【MV】手作りお菓子は何の味

マスター:赤山優牙

シナリオ形態
ショート
難易度
やや易しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
少なめ
相談期間
5日
締切
2015/02/17 07:30
完成日
2015/02/20 18:53

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 クリムゾンウエストにも、バレンタインの足音が近づいてきています。
 ハロウィンやクリスマスのようにリアルブルーからやってきた文化のひとつではありますが、その伝わり方はひとつではありませんでした。
 チョコレートを贈る日、気持ちを伝える日、合同結婚式が頻繁に行われる時期、食品業界が活性化する時期……あげればきりがありません。
 感情の絆、マテリアルリンクが強まり世の中のマテリアルが活性化すると言われることもありますが、少しばかり別の形……愛情を育む者達を羨み憎むための怪しげな集会が行われ、嫉妬の絆で結束を強めているという噂もあるようです。本当でしょうか?
 崖上都市「ピースホライズン」は催し事に力を入れる土地。勿論今は、バレンタインの賑わいで都市中が彩られています。
 その中の、ほんの一部だけでも……確かめに行ってみてはいかがでしょうか?


●王都イルダーナ第6街区のある場所にて
 1人の少女が自宅に帰ってきた。
 もっとも、今は誰も住んではいない。
 父親は歪虚と戦って死んだ。母親はずっと小さい時に病死している。
 少女はすぐに出掛ける為、片付けもそこそこに、思い出深い品を探していた。
「あった」
 思わず笑みがこぼれる。
 ボロボロになっているが、お気に入りの絵本を見つけた。
 虐げられていた町娘が、王子様に助けられるという話の絵本。
 パラパラと中身をめくり、幼い頃何度も読んだシーンを見返した。
(3ヶ月前は深い絶望の中で、ただ存在していただけの気がしたけど……)
 パタリと絵本を閉じる。
(今、私は希望の中で生きています。例え、皆さんにとって私の存在が敵であったとしても……)
 少女は、『あの日』以降、自宅に置き忘れていた日記帳に、ある事を書き始めた。
 いつか、きっと、誰かが自分の想いを、『あの日』自分を救ってくれたハンター達に伝えてくれると信じて。
「さて、行かなきゃ!」
 用事を済まし、外へ出て、玄関を振りかえった。
 もはや、戻ってくる事はないだろう。
「そうだ! バレンタイン!」
 少女は元気よく手を合わせた。
 大好きな人に、なにか贈りたいと思っていたからだ。
 しかし、ゆっくり選んでいる時間はない。少女は少し悩んだ挙句、顔見知りのお菓子屋に行くのであった。

●あるお菓子屋にて
「あんたはまったく!」
 節分は過ぎたのに、うちにはいつも鬼がいるなと店の主人は思った。
「でもさぁ、お前だって気にしていた子が、久々に顔を出したんだぜ」
「そりゃ、わかるけど、仕事は別でしょ!」
 鬼の様な家内がたまたま外出していた時で良かったかもしれないと主人は思った。
 見るからに薄幸そうだった子が、数か月ぶりに店にやってきた。
 それも、最初は誰だかわからなかった。
 身なりも、髪型も全然違ったから。
 ボロボロの衣服ではなく、綺麗なフリルのドレス。
 ボサボサの緑髪は、ふわふわくるくるの巻き毛。
 そして、なによりも、死んだような表情だったのが、明るく嬉しそうな愛らしい表情だった。
「この時期に、特注のお菓子を作って、しかも、それを後日、人を使って取りに来させるだなんて!」
「あの子は、保存が効けば、なんでもいいというし、それにお金も良かったから……」
「とにかく、あたしは手伝いませんからね!」
 昨日怒らせてしまったのもあって、鬼家内の怒りゲージは振り切ったままのようだ。
「う~ん。まいったな。この時期は忙しくて、とてもじゃないが、手が回らない」
 開店前の店内をウロウロとしばし歩き、悩んだ主人は閃いた。
「そうだ! ハンターにお願いしよう!」
 ハンターの中には、お菓子作りが得意な人もいるというし。
 報酬は……赤字にならない程度に少なくなるだろうが……。

リプレイ本文

●お菓子を作ろう!
「材料は希少なものもあるから、遠慮せず色々作ってくれ」
 亭主がハンター達を前に胸を張って宣言した。
 自信がよほどあるのだろう。確かに、亭主の工房は設備が整えられていた。
 魔導を駆使した冷却装置や加熱装置は王国では珍しいかもしれないし、希少な材料は亭主自らリゼリオまで行って苦労して手に入れたものだ。
 そんな亭主が、安心した赴きでハンター達を順番に眺めた。女性5名に男性1名の合計6人。
(よかった。ハンターオフィスからは男性3名とかあったから、いささか心配したが……)
 男性差別しているわけないが、亭主にとってハンターはあまり関わった事がないのもあり、ちゃんとお菓子が作れるか不安だったのだ。
「では、後はよろしく。今日は忙しいから、手伝いも頼むよ」
 そういって立ち去る亭主。
 ハンター達はお互い目を合わせると、それぞれがお菓子作りに取り掛かるのであった。

「特注……ね。いいのかな、わたし達が担当しちゃって」
 十色 エニア(ka0370) がチョコレートを溶かす。
 トリュフ・チョコレートを作るつもりなのだ。まずは、ガナッシュの作成に取り掛かる。
「エニアさん、どう思います?」
 声をかけてきたのは、Uisca Amhran(ka0754)。
 まだ、お菓子作りに入っておらず、材料を並べているだけだ。
「どんな人が誰に贈るつもりなのか、わかった方が、作りやすいよね」
「やっぱり、そうですよね。なんとか聞き出せないかしら……」
 亭主に最初、その事で確認を取ろうとしたが、あっさりとスルーされてしまった。
「そうだな。相手の事を想って渡す訳だから、何か良いモノを作ってやりたいな……」
 ロラン・ラコート(ka0363)が2人のやりとりを聞いて、そんな言葉を口にする。
 バレンタインとして用意して欲しいという事であるようなので、彼の言う通りであろう。
 ちなみに、ロランにとって、バレンタインはいい思い出がない様子で、ふと、過去の自分を振り返り、思わず苦笑を浮かべる。
(誕生日プレゼントにチョコという事も多かったしな……)
 とりあえず、小麦粉の量を図る事にした。
 その横で熱心にクッキーの生地を作るのは、Non=Bee(ka1604)だ。
 フリフリのエプロンに三角巾をし、髪を結んでいる。
(あの子のいた街の、少し素敵な依頼……思わず参加しちゃったわ)
 年が明ける前の事だったか、名前の無い少女と出会ったのは。
 今、どこでどうしているかわからないけど、なにかに引かれる様にNonはこの依頼に参加したのであった。
 そんなNonの斜め向かいで作業している星輝 Amhran(ka0724)が、ビシっと手に持っていた物を掲げる。
 愛用の白銀の日本刀……ではなく、ただのヘラだ。
「このヘラが……今はワシの刀よ!」
 なにか気合いが入っているようだ。リアルブルーでいう所の東方素材を駆使したお菓子を作ろうしていているようで、持参したなにかが多数、テーブルの上に並んでいる。
 依頼に出る直前まで、珍しい材料を入手する為に、奔走し、持ってきた希少な数々。
 が、慌ててしまったせいで、誤って違う物を持ってきたという事に気がついていない……。
 ちなみに、激苦だったり、激辛だったり、濃厚な薬酒だったりするのだが。果たしてどんな味になるものなのか。
「ワシ独自の東方ていすとで一味違う、かつ納得の物を作ってしんぜよう♪」
 ニコニコとした笑みがある意味不気味に感じられた。
 いくつか材料を持参したのは、シエラ・ヒース(ka1543)も同様だった。
 酒類。そして、数種のドライフルーツ類やハニーローストナッツが輝く。
「まるで、宝石みたい、ね」
 それらの材料を見て微笑み、小麦粉やバター等を混ぜて生地を作り始める。
 持参した物は、練った生地の中に入れるつもりなのだ。
 最後まで悩んでいたUiscaもお菓子作りに入る。
 黍団子を作る。彼女の部族では、ハレの日の供物で作られる贅沢品で「シト」と呼ばれるものだ。

●お菓子を作るハンター達
「バレンタインに合せるなら、もっと華やかな方が良い、か……?」
 ブラウニーを焼いている間、ロランが近くにいた十色に話しかける。
 なるべく日持ちする物でという要望だったので、とりあえず、食べる人が喜ぶような物と思ってブラウニーを選択したのだが、バレンタインの品でもあるので、悩み始めたのだ。
「全員別々の物を作ってるし、色々あってもいいんじゃないかな」
「そういうものなのか……こういうのは男の俺には分からんね」
 苦笑を浮かべるロラン。
 同じく十色も苦笑を浮かべたか、それはロランとは違う意味でのものだ。
「まぁ、貰えるのは、何でも嬉し言っちゃ、嬉しいか」
 気を取り直して、次の品はフィナンシェでも作ろうかと思い描く。
 ガナッシュにチョコレートをコーティングする作業をしつつ、十色はなんとか色を付けられないか考える。
 この工房には一応珍しいものもあるから、探せば食紅もあるかもしれないが……。
「星輝さん、その瓶に入った物って余るかな?」
「ん? これじゃろう。余るはずじゃ」
 どういうわけか、工房内で華麗に舞いつつ、チョコレートを練る星輝に声をかけた。
 彼女の近くに、装飾用と思われる材料が置いてある。
「もし、余ったら少しわけて欲しいなと思って」
「よいぞ。東方由来の良い味がするものじゃ」
 その、中身が激苦の薬を粉末した物と知らない星輝である。
 星輝が作っているトリュフももう少しで形になってくる所だ。
「キララ姉さま、私、一段落したので、お店の方を手伝ってきますね」
 最後に作りだした割りに、大体、終わりかけてきたUiscaが自分が作った物を星輝の前に置きながら言う。
 串団子だ。ご丁寧に持参した漆の箱に入っている。
「後で、キララ姉さまのものと合わせて飾れればと思っています」
「店の方、よろしくなのじゃ」
 頷いて、腕まくりするUisca。店内の掃除をしようと思っているのだ。
「なら、あたしも行こうかしら」
 Nonがハーブを入れて少し固めに焼いたクッキーを並べて、最後の仕上げに入っていた。
 様々な形をアイシングして飾ってあるクッキーを並べて箱に入れる。
 まるで、王子様とお姫様が出てくる素敵なおとぎ話を象るようなデコレーション。
「2人とも、いってらっしゃい。私はもう少しかかりそうだわ」
 シエラが諦めた様な表情で2人に言った。
 生地を休ませるのに時間がかかり、これから、持参した食材を練り込む所だ。
 それらが生地の中で星々のように煌めいた。

●希望の環の中で
 掃除熱心なUiscaに亭主の奥さんが話しかけてきたので、Uiscaは亭主に見つからないようにコッソリと聞いた。
 この店の先、第六街区に住んでいた薄幸そうな緑髪の少女の話を奥さんはする。
「お菓子を依頼した娘ってもしかして……」
 少女の境遇の話が一致する事から、それは、Uiscaが『知っている』少女である可能性があった。
 しかし、住んでいる場所まで奥さんは知らないらしい。
「知っているかも、あたし」
 それは偶然だったかもしれない。
 過去に受けた依頼で、第六街区を調査した時の事、そんな境遇の少女がいるという家の場所を知ったのは。
「行きましょう! Nonさん!」
 これは、運命なのか。それとも……。
「そうね。けれど、お店の手伝いはどうしようかしら?」
 Nonは売り子の手伝いをやっている。
 お客にお母さん呼ばわりされていたが、可愛いラッピング技術は好評のようだった。
「なら、ここは俺らに任せな」
 2人の手伝いぶりの様子を見にきたロランが工房から現れた。
「俺には事情はよくわからない。だが、大事な事なのだろ」
「ラッピングは大丈夫?」
「そうだな。ラッピングなんかのアイディアは女に聞いた方が良いか……そこは十色に聞く」
 なにか言おうとしたUiscaであったが、特に問題はないだろうと思い直す。
「3人には俺から言っておく」
「よろしくお願いします」
 奥さんが機転を活かし、おつかいに出るという理由で店を出るUiscaとNon。

 そこは、Nonの記憶のままだった。
「間違いないわ。ここよ」
 誰も住んでいないようだ。窓から中を覗くとガランとしていた。
 扉の鍵は不用心にもかかっていない。以前、Nonが来た時には鍵がかかっていたのに。
 家の中はしばらく誰も住んでいなかったようで、埃が充満していた。
「これは……」
 机の上に一冊の本が置かれている事にUiscaが気がついた。
 パラパラとめくると日記の様だ。
「あの子の物ね」
 苦しい日々を過ごしていた事が日記から伺いしれた。
 そして、記録は、『あの日』で終わっていた。
 だが、閉じようとした最後のページになにか書いてある。
「ノゾミちゃんからなの?」
 最後のページ。時間がなかったのだろうか。走り書きで書いてあった。
 ハンターに助けて貰った事。名前を貰った事。
 諦めない事。絶望に押しつぶされない事。人は生まれ変われる事。
 そして、今、希望の中で生きている事。それが、大勢の人の敵だったとしても。
「ノゾミちゃんはそれで幸せなんだね。あのイケメンさんもノゾミちゃんのことは大事にしているみたいだし……」
 Uiscaが優しい口調で呟いた。
「あたしたちは、みんな自由に生きる権利があるわ。だから、あたしは何があってもノゾミを責めるつもりはない」
 Nonも誰もいない部屋の奥に向かって語るように話す。
 少女は自分を見つけた。希望を見出したのだ。そして、バレンタインに贈りたい相手もいるのだ。
「素敵な恋をしていればいいわぁ」
「そうですね!」
 日記を手に取り、鞄の中に入れた。きっと、姉も読みたいだろうと思ったからだ。
 こうして、2人は店へと向かうのであった。

●完成?
 シエラがたっぷりとバターを塗った望遠鏡の様な形をしたお菓子に粉雪のような白い砂糖をふんだんに散らしていた。もう、散らしすぎて、真っ白い。
「これで、完成ね」
 もう少し時間が経てば、味もよくなるから、食べ頃時にはちょうど良くなるだろうか。
 生地の中にドライフルーツやらナッツが入っているので、切り口は星空の様に輝かしいだろう。
 急いでエプロンを着替えるシエラ。今度は売り子を手伝うからだ。
「十色さん、私、ロランさんと代わってくるわ」
「よろしく! シエラさん」
 ひたすら、クッキーの生地を練る十色。
 店の商品を作っているのだが、追いつかない。
 最初は、商品のレベルの高さに、「趣味と商品じゃ、やっぱり違うね~」と感心していたが、今はそれどころじゃなくなってきた。
 亭主から指示された通りの分量を配合し、生地を作り続ける。
 その様子を見たシエラは、工房での手伝いか店頭に出るかで迷ったが、そろそろ、彼のラッピングのアイデアも尽きてくるだろうし、交代時かもしれないと思った。
 そういう訳で、交代したロランが工房に戻ってきた。
「やっぱり、女にとっては特別な日なのかねぇ」
 そんな事を言いつつ、材料に手を伸ばす。こんな時期を反映してか、チョコレート菓子系が人気のようだ。
 華やかなのも、落ち着いた感じなのも、両方、よく売れる。
「そうだと思うよ」
 十色が追随した。
「男でも、特別な日である奴が多いとは思うが、自分で作る奴は少ないか」
 ところが、今、店でお菓子作っているのは、亭主と彼と十色なのだが……。
 今更指摘するのもどうかと思い十色は黙っておく事にした。
「ロランさん、大活躍だね」
「ま、料理は好きだしな。それに、十色も良く出来るじゃないか」
 先程、十色が作ったトリュフ・チョコレートを味見したロランがそんな言葉を口にした。
 そして、視線を別の所に向ける。そこには、作り過ぎて残ったトリュフ・チョコレートが小山と化していた。
「なんか……多く作ってしまったけど、あとで持って帰ればいいかな」
 苦笑を浮かべる十色。
 発送用は星輝が別に装飾し終わっている。
 仕上げに星輝が緑色の粉末を使い、見た目もとてもグットだ。
 その星輝は、今、まさに最後の仕上げに入っていた。
「渾身のできじゃ……」
 技を決め終わったかの様に呟く。
 黒と白のトリュフ。そして、様々な花を模したチョコの飾り。
 最後に茶色の箱に詰めて、白いラッピングリボンでキメる。
 Uiscaの分のお菓子も自分の持ってきた材料で、飾り付けを加えて整えた。
 ……結局、最後まで自分が持ち込んだ材料が、とんでもないモノだと知らぬまま……。
 その時、売り子に出ているシエラの声が工房まで聞こえてきた。
「ハッピーバレンタイン。素敵なお祭りね」
 笑顔で売り子をしている彼女の姿が容易に想像できる。
「ハッピーバレンタイン。幸せを届けに来たわ」
 今日は素敵な日。想いを届ける日。幸せを贈る大切な日。
 だから、少し湿っぽく店に帰ってきたUiscaとNonに彼女はとびっきりの笑顔を向けて出迎えた。
「ほら、笑顔よ、笑顔。こんな素敵な日なのだもの。スマーイル、よ」
 シエラの言葉と表情に、2人も笑顔を浮かべるのであった。
 絶望の中にいたあの少女は、今、希望の中で一生懸命生きているのだから。

●後日、とある屋敷にて
 その歪虚は苦悶の表情を浮かべそうになった。
 自分の味覚は人間のソレに近いと思っていただけに、味覚が変わったのかと思った。
(な、なんだ、この独特の臭みと刺激は……)
 見た目綺麗な白いトリュフを食べてみれば、余りの出来に驚く。
 先程食べた緑色のトリュフは激苦だった。
(まさか、人間共のこの行事は、マズイものを相手に食わす行事なのか……)
 人間の司祭が処刑された日を祝うという行事なのは知っている。
 つまり、処刑された司祭の苦しみを分かち合うのだろう。
 従者である少女はニコニコとしているのがそれを暗示していた。
「お味は如何ですか?」
「う、うむ。わ、悪くはないぞ」
 平静を装う。傲慢たる歪虚の私が苦しむなど、あり得ない。
 歪虚の返事に少女は満足そうであった。
 次に、赤いなにかで飾り付けされた串団子に手を伸ばした。
(……か、辛い! というか、痛いぞ!)
 しばしの後、何事もなかったかの様に立ち上がる。
「さて、私はそろそろ行かねばならぬ」
「そ、それでは、これを、ぜ、ぜひ、お受け取り下さい」
 本の形をしたクッキーを手渡される。そこには、ハート模様が描かれていた。
「これも、入っていたものですが、私が先程、描いたんですよ」
 受け取ったが歪虚はそれをジッと眺め食べなかった。
「どうしました?」
「う、うむ。食べるのは勿体ないからな。大事にしておこうと思ったのだ」
 その言葉に、少女が顔を赤くして飛びっきりの笑顔を見せた。
「あ、ありがとうございます!」
 少女の頭を撫でながら、歪虚は静かに安堵したのであった。
 なお、他のお菓子は少女が美味しくいただいたそうな。

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MVP一覧

  • お茶会の魔法使い
    ロラン・ラコートka0363

重体一覧

参加者一覧

  • お茶会の魔法使い
    ロラン・ラコート(ka0363
    人間(紅)|23才|男性|闘狩人
  • 【ⅩⅧ】また"あした"へ
    十色・T・ エニア(ka0370
    人間(蒼)|15才|男性|魔術師
  • 【魔装】の監視者
    星輝 Amhran(ka0724
    エルフ|10才|女性|疾影士
  • 緑龍の巫女
    Uisca=S=Amhran(ka0754
    エルフ|17才|女性|聖導士
  • 縁を紡ぐ者
    シエラ・ヒース(ka1543
    エルフ|20才|女性|霊闘士
  • Beeの一族
    Non=Bee(ka1604
    ドワーフ|25才|男性|機導師

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/02/14 21:48:41
アイコン 相談卓~手作りお菓子をあの人へ
Uisca=S=Amhran(ka0754
エルフ|17才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2015/02/17 01:52:37