【未来】知追う者、約束の先の

マスター:狐野径

シナリオ形態
イベント
難易度
易しい
オプション
参加費
500
参加制限
-
参加人数
1~25人
サポート
0~0人
報酬
無し
相談期間
5日
締切
2019/09/30 22:00
完成日
2019/10/12 15:52

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●邪神との戦から約一年後
 エトファリカ連邦国、天ノ都から徒歩で二日ほど行ったところにある地域・師岬。
 今年こそ、収穫祭をやりたいと大江 紅葉は考え、ハンターオフィスにポスターを貼りに行った。
 刻令術の農具やゴーレムなども投入し里の形は整える。時々、ハンターがユニット持参で手伝ってくれることもあった。種を埋める前に農地に適しているか否かも適宜判断はした。知識があっても素人な紅葉の判断であるため、正しいか否かはまだ分からない。
 幸いなことに今年は植物は育つ。
 樹木も育てていかないとならない。かつては梅の木があったり、松林があったはずだ。紅葉の記憶は薄いが、家令の親などは里のイメージを思い出したかのように語るときがあった。
 歪虚支配地域になっていたとき、植物は消えている。ぺんぺん草一つ生えていなかった。鳥が飛び、虎猫や柴犬達が走りまわり、驢馬がうろつく中、種を拾い広げていっているだろう。
 人間側としては、苗木と育てるために天ノ都の屋敷の庭にあった木からどうにかしていく。
 樹木が大きくなるのはまだまだ先だ。それでも、緑は増えていく。
 里は建物も整い、雨風で人々が悩まされるのは減る。それにより、人手の確保も進めた。
 道は舗装されていないため、雨が降るとぬかるむ。いずれは石畳やリアルブルーの技術を呼び込み舗装できればいい。
 学校は最初に立てる。里に住む雑多に子供が集まる。形はできたけれども、そこは途上だ。それでも、大人が活動する間、子どもを預かるという点でも重要な役割と言えた。教師役は大江家や吉備家などの老人たち、運動系については松永家の手すきの若者たちと言う風に分担はされている。紅葉も教えるためのテキストを作ったり、隙間を見て手伝っている。
 そのような学校だから、午前中でほぼ終わり。読み書きが学べるのはその先に進むのに必要だ。
「念願の図書館は……まだまだなのですけどね……」
 紅葉が出かけられるところで子ども向けの物と農業や町の在り方などの実用書半分という偏りで百冊ほど。いずれは万単位を目指したいところだ。
「ないよりある方がいいのです!」
 紅葉は本があることが嬉しい。
「都から離れて、このような生活が来るとは本当に……信じられませんでした」
 都から魔導トラックを走らせる時間は考える時間。
 思い出すのは死んだ人、傷ついた人。
「母上、父上……若葉……郎党たち……助けてくれたヒト……」
 母や父の顔は遠すぎて思い出せない。妹やついていた郎党については、死の瞬間の状況が頭から離れない。
「もっと、色々してやれたのでしょうか?」
 平和になり、思い出すことが増えた。
 もしも、はない。
「若葉……が、もし、生きていれば」
 思ってはいけない。
「私は、師岬を守らないと、先に進めないといけないのです」
 だからこそ、松永 光頼を伴侶とした。彼との出会いは偶然であると同時に、上司たちの計らいがあった。今こうして生きられるのは彼やハンターたちのおかげなのだとひしひしと感じている。

●収穫祭
 紅葉の夫たる光頼は、彼女が留守の間の代行をする。
 そして、目の前に突きつけられている現実に、難しい顔をする。目の前にいるのは大江および松永の家臣と里の代表数名。味方となるはずの紅葉は外出中だ。本日中には戻ってくるだろうけれども、今はいない。
「せっかくなので!」
「もう、女たちは衣装も用意しています」
「それに知り合いに招待状も出しています」
「紅葉様には事後承諾ですが」
 次々に言われて光頼は「私にも事後承諾ですよね」と真っ直ぐに言う。
 家臣たちや代表者は「その通りです」と真っ直ぐに答える。
「収穫祭ですよね」
「その中のメーンイベントは、披露宴です」
 家臣たちが進行表を見せた。
「……ああ、紅葉の手際が見える」
 光頼は溜息を吐いてうなずいた。紅葉が手順や計画を一覧にしてくるが、それは家臣たちの教育のたまものだったとよくわかる。
「客人も来るというのに、駄目とは言えない」
 光頼がうなだれたのに対し、家臣や代表者は晴れやかな笑顔になる。一礼をするといそいそと部屋を後に下。
 残った光頼はやってきた虎猫を捕まえて撫でる。
「結婚式……避けてきたんだけど……」
 なぜ避けたか、費用問題。
 なぜ避けたか、新郎新婦がなんとなく逃げた。
 なんとなくでは回避できないのだった。

●客
「イノア様、大丈夫ですか?」
「はい、問題ありません。えっと……いいのでしょうか? 私がここまで来てしまって」
 ルゥルはイノア・クリシスに問われ、同行しているリシャール・ベリンガーを見る。
「リシャールさん、普通に来てます」
「父も一度来てますね、ふらっと」
 ルゥルとリシャールは「大丈夫」と言う。
 そういわれると、気が楽になり、初めてきた異国に対して興味が湧き始める。
 オフィスを出て、天ノ都に一歩踏み出した。
 空気が違う。
 行きかう人たちの服装が違う。
 建物が違う。
 何もかもが違う。
 イノアの中でたくさんの言葉や感情が飛び交う。
「ハンターってすごいですね。転移門でこうやって来て、見ているんですよね」
 絞り出した言葉はそれだった。
「そうですよー、だから、私はハンターになりたかったのです」
 ルゥルが照れる。
「今日は、大江の屋敷で一泊して、明日、馬車で行きます」
「はい……よそ見しないでついて行きますね」
 イノアの言葉にリシャールとルゥルは硬直した。
「人のことは言えないのです。だから、私がイノア様とリシャールさんの手をつなげばいいのですっ」
「……ルゥル……君の荷物はどうするのですか?」
「……みぎゃ」
 リシャールに指摘されルゥルが困った顔をした。
「私がルゥルさんと手をつなぐのはいいはずですよね」
「そうですね」
「で、二人は迷子になったんですね」
 その話題に飛んだ瞬間、ルゥルがあわあわ言い始め、リシャールは渋い声を出したのだった。
 ルゥルたち一行は翌日朝から都から師岬までの道のりを無事進む。宿泊予定の吉備家に到着すると歓待を受けるのだった。

 収穫祭当日、秋晴れだ。
 まだ収穫途中のものもあるけれども、祭りは祭り。
「き、聞いていませーーーーーーーーーーん」
 大島の方から紅葉の悲鳴が開催の花火のように上がった。

リプレイ本文

●旅
 星野 ハナ(ka5852)は招待状に記載の日程三日前には大江家にいた。台所係の人に頼み込む。
「披露宴でどんなお料理出すのかとっても興味がありますぅ! 下働きでいいのでぜひ見学させてくださいぃ」
「あら、ハナさん」
「紅葉さん、実はー」
 台所係が答えようとしたところ、何も知らない大江 紅葉(kz0163)が通りかかる。ハナがそちらに向いたところ、台所係に手を引かれて奥に連れていかれる。
「披露宴の話はまだ宗主にはしていないため、御法度です。手伝いをしてくださることは構いません」
「ありがとうございます!」
 そんなこんなで、ハナは手伝いをする。
 ハナが知っている方法が多いが、中には違うものもある。日本的な雰囲気はある場所であるが、やはり違うものは違う。
「ふぉぉ、そんな方法があるんですねぇ」
 食材の違いなども影響しているのかもしれなかった。
「東方茶屋でいろんな東方料理を作って西方に広めてぇ、これから東西交流推進したいのでぇ、実地で見るのがすごく勉強になりますぅ」
 ハナは楽しんでいた。そんなこんなで当日になる。

 ラスティ・グレン(ka7418)は行ったことがない東方で収穫祭があるということでやってきた。
「東方には桃源郷があるという。俺の望むπ乙カイデーな姉ちゃんたちだってたくさんいるかもしれないじゃないか!? いざ、ゆかん東方! ついでに初めての東方見聞だー!」
 東方に来て何かが変わるかはわからない。
 そして、気づいた、着物と言うの物の問題点に。
「なんだ、この国、なんなんだ着物! あれじゃ、誰でも彼でも平原に見えるじゃないか……。この国に俺の桃源郷はなかった!」
 往来で地面を拳で叩いて号泣する。
 西方より、高温多湿だから、人によっては露出が高い服をきているかもしれない。着物が目立つけれどもそれ以外のものあるはずなのだが……目立たないのかもしれない。
 ただし、ラスティが望むような人物がいるかは別だ。
「ボン、どうかしたのか?」
 通りすがりの男性が声をかけられ、かくかくしかじかと話すラスティ。
「まあ、そりゃ、どこの国も一緒だろ? むしろ、西にいるときいたこともあるぞ?」
「そんなもんなのか?」
「そんな桃源郷があるなら、おっさんが見てみたいよ」
 豪快に笑って、ラスティの頭をポンポンとたたき立ち去る。
「はあ、一筋縄には行かないってことだな」
 落ちついたところで、目的地に向かうのだった。

 ルゥル(kz0210)とリシャール・ベリンガー、イノア・クリシスの三人は都を発つとき、ハンターに出会った。
 ルベーノ・バルバライン(ka6752)はイノアが参加するというため護衛を兼ね参加するという。
「リシャールやルゥルは多少雑に扱ってもどうということはないが、イノアは貴族の当主だ。体力とて、お前たちほどないのだ、気を遣うことに越したことはなかろうよ」
 リシャールが弟妹と姉がいると反論したり、ルゥルは「みぎゃ」と言った。
 ディーナ・フェルミ(ka5843)の参加理由も似ている。
「イノア様たちがいくなら、そして、そこに屋台があるならっ! 参加しないのは女がすたるの!」
 食べる方が目立つが、イノアが困らないように手を貸すつもりはある。
 トリプルJ(ka6653)はリシャールたちの護衛がてら向かうという。
「東方はリシャール似の男に引っかかった女歪虚の時とか畑の修行とかで来たからなぁ。暇だし、リシャールたちが参加するならいくかって思ってよ」
 女歪虚が追っていた幻影は舞刀士かつ紅葉に性格上どっちかと言うと似ている可能性は高い。一応、大江家の先祖絡みなので。
「それに、ルゥルとリシャールじゃ、二人で迷子になってそうな気がしてなぁ。それにイノア様がつき合わされて迷子になっても困るから」
 リシャールとルゥルが反論に出るが、弱い。
「こういうのを聞いたことあります、子供はいつまでたっても出会ったときの小さいままだと」
「確かに、私も、弟妹が三歳くらいで夢に出てきたことあります」
 ルゥルとリシャールは互いに慰め合い、納得しようとしていた。
「そこか……というより、リシャールやルゥルはハンター稼業でまたくるかもしれねぇが、イノア様はそうでもないだろ。なら、楽しいことだけ経験して帰ってほしいからな」
 トリプルJの言葉にルゥルとリシャールは納得したとうなずいた。
 マリィア・バルデス(ka5848)はルゥルの付き添いと紅葉の祝いと明確に考えている。
「ほら、いくわよ」
 そして、道中は賑やかった。

 フィロ(ka6966)は披露宴の話を聞いて、裏方を申し出る。メイドという役割を持っていたオートマトンとして、客としてじっとしているのは落ち着かない部分もある。
「おめでたい話です。ぜひ、お手伝いさせてください」
 披露宴やそれに付随して来賓の宿泊場所の準備など様々あると推測はできる。
 頭を下げるフィロに、大江と松永両家の家臣は慌てる。
 手伝ってくれるというならば、断る理由もなかった。手伝いをしてくれるということは、祝儀にもつながるし、フィロの思いも感じられるからだ。
「こういう作業をする方が落ち着きます……」
 手伝いを初めてフィロはほっとする。
 以前来た時は、まだ荒涼とした大地だった。人が戻り、そして、収穫までできるようになったということは感慨深い。
 歪虚と戦ってきたハンターとして。
 忙しいとはいえ、さほどではなかったが、披露宴の始まる直前はさすがに戦場のような忙しさになった。ハンターよりもメイドとして、気持ちは高揚する。何より平和であることは喜ばしい。

 メイム(ka2290)はグラズヘイム王国で縁がある土地で入手した野菜や果物を手にやってきた。
 宿泊先で台所を借り、ヒラタケッぽいキノコと香草を醤油で煮詰めた佃煮風の物とイチゴと思われる果実のジャムを盛ったタルトを作る。
「お酒のあてとお菓子ねー」
 それにしても、どんな披露宴なのか想像すると、飲み食い中心の宴会というふうになる。
「ドジョウ掬いとか、黒田節とか……きっと誰かするよね。そもそも、あれって、男の人が歌うべきだろうし」
 大江と松永、どういうイメージを持たれているのか、メイムの東方に対する意識も何から拾ってきたのか、混ざり合っている。
「さてと、これでいいかな」
 準備は整った。

 ミオレスカ(ka3496)は招待状をもらったとき、紅葉と出会ったころを思い出す。
「こんな日が来るなんて、感慨深いですね」
 東方の解放という戦いの中、紅葉と出会った。妹を亡くし、暗い表情の女性だった。
 それが終わった後、吹っ切れたらしく、突き進む姿を見ている。空回りなのか本心なのかわからない。
「これで、きっと紅葉さんも一人で突き進んだりしなくなるんですね……」
 ミオレスカは想像した。光頼と仲良く、屋敷でたたずむという姿だったが、その直後、走り出す紅葉の姿を。
「……とは、思えないですね、どうしてでしょうか」
 お祝いにできることは何もないと考えるミオレスカ。
 とりあえず、現地に向かった。

 レイア・アローネ(ka4082)は披露宴に誰がいそうか、意識しないで来ていた。紅葉には世話にもなったし、祝いに来るのはやぶさかではなかった。
「賑やかし、くらいにしかならないだろうが」
 それでも、里に来ると感慨深い。
 里に人が少ない時を見ているため、ここまで家が立ち並び、田畑があるのは人の強さであり、頑張ってきたという証である。
 朝、里を一周後、戻ってきたとき、とんでもない出会いがあったのだった。

●朝のうちに挨拶
 ルゥルとハンターたちはそれぞれの宿泊先から朝、一旦集まる。そして、収穫祭や宴などでどう行動をとるか確認を取るのだった。
 ディーナは単身行動をとる。
「うちの旦那様はタスカービレで剣道道場を開いているけど、とっても東方かぶれの侍さまなの。だから、気に入りそうなお土産があったら買って帰らなきゃなの」
 理由を聞いたところで「のろけなのです」とルゥルが言う。
「ルゥル、ずいぶんいろいろ知っているのね」
 マリィアに褒められるが、褒めていいのかわからない内容だとイノアは聞いていた。
「それに東方にジャガイモ料理を広めたときくらいだったから、あまり詳しくないの。だから、未知なるものを知るために行かねばなのっ!」
「ディーナさんの目がキラキラしているのです」
 ルゥルが指摘した。
「じゃあ、またなのー」
 ディーナは元気よく手を振り別れた。目指すは屋台や店である。

 エルバッハ・リオン(ka2434)はルゥルたちがディーナと別れたところに通りかかった。
 挨拶をすると、ルゥルがバンジージャンプに行くと小躍りしている。
「そうなのですか? 後で私も行きますね」
 エルバッハはルゥルを独りで行かせるならば不安であるが、付き添いのハンターもいるし急がなくても大丈夫そうではある。
 そのまま紅葉のところに行く。
「ご結婚、おめでとうございます」
「丁寧にありがとうございます」
「実は……」
 エルバッハは思わせぶりな表情で、袖の下から小瓶を取り出し、
「苦労して入手した『夜戦』の際の手助けになる『お薬』です。こちらの注意書きを守って使ってください」
 と渡した。
「はひっ!?」
 紅葉の声が裏返る。
 披露宴等はまだとはいえ、実際同居して夫婦生活はある。あえて、その点に触れられることを言われると、紅葉が大いに動揺する。紅葉が左右を見て、左右に上半身だけ揺れる。
(よくわからないですが、なぜ、左右に揺れているのでしょうか……)
「では、失礼します」
 エルバッハは微笑む。
「紅葉さんに怪しい薬物を飲ませるわけにはいきませんからね。プラシーボ効果を期待しましょうか」
 ただの栄養ドリンクをもったいぶって渡したのだが紅葉が気づくかは不明だった。
 バンジージャンプの会場に向かい、ルゥルたちを探すのだった。

 ハンス・ラインフェルト(ka6750)と穂積 智里(ka6819)は師岬の大島にある、大江家に向かう。朝早くか披露宴時間でないと挨拶は難しかろうと、考えていた。
 屋敷に着くと人があわただしく動き回っているが、紅葉のところに案内してくれる。
「祝言おめでとうございます。両家の末永い繁栄を心よりお祈りします」
 ハンスは紅葉と光頼を前に平伏して告げた。
「もったいない言葉ありがとうございます。お顔を上げてください……紅葉が……また左右に揺れているので」
 光頼が慌てて言うと、紅葉が光頼に頭突きした。
「……く、紅葉さん、どういう状況なのですか?」
 智里は紅葉の動きがよくわからなかったので、正直に問う。
「家臣たちの画策に腹を立てたり、あえて言われると恥ずかしかったりという感じです。申し訳ありませんでした、せっかく、丁寧なあいさつを頂いたのに。改めて、ありがとうございます、ハンスさんと智里さん」
 紅葉は微笑んだ。
「先ほどのはおかしかったでしょうか? 東方の挨拶はこのようだと教わったのですが、正しかったでしょうか」
 顔を上げてにこやかにハンスは問う。
「いえ、十分すぎる丁寧さでした」
 紅葉がうなずいた。
「ハンスさんが東方風を頑張るらしいので、私はリアルブルー風で良いかなと思いました」
 可愛らしい植木鉢を差し出す。そこにはメッセージカードと土にはコインが刺してある。
「リアルブルーのドイツでは、こういうふうにご祝儀……を渡す習慣もあるのです。台所用品を渡すというのもあるのですが……山のようにありそうなのと、お二人が絶対家の台所用品は把握していないと思ったので……」
 智里は素直にプレゼントの意味を告げ、目をそらした。
 否定できない紅葉と光頼も目をそらした。
 しばらく沈黙が続き、虎猫がどこかで鳴く声が響いた。
「私たちは詩天に住むことにしました」
「そうなんです。家も買いましたけど、レクエスタや南征にもちょこちょこ顔を出しているので、一年の三分の一くらいしか住んでいないのですよね」
 ハンスと智里は言う。ハンスは詩天で水野家家臣としているのだが、そこは言わなかった。
「ちょっと近くて遠いですけど、これからもよろしくお願いしますね、紅葉さん」
「こちらこそ、よろしくお願いしますね」
 紅葉はうなずいた。
「お暇しますね。披露宴の衣装とか楽しみにしています」
 智里の言葉に、紅葉の頬がひきつった。
「嫌なのですか?」
「重いのです」
「でも、リアルブルー式も嫌いですよね」
 智里がドレスを教えると、紅葉が「今のままでいいです」と元気なくつぶやいたのだった。

 レイアはバンジージャンプ会場でルゥルを見つけた。
「なぜルゥルがここに? 今回の主役は紅葉たちだ、あまりはしゃぎすぎてはいけない……」
 気持ちを落ち着かせるが、どこか行動がぎこちない。
「おはよう……」
「あ、レイアさん、おはようございます」
 ルゥルとその他の仲間たちが挨拶する。
「どこに行くのかな?」
「バンジーなのですー」
「よし、付き合うぞ」
 レイアは以前来て、怖い怖いと言いながら、ハマった。そのため、見本を見せるように飛べる。ルゥルがコツを教えてほしいと言えば、手取り足取り教えることもできるのだ。
 その現場は、師岬の中で海に突き出た一番高い崖。てっぺんに立てば、波しぶきが見える。
「イノア様もやってみるんだろ?」
「無理はしなくてもいいからな」
 トリプルJとルベーノは尋ねる。
「え? 私?」
「……するのですか……」
 リシャールとイノアは悩んだが、してみることにする。一応、安全ではあるというし、こういう機会はないからだ。
 そうと決まると、トリプルJは【天翔けるもの】、ルベーノは【縮地瞬動・虚空】でフォローするつもり待機する。
 ルゥルが飛ぶ前にマリィアが身長や体重の制限を確認する。装備品が抜けて落ちるとかあると問題だ。
「遊びはきちんと決まりを守ってでないと。基準に達していなかったらまた来ればいいじゃない」
 幸い、問題はなかったので、ルゥルがわくわくと飛び降りて「みぎゃあああああああ」と楽しそうな声を上げた。
「……あああもっ!」
「どうしたの、レイア」
 マリィアが声をかけるが、レイアはおりてきたルゥルに突進する。
「抱きつかせろ、触らせろ、頬ずりさせろ! キノコもあったぞ、飴舐めるか」
「み、みぎょおおおお」
 逃げるルゥルの悲鳴がおかしい。
 レイアの頭には固いものが当たる。
「不審者、何やっているのかしら?」
 マリィアの冷たい声が響いた。
「あ、うん、すまない、冷静になった」
 レイアは凍り付いた。
 この間に、リシャールが普通に飛び、イノアは無言で真っ青になって飛んだ。
「もう一回やるのですー」
 ルゥルだけが元気だった。
 レイアも付き合うつもりだが、笑顔のマリィアの視線が恐ろしかった。
 合流したエルバッハは状況を見て「大変ですね」と苦笑した。

●里の中
 ハナは師岬を見て回る。
 収穫祭では、獲れたての野菜などをあぶったり煮込んだりしたものなどがあった。
 整えられた祭りというより、地域の身内の祭りという雰囲気だ。それに外部からの人も大歓迎。
 学校の方は田舎の小さな学校の雰囲気の校舎。まだ、新築の匂いが漂う。
 披露宴はこの校庭というか広場である。たっぷり見回った後、その準備に加わった。

 ハンスと智里は学校を覗く。
「読み書き算術は詩天ないでも広めたほうが良いと思いますが、思想はどうなんでしょうね」
 智里にハンスは呟く。これから二人が住まう地の未来も考える。
「どうしてですか?」
「ものによっては殿の意思に反するものもあるでしょうし。こちらではどんな思想を教えるんでしょうね」
「思想があるかわからないですけど、なんか、のびのびとした小学校みたいな雰囲気はしています」
 智里が通ったわけではないが、古い日本の学校や寺子屋をほうふつとさせるぬくもりを感じた。
 披露宴があるはずの広場の舞台では、出し物ができるらしかった。
 ハンスは余興にと趣味の三味線ロックを披露したところ、拍手喝さいで迎えられた。
 智里はそれを嬉しく見守った。

 ラスティは苦難の乗り越え収穫祭までやってきた。
「ここで俺の望むπ乙カイデーな姉ちゃんがいれば……」
 バンジージャンプの会場の入り口には、胸筋たくましい兄ちゃんはいた。
「うわっ」
「どうしたボウズ」
「いや、なんでもないよ。バンジージャンプ?」
 ラスティはせっかく来たのだし、楽しむべく、やってみることにした。
 これが終わると、祭りを見て回る。広場では出し物が行われていた。
「……俺が考える桃源郷とは程遠いけど……のんびりしてるなぁ」
 ラスティは出し物を見て、食べたり飲んだりして祭りを堪能するのだった。

 ディーナは単独行動に移り、屋台に向かう。披露宴もあるため、時間も限られる。
 見て回って気づくのはここには特殊な物がまだない。
 猫ちぐらを作って売ろうとしているらしく、飾られていた。モデルとは関係なく、中に虎猫が入っている。
「……お猫様っ!」
 旦那様用ではない何かはあった。

 ミオレスカは里が整い、人が多いことに驚く。復興しているということを改めて感じる。
 以前あった秋祭りは楽しもうという気持ちだけがあった。今回は土地で取れたものもある程度あり、土地で生きることに感謝する思いも感じる。
 顔見知りにも会う。
「イノアさんもお元気そうで」
「ミオレスカさん、こんにちは。はい、おかげさまで元気にやっています」
 イノアやルゥルなどと近況などを話す。
「楽器演奏を出来ればと思うのですが」
「吉備さんに言えばできますよ」
 ルゥルが宿泊先で、紅葉の上司かつ兄弟子の吉備 灯世を指名する。
「ではそうします」
 ミオレスカは灯世を探した。そして、披露宴のプログラムに入れられた。
「たいそうなことになってしまいました?」
 祝えるならそれでよいのだ。

●祝言
 披露宴が始まる前からエルバッハは会場に入る。
 画像、映像を取るための位置を確認する。
「せっかくなのですし、撮っておきます。紅葉さん、こういうところは気にしないみたいですが、家臣のためにも」
 この行事が大江家臣が中心としてやっているのはわかっているのだから。

 披露宴会場は誰でも見られるところだ。
 宴会会場は座席だけは限られているが、それでも祝うことは可能。里の関係者はかわるがわる見に来る。
 舞台の側に牛車が来る。涼しい顔の紅葉とエスコートする光頼が出てくる。
「紅葉さんのお洋服重そうなのです」
「でも、素敵ですわね」
 ルゥルとイノアが感想を述べる。

 メイムは顔見知りのハンターたちの側にいた。
 ルゥルは顔がすっきりしているが、イノアは青く、リシャールが困っているという三者三様の表情だ。付き添っていたというハンターは基本的には笑っている。バンジージャンプの影響だというのだ。
「やったんだ……」
 ルゥルは楽しかったのだろう。
「まあ、無事でよかったよ。あ、これも食べてね」
「いただくのです」
 メイムにいわれると、ルゥルがお菓子を食べ始める。
「お酒が多いかな……ルゥルはお酒駄目だから、お茶とかもらってね」
 メイムはてきぱきと避ける。よそ見しているルゥルが何を口にするかわからないのだった。

 ハナは料理を運び、紅葉に話しかけた。
「紅葉さんはぁ、結婚しても当主様じゃないですかぁ。陰陽寮の活動はうやむやになってるぽいですしぃ、これからは師岬で当主仕事がメインになるんですぅ?」
 紅葉はうめき、光頼がそっぽを向いた。
「そうなんですよねぇ……光頼にやってもらっていますからねぇ」
「二人三脚でやれそうなのですぅ?」
「ですよね……人が増えて、物が増えて、いずれは船もとか言っていると……」
 紅葉と光頼が溜息を吐いた。
「考えることはたくさんあるのですぅ。私はクリムゾンウェストを飛び回って、人間領域を広げるお手伝いを一生するつもりですぅ。何かあったらどんどん依頼してくださいねぇ」
「はい、頼りにしています。依頼と限らず、遊びに来てくださいね」
 紅葉は微笑む。
「そうさせてもらいますぅ」
 ハナは盆を持って下がった。

 フィロは紅葉が運営しているという学校を見る。
 その学校は彼女が勤めるところと小さいものだった。新しいし、これからだというのが伝わってくる。
 どういう理念、どういう方針の学校か、時間があるとき、紅葉に聞きたかった。

 マリィアはタイミングを見て、紅葉たちに声をかける。
「結婚おめでとう。私の生国じゃ結婚祝いにはお金か、夫婦がリクエストしてくれたものなのよね。紅葉、本をリクエストしたでしょう?」
「しましたっけ? いつでもどこでも、本がほしいといっていましたので……」
 マリィアは「エトファリカ訪問記」と巻き物「月と太陽」を紅葉に渡した。しっかりと紅葉は握りしめる。
「持っているかもとは思ったけど、この辺りなら喜んでもらえるかと思って」
「ありがとうございます。たとえ、持っていたとしても、私一人で読むものではありませんから。それに、エトファリカがどういう状況だったか、この本は資料としても重要ですよね」
「そうよね。平和になると分からなくなるから」
 『エトファリカ訪問記』を見て言う。誰が書いたかわからないけれども、妖怪の話題が多いのが最大の謎。
「ただ、これ、見覚えがある妖怪がいるんですよね……」
「どれが?」
「これです。これって、鬼と私が雇ったハンターくらいしか見ていないはずですよ……」
「……それはそれよね」
「そうですね」
 二人は笑う。
「こっちじゃ、サンボ、同居するというのがないから、私もあっさり結婚しちゃったけど」
「え? そうなんですか! 私が知っている人ですか? おめでとうございます」
「ふふっ……そのうちね。結局二人が幸せならいいてことよね」
 マリィアは紅葉にハグをして別れた。

 トリプルJは舞台に近づくと紅葉と光頼に声をかける。
「おめっとさん。知り合いが結婚するのは良いこった」
 短いけれども、祝福は伝わる。来てくれて声をかけること、楽しむことが重要なのだから。
 リシャールたちのところに戻る。ここで何かトラブルが起こることはないだろうけれども。

 ディーナは持参したお祝いを差し出す。
「タスカービレ名物のTIKUWAなの。どうぞ、召しあがってなの」
 トラウトのすり身製らしい。
「ちくわ……ですよね」
「ちくわだな」
「……はっ!」
 会場近くをうろついていた虎猫の一部が気づいた。
「まあ、袋に入っているのですし……そうです、魚取れたらちくわとかかまぼことか作るのもいいですね」
 紅葉がひらめいたとなり、メモを取ろうと立ち上がろうとしたが、着ているものの重さにひっくり返る。周りで悲鳴が上がった。
「紅葉さん」
「紅葉」
 ディーナと光頼が慌てて抱き起すのだった。

 レイアは紅葉と光頼が舞台にいる間に、酌に寄る。
「私たちの戦いはひと段落着いたが、お前たちはここからなお忙しくなるだろうな、紅葉。だからこそ、二人で支え合って……いや、それも不粋か……」
「いえ、そうなのですよね。私がぽーいと仕事投げてますので、支え合わないとですよね」
「紅葉……」
 レイアはなんといっていいかわからない顔になる。ただ、二人がお互いに補い合って行動しているのはわかる。
「とにかく、おめでとう」
「はい、ありがとうございます」
 紅葉が微笑む。
 レイアはそれだけ、祝福することが大切であり、祝福以上のことはできないと考えていた。

 ミオレスカは披露宴で曲を披露した。
 舞台にいる紅葉が目頭を押さえているが、微笑も浮かんでいる。
 衣装が重くて動けない紅葉が手招きをしている。
「紅葉さん、おめでとうございます」
「ミオレスカさん、ありがとう」
 紅葉はミオレスカにハグをした。
「紅葉さん、突撃はしないようにしてくださいね」
「……突き進むと色々巻き添えが増えますからね」
 紅葉は苦笑する。
 ミオレスカは理解している紅葉が信用できないけれども、光頼や里の人がブレーキになるだろうと信じる。

●片付け
 屋敷に到着した紅葉と光頼にメイムは面会した。
「くれはさん、光頼さん。改めて、結婚おめでとう。符術師たるもの、言の葉を重く見ないとー」
「言の葉だけでよいのですっ!」
「終わったし、祝ったし。宣言することで気も引き締まると思うよー」
 メイムの言葉に、光頼が「確かに」と同意している。
「それに、こういうことがないとこういうものも来ないよー」
 メイムは童話「人魚の恋」、絵巻物「ニタイキムン」、予言書「シビュレ」を取り出した。それを紅葉に渡す。
「祝儀もかねて。くれはさんが喜び、里にも役立つよね」
「ありがとうございますっ! この辺りは子どもも……予言書!?」
 紅葉が三冊とも広げて読み始める。
「紅葉……」
「くーれーはーさーん」
 集中した紅葉は戻ってこなかった。
「……なんか、ごめん」
「……引き戻せずに済まない」
 メイムと光頼は互いに謝罪をしていた。
 メイムが立ち去るとき、紅葉が声をかけた。
「ありがとうございました」
「いえいえー」
「本だけでなく、これまでも」
「うん、また、面白い本があった情報流すよー」
 メイムは紅葉がまた本に目を落としているのを見て、彼女らしさだと思い苦笑した。

 フィロは十二単を脱ぎ散らかす紅葉のところに片付けのために行く。
「紅葉様……」
「あ、フィロさん、ありがとうございます」
「いえ、動いているほうが落ち着きます」
 衣をたたみながらとりとめのない会話が始まる。そこで、フィロは学校のことを切り出した。
「私、グラズヘイム王国の片田舎にある聖導士学校で、寮母をしています」
「噂は聞いていますが……どんな所なんですか?」
「レクエスタや南征に関わる人材の育成をしています。師岬の学校の方も、交換留学でいらしたらどうでしょうか? 南征は紫草大将軍が主導なさっていると聞きますし、東方の方と交流するのは生徒にとっても良い経験となると思うのです」
 立花院 紫草(kz0126)の名が出た時、紅葉は「まあ、偉大な人は死してもなお、生存の話は残るのです」と述べて苦笑した。紫草は死した、というのがここでの情報だから。
「さて、そちらの学校はハンター養成なのですね」
「こちらは違うのですか?」
「読み書き、計算。一応、礼儀作法……私に毬をぶつけたら謝ると科ですね! 地域や世界のことですね……まだ」
 フィロは違いがよくわかった。交換留学するのは難しいが、交流することは別でもできるはずだ。
「縁は大切にしたいですから、交流できるといいですね」
「はい、そうですね」
 フィロがクリムゾンウェストの来たのも、紅葉と出会ったのも縁なのだから。
 フィロは一礼して、たたみ終わった衣類を持って退出した。

 エルバッハは披露宴で撮影したものを複製し、大江家の家臣に渡す。
「こ、これは」
「はい、先ほどの披露宴のものです」
「ありがとうございます」
 娘や孫の晴れ姿を見るような家臣たちに、涙を流さんばかりにお礼を言われるのだった。

●花火
 暗くなったころ、花火が上がる。

 ラスティは花火を見つめ、楽しかったけれどもちょっと悲しい東方初見聞。
「東方になくても、まだ南方や西方にはあるかもしれない! 俺は俺の桃源郷を探すぜ!」
 拳を固く握るのだった。

 ルベーノは花火を見るイノアが年相応の娘の顔を見せるとほっとする。
「花火、やはり、王国のと違いますね」
「空気でもちがうからな」
「そうなんですか……そうですよね……湿度、違いますし」
 イノアは自分の手で手の甲を触る。
 ルベーノは依頼で初めて見たときのイノアは肩ひじ張って、一生懸命領主であろうとしていた。今もそうであろうが、余裕もできたように見える。
「お前には幸せになってもらいたいと思っている。プエルの最期をみとったのは俺だ。俺は生涯プエルを忘れん。プエルの代わりに、お前が幸せになるのを見届けれればよいと思っている……」
「……ルベーノさん」
「お前も紅葉のように幸せな花嫁、素晴らしい領主になれるよう、手伝いは惜しまん」
 兄であり、歪虚となったプエル(kz0127)の討伐依頼がよぎる。それ以降、ルベーノはイノアを助けようとしてくれた。時々、ちょっとやりすぎて怒られていたけれども。
「ありがとうございます。私は……幸せですよ。ルベーノさんが助けてくれますし、皆さんいますし。独りではありませんから」
 微笑んだ。
 その笑みに花火が彩った。

 ハンスと智里は花火が見える所で場所取りをしていた。
 穏やかな海。日中と違い、夜は温度は下がる。自然と二人は寄り添う。
「これからもよろしくお願いしますね、智里さん」
「……え? はい! こちらこそ、よろしくお願いします! ハンスさん」
 智里は突然の言葉に驚きながらも、自然に答える。素直な気持ちを伝え、過去も踏まえ未来に進む。
 花火が上がり、二人を明るく照らした。

 物語は続く、人がいる限り。

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参加者一覧

  • タホ郷に新たな血を
    メイム(ka2290
    エルフ|15才|女性|霊闘士
  • ルル大学魔術師学部教授
    エルバッハ・リオン(ka2434
    エルフ|12才|女性|魔術師
  • 師岬の未来をつなぐ
    ミオレスカ(ka3496
    エルフ|18才|女性|猟撃士
  • 乙女の護り
    レイア・アローネ(ka4082
    人間(紅)|24才|女性|闘狩人
  • 灯光に託す鎮魂歌
    ディーナ・フェルミ(ka5843
    人間(紅)|18才|女性|聖導士
  • ベゴニアを君に
    マリィア・バルデス(ka5848
    人間(蒼)|24才|女性|猟撃士
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナ(ka5852
    人間(蒼)|24才|女性|符術師
  • Mr.Die-Hard
    トリプルJ(ka6653
    人間(蒼)|26才|男性|霊闘士
  • 変わらぬ変わり者
    ハンス・ラインフェルト(ka6750
    人間(蒼)|21才|男性|舞刀士
  • 我が辞書に躊躇の文字なし
    ルベーノ・バルバライン(ka6752
    人間(紅)|26才|男性|格闘士
  • 私は彼が好きらしい
    穂積 智里(ka6819
    人間(蒼)|18才|女性|機導師
  • ルル大学防諜部門長
    フィロ(ka6966
    オートマトン|24才|女性|格闘士
  • 桃源郷を探して
    ラスティ・グレン(ka7418
    人間(紅)|13才|男性|魔術師

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ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2019/09/30 20:17:31