持って庭に来なさい」
「はーい。じゃ、ハンターさん、コレ。後は頼みます」
エンリコは肩を竦めてスコップを担いだ。
荷物を受け取ると、岩井崎は炙って持って行くと油揚げと肉を取り出す。
残りを抱えて、エヴァンスは工場に戻った。
肉と干しぶどう、芋と油揚げと餌を並べ、毛布とタオル、包帯も取り敢えずは……とフランチェスカに、調理道具は鹿島に渡す。
ジオラは干しぶどうをひとつ摘まむと、パルムを床に降ろして麻布のアーチの中を進ませる。
「緊張するな。……コレをあの子に届けてやってくれ。引っ張り出すのは可哀想だろ?」
長身を屈めて囲いの中を覗き込むと、柔らかそうな尾が揺れた。
パルムは時折飛び上がりながら少しずつ進んでいった。
エヴァンスは犬に持参した餌を見せるが、人向けの塩気はどうも合わないらしい。犬の鼻先は未加工の鶏肉へ向いた。
「これか? よし、行くぞ」
一口大に切った肉をパルムに持たせ。ジオラの送った紫のパルムに続かせる。
2匹のパルムが誘うが、出てくる気配は無い。
「やっぱ、あーいう狭い空間が一番落ち着くんだろうなぁ。防衛本能か何かが働いてるんだっけか?」
鹿島は出てきたら食べさせようといくつかの材料を選んで刻む。
ボールの中に完成したそれを掻き混ぜながら、食べさせるためにも出てこないかと様子を覗う。狭い場所は落ち着くだろうが、そのままでは更に弱ってしまうだろう。
ふっと鼻腔を芳ばしい匂いが擽る。
振り返ると岩井崎が火箸に肉と油揚げを挟んで戻ってきていた。
「食べ物の匂いに釣られないかと思ってな」
まだ熱いと言いながら、キツネの麻布の近くでそれを揺らす。
薄い煙と油揚げと鶏肉の脂の匂いが広がり、キツネの側にも漂っていく。
「ハニーラヴァが言ってただろ? 肉食に近い雑食。だから、油揚げと鶏の脂の匂いな」
動物の脂で揚げられたら良かったけど、と火箸の先を揺らしながら。
ハニーラヴァはパルムの運ぶ餌にキツネが食い付かないかと、じっと見詰めている。
餌の近付く気配か焼けた脂の匂いか、キツネの尾がくるりと動いた。
黒い円らな目が瞬いて麻布の中、パルムを見詰める。
「気付いたか?」
「おお、目覚めたようぞよ」
「そのままこっちまで誘ってくるんだ」
麻布を覗っていた岩井崎とフランチェスカが声を上げ、ジオラが潜めた声でパルムを招く。
2匹のパルムが麻布の中を下がり始めると、キツネは前足を伸ばしてその餌を捕まえようとする。
狭い場所で捕まえるように伸ばされる前足を躱しながら、パルム達はそれぞれのハンターの元へ帰ってきた。
キツネがその頭を麻布の外へ覗かせる。
自身を見詰める幾つもの目に呻り、高い音で一度鳴いた。
「……この中に入ってきてくれると嬉しいんだけどな」
パルムに小さく切った芋の欠片を持たせて近付かせ、タオルと紙くずを詰めた木箱を構えると鹿島はキツネの前に屈む。
「俺の顔じゃ怖がらせちまうか?」
指に蜂蜜を一掬い、箱とキツネの間で揺らし、エヴァンスもキツネを箱へと誘う。
その横でフランチェスカは毛布を広げ、キツネの体が麻布を抜け出したら木箱ごと包もうと構えた。
キツネの小さな舌が蜂蜜に触れる。
ちろ、と一瞬だけ伸びたそれが舐め取り、僅かに遠のく指を追って、前足がぱたっと床を叩いた。
尻尾の端がするりと抜け出すと毛布に追われるように箱の中へ、柔らかな場所に収まると蓋をするように毛布が被り、すぐに頭だけが抜け出す。
パルムが集まり、キツネの回りを楽しげに揺れる。新しく得た場所で蜂蜜を舐めながら、もう一度小さな声で鳴いた。
●
木箱の中に収まって毛布に包まれたキツネに、ハンター達の顔にも安堵が浮かんだ。
知らせを受けた阪井とエンリコもスコップを置いて戻ってきた。雪かきは粗方終わったらしい。
「捕まえたんすか」
「いやぁ、助かったよ……どこかな?」
鹿島に箱ごと抱えられたキツネは、フランチェスカに擽られている。
「良きかな良きかな」
機嫌良く笑って、頭をゆっくりと撫でる。
「狐も愛いものよの……のう?」
宝石のような緑の相貌がエヴァンスを捕らえる。栄養価が高いからと言って蜂蜜を指に掬っては狐に差し出していた彼の手が止まった。
視線を逸らし、何かを言い掛けて唇を結ぶ。
「……そうだな」
餌を急かす様に指を舐める、まだ憔悴の色濃い狐を視界の端に。淡い溜息交じりに頷いた。
鹿島の作った流動食も、差し出すスプーンに噛み付くように食べるようになった。
「んー、やっぱり動物ってのはいいよな。ほれ、早く元気になるんだぞ?」
「元気になるのが一番だ。……しかし、野に帰すのか? 必要なら小屋くらい作れそうな材料は倉庫にあったが」
給餌に回った鹿島から箱を受け取り、狐の揺れる耳を眺めながらジオラが尋ねる。
「今度、ジェオルジに行くんです。綿の買い付けに。あの辺少し奥に行くと山があるんで、そこに逃がしてこようかと……それまでに元気になってくれたら良いんですけど」
ハニーラヴァが頷き、そして首を傾がせた。
「すぐには難しそうだな」
彼の差し出す鶏肉には齧り付くものの咀嚼が覚束ないのか噎せるように零している。
「でも、こうして食わせてると、懐くかもな」
放すまでは可愛がってやりたいと岩井崎が潰した芋を指に乗せて差し出した。
空腹が癒えたのか、ハンター達に構われながらくんと小さく鳴いた狐は紙くずを掻き分けるように箱の中に丸くなった。
尻尾を抱えるように身を竦めると、すぅと静かな寝息を立て始めた。
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相談用 フランチェスカ・アヴィーナ(ka1862) ドワーフ|10才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2015/01/28 03:15:42 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/01/24 19:26:18 |