ゲスト
(ka0000)
【未来】知追う者、約束の先の
マスター:狐野径

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在13人 / 1~25人
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/09/30 22:00
- リプレイ完成予定
- 2019/10/14 22:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
●邪神との戦から約一年後
エトファリカ連邦国、天ノ都から徒歩で二日ほど行ったところにある地域・師岬。
今年こそ、収穫祭をやりたいと大江 紅葉は考え、ハンターオフィスにポスターを貼りに行った。
刻令術の農具やゴーレムなども投入し里の形は整える。時々、ハンターがユニット持参で手伝ってくれることもあった。種を埋める前に農地に適しているか否かも適宜判断はした。知識があっても素人な紅葉の判断であるため、正しいか否かはまだ分からない。
幸いなことに今年は植物は育つ。
樹木も育てていかないとならない。かつては梅の木があったり、松林があったはずだ。紅葉の記憶は薄いが、家令の親などは里のイメージを思い出したかのように語るときがあった。
歪虚支配地域になっていたとき、植物は消えている。ぺんぺん草一つ生えていなかった。鳥が飛び、虎猫や柴犬達が走りまわり、驢馬がうろつく中、種を拾い広げていっているだろう。
人間側としては、苗木と育てるために天ノ都の屋敷の庭にあった木からどうにかしていく。
樹木が大きくなるのはまだまだ先だ。それでも、緑は増えていく。
里は建物も整い、雨風で人々が悩まされるのは減る。それにより、人手の確保も進めた。
道は舗装されていないため、雨が降るとぬかるむ。いずれは石畳やリアルブルーの技術を呼び込み舗装できればいい。
学校は最初に立てる。里に住む雑多に子供が集まる。形はできたけれども、そこは途上だ。それでも、大人が活動する間、子どもを預かるという点でも重要な役割と言えた。教師役は大江家や吉備家などの老人たち、運動系については松永家の手すきの若者たちと言う風に分担はされている。紅葉も教えるためのテキストを作ったり、隙間を見て手伝っている。
そのような学校だから、午前中でほぼ終わり。読み書きが学べるのはその先に進むのに必要だ。
「念願の図書館は……まだまだなのですけどね……」
紅葉が出かけられるところで子ども向けの物と農業や町の在り方などの実用書半分という偏りで百冊ほど。いずれは万単位を目指したいところだ。
「ないよりある方がいいのです!」
紅葉は本があることが嬉しい。
「都から離れて、このような生活が来るとは本当に……信じられませんでした」
都から魔導トラックを走らせる時間は考える時間。
思い出すのは死んだ人、傷ついた人。
「母上、父上……若葉……郎党たち……助けてくれたヒト……」
母や父の顔は遠すぎて思い出せない。妹やついていた郎党については、死の瞬間の状況が頭から離れない。
「もっと、色々してやれたのでしょうか?」
平和になり、思い出すことが増えた。
もしも、はない。
「若葉……が、もし、生きていれば」
思ってはいけない。
「私は、師岬を守らないと、先に進めないといけないのです」
だからこそ、松永 光頼を伴侶とした。彼との出会いは偶然であると同時に、上司たちの計らいがあった。今こうして生きられるのは彼やハンターたちのおかげなのだとひしひしと感じている。
●収穫祭
紅葉の夫たる光頼は、彼女が留守の間の代行をする。
そして、目の前に突きつけられている現実に、難しい顔をする。目の前にいるのは大江および松永の家臣と里の代表数名。味方となるはずの紅葉は外出中だ。本日中には戻ってくるだろうけれども、今はいない。
「せっかくなので!」
「もう、女たちは衣装も用意しています」
「それに知り合いに招待状も出しています」
「紅葉様には事後承諾ですが」
次々に言われて光頼は「私にも事後承諾ですよね」と真っ直ぐに言う。
家臣たちや代表者は「その通りです」と真っ直ぐに答える。
「収穫祭ですよね」
「その中のメーンイベントは、披露宴です」
家臣たちが進行表を見せた。
「……ああ、紅葉の手際が見える」
光頼は溜息を吐いてうなずいた。紅葉が手順や計画を一覧にしてくるが、それは家臣たちの教育のたまものだったとよくわかる。
「客人も来るというのに、駄目とは言えない」
光頼がうなだれたのに対し、家臣や代表者は晴れやかな笑顔になる。一礼をするといそいそと部屋を後に下。
残った光頼はやってきた虎猫を捕まえて撫でる。
「結婚式……避けてきたんだけど……」
なぜ避けたか、費用問題。
なぜ避けたか、新郎新婦がなんとなく逃げた。
なんとなくでは回避できないのだった。
●客
「イノア様、大丈夫ですか?」
「はい、問題ありません。えっと……いいのでしょうか? 私がここまで来てしまって」
ルゥルはイノア・クリシスに問われ、同行しているリシャール・ベリンガーを見る。
「リシャールさん、普通に来てます」
「父も一度来てますね、ふらっと」
ルゥルとリシャールは「大丈夫」と言う。
そういわれると、気が楽になり、初めてきた異国に対して興味が湧き始める。
オフィスを出て、天ノ都に一歩踏み出した。
空気が違う。
行きかう人たちの服装が違う。
建物が違う。
何もかもが違う。
イノアの中でたくさんの言葉や感情が飛び交う。
「ハンターってすごいですね。転移門でこうやって来て、見ているんですよね」
絞り出した言葉はそれだった。
「そうですよー、だから、私はハンターになりたかったのです」
ルゥルが照れる。
「今日は、大江の屋敷で一泊して、明日、馬車で行きます」
「はい……よそ見しないでついて行きますね」
イノアの言葉にリシャールとルゥルは硬直した。
「人のことは言えないのです。だから、私がイノア様とリシャールさんの手をつなげばいいのですっ」
「……ルゥル……君の荷物はどうするのですか?」
「……みぎゃ」
リシャールに指摘されルゥルが困った顔をした。
「私がルゥルさんと手をつなぐのはいいはずですよね」
「そうですね」
「で、二人は迷子になったんですね」
その話題に飛んだ瞬間、ルゥルがあわあわ言い始め、リシャールは渋い声を出したのだった。
ルゥルたち一行は翌日朝から都から師岬までの道のりを無事進む。宿泊予定の吉備家に到着すると歓待を受けるのだった。
収穫祭当日、秋晴れだ。
まだ収穫途中のものもあるけれども、祭りは祭り。
「き、聞いていませーーーーーーーーーーん」
大島の方から紅葉の悲鳴が開催の花火のように上がった。
●邪神との戦から約一年後
エトファリカ連邦国、天ノ都から徒歩で二日ほど行ったところにある地域・師岬。
今年こそ、収穫祭をやりたいと大江 紅葉は考え、ハンターオフィスにポスターを貼りに行った。
刻令術の農具やゴーレムなども投入し里の形は整える。時々、ハンターがユニット持参で手伝ってくれることもあった。種を埋める前に農地に適しているか否かも適宜判断はした。知識があっても素人な紅葉の判断であるため、正しいか否かはまだ分からない。
幸いなことに今年は植物は育つ。
樹木も育てていかないとならない。かつては梅の木があったり、松林があったはずだ。紅葉の記憶は薄いが、家令の親などは里のイメージを思い出したかのように語るときがあった。
歪虚支配地域になっていたとき、植物は消えている。ぺんぺん草一つ生えていなかった。鳥が飛び、虎猫や柴犬達が走りまわり、驢馬がうろつく中、種を拾い広げていっているだろう。
人間側としては、苗木と育てるために天ノ都の屋敷の庭にあった木からどうにかしていく。
樹木が大きくなるのはまだまだ先だ。それでも、緑は増えていく。
里は建物も整い、雨風で人々が悩まされるのは減る。それにより、人手の確保も進めた。
道は舗装されていないため、雨が降るとぬかるむ。いずれは石畳やリアルブルーの技術を呼び込み舗装できればいい。
学校は最初に立てる。里に住む雑多に子供が集まる。形はできたけれども、そこは途上だ。それでも、大人が活動する間、子どもを預かるという点でも重要な役割と言えた。教師役は大江家や吉備家などの老人たち、運動系については松永家の手すきの若者たちと言う風に分担はされている。紅葉も教えるためのテキストを作ったり、隙間を見て手伝っている。
そのような学校だから、午前中でほぼ終わり。読み書きが学べるのはその先に進むのに必要だ。
「念願の図書館は……まだまだなのですけどね……」
紅葉が出かけられるところで子ども向けの物と農業や町の在り方などの実用書半分という偏りで百冊ほど。いずれは万単位を目指したいところだ。
「ないよりある方がいいのです!」
紅葉は本があることが嬉しい。
「都から離れて、このような生活が来るとは本当に……信じられませんでした」
都から魔導トラックを走らせる時間は考える時間。
思い出すのは死んだ人、傷ついた人。
「母上、父上……若葉……郎党たち……助けてくれたヒト……」
母や父の顔は遠すぎて思い出せない。妹やついていた郎党については、死の瞬間の状況が頭から離れない。
「もっと、色々してやれたのでしょうか?」
平和になり、思い出すことが増えた。
もしも、はない。
「若葉……が、もし、生きていれば」
思ってはいけない。
「私は、師岬を守らないと、先に進めないといけないのです」
だからこそ、松永 光頼を伴侶とした。彼との出会いは偶然であると同時に、上司たちの計らいがあった。今こうして生きられるのは彼やハンターたちのおかげなのだとひしひしと感じている。
●収穫祭
紅葉の夫たる光頼は、彼女が留守の間の代行をする。
そして、目の前に突きつけられている現実に、難しい顔をする。目の前にいるのは大江および松永の家臣と里の代表数名。味方となるはずの紅葉は外出中だ。本日中には戻ってくるだろうけれども、今はいない。
「せっかくなので!」
「もう、女たちは衣装も用意しています」
「それに知り合いに招待状も出しています」
「紅葉様には事後承諾ですが」
次々に言われて光頼は「私にも事後承諾ですよね」と真っ直ぐに言う。
家臣たちや代表者は「その通りです」と真っ直ぐに答える。
「収穫祭ですよね」
「その中のメーンイベントは、披露宴です」
家臣たちが進行表を見せた。
「……ああ、紅葉の手際が見える」
光頼は溜息を吐いてうなずいた。紅葉が手順や計画を一覧にしてくるが、それは家臣たちの教育のたまものだったとよくわかる。
「客人も来るというのに、駄目とは言えない」
光頼がうなだれたのに対し、家臣や代表者は晴れやかな笑顔になる。一礼をするといそいそと部屋を後に下。
残った光頼はやってきた虎猫を捕まえて撫でる。
「結婚式……避けてきたんだけど……」
なぜ避けたか、費用問題。
なぜ避けたか、新郎新婦がなんとなく逃げた。
なんとなくでは回避できないのだった。
●客
「イノア様、大丈夫ですか?」
「はい、問題ありません。えっと……いいのでしょうか? 私がここまで来てしまって」
ルゥルはイノア・クリシスに問われ、同行しているリシャール・ベリンガーを見る。
「リシャールさん、普通に来てます」
「父も一度来てますね、ふらっと」
ルゥルとリシャールは「大丈夫」と言う。
そういわれると、気が楽になり、初めてきた異国に対して興味が湧き始める。
オフィスを出て、天ノ都に一歩踏み出した。
空気が違う。
行きかう人たちの服装が違う。
建物が違う。
何もかもが違う。
イノアの中でたくさんの言葉や感情が飛び交う。
「ハンターってすごいですね。転移門でこうやって来て、見ているんですよね」
絞り出した言葉はそれだった。
「そうですよー、だから、私はハンターになりたかったのです」
ルゥルが照れる。
「今日は、大江の屋敷で一泊して、明日、馬車で行きます」
「はい……よそ見しないでついて行きますね」
イノアの言葉にリシャールとルゥルは硬直した。
「人のことは言えないのです。だから、私がイノア様とリシャールさんの手をつなげばいいのですっ」
「……ルゥル……君の荷物はどうするのですか?」
「……みぎゃ」
リシャールに指摘されルゥルが困った顔をした。
「私がルゥルさんと手をつなぐのはいいはずですよね」
「そうですね」
「で、二人は迷子になったんですね」
その話題に飛んだ瞬間、ルゥルがあわあわ言い始め、リシャールは渋い声を出したのだった。
ルゥルたち一行は翌日朝から都から師岬までの道のりを無事進む。宿泊予定の吉備家に到着すると歓待を受けるのだった。
収穫祭当日、秋晴れだ。
まだ収穫途中のものもあるけれども、祭りは祭り。
「き、聞いていませーーーーーーーーーーん」
大島の方から紅葉の悲鳴が開催の花火のように上がった。
解説
里でのんびり過ごす。
●収穫祭+披露宴(時間)
里の中を歩くだけなら、早朝から可能。
学校の建物見物は十時頃から昼まで。
学校広場特設舞台の使用も同じく昼まで。
収穫祭は畑側の空き地にて十時ごろから夜まで。
披露宴と言う名の飲み食いは学校広場にて午後四時から六時ごろまで。
午後7時から海岸で打ち上げ花火。
あとは適当にお開き。
●師岬の観察ポイント
里の外れ海に面した崖、バンジージャンプできる。
大江家の屋敷がある師岬の大島地区をつなぐ橋ができている。荷車が一台通れる幅、手すりなし。
里の中央には学校がある。校庭というか公園のような広場もある。祭りの間、建物内(二階建て、十部屋ほど)。校庭には特設舞台がある。
里の住居地域の外は畑や水田が広がる。ところどころ稲は刈り取られている。
畑地域の未整備の場所に屋台がある。こちらは一日を通してのんびりできる。
海岸線、海が見える。砂浜より岩場の方が多い。
虎猫と柴犬がよく見られる。
●NPC
・大江 紅葉 十二単着せられて、動けない。舞台で結婚しましたとわざわざ言うのが恥ずかしい。
・松永 光頼 衣冠束帯、動こうと思えば動けるが、紅葉を置いて動けない。心情的には同じ。
・吉備 灯世 紅葉の兄弟子かつ師匠兼上司。披露宴の名ばかり司会者。妻子あり。妹分が大きくなったことに色々思う。
・ルゥル 一年経って、身長が少し伸びた。バンジージャンプに興味津々。
・リシャール・ベリンガー 一年経って落ち着いてきた。今は父親の元で勉強中。
・イノア・クリシス 一般人なため、ルゥルとリシャールのサポートで転移門を初使用。かつて、紅葉に助けてもらったことがあり、姉のように慕っている。
・家臣や里の人々 たくさん。
●プレイング
お連れ様がいる場合、名前とIDの記載をしていただくとはぐれ防止になります。
●収穫祭+披露宴(時間)
里の中を歩くだけなら、早朝から可能。
学校の建物見物は十時頃から昼まで。
学校広場特設舞台の使用も同じく昼まで。
収穫祭は畑側の空き地にて十時ごろから夜まで。
披露宴と言う名の飲み食いは学校広場にて午後四時から六時ごろまで。
午後7時から海岸で打ち上げ花火。
あとは適当にお開き。
●師岬の観察ポイント
里の外れ海に面した崖、バンジージャンプできる。
大江家の屋敷がある師岬の大島地区をつなぐ橋ができている。荷車が一台通れる幅、手すりなし。
里の中央には学校がある。校庭というか公園のような広場もある。祭りの間、建物内(二階建て、十部屋ほど)。校庭には特設舞台がある。
里の住居地域の外は畑や水田が広がる。ところどころ稲は刈り取られている。
畑地域の未整備の場所に屋台がある。こちらは一日を通してのんびりできる。
海岸線、海が見える。砂浜より岩場の方が多い。
虎猫と柴犬がよく見られる。
●NPC
・大江 紅葉 十二単着せられて、動けない。舞台で結婚しましたとわざわざ言うのが恥ずかしい。
・松永 光頼 衣冠束帯、動こうと思えば動けるが、紅葉を置いて動けない。心情的には同じ。
・吉備 灯世 紅葉の兄弟子かつ師匠兼上司。披露宴の名ばかり司会者。妻子あり。妹分が大きくなったことに色々思う。
・ルゥル 一年経って、身長が少し伸びた。バンジージャンプに興味津々。
・リシャール・ベリンガー 一年経って落ち着いてきた。今は父親の元で勉強中。
・イノア・クリシス 一般人なため、ルゥルとリシャールのサポートで転移門を初使用。かつて、紅葉に助けてもらったことがあり、姉のように慕っている。
・家臣や里の人々 たくさん。
●プレイング
お連れ様がいる場合、名前とIDの記載をしていただくとはぐれ防止になります。
マスターより
こんにちは、狐野径です。
大江 紅葉を中心とした依頼はこれが最後となります。多くのハンターさんに支えてもらえました。
一年後という変わるような変わらないような月日ですね。
簡単な里の歴史を述べるなら、【東征】の時は歪虚支配地域になっておりました。奪還され、負のマテリアルが消えていくのを待ちました。そして、今は戻り、発展するだろう未来を描いています。
グラズヘイム王国在住リシャールとイノアも宴には招かれました。この二人も紅葉と関わってきています。この二人も今回が最後の登場となります。
なお、ルゥルの【未来】を出す予定です(念のため)。
よろしくお願いします。
大江 紅葉を中心とした依頼はこれが最後となります。多くのハンターさんに支えてもらえました。
一年後という変わるような変わらないような月日ですね。
簡単な里の歴史を述べるなら、【東征】の時は歪虚支配地域になっておりました。奪還され、負のマテリアルが消えていくのを待ちました。そして、今は戻り、発展するだろう未来を描いています。
グラズヘイム王国在住リシャールとイノアも宴には招かれました。この二人も紅葉と関わってきています。この二人も今回が最後の登場となります。
なお、ルゥルの【未来】を出す予定です(念のため)。
よろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/10/12 15:52