ゲスト
(ka0000)
終わらない闘争
マスター:神崎結衣

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2014/06/16 12:00
- 完成日
- 2014/06/24 12:39
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●ドワーフの集落にて
ある夜のこと。帝国北部のとあるドワーフの集落では、仕事明けの酒を楽しんでいるはずの時間に緊急集会が開かれていた。
「近くの洞窟にコボルドが住み着いた」
何度となく繰り返されるコボルドとの争い。
過去にはコボルドが密かに繁殖していたのに気付けず、集落が半壊滅状態に追い込まれたこともある。
しかし、それ以来の定期的な洞窟周辺の見回りで幾度もその脅威を発見しては退け、ここ数年はその姿を見かけることもなくなっていた。奴らもようやくこの土地を諦めたのだと楽観視する者すら現れていたところでの目撃情報に、この争いが終ることは無いのだと皆諦めの表情を浮かべる。
「報告によれば、奴らの総数は五、六匹程度。幼体の数は不明だが、前回の見回りからの時間を考えればたかだか二十匹弱と推測される」
集落の長が、淡々と見回り隊の報告書を読み上げていく。
「皆知っての通り、このまま放置しておけば奴らはあっという間に数を増やし、いずれこの集落を襲ってくるであろう。まだ被害の無い今のうちに早急に排除する必要がある」
「長! 早速部隊を編成し、明日にでも排除を――」
若い一人が前のめりに声を張り上げるのを、長は静かに制止した。
戦士としても知られるドワーフである。集落に残って武器や防具の製造を生業としている男達でも戦うことは出来る。かつて集落を襲ってきたコボルドに果敢に立ち向かったのも集落の男達であったし、住み着いたばかりのコボルドを排除しに行ったことは数え切れないほどある。
しかし、長として、今コボルド退治に人手を割くことには些か考えるべきところがあった。
新人ハンターの急増に伴い武器や防具の需要は右肩あがりで、発注が大幅に増えている。今でも納期がぎりぎり間に合うかといった状態にあるのだ。集落内に怪我人が出ることは決して好ましいことではない。作業工程が間に合わなくなって欠品などという事態を招けば、この小さな集落にとっては死活問題だ。
しかも今回は発見が少し遅すぎた。仲間を見くびるつもりはないが、戦うことが専門ではない集落の男達が無傷で勝利するとは到底思えない。
「既に奴らの繁殖は始まっている。諸君らにも戦士としての誇りがあろうが、数で押されれば、もしもの場合もあろう」
自分たちが成すべきことは、生活を守ること。コボルドを自らの手で排除するというのは手段の一つでしかなく、それは唯一ではないのだ。
「――ここにいる我々が最も優先すべき仕事は戦うことではない。この件は、ハンターズソサエティに依頼しようと考えている」
●ハンターズソサエティにて
「――ということです。ぜひ、早めの排除をお願いします。
なお洞窟への案内と戦いの手伝いに、血気盛んな二人が志願しているとのことです。二人とも武器製造を生業としている若いドワーフの男性なので、武器の扱いは得意なようですね。周辺の地理にも詳しいそうです。
ただしあくまでも一般人ですので、十分留意してください。本人達がいくら戦えると言っても、ハンターであるあなた方と同じ動きが出来るとは期待しないように」
ドワーフの集落からの依頼には、これまでコボルドと戦ってきた彼らが蓄積した情報が添えられていた。
「コボルドが住み着いている洞窟は奥行きはそれほど無く、入り口も狭いのですが、突き当りにある横に広い空間で生活しているようです。天井は低く、ドワーフである彼らが立って移動することがやっとだということです。
背の高い種族の方は洞窟内部で戦うのは少々厳しそうなので、外に誘き出して戦う方が賢明かもしれません。
洞窟の外は開けています。岩が多くて足場がやや悪いと書いてありますが……」
ある夜のこと。帝国北部のとあるドワーフの集落では、仕事明けの酒を楽しんでいるはずの時間に緊急集会が開かれていた。
「近くの洞窟にコボルドが住み着いた」
何度となく繰り返されるコボルドとの争い。
過去にはコボルドが密かに繁殖していたのに気付けず、集落が半壊滅状態に追い込まれたこともある。
しかし、それ以来の定期的な洞窟周辺の見回りで幾度もその脅威を発見しては退け、ここ数年はその姿を見かけることもなくなっていた。奴らもようやくこの土地を諦めたのだと楽観視する者すら現れていたところでの目撃情報に、この争いが終ることは無いのだと皆諦めの表情を浮かべる。
「報告によれば、奴らの総数は五、六匹程度。幼体の数は不明だが、前回の見回りからの時間を考えればたかだか二十匹弱と推測される」
集落の長が、淡々と見回り隊の報告書を読み上げていく。
「皆知っての通り、このまま放置しておけば奴らはあっという間に数を増やし、いずれこの集落を襲ってくるであろう。まだ被害の無い今のうちに早急に排除する必要がある」
「長! 早速部隊を編成し、明日にでも排除を――」
若い一人が前のめりに声を張り上げるのを、長は静かに制止した。
戦士としても知られるドワーフである。集落に残って武器や防具の製造を生業としている男達でも戦うことは出来る。かつて集落を襲ってきたコボルドに果敢に立ち向かったのも集落の男達であったし、住み着いたばかりのコボルドを排除しに行ったことは数え切れないほどある。
しかし、長として、今コボルド退治に人手を割くことには些か考えるべきところがあった。
新人ハンターの急増に伴い武器や防具の需要は右肩あがりで、発注が大幅に増えている。今でも納期がぎりぎり間に合うかといった状態にあるのだ。集落内に怪我人が出ることは決して好ましいことではない。作業工程が間に合わなくなって欠品などという事態を招けば、この小さな集落にとっては死活問題だ。
しかも今回は発見が少し遅すぎた。仲間を見くびるつもりはないが、戦うことが専門ではない集落の男達が無傷で勝利するとは到底思えない。
「既に奴らの繁殖は始まっている。諸君らにも戦士としての誇りがあろうが、数で押されれば、もしもの場合もあろう」
自分たちが成すべきことは、生活を守ること。コボルドを自らの手で排除するというのは手段の一つでしかなく、それは唯一ではないのだ。
「――ここにいる我々が最も優先すべき仕事は戦うことではない。この件は、ハンターズソサエティに依頼しようと考えている」
●ハンターズソサエティにて
「――ということです。ぜひ、早めの排除をお願いします。
なお洞窟への案内と戦いの手伝いに、血気盛んな二人が志願しているとのことです。二人とも武器製造を生業としている若いドワーフの男性なので、武器の扱いは得意なようですね。周辺の地理にも詳しいそうです。
ただしあくまでも一般人ですので、十分留意してください。本人達がいくら戦えると言っても、ハンターであるあなた方と同じ動きが出来るとは期待しないように」
ドワーフの集落からの依頼には、これまでコボルドと戦ってきた彼らが蓄積した情報が添えられていた。
「コボルドが住み着いている洞窟は奥行きはそれほど無く、入り口も狭いのですが、突き当りにある横に広い空間で生活しているようです。天井は低く、ドワーフである彼らが立って移動することがやっとだということです。
背の高い種族の方は洞窟内部で戦うのは少々厳しそうなので、外に誘き出して戦う方が賢明かもしれません。
洞窟の外は開けています。岩が多くて足場がやや悪いと書いてありますが……」
リプレイ本文
●作戦会議
集落から離れてみると、ごつごつと大きな岩がそこかしこに隆起して荒野のように殺風景な風景が広がっていた。
「あれが例の洞窟か」
「おう」
弥勒 明影(ka0189)が声を掛けると、集落のドワーフであるロンが振り返って頷いた。
「聞いていた通り天井は低いようだな。私はなんとか普通に歩けそうだが……」
洞窟の入口を一見して、ジーナ(ka1643)が仲間をぐるりと見回した。
「中に入るとなれば、我は入り口で待機する」
最も背が高いアリべアート(ka1828)は、ジーナの視線に気付いて言った。
「ああ、そうした方がいい。オレらも『背が低い』って理由で選ばれたくらいだからな」
「それはてめぇだけだろラド。オレは強いから選ばれたんだよ」
「お前よりはオレの方が強いっての」
ロンと共に先頭を歩くドワーフのラドが笑い飛ばす。
「言っとくが、あんたらが強かろうが弱かろうがすっこんでてもらうからな」
「何だと? オレらが邪魔だってのか?」
「こら、やめろ」
最も後ろを歩いていたクリスタ・K・シュテルベルン(ka0289)をロンが喧嘩腰に睨みつけ、ラドが慌てて小声で制止する。
「まあまあ……でも無理はしないでください。依頼主の怪我は避けたいので」
「フン……仕方ねえな」
楠葉 マコト(ka1053)も宥めつつ、周辺を広く見渡しながら、足場が悪い地点や死角になりそうな岩陰を把握した。立ち位置に気をつければそう動きにくくはないだろうが、洞窟の入り口近くに複数の岩が転がっており、もしかしたらコボルドが逃げ隠れるかもしれない。
「何にせよ、手を借りる必要はねえよ。基本は入り口で音出して奴らを誘き出すってことでいいんだろ? それで俺が射る」
「そうだな。クリスタの矢をすり抜けてきたコボルドを他の全員で倒すというところか」
「最終的には内部に潜入して殲滅を確認する必要があるな」
作戦を確認し合い、潜入用に集落から借りてきた松明用の棒や火種を離れた場所に置いて、まずは入口からやや離れた場所に集まった。
「ところで、あの洞窟の出入口は一か所ですか?」
「そのはずだ」
マコトの問いかけに、ドワーフの二人が頷き合う。
「殲滅に入る前に己が目で確認したい。もし別の経路があれば岩で塞ぎたいが、案内と手伝いを頼めるか」
「勿論だ」
「ふむ、我も行こう。言われたことを鵜呑みにして依頼に失敗しては元も子もない」
地形を改めて確認するため、明影、アリベアート、ロン、ラドの四人が洞窟の側面に回りこんでいった。
――その数分後。
異色の取り合わせの四人が戻ってきたかと思うと、ロンがジーナに駆け寄ってきた。
「聞いてくれよ、このエルフ『力仕事は得意だろドワーフ、任せるぞ』とか言って手伝いもしねえ!」
「ああ……」
ロンが遥か上にあるアリベアートの顔を指したが、アリベアートは特に気にかけることも無さそうだ。
「これだからエルフは!」
「ロン、落ち着け」
相変わらずラドが宥めている。
(好い悪いは個人の問題であって、種族ではないと思うがな)
けれどジーナがそれを口に出すことはしなかった。
その間、明影とアリベアートによって情報共有が行われ、結果として入口は一か所のみで間違いなかったが、念の為に岩を積んだ場所が二か所あったということだった。
「んじゃ、とっとと始めようぜ」
「そうですね。お二人は左右の岩陰で逃げ出すコボルドがいないか見ておいてもらえますか」
ショートボウを持ったクリスタが立ち上がり、入口付近へ向かう。他の四人も各々の武器を手に続き、協力者の二人も指示通りに向かった。
●殲滅
「さて、色々と上手くいくといいんだが……」
ジーナが呟いた横で、アリベアートが小石を入口に向けて投げた。全員で身を潜めて待つが、コボルドが出てくる様子は無い。二つ目、三つ目と少しずつ石を大きくしてみたが、どうやらもう少し派手にやらなければ表には出て来ないようだった。
「壁を蹴ってみるか」
言って、アリベアートが入口内部の壁を強く蹴りつける。人が二人並べるかどうかという狭い路に音が反響しながら響き、素早く身を隠した直後、僅かに光る物が奥に見えた。
射程圏内に入った瞬間、クリスタが音もなく放った矢は硬い壁にぶつかったが、コボルドはそれを宣戦布告と捉えたらしい。甲高い奇声のような鳴き声を発して、目を光らせながらこちらに向かってくる二体のコボルドがはっきりと見えた。
「来たぜ」
素早くこちらに迫ってくるコボルドに、クリスタが二発目の矢を放つ。今度は足に命中し、一瞬怯んで動きを止めた。もう一体も立ち止まり、何かを話すように声を交わし合ったが、その内容はわからない。
ほんの数秒間の後、一体は怪我をした仲間を置いて踵を返して内部に走り去って行った。そして残されたコボルドは、足に傷を負いながらも驚くべき速さで近付いてきた。
「ちっ速いな」
仮に射程圏内であっても、向こうが近付いてきている以上、矢を放った直後に間合いを詰められては打つ手が無い。クリスタは一旦弓を降ろして一歩引いた。
「任せろ」
入口前で様子を窺っていたジーナが、闘争心を露わにクリスタへ猛進するコボルドにダガーを振り下ろす。被弾している身でそれを躱すことは出来ず、耳障りな断末魔と共に血しぶきが散った。
「死んだか」
アリベアートが覗き込む。
倒れ伏したコボルドは、亜人の名の通りに人型をしており、もしも遠くから見たなら子供と間違えることもあるかもしれない。
(亜人とはいえ人型相手はまだ抵抗があるな……)
マコトもその死体を一瞥し、明らかな異形の雑魔を相手にするのとは違う物を感じていた。
しかしその横から明影が前に出たかと思うとその首をサーベルで刎ねた。マコトははっとして明影を見る。
「人型と言っても畜生だ。遠慮は要らん。やるなら徹底的に。畜生相手と言えど、禍根を残すつもりはないのでな」
亡骸に向けられる冷徹な目が、一瞬逸れてマコトを向いた。
「そうだろう」
コボルドを殺すことに僅かな違和感を覚えていたことを見透かされたような一言。
「ああ」
(……やらなければやられる、わかっているさ)
人型であっても敵は敵。そんな当たり前のことを再度胸に刻み、死体を少し横に避けてから各々は再び持ち場に立った。
今度はジーナが壁を蹴りつけると、程なくして騒々しい物音が聞こえてきた。逆に返り討ちにしようというつもりなのか、気迫さえ感じられるけたたましい雄叫びと共に、コボルドが三体、そして幼体らしい小さな影が六体ほども向かって来るのが見えた。
「また大勢来たもんだな」
クリスタが放った矢が見事に頭に命中した。しかしそれでもコボルドの集団は怯むことなく、牙を露わにして突進してくる。
矢を受けたコボルドは集団の後ろに引き、手前にいるコボルドに放ったクリスタの二発目の矢は俊敏な身のこなしで躱された。
小柄な体躯にもかかわらず、人の二倍ほども速いのではないかと感じられる速度で、まず三体の成体が入口に押し寄せて来る。
「こいつらは頼んだ」
奥の幼体を見ながらクリスタが一旦入口から引き、成体を外に誘き出した。
「ああ、ここで殲滅するぞ」
中から向かってきた勢いをそのままに飛び出した三体を、ジーナの声と同時に岩陰から飛び出した四人が囲んだ。突如として現れた人影に、コボルドたちが動きを止める。
「造作も無い」
既に頭に矢を受けて動きが鈍っているコボルドに、アリベアートが身をやや屈めてダガーを突き立てた。再び耳を塞ぎたくなるような声が響き渡り、血の匂いが漂う。
「――オン――」
素早く印契を切って明影が精霊に祈りを捧げ、素早くサーベルを振り下ろす。コボルドは一撃で絶命した。
マコトはマテリアルを込めて目にも止まらぬ速さで残るコボルドに近接し、流れるように優雅な動きでショートソードを振り下ろした。コボルドは回避の暇も与えられず、深く傷を負って立ち上がることは無かった。
洞窟内ではクリスタの矢を受けたニ体の幼体が倒れ、残る四体は猛然と走り寄って来ていた。
洞窟を出る前に倒しきるのは不可能と見て、クリスタは外へ引く。
先ほどコボルドを倒した流れのままにアリベアートがダガーを振るうが、幼体は間一髪でそれを避けると岩陰に潜り込んだ。
「おい、左だ!」
離れたところに立っていたロンが大声で叫ぶ。逃げ出そうとする幼体に、アリベアートは数歩で追いついて今度こそ切り裂いた。
それと同時に明影が幼体を殺し、マコトとジーナはそれぞれ逃げる幼体を追いかける。逃げ切れないと見るや反撃に転じてきたが、所詮その動きは成体の比ではない。
「すまない。怨んでくれて構わない」
幼いながらも向かって来る幼体にマコトが剣を振り、呆気無く絶命する。
ジーナも難なく幼体を殺し、総勢九体の集団が息絶えた。
それからは少々手間取った。
残るコボルドが一向に現れない。先ほどの集団が戻ってこなかったことで警戒心を増し、籠城を決め込んだのかもしれなかった。
「これは出て来ねえな」
弓を構えながらクリスタが呟く。
「どうする?」
音を出すのを一旦止め、ジーナが各々に視線を送る。最初に口を開いたのはアリベアートだった。
「焚き火をしてみるのはどうだ」
「燻し殺すか。それも良いかもしれんな」
「確認しに入りにくくなるのでは?」
「じゃあ軽く燻すくらいでいいんじゃねえの?」
「そうだな。殺さずとも出て来さえすれば良いだろう」
言うが早いか、ロンとラドは早速薪をかき集めて点火した。大きな葉で扇ぎ、入口から少し入った場所から洞窟内に煙を送り込む。作戦は成功したらしく、程なくして奥から何やら物音が響いてきた。
「早く出ろ!」
クリスタの声にロンとラドの二人が日を消して洞窟の外に駈け出したところで、成体ニ体と幼体六体が騒ぎ立てながら駆けて来るのが見えた。
煙によって視界が狭まっている。矢は命中したものの、その時には既に成体二体共が入口付近に迫っていた。
先ほどと同様にコボルドを外に誘き出したところで、アリベアートがマテリアルを高めてコボルドに渾身の一撃を振るう。万全の勢いで爪を振り立てていたコボルドだったが、その攻撃は二度と当たることは無かった。
胴に矢を受けつつも機敏な動きで明影のサーベルを躱したコボルドも、見事に連携したマコトの剣で止めを刺され倒れた。
その交戦を背後に、クリスタは三発の矢をそれぞれ命中させて幼体を倒し、残りの幼体は外に躍り出たところで一目散に逃げ出し始めた。
まずアリベアートが身を低くして最も近い一体にダガーを振るい、確実に息の音を止める。
「逃すか!」
続けてジーナが精霊に祈りを捧げてマテリアルを高め、小さな身体で走り回る幼体の頭に寸分違わず刃を突き立てた。
「明影! 右の岩に隠れる!」
常時の視界の遥か下で蠢く幼体の動きを近くで正確に把握することは難しい。マコトの声に瞬時に岩陰へ視線を向けた明影は、逃げ惑う子供に容赦なく切っ先を向けた。
「逃げられると思ったか」
狭い岩陰に差し込まれたサーベルが鮮やかに首を断った。
それ以降、色々と手を尽くしてみても、コボルドが出てくる様子は無かった。
「幼体は残っているでしょうね」
「ああ。成体が残ってるかは微妙なとこだな」
「そろそろ内部に潜入する頃合か」
「では私が先頭を行こう」
「そうか。我は最初に言った通り入口を見張っておく」
話し合いの末に洞窟内へ潜入することとなり、三本の松明を、ロンとラドが一本ずつ、そしてもう一本がクリスタに渡された。
「なんで俺なんだよ」
「あんた弓使いだろ。暗い場所じゃ不向きじゃねえか」
「……まあな」
松明を受け取りながら頷く顔は一言言いたげではあったが、ラドはそれに気付かなかった。
洞窟の入口から入ってしばらく歩いたところで、奥の方に僅かな光が見えた。どうやらそこが広間のようで、天井に採光できる穴でもあるらしい。
「何か来る」
そのとき、狭い視界の向こうに蠢く影を確認した。あっという間に迫り来たのはコボルドの幼体が三体。その姿を射程に捉えた直後にジーナが素早く一体の胴を切り裂いた。
松明を持っていたロンに爪を振るおうとした幼体が、目の前に飛んできた小さな矢に動きを止めた。マコトがダーツの矢を放ったのだ。
「この野郎!」
ロンは松明をラドに押し付け、槍で幼体を突き刺した。それとほぼ同時に、もう一体の幼体もジーナが振り下ろした刃に射止められた。
「俺たちも戦うことになりそうだ」
「そのようだな」
「ったくめんどくせ」
身を屈めて洞窟内を進む明影、マコト、クリスタはそれぞれに行動の取りにくさに辟易としつつ、ジーナ、ロン、ラドに続いて広間へと入っていく。
広場内に物音は無かった。一見して動く影も見当たらない。ジーナとクリスタ、明影とロン、マコトとラドがそれぞれ手分けして内部の確認に当たることにした。
「逃げることも出来ないか」
亜人ながら生活感が漂う洞窟内を見まわりジーナが発見した幼体は、正に生まれたばかりといった未熟な体躯のまま、寝床らしき場所に置き去りにされていた。勿論、だからといって容赦することはない。せめて一息に、首を刎ねた。
「元気なものだな」
覗き込んだ物陰から飛び出してきた幼体の必死の攻撃を、身を屈めていた明影は避けることが出来なかった。足に僅かながら爪跡を残され、しかし直後にその幼体は絶命していた。
暗い洞窟内で明影の体が光に包まれ、受けたばかりの傷は跡形もなく消えた。
マコトも幼体を発見し剣を振るうも、やはりこう動きにくくては狙いが逸れる。機敏に切っ先を避けた幼体は一目散に走り出し、ラドがそれを追いかけた。
「容赦しねえぞ!」
松明を持ったまま、槍を鋭く突き出す。その背後からの攻撃を避けることは出来ず、幼体はぐったりと串刺しになった。
それから洞窟内をしっかりと見回り、残党がいないことが確認された。
●仕事終わりの一杯
「改めて感謝申し上げる」
深々と頭を下げる長の後ろでは大声で一気飲みのコールが起きている。
コボルド殲滅の後で当然のように始まった宴会に、全員で出席することになったのだった。
「いえ、被害が出る前に解決出来て何よりです」
「……それにしても本当に騒がしいな」
マコトとアリベアートが座っているテーブルは比較的静かなのだが、他は何の祭りかと思うほどの大騒ぎだ。
ロンとラド、そして明影、ジーナ、クリスタは酒比べに参加していた。
「久々に浴びるほど飲みたいと思っていたところだ」
「飲め飲め! そこのエルフさんはもう終わりか?」
ジーナとロンが酒を注ぎ合っているとき、クリスタは既に眠っていた。
「あー、これは潰れてんな」
「寝かせておけ」
「よっしゃ、次のラウンド行くぜー!」
おー、と雄叫びが響き渡る。
豪勢なドワーフの宴会は、夜更けまで続いた。
集落から離れてみると、ごつごつと大きな岩がそこかしこに隆起して荒野のように殺風景な風景が広がっていた。
「あれが例の洞窟か」
「おう」
弥勒 明影(ka0189)が声を掛けると、集落のドワーフであるロンが振り返って頷いた。
「聞いていた通り天井は低いようだな。私はなんとか普通に歩けそうだが……」
洞窟の入口を一見して、ジーナ(ka1643)が仲間をぐるりと見回した。
「中に入るとなれば、我は入り口で待機する」
最も背が高いアリべアート(ka1828)は、ジーナの視線に気付いて言った。
「ああ、そうした方がいい。オレらも『背が低い』って理由で選ばれたくらいだからな」
「それはてめぇだけだろラド。オレは強いから選ばれたんだよ」
「お前よりはオレの方が強いっての」
ロンと共に先頭を歩くドワーフのラドが笑い飛ばす。
「言っとくが、あんたらが強かろうが弱かろうがすっこんでてもらうからな」
「何だと? オレらが邪魔だってのか?」
「こら、やめろ」
最も後ろを歩いていたクリスタ・K・シュテルベルン(ka0289)をロンが喧嘩腰に睨みつけ、ラドが慌てて小声で制止する。
「まあまあ……でも無理はしないでください。依頼主の怪我は避けたいので」
「フン……仕方ねえな」
楠葉 マコト(ka1053)も宥めつつ、周辺を広く見渡しながら、足場が悪い地点や死角になりそうな岩陰を把握した。立ち位置に気をつければそう動きにくくはないだろうが、洞窟の入り口近くに複数の岩が転がっており、もしかしたらコボルドが逃げ隠れるかもしれない。
「何にせよ、手を借りる必要はねえよ。基本は入り口で音出して奴らを誘き出すってことでいいんだろ? それで俺が射る」
「そうだな。クリスタの矢をすり抜けてきたコボルドを他の全員で倒すというところか」
「最終的には内部に潜入して殲滅を確認する必要があるな」
作戦を確認し合い、潜入用に集落から借りてきた松明用の棒や火種を離れた場所に置いて、まずは入口からやや離れた場所に集まった。
「ところで、あの洞窟の出入口は一か所ですか?」
「そのはずだ」
マコトの問いかけに、ドワーフの二人が頷き合う。
「殲滅に入る前に己が目で確認したい。もし別の経路があれば岩で塞ぎたいが、案内と手伝いを頼めるか」
「勿論だ」
「ふむ、我も行こう。言われたことを鵜呑みにして依頼に失敗しては元も子もない」
地形を改めて確認するため、明影、アリベアート、ロン、ラドの四人が洞窟の側面に回りこんでいった。
――その数分後。
異色の取り合わせの四人が戻ってきたかと思うと、ロンがジーナに駆け寄ってきた。
「聞いてくれよ、このエルフ『力仕事は得意だろドワーフ、任せるぞ』とか言って手伝いもしねえ!」
「ああ……」
ロンが遥か上にあるアリベアートの顔を指したが、アリベアートは特に気にかけることも無さそうだ。
「これだからエルフは!」
「ロン、落ち着け」
相変わらずラドが宥めている。
(好い悪いは個人の問題であって、種族ではないと思うがな)
けれどジーナがそれを口に出すことはしなかった。
その間、明影とアリベアートによって情報共有が行われ、結果として入口は一か所のみで間違いなかったが、念の為に岩を積んだ場所が二か所あったということだった。
「んじゃ、とっとと始めようぜ」
「そうですね。お二人は左右の岩陰で逃げ出すコボルドがいないか見ておいてもらえますか」
ショートボウを持ったクリスタが立ち上がり、入口付近へ向かう。他の四人も各々の武器を手に続き、協力者の二人も指示通りに向かった。
●殲滅
「さて、色々と上手くいくといいんだが……」
ジーナが呟いた横で、アリベアートが小石を入口に向けて投げた。全員で身を潜めて待つが、コボルドが出てくる様子は無い。二つ目、三つ目と少しずつ石を大きくしてみたが、どうやらもう少し派手にやらなければ表には出て来ないようだった。
「壁を蹴ってみるか」
言って、アリベアートが入口内部の壁を強く蹴りつける。人が二人並べるかどうかという狭い路に音が反響しながら響き、素早く身を隠した直後、僅かに光る物が奥に見えた。
射程圏内に入った瞬間、クリスタが音もなく放った矢は硬い壁にぶつかったが、コボルドはそれを宣戦布告と捉えたらしい。甲高い奇声のような鳴き声を発して、目を光らせながらこちらに向かってくる二体のコボルドがはっきりと見えた。
「来たぜ」
素早くこちらに迫ってくるコボルドに、クリスタが二発目の矢を放つ。今度は足に命中し、一瞬怯んで動きを止めた。もう一体も立ち止まり、何かを話すように声を交わし合ったが、その内容はわからない。
ほんの数秒間の後、一体は怪我をした仲間を置いて踵を返して内部に走り去って行った。そして残されたコボルドは、足に傷を負いながらも驚くべき速さで近付いてきた。
「ちっ速いな」
仮に射程圏内であっても、向こうが近付いてきている以上、矢を放った直後に間合いを詰められては打つ手が無い。クリスタは一旦弓を降ろして一歩引いた。
「任せろ」
入口前で様子を窺っていたジーナが、闘争心を露わにクリスタへ猛進するコボルドにダガーを振り下ろす。被弾している身でそれを躱すことは出来ず、耳障りな断末魔と共に血しぶきが散った。
「死んだか」
アリベアートが覗き込む。
倒れ伏したコボルドは、亜人の名の通りに人型をしており、もしも遠くから見たなら子供と間違えることもあるかもしれない。
(亜人とはいえ人型相手はまだ抵抗があるな……)
マコトもその死体を一瞥し、明らかな異形の雑魔を相手にするのとは違う物を感じていた。
しかしその横から明影が前に出たかと思うとその首をサーベルで刎ねた。マコトははっとして明影を見る。
「人型と言っても畜生だ。遠慮は要らん。やるなら徹底的に。畜生相手と言えど、禍根を残すつもりはないのでな」
亡骸に向けられる冷徹な目が、一瞬逸れてマコトを向いた。
「そうだろう」
コボルドを殺すことに僅かな違和感を覚えていたことを見透かされたような一言。
「ああ」
(……やらなければやられる、わかっているさ)
人型であっても敵は敵。そんな当たり前のことを再度胸に刻み、死体を少し横に避けてから各々は再び持ち場に立った。
今度はジーナが壁を蹴りつけると、程なくして騒々しい物音が聞こえてきた。逆に返り討ちにしようというつもりなのか、気迫さえ感じられるけたたましい雄叫びと共に、コボルドが三体、そして幼体らしい小さな影が六体ほども向かって来るのが見えた。
「また大勢来たもんだな」
クリスタが放った矢が見事に頭に命中した。しかしそれでもコボルドの集団は怯むことなく、牙を露わにして突進してくる。
矢を受けたコボルドは集団の後ろに引き、手前にいるコボルドに放ったクリスタの二発目の矢は俊敏な身のこなしで躱された。
小柄な体躯にもかかわらず、人の二倍ほども速いのではないかと感じられる速度で、まず三体の成体が入口に押し寄せて来る。
「こいつらは頼んだ」
奥の幼体を見ながらクリスタが一旦入口から引き、成体を外に誘き出した。
「ああ、ここで殲滅するぞ」
中から向かってきた勢いをそのままに飛び出した三体を、ジーナの声と同時に岩陰から飛び出した四人が囲んだ。突如として現れた人影に、コボルドたちが動きを止める。
「造作も無い」
既に頭に矢を受けて動きが鈍っているコボルドに、アリベアートが身をやや屈めてダガーを突き立てた。再び耳を塞ぎたくなるような声が響き渡り、血の匂いが漂う。
「――オン――」
素早く印契を切って明影が精霊に祈りを捧げ、素早くサーベルを振り下ろす。コボルドは一撃で絶命した。
マコトはマテリアルを込めて目にも止まらぬ速さで残るコボルドに近接し、流れるように優雅な動きでショートソードを振り下ろした。コボルドは回避の暇も与えられず、深く傷を負って立ち上がることは無かった。
洞窟内ではクリスタの矢を受けたニ体の幼体が倒れ、残る四体は猛然と走り寄って来ていた。
洞窟を出る前に倒しきるのは不可能と見て、クリスタは外へ引く。
先ほどコボルドを倒した流れのままにアリベアートがダガーを振るうが、幼体は間一髪でそれを避けると岩陰に潜り込んだ。
「おい、左だ!」
離れたところに立っていたロンが大声で叫ぶ。逃げ出そうとする幼体に、アリベアートは数歩で追いついて今度こそ切り裂いた。
それと同時に明影が幼体を殺し、マコトとジーナはそれぞれ逃げる幼体を追いかける。逃げ切れないと見るや反撃に転じてきたが、所詮その動きは成体の比ではない。
「すまない。怨んでくれて構わない」
幼いながらも向かって来る幼体にマコトが剣を振り、呆気無く絶命する。
ジーナも難なく幼体を殺し、総勢九体の集団が息絶えた。
それからは少々手間取った。
残るコボルドが一向に現れない。先ほどの集団が戻ってこなかったことで警戒心を増し、籠城を決め込んだのかもしれなかった。
「これは出て来ねえな」
弓を構えながらクリスタが呟く。
「どうする?」
音を出すのを一旦止め、ジーナが各々に視線を送る。最初に口を開いたのはアリベアートだった。
「焚き火をしてみるのはどうだ」
「燻し殺すか。それも良いかもしれんな」
「確認しに入りにくくなるのでは?」
「じゃあ軽く燻すくらいでいいんじゃねえの?」
「そうだな。殺さずとも出て来さえすれば良いだろう」
言うが早いか、ロンとラドは早速薪をかき集めて点火した。大きな葉で扇ぎ、入口から少し入った場所から洞窟内に煙を送り込む。作戦は成功したらしく、程なくして奥から何やら物音が響いてきた。
「早く出ろ!」
クリスタの声にロンとラドの二人が日を消して洞窟の外に駈け出したところで、成体ニ体と幼体六体が騒ぎ立てながら駆けて来るのが見えた。
煙によって視界が狭まっている。矢は命中したものの、その時には既に成体二体共が入口付近に迫っていた。
先ほどと同様にコボルドを外に誘き出したところで、アリベアートがマテリアルを高めてコボルドに渾身の一撃を振るう。万全の勢いで爪を振り立てていたコボルドだったが、その攻撃は二度と当たることは無かった。
胴に矢を受けつつも機敏な動きで明影のサーベルを躱したコボルドも、見事に連携したマコトの剣で止めを刺され倒れた。
その交戦を背後に、クリスタは三発の矢をそれぞれ命中させて幼体を倒し、残りの幼体は外に躍り出たところで一目散に逃げ出し始めた。
まずアリベアートが身を低くして最も近い一体にダガーを振るい、確実に息の音を止める。
「逃すか!」
続けてジーナが精霊に祈りを捧げてマテリアルを高め、小さな身体で走り回る幼体の頭に寸分違わず刃を突き立てた。
「明影! 右の岩に隠れる!」
常時の視界の遥か下で蠢く幼体の動きを近くで正確に把握することは難しい。マコトの声に瞬時に岩陰へ視線を向けた明影は、逃げ惑う子供に容赦なく切っ先を向けた。
「逃げられると思ったか」
狭い岩陰に差し込まれたサーベルが鮮やかに首を断った。
それ以降、色々と手を尽くしてみても、コボルドが出てくる様子は無かった。
「幼体は残っているでしょうね」
「ああ。成体が残ってるかは微妙なとこだな」
「そろそろ内部に潜入する頃合か」
「では私が先頭を行こう」
「そうか。我は最初に言った通り入口を見張っておく」
話し合いの末に洞窟内へ潜入することとなり、三本の松明を、ロンとラドが一本ずつ、そしてもう一本がクリスタに渡された。
「なんで俺なんだよ」
「あんた弓使いだろ。暗い場所じゃ不向きじゃねえか」
「……まあな」
松明を受け取りながら頷く顔は一言言いたげではあったが、ラドはそれに気付かなかった。
洞窟の入口から入ってしばらく歩いたところで、奥の方に僅かな光が見えた。どうやらそこが広間のようで、天井に採光できる穴でもあるらしい。
「何か来る」
そのとき、狭い視界の向こうに蠢く影を確認した。あっという間に迫り来たのはコボルドの幼体が三体。その姿を射程に捉えた直後にジーナが素早く一体の胴を切り裂いた。
松明を持っていたロンに爪を振るおうとした幼体が、目の前に飛んできた小さな矢に動きを止めた。マコトがダーツの矢を放ったのだ。
「この野郎!」
ロンは松明をラドに押し付け、槍で幼体を突き刺した。それとほぼ同時に、もう一体の幼体もジーナが振り下ろした刃に射止められた。
「俺たちも戦うことになりそうだ」
「そのようだな」
「ったくめんどくせ」
身を屈めて洞窟内を進む明影、マコト、クリスタはそれぞれに行動の取りにくさに辟易としつつ、ジーナ、ロン、ラドに続いて広間へと入っていく。
広場内に物音は無かった。一見して動く影も見当たらない。ジーナとクリスタ、明影とロン、マコトとラドがそれぞれ手分けして内部の確認に当たることにした。
「逃げることも出来ないか」
亜人ながら生活感が漂う洞窟内を見まわりジーナが発見した幼体は、正に生まれたばかりといった未熟な体躯のまま、寝床らしき場所に置き去りにされていた。勿論、だからといって容赦することはない。せめて一息に、首を刎ねた。
「元気なものだな」
覗き込んだ物陰から飛び出してきた幼体の必死の攻撃を、身を屈めていた明影は避けることが出来なかった。足に僅かながら爪跡を残され、しかし直後にその幼体は絶命していた。
暗い洞窟内で明影の体が光に包まれ、受けたばかりの傷は跡形もなく消えた。
マコトも幼体を発見し剣を振るうも、やはりこう動きにくくては狙いが逸れる。機敏に切っ先を避けた幼体は一目散に走り出し、ラドがそれを追いかけた。
「容赦しねえぞ!」
松明を持ったまま、槍を鋭く突き出す。その背後からの攻撃を避けることは出来ず、幼体はぐったりと串刺しになった。
それから洞窟内をしっかりと見回り、残党がいないことが確認された。
●仕事終わりの一杯
「改めて感謝申し上げる」
深々と頭を下げる長の後ろでは大声で一気飲みのコールが起きている。
コボルド殲滅の後で当然のように始まった宴会に、全員で出席することになったのだった。
「いえ、被害が出る前に解決出来て何よりです」
「……それにしても本当に騒がしいな」
マコトとアリベアートが座っているテーブルは比較的静かなのだが、他は何の祭りかと思うほどの大騒ぎだ。
ロンとラド、そして明影、ジーナ、クリスタは酒比べに参加していた。
「久々に浴びるほど飲みたいと思っていたところだ」
「飲め飲め! そこのエルフさんはもう終わりか?」
ジーナとロンが酒を注ぎ合っているとき、クリスタは既に眠っていた。
「あー、これは潰れてんな」
「寝かせておけ」
「よっしゃ、次のラウンド行くぜー!」
おー、と雄叫びが響き渡る。
豪勢なドワーフの宴会は、夜更けまで続いた。
依頼結果
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依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 弥勒 明影(ka0189) 人間(リアルブルー)|17才|男性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2014/06/16 00:52:20 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/06/10 21:11:09 |