ゲスト
(ka0000)
かしゅかしゅ
マスター:愁水

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~4人
- サポート
- 0~1人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 6日
- 締切
- 2019/09/09 22:00
- 完成日
- 2019/09/21 01:40
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
当たり鐘がリンリンリン――軽快な音を鳴らした。
「わーい……」
言葉とは裏腹に、感情の欠片一つ込もっていないその台詞。しかしそれは、何時ものこと。
「ほら、クー。後ろつっかえてるんだから早くどきなよ」
通路の脇で待っていた黒亜(kz0238)が素っ気なく促すと、店員から景品を受け取った紅亜(kz0239)が「んー……」と生返事を寄越しながら、目線は手許の景品に落としたまま、のたのたした歩調でやってきた。
「……なに当たったの?」
「えっとね……」
商店街の福引きで当てた紙封筒の封入口をパカリと開けて、紅亜が中を覗く。彼女の眠たそうで重たそうな瞼はぴくりとも動かなかったが、指先で一枚の紙を摘まみ出した途端、「おー……?」と、珍しく声音を弾ませた。……ような気がした。
「なに」
「オープン記念の招待券だって……」
「なんの」
「ホラーホテル……って書いてある……」
「は?」
黒亜が訝しげに眉を顰めた。「ちょっと見せて」と、彼女の返答も待たずに黒亜は紅亜の指先から券を掻っ攫い、視線を落とした文面を目で追う。軈て、口の中で復唱していた言葉が「ああ……」と、納得に変わった。
「商店街から外れた一角にある小さなホテルのことでしょ、これ。少し前から改装やらなにやらしてるっていうのは聞いてたけど……へえ、これ作ってたんだ」
「ふーん……?」
「……街の掲示板読んでないの?」
「興味なかったから……。あ……でも、これには興味あるよ……」
呆れ目の黒亜に肩を寄せた紅亜が、券を指差す。
「“数々の恐怖体験があなたに襲いかかる”……だって……」
「……へえ」
「面白そうだよね……」
「そう? 去年も同じような所行ったけど、結局なんにもなかったじゃん」
それはあなた達が気づかなかっただけです。
「じゃあ……リベンジしよ……?」
「意味が違うし」
「あ……人数、10人までだいじょうぶだって……私と、クロと……ハクと……」
「え、待って。ハク兄はともかくなんでオレも行くことになってんの?」
「えー……だって……あ、ほら……しなばもろとも、だっけ……?」
「……。……嫌だよ」
「そう……? んーと……体験時間は17時から0時までだって……。危険はないって書いてあるし……だいじょうぶだいじょうぶ……」
「なにが?」
――そして流れは何時も通り。
今年も暑い季節が終わりを告げる。
晩夏の涼を手繰り寄せ、一夜の奇奇怪怪を迎えてみてはどうだろうか。
いや、迎えるのはあなたか、それとも――……
当たり鐘がリンリンリン――軽快な音を鳴らした。
「わーい……」
言葉とは裏腹に、感情の欠片一つ込もっていないその台詞。しかしそれは、何時ものこと。
「ほら、クー。後ろつっかえてるんだから早くどきなよ」
通路の脇で待っていた黒亜(kz0238)が素っ気なく促すと、店員から景品を受け取った紅亜(kz0239)が「んー……」と生返事を寄越しながら、目線は手許の景品に落としたまま、のたのたした歩調でやってきた。
「……なに当たったの?」
「えっとね……」
商店街の福引きで当てた紙封筒の封入口をパカリと開けて、紅亜が中を覗く。彼女の眠たそうで重たそうな瞼はぴくりとも動かなかったが、指先で一枚の紙を摘まみ出した途端、「おー……?」と、珍しく声音を弾ませた。……ような気がした。
「なに」
「オープン記念の招待券だって……」
「なんの」
「ホラーホテル……って書いてある……」
「は?」
黒亜が訝しげに眉を顰めた。「ちょっと見せて」と、彼女の返答も待たずに黒亜は紅亜の指先から券を掻っ攫い、視線を落とした文面を目で追う。軈て、口の中で復唱していた言葉が「ああ……」と、納得に変わった。
「商店街から外れた一角にある小さなホテルのことでしょ、これ。少し前から改装やらなにやらしてるっていうのは聞いてたけど……へえ、これ作ってたんだ」
「ふーん……?」
「……街の掲示板読んでないの?」
「興味なかったから……。あ……でも、これには興味あるよ……」
呆れ目の黒亜に肩を寄せた紅亜が、券を指差す。
「“数々の恐怖体験があなたに襲いかかる”……だって……」
「……へえ」
「面白そうだよね……」
「そう? 去年も同じような所行ったけど、結局なんにもなかったじゃん」
それはあなた達が気づかなかっただけです。
「じゃあ……リベンジしよ……?」
「意味が違うし」
「あ……人数、10人までだいじょうぶだって……私と、クロと……ハクと……」
「え、待って。ハク兄はともかくなんでオレも行くことになってんの?」
「えー……だって……あ、ほら……しなばもろとも、だっけ……?」
「……。……嫌だよ」
「そう……? んーと……体験時間は17時から0時までだって……。危険はないって書いてあるし……だいじょうぶだいじょうぶ……」
「なにが?」
――そして流れは何時も通り。
今年も暑い季節が終わりを告げる。
晩夏の涼を手繰り寄せ、一夜の奇奇怪怪を迎えてみてはどうだろうか。
いや、迎えるのはあなたか、それとも――……
リプレイ本文
●
「ホテル『Viens ici』へようこそお越し下さいました。当ホテルの支配人、ジャックと申します。
今宵、怪なる褥に身を委ね、現実と非現実の狭間を心ゆくまでお楽しみ下さい。
さあ、皆々様、どうぞこちらへ――」
**
部屋に案内された一同がエントランスホールへ戻ると、支配人は忽然と姿を消していた。
いや、支配人は疎か――
「従業員が一人も見えないのって本当に徹底してるわね……」
そう。感嘆を帯びるロベリア・李(ka4206)の呟き通り、ホテルスタッフが一人として控えていないのだ。
集った9人の呼吸だけがしめやかに息づいている。
「果たして“見えない”のか“いない”のか、それとも……と言ったところでしょうか。興味が湧きますね」
眉一つ動かさないブルートパーズの瞳に興を色付かせながら、ロベリアの脇を純白のスカートがふわりと踊った。そして、にんまり。ホールから見渡せるアンティークなホラーテイストに、彼女――アンネマリー・リースロッド(ka0519)の心は浮き立つ。
「(まさか、初対面のわたしを誘って下さるとは思いませんでした)」
事のきっかけとなった紅亜(kz0239)とは、ハンターオフィスで出会った。掲示板の隣でどことなくうきうきと招待券を眺める彼女へ何とはなしに横目を流した時、感情に乏しい互いの瞳が、ふ、と、交わったのだ。
「(この方々もホラー好きなのでしょうか。ご一緒に楽しい時間を過ごしたいものです)」
事前に近隣の井戸端会議からホテルの来歴を聞き込んでいたのだが、大した情報は得られなかった。ならば、この“アウェイ”を楽しむ他ない。
「――それにしてもホラーって、また白藤が苦手そうな」
頬に苦笑を凝らせたロベリアがバーのカウンターチェアに腰を落とす。カウンターの向こうでは、シュヴァルツ(kz0266)がカクテルを作っていた。
「ミアはー……あの子はホラー映画好きだから、どんな演出で驚かせに来るか楽しみにしてそうね。私もいい休暇として楽しませてもらいましょうか」
「そうは言いつつ、やっぱ保護者気質は抜けねぇか?」
「何よ」
「アイツらに気ぃ配ってんじゃねぇかと思ってよ」
「いやー、あの子たちは気にしないでしょうけど、ねぇ?」
語尾と共に漏らした吐息が、飾り気のない愛情を息づかせていた。「(欲がねぇ李らしいな)」――そう秘めた言葉が、シュヴァルツの双眸を穏やかに細くする。
「いつも時間が合う訳じゃないし、こういう時くらいは一緒に過ごさせてあげたいじゃない。それに、シュヴァルツとなら私も気が楽だもの」
「へえ?」
「そう言えばこの前、いいお店を見つけたの。お礼に今度奢るわよ」
シュヴァルツの口許がニッと返答すると同時、ロベリアの前に一杯のカクテルが差し出された。
「あら、ラム・コーク?」
「気ぃ張り終わった日の夜とかによ」
「?」
「そいつ飲みながらピザ食って、映画でも見てぇよな」
シュヴァルツは自分用に作ったラム・コークのグラスを手にすると、
「暇が出来たらでいい、今度付き合えよ」
情緒的な眼差しでウインクを寄越し、豪快にグラスを傾けた。
「きけんは、ない……棄権はない、やないやんね……?」
「おお、しーちゃんうまいニャスなぁ」
「うれしないわ……!」
ニャははと笑うミア(ka7035)の隣で、白藤(ka3768)は額に噴き出てくる冷や汗を手の甲で必死に拭っていた。
「雰囲気のあるホテルニャスネ。ニャんか、こう……去年泊まった所とは空気が違う感じニャス。0時になる頃にはみんないなくなってたりしてて……」
「Σ!!?」
「ニャんてな♪」
その屈託のない笑顔に罪はない。
「(こういうんは得意やないんよなぁ……。でも皆の前で格好の悪いとこは見せられへん)」
しかし――
「あ! ダディ、しーちゃんて怖いの苦手なんニャス。だから、よろしく頼むニャスよ♪」
その暴露には些か物申したいことがgggg
「う、うち、部屋に忘れもんしたから取ってくるわ!」
確認せずとも白亜(kz0237)の表情には予想がついていた。だからこそ真面に見られるはずもなく、白藤は、ぷい、と、顔を背けて階段を駆けていった。
その後ろ姿をにししと見送ったミアは、ホールから見えるバーを遠目に、
「(ロベリアちゃんとシュヴァルツちゃんは相変わらず熟年夫婦してるニャスなぁ)」
と八重歯を覗かせると、踵を弾ませながらレストランへ向かった。日中はサーカスの練習をしていた為、ミアの腹の虫が大合唱をしているのだ。お昼寝からの腹拵えでもよかったのだが、そこはやはりミアの本能。
「ニャほーう! 好きなもの好きなだけ食べ放題ニャスー!」
無人のレストランに飛び込んだミアは、目の前で立ち上る湯気と芳ばしい香りに頬を綻ばせ――あっという間に膨らませた。
右手におむすび、左手にターキー。
忽ち空になった右手に又おむすび。
あむあむと様々な具を堪能していると、気づけばおむすびスペースはすっからかん。
「ふニャぁ、足りないニャス……――って、ニャッ!?」
何本目かのターキーをペロリと平らげ、漬け物で箸休めをしていたミアが目を離したのは僅か数秒であった。
ミアが空にしたスペースに、てんこ盛りのおむすびが出現していたのだ。
「???」
辺りを見渡すが、周りに見えるのは色と味豊かな料理のみ。
「……ま、いっか!」
食べても食べても無くならない料理。ミアにとっては好都合であった。
「ふぅ、まんぷくぷくーニャス」
英気を養ったミアは誰かを探す素振りでラウンジにやってきた。
其処には、未だバーで寛ぐミアの“両親”の姿と、端の席で一人小冊子を読む彼の姿が。見つけたと言わんばかりに尖晶石の瞳を輝かせながら、ミアは彼目掛けて一目散。
「何飲んでるニャス? ミアも飲みたい!」
ゾンビグラスに残っていた真っ赤な液体を呷った桜久世 琉架(kz0265)の唇が、艶に弧を描く。
「やめておいた方がいい。君の可愛らしい唇が腫れでもしたら大変だ」
色の通り、かなり辛口の酒を飲んでいたようだ。
「そっかぁ。なあなあ、琉架ちゃん」
直ぐさまミアの興味は移る。
「ニャんか怖い話してくれニャスよー」
「唐突だね」
「えへへ。だってほら、怖い話って怖い人が話した方が怖いニャスし?」
「おやおや」
琉架が歯を見せずに、にこりと笑う。もうこわい。
「そう言えば先程部屋を出た時、ストアルームで物音がしたよ。俺は興味がなかったからスルーしたが、気になるなら見に行ってみたらどうだい?」
「マジニャスか! よっしゃ、ミアと一緒に探検に行くニャス!」
「ん?」
ミアは彼の腕を引き上げると、琉架の返答も待たずにホールへずんずん足を急がせる。
丁度階段に差し掛かった時、レストラン帰りの黒亜(kz0238)と出くわした。苺の残り香がすごい。黒亜は、「クロちゃんも一緒に行こうニャス!」と誘うミア――の隣の彼を見るなり、露骨に嫌な表情をした。しかし、犬猿の仲である琉架のせせら笑うような下目遣いを撥ね付けられるほど黒亜が理性的であるはずもなく、結果、琉架から引き剥がしたミアの尻尾を掴みながら黒亜が先行していくのだった。
●
戦略的撤退をした白藤は、何故か部屋に用意されていた温かいハーブティーに躊躇するも、窓に滴る雨粒に目をやりながらカップの縁に口をつけた。
「嫌な雨やなぁ……」
呟けば現実感が増した。
雨は苦手だ。ランタンの灯りを灯しても、未だにこの寂寥感は消し去れない。
「……皆んとこいこ」
空になったカップをソーサーに置くと、白藤は「ご馳走さん」と独り言を残し――
『ドウイタシマシテ……』
脱兎の如く部屋を後にした。
「きのせい、きのせい……――み”!?」
一瞬、廊下の鏡に白いワンピース姿の女性が横切った。……ような気がした。が、前方にはホテルを目下探検中のアンネマリーが壁掛け絵に目を凝らしていた。ワンピース姿の彼女の装いに、何だ、気のせいか――で、そうは問屋が卸さない。
鏡に映った女性の髪は、烏羽色だったのだ。
白藤が両足を踏ん張ったまま固まっていると、何処からか――
『こっちへおいで』
という囁き声が聞こえてきた。
「ぴゃ!?」
調子外れな白藤の悲鳴に、アンネマリーの小顔と足先が「?」と此方を向く。
「どうかしましたか?」
彼女の問いかけに身振り手振りで今の出来事を話すと、「気のせいですよ」と心ばかりの気休めが返ってきた。
「反応すると付け込まれますよ。……因みに、声がした方はどちらですか?」
囁き声に導かれ、何者かの手記や隠蔽された惨劇の跡などが見つかれば最高のアンネマリー。
白藤の誘導で突き当たりまで向かうと、其処には斧を持った羊の人形が待ち構えていた。
『ハズレ、僕はダイヤのキングだよ』
人形はそう語りかけると、次なる呼び声が白藤を誘う。
「~~~ッ、もぉっあったまきた! いくで、絶対見つけたんねん!」
威勢を武器に、アンネマリーをアドバイザーに、ロベリアを道連れに、紅亜を癒しに、マスコットのミアがいないのが精神的に大ダメージだが、“姉”として堪える他ない。
「……ちょっとあんた。私だけ不穏じゃない?」
きのせいきのせい。
こっちへおいでという囁き声は薔薇を飾った羊の人形――ハートのクイーンへと続き、三匹目には剣を構えた羊の人形が白藤達を待ち受けていた。
「トランプ……シュヴァルツ。あんたまさか、このホテルの改装に一枚噛んでるんじゃないでしょうね」
同行していたシュヴァルツを、ロベリアが怪訝な顔で見やる。が、
「そこまで酔狂じゃねぇよ」
そう眉を浮かせる彼に「それもそうか」と言いかけたその時――
『ハズレ、俺はスペードのエースだよ――さあ、いないのはだぁれ?』
羊の人形から謎の問いかけが発せられた。
脇で固まる白藤を横目に、ロベリアが腕組みをする。
「居ないのはクローバーのジャックになるのかしら……となると、最初に会った――」
ふ、
「Σぴゃっ!?」
瞬間、ホテル内の電灯が一斉に消えた。
蝋燭やランタンなどの原始的な灯火が、薄闇のベールに包まれる。
「……何か聞こえません?」
淡としたアンネマリーの声音が、ぱっくりと大口を開ける廊下の奥へ吸い込まれていき、突如――
シャキン
鋭利な物音に切断された。
そして、ずるずると何かを引き摺るような音をさせ、朧な闇から現れたのは――
「わ」
素で吃驚したロベリアが短く声を上げ、アンネマリーの双眸が光を放つ。
声にならない悲鳴を上げて一目散に逃げ出したのは言わずもがな。
黒のシルクハットに黒のロングコート。
笑顔仮面のホラーマスクに巨大な鋏を手にした怪人が、ロベリア達に襲いかかってきたのだ。
さりげに前へ出たシュヴァルツが背中でロベリアを隠す。その際、目配せを送ってきたアンネマリーの意図にシュヴァルツは一瞬逡巡するも、“任せた”と小さく顎を引いた。その合図にアンネマリーは“逃げ出そう”と踵を返すが、足がもつれ膝から崩れ落ちる。
怪人の意識が彼女へ移ったその瞬間、シュヴァルツはロベリアの腕を引いて駆け出した。
「ちょ、ちょっと! あの子を置いて行くの!?」
「“子”って歳じゃねぇだろ」
「そうだとしても、あんな囮みたいな真似――」
「囮なんだよ」
「え?」
「可愛いツラして、ありゃあ相当肝が据わってんぜ」
二人の後ろ姿が暗がりへ消えていくと、アンネマリーの無機質な瞳が僅かに安堵を帯びる。
まるで、ホラー映画に出て来る登場人物のような状況だ。
「(お約束なこの雰囲気、好きですね)」
アンネマリーは頭上で鋏を躱すと、軽やかに立ち上がり、満足そうに身を翻したのだった。
一方、白藤はというと。
「なんでなん!? なんなん!? なんで出入口開かへんのんあのスマイルマンなんなんほんまにぃぃぃ」
何故か紅亜を抱えたまま、ホールで右往左往をしていた。
だが、そのふためく足は不意にぴたりと止まる。白藤は目を凝らした。其処には、薄闇に浮かぶ――
(=〈●〉ω〈●〉=)
不気味な顔。
「ぶわっ、ぶぅわけねこぉぉぉーーー!!!」
逃ッ。
後に残された化猫――ではなく、
「しーちゃん……ニャんで……!?」
ミアゴンの着ぐるみを着たミアは、しんなりと頭を垂れた。
一通りの探索を終えた後、サーカスのマスコットキャラクターを琉架に見せようと思い立ち着用したのだが、怪人もとい追跡者の出現で、何時の間にか散り散りになってしまったのだ。
ぽつねんと佇むミア。
ホテルは不気味なほど静まり返っていた。まるで、空恐ろしい寂寞の中に一人取り残されたようだ。
「……ミア、ひとりになっちゃった」
何よりも怖く、何よりも慣れない孤独の渦。呑み込まれてしまったら、もう――
「三毛?」
しかし、天涯ではない。
彼女を呼ぶ声は確かにあり、又、彼女の心を灯す光も必ずある。
目の前の彼が、ミアにとってのそうであるように。
「こんな所でなにしてんの、探させないでよ」
「クロちゃん……ミアのこと探してくれたんニャス?」
「……文句ある?」
「なあ、クロちゃん」
「なに」
「ミアと暗闇バイキングしようニャス」
「……は?」
青く灼かれた二本の針が12時を指した時、重々しく鳴り響くホールの大時計が“終了”を告げた。
●
ホテルの催しに胸を撫で下ろし(略略白藤)、一同は荷を纏める。
白藤が一人遅れて部屋を出ると、壁に背中を預けた白亜が待っていた。
「平気か?」
言葉に込められた複数の意味に、白藤は視線を外しながら短く頷く。
微笑みを返し、歩き出そうとする彼の服の袖を、「……なあ白亜」と白藤の細い指が引き、
「うちはきっと……自分で抑えれんぐらい白亜のこと、好きやねんで」
熱に潤んだ上目で彼を仰いだ。
隣に立ちたい。
躓いても、蹲り寄り道をしても。
「うちと一緒に歩いて欲しいんや。月を見上げる時、隣に居たいんは……白亜やから」
白藤が袖から指を離して彼に手を伸ばす前に、白亜の大きな掌が彼女の手の甲を包んだ。そして、諭すような優しい口調で口許の笑みを深くする。
「君が雨に憂い沈む日も、淡い灯火に不安を覚える夜も、俺が君の支えになろう。約束する、君の手を離しはしない。……離してやりはしないぞ」
癖に波打つ前髪に彼の唇があたたかな温度で落ちると、白藤は目の縁を震わせながら安らかに目を閉じた。
“三日月”に口笑む支配人の見送りを背に、ロベリアとシュヴァルツはどちらともなく足並みを揃え、
「どう? 近くのバーで飲み直さない?」
「言うと思ったぜ」
虚ろに輝く雨の街へと消えていく。
雨粒が地面を打って均すように、時の流れもまた、彼らの縁を深めていく――かもしれない。
「ホテル『Viens ici』へようこそお越し下さいました。当ホテルの支配人、ジャックと申します。
今宵、怪なる褥に身を委ね、現実と非現実の狭間を心ゆくまでお楽しみ下さい。
さあ、皆々様、どうぞこちらへ――」
**
部屋に案内された一同がエントランスホールへ戻ると、支配人は忽然と姿を消していた。
いや、支配人は疎か――
「従業員が一人も見えないのって本当に徹底してるわね……」
そう。感嘆を帯びるロベリア・李(ka4206)の呟き通り、ホテルスタッフが一人として控えていないのだ。
集った9人の呼吸だけがしめやかに息づいている。
「果たして“見えない”のか“いない”のか、それとも……と言ったところでしょうか。興味が湧きますね」
眉一つ動かさないブルートパーズの瞳に興を色付かせながら、ロベリアの脇を純白のスカートがふわりと踊った。そして、にんまり。ホールから見渡せるアンティークなホラーテイストに、彼女――アンネマリー・リースロッド(ka0519)の心は浮き立つ。
「(まさか、初対面のわたしを誘って下さるとは思いませんでした)」
事のきっかけとなった紅亜(kz0239)とは、ハンターオフィスで出会った。掲示板の隣でどことなくうきうきと招待券を眺める彼女へ何とはなしに横目を流した時、感情に乏しい互いの瞳が、ふ、と、交わったのだ。
「(この方々もホラー好きなのでしょうか。ご一緒に楽しい時間を過ごしたいものです)」
事前に近隣の井戸端会議からホテルの来歴を聞き込んでいたのだが、大した情報は得られなかった。ならば、この“アウェイ”を楽しむ他ない。
「――それにしてもホラーって、また白藤が苦手そうな」
頬に苦笑を凝らせたロベリアがバーのカウンターチェアに腰を落とす。カウンターの向こうでは、シュヴァルツ(kz0266)がカクテルを作っていた。
「ミアはー……あの子はホラー映画好きだから、どんな演出で驚かせに来るか楽しみにしてそうね。私もいい休暇として楽しませてもらいましょうか」
「そうは言いつつ、やっぱ保護者気質は抜けねぇか?」
「何よ」
「アイツらに気ぃ配ってんじゃねぇかと思ってよ」
「いやー、あの子たちは気にしないでしょうけど、ねぇ?」
語尾と共に漏らした吐息が、飾り気のない愛情を息づかせていた。「(欲がねぇ李らしいな)」――そう秘めた言葉が、シュヴァルツの双眸を穏やかに細くする。
「いつも時間が合う訳じゃないし、こういう時くらいは一緒に過ごさせてあげたいじゃない。それに、シュヴァルツとなら私も気が楽だもの」
「へえ?」
「そう言えばこの前、いいお店を見つけたの。お礼に今度奢るわよ」
シュヴァルツの口許がニッと返答すると同時、ロベリアの前に一杯のカクテルが差し出された。
「あら、ラム・コーク?」
「気ぃ張り終わった日の夜とかによ」
「?」
「そいつ飲みながらピザ食って、映画でも見てぇよな」
シュヴァルツは自分用に作ったラム・コークのグラスを手にすると、
「暇が出来たらでいい、今度付き合えよ」
情緒的な眼差しでウインクを寄越し、豪快にグラスを傾けた。
「きけんは、ない……棄権はない、やないやんね……?」
「おお、しーちゃんうまいニャスなぁ」
「うれしないわ……!」
ニャははと笑うミア(ka7035)の隣で、白藤(ka3768)は額に噴き出てくる冷や汗を手の甲で必死に拭っていた。
「雰囲気のあるホテルニャスネ。ニャんか、こう……去年泊まった所とは空気が違う感じニャス。0時になる頃にはみんないなくなってたりしてて……」
「Σ!!?」
「ニャんてな♪」
その屈託のない笑顔に罪はない。
「(こういうんは得意やないんよなぁ……。でも皆の前で格好の悪いとこは見せられへん)」
しかし――
「あ! ダディ、しーちゃんて怖いの苦手なんニャス。だから、よろしく頼むニャスよ♪」
その暴露には些か物申したいことがgggg
「う、うち、部屋に忘れもんしたから取ってくるわ!」
確認せずとも白亜(kz0237)の表情には予想がついていた。だからこそ真面に見られるはずもなく、白藤は、ぷい、と、顔を背けて階段を駆けていった。
その後ろ姿をにししと見送ったミアは、ホールから見えるバーを遠目に、
「(ロベリアちゃんとシュヴァルツちゃんは相変わらず熟年夫婦してるニャスなぁ)」
と八重歯を覗かせると、踵を弾ませながらレストランへ向かった。日中はサーカスの練習をしていた為、ミアの腹の虫が大合唱をしているのだ。お昼寝からの腹拵えでもよかったのだが、そこはやはりミアの本能。
「ニャほーう! 好きなもの好きなだけ食べ放題ニャスー!」
無人のレストランに飛び込んだミアは、目の前で立ち上る湯気と芳ばしい香りに頬を綻ばせ――あっという間に膨らませた。
右手におむすび、左手にターキー。
忽ち空になった右手に又おむすび。
あむあむと様々な具を堪能していると、気づけばおむすびスペースはすっからかん。
「ふニャぁ、足りないニャス……――って、ニャッ!?」
何本目かのターキーをペロリと平らげ、漬け物で箸休めをしていたミアが目を離したのは僅か数秒であった。
ミアが空にしたスペースに、てんこ盛りのおむすびが出現していたのだ。
「???」
辺りを見渡すが、周りに見えるのは色と味豊かな料理のみ。
「……ま、いっか!」
食べても食べても無くならない料理。ミアにとっては好都合であった。
「ふぅ、まんぷくぷくーニャス」
英気を養ったミアは誰かを探す素振りでラウンジにやってきた。
其処には、未だバーで寛ぐミアの“両親”の姿と、端の席で一人小冊子を読む彼の姿が。見つけたと言わんばかりに尖晶石の瞳を輝かせながら、ミアは彼目掛けて一目散。
「何飲んでるニャス? ミアも飲みたい!」
ゾンビグラスに残っていた真っ赤な液体を呷った桜久世 琉架(kz0265)の唇が、艶に弧を描く。
「やめておいた方がいい。君の可愛らしい唇が腫れでもしたら大変だ」
色の通り、かなり辛口の酒を飲んでいたようだ。
「そっかぁ。なあなあ、琉架ちゃん」
直ぐさまミアの興味は移る。
「ニャんか怖い話してくれニャスよー」
「唐突だね」
「えへへ。だってほら、怖い話って怖い人が話した方が怖いニャスし?」
「おやおや」
琉架が歯を見せずに、にこりと笑う。もうこわい。
「そう言えば先程部屋を出た時、ストアルームで物音がしたよ。俺は興味がなかったからスルーしたが、気になるなら見に行ってみたらどうだい?」
「マジニャスか! よっしゃ、ミアと一緒に探検に行くニャス!」
「ん?」
ミアは彼の腕を引き上げると、琉架の返答も待たずにホールへずんずん足を急がせる。
丁度階段に差し掛かった時、レストラン帰りの黒亜(kz0238)と出くわした。苺の残り香がすごい。黒亜は、「クロちゃんも一緒に行こうニャス!」と誘うミア――の隣の彼を見るなり、露骨に嫌な表情をした。しかし、犬猿の仲である琉架のせせら笑うような下目遣いを撥ね付けられるほど黒亜が理性的であるはずもなく、結果、琉架から引き剥がしたミアの尻尾を掴みながら黒亜が先行していくのだった。
●
戦略的撤退をした白藤は、何故か部屋に用意されていた温かいハーブティーに躊躇するも、窓に滴る雨粒に目をやりながらカップの縁に口をつけた。
「嫌な雨やなぁ……」
呟けば現実感が増した。
雨は苦手だ。ランタンの灯りを灯しても、未だにこの寂寥感は消し去れない。
「……皆んとこいこ」
空になったカップをソーサーに置くと、白藤は「ご馳走さん」と独り言を残し――
『ドウイタシマシテ……』
脱兎の如く部屋を後にした。
「きのせい、きのせい……――み”!?」
一瞬、廊下の鏡に白いワンピース姿の女性が横切った。……ような気がした。が、前方にはホテルを目下探検中のアンネマリーが壁掛け絵に目を凝らしていた。ワンピース姿の彼女の装いに、何だ、気のせいか――で、そうは問屋が卸さない。
鏡に映った女性の髪は、烏羽色だったのだ。
白藤が両足を踏ん張ったまま固まっていると、何処からか――
『こっちへおいで』
という囁き声が聞こえてきた。
「ぴゃ!?」
調子外れな白藤の悲鳴に、アンネマリーの小顔と足先が「?」と此方を向く。
「どうかしましたか?」
彼女の問いかけに身振り手振りで今の出来事を話すと、「気のせいですよ」と心ばかりの気休めが返ってきた。
「反応すると付け込まれますよ。……因みに、声がした方はどちらですか?」
囁き声に導かれ、何者かの手記や隠蔽された惨劇の跡などが見つかれば最高のアンネマリー。
白藤の誘導で突き当たりまで向かうと、其処には斧を持った羊の人形が待ち構えていた。
『ハズレ、僕はダイヤのキングだよ』
人形はそう語りかけると、次なる呼び声が白藤を誘う。
「~~~ッ、もぉっあったまきた! いくで、絶対見つけたんねん!」
威勢を武器に、アンネマリーをアドバイザーに、ロベリアを道連れに、紅亜を癒しに、マスコットのミアがいないのが精神的に大ダメージだが、“姉”として堪える他ない。
「……ちょっとあんた。私だけ不穏じゃない?」
きのせいきのせい。
こっちへおいでという囁き声は薔薇を飾った羊の人形――ハートのクイーンへと続き、三匹目には剣を構えた羊の人形が白藤達を待ち受けていた。
「トランプ……シュヴァルツ。あんたまさか、このホテルの改装に一枚噛んでるんじゃないでしょうね」
同行していたシュヴァルツを、ロベリアが怪訝な顔で見やる。が、
「そこまで酔狂じゃねぇよ」
そう眉を浮かせる彼に「それもそうか」と言いかけたその時――
『ハズレ、俺はスペードのエースだよ――さあ、いないのはだぁれ?』
羊の人形から謎の問いかけが発せられた。
脇で固まる白藤を横目に、ロベリアが腕組みをする。
「居ないのはクローバーのジャックになるのかしら……となると、最初に会った――」
ふ、
「Σぴゃっ!?」
瞬間、ホテル内の電灯が一斉に消えた。
蝋燭やランタンなどの原始的な灯火が、薄闇のベールに包まれる。
「……何か聞こえません?」
淡としたアンネマリーの声音が、ぱっくりと大口を開ける廊下の奥へ吸い込まれていき、突如――
シャキン
鋭利な物音に切断された。
そして、ずるずると何かを引き摺るような音をさせ、朧な闇から現れたのは――
「わ」
素で吃驚したロベリアが短く声を上げ、アンネマリーの双眸が光を放つ。
声にならない悲鳴を上げて一目散に逃げ出したのは言わずもがな。
黒のシルクハットに黒のロングコート。
笑顔仮面のホラーマスクに巨大な鋏を手にした怪人が、ロベリア達に襲いかかってきたのだ。
さりげに前へ出たシュヴァルツが背中でロベリアを隠す。その際、目配せを送ってきたアンネマリーの意図にシュヴァルツは一瞬逡巡するも、“任せた”と小さく顎を引いた。その合図にアンネマリーは“逃げ出そう”と踵を返すが、足がもつれ膝から崩れ落ちる。
怪人の意識が彼女へ移ったその瞬間、シュヴァルツはロベリアの腕を引いて駆け出した。
「ちょ、ちょっと! あの子を置いて行くの!?」
「“子”って歳じゃねぇだろ」
「そうだとしても、あんな囮みたいな真似――」
「囮なんだよ」
「え?」
「可愛いツラして、ありゃあ相当肝が据わってんぜ」
二人の後ろ姿が暗がりへ消えていくと、アンネマリーの無機質な瞳が僅かに安堵を帯びる。
まるで、ホラー映画に出て来る登場人物のような状況だ。
「(お約束なこの雰囲気、好きですね)」
アンネマリーは頭上で鋏を躱すと、軽やかに立ち上がり、満足そうに身を翻したのだった。
一方、白藤はというと。
「なんでなん!? なんなん!? なんで出入口開かへんのんあのスマイルマンなんなんほんまにぃぃぃ」
何故か紅亜を抱えたまま、ホールで右往左往をしていた。
だが、そのふためく足は不意にぴたりと止まる。白藤は目を凝らした。其処には、薄闇に浮かぶ――
(=〈●〉ω〈●〉=)
不気味な顔。
「ぶわっ、ぶぅわけねこぉぉぉーーー!!!」
逃ッ。
後に残された化猫――ではなく、
「しーちゃん……ニャんで……!?」
ミアゴンの着ぐるみを着たミアは、しんなりと頭を垂れた。
一通りの探索を終えた後、サーカスのマスコットキャラクターを琉架に見せようと思い立ち着用したのだが、怪人もとい追跡者の出現で、何時の間にか散り散りになってしまったのだ。
ぽつねんと佇むミア。
ホテルは不気味なほど静まり返っていた。まるで、空恐ろしい寂寞の中に一人取り残されたようだ。
「……ミア、ひとりになっちゃった」
何よりも怖く、何よりも慣れない孤独の渦。呑み込まれてしまったら、もう――
「三毛?」
しかし、天涯ではない。
彼女を呼ぶ声は確かにあり、又、彼女の心を灯す光も必ずある。
目の前の彼が、ミアにとってのそうであるように。
「こんな所でなにしてんの、探させないでよ」
「クロちゃん……ミアのこと探してくれたんニャス?」
「……文句ある?」
「なあ、クロちゃん」
「なに」
「ミアと暗闇バイキングしようニャス」
「……は?」
青く灼かれた二本の針が12時を指した時、重々しく鳴り響くホールの大時計が“終了”を告げた。
●
ホテルの催しに胸を撫で下ろし(略略白藤)、一同は荷を纏める。
白藤が一人遅れて部屋を出ると、壁に背中を預けた白亜が待っていた。
「平気か?」
言葉に込められた複数の意味に、白藤は視線を外しながら短く頷く。
微笑みを返し、歩き出そうとする彼の服の袖を、「……なあ白亜」と白藤の細い指が引き、
「うちはきっと……自分で抑えれんぐらい白亜のこと、好きやねんで」
熱に潤んだ上目で彼を仰いだ。
隣に立ちたい。
躓いても、蹲り寄り道をしても。
「うちと一緒に歩いて欲しいんや。月を見上げる時、隣に居たいんは……白亜やから」
白藤が袖から指を離して彼に手を伸ばす前に、白亜の大きな掌が彼女の手の甲を包んだ。そして、諭すような優しい口調で口許の笑みを深くする。
「君が雨に憂い沈む日も、淡い灯火に不安を覚える夜も、俺が君の支えになろう。約束する、君の手を離しはしない。……離してやりはしないぞ」
癖に波打つ前髪に彼の唇があたたかな温度で落ちると、白藤は目の縁を震わせながら安らかに目を閉じた。
“三日月”に口笑む支配人の見送りを背に、ロベリアとシュヴァルツはどちらともなく足並みを揃え、
「どう? 近くのバーで飲み直さない?」
「言うと思ったぜ」
虚ろに輝く雨の街へと消えていく。
雨粒が地面を打って均すように、時の流れもまた、彼らの縁を深めていく――かもしれない。
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夏の終わりの隠れんぼ【相談卓】 ミア(ka7035) 鬼|22才|女性|格闘士(マスターアームズ) |
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