ゲスト
(ka0000)
【血断】嵐を退けよ
マスター:KINUTA

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~5人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2019/07/02 07:30
- 完成日
- 2019/07/08 02:49
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
とある田舎。とある山。とある洞穴。
コボルドたちが鼻付きあわせ話し合っている。
議題はこの山のふもとにある人間の村のこと。
そこから人間が続々出て行っているのだ。どの家からもこの家からも。
そして今日――とうとう最後の人間たちが、出て行ってしまった。
コボルドたちとしてこの問題はかなり重大。
人間は特に好きじゃないけど、彼らが作るもの――芋とか、トウモロコシとか、鶏とか、卵とか――は大好きだから。
「人間イナクナッタラ、ソウイウモノ食ベラレナクナル……」
「ソレ悲シイ」
「人間、ドシテ急ニ出テイクノダロ」
どうしてって、邪神相手に世界をかけた戦いが始まるからである。
そのため守りの薄い田舎を離れ、都会へ緊急避難するのである。
だけどコボルドたちはそんなこと知る由もない。誰も彼らにそういうことを教えてくれないから。
「……モシカシテ……モシカシテ何カガココヲ襲ッテクルノカモ」
「エッ。ソウダッタラ……ドウシヨウ」
「怖イ」
「逃ゲタホーガイイノデハ」
「ドコニ?」
「エート、ドコダロ」
「人間ガ行クトコロニ、ツイテイケバイインジャナイカ? 安全ナトコロニ逃ゲテルハズダロウ」
●
村人の一団は、一路近隣の都市へと向かう。屋根にまで荷を積んだ馬車に乗って。
「先に行った衆たちゃ、ちゃんと宿取ってくれてるべな」
「うちの畑が心配だべ。早めに収穫済ませて倉庫にしまってはきただが……裏ん山のコボルドどもめ、まさか荒らしちゃいねえべな」
「気になるのはそこだて。全くあん畜生、獣の割に小知恵が回るでタチが悪いべよ」
「おら聞いただが、最近は魔導雷電柵ちうものがあるそうだぞ。触るとこう、ビリビリッとするらしくてよ。それで囲んだ畑は、害獣にやられなくなるそうだて……」
村人たちは街道に出る道を急ぐ。
そこは、いつもの倍ほど混んでいた。彼らと同じことを考えた人間たちが、近隣の村にもたくさんいたからである。
「よーう、そこにいんのは隣村のアンチムさんでねえか?」
「おー、アマブルさんかい。あんたもポルトワールへ行くんかい?」
●
「人間タクサン……」
「スゴクタクサン……」
「コンナニタクサン初メテ見ル……」
見つからないよう注意しながらコボルドたちは、人間たちの群れについていく。
「ドコマデ行クノカナ」
「ワカンナイ……」
ひそひそ言葉を交わしながら、茂みに隠れて匍匐前進。
――と、急に動きを止める。
「ナニ?」
「ナニ?」
歌が聞こえてきたのだ。聞いたこともない歌。
人間たちの群れが怪訝そうに前進を止めた。
道の向こうから1人の女が現れた。
清楚な印象の顔立ちをしている。
エクラ教のカソックを思わせる装束。手には優美な形の大鎌。
歌いながら近づいてくる。
いと高きものよ、あなたによって私は
喜びかつ楽しみ
あなたの名を褒め歌います
次の瞬間、大鎌が振るわれた。
人が真っ二つになる。馬車も、馬も、同じく。
彼女の前にいたものだけではなく、刃の届かないはずの距離にいたものもそうなった。断ち切られ地に転がる。
あなたは正しい裁きをなされました
あなたは悪しきものを滅ぼし
永久に彼らの名を消し去られました
斬られなかった人間たちは逃げようとした。だけど、全然間に合わなかった。彼らの動きは遅かったし、女の動きは速かったのだ。
惨劇を目の当たりにしたコボルドたちは肝を潰した。その場から全速力で逃げ出す。身を隠すことさえ忘れて。
しかし女は、その姿が見えていたにもかかわらず、一切コボルドたちを構わなかった。人間とそれに属するものだけを狙い鎌を振るい続ける。
全てのものが動かなくなると、彼女は、その背に光の翼を広げた。
歌を歌いながら。
主、我らの主よ
あなたの名は地にあまねく
いかに尊いことでしょう
白金に輝く炎が彼女を中心に渦巻き、爆発した。
そして、死体と残骸をきれいに焼き尽くした。
●
もう新米ではないハンターであるユニは、ハンター仲間と一緒に街道へ来ていた。オフィスを通じて街道沿いの町村から、交通整理依頼が出されたのだ。このところ地方から都市へ向かう人間が多いので、渋滞や無断駐車といったトラブルが頻発しているとのことだった。
嫉妬眷属に絡んだ色々な出来事に出会い、考えるところも色々あったユニだが、それももう落ち着いた。
今はやっぱり、人間の役に立ちたいと思う。召使としてではなくて仲間として、対等に助け合えればと。
「割り込みをせず、順番にお通りください」
「歩行者が通りますので、一時停止してください」
誘導旗を手に、自主避難者の行列をさばく。人は後から後からやってくる。
そこに、ちょっとした騒ぎが起きた。いきなり十数匹のコボルドたちが走ってきて、行列めがけ突っ込んだのである。
一瞬身構えるハンターたち。
だが、コボルドたちは人間を害するつもりではなかったらしい。立ち止まることなくそのままの勢いで、どこかへ走り去って行ってしまった。
「……何だったんだ?」
「さあ」
戸惑いながらもハンターたちは、そのまま誘導を続行した。
……そこに、歌が聞こえてきた。
とても美しい声。
エクラ教の賛美歌に似た調子のリズムとメロディ。
聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな
コボルドたちが先ほど走って来た方角に、女が現れた。
纏っているのは白と金の法衣。
清楚な顔に浮かんでいるのは淫猥と紙一重な法悦。
きらめく瞳の奥にあるのは狂信。
万軍の主よ、聖なるかな
あれは人間ではない。悟ったハンターたちは、反射的に覚醒する。
そのとき女の背に翼が広がった。光の粒子で出来た翼だ。
歌声が何倍にも増幅されて聞こえてきた。
ユニは自分の身のうちに危険な衝動が湧き上がるのを覚えた。人間を害したい、という。
それを意志の力で押さえ込んだところに、鎌の一撃が襲ってきた。
ユニは避けきれなかった。固体化した衝撃波が彼女の右肩から左脇腹にかけてを切り裂く。
リプレイ本文
光の翼を生やした狂信者は歌い続ける。彼女の神を称える『聖歌』を。
その攻撃によって強く影響を受けたのはユニだけではない。
天竜寺 舞(ka0377)とミィリア(ka2689)もまた、そうだった。腹の底から憤りを湧き上がらせた。狂信者にではなく、避難民が、仲間が、許すべからざる敵に見えてくる。
踏みにじり、切り刻み、八つ裂きにしてやりたいという衝動が手を震わせる。
だが彼女らもユニ同様、それが異常な心理状態であるということに自ら気づいている。
なので、意志の力を総動員し自制した。
ミィリアは持ってきていたハンカチを素早く切り裂き、両の耳に詰める。それで歌が聞こえなくなるものなら、相手のBSを無効化出来るのではないかと思ったのだ。
だが駄目だった。ほかの音が聞こえなくても歌だけは聞こえてくる。
無駄と悟ったミィリアは、即座に耳栓を捨てた。
舞は自分の側頭を拳で思い切り殴りつけ、痛みによって衝動を押さえ付けようと試みる。だがそれも無駄だった。どうしたことか、痛みが感じ取れなくなっているのだ。
そこでヴァルナ=エリゴス(ka2651)が、アイデアル・ソングを発動する。狂信者の歌を呪詛の類いと判断して。
「見よ、日の光が雪を溶かす。風が暖かさを運んでくる。おお、春、待ち望みし春よ。麗しき乙女。森はあなたを瑞々しき若葉とかぐわしき花で迎える。小鳥は歌いせせらぎは――」
歩夢(ka5975)は護法籠手「防壁」のスキルを解放し、『浄龍樹陣』を。トリプルJ(ka6653)は鏡像世界十六篇を発動した。
これにより味方の精神汚染が完全解除される。
そのタイミングで狂信者が鎌を振るった。
無数の固形化した衝撃波が、狂信者の前面に飛び散る。扇形に。
その一つがユニを切り裂き打ち倒した。
歩夢、J、ミィリアもまたその攻撃を受ける。いずれも急所は外していたため、戦闘不能にまで陥ることはなかった。
しかし標的になったのはハンターばかりではない。Jの幻獣シャパリュ、そしてミィリアが乗っていた戦馬も被害を受けた。特に戦馬は深手を負い、満足に走ることが出来なくなる。
どうも狂信者は人間だけでなく、人間が使役する動物も攻撃対象にしているらしい。
Jは倒れたユニの元へ駆け寄る。
ユニの体の前面にぱっくり開いた傷口からは内部機構が丸見えだ。千切れたコードが火花を散らし、震えるようにのたうっている。
焦げ臭い匂い。双眸はマネキンのように見開かれたまま。
「くっそこのやろ! 死ぬなよ、ユニッ!」
Jは運よく被害を受けなかったモフロウを使って、ファミリアヒーリングを発動した。
「ユニ! くそっ!」
舞は狂信者がJの作業を邪魔せぬよう、盾をかざして立ち塞がる。後方にいる避難民に大声で呼びかけながら。
「こいつから出来るだけ遠ざかれ! 早く逃げろ!」
Jのマテリアルが波動として解き放たれ、ユニに注ぎ込まれる。
傷口が塞がった。ユニが瞬きをし意識を取り戻す。
起き上がった彼女にJは、早口で言った。
「おいユニ、起きたらお前は避難民の誘導に回れ。思ったより敵の斬撃射程が長い。少しでもみんなを遠くに逃がさにゃ、お前を切り刻んだ斬撃が一撃で多くの人の命を奪いかねん」
狂信者がまた歌い始める。何かを包むこむような形に翼を広げて。
主は私の光、私の救い。私は誰を恐れよう。
主は私の命の砦。私は誰をおじ恐れよう。
私の仇、私の敵である悪を行う者共が襲ってきて、私を攻めるとき、彼らはつまずき倒れるだろう。
しかし今度は誰もかからなかった。先ほど複数発動されたBS対抗スキルが、歌の効果を打ち消しているのだ。
(あの歌、精神汚染のBSスキルって事で間違いないな。後できっちりオフィスに報告しとかないと)
思って歩夢は、避難民へ向け声を張り上げる。狂信者から目を離さないようにしながら。
「下れ! はやく、さがるんだ! あいつから遠ざかれ!」
避難民たちは大急ぎで逃げ始めた。だが、素早くとは行かなかった。
危険なことが起きているとは十分理解したものの、単にその場に居合わせた赤の他人同士。規律正しい迅速な避難行動が取れない。どうしても皆、我先にという動きになる。
ユニが避難民たちの方へ走って行き、誘導を始める。ややおぼつかない足取りで。
「皆さん、落ち着いてください! 大丈夫です、順番に――!」
狂信者はなおも歌い止まない。陶酔しきった声で延々と、彼女の神を褒めたたえ続ける。
神よ、自らを天よりも高くし、みさかえを全地の上にあげてください、あなたの愛されるものが助けを得るために。
ヴァルナは狂信者の翼を狙い剣を振るう。
返ってきたのは空を切る感触だった。翼には実体が無かったのだ。その攻撃の代償として彼女は、額を深く切り込まれる。
(くそっ、あのエセ天使!)
舞は狂信者に激しい怒りを覚えていた。
脳裏にちらつくのはとある異世界の装置のこと。それが心の中へ入ってこようとした際感じた不快感。
あちらは他者を幸福感に浸らせ落ち着かせようとする。こちらは他者を憎悪に狂わせ猛らせようとする。目的は正反対。だが要するに意図するところは一緒だ。
(鎌の攻撃もヤバいけどあの歌。人の心を支配しようとしやがって!)
だが更に気に入らないのは相手が光の翼を持っていること。
最愛の妹の覚醒姿に似てるなど、やってる事が真逆のくせに、ふざけるにも程がある。
「全力で行くよ!」
と一声叫んで彼女は、ナイトカーテンで姿を消す。
狂信者の死角からユナイテッド・ドライブ・ソードで突きかかる。
狂信者はその攻撃をするりとかわす。が、返す刃での影祓は外し切れなかった。
ベノムエッジをかけた刃が腕を傷つける。
毒を含まされた傷口は小さいが塞がらない。白い法服の袖口がじわじわ赤くなっていく。
狂信者が向きを変えた。避難民たちがいる方向へ足を踏み出す。飛ぶように走りだす。
その早さに舞は追いつけない。
あだを報いられる神、主よ。あだを報いられる神よ、光を放ってください。
地を裁かれるものよ、立って高ぶるものにその受くべき罰をお与えください。
だがJは追いついた。そしてカーネージロアを仕掛けた。
古代大剣『ウェンペ』を構え片足を軸にし、独楽のように回転する。
狂信者は鎌で地を突き高く跳び、攻撃をかわす。歌い続けながら。
主よ、あなたは正しく、あなたのさばきは正しいのです。
あなたは正義と、この上ない真実とをもって、あなたのあかしを命じられました。
わたしのあだが、あなたのみことばを忘れるので、わたしの熱心は彼を滅ぼしました。
ヴァルナの魔剣『バルムンク』から一条の光がほとばしった。
光は狂信者の胴部を貫く。
腹部から血と臓物が飛び出した。だがそれは、すぐさま元通りに塞がった。
続けてヴァルナは相手と目線を合わせようとした。テンプテーションを試みるためだ。
しかし目が合った瞬間、自分から背けたいような気分になった。
狂信者の表情に浮かんでいるのが怒りでも憎しみでもなく、喜び――いや喜びと言うには下衆すぎる――快楽そのものだったから。
「随分、装いと雰囲気が合っていない方ですね。コボルトが逃げ出すのも頷ける剣呑さです」
狂信者はテンプテーションにかからなかった。
鎌を持つ右手が振り上げられる。
先程見た範囲攻撃が来ると察したミィリアは、シールド『イージス』を構えた。
「気合と根性で被害はなんとか食い止めてみせるから、攻撃まかせた!でござる!!」
声高らかに仲間へ呼びかけ、ラストテリトリーを発動。
広範囲に飛び散るべき刃がミィリアという的一つに集約される。
彼女は全身いたるところをずたずたに切り刻まれた。しかし、倒れない。大地を踏み締め持ちこたえる。血溜まりを自分の足元に作りながら。
「何かを信じるって素敵なことだけど。薬も行き過ぎれば毒になるっていうか……こういうのはノーサンキューって感じでござる……っ!」
狂信者は再び舞、Jらと戦い始める。そうしながら、じわじわ避難民が逃げて行く方に移動していく。
歩夢はストーンサークルを展開、法術『ネプチューン』を発動した。もともとは飛んだなら打ち落としてやろうと思って用意してきたスキルだが、この際そうでなくても使うべきだろう。
人魚の精霊が生み出す螺旋状の水流は狂信者を弾き、元いた位置まで後退させる。
そこで狂信者が翼を広げた。
これまでとは明らかに広げ方が違っている。包み込むようにではない。これから飛び立とうとでもしているかのごとくに、大きく、いっぱいに広げている。
鎌の攻撃でも歌でもない、何か別なものが来る。
そう予感してミィリアは――すでにかなりの負傷をしていたが――再度ラストテリトリーを展開した。
次の瞬間、光の炎が炸裂した。
50スクエア内の敵性存在を焼くはずだった炎が凝縮され、ミィリアのみに襲いかかる。
そして彼女の生命活動は一時停止状態に陥った。
Jは顔色を変え、黒焦げになったミィリアに駆け寄る。
「おいしっかりしろ! おい!」
彼はモフロウを見た。先程のファミリアヒーリングで疲れ果て、地面にうずくまっている。
シャパリュを使うしかない。
「――すまん、傷ついているところ悪いが力を貸してくれ。後できっちり埋め合わせはする」
幻獣は主人の懐に頭を寄せ、小さく唸った。
彼がミィリアを回復させている間ほかのハンターたちは、彼らの周囲を囲み防御態勢を構える。
そのとき、狂信者の背中から急に翼が消えた。これまでずっと出続けていたのに。
舞はその原因について考える事を後回しにした。あの翼が出ていないということは、精神攻撃が行えないということ。それだけ分かっていれば十分だ。
「お前が強いには解った。けどあたしはあたしの心を支配しようとする奴は絶対許さない!」
覚醒した瞳をさらに紅く燃やし、再度攻撃を繰り返す。
狂信者は範囲攻撃で応じた。衝撃波が飛び散る。
ハンターたちの、そして狂信者の血飛沫が霧のように舞う。
息を弾ませつつヴァルナは、これまでに分かったことを頭の中で整理した。
(このヴォイドは3つの特殊な技を持っている。BSを及ぼす歌、鎌による範囲攻撃、そして炎による範囲攻撃。鎌による攻撃は翼がなくても行ってくる。しかし歌と、炎の攻撃は翼が出ているときにしか行わない。3つの技が重複して使われることはない。恐らく、そうすることが不可能)
歩夢もまた、分析する。ヴォイドの技について。
(歌の攻撃の直前と炎の攻撃の直前には、それぞれ異なった形に翼が広がる。術に必須の予備動作ってところか。炎の攻撃を行った後は翼が消える……多分あの攻撃はその規模から考えて、本人にとっても、相当負担が大きいはずだ。そして翼が消えると、鎌による直接攻撃、もしくは範囲攻撃しか行えなくなる……)
狂信者の背に翼が再び生えた。一度消えてから戻るまでの時間は、ざっと2分といったところか。
何かを包みこむように広げられている。
BSを出すつもりだ。
わたしは生きる限り主に向かって歌い、ながらえる間はわが神をほめ歌おう。
どうか、わたしの思いが主に喜ばれるように。わたしは主によって喜ぶ。
どうか、罪人が地から断ち滅ぼされ、悪しきものが、もはや、いなくなるように。
歩夢はそれに呪詛返しを試みた。
――成功だ。
ハンターたちに向かっていたBSがすべて、かけた本人に跳ね返る。強度を上乗せされて。
狂信者が突然涙を流し始めた。苦痛による涙ではなく歓喜の涙だ。口角が緩みきり、瞳が潤んでいる。
おお しゅ よ
わがちか らな る しゅ よ。
わ たしはあな たをあい しま す
どうやら『主』なるものが間近に見えているらしい。もともと狂っていた頭が今の歩夢の攻撃によって、完全に狂ったのだ。
好機と見たヴァルナは剣を振るう。重ねて魔装解除を行う。
光の塊と化したマテリアルエネルギーが、狂信者の左肩から先をきれいに吹き飛ばした。
狂信者はそれに対し、猛然たる反応を示した。
攻撃に対する防御も回避もすべてなぐり捨て突進し、残った右腕で鎌を振り回す。
無数の衝撃波が周囲に飛び散った。
それはヴァルナの胴と歩夢の胴を切り裂き、Jの太ももにも当たる。
太い血管が断ち切られたことで、多量の出血が起きた。
舞と今しがた復活したばかりのミィリアだけが、その攻撃の難を逃れる。
彼女らは狂信者に向かっていく。
翼が何かを包むように広がった。聖歌だ。
しゅに かんしゃ せよ その いつくしみ は ふかく とこしえ に たえることが ない
続けて大きく開かれた。光の炎だ。
ミィリアは反射的にラストテリトリーを発動した。
直後、まばゆい光の炎が爆発する。
しかしそれは先ほどのものと比べて、半分ほどの威力しか持っていなかった――とはいえ弱っているミィリアを再び意識不明状態におとしめるには十分だ。
舞は追加攻撃から彼女を守るため、狂信者の前に立ちはだかろうとし、息を呑む。
狂信者の右半身が弾け飛んでいたのだ。内側から破裂したみたいに。
歌のBS攻撃と炎の範囲攻撃を同時に使ったことで、身が持たなくなったのだ――呪詛返しによってまともな判断力を奪われた結果である。
しかし当人はそのことについて別段後悔もしていないようだった。相変わらず歌っている。
しゅを おそれ る もの は いえ その いつくしみ は とこしえ に たえることが ない
Jはそのことに、限りないおぞましさを感じた。
「賛美歌メドレーはもういい! 聞き飽きたぜ!」
と一声吠え上げ古代大剣を一閃させる。
狂信者が腰から断ち切られた。
半分だけの上半身がずるりと地面に落ちる。
狂信者は黒い瘴気となり、霧散していった。恍惚とした表情を浮かべながら。
舞はずるずるその場にへたり込む。額に手を当て、汗を拭う。
「二度と会いたくないね」
何はさて置きハンターたちはポーションも使って、自分たちと動物たちを可能な限り回復させた。
それから大急ぎで、ミィリアをしかるべき医療機関に運びこんだ。
●
リゼリオの病院。重症患者の入院室。
「ミィリアのおかげで、皆大助かりだったぜ。まあ、ゆっくり休んでくれよ」
肩をぽんぽん叩いて言うJに全身包帯姿のミィリアは、不服そうに零す。
「こんな大変なときに、そうそう休んでもいられないよ、でござるぅ……」
ヴァルナは苦笑し慰める。
「焦らなくても大丈夫ですよ。入院は、ほんの数日のことですから」
歩夢が笑顔で、それに付け加えた。
「一般人への被害はゼロだったぞ」
舞もまた。
「あんたの馬も治ったよ。Jのシャパリュもね」
最後に、ユニが締めくくる。
「避難民の方々は、今朝方全員無事にポルトワールに到着されたそうです」
その攻撃によって強く影響を受けたのはユニだけではない。
天竜寺 舞(ka0377)とミィリア(ka2689)もまた、そうだった。腹の底から憤りを湧き上がらせた。狂信者にではなく、避難民が、仲間が、許すべからざる敵に見えてくる。
踏みにじり、切り刻み、八つ裂きにしてやりたいという衝動が手を震わせる。
だが彼女らもユニ同様、それが異常な心理状態であるということに自ら気づいている。
なので、意志の力を総動員し自制した。
ミィリアは持ってきていたハンカチを素早く切り裂き、両の耳に詰める。それで歌が聞こえなくなるものなら、相手のBSを無効化出来るのではないかと思ったのだ。
だが駄目だった。ほかの音が聞こえなくても歌だけは聞こえてくる。
無駄と悟ったミィリアは、即座に耳栓を捨てた。
舞は自分の側頭を拳で思い切り殴りつけ、痛みによって衝動を押さえ付けようと試みる。だがそれも無駄だった。どうしたことか、痛みが感じ取れなくなっているのだ。
そこでヴァルナ=エリゴス(ka2651)が、アイデアル・ソングを発動する。狂信者の歌を呪詛の類いと判断して。
「見よ、日の光が雪を溶かす。風が暖かさを運んでくる。おお、春、待ち望みし春よ。麗しき乙女。森はあなたを瑞々しき若葉とかぐわしき花で迎える。小鳥は歌いせせらぎは――」
歩夢(ka5975)は護法籠手「防壁」のスキルを解放し、『浄龍樹陣』を。トリプルJ(ka6653)は鏡像世界十六篇を発動した。
これにより味方の精神汚染が完全解除される。
そのタイミングで狂信者が鎌を振るった。
無数の固形化した衝撃波が、狂信者の前面に飛び散る。扇形に。
その一つがユニを切り裂き打ち倒した。
歩夢、J、ミィリアもまたその攻撃を受ける。いずれも急所は外していたため、戦闘不能にまで陥ることはなかった。
しかし標的になったのはハンターばかりではない。Jの幻獣シャパリュ、そしてミィリアが乗っていた戦馬も被害を受けた。特に戦馬は深手を負い、満足に走ることが出来なくなる。
どうも狂信者は人間だけでなく、人間が使役する動物も攻撃対象にしているらしい。
Jは倒れたユニの元へ駆け寄る。
ユニの体の前面にぱっくり開いた傷口からは内部機構が丸見えだ。千切れたコードが火花を散らし、震えるようにのたうっている。
焦げ臭い匂い。双眸はマネキンのように見開かれたまま。
「くっそこのやろ! 死ぬなよ、ユニッ!」
Jは運よく被害を受けなかったモフロウを使って、ファミリアヒーリングを発動した。
「ユニ! くそっ!」
舞は狂信者がJの作業を邪魔せぬよう、盾をかざして立ち塞がる。後方にいる避難民に大声で呼びかけながら。
「こいつから出来るだけ遠ざかれ! 早く逃げろ!」
Jのマテリアルが波動として解き放たれ、ユニに注ぎ込まれる。
傷口が塞がった。ユニが瞬きをし意識を取り戻す。
起き上がった彼女にJは、早口で言った。
「おいユニ、起きたらお前は避難民の誘導に回れ。思ったより敵の斬撃射程が長い。少しでもみんなを遠くに逃がさにゃ、お前を切り刻んだ斬撃が一撃で多くの人の命を奪いかねん」
狂信者がまた歌い始める。何かを包むこむような形に翼を広げて。
主は私の光、私の救い。私は誰を恐れよう。
主は私の命の砦。私は誰をおじ恐れよう。
私の仇、私の敵である悪を行う者共が襲ってきて、私を攻めるとき、彼らはつまずき倒れるだろう。
しかし今度は誰もかからなかった。先ほど複数発動されたBS対抗スキルが、歌の効果を打ち消しているのだ。
(あの歌、精神汚染のBSスキルって事で間違いないな。後できっちりオフィスに報告しとかないと)
思って歩夢は、避難民へ向け声を張り上げる。狂信者から目を離さないようにしながら。
「下れ! はやく、さがるんだ! あいつから遠ざかれ!」
避難民たちは大急ぎで逃げ始めた。だが、素早くとは行かなかった。
危険なことが起きているとは十分理解したものの、単にその場に居合わせた赤の他人同士。規律正しい迅速な避難行動が取れない。どうしても皆、我先にという動きになる。
ユニが避難民たちの方へ走って行き、誘導を始める。ややおぼつかない足取りで。
「皆さん、落ち着いてください! 大丈夫です、順番に――!」
狂信者はなおも歌い止まない。陶酔しきった声で延々と、彼女の神を褒めたたえ続ける。
神よ、自らを天よりも高くし、みさかえを全地の上にあげてください、あなたの愛されるものが助けを得るために。
ヴァルナは狂信者の翼を狙い剣を振るう。
返ってきたのは空を切る感触だった。翼には実体が無かったのだ。その攻撃の代償として彼女は、額を深く切り込まれる。
(くそっ、あのエセ天使!)
舞は狂信者に激しい怒りを覚えていた。
脳裏にちらつくのはとある異世界の装置のこと。それが心の中へ入ってこようとした際感じた不快感。
あちらは他者を幸福感に浸らせ落ち着かせようとする。こちらは他者を憎悪に狂わせ猛らせようとする。目的は正反対。だが要するに意図するところは一緒だ。
(鎌の攻撃もヤバいけどあの歌。人の心を支配しようとしやがって!)
だが更に気に入らないのは相手が光の翼を持っていること。
最愛の妹の覚醒姿に似てるなど、やってる事が真逆のくせに、ふざけるにも程がある。
「全力で行くよ!」
と一声叫んで彼女は、ナイトカーテンで姿を消す。
狂信者の死角からユナイテッド・ドライブ・ソードで突きかかる。
狂信者はその攻撃をするりとかわす。が、返す刃での影祓は外し切れなかった。
ベノムエッジをかけた刃が腕を傷つける。
毒を含まされた傷口は小さいが塞がらない。白い法服の袖口がじわじわ赤くなっていく。
狂信者が向きを変えた。避難民たちがいる方向へ足を踏み出す。飛ぶように走りだす。
その早さに舞は追いつけない。
あだを報いられる神、主よ。あだを報いられる神よ、光を放ってください。
地を裁かれるものよ、立って高ぶるものにその受くべき罰をお与えください。
だがJは追いついた。そしてカーネージロアを仕掛けた。
古代大剣『ウェンペ』を構え片足を軸にし、独楽のように回転する。
狂信者は鎌で地を突き高く跳び、攻撃をかわす。歌い続けながら。
主よ、あなたは正しく、あなたのさばきは正しいのです。
あなたは正義と、この上ない真実とをもって、あなたのあかしを命じられました。
わたしのあだが、あなたのみことばを忘れるので、わたしの熱心は彼を滅ぼしました。
ヴァルナの魔剣『バルムンク』から一条の光がほとばしった。
光は狂信者の胴部を貫く。
腹部から血と臓物が飛び出した。だがそれは、すぐさま元通りに塞がった。
続けてヴァルナは相手と目線を合わせようとした。テンプテーションを試みるためだ。
しかし目が合った瞬間、自分から背けたいような気分になった。
狂信者の表情に浮かんでいるのが怒りでも憎しみでもなく、喜び――いや喜びと言うには下衆すぎる――快楽そのものだったから。
「随分、装いと雰囲気が合っていない方ですね。コボルトが逃げ出すのも頷ける剣呑さです」
狂信者はテンプテーションにかからなかった。
鎌を持つ右手が振り上げられる。
先程見た範囲攻撃が来ると察したミィリアは、シールド『イージス』を構えた。
「気合と根性で被害はなんとか食い止めてみせるから、攻撃まかせた!でござる!!」
声高らかに仲間へ呼びかけ、ラストテリトリーを発動。
広範囲に飛び散るべき刃がミィリアという的一つに集約される。
彼女は全身いたるところをずたずたに切り刻まれた。しかし、倒れない。大地を踏み締め持ちこたえる。血溜まりを自分の足元に作りながら。
「何かを信じるって素敵なことだけど。薬も行き過ぎれば毒になるっていうか……こういうのはノーサンキューって感じでござる……っ!」
狂信者は再び舞、Jらと戦い始める。そうしながら、じわじわ避難民が逃げて行く方に移動していく。
歩夢はストーンサークルを展開、法術『ネプチューン』を発動した。もともとは飛んだなら打ち落としてやろうと思って用意してきたスキルだが、この際そうでなくても使うべきだろう。
人魚の精霊が生み出す螺旋状の水流は狂信者を弾き、元いた位置まで後退させる。
そこで狂信者が翼を広げた。
これまでとは明らかに広げ方が違っている。包み込むようにではない。これから飛び立とうとでもしているかのごとくに、大きく、いっぱいに広げている。
鎌の攻撃でも歌でもない、何か別なものが来る。
そう予感してミィリアは――すでにかなりの負傷をしていたが――再度ラストテリトリーを展開した。
次の瞬間、光の炎が炸裂した。
50スクエア内の敵性存在を焼くはずだった炎が凝縮され、ミィリアのみに襲いかかる。
そして彼女の生命活動は一時停止状態に陥った。
Jは顔色を変え、黒焦げになったミィリアに駆け寄る。
「おいしっかりしろ! おい!」
彼はモフロウを見た。先程のファミリアヒーリングで疲れ果て、地面にうずくまっている。
シャパリュを使うしかない。
「――すまん、傷ついているところ悪いが力を貸してくれ。後できっちり埋め合わせはする」
幻獣は主人の懐に頭を寄せ、小さく唸った。
彼がミィリアを回復させている間ほかのハンターたちは、彼らの周囲を囲み防御態勢を構える。
そのとき、狂信者の背中から急に翼が消えた。これまでずっと出続けていたのに。
舞はその原因について考える事を後回しにした。あの翼が出ていないということは、精神攻撃が行えないということ。それだけ分かっていれば十分だ。
「お前が強いには解った。けどあたしはあたしの心を支配しようとする奴は絶対許さない!」
覚醒した瞳をさらに紅く燃やし、再度攻撃を繰り返す。
狂信者は範囲攻撃で応じた。衝撃波が飛び散る。
ハンターたちの、そして狂信者の血飛沫が霧のように舞う。
息を弾ませつつヴァルナは、これまでに分かったことを頭の中で整理した。
(このヴォイドは3つの特殊な技を持っている。BSを及ぼす歌、鎌による範囲攻撃、そして炎による範囲攻撃。鎌による攻撃は翼がなくても行ってくる。しかし歌と、炎の攻撃は翼が出ているときにしか行わない。3つの技が重複して使われることはない。恐らく、そうすることが不可能)
歩夢もまた、分析する。ヴォイドの技について。
(歌の攻撃の直前と炎の攻撃の直前には、それぞれ異なった形に翼が広がる。術に必須の予備動作ってところか。炎の攻撃を行った後は翼が消える……多分あの攻撃はその規模から考えて、本人にとっても、相当負担が大きいはずだ。そして翼が消えると、鎌による直接攻撃、もしくは範囲攻撃しか行えなくなる……)
狂信者の背に翼が再び生えた。一度消えてから戻るまでの時間は、ざっと2分といったところか。
何かを包みこむように広げられている。
BSを出すつもりだ。
わたしは生きる限り主に向かって歌い、ながらえる間はわが神をほめ歌おう。
どうか、わたしの思いが主に喜ばれるように。わたしは主によって喜ぶ。
どうか、罪人が地から断ち滅ぼされ、悪しきものが、もはや、いなくなるように。
歩夢はそれに呪詛返しを試みた。
――成功だ。
ハンターたちに向かっていたBSがすべて、かけた本人に跳ね返る。強度を上乗せされて。
狂信者が突然涙を流し始めた。苦痛による涙ではなく歓喜の涙だ。口角が緩みきり、瞳が潤んでいる。
おお しゅ よ
わがちか らな る しゅ よ。
わ たしはあな たをあい しま す
どうやら『主』なるものが間近に見えているらしい。もともと狂っていた頭が今の歩夢の攻撃によって、完全に狂ったのだ。
好機と見たヴァルナは剣を振るう。重ねて魔装解除を行う。
光の塊と化したマテリアルエネルギーが、狂信者の左肩から先をきれいに吹き飛ばした。
狂信者はそれに対し、猛然たる反応を示した。
攻撃に対する防御も回避もすべてなぐり捨て突進し、残った右腕で鎌を振り回す。
無数の衝撃波が周囲に飛び散った。
それはヴァルナの胴と歩夢の胴を切り裂き、Jの太ももにも当たる。
太い血管が断ち切られたことで、多量の出血が起きた。
舞と今しがた復活したばかりのミィリアだけが、その攻撃の難を逃れる。
彼女らは狂信者に向かっていく。
翼が何かを包むように広がった。聖歌だ。
しゅに かんしゃ せよ その いつくしみ は ふかく とこしえ に たえることが ない
続けて大きく開かれた。光の炎だ。
ミィリアは反射的にラストテリトリーを発動した。
直後、まばゆい光の炎が爆発する。
しかしそれは先ほどのものと比べて、半分ほどの威力しか持っていなかった――とはいえ弱っているミィリアを再び意識不明状態におとしめるには十分だ。
舞は追加攻撃から彼女を守るため、狂信者の前に立ちはだかろうとし、息を呑む。
狂信者の右半身が弾け飛んでいたのだ。内側から破裂したみたいに。
歌のBS攻撃と炎の範囲攻撃を同時に使ったことで、身が持たなくなったのだ――呪詛返しによってまともな判断力を奪われた結果である。
しかし当人はそのことについて別段後悔もしていないようだった。相変わらず歌っている。
しゅを おそれ る もの は いえ その いつくしみ は とこしえ に たえることが ない
Jはそのことに、限りないおぞましさを感じた。
「賛美歌メドレーはもういい! 聞き飽きたぜ!」
と一声吠え上げ古代大剣を一閃させる。
狂信者が腰から断ち切られた。
半分だけの上半身がずるりと地面に落ちる。
狂信者は黒い瘴気となり、霧散していった。恍惚とした表情を浮かべながら。
舞はずるずるその場にへたり込む。額に手を当て、汗を拭う。
「二度と会いたくないね」
何はさて置きハンターたちはポーションも使って、自分たちと動物たちを可能な限り回復させた。
それから大急ぎで、ミィリアをしかるべき医療機関に運びこんだ。
●
リゼリオの病院。重症患者の入院室。
「ミィリアのおかげで、皆大助かりだったぜ。まあ、ゆっくり休んでくれよ」
肩をぽんぽん叩いて言うJに全身包帯姿のミィリアは、不服そうに零す。
「こんな大変なときに、そうそう休んでもいられないよ、でござるぅ……」
ヴァルナは苦笑し慰める。
「焦らなくても大丈夫ですよ。入院は、ほんの数日のことですから」
歩夢が笑顔で、それに付け加えた。
「一般人への被害はゼロだったぞ」
舞もまた。
「あんたの馬も治ったよ。Jのシャパリュもね」
最後に、ユニが締めくくる。
「避難民の方々は、今朝方全員無事にポルトワールに到着されたそうです」
依頼結果
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/06/28 13:05:37 |
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相談卓だよ 天竜寺 舞(ka0377) 人間(リアルブルー)|18才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2019/07/01 20:20:59 |