ゲスト
(ka0000)
荒れ放題の資料室整理のお願い
マスター:秋月雅哉

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/02/04 07:30
- 完成日
- 2015/02/05 21:00
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●ある意味魔窟との戦い
帝国の街の一つに、古びた資料館がある。先代の持ち主が手放して以来訪れるものがいなくなったそこは荒れに荒れていた。
天井には蜘蛛の巣がかかり、カーテンはかび臭く、床は埃の絨毯が敷かれて久しい。
だが貴重な資料があるらしい、と蔵書一覧の写しをみた貴族がその資料館を買い取った。資料館だけではなく当然中の蔵書も。
しかし荒れ放題の資料館はもうどこから手をつければいいのか分からないレベルで荒れ果てている。
建物も結構彼方此方がたが来ている。
貴族の屋敷には使用人がいるが使用人たちは屋敷の維持のために忙しい。
となると外部から人を雇って掃除と建物の補修を頼むしかない。
だが下手に掃除の募集をかけると高価な書籍をこっそり盗み出す輩が出るかもしれない、と心配性で猜疑心の強い貴族は考えた。
……というわけで信用のおけると判断されたハンターたちに掃除と補修の仕事のお鉢が回ってきたわけである。
「平和な依頼なんだけどね。埃対策はしっかりしていかないと泣きを見るよ。ゴーグルとマスクと頭を覆う布と掃除が終わった後捨ててもいいくらいの服装でいったほうが気分的に楽、って位汚れてるから。
基本的に雑談しながら、先方が用意した掃除用具を使って掃除、力や補修仕事に自信がある人はそっちを担当。
蔵書が盗み出されてないかチェックしつつ同じく先方が用意した目録と分類法に従って蔵書を整理。
あとは閲覧スペースを新しい机や椅子に替えるために古いものを出したり新しいものをスペースを考えて置いたり。
敵は埃、かな。まぁ親睦会しながら掃除して資料館を使える段階まで整える……多分簡単なお仕事」
人手が足りないようなら僕も多少は手伝うよ。
ルカ・シュバルツエンド(kz0073)はそう言ったあとくれぐれも掃除のための重装備は忘れないようにね、と告げたのだった。
帝国の街の一つに、古びた資料館がある。先代の持ち主が手放して以来訪れるものがいなくなったそこは荒れに荒れていた。
天井には蜘蛛の巣がかかり、カーテンはかび臭く、床は埃の絨毯が敷かれて久しい。
だが貴重な資料があるらしい、と蔵書一覧の写しをみた貴族がその資料館を買い取った。資料館だけではなく当然中の蔵書も。
しかし荒れ放題の資料館はもうどこから手をつければいいのか分からないレベルで荒れ果てている。
建物も結構彼方此方がたが来ている。
貴族の屋敷には使用人がいるが使用人たちは屋敷の維持のために忙しい。
となると外部から人を雇って掃除と建物の補修を頼むしかない。
だが下手に掃除の募集をかけると高価な書籍をこっそり盗み出す輩が出るかもしれない、と心配性で猜疑心の強い貴族は考えた。
……というわけで信用のおけると判断されたハンターたちに掃除と補修の仕事のお鉢が回ってきたわけである。
「平和な依頼なんだけどね。埃対策はしっかりしていかないと泣きを見るよ。ゴーグルとマスクと頭を覆う布と掃除が終わった後捨ててもいいくらいの服装でいったほうが気分的に楽、って位汚れてるから。
基本的に雑談しながら、先方が用意した掃除用具を使って掃除、力や補修仕事に自信がある人はそっちを担当。
蔵書が盗み出されてないかチェックしつつ同じく先方が用意した目録と分類法に従って蔵書を整理。
あとは閲覧スペースを新しい机や椅子に替えるために古いものを出したり新しいものをスペースを考えて置いたり。
敵は埃、かな。まぁ親睦会しながら掃除して資料館を使える段階まで整える……多分簡単なお仕事」
人手が足りないようなら僕も多少は手伝うよ。
ルカ・シュバルツエンド(kz0073)はそう言ったあとくれぐれも掃除のための重装備は忘れないようにね、と告げたのだった。
リプレイ本文
●平和だけどある意味大変なお仕事
前の持ち主が手放して以来放置されていたという資料室……というか資料館はもう建っているのが不思議なくらい荒れに荒れていた。
ここまで荒れるほど放置していたのを買い取る気になる程度に中の物を把握した貴族が、どうやって調べたのか気になるほどだった。
「……さて、はじめよう。やりがいがありそうだな」
オウカ・レンヴォルト(ka0301)はあまりの荒れっぷりに目的地を間違えていないかと訝しむ仲間たちを促すように口を開く。
新品のカーテンや壁紙、大量の雑巾とバケツ、ニスなどの棚の修繕塗料、蔵書をチェックするためのメモ帳、箒と塵取り、腐った床の補修用の木材、くぎ抜きと金槌。
思いつく限りの必要そうな材料は持ち込んである。
それから本を虫干しを兼ねて掃除の間一度出すときに使うシートと簡易式テントも組み立ててあった。
オウカの服装は割烹着に三角頭巾にマスクという古き良き、かは分からないがリアルブルーの昭和を彷彿とさせる掃除スタイル。
なんだかガタイのいいお母さんに見えなくもない。
胡乱げなまなざしが自分の服装に対して注がれているのに気づくとオウカは不思議そうに、わずかに首を傾げた。
「……掃除は、これが正装だろう?」
正装と清掃をかけているわけではなさそうだがそういうこと、らしい。
入った瞬間床が抜けそうな資料館に入り、まず窓の周辺から飛んではまずいものを退避させた後にカビだらけのカーテンをはがして窓を開く。
掃除をしながら状況にあわせて窓の開け閉めの度合いを変える予定だった。
暦の上では春、というのがリアルブルーの東の島国の文化だがまだ冷たい風が資料館に吹き込んでくる。
腐っている床板をはがしたり棚の移動などの力仕事を引き受けたオウカは周りに気を配りながら作業に入った。
埃が分厚い絨毯になっている床の、踏めば抜けそうな部分を注意して探し出し、はがしては補修材料で直していく。
妙に慣れた手つきに不思議がられるが、家ではよくやっていたことなので何を不思議がられているのか良く分からない素振りだった。
静架(ka0387)は安全靴にツナギ、「安全第一」のヘルメットを片手に補修箇所をチェック。
慎重に屋根に上がり屋根の状態を確認、緊急で直さなければいけない個所を直した後は、床下に潜ってシロアリに食われていないかを確かめる。
案の定食われ方が酷かったため専門の職人による修繕が必要そうだと判断、依頼人の貴族に報告することの脳内メモに記した後とりあえずは応急処置を。
室内の動かせるものはすべて外へと出し、扉なども外して風通しのいいところで塗料を塗って乾かしておく。
「ゲリラ戦になると、人間らしい文明的な生活など、夢物語なので。できる範囲でやりますか」
極限状態の戦闘を思い出しながら外壁の穴を手際よく塞いでいく。
「蔵書を扱うなら、珪藻土の塗り壁がおすすめですけど、時間が限られてますし、乾くまでに時間もかかるんですよね」
館内に戻って動かせないタイプの棚は布で覆って傷がつかないように配慮した後痛んだ天井板を新しいものに張り替える。
オウカの床板補修を手伝って埃の絨毯と格闘し、床をピカピカになるまで磨いたあとはワックスがけだ。
ワックスや塗料の乾燥時間も計算しながら手を合わせて作業に勤しむ。
「もしかしたらリアルブルーへ帰る方法の手掛かりがあるかもしれませんね。とりあえず今回は目録だけみてタイトルだけでも確認しておきましょう」
三角巾とマスクとゴーグルを身に着けたマヘル・ハシバス(ka0440)は早く終わらせてせめて目録でめぼしい本を見つけ出したいと考えながら作業を進めていた。
本の中でカビが酷いものは雑巾でざっと拭いてやる。
「本が虫に食べられていなければいいのですが」
マヘル自身は小さい蜘蛛なら気にしないタイプだが大きいと流石にちょっと苦手なので大きい蜘蛛が出ないことを祈りつつせっせと掃除。
「雲が虫を食べてくれるのは有難いのですけどね。……蜘蛛の巣が、予想以上に多いですね」
まだ掃除していない床であることを確認した後蜘蛛の巣や天井の埃を落としていく。
「まいった、腰に来そうだな、これは」
所持金が心もとなくなってきたので楽そうな仕事に入ったという上杉浩一(ka0969)が現状というか惨状を見て正直後悔していた。
ローブを着こんで汚れと埃対策をしつつ、まだ済んでいなかった部分の掃除を隅から隅まで、面倒くさがりながらも丁寧にやっていく。
力仕事で人手が足りなそうなときはそちらに回るもののあまり重いものを持つと腰がやられるのでその辺は体と相談をしつつできる範囲で。
「本は知識。知識は宝。資料館は学者にとっては宝の山!
んもー、こんなに放置していたなんてもったいないわー。
どんな本が見つかるかしら……ご褒美、楽しみにしてるわね。
そのためにもはやく終わらせましょう」
ノアール=プレアール(ka1623)は貴重な蔵書を閲覧できる時間を取れるように大張り切り。
本の扱いは丁寧に、それでいて手早く。虫干しのために並べた本で傷みが酷いものを見て虫に食われていないかを確認。
読みふけりたいけれどそれは作業が終わった後でのお楽しみということで。
「全力全開で片づけてやる――!」
貴重な蔵書が大量に、いい加減な管理というかむしろ放置されていたと聞いて若干憤りながら作業をしているのは希崎 十夜(ka3752)だ。
思った以上の悲惨な状況に惨劇を見ている気分になり、頭痛を感じつつ敵が兄妹だろうとなんだろうと、片づけることに変わりはないと手早く作業。
読書好きであり歴史や文献への興味が人並み以上にあるので無意識に読みふけりそうになるたびハッと我に返ったり周りから注意が飛んできたりする。
本棚が古くなって本の重みで割れた経験から本棚のチェックもとり行っていく。
必要な補強個所や木材の寸法などをメモし、対象に貼りつけながらの作業だ。
「やるからには、徹底的にやりたいんだよなぁ……」
折角の資料館復活なのだ、できるだけ綺麗な状態に戻した上で任務達成の報告をしたいというのが愛書家だろう。
過去に本棚を自作した経験などもあり補修作業ははかどった。
「……何が役にたつか、分からないものだな」
寸法は紐を使って図り、必要な材料が足りなければ買い足しに行くつもりでせっせと動く。
「虫は平気だけど、埃はほんとやばいです……」
初めての依頼参加なので一緒になった他の仲間たちと少しでも仲良くなれたらうれしい、と思いながら壁紙をはがす葵・ミコシバ(ka4010)はジャージの上下にスニーカー、頬かむり用の手拭い、ゴーグルにマスク、軍手と鼻炎薬を携えていた。
あとは掃除が一段落したらみんなで食べよう、と作ってきたお弁当も。
其方は埃などが蓋の隙間から入ってはもったいないので虫干ししてある本と一緒に外に置いてきていたが。
「湿気がいい感じに壁紙を浮かしてくれててはがしやすいです~。
く~、身長の低さは気合でカバーと言いましたが、やはりちょっと厳しいです。脚立はありませんかね……」
脚立を探してきょろきょろしていると通りかかったオウカが代わろう、と言って高い部分の壁紙を剥ぐのを手伝って去っていく。
「やっぱり優しいです~。ついつい甘えてしまいますね。スイマセン」
オウカにお礼を言ったあとは窓を拭いて、新しいカーテンを取りつけた。
落ち着いた色合いのカーテンは資料室の本が日差しで傷まないように厚手のものが用意されている。
掃除が終わった後はいよいよ蔵書のチェックだ。
本に詳しいメンバーと蔵書の目録を頼りに、分類法に従って本棚に本を戻していく。
ノアールいわく本を整理整頓して、欲しい時にすぐ出せるようにするのは学者の基本、とのことで分類ごとに本の仕切りを作って、パッと見ただけで分かるようにする。
「抜けてる本があったら、誰か持ってっちゃったんでしょう?
捜索する必要があるかしらねー?
マテリアルの本……機導術の本……あの、個人的にこの本頂戴しても……コホン……お借りしてもいいかしら?」
仲間の無言のプレッシャーを受けて写しだけでも取りたいなぁ、と思いながら作業続行。
人見知りだという葵も作業しながらだと逆に話しやすいようで蔵書整理は談笑の時間にもなった。
力に自信のあるメンバーが外から本を資料館内に持ち込み、手分けして本棚に戻していく。
地道な努力が実を結んだ結果、これ以上は荒らせないだろう、というレベルで荒れていた資料館は中々に立派なたたずまいの威厳を取り戻したのだった。
「お弁当を持ってきているんです。良かったら皆さんで食べませんか。
蔵書を閲覧したい方たちも、本に熱中してご飯を取り忘れてしまう前に一度お食事にした方がいいと思うんですけど……」
葵の提案を全員が受け入れ、本を退避させていたシートとテントに移動して、重箱に入れてあったおかずとお握りを食べる。
蔵書整理の間の談笑である程度打ち解けたこともあり、食事中も会話が弾んだ。
本が好きなメンバー同士で自分が棚に戻した本がどのようなタイトルだったか情報を交換し合い、食べ終わってからの本探しの下準備にも余念がない。
幸い大きく天気が崩れることもなく、掃除や本の整理の際に混乱が生じることもなく、虫などに悲鳴が上がる事もなく。
シロアリの被害が専門の職人に修繕と退治を頼まなければ酷かった他はハンターたちの手で資料館を復活させることに成功した。
食事が終わったメンバーで蔵書を調べたい、読みたいという面子は折角綺麗にした内部が汚れないように、念入りに体についた埃を払って資料館へ戻っていく。
それほど興味のないハンターたちはテントとシート、補強や寸法を測るのに使った道具などを持って撤収。
近々資料館は新しい管理人を迎え、完全再生の時を迎えることだろう。
出迎える用意は万全、綺麗になった資料館は柔らかい日差しを浴びてなんだかうれしそうにも見えるのだった。
前の持ち主が手放して以来放置されていたという資料室……というか資料館はもう建っているのが不思議なくらい荒れに荒れていた。
ここまで荒れるほど放置していたのを買い取る気になる程度に中の物を把握した貴族が、どうやって調べたのか気になるほどだった。
「……さて、はじめよう。やりがいがありそうだな」
オウカ・レンヴォルト(ka0301)はあまりの荒れっぷりに目的地を間違えていないかと訝しむ仲間たちを促すように口を開く。
新品のカーテンや壁紙、大量の雑巾とバケツ、ニスなどの棚の修繕塗料、蔵書をチェックするためのメモ帳、箒と塵取り、腐った床の補修用の木材、くぎ抜きと金槌。
思いつく限りの必要そうな材料は持ち込んである。
それから本を虫干しを兼ねて掃除の間一度出すときに使うシートと簡易式テントも組み立ててあった。
オウカの服装は割烹着に三角頭巾にマスクという古き良き、かは分からないがリアルブルーの昭和を彷彿とさせる掃除スタイル。
なんだかガタイのいいお母さんに見えなくもない。
胡乱げなまなざしが自分の服装に対して注がれているのに気づくとオウカは不思議そうに、わずかに首を傾げた。
「……掃除は、これが正装だろう?」
正装と清掃をかけているわけではなさそうだがそういうこと、らしい。
入った瞬間床が抜けそうな資料館に入り、まず窓の周辺から飛んではまずいものを退避させた後にカビだらけのカーテンをはがして窓を開く。
掃除をしながら状況にあわせて窓の開け閉めの度合いを変える予定だった。
暦の上では春、というのがリアルブルーの東の島国の文化だがまだ冷たい風が資料館に吹き込んでくる。
腐っている床板をはがしたり棚の移動などの力仕事を引き受けたオウカは周りに気を配りながら作業に入った。
埃が分厚い絨毯になっている床の、踏めば抜けそうな部分を注意して探し出し、はがしては補修材料で直していく。
妙に慣れた手つきに不思議がられるが、家ではよくやっていたことなので何を不思議がられているのか良く分からない素振りだった。
静架(ka0387)は安全靴にツナギ、「安全第一」のヘルメットを片手に補修箇所をチェック。
慎重に屋根に上がり屋根の状態を確認、緊急で直さなければいけない個所を直した後は、床下に潜ってシロアリに食われていないかを確かめる。
案の定食われ方が酷かったため専門の職人による修繕が必要そうだと判断、依頼人の貴族に報告することの脳内メモに記した後とりあえずは応急処置を。
室内の動かせるものはすべて外へと出し、扉なども外して風通しのいいところで塗料を塗って乾かしておく。
「ゲリラ戦になると、人間らしい文明的な生活など、夢物語なので。できる範囲でやりますか」
極限状態の戦闘を思い出しながら外壁の穴を手際よく塞いでいく。
「蔵書を扱うなら、珪藻土の塗り壁がおすすめですけど、時間が限られてますし、乾くまでに時間もかかるんですよね」
館内に戻って動かせないタイプの棚は布で覆って傷がつかないように配慮した後痛んだ天井板を新しいものに張り替える。
オウカの床板補修を手伝って埃の絨毯と格闘し、床をピカピカになるまで磨いたあとはワックスがけだ。
ワックスや塗料の乾燥時間も計算しながら手を合わせて作業に勤しむ。
「もしかしたらリアルブルーへ帰る方法の手掛かりがあるかもしれませんね。とりあえず今回は目録だけみてタイトルだけでも確認しておきましょう」
三角巾とマスクとゴーグルを身に着けたマヘル・ハシバス(ka0440)は早く終わらせてせめて目録でめぼしい本を見つけ出したいと考えながら作業を進めていた。
本の中でカビが酷いものは雑巾でざっと拭いてやる。
「本が虫に食べられていなければいいのですが」
マヘル自身は小さい蜘蛛なら気にしないタイプだが大きいと流石にちょっと苦手なので大きい蜘蛛が出ないことを祈りつつせっせと掃除。
「雲が虫を食べてくれるのは有難いのですけどね。……蜘蛛の巣が、予想以上に多いですね」
まだ掃除していない床であることを確認した後蜘蛛の巣や天井の埃を落としていく。
「まいった、腰に来そうだな、これは」
所持金が心もとなくなってきたので楽そうな仕事に入ったという上杉浩一(ka0969)が現状というか惨状を見て正直後悔していた。
ローブを着こんで汚れと埃対策をしつつ、まだ済んでいなかった部分の掃除を隅から隅まで、面倒くさがりながらも丁寧にやっていく。
力仕事で人手が足りなそうなときはそちらに回るもののあまり重いものを持つと腰がやられるのでその辺は体と相談をしつつできる範囲で。
「本は知識。知識は宝。資料館は学者にとっては宝の山!
んもー、こんなに放置していたなんてもったいないわー。
どんな本が見つかるかしら……ご褒美、楽しみにしてるわね。
そのためにもはやく終わらせましょう」
ノアール=プレアール(ka1623)は貴重な蔵書を閲覧できる時間を取れるように大張り切り。
本の扱いは丁寧に、それでいて手早く。虫干しのために並べた本で傷みが酷いものを見て虫に食われていないかを確認。
読みふけりたいけれどそれは作業が終わった後でのお楽しみということで。
「全力全開で片づけてやる――!」
貴重な蔵書が大量に、いい加減な管理というかむしろ放置されていたと聞いて若干憤りながら作業をしているのは希崎 十夜(ka3752)だ。
思った以上の悲惨な状況に惨劇を見ている気分になり、頭痛を感じつつ敵が兄妹だろうとなんだろうと、片づけることに変わりはないと手早く作業。
読書好きであり歴史や文献への興味が人並み以上にあるので無意識に読みふけりそうになるたびハッと我に返ったり周りから注意が飛んできたりする。
本棚が古くなって本の重みで割れた経験から本棚のチェックもとり行っていく。
必要な補強個所や木材の寸法などをメモし、対象に貼りつけながらの作業だ。
「やるからには、徹底的にやりたいんだよなぁ……」
折角の資料館復活なのだ、できるだけ綺麗な状態に戻した上で任務達成の報告をしたいというのが愛書家だろう。
過去に本棚を自作した経験などもあり補修作業ははかどった。
「……何が役にたつか、分からないものだな」
寸法は紐を使って図り、必要な材料が足りなければ買い足しに行くつもりでせっせと動く。
「虫は平気だけど、埃はほんとやばいです……」
初めての依頼参加なので一緒になった他の仲間たちと少しでも仲良くなれたらうれしい、と思いながら壁紙をはがす葵・ミコシバ(ka4010)はジャージの上下にスニーカー、頬かむり用の手拭い、ゴーグルにマスク、軍手と鼻炎薬を携えていた。
あとは掃除が一段落したらみんなで食べよう、と作ってきたお弁当も。
其方は埃などが蓋の隙間から入ってはもったいないので虫干ししてある本と一緒に外に置いてきていたが。
「湿気がいい感じに壁紙を浮かしてくれててはがしやすいです~。
く~、身長の低さは気合でカバーと言いましたが、やはりちょっと厳しいです。脚立はありませんかね……」
脚立を探してきょろきょろしていると通りかかったオウカが代わろう、と言って高い部分の壁紙を剥ぐのを手伝って去っていく。
「やっぱり優しいです~。ついつい甘えてしまいますね。スイマセン」
オウカにお礼を言ったあとは窓を拭いて、新しいカーテンを取りつけた。
落ち着いた色合いのカーテンは資料室の本が日差しで傷まないように厚手のものが用意されている。
掃除が終わった後はいよいよ蔵書のチェックだ。
本に詳しいメンバーと蔵書の目録を頼りに、分類法に従って本棚に本を戻していく。
ノアールいわく本を整理整頓して、欲しい時にすぐ出せるようにするのは学者の基本、とのことで分類ごとに本の仕切りを作って、パッと見ただけで分かるようにする。
「抜けてる本があったら、誰か持ってっちゃったんでしょう?
捜索する必要があるかしらねー?
マテリアルの本……機導術の本……あの、個人的にこの本頂戴しても……コホン……お借りしてもいいかしら?」
仲間の無言のプレッシャーを受けて写しだけでも取りたいなぁ、と思いながら作業続行。
人見知りだという葵も作業しながらだと逆に話しやすいようで蔵書整理は談笑の時間にもなった。
力に自信のあるメンバーが外から本を資料館内に持ち込み、手分けして本棚に戻していく。
地道な努力が実を結んだ結果、これ以上は荒らせないだろう、というレベルで荒れていた資料館は中々に立派なたたずまいの威厳を取り戻したのだった。
「お弁当を持ってきているんです。良かったら皆さんで食べませんか。
蔵書を閲覧したい方たちも、本に熱中してご飯を取り忘れてしまう前に一度お食事にした方がいいと思うんですけど……」
葵の提案を全員が受け入れ、本を退避させていたシートとテントに移動して、重箱に入れてあったおかずとお握りを食べる。
蔵書整理の間の談笑である程度打ち解けたこともあり、食事中も会話が弾んだ。
本が好きなメンバー同士で自分が棚に戻した本がどのようなタイトルだったか情報を交換し合い、食べ終わってからの本探しの下準備にも余念がない。
幸い大きく天気が崩れることもなく、掃除や本の整理の際に混乱が生じることもなく、虫などに悲鳴が上がる事もなく。
シロアリの被害が専門の職人に修繕と退治を頼まなければ酷かった他はハンターたちの手で資料館を復活させることに成功した。
食事が終わったメンバーで蔵書を調べたい、読みたいという面子は折角綺麗にした内部が汚れないように、念入りに体についた埃を払って資料館へ戻っていく。
それほど興味のないハンターたちはテントとシート、補強や寸法を測るのに使った道具などを持って撤収。
近々資料館は新しい管理人を迎え、完全再生の時を迎えることだろう。
出迎える用意は万全、綺麗になった資料館は柔らかい日差しを浴びてなんだかうれしそうにも見えるのだった。
依頼結果
依頼成功度 | 大成功 |
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面白かった! | 4人 |
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MVP一覧
重体一覧
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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![]() |
相談卓 上杉浩一(ka0969) 人間(リアルブルー)|45才|男性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2015/02/03 23:09:39 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/01/31 10:24:07 |