ゲスト
(ka0000)
【血断】嵐を退けよ
マスター:KINUTA

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在5人 / 3~5人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/07/02 07:30
- リプレイ完成予定
- 2019/07/16 07:30
オープニング
※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
とある田舎。とある山。とある洞穴。
コボルドたちが鼻付きあわせ話し合っている。
議題はこの山のふもとにある人間の村のこと。
そこから人間が続々出て行っているのだ。どの家からもこの家からも。
そして今日――とうとう最後の人間たちが、出て行ってしまった。
コボルドたちとしてこの問題はかなり重大。
人間は特に好きじゃないけど、彼らが作るもの――芋とか、トウモロコシとか、鶏とか、卵とか――は大好きだから。
「人間イナクナッタラ、ソウイウモノ食ベラレナクナル……」
「ソレ悲シイ」
「人間、ドシテ急ニ出テイクノダロ」
どうしてって、邪神相手に世界をかけた戦いが始まるからである。
そのため守りの薄い田舎を離れ、都会へ緊急避難するのである。
だけどコボルドたちはそんなこと知る由もない。誰も彼らにそういうことを教えてくれないから。
「……モシカシテ……モシカシテ何カガココヲ襲ッテクルノカモ」
「エッ。ソウダッタラ……ドウシヨウ」
「怖イ」
「逃ゲタホーガイイノデハ」
「ドコニ?」
「エート、ドコダロ」
「人間ガ行クトコロニ、ツイテイケバイインジャナイカ? 安全ナトコロニ逃ゲテルハズダロウ」
●
村人の一団は、一路近隣の都市へと向かう。屋根にまで荷を積んだ馬車に乗って。
「先に行った衆たちゃ、ちゃんと宿取ってくれてるべな」
「うちの畑が心配だべ。早めに収穫済ませて倉庫にしまってはきただが……裏ん山のコボルドどもめ、まさか荒らしちゃいねえべな」
「気になるのはそこだて。全くあん畜生、獣の割に小知恵が回るでタチが悪いべよ」
「おら聞いただが、最近は魔導雷電柵ちうものがあるそうだぞ。触るとこう、ビリビリッとするらしくてよ。それで囲んだ畑は、害獣にやられなくなるそうだて……」
村人たちは街道に出る道を急ぐ。
そこは、いつもの倍ほど混んでいた。彼らと同じことを考えた人間たちが、近隣の村にもたくさんいたからである。
「よーう、そこにいんのは隣村のアンチムさんでねえか?」
「おー、アマブルさんかい。あんたもポルトワールへ行くんかい?」
●
「人間タクサン……」
「スゴクタクサン……」
「コンナニタクサン初メテ見ル……」
見つからないよう注意しながらコボルドたちは、人間たちの群れについていく。
「ドコマデ行クノカナ」
「ワカンナイ……」
ひそひそ言葉を交わしながら、茂みに隠れて匍匐前進。
――と、急に動きを止める。
「ナニ?」
「ナニ?」
歌が聞こえてきたのだ。聞いたこともない歌。
人間たちの群れが怪訝そうに前進を止めた。
道の向こうから1人の女が現れた。
清楚な印象の顔立ちをしている。
エクラ教のカソックを思わせる装束。手には優美な形の大鎌。
歌いながら近づいてくる。
いと高きものよ、あなたによって私は
喜びかつ楽しみ
あなたの名を褒め歌います
次の瞬間、大鎌が振るわれた。
人が真っ二つになる。馬車も、馬も、同じく。
彼女の前にいたものだけではなく、刃の届かないはずの距離にいたものもそうなった。断ち切られ地に転がる。
あなたは正しい裁きをなされました
あなたは悪しきものを滅ぼし
永久に彼らの名を消し去られました
斬られなかった人間たちは逃げようとした。だけど、全然間に合わなかった。彼らの動きは遅かったし、女の動きは速かったのだ。
惨劇を目の当たりにしたコボルドたちは肝を潰した。その場から全速力で逃げ出す。身を隠すことさえ忘れて。
しかし女は、その姿が見えていたにもかかわらず、一切コボルドたちを構わなかった。人間とそれに属するものだけを狙い鎌を振るい続ける。
全てのものが動かなくなると、彼女は、その背に光の翼を広げた。
歌を歌いながら。
主、我らの主よ
あなたの名は地にあまねく
いかに尊いことでしょう
白金に輝く炎が彼女を中心に渦巻き、爆発した。
そして、死体と残骸をきれいに焼き尽くした。
●
もう新米ではないハンターであるユニは、ハンター仲間と一緒に街道へ来ていた。オフィスを通じて街道沿いの町村から、交通整理依頼が出されたのだ。このところ地方から都市へ向かう人間が多いので、渋滞や無断駐車といったトラブルが頻発しているとのことだった。
嫉妬眷属に絡んだ色々な出来事に出会い、考えるところも色々あったユニだが、それももう落ち着いた。
今はやっぱり、人間の役に立ちたいと思う。召使としてではなくて仲間として、対等に助け合えればと。
「割り込みをせず、順番にお通りください」
「歩行者が通りますので、一時停止してください」
誘導旗を手に、自主避難者の行列をさばく。人は後から後からやってくる。
そこに、ちょっとした騒ぎが起きた。いきなり十数匹のコボルドたちが走ってきて、行列めがけ突っ込んだのである。
一瞬身構えるハンターたち。
だが、コボルドたちは人間を害するつもりではなかったらしい。立ち止まることなくそのままの勢いで、どこかへ走り去って行ってしまった。
「……何だったんだ?」
「さあ」
戸惑いながらもハンターたちは、そのまま誘導を続行した。
……そこに、歌が聞こえてきた。
とても美しい声。
エクラ教の賛美歌に似た調子のリズムとメロディ。
聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな
コボルドたちが先ほど走って来た方角に、女が現れた。
纏っているのは白と金の法衣。
清楚な顔に浮かんでいるのは淫猥と紙一重な法悦。
きらめく瞳の奥にあるのは狂信。
万軍の主よ、聖なるかな
あれは人間ではない。悟ったハンターたちは、反射的に覚醒する。
そのとき女の背に翼が広がった。光の粒子で出来た翼だ。
歌声が何倍にも増幅されて聞こえてきた。
ユニは自分の身のうちに危険な衝動が湧き上がるのを覚えた。人間を害したい、という。
それを意志の力で押さえ込んだところに、鎌の一撃が襲ってきた。
ユニは避けきれなかった。固体化した衝撃波が彼女の右肩から左脇腹にかけてを切り裂く。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
とある田舎。とある山。とある洞穴。
コボルドたちが鼻付きあわせ話し合っている。
議題はこの山のふもとにある人間の村のこと。
そこから人間が続々出て行っているのだ。どの家からもこの家からも。
そして今日――とうとう最後の人間たちが、出て行ってしまった。
コボルドたちとしてこの問題はかなり重大。
人間は特に好きじゃないけど、彼らが作るもの――芋とか、トウモロコシとか、鶏とか、卵とか――は大好きだから。
「人間イナクナッタラ、ソウイウモノ食ベラレナクナル……」
「ソレ悲シイ」
「人間、ドシテ急ニ出テイクノダロ」
どうしてって、邪神相手に世界をかけた戦いが始まるからである。
そのため守りの薄い田舎を離れ、都会へ緊急避難するのである。
だけどコボルドたちはそんなこと知る由もない。誰も彼らにそういうことを教えてくれないから。
「……モシカシテ……モシカシテ何カガココヲ襲ッテクルノカモ」
「エッ。ソウダッタラ……ドウシヨウ」
「怖イ」
「逃ゲタホーガイイノデハ」
「ドコニ?」
「エート、ドコダロ」
「人間ガ行クトコロニ、ツイテイケバイインジャナイカ? 安全ナトコロニ逃ゲテルハズダロウ」
●
村人の一団は、一路近隣の都市へと向かう。屋根にまで荷を積んだ馬車に乗って。
「先に行った衆たちゃ、ちゃんと宿取ってくれてるべな」
「うちの畑が心配だべ。早めに収穫済ませて倉庫にしまってはきただが……裏ん山のコボルドどもめ、まさか荒らしちゃいねえべな」
「気になるのはそこだて。全くあん畜生、獣の割に小知恵が回るでタチが悪いべよ」
「おら聞いただが、最近は魔導雷電柵ちうものがあるそうだぞ。触るとこう、ビリビリッとするらしくてよ。それで囲んだ畑は、害獣にやられなくなるそうだて……」
村人たちは街道に出る道を急ぐ。
そこは、いつもの倍ほど混んでいた。彼らと同じことを考えた人間たちが、近隣の村にもたくさんいたからである。
「よーう、そこにいんのは隣村のアンチムさんでねえか?」
「おー、アマブルさんかい。あんたもポルトワールへ行くんかい?」
●
「人間タクサン……」
「スゴクタクサン……」
「コンナニタクサン初メテ見ル……」
見つからないよう注意しながらコボルドたちは、人間たちの群れについていく。
「ドコマデ行クノカナ」
「ワカンナイ……」
ひそひそ言葉を交わしながら、茂みに隠れて匍匐前進。
――と、急に動きを止める。
「ナニ?」
「ナニ?」
歌が聞こえてきたのだ。聞いたこともない歌。
人間たちの群れが怪訝そうに前進を止めた。
道の向こうから1人の女が現れた。
清楚な印象の顔立ちをしている。
エクラ教のカソックを思わせる装束。手には優美な形の大鎌。
歌いながら近づいてくる。
いと高きものよ、あなたによって私は
喜びかつ楽しみ
あなたの名を褒め歌います
次の瞬間、大鎌が振るわれた。
人が真っ二つになる。馬車も、馬も、同じく。
彼女の前にいたものだけではなく、刃の届かないはずの距離にいたものもそうなった。断ち切られ地に転がる。
あなたは正しい裁きをなされました
あなたは悪しきものを滅ぼし
永久に彼らの名を消し去られました
斬られなかった人間たちは逃げようとした。だけど、全然間に合わなかった。彼らの動きは遅かったし、女の動きは速かったのだ。
惨劇を目の当たりにしたコボルドたちは肝を潰した。その場から全速力で逃げ出す。身を隠すことさえ忘れて。
しかし女は、その姿が見えていたにもかかわらず、一切コボルドたちを構わなかった。人間とそれに属するものだけを狙い鎌を振るい続ける。
全てのものが動かなくなると、彼女は、その背に光の翼を広げた。
歌を歌いながら。
主、我らの主よ
あなたの名は地にあまねく
いかに尊いことでしょう
白金に輝く炎が彼女を中心に渦巻き、爆発した。
そして、死体と残骸をきれいに焼き尽くした。
●
もう新米ではないハンターであるユニは、ハンター仲間と一緒に街道へ来ていた。オフィスを通じて街道沿いの町村から、交通整理依頼が出されたのだ。このところ地方から都市へ向かう人間が多いので、渋滞や無断駐車といったトラブルが頻発しているとのことだった。
嫉妬眷属に絡んだ色々な出来事に出会い、考えるところも色々あったユニだが、それももう落ち着いた。
今はやっぱり、人間の役に立ちたいと思う。召使としてではなくて仲間として、対等に助け合えればと。
「割り込みをせず、順番にお通りください」
「歩行者が通りますので、一時停止してください」
誘導旗を手に、自主避難者の行列をさばく。人は後から後からやってくる。
そこに、ちょっとした騒ぎが起きた。いきなり十数匹のコボルドたちが走ってきて、行列めがけ突っ込んだのである。
一瞬身構えるハンターたち。
だが、コボルドたちは人間を害するつもりではなかったらしい。立ち止まることなくそのままの勢いで、どこかへ走り去って行ってしまった。
「……何だったんだ?」
「さあ」
戸惑いながらもハンターたちは、そのまま誘導を続行した。
……そこに、歌が聞こえてきた。
とても美しい声。
エクラ教の賛美歌に似た調子のリズムとメロディ。
聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな
コボルドたちが先ほど走って来た方角に、女が現れた。
纏っているのは白と金の法衣。
清楚な顔に浮かんでいるのは淫猥と紙一重な法悦。
きらめく瞳の奥にあるのは狂信。
万軍の主よ、聖なるかな
あれは人間ではない。悟ったハンターたちは、反射的に覚醒する。
そのとき女の背に翼が広がった。光の粒子で出来た翼だ。
歌声が何倍にも増幅されて聞こえてきた。
ユニは自分の身のうちに危険な衝動が湧き上がるのを覚えた。人間を害したい、という。
それを意志の力で押さえ込んだところに、鎌の一撃が襲ってきた。
ユニは避けきれなかった。固体化した衝撃波が彼女の右肩から左脇腹にかけてを切り裂く。
解説
補足説明。
この依頼の目的は2つ。
1つ。シェオル型歪虚を倒し出来る限り民間人への被害を防ぐこと。
2つ。戦う過程でPL情報である敵の能力をPC情報段階まで落としこみ、報告書に残すこと。
メタな話になりますがこのシェオル型歪虚、この後再度出現する予定になっています。
その時のためにデータが、なるべく多く欲しいのです。
NPCユニはオートマトンのハンター。クラスは格闘士)。
武器はハンマー。実力は中の下といったところです。
シェオル歪虚「狂信者」。今分かっているところのデータ(PL情報)
数:1体
外見:OPに有る通り
能力:(PL情報)
鎌の一撃(40スクエア内にいる人間とそれに付属するものを切り裂く)
聖歌(50スクエア内にいる人間に、精神汚染のBSを与える。BSを受けたものはこのシェオルと同じ精神状態に陥り仲間を攻撃するようになる。この能力は翼を現出させているときのみ発動される)
光の炎(50スクエア内にいる人間とそれに付属するものを焼き尽くす。この能力は翼を現出させているときのみ発動される)
知能:高いはずだが歌い続けているので言葉のキャッチボールが不可能。
プロフィール:純度100%の狂信者。どうやら一神教を奉じる世界の住人であったようだ。
精神状態:異教徒と異端者に対する殺意しかない。そして彼女の目には、人間全てがそう見えている。
現在位置情報
■=10スクエア 現場に障害物はないものとする。
狂=シェオル
ハ=ハンター
避=避難民(■の中に3人存在しているものとする)
■■■■■狂■■■■■
■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■
■■■■■ハ■■■■■
■■■■■■■■■■■
■避■避避■避■避■避
マスターより
KINUTAです。
当方のスケジュールの都合で、急遽新依頼をぶちこむことになってしまい申し訳ないです・・・。
内容は、現在公開中の依頼、『嵐に備えよ』のB面に位置するものと思ってください。
緊急度と危険度は高いです。
当方のスケジュールの都合で、急遽新依頼をぶちこむことになってしまい申し訳ないです・・・。
内容は、現在公開中の依頼、『嵐に備えよ』のB面に位置するものと思ってください。
緊急度と危険度は高いです。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/07/08 02:49
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/06/28 13:05:37 |
|
![]() |
相談卓だよ 天竜寺 舞(ka0377) 人間(リアルブルー)|18才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2019/07/01 20:20:59 |