ゲスト
(ka0000)
狐を助けて!
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/01/28 19:00
- リプレイ完成予定
- 2015/02/06 19:00
オープニング
●
久方ぶりの積もる雪だった。
工場の庭が真っ白だ。
「こりゃぁ……エンリコ君が来たら、雪かきだなぁ……」
屈んで一掬い握り取った雪は、掌の温度で溶けて流れた。
阪井紡績有限会社、社長兼フマーレ第一工場の工場長・阪井輔。若い頃にリアルブルーから流れ着き、数十年を経て蒸気工場都市フマーレにて紡績工場を開設。数百のスピンドルを日夜からからと回転させ、織機用の糸を紡ぐ日々。
今日も早朝出勤し、道ながら夜半に積もった雪を眺めた。
随分冷えると思ったら、結構降っていたらしい。
凍ったように冷たい門扉を開け、無垢な雪に足跡を刻みながら……
「おや?」
そこに小さな足跡を見つけた。
●
「エンリコ君」
工場の、現在唯一の社員エンリコ・アモーレ、フマーレに暮らす青年。阪井の声が厳しく彼を呼ぶ。
エンリコは背筋を伸ばして肩をびくつかせた。
阪井は深々と溜息を吐いた。
「……昨日は君に施錠をお願いしたはずだったね」
「……、……、……あ――――も、申し訳ありませんっしたー」
エンリコは瞬き三回、90度に頭を下げた。
「何か、……損害が」
こっそりと視線を機械に巡らせる。泥棒にでも入られただろうか、しかし、変わった様子も無い。
阪井は苦い表情のままで首を横に。そして、しぃっと人差し指を口元に立てる。
かたかた、……、かたかた。
「な、何の音、何かいます! 変な音、してます!」
エンリコが飛び上がって、阪井に身を寄せた。音の聞こえた機械の方を指さしながら、肩を震わせている。
「やっぱ、何かに忍び込まれて……」
「――はは、随分、可愛らしいお客さんに入られてしまってね……」
阪井は床に這って機械の隙間を覗く。歯車や支柱の間からふさふさの毛並みが覗える。エンリコを招くと、それを指さし、声を上げそうな口を片手で押さえた。
「……犬? い、いや、あの尻尾は……狐……?」
膝と手の埃を払い、阪井はまた深々と息を吐いた。
「これじゃあ、今日は動かせないね。……まあ、表の雪かきをしようか。溶ける前に済ませないと、泥濘になってしまうからね」
スコップが倉庫にあっただろう、とエンリコを促して。
●
倉庫から引っ張り出したスコップを担いでエンリコは空を見上げた。快晴だ。
そこへ、ふらりと通りがかった出勤前の受付嬢、案内人を自称してあちらこちらを彷徨いている。
「おはようございまーす!」
案内人が門の向こうから手を振ると、エンリコがスコップを持ち上げて応える。
「これから庭の雪かきっすよー」
「ふぁー、頑張って下さいねー。あ、ハンターさんの手が必要ですか?」
「いや、これくらいなら俺と阪井さんで十分……それより、ちょっと頭貸して貰えません?」
エンリコに招かれて案内人は工場の中へ、機械の隙間に揺れる尻尾を覗き込む。
阪井は機械をつついておびき出そうとしているが、眠っているのか動く気配は無い。息遣いの微かな蠢きが奥の部品を微かに揺らして小さな音を立てるばかりだ。
「あいつを、どうにかして貰えませんか?」
床にぺたりと座り込んで、案内人は首を捻る。
「難しそうですね……でも、ハンターさんなら、きっと、無傷で、完璧に、救出してくれますよ!」
けれどもすぐに、にっこり、笑顔で、任せて下さい。
ハンターオフィス掲示板に急ぎの依頼が掲げられた。
『狐を助けてあげて下さい!』
久方ぶりの積もる雪だった。
工場の庭が真っ白だ。
「こりゃぁ……エンリコ君が来たら、雪かきだなぁ……」
屈んで一掬い握り取った雪は、掌の温度で溶けて流れた。
阪井紡績有限会社、社長兼フマーレ第一工場の工場長・阪井輔。若い頃にリアルブルーから流れ着き、数十年を経て蒸気工場都市フマーレにて紡績工場を開設。数百のスピンドルを日夜からからと回転させ、織機用の糸を紡ぐ日々。
今日も早朝出勤し、道ながら夜半に積もった雪を眺めた。
随分冷えると思ったら、結構降っていたらしい。
凍ったように冷たい門扉を開け、無垢な雪に足跡を刻みながら……
「おや?」
そこに小さな足跡を見つけた。
●
「エンリコ君」
工場の、現在唯一の社員エンリコ・アモーレ、フマーレに暮らす青年。阪井の声が厳しく彼を呼ぶ。
エンリコは背筋を伸ばして肩をびくつかせた。
阪井は深々と溜息を吐いた。
「……昨日は君に施錠をお願いしたはずだったね」
「……、……、……あ――――も、申し訳ありませんっしたー」
エンリコは瞬き三回、90度に頭を下げた。
「何か、……損害が」
こっそりと視線を機械に巡らせる。泥棒にでも入られただろうか、しかし、変わった様子も無い。
阪井は苦い表情のままで首を横に。そして、しぃっと人差し指を口元に立てる。
かたかた、……、かたかた。
「な、何の音、何かいます! 変な音、してます!」
エンリコが飛び上がって、阪井に身を寄せた。音の聞こえた機械の方を指さしながら、肩を震わせている。
「やっぱ、何かに忍び込まれて……」
「――はは、随分、可愛らしいお客さんに入られてしまってね……」
阪井は床に這って機械の隙間を覗く。歯車や支柱の間からふさふさの毛並みが覗える。エンリコを招くと、それを指さし、声を上げそうな口を片手で押さえた。
「……犬? い、いや、あの尻尾は……狐……?」
膝と手の埃を払い、阪井はまた深々と息を吐いた。
「これじゃあ、今日は動かせないね。……まあ、表の雪かきをしようか。溶ける前に済ませないと、泥濘になってしまうからね」
スコップが倉庫にあっただろう、とエンリコを促して。
●
倉庫から引っ張り出したスコップを担いでエンリコは空を見上げた。快晴だ。
そこへ、ふらりと通りがかった出勤前の受付嬢、案内人を自称してあちらこちらを彷徨いている。
「おはようございまーす!」
案内人が門の向こうから手を振ると、エンリコがスコップを持ち上げて応える。
「これから庭の雪かきっすよー」
「ふぁー、頑張って下さいねー。あ、ハンターさんの手が必要ですか?」
「いや、これくらいなら俺と阪井さんで十分……それより、ちょっと頭貸して貰えません?」
エンリコに招かれて案内人は工場の中へ、機械の隙間に揺れる尻尾を覗き込む。
阪井は機械をつついておびき出そうとしているが、眠っているのか動く気配は無い。息遣いの微かな蠢きが奥の部品を微かに揺らして小さな音を立てるばかりだ。
「あいつを、どうにかして貰えませんか?」
床にぺたりと座り込んで、案内人は首を捻る。
「難しそうですね……でも、ハンターさんなら、きっと、無傷で、完璧に、救出してくれますよ!」
けれどもすぐに、にっこり、笑顔で、任せて下さい。
ハンターオフィス掲示板に急ぎの依頼が掲げられた。
『狐を助けてあげて下さい!』
解説
目的
狐の捕獲
●狐
成体、なんとか腕に抱えられる程度の大きさ。
臆病で攻撃的だが、現在は衰弱が勝って眠っている。
●紡績機械
工場の外の水車を動力に、幾つもの歯車で繋いで動かしている。
数百のスピンドルが並んでいるが、現在は全て止まっている。
隙間は狭く、狐まで手は届かない。
解体した場合は再度組み立てるために数日~数週間掛かる。
●協力者
阪井輔 工場長、雪かき中
エンリコ・アモーレ 社員、雪かき中
なお、雪かきは午前中には終わる予定です。
●支給
必要な物は阪井が出資し、エンリコが購入に走る。
調達までに即時~数時間かかる。
(調達の難しい物を午前中に依頼した場合は雪かきが滞る)
●前日憚
ジェオルジからの荷馬車に紛れ込んできた狐が、荷解きの際にフマーレに降ろされる。
偶然エンリコが施錠し忘れ半開きだった工場の建物内に進入し、機械の間で眠り込む。
翌朝、阪井に発見される。
狐の捕獲
●狐
成体、なんとか腕に抱えられる程度の大きさ。
臆病で攻撃的だが、現在は衰弱が勝って眠っている。
●紡績機械
工場の外の水車を動力に、幾つもの歯車で繋いで動かしている。
数百のスピンドルが並んでいるが、現在は全て止まっている。
隙間は狭く、狐まで手は届かない。
解体した場合は再度組み立てるために数日~数週間掛かる。
●協力者
阪井輔 工場長、雪かき中
エンリコ・アモーレ 社員、雪かき中
なお、雪かきは午前中には終わる予定です。
●支給
必要な物は阪井が出資し、エンリコが購入に走る。
調達までに即時~数時間かかる。
(調達の難しい物を午前中に依頼した場合は雪かきが滞る)
●前日憚
ジェオルジからの荷馬車に紛れ込んできた狐が、荷解きの際にフマーレに降ろされる。
偶然エンリコが施錠し忘れ半開きだった工場の建物内に進入し、機械の間で眠り込む。
翌朝、阪井に発見される。
マスターより
狐の捕獲、出来れば無傷で、機械も壊さずに。
エンリコ君も阪井さんも、一先ず日が昇って溶ける前に雪を始末したところ。
狐の件は皆様にお任せとなります。
がんばって下さい。お願いします。
エンリコ君も阪井さんも、一先ず日が昇って溶ける前に雪を始末したところ。
狐の件は皆様にお任せとなります。
がんばって下さい。お願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/02/07 18:30
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談用 フランチェスカ・アヴィーナ(ka1862) ドワーフ|10才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2015/01/28 03:15:42 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/01/24 19:26:18 |