倉庫でキノコ狩り

マスター:狐野径

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2015/03/16 07:30
完成日
2015/03/19 18:43

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●倉庫を見に行ってみよう
 春を感じられるようになってきたある日、農家の若手三人は大工道具と弁当を持って畑方面にむかった。本格的に畑の作業をする前に、設備点検などを三人で協力してやっていた。
 本日の予定は、エーノが以前建てたが、水に浸ることが多く使い勝手の悪い倉庫を改良する。
 できれば壊したくないため、何かに利用できないかと三人は頭を悩ましている。結局、現物を見て手入れだけで終わるかもしれない。
 あぜ道を行くとエーノの倉庫が見えてきた。
 先頭を歩いていたエーノは足を止めた。
「どうした?」
 後ろにいたオーツが首をかしげる。
「なんかいる」
 エーノが指した先、倉庫の周りにうねうねと鈍く動く物体が複数見えた。
「屋根の上にもいるっぽい」
 一番後ろを歩いていたネハテが指さした。
 倉庫の周りや屋根にいる白い物体は、ただうねうねしている。風がないのに風になびいているがごとく動いている。
 三人は怖いけれども状況を確認しないといけないと、畑に下りて近づきこっそり様子をうかがう。
「前、見に来たときあんなのいなかった」
「見てて放置してたってのだったらマジありえない」
「冬は人通らないから、こっちまで……」
「どうする?」
 三人は頭を寄せて相談するが困惑するばかりで答えが出ない。
 白い物体は、エーノには「壁に生えていた白いキノコ」に見える。
 そうなってくると壁に生えていたキノコが地面に下り、巨大化し、動いているという推測に三人は至る。
「……ためしに、石投げてみる?」
 三人は推定キノコに向かって石を投げてみる。
 石は命中。
 推定キノコは動きを止め、次には白い胞子をそれぞれ噴出した。
「う、うわああああああ?」
「吸うな」
 息を止めても手遅れだった。
 三人は何か気持ちがそわそわしてくる。
 この気持ちは何だろう、初めての気持ち……と言うようにドキドキしていると抑える力がはじけ飛んで行った。
「俺はキノコー」
「僕もキノコー」
「お、おいらも……キノコ」
 叫びながらそれぞれが思うキノコのポーズをとった。
 心のどこかで恥ずかしさがあっても、どこかで満足感がある。
 十五分後、たまたま畑のチェックに来た村人が、キノコのポーズっぽいものを取る彼らに気付いて救出してくれた。
 恥ずかしさと安堵、妙な達成感と脱力感が彼らを襲う。
「お、恐ろしい呪いだ」
「いやいや、毒みたいなもんだろう」
「どちらにせよ、問題だ」
 村長に相談後、三人は町に出かけることになった。

●キノコ退治
 ハンターズソサエティの支部に依頼しに行くのはエーノ一人で良かったはずだが、三人で来ていた。
 彼らと向かい合っている職員は、三人の話を聞き、一瞬笑いそうになるが、結構深刻な話だと表情を引き締める。
 たぶん、三人が明るいため、大変さが伝わらないだけだ。
「つまり、村にいるキノコ雑魔を退治するということですね」
 職員が確認すると三人はうなずく。
「土を起こさないと、何もできないし」
「そうですねぇ、畑ができないと食べ物ができませんし、町としても困ります」
「倉庫は壊さないでも退治できますよね……?」
「問題ないと思いますよ。あ、多少の傷はつくこともあるかと思います」
 職員の言葉に緊張していた三人組はほっと息を吐く。
 リフォームや引っ越しのように養生してから戦うわけではないので、壁を打ち抜いたとか屋根に穴開けちゃったということはあるだろう。建物被害がなければそれに越したことはないが。
「あと何か注意事項とかありますか?」
 職員は最終確認の段階に入る。
「キノコの気分になる不思議な力を持ってるんですよ~」
「あの時、おじさんが通らなかったらヤバかった」
「キノコになってたのか、おいらたちも」
 三人は恐怖を思い出し震えはじめる。
「キノコに変化してしまうようなら非常に問題ですよ。そんな危険な化け物がいるなら場合、もっと被害が出ていると思います」
 職員は冷静に考える。彼らの村の周りで歪虚や亜人、魔法公害等々との問題が起こっているという噂は聞いていない。
 今回のキノコ雑魔の胞子は致命的な毒性はないが、行動ができなくなっている間が危険だと依頼書にメモを書く。
「大体聞きたいことは聞けました。承りました」
「じゃ、お願いします」
 三人組はほっとした様子で頭を下げて立ち去った。

リプレイ本文

●観察してみよう
 雑魔退治にやってきたハンターたちは、離れたところで目標を確認する。
 一行がやってくるまで、村の人達は近づかなかったため新たな被害はないという。村長の提案で用心のため、十分に離れた所から交替で監視もしていたそうだ。
 ウゾウゾ、モゾモゾ、ヒラヒラ……擬態語はどれでもいいが、見ていて楽しいか否かはきっぱりと分かれる生き物。白く肉厚な舞茸のような、扇を束ねたような大きなキノコが何か考えているのか、何も考えていないか分からないがそこにいる。
「ふむ、確かにキノコじゃな。それにしても面妖な」
 情報によると胞子の影響でキノコになりたい気持ちになるというため、どういった気持ちか知りたいが、シルヴェーヌ=プラン(ka1583)は胞子を吸いこむ気はない。
「キノコ……パルムはぎりぎりセーフかな、だって可愛いもの」
 ケイルカ(ka4121)はキノコが苦手なため、見ただけで嫌な気分になる。どこが嫌いかと尋ねられると、シイタケのようなキノコなら笠の裏にある襞、舞茸ならば形状が生理的に駄目。彼女が可愛いと言ったため、仲間が連れているパルムが嬉しそうに手を振ってきたが、笠の裏が見えたためケイルカは視線を逸らす。
「キノコ雑魔か……」
 ジオラ・L・スパーダ(ka2635)はちらりと自分のパルムに視線を向けた。パルムの見た目は愛らしいし、小生意気でもちょっとビビりでシャイな変わり者な性格も好きな理由。一方、雑魔になったキノコは色々考えてみても気色悪い。
「キノコが元とはいえ、美味しそうでもないですね……」
 ミオレスカ(ka3496)は白い物体を見て溜息を漏らしながらも、退治に必要そうな一般的な道具をピックアップする。
「屋根の上に乗るには重さ制限があるのね。じゃあ私が……といっても、わざわざ乗る理由もないわ」
 犬養 菜摘(ka3996)は仲間の装備を見て危険を冒す理由を見いだせない。彼女以外も射撃用の武器や遠くから撃てる魔法を持っているからだ。
「千里の道も一歩から、空回らねぇ程度に、やる気だしていくか……。胞子は用心がいるだろうが、どの程度かわからねーな」
 ハンターに登録しての初めての仕事ということで、木岡 雄二(ka4308)は気合を入れて前を見据える。キノコの胞子に対し怯えすぎも用心しないのも問題で、繊細な問題である。
「じゅ、十分に脅威です、お嫁に行けなくなります」
 力説するケイルカに乙女たちが前半に対しては同意をし、後半に関しては各人いろいろ考える。
「まあ、嫁云々はさておき、キノコな気分は気になるが……。あやつらの攻撃を受けた者はおらぬ。つまり身体が硬直後に岩をも砕く一撃を食らえば死すらありうる。何ならそちが行ってみるかえ? わしは止めぬ」
 シルヴェーヌの顔は慎重が重要と言っているが、目は「是非ともわしの学問の礎として行け」と言っている。
「こちらに突進してくるということもあるかもしれません。慎重に狩っていくのが一番でしょう」
 菜摘も用心はしているが、石を投げられたそれらの反応は胞子のみだったという。しかし、慢心して狩りに挑めばしっぺ返し食らうだろう。
「あの、皆さん、お願いします。えっと、入用のもので用意できるものは用意します」
 エーノは余裕綽々なハンターを前に憧憬と緊張をもって言いつつ、友人たちと頭をさげた。
「早速ですが、マスクとデッキブラシや箒など掃除道具を貸していただけますか?」
 おずおずとミオレスカがお願いをする。
「あと、梯子がいる。脚立もあればお願いしたいな」
 ジオラとしては屋根にいる雑魔に攻撃するには、屋根に上がるか視線を上げるか等工夫がいる。
「は、はい」
 エーノたちは分担して村に戻っていった。
「まずは下にいる奴らだな」
 雄二は高揚する、魔法で仲間を助けるのも、敵を攻撃するのもこれから本番と思うと。
「マスクの用意ができました」
 エーノが戻ってきたところで、新しいマスクを各々つけ、雑魔を射程に入れる位置まで進んでいく。
「なんか、雑魔退治と言うより、清掃ですね」
 ミオレスカの的を射たつぶやきに、否定できる者は誰もいなかった。

●倒してみよう
「地面にいるやつら……風の強さと向きに注意だな」
 ジオラは風を読み風上に移動していく。
「攻性強化、掛けるか?」
 雄二はアルケミストタクトを見せつつ尋ねる。
「一度、撃って様子見たほうがいいかもしれませんね」
 猟銃を構えた菜摘がつぶやく。
「速攻というのもありじゃねぇか?」
 雄二の言葉にジオラが思案するようにうめく。
「あれを倒した奴がいないという問題があるんだ。倒した直後、爆発して胞子まき散らした場合、射程以上にくる危険性もある」
「分かった。必要な時言ってくれ」
 雄二も納得し、キノコの様子を見る。
「魔法で焼いちゃう?」
 ケイルカはキノコを見たくないため声が固いが、片づけようという意志は人一倍強い。
「どういう動きをするか見てからでも遅くはないと思います」
 ミオレスカも雑魔の動きを想像しているが、実際見てみないと分からない。
「ウィンドスラッシュで胞子を散らせるかもしれぬし、一つ倒してみようではないか」
 シルヴェーヌは魔法を使う用意をする。
 早速、菜摘は引き金を絞った。この瞬間、嫌な予感がした。狙ったキノコがゆらりと揺れたのだ、まるで攻撃を察知し避けるように。
 弾は壁をかすった。壊れはしないだろうが、一瞬ひやりとした。
 続いてジオラの矢が同じキノコを目指すが、貫く寸前にゆらりと動く。
 壁に矢が刺さった。
 偶然にも避けていたキノコだが、ミオレスカの銃弾が命中した。
 銃弾が当たったキノコの周りが見えなくなるほど白い胞子が飛ぶ。胞子が空気に溶け込むように消えるころには、少し激しく動いた雑魔は闇に還るように消え去った。
 当たったら一瞬で消えたのは、雑魔とはいえもともとキノコであり、生命力や固い皮を持っている存在ではないということを物語っている。
 胞子がまき散らされる範囲から離れている上に、風上にいるため胞子は届かない。風下にキノコが増えるとか「キノコー」という叫び、動物の悲鳴も聞こえない。
「避けられた……」
「避けたねぇ」
 菜摘とジオラが思い出し、苛立ちなのか、怒りなのか、悲しみなのか複雑な声を漏らす。
「あ、あの……タイミングですよ」
 ミオレスカが慰めるような、真理を述べる。何も考えていないような雑魔だから偶然避けられたに違いないのが正しいだろう。
 なお、生き残っている雑魔たちは、仲間がやられたからと言って、素早く走り回ったりするそぶりもなくそこにいる。一気に片づけられそうだ。
「焼く、焼いてみせます。力かしてください!」
「おう」
 雄二は攻性強化を意気込むケイルカに掛ける。
「えーい、焼きキノコになっちゃえ!」
 炎の矢はキノコ一体に突き刺さると、パッと燃え上がり消えた。その直後、すすけたように見える雑魔から黒と白の胞子がまき散らされると雑魔はかりそめの命を終わらせた。
「わしも行くぞよ」
 シルヴェーヌの手に風が紡がれ、キノコに向かって飛び、命中した。キノコは胞子をまき散らし消えていく。
「あっけねぇなぁ」
 雄二はガッツがないキノコ雑魔に寂しさを覚える。
「地上は後一体」
 菜摘が狙ったところ、あっさり当たり、キノコは消えた。
 近寄らなければ簡単な仕事だ。

●上がってみるの?
 胞子の残骸があるか分からないため注意しつつ、屋根の上が見やすい位置に移動する。
 ジオラは屋根の上のキノコたちを見て溜息を漏らした。下から狙えなくもないが風下になりそうな微妙な位置にそれらはいた。上から降ってくる胞子の動きを考えると、厄介でもある。
「下から狙えないか」
「胞子が降ってくる危険もあるぞ?」
 雄二に対し、シルヴェーヌは応えつつ見上げる。
 地面にいるならば、たとえ胞子を吸って行動不能状態になっても落下はなくなるため、脅威は格段に減る。
「馬の上に立って撃ちましょうか」
 ミオレスカはためしに馬の上に立ってみる。何とか立つが、ふらつくため撃てるかはまだ分からない。乗馬用の馬であるため、銃声に怯えることも考えられる。
「もしも硬直したならば危険ですね」
「確かに、そうですね」
 菜摘の指摘にミオレスカは納得したが、しばらく屋根の上を見る為乗っている。
 キノコたちを風上から狙いやすいところに移動させたい。なお、現在は梯子や脚立待ちである。
「登ってみるかえ? わしはもしものために胞子が近付かぬように補助をするぞ」
 シルヴェーヌは淡々ともっともらしく口にしているが、自分では決して登らないという宣言ときらきら輝く目が本音を語っている。
「私でもいいですが……乗るだけなら……でも動くと踏み抜きそうです」
 菜摘は残念そうな安堵したような複雑な気持ちで言う。乗ってしまえばリスクもあるが、すぐに倒せるかもしれない。乗らずとも別の方法があるかもしれない。
「俺はそもそも無理」
「同じく」
 筋肉質な雄二と背丈があるジオラが装備を考え首を横に振る。
「私は援護します」
 馬の上から飛び降りながらミオレスカは力強くうなずいた。
「……な、何、その流れ!」
 ケイルカは悲鳴を上げる。まだ誰も「乗れ」とは言っていないが、屋根の上に対してまだ何も発言していないのはケイルカだけだった。
 敵殲滅は重要なことであり、乗れる自分がやってもかまわないが、もし、キノコの胞子をかぶってしまったら、抵抗に失敗してしまったらと不安がよぎる。
(む、無理よ! 恥ずかしいし、よ、よりによって嫌いなキノコになるなんて!)
 ケイルカは屋根の上に登り、かつ抵抗失敗した自分を想像し、小刻みに震える。怖いというより恥ずかしい。
(い、一般人よりハンターは抵抗力高いっていうから、絶対そうなるとは限らないわ)
「どうやって狙いやすい所に動いてもらうの? 触るだけでも胞子出るんだよね?」
 自分が乗って誘導すれば早い解決が見込めるとケイルカは考え始める中、各人がいろいろと申し出てくる。
「下から援護はするし、いざとなったら丸焼きにできるな」
 雄二は安心させるような、ケイルカの決心を盛り立てるように言う。
「ストーンアーマーもかけるぞ」
 シルヴェーヌは重要な仕事に赴いてくれそうなケイルカに力強い援護を告げた。
「援護はするが……無理しなくても」
 ジオラは依頼人たちが梯子や脚立を運んでくる様子を見つつ、退治方法を別の方向に誘導し始める。
「そうですね、脚立や梯子がありますし、足場を作って射撃すれば無理に乗らずとも」
 菜摘も梯子で高さを作ることを提案する。
「梯子使いますかぁ」
 依頼人たちが複数の梯子や脚立を持ってきた。
 屋根に届く高さの梯子と樹木の選定に使うような木製の脚立であった。どちらを使うとしても動かないように下で押さえれば、どうにかなりそうである。
「キノコたちは端っこに寄っていますし、梯子の高さがあれば狙えますね」
 ミオレスカが梯子や脚立などと見てほっとしたように言った。
「ああ、そうだな。風上に設置して、狙えばどうにかなるんじゃねーか?」
 一気に屋根に乗らない方向に決まっていき、ケイルカはほっとしたやらやり場のない決心の処理に困った。シルヴェーヌと目が合うと、残念がっているようにケイルカには見えた。
 脚立を風上かつ狙える場所に設置し、雄二とジオラががっちりと抑えた。銃で撃ったときの反動で動く危険性を最小限にするのと、もしも胞子が来て登っている者が落ちた場合に備える。
 菜摘が不安定な脚立の上部に乗ると、足と腰を掛けて体を固定し、猟銃を構える。
「固定はしているとはいえ、揺れますね」
 ミオレスカやシルヴェーヌ、それにケイルカは援護のために武器や魔法を使えるように待機している。地面の上からでもキノコの頭部分というかひらひらした頂上部分が見える為、狙えないわけではない。ただし、相当な精度が必要であり一発で仕留めることが難しいだろう。
「行きます」
 菜摘の声により、武術の試合のような静けさが訪れる。
 固唾を飲み、的であるキノコをじっと菜摘見つめる。
 遠くで鳴く鳥の声や遠巻きで見ている村人の息遣いまで聞こえるくらい静かになった。
 集中するなか、銃声が響く。
 一撃目、二撃目……。
 下から見ていると胞子が白く広がりる。
 シルヴェーヌは胞子が少しでも早く消えるようにと、ウィンドガストを屋根の上に向かって放つ。胞子を刻む感触より、飛び散るのを防ぐように巻き上げた感じがした。
 魔法が消えるころには胞子も消えている。
 脚立から見ている菜摘には雑魔が消えてなくなるさまがはっきりと見えていた。
「終わりました」
 この宣言により、弱い雑魔であったがドッと疲れがあふれた。

●後片付けしよう
 雑魔の破片が残っていないか、胞子が残っていないかをハンターたちは確認する。風下に大量に飛んで行ったのは少々気がかりではあるが、残っていても時間が経てば自然に還るだろう。
 マスクをしてデッキブラシや箒などを持って歩く姿は、清掃活動以外のなんでもなかった。
「いまさらだけど、キノコ狩りってこういう狩猟のことじゃないと思うの。本来の意味で狩りができて良かったけど」
 仕事が終わると妙に冷静になり菜摘は突っ込む。普通のキノコは動かないし刃物や手でむしりとれるため、今回の駆除作業は違和感を募らしたようだ。
 ジオラが地上の捜索でキノコの破片が転がっているのを見つけた。
「これは、雑魔になったキノコか生えていたキノコの破片か」
 ジオラは先ほど壁から抜いた矢で謎の物体を突いてみるが、反応はなくただのキノコの破片のようだ。矢で丁寧に突いて、より細かい破片にして、土に混ぜた。まさに自然に還れという気持ちでいっぱいだ。
 ジオラが倉庫から離れたとき、上から白い粉が降ってくる。よく見ると土埃の乾燥したもののようだ。
 屋根の上に登ったミオレスカは胞子がないか確認のため、掃き清めている。もしも胞子が残っていたらと考えると危険でもある。すでに戦闘は終わっているし、落ちる危険がある程度だ。
「特に何も残ってませんね。……あ、みなさん、せっかくですし懇親も兼ねて、この後キノコ鍋でもしませんか?」
 ミオレスカが笑顔で梯子を下りてきた。
「あ、ああ、懇親はいいとしても、当分キノコ見たくねぇな……でかけりゃいいってもんじゃねーし」
 雄二は戦闘で倉庫が壊れていないか見て回りながら答えた。
「キノコ料理、無理。それ以外なら!」
 ケイルカは主張する。苦手を克服どころか嫌な気分が増えただけだった。
 ミオレスカのキノコ鍋提案への回答は芳しくないが、それ以外なOKという感じでもある。
「のう、キノコになりたい気持ちを後学のため教えてくれぬか」
 シルヴェーヌが尋ねると、依頼人たちは必死に証言をしてくれたが、役に立つかは未知数であった。

依頼結果

依頼成功度成功
面白かった! 7
ポイントがありませんので、拍手できません

現在のあなたのポイント:-753 ※拍手1回につき1ポイントを消費します。
あなたの拍手がマスターの活力につながります。
このリプレイが面白かったと感じた人は拍手してみましょう!

MVP一覧

重体一覧

参加者一覧

  • クリスティアの友達
    シルヴェーヌ=プラン(ka1583
    人間(紅)|15才|女性|魔術師
  • ビューティー・ヴィラン
    ジオラ・L・スパーダ(ka2635
    エルフ|24才|女性|霊闘士
  • 師岬の未来をつなぐ
    ミオレスカ(ka3496
    エルフ|18才|女性|猟撃士
  • 熊撃ち
    犬養 菜摘(ka3996
    人間(蒼)|21才|女性|猟撃士
  • 紫陽
    ケイルカ(ka4121
    エルフ|15才|女性|魔術師

  • 木岡 雄二(ka4308
    人間(蒼)|23才|男性|機導師

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン キノコ退治作戦卓
ケイルカ(ka4121
エルフ|15才|女性|魔術師(マギステル)
最終発言
2015/03/15 23:29:26
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/03/12 03:25:10