最南東の地

マスター:赤山優牙

シナリオ形態
イベント
難易度
やや難しい
オプション
参加費
500
参加制限
-
参加人数
1~25人
サポート
0~0人
報酬
少なめ
相談期間
5日
締切
2019/10/09 07:30
完成日
2019/10/14 00:08

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●天ノ都――大轟寺家屋敷
 溶岩城から“龍の背骨”を抜けた先、天ノ都からいうと南東方向。
 そこは不毛な大地と評された南方大陸でも豊かな地が広がっていた。
 もともと、南方大陸にはこのような自然が広がっていたのかは定かではない。
「……確かな事は、人が生存可能という事です」
 開拓路をハンター達と共に切り開いた立花紫之介はそう推測した。
 もっとも、詳細に調べるのは現地調査が必要となる。
「南方大陸の更に南、あるいは東の海に何があるか……それを調べる為の拠点作り……壮大な話になってきましたね」
 ふむふむと東方地図を睨みながら大轟寺蒼人が言った台詞に立花は微笑を浮かべる。
「特に南方大陸の最南端が分かれば、西方諸国との航路が開けますからね。天ノ都は勿論、詩天にも朗報でしょう」
 その為の調査船団を組むとなると造船所が必要だ。当然、鉄や木材の加工もいるし、布類も生産しなければならない。
 いわば、街そのものを作る事になる。何もない所からとなると、途方もない話だ。
「立花さんは、何かと詩天贔屓ですね」
「そんな事はありませんよ。エトファリカ連邦国の体制を維持するには、詩天が必要と判断しているからです」
 淡々と告げた立花は南の方角を見つめた。
 口には出さなかったが、“龍の背骨”を越えた先の地で国造りをする事自体、エトファリカ連邦国の為でもある。
 地勢的に西方諸国と離れているので、外の驚異や影響が少ないエトファリカ連邦国は内部分裂する恐れが高い。
 これまでは憤怒という絶対的な驚異があったからこそ、エトファリカ連邦国は一つに纏まっていた。これからも纏まり続けるには、隣に連邦国とは別の勢力が必要なのだ。
 それも近すぎても遠すぎても困る。“龍の背骨”を越えた先というのは実に絶妙な位置であった。
「そういえば、朱夏とは会いましたか?」
 話題を変えた蒼人は有志募集の結果を記した報告書を手渡しながら尋ねた。
「思いっきり、平手打ちを受けました」
「……よく、赦しましたね」
 元とはいえ征夷大将軍を引っ叩くなど命知らずもいいところだ。
「あの子には大変な役目をお願いしましたからね。一つだけ、出来る事なら何でもすると言ったら、そういう事になりました」
「無理難題ふっ掛けられるよりかは、良いでしょうけど……朱夏は、縁談の話が出てて悩んでいましたし」
「それなら、“解決策”を授けて来ましたよ。後は、あの子が、自分の足で前に進むかどうかでしょう」
 その“解決策”が気になった蒼人だが、敢えて訊かなかった。
 きっと、縁談を破談に持ち込むような突拍子もない策だろうし。蒼人も正直、そこまで踏み込みたくなかったからだ。
「スメちゃんには、色々と話していますが、いつ、逢います?」
「今すぐ逢っても、お互いスッキリしないでしょうから、5~6年後、この国に“来訪”した時にします」
 それまでは互いに、成すべき事を全力で取り組むという事だ。
「僕にとってもプレッシャーですね」
「スメラギの事、そして、この国の事、よろしくお願いしますね」
 立花の台詞に憤怒と戦っていた時以上の重大な役目が回ってきたと蒼人は思うのであった。

●最南東の地
 有志募集で集まった者達のうち、“龍の背骨”を越えられそうな人々と、依頼を受けたハンター達を伴い、立花は新天地に到着した。
 動植物はエトファリカ連邦国の近類が多いようだが、独自に進化を遂げたような個体も見られた。
 具体的には、巨大化しているという事だろうか。豊かな自然と気候によるものかもしれない。
「さて……一先ずはここに陣を敷きましょうか。各自、築陣の用意をお願いします」
 立花はそう指示を出すと、周囲を見渡した。
 山脈からは山林を抜けていたったこの場所は小高い丘の上だった。
 周囲は少しばかり霧が出ており、見渡しが良い訳ではないようだ。
「築陣には時間が掛かりますので、その間、皆さんには依頼した事をよろしくお願いします」
 今回の依頼は、地形の確認だった。
 豊かな自然が広がっているが、危険な地形があるかもしれないし、雑魔がいないという保証もない。
 一般人なら危険だが、覚醒者であれば、少しは無茶は出来るはずだ。
「それと、まだ精密な地図は必要ありません。ここを基点に、どっちの方向はどんな感じになっているか、一般人が向かうには危険か否か、これからの街づくりにとって有効化どうか、あるいは、災害の危険があるのかないのか、そういった事が調べられればいいと思っています」
 探索の方法も色々とあるだろう。
 空を飛んで広く確認するのもいいし、大地を確りと踏みしめて感触を確認しながら調べる事も大事だ。
「あ……そうでした。大事な事を言い忘れていました」
 何か気がついたようで、立花は微笑を浮かべる。
 周囲の地形を確認するに当たって、依頼主として大事な目的だ。
「新たな街づくりは、あくまで通過点に過ぎません。私が成したい事は、ここから、まだ見ぬフロンティアに進む事です。その為に必要なものを、私は求めています」
 求めている何かが、何であるのか、立花はそれをハンター達に求めているようだった。

リプレイ本文


「ここから川を下るのか?」
 龍崎・カズマ(ka0178)の問い掛けにアルト・ヴァレンティーニ(ka3109)は、即席の筏を背負いながら頷いた。
 二人がいるのは“龍の背骨”の峠から、やや下った所だった。
 急峻な谷に、もの凄い勢いで川が流れている。アルトはここを下るというのだ。
「川を上手く使えるのであれば、荷物の運搬が楽になるかな、と思ってさ」
 “龍の背骨”を越えるのはなかなか大変な事だ。
 山道を探しているハンターもいるが、状況によっては川も使えれば、それに越した事はないだろう。
「そうか、俺は引き続き、この一帯の調査を続ける。そっちは頼んだ」
 川下りには危険な状況だが、アルトなら下れない事はないだろう。
 何しろ、ハンターの中でもトップクラスの実力を持っているのだ。下る事自体は問題ないだろう。
 途中に滝があろうが、恐ろしい生物がいようが、苦も無く乗り越えられるだろう。
「関所の最適地を探す方も大変そうだけど……」
 遠く、拠点の方角を見つめながらアルトはそう言った。
 カズマの提案に、立花の意向で“龍の背骨”を越えた付近に関所を設けるのに適した地形がないか調べているのだ。
「多少の不自由よりも、俺は各地の安全を重視したい。双方から、何が流入するか分からないからな」
「……善人だけが“龍の背骨”を越える訳ではないしな」
「俺はな、欲がかかった人を、そこまで信じちゃあいない」
 立花の最終的な目的は未開拓地への調査だ。
 悪意ある人間が、人類共通の新天地を独占する可能性もあるなら、あるいは、事業に足を引っ張る存在が現れるかもしれない。
 そして、そんな人間が決していなくはならないだろうとも、傭兵稼業を続けてきたアルトも理解していた。
「こういう事になると、守護者だろうが、覚醒者だろうか、関係ないか」
「いずれ、俺は自分の痕跡を消し、唯の人としてありたいと思う」
 双眼鏡を片手にカズマは崖の方に向かって歩き出した。地質も確認して将来、トンネルが作れないか確認する為だ。
 一歩一歩、大地を確かめながら歩くカズマの後ろ姿を見送るアルト。
「“唯の人”か……強大な力を手に入れた私達に、それが出来るだろうか?」
 その圧倒的な力は、平和な時になった時、人々から見れば脅威にしか映らないかもしれない。
「これから必要になるのは覚醒者じゃない。当たり前の……ただの人々の生きる力だ」
「なるほど……」
 力強いカズマの台詞にアルトは呟き返すと、筏を川に下した。
 人々の生きる力が歴史を紡いできた。それはきっと、これからも変わりはしないだろう。
 ならば、その力の助けになるように、今、アルトしかできない事をやろうと、そう思いながら、筏に飛び乗ったのであった。


 “龍の背骨”から流れる川は、多くの支流の合流を経て、平野部に至る頃には、それなりの大きさの川となっていた。
 宵待 サクラ(ka5561)は川幅や深さを測り、魔箒に跨って空から川の様子を確認する。
「森から直接、材木を流せるだけの水量や川幅があるかの確認は結構大事なんだよね」
 森で切り倒した樹木は、そのままでは使えない。
 それを利用できる場所まで移動させないといけない訳だが、問題はその移動方法だ。
 魔導トラックやゴーレムがすぐに使えれば、陸上を運ぶというのはありだが、川を使って流すという手段も有効である。
「それに上流の堤の状態を確認してからじゃないと、その下流に村なんて作れないし」
 ざっとした調査なので、詳細な所までは分からないが、どうやら雨季には増水している様子が見て取れた。
 ならば、洪水の可能性もある。将来的に新しい街を作るとなった際、危険な所に街を作る訳にはいかないのだ。
「だけど、水量が多くなる事は、下流域の土壌に栄養を与える役目もあるからなぁ」
 悩ましい所だが、やはり、治水が優先されるのは言うまでもないだろう。
 もっとも、治水工事には多くの労力を要する。開拓間もない時期は色々と物資も不足するはずだ。
 そんな状況でも手が抜けないという事であれば、工夫するしかない。
「うん。地形的には、自然堤防も見られるから、霞堤を作ったりして、少しでもリスクを減らせるかな」
 下流の方まで手が届かないが、少なくとも中流域については、なんとか目途は立ちそうだ。
 その事を確りと地図に書き込み、サクラは拠点へと戻るのであった。


 海岸線は所々に短い砂浜があるだけで、後は岩場が多かった。
 大分と登った太陽の位置を確認し、ハンス・ラインフェルト(ka6750)は適当な流木に腰を掛ける。
 数多の戦場を駆け巡ってきた彼にとって休憩は必要ないが、共に調査を続ける人に気を遣っただけだ。
「良い所、ですね」
 ハンスの隣にそう言いながら座る、穂積 智里(ka6819)。
 磯の香だけではなく、陸地からの爽やかな草木の香も入り混じっている。ここは陸と海が交差しているような、そんな場所だった。
 智里は大きく深呼吸すると、ハンスの身体に寄り掛かる。
 地図や資料にこれまで調べてきた事をこと細かく記し残していた。これは大変な労力だ。
 それも二部、一つは開拓団に納品する分。もう一つは、彼女自身の物である。
「ここの遠浅の砂地なら、丸木舟程度でも魚貝や海藻を取るのが可能なようですね」
「……そうですね」
 そういう意味で言った訳ではないのだが、仕事に忠実な男ならではの台詞に、智里は苦笑を浮かべながらも、この事を記録する。
 砂浜が形成されているのは、近くに川が流れているからだった。土砂などの堆積物がたまたま海の流れで、砂浜が出来たのであろう。
「川があれば、遡上する魚資源も見込めますね。場所的に鮭は無理でも鰻は来ると思います」
「しかし、今、築陣している場所を物流拠点と考えるなら、近くに寄港地がなくては意味がないですね」
「適した地形が見つかるまでのものかもしれません。小魚や小エビも取れれば食生活も豊かになるかもしれませんが、物流拠点のベース地には成り得ませんし」
 そういう意味でいうならば、立花が築陣を行ったのは、ある意味、堅実な事だろう。
 この地を詳しく知っている者がいれば、別だろうが、全くの未開の地である。
 調査船団を作れるほどの街づくりを目指しているのだ。前もって地形をよく調べる事が、極めて重要な事だと知っているのだ。
「まずは港の候補地探しです。港のための浚渫なんて、最初から考えに入れたくないですからね」
「中型船以上が使える港が必要ですよね……外洋船は小型でも中型沿岸漁船より大きいですから」
 外洋船が暴風を避けられるようにもしたい。
 南周りの航路が開拓されれば詩天の船も通過する訳で。
「暫く、自給自足になりそうなら、塩も自製できた方が良いですね。塩田法も行うことになるでしょうし」
「塩……ですか。それは確かに、そうですね」
 感心した様子で智里は頷いた。
 魔導機械が導入されれば効率も飛躍的に向上するだろう。
「さて、まだまだ海岸線は続いています。そろそろ、行きましょうか」
「はい……あっ……」
 サッと立って歩き出したハンスに、この休憩が自分の為だったのかと気が付く智里。
 遅れてはならないと、思いつつ、足早に彼の隣へと並ぶのであった。


 広大な平地の中で、星野 ハナ(ka5852)は休憩がてら天然の湖の畔で座り込んでいた。
 静かな湖面の揺れを眺めていると、その脇にエルバッハ・リオン(ka2434)が大空から舞い降りてきた。
「……浮かない顔、ですよ」
「うん。まぁ、ちょっとね」
 含みを残しながら、ハナは立ち上がるとズボンの裾をパンパンと叩いた。
 目の前の湖はハナが発見したものだ。農業を行うには水が必要だが、その安定的な水源には湖や池が必要だった。
 エルバッハも同じ目的で探索を行っていた。彼女のまた、最適な池を見つけている。
「農業、特に稲作をするのであれば、やはり大量の水が必要になると思いますから、この規模なら十分ではないですか?」
「私的には開拓団の作る村って弥生時代イメージなんですよねぇ。手を加えるよりも天然地形を利用しての自給自足みないなぁ」
 ハナの説明に、少し首を傾げるエルバッハ。
 エルフである彼女に“弥生時代”がなんたるかはイメージがつかないようだった。
「開拓団が目指す街づくりの最終目的は、クリムゾンウェストの未開地への調査だそうで」
「そう考えると、開拓団の頭は立花さんですから、最終的には立花さんの考え、なんだろうけどぉ」
 立花は関所のようなもの――所謂、出入国を管理する場を作る事を考えているようだ。
 その目的は、彼が作ろうとしている街づくりや最終目的の為にあるのだろう。
 一口に関所といっても、様々な形態がある。防犯上の理由、欠かせない場合もあるし、陸だけに関所がある訳でもなく、例えば、海路でも“海路関”と呼ばれるものもある。
 ハナはもやもやと頭の中を漂う何かを振り払うように、顔を振った。
 深く考えても仕方がないものだ。要はトップの人間がどうしたいか、なのだから。
「もし、この一帯が災害には弱くても、その度すぐ作り直せればいいかな」
「そうですね。ざっと見て回った様子では四季もあるようですから、雨季には物凄く雨が降るかもしれません」
 広がっている平地と見つかった湖や池を上手に使えば、かなりの範囲が穀倉地帯になれるはずだ。
「他にも、湖や池で、鳥やら葦やら色々と今後も使えそうですぅ」
「これだけの規模であれば、魚などの多彩な生物が生存していてもおかしくないですから、これらもきっと、有効です」
 鳥や魚は食料になるし、葦は農業や東方の暮らしには必要だろう。
 大型の爬虫類なんかは革としても価値があるはずだ。
「兎に角、生きていく上では、食料は欠かせませんからねぇ」
「……ハナさん、今、お腹……」
 エルバッハの冷静なツッコミにハナは慌ててお腹を手で押さえるのであった。
「な、鳴ってないですからぁー」


 時音 ざくろ(ka1250)が海岸に突き出た岩場の上で、海に向かって、手を高々と掲げていた。
「冒険団仲間のルンルンと一緒に、南方の地形を探る冒険だよ!」
 堂々たる宣言。
 その斜め後ろで、ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784)も、ざくろと同じポーズを取っていた。
「ルンルン忍法を駆使して、最南東の地を調査しちゃいます!」
「よし、行こう! 未知の土地は、いつだってワクワクするし……それに、領地経営の為にも、顔は広く売っておかないと……」
「何気に本音が出てるよ、ざくろちゃん」
 ざくろは東方の地で所領を持とうと思っているのだ。
 ただ、貰える領地は指定ができないそうだ。何かしらの縁があれば別だが、特に縁やコネというものがない。
 となると、人はいない、土地は汚染されている、交通の便が悪いといった土地を拝領される可能性もあるのだ。
「うぅ……だって、沢山のお嫁さん達を絶対に養わないといけないから……ルンルンは?」
「当然、領地を貰う予定のざくろちゃんに、一生付いていくって決めたんだから!」
 意味深な告白に顔を赤くするざくろ。
「あ、ありがとう。でも、ゲーム王国にはならないと思うけど、いいの?」
「それで、いつか私の忍軍を作るのです!」
「……何気に本音が出てるよ、ルンルン」
 さっき言われた言葉を口にするざくろ。
 まぁ、動機は兎も角、共に調査するのに、符術師がいるのは心強い。
「いつも、ロプラス頼りだったからね。助かるよ」
「任せ下さい! ルンルン忍法で、ズバッと調査です!」
 そんな訳で、ざくろは主に海岸を、ルンルンはざくろが調べた海岸線に続く陸上を、それぞれ調べだした。
 二つの地勢は全く別ではあるが、唐突に地面が切れて分かれている訳ではないので、連続性を確認する意味はあった。
 海に近すぎると高潮などの危険があるが、海に遠すぎると、その恩恵が薄くなる。
 上手くバランスの取れた土地がないか、ルンルンはスキルも駆使して周囲の環境と共に把握していく。
「ここの台地は適度な高さがあって、かつ、海にも程近く、絶好かもしれませんね。ルンルン台地と名付けましょう!」
 豊かな胸を跳ねさせながら、ルンルンは大袈裟に手を振った。
 そこへ、らきすけには……ならなかったざくろが、海岸線から戻ってきた。
「どうでしたか?」
「海上も調べてきたよ。浅瀬や岩礁が多くて、沖に出るのに不向きな場所だと困るだろうし。それと、魚影や海鳥の集まる場所も調査してきたよ。今後の漁に活かせるだろうから」
 ただ海岸線を調べるだけではなく、海上まで把握するのは重要な事だ。
 特に船舶が近くを航行したり、この付近に港を作るのであれば、浅瀬や岩礁の確認は必須だからだ。
 いくら天然の良港があったとしても、道中が危険であれば、使われない可能性もある。
「流石です、ざくろちゃん」
 ルンルンの誉め言葉に照れながら、ざくろは手記に今回の冒険の結果を書き込んでいた。
 随分と分厚くなった手記を確りと閉じると、大事そうに懐へと仕舞った。
「ご先祖様の手記、ざくろのページもずいぶん増えたな」
 多くの大冒険を乗り越えてきた証は、これからもきっと、増え続けていくに違いないのであった。


 森の中を一歩ずつ、確かめながら銀 真白(ka4128)は歩いていた。
 ふかふかとした腐葉土が心地いいが、思わぬ段差もあるので、注意は必要だ。
「……これは、猪の類か」
 動物の形跡を見つけて足を止めて詳しく調べる真白。
 この森は豊かであった。人の手が入っていない雑木林は、実に様々な、動植物で溢れている。
 その時、地面に落ちた枝が折れる音が響き、真白は音がした方向を見上げる。熊か猿が出てもおかしくはないからだ。
「そちらの調査の方はどんな様子だ、真白殿」
 姿を現したのは、共に探索を行っている本多 七葵(ka4740)だった。
 彼は森がどの程度広がっているのか、どのような森なのかを調べていた。
「東方では、あまり使えない植物でも、大きく育った近縁種なら有効なものもありそうだ」
 そう言って、樹木の足元に生えている下草の一種を束ねたものを、七葵に投げて渡す。
 七葵はその強度を、引っ張ったり伸ばしたりして確かめる。
「確かに、これなら編んで紐にしたりできる」
「この場所以外にも多く生えているようだが……」
「これに似たのであれば、山裾に向かって大量に自生していた。開拓に使えるはずだ」
 森がどこまで広がっているか調べていた七葵は山の斜面まで確認していた。
 樹木には生育できるライン、所謂、森林限界がある。豊かなこの地も例外ではなく“龍の背骨”と呼ばれる山脈も同様だ。
「資源の宝庫という事だが、七葵殿は、この地形、どう見るか?」
「豊かであるが、輸送路を整備しなくては意味がない。森が深すぎる」
「いつまでも“龍の背骨”を越えるルートで、東方から物資を持ってくる事ができない以上、やはり、現地で集めるしかないが……輸送路か……」
 改めて、資源の活かし方の難しさを真白は痛感する。
 領地経営とはこういう事も考えなければならないのだ。真白は自分が拝領を受けたら、一人で抱え込まずに仲間に頼ってもいいだろうと心の中で思った。
「輸送するなら、馬が必要だね!」
 二人の会話が聞こえていたのか、ミィリア(ka2689)が、どこで見つけたのか、一頭の馬を引き連れながら現れた。
 見たところ大型だが、大人しい様子だ。興味深そうに七葵が馬に近寄って観察する。
「西方諸国の馬とは違い、東方由来の馬に近い、か?」
「この子をどこで?」
 尋ねる真白にミィリアが胸を張った。
「これだけ森が豊かだから、きっと周囲の平原も肥えてるのかなって思って、ファミリアズアイで空から見てたら、みつけたでござる」
「森の中を確りと歩けるとなると、普段から平野と森を行き来しているのかもしれない」
 七葵の冷静な分析に、ミィリアは頷く。
 馬が大人しい性格なのも良い点であろう。場合によっては、馬を東方から持ち込むよりも現地で飼うという手段もあるはずだ。
「資源運びや耕作のお供にも、それに後々増えた拠点同士を結ぶにしても、足っていると思うんだよね、でござる」
「なるほど。確かに馬を輸送の足につかえば、資源の移動も向上する……それに、拠点か……」
 感心しつつ考え込む真白。
 安全に通れる道を探しているハンターも多い。適した道の有無は彼ら彼女らに任せればいいだろう。
 資源を取って、運ぶ――しかし、効率化にはもう一つ、大事な事があった。
「河川を使うのも手だが、陸路も使えるなら使うべきだしな。資源を貯めておく事ができれば、無駄もないはずだ」
 七葵が言った通り、使える輸送ルートは複数確保すべきだ。なんらかの事情で河川が使えない場合もある。
 そして、これから街づくりが始まるのであれば、資源の需要はあり続ける事になる。
「そうか、確保した資源を保管しておく、資源拠点があればいいという事か」
 木を切るには専門的な技術と経験が必要だ。その職人が、木材を別の場所へと運ぶ事をしていては効率が悪い。
 職人には職人の仕事をして貰う為には、仕事を分業するしかない。資源を取ってくる人、貯めて管理する人、運ぶ人と分けるのだ。
「そうなると、やっぱり、馬! 大規模に馬飼うのとかどうかな、でござる!」
 幸いな事に森の近くには広大な平地も広がっている。
 馬を飼育して、拠点同士を結ぶ足として使えるはずだ。
「そうとなれば、資源を貯めて置ける拠点を作れる場所を探そう」
 真白の宣言に七葵とミィリアは大きく頷いた。
 森の中に大がかりな平地が必要だろう。河川を使った輸送も視野にいれるなら、川から離れすぎるのも問題だ。
 また“龍の背骨”の峠道からも近い方が何かと便利でもある。そんな都合のいい場所を探すのは大変な事だ。
「……しかしこうやって未踏の地を探索していると、正秋殿のことを思い出すな」
「前にもこうして森を探索したっけ。今回は木に引っかからないようにちゃんと合わせた武器を持ってるもんね!」
 懐かしい記憶が脳裏に浮かぶ。
 あの時も、そう……希望を見出す、その一歩を確かに歩んでいた。鮮やかな緑色の鉢巻きと共に。
「いつかもこうして見知らぬ地を探索したな。懐かしい事だ」
 真白は木々の隙間から見える青空を見上げる。
 彼は見ていてくれているだろうか、精一杯、未来に向かっている自分達の姿を――。


 調査を終えて、ボルディア・コンフラムス(ka0796)は築陣が行われている拠点へと戻ってきた。
 仮の拠点とはいえ、これからの本格的な開拓に備えて、作りは立派なようだ。
 ボルディアは、この拠点から見て北西方向の山を調査していた。
 “龍の背骨”を越えた後の下山ルートは定まっていた訳ではないので、安全に通過でき、かつ、将来的には魔導トラックなども通れそうな地盤を確認していたのだ。
「ついでに邪魔な岩とかもぶっ壊してきたぜ」
 苦も無くいう辺り、流石とは言わざるを得ない。
 覚醒者だからこそ出来る芸当だろう。霊闘士お得意のファミリアズアイも活用して広い範囲を見つつ、地に足のついた調査が行っていた。
 ボルディアが作った山道には、いつか彼女の名前が付けられるだろう。真っ二つになった岩をオブジェとして。
「山道から平野部への道、そして、この拠点まで、一般人でも通れる所が見つかってよかったぜ」
 アーサー・ホーガン(ka0471)は写真を張り付けた地図を手にしながら言う。
 開拓団の多くは覚醒者ではない。一般人の身体能力でも無事に通る道がなければ、開拓そのものが進まないだろう。
 安全の確保は最優先事項の一つでもある。治療が簡単に望めない事もあるので、可能であればリスクは最小限にとどめたい所だ。
「二人とも、ありがとうございました。早速、道を整備していきたいと思います」
 労う立花はいつもの微笑を浮かべていた。
 道は拠点やこれからの街作りに欠かさせない。特に魔導トラックや魔導重機が使えるかどうかは、今後の発展スピードに大きく影響するはずだ。
 それらがキチンと使える為には、整備場の確保は必須であり、整備員全員が覚醒者でない事を考慮すれば、アーサーの調査結果は大事であった。
「わぅ。シノさんー!」
 ボルディアとアーサーの後ろから、アルマ・A・エインズワース(ka4901)が飛び出してきた。
 先の二人が道の安全を探す一方、アルマは逆に危険な箇所を探していたのだ。今回、偶然にも双方の情報が纏められたのは、とても良い事であった。
「資源も大事ですけど、安全も大事ですー?」
「アルマの言う通りだ。危険な場所がどの程度、周囲に影響を及ぼすのか判断がつかないと、安全とは言い切れないからな」
 胸を張るアルマにアーサーが顎に手を当てながら応える。
「そういえば、何か珍しいものを見つけていなかったか? アルマ」
 思い出すように手を叩いてボルディアが声を掛けた。
 それに反応して、アルマがハッとなる。
「わぅ、なんだかおもしろいのみつけたですーっ」
 背負い袋から取り出したのは小ぶりな鉱石だった。
 所々に水晶のような青いものが見える以外は、単なる岩のように見える。そして、覚醒者であれば、マテリアルを感じる事ができた。
「……これは、龍鉱石の一種ですね。どこで?」
 手渡された鉱石を物珍しそうに、しげしげと見つめた立花はアルマに尋ねる。
「岩を壊すお手伝いしていたら、出てきたのです―。結構、転がってたですよー」
「鉱脈の一部がどこか、地上付近に出ているようだ」
 アルマの説明をアーサーが補足する。
 ここは南方大陸の一角だ。龍鉱石が出てくる可能性も否定はできない。
 クリムゾンウェストにおいて、マテリアルを宿した鉱石は大変、重宝される。
「結構、価値がありそうか?」
 尋ねたボルディアに立花は深く頷いた。
 純度のほどは分からないが、普通に岩を破壊しただけでこうしたものが出てくるというのは貴重な情報だ。
 詳しく調べれば、本鉱脈を発見できる可能性もある。
「お手柄でしたね、アルマ。これは魔導トラックやゴーレムの燃料だけではなく、量によれば、転移門の設置や維持にも使えますよ」
「やったです?」
「やったんだよ。転移門があれば、リゼリオとも、西方諸国とも繋がる。その意味の大きさは……計り知れねぇ」
 首を傾げるアルマの肩をアーサーが叩いた。
 大型の転移門が設置できれば、魔導重機の導入もスムーズだろう。
「山越えも海も、転移門も、全部使えるのが理想だよな」
 ボルディアの台詞に立花はまた微笑を浮かべて頷く。
 皆の反応に、ようやく実感が湧いたのか、アルマがスッと頭を立花の前に差し出した。
「なでてくださいですー!」
「はいはい」
 いい子いい子して貰っているアルマの様子を眺めながら、アーサーはぼそりとボルディアに呟いた。
「大発見な割には、報酬が頭を撫でてもらうだけ……あいつは、それでいいのか?」
「まぁ……いいんじゃないか。安上りといえば、その通りだが……これから拠点が大きくなる、国が出来る礎に貢献できた事、なにより、依頼主が喜んでいるなら、な」
 嬉しそうなハンターの顔を見て応えるボルディアであった。


 海を調査していた天竜寺 詩(ka0396)とディーナ・フェルミ(ka5843)の二人も拠点に戻ってきた。
 美しい詩の髪は海に入った後でガサガサになり、ディーナは籠に入ったカニやエビがガサガサと動いている様を眺めている。
「すぐに湯を用意させましょう」
 その様子に立花が告げる。湯浴みと――食事という二つの意味でだ。
「それで調査の方は如何でしたか?」
「依頼を出してくれてありがとうなの。子供達が将来、人の領域拡大に従事する場所を拡げるなら、確かに私も参加しなきゃダメだったの」
 籠をそっと地面に置き、色々と書き込んだ地図を広げるディーナ。
 今回、海岸線を調べたハンターは他にもいたが、その中でも二人は南側の海岸線を調べていた。
「将来的に西方との交易を考えているなら港を作る必要があるから、それに適した入り江がないか調べてみたよ」
 詩が補足するように言いながら地図をなぞった。
「そうなの! それなりの大きさの船が停泊できる天然の港がないかなって」
「海岸線は砂浜が続いている訳ではなくて、岩場が連続していたわ」
「あの遠浅の海岸はカニとか海藻とか貝とかいっぱい獲れそうだったの!」
 その成果が、あの籠の中身という事なのだろうか。
 ただ、悪い事ではない。海産物が豊富に採れるというのは、人が住む事を考えれば良い事だ。
 稲作などの耕作はすぐには始められない。準備が必要だからだ。しかし、海産物は採ってくるだけなので、農業が始まるまで大事な食糧になる訳だ。
「ちょっと見たことないのもいるけど、食べてもお腹、壊さなかったの」
「開拓民の中には漁師もいますからね。早速、活躍の機会はありそうです」
 すぐに名簿を確認する立花。
 なんにせよ、食糧事情が大事だ。生命を維持できなければ、開拓に取り掛かれないというもの。
 探索した成果があって良かったとホッとしながら、詩は印をつけた所を指差す。
「ここからは少し離れているけど、大型船が入れそうな所もあったよ。確認する為に、潜らないといけなかったけど」
「危ない真似を……けれど、ありがとうございます。まさか、一般人に確認させる訳にもいきませんからね」
 全く未開の地の海なのだ。どんな危険が潜んでいるか分からない。
 大切な人を心配する立花だが、だからといって調査しない訳にもいかない大事な事であるのも確かだ。
「外洋船が入り江内まで入れれば、あとは小型船で荷物受け渡しは可能だと思うの。ここも候補地に加えて良さそうな気がするの」
「港が完全に整備されるよりも前に、使えるのは良い事です」
 つまり、港を作りながら海運も使えるという事だ。
 そうなれば、商売も進めやすいかもしれない。詩は自信有り気に胸を張った。
「実は友人が代表を務める西方の商会二つに、何時か取引する事があるかもしれない、って言ってあるんだ」
「もう手が回してあるとは流石です。なるべく早く、港の整備に取り掛かりたいですね」
 詩の台詞に微笑を浮かべる立花。
 ディーナは二人のやり取りに頷きながら人差し指を立てた。
「子供達の働き場所の確保は大事なの。人の領域がもっと拡がるといいの」
 今回見つけた天然の良港が、いつの日か、これからの次の世代が活躍する場所に――なるのかもしれない。
 詩が拠点の周りに撒いた種が、綺麗な花を咲かせ続けるその日が、きっと来るはずなのだから。


 ハンター達によって“龍の背骨”を越えた最南東の地は調査が行われた。
 街づくり、国づくりの礎となる、良好な地が幾つも発見された事により、この地は、僅か数年で大きな発展を遂げる事になるのであった。

 豊かに広がる平原では、発見したハンターの名が付けられた湖と池から引いた水を利用して、大規模な水田や畑が行われる。
 海岸線では魔導機械を駆使した大規模な塩田が作られた。良質な塩は西方諸国では人気があるという。
 また、かなり大型の船舶も停泊できるだけの港の整備も進められている。沖合は航行の邪魔となる浅瀬や岩礁はなく、豊かな水産資源に恵まれており、連日、大漁だ。
 海に近い高台に作られた街の傍には造船場も作られている。材料は上流から川で運ばれてくる木材だ。
 “龍の背骨”には東方との国境を管理する施設が作られ、行き交う人々を確認、道中の安全も確認し、怪力のハンターが切り開いたとされる山道を下ってくる。
 その途中には、森林資源を管理する屋敷と龍鉱石を採掘する、二つの大きな屋敷があり、こちらも大勢の人々で賑わっていた。
 川は治水工事のおかげで雨季にも洪水はなく、有効な水資源となっている。
 最初に立花が築陣した場所では、その跡地が有効に利用されていた。魔導トラックやCAMも移動できる転移門が設置されていたのだ。
 そして、転移門を通過した人々が最初に目にするのは、さまざまに咲き誇り、彩られた花々であった。


 ――了。



 平野部をひたすら走り抜けて、鬼塚 陸(ka0038)は乗ってきた魔導ママチャリから降りる。
 地勢が変わった気がしたからだ。これまでは草原のようだったのに、この先は、荒野が続いていた。
「随分、時間は掛かったけれど、やっと異世界転移ものの、定番な冒険っぽくなってきたかな」
 魔導機械眼鏡をサッと外して手をかざした。
 南から吹き抜ける風が鬼塚を包む。今まで感じた事のないような異国の風だ。
 ここまで負のマテリアルの汚染や人の住んでいる気配は無かった。古代王国の歴史の片鱗すらもない。
 もしかして、人類で初めて踏み込んでいる地なのかもしれない。
「大きな使命と力と色んなものを背負っちゃったけど……」
 これまで、彼の異世界生活は戦いの連続だった。
 その戦いも常に勝利していた訳ではない。時に負け、苦しみ、悲しみに満ちた日もあった。
「見知らぬ世界……何もない土地。可愛いヒロインに、ちょっとスパイスなモンスター。やっぱ、異世界の冒険ってこうでなきゃ!」
 歩んできた道のりを思い出しながら、グッと拳を力強く握る。
 邪神を倒して世界を救った。けれど、それが異世界転移戦記の終わりではないはずだ。
 鬼塚は魔導機械眼鏡をかけ直すと魔導ママチャリに、誰も見てないのに、わざとらしくカッコつけて乗った。
「長かったけれど、ここからが、エクストラステージ(意訳:無限に繋がる冒険)の始まり。初めてかもしれない……こんな風に何も考えずワクワクするのは。さぁ、往こう、この先へ!」
 一人の青年が太陽よりも瞳を輝かせて、ペダルを踏みこむ。


 俺達の冒険はこれからだ!!

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参加者一覧

  • 白き流星
    鬼塚 陸(ka0038
    人間(蒼)|22才|男性|機導師
  • 虹の橋へ
    龍崎・カズマ(ka0178
    人間(蒼)|20才|男性|疾影士
  • 征夷大将軍の正室
    天竜寺 詩(ka0396
    人間(蒼)|18才|女性|聖導士
  • 蒼き世界の守護者
    アーサー・ホーガン(ka0471
    人間(蒼)|27才|男性|闘狩人
  • ボルディアせんせー
    ボルディア・コンフラムス(ka0796
    人間(紅)|23才|女性|霊闘士
  • 神秘を掴む冒険家
    時音 ざくろ(ka1250
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • ルル大学魔術師学部教授
    エルバッハ・リオン(ka2434
    エルフ|12才|女性|魔術師
  • 春霞桜花
    ミィリア(ka2689
    ドワーフ|12才|女性|闘狩人
  • 茨の王
    アルト・ヴァレンティーニ(ka3109
    人間(紅)|21才|女性|疾影士
  • 正秋隊(雪侍)
    銀 真白(ka4128
    人間(紅)|16才|女性|闘狩人
  • 千寿の領主
    本多 七葵(ka4740
    人間(紅)|20才|男性|舞刀士
  • フリーデリーケの旦那様
    アルマ・A・エインズワース(ka4901
    エルフ|26才|男性|機導師
  • イコニアの騎士
    宵待 サクラ(ka5561
    人間(蒼)|17才|女性|疾影士
  • 忍軍創設者
    ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784
    人間(蒼)|17才|女性|符術師
  • 灯光に託す鎮魂歌
    ディーナ・フェルミ(ka5843
    人間(紅)|18才|女性|聖導士
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナ(ka5852
    人間(蒼)|24才|女性|符術師
  • 変わらぬ変わり者
    ハンス・ラインフェルト(ka6750
    人間(蒼)|21才|男性|舞刀士
  • 私は彼が好きらしい
    穂積 智里(ka6819
    人間(蒼)|18才|女性|機導師

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依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2019/10/06 20:43:24
アイコン 調査目的
龍崎・カズマ(ka0178
人間(リアルブルー)|20才|男性|疾影士(ストライダー)
最終発言
2019/10/08 21:27:19