ゲスト
(ka0000)
【アルカナ】 均衡を望むは歪んだ正義
マスター:桐咲鈴華

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/03/20 22:00
- 完成日
- 2015/03/26 14:06
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
灰色の空、吹き荒ぶ吹雪。辺境の雪山の一端で、『それ』は目を覚ました。
それは天秤の形をしていた。鈍い金色の輝きを放つその物体は吹雪の中揺れもせず、雪が積もりもせず、切り取られた空間の中に居るように鎮座していた。
それには意識があった。永い、永い年月の間眠り続け、そして今、その意識が覚醒した。
ふわりと浮き上がった天秤が、ヒィィィン……という音を響かせて震える。
片方の受け皿には黒き剣が
片方の受け皿には白き剣が
それぞれ乗せられていた。甲高い音を出して震え、そして空中に溶け込むように消えていく。その響きは、その場にもし人の声を解せる存在が居たならば、人の声のように聞こえていたかもしれない。
『――均衡を。公正を。……正義を』
●
「エフィーリアさん、お話とは一体?」
ハンターオフィスの受付嬢は、『タロッキ族』の部族代表、エフィーリア・タロッキ(kz0077)に呼び出されていた。何でも、アルカナの話をしたいという事のようだ。オフィスの一室で銀色の髪を揺らして待っていたエフィーリアは、机に本を広げる。
「……これは、我が部族の伝承を記した伝記の写本です。……『アルカナ』の中でも、特に注意しておかねばならぬ存在が居まして」
『アルカナ』とは、エフィーリアの部族、タロッキ族が300年前に封印した歪虚群の総称であり、そのどれもが特殊な力を持っていたという。現在までその封印が守られてきたが、近年連続する歪虚との戦いでその封印が綻び始め、その力の一部が漏れ出したということらしい。エフィーリアはその力に対抗する為、ハンターズソサエティを訪れたのだ。
「その名は、『The-Justice』。伝承曰く、『正なる調和を乱し、邪の均衡を測る金の天秤』と伝えられる存在です」
「Justice……」
「天秤のような姿をした歪虚です。自身は何の戦闘力も持たない歪虚ですが……厄介なのは、その性質。Justiceは生物に憑依する霊体のような性質を持ち、憑依した生物の思考を操り、同士討ちさせるのです」
その言葉に受付嬢は驚く。エフィーリアがその話をここで切り出したということの意味を察したのだ。
「え、っと、それはつまり、ハンターにも……!?」
「はい。例外ではありません。過去の戦士たちもそれによって手痛い被害を受けたとされていますから」
エフィーリアは話をしつつ、写本のページをめくる。
「しかし、それにはいくつか条件があります。憑依の出来るのは『徒党を組んだ状態の生物』、それも、その徒党が『平等に割り切る』事が出来なければならないのです。力が均等になるように、その半数を操り、同士討ちさせる。『均衡』を司るアルカナである性質がここにあるとされているのです。……そして、『ハンター達のパーティ』は、この条件を満たしてしまうのです」
「そ、それって……」
受付嬢の言葉に、エフィーリアは頷く。
「……もしも辺境の雪山に依頼で赴くハンター達が居れば、注意を促しておいて欲しいのです。……Justiceは、憑依された人を全て気絶させると、『均衡』が崩れ、倒すことが出来るのです。故に、その対処法を……」
「そ、それは……少しまずいかもしれません」
受付嬢が顔を青くする。エフィーリアはその表情を察し、「まさか」と言葉を返す。
「……ちょうど今朝、雪山に依頼に向かったハンターさん達がいるんです」
灰色の空、吹き荒ぶ吹雪。辺境の雪山の一端で、『それ』は目を覚ました。
それは天秤の形をしていた。鈍い金色の輝きを放つその物体は吹雪の中揺れもせず、雪が積もりもせず、切り取られた空間の中に居るように鎮座していた。
それには意識があった。永い、永い年月の間眠り続け、そして今、その意識が覚醒した。
ふわりと浮き上がった天秤が、ヒィィィン……という音を響かせて震える。
片方の受け皿には黒き剣が
片方の受け皿には白き剣が
それぞれ乗せられていた。甲高い音を出して震え、そして空中に溶け込むように消えていく。その響きは、その場にもし人の声を解せる存在が居たならば、人の声のように聞こえていたかもしれない。
『――均衡を。公正を。……正義を』
●
「エフィーリアさん、お話とは一体?」
ハンターオフィスの受付嬢は、『タロッキ族』の部族代表、エフィーリア・タロッキ(kz0077)に呼び出されていた。何でも、アルカナの話をしたいという事のようだ。オフィスの一室で銀色の髪を揺らして待っていたエフィーリアは、机に本を広げる。
「……これは、我が部族の伝承を記した伝記の写本です。……『アルカナ』の中でも、特に注意しておかねばならぬ存在が居まして」
『アルカナ』とは、エフィーリアの部族、タロッキ族が300年前に封印した歪虚群の総称であり、そのどれもが特殊な力を持っていたという。現在までその封印が守られてきたが、近年連続する歪虚との戦いでその封印が綻び始め、その力の一部が漏れ出したということらしい。エフィーリアはその力に対抗する為、ハンターズソサエティを訪れたのだ。
「その名は、『The-Justice』。伝承曰く、『正なる調和を乱し、邪の均衡を測る金の天秤』と伝えられる存在です」
「Justice……」
「天秤のような姿をした歪虚です。自身は何の戦闘力も持たない歪虚ですが……厄介なのは、その性質。Justiceは生物に憑依する霊体のような性質を持ち、憑依した生物の思考を操り、同士討ちさせるのです」
その言葉に受付嬢は驚く。エフィーリアがその話をここで切り出したということの意味を察したのだ。
「え、っと、それはつまり、ハンターにも……!?」
「はい。例外ではありません。過去の戦士たちもそれによって手痛い被害を受けたとされていますから」
エフィーリアは話をしつつ、写本のページをめくる。
「しかし、それにはいくつか条件があります。憑依の出来るのは『徒党を組んだ状態の生物』、それも、その徒党が『平等に割り切る』事が出来なければならないのです。力が均等になるように、その半数を操り、同士討ちさせる。『均衡』を司るアルカナである性質がここにあるとされているのです。……そして、『ハンター達のパーティ』は、この条件を満たしてしまうのです」
「そ、それって……」
受付嬢の言葉に、エフィーリアは頷く。
「……もしも辺境の雪山に依頼で赴くハンター達が居れば、注意を促しておいて欲しいのです。……Justiceは、憑依された人を全て気絶させると、『均衡』が崩れ、倒すことが出来るのです。故に、その対処法を……」
「そ、それは……少しまずいかもしれません」
受付嬢が顔を青くする。エフィーリアはその表情を察し、「まさか」と言葉を返す。
「……ちょうど今朝、雪山に依頼に向かったハンターさん達がいるんです」
リプレイ本文
●忍び寄る『正義』の影
「疲れたー。目的地まだなのー?」
一面に染まる銀世界を歩むハンター一行。そのうちの一人であるエリス・ブーリャ(ka3419)がぼやく。彼女らはこの雪山に物資の調達依頼を受けて向かっていた。
「まだまだだな。簡単に着く場所ならばハンターを寄越したりしないだろう」
白山 菊理(ka4305)は逆に、初の依頼として気を引き締めていた。地図を広げ、目的地を的確にルーティングしている。
「ま、この辺りは辺境の中でも歪虚の目撃例が少ない場所らしいからね。歪虚との戦いに比べれば長く歩くくらい、マシだろうさ」
パイプを片手にのんびりとした調子で歩くのはHolmes(ka3813)。探偵風の装いをしている彼女だが、屈強なドワーフらしく険しい雪道も涼しい顔をして歩いている。Holmesの発言に対して「エルちゃんは戦ってるほうがいいー」とエリスは気の抜ける声で返した。
「いいじゃねェか。怪我なく終われるならそれが何よりだろォ」
Holmesと同じように煙草を吹かしながら雪道を行くのはシガレット=ウナギパイ(ka2884)だ。好戦的なエリスとは対照的に、シガレットの方は歪虚に襲われないに越したことはないと考えている様子だった。
「…………」
一行の後ろでフードを被りながら、静かに歩いているのはシェリル・マイヤーズ(ka0509)。彼女の手は常に、帯携えている刀の柄にかかっていた。その近くを馬を引いて歩くのは柊 真司(ka0705)だ。
「気になるのか?」
シェリルに真司が問いかけたのは、前で行われている会話の事だろう。歪虚と戦う、戦わないについての談笑。取り留めのない会話だが、歪虚の単語が出る度に、彼女が刀に添えた手の指がぴくり、と動くのが真司には見えていた。
「……歪虚、出ないと……いいね」
それに対して、シェリルは短くそう返した。予め刀を持つ理由は依頼前の打ち合わせで教えて貰って居たが、それ以上の事ははぐらかしていたシェリル。真司もそれ以上は聞くまいと、会話をそこで打ち切った。
「あっ、あれゴールだよね! 目的地だよね! あそこまで着いたら休憩していい?」
突然テンションを上げだすエリスが騒ぎ立てて向こうを指さす。そこには此度の依頼に必要な物資、雪山の薬草が群生していた。
「見つけただけでまだゴールではないんだがね。まぁ、小休止を挟むのも悪くなかろうよ」
Holmesが言うとエリスは「ヤッター! エルちゃん先に行ってるからー!」と大きな声を出して駆け出していった。
「……疲れたんじゃなかったのかよ」
「まァ、あいつはどっちかってーと精神的な疲れなんだろうなァ。退屈だっただけなんじゃねェ?」
真司とシガレットが苦笑しつつ彼女の様子を眺める。菊理はきびきびと、シェリルは黙々と採取の準備を始める。
ヒィィィン……
「……ん? 何か言ったかァ?」
突如として、耳鳴りのような音が響く。それは金属音にも、誰かの人の声にも似た音で、その音を聞いたシガレットが誰にでもなく問いかける。
「いや? 私は何も。だが何かは聞こえたな」
「ああ、そうだな。……用心しろよ、菊理。シェリ――」
突如として感じた鋭い殺気に、咄嗟にサルヴィエイションを押し出すように構える真司。ガィンギィン! という甲高い金属音が雪原に響く。盾の影から覗くと、そこにはピストルを構えた菊理がいた。
「騙して済まないが仕事なんだ。死んでもらおう」
「菊理!? おい、これはどういうことだよ!」
連続する発砲音。盾でうまくいなすも、続けて放たれる銃弾に小さな銃創が出来ていく。菊理に向き合う真司の横から、ゆらりと影揺れる人影から鋭い斬撃が放たれた。
その斬撃を受け止めたのはHolmesだ。巨鎌で放たれた刀を引っ掛けて停滞させる。
「……聞いてた話とは少し違う気がするがね?」
フードに隠れた顔から、射抜くように視線を送るシェリル。受け止められた刀を引き抜いて距離を取る。余裕の口調のHolmesだが、内心では突然の襲撃に戸惑っている。
「おい! 二人共何やって……!」
「どっかぁーん!」
二人の反抗に戸惑うシガレットが咄嗟に飛び退くと、運動強化を施したエリスの飛び蹴りがその場所に炸裂した。
「ヘイヘイせっかく退屈してたんだからさぁ遊ぼうぜーご三方! 雪道でさっむーい思いをしてたんだから多少ホットな鮮血でエキサイトしちゃってもバチは当たらないぜめいびー!」
エリスもまた、殺気を放って3人と対峙する。シェリルは刀を構え、菊理は銃弾をリロードしている。
「クソッ、何が起きてるんだァ……?」
困惑する3人の頭上、宙に浮かぶ何もない空間に、半透明な金の天秤が揺らめく。
『――均衡は崩れ・調和は・傾く。――『正義』は、『悪』を、裁く――』
天秤はゆらめき、虚空へと消えた。声のような金属音をその場に残して。
●倒されるべき『悪』は
「いこう、ウスサマ……」
シェリルは小さく自らの刀に呟き、仮面を装着して接近する。マテリアルを込めた素早い動きで接近。刀によって鋭い斬撃を繰り出す。それを機導術によって動かした盾で迎撃する真司。
「おい、シェリル! 護る為の剣は、どうしちまったんだ!」
真司は呼びかけるも、シェリルの表情は冷たい仮面に隠されたままだ。その場で跳び、空中で宙返りしながら鋭い刺突を繰り出し、真司の肩を切り裂く。
「くっ……!」
回避が間に合わず、肩から血を流す。
(呼びかけても反応がない、どうなってやがんだ……!? 明らかに、様子がおかしい)
素早い動きで翻弄し、つかず離れずを繰り返して攻撃を繰り返すシェリルと入れ替わるように、パンパン! と発砲音が響く。菊理の撃った弾丸は真司に着弾する事はなく、割り込んだHolmesが振り払った鎌に切り裂かれる。
「……外したか。次は当てる」
菊理はそれを気にすることなく次弾を装填する。本来彼女は戦闘経験は殆ど無く、立ち回りも距離を取るだけの簡単なものだ。その様子を見てHolmesは推理する。
(ククリ君は持ち合わせた拳銃だけでこちらと交戦しているね……つまり、だ。つまり……戦い慣れていないって事だ)
Holmesは状況を分析しようとするが、元来熟考するのが苦手な彼女は簡単な回答しか出せない。しかし、そうやって導き出した答えは何かしらの頭の中に引っかかり続ける。そんな彼女らから離れた場所。エリスは接近戦でシガレットを攻撃する。
「ほーらほらぁ! エルちゃんまだまだ絶好調でいっちゃうぜぇー? ドカンと一発おっきいのを景気付けにいっちゃうか? いっちゃう? いっちゃいたいねぇ!?」
「ジャジャ馬め……! 構って欲しいならもうちっとマシなアプローチしろや!」
シガレットは不意を打たれて面食らいつつも、冷静に盾を使って攻撃をいなし、思考を張り巡らせる。
(裏切りにしてはやり方が下策すぎる。白山に至ってはハンターとして初仕事じゃねェか。ハナから裏切る気なら、持ち合わせた武器の他にもっと必殺のものを隠してる筈だ)
Holmesが引っかかっていたのはここだ。初めから彼女らが裏切る気なら、もっと巧妙に良策を隠していた筈だ。それが、持ち合わせた武装で正面から交戦を始めた。シガレットはこの所業を歪虚が関わってるものと推測した。
(歪虚の仕業なら、おそらく精神操作の類かァ? ……なら)
シガレットは、この謀反の核心に辿り着く。ゆっくりと息を吐き、煙草の煙を吹き出す。天使の翼のような形の煙は虚空へと消えてゆき、聖なる力がシガレットに灯る。彼はレジストを3人に向けて詠唱した。
拳銃の銃弾を込め直し、再び向き直る菊理。向き合ったのは真司だった。彼もまた、シガレットと同じ考えに至り、彼女へと訴えかける。
「自分の意思、行動は自分で決定したい。そう言ってたな。これがお前の意思なのかよ?答えろ菊理!」
今、この瞬間。『自由』を手にした彼女が、こうして自分たちを襲う理由はない。そう思った真司が訴えかけた言葉を聞き、菊理は拳銃を構えたまま、止まった。
「……ぁ」
小さく声を漏らし、ガタガタと拳銃を構える手が震え出す。何かの力に抗うような覚束ない手つきで、必死に拳銃を遠くへと放り投げた。
「……私、たちの……中に」
菊池は必死で暴れだそうとする身体を押さえつけるように蹲る。シガレット、真司は予想通りといった風に、訴え続ける。
「縛られたくないというは白山の本音だろォ! こんなモンに負けるンじゃねェ!」
シガレットの言葉に、菊理は吼えるように言葉を漏らす。
「私の、意思は……私が、決める……! 私は、あの人とは違う!」
自我を取り戻しつつある菊理を尻目に、Holmesとエリスは対峙していた。Holmesはシガレットや真司のように彼女らの離叛の動機を知るにまで考えが至らなかった。獲物が獲物なだけに、簡単には手は出せない……ので。
「……やはり此方の方が手っ取り早いね」
鎌を捨て、無手でエリスへと突っ込んだ。
「お? やる? やるのホムホムちゃん? エルちゃんと接近戦するのー? いいよ! こいよ! どこまでもクレバーに抱きしめてやるぜぃ!」
「ははっ、元気があるのは良い事だね。だけど、抱き締めるのはお婆ちゃんにさせてくれないかい?」
舌を噛むんじゃないかと思う程に喚き散らしながら、運動強化を施して素早い動きをするエリスを、野生の瞳によって捉えたHolmesはその手を受け流しつつ、思い切りエリスの身体を投げ振り回す。力に任せて振り回されたエリスは雪原に叩き付けられる。
「ふおぉぉっふぅ! や、やってくれるね……ヘイ、こっちも攻撃しちゃうぜ、機導ほ―」
反撃に転じようとしたエリスの手が、ぴたりと止まる。
「……チョイ待ち? 何でエルちゃん味方に杖を向けてんの?」
そこでエリスは、はっとする。自分は今、雪山ではない場所にいた。
あれー、ここはエルちゃんの頭の中じゃん。どったの? エルちゃん。
あー、なんかいるね、頭ン中に。歪虚? こんなとこまで入り込んできたんだねぇ。
お前がエルちゃんを取り込むってんなら……エルちゃんは狂気と混沌でてめぇを飲み込んでやんよ!
再び現実に回帰するエリス。聞こえる。自分の友達の声が。
「シガパイに、しんちゃん、ホムホムちゃん……」
エリスもまた、自我を取り戻しつつあった。彼女の強烈な個性を、正義は御しきれなくなっていた。
シェリルは変わらず、ヒット&アウェイで少しずつダメージを加えていた。シガレットは エスペランサを構え、駆けてくるシェリルの刀を受け流すことなく受け止める。そして、大きく口を開いた。
「護るための剣はこんなトコロで折れるのかァ!?今のままでシェリルの剣は裏切りと血に濡れてしまうぞ…!」
自らの想いを込めて、シガレットはシェリルに言葉を投げ掛ける。彼女が語った、護るための剣。その言葉が、偽りでないとすれば……。
シェリルはすぐさま距離を取る。刀を片手で構え、懐からナイフを取り出す。変則二刀で、再びシガレットに斬りかかろうとし……
そのナイフで、自らの利き手を突き刺した。
「……っ!」
息を呑むシガレット。ぼたぼたとシェリルの腕から血が流れ落ちる。シェリルはその場で蹲り、震え出す。
「……」
シェリルは、暴れだそうとする自らに抗い続けていた。
(歪虚は大嫌い。だけど、何より憎いのは……弱い自分。その自分のせいで誰かが傷つくなんて……絶対に、嫌……)
ガチガチと震えながら、暴れだそうとする自分に必死でナイフを突き立て続けるシェリル。自らが刀を振うのは、こんなことの為ではない筈だから。
(私、の……中に、いる……んだね。……気持ち、悪い。……だけど)
シェリルの中に潜む正義は、シェリルの突き立てるナイフを抜こうと操る。しかし、シェリルはその手を離そうとしない。効き手から、刀が落ちる。少しずつシェリルの思考がクリアになっていく。
(私は……もう、卑怯者、だから……穢れ、てる。から……。こんな、私を、支配出来るなら……やって、みるといい。狂気。憎しみ……私は、屈さない。喰らい尽くす……全て
……自分ごとでも……ッ!!)
シェリルの脳内に、黒い感情が渦巻く。それは後悔、憎悪、悲哀、狂気。複雑に渦巻くその想いは執念となり、歪虚を、『自分』ごと拒絶する。その妄執ともいえる狂おしい叫びは、内部に潜む『正義』すらも、自我を保てなくなる程だった。ナイフが腕から抜かれ、振り上げられたそれは、今度はシェリルの胸を狙って振られる。
それを止めたのはシガレットだった。ナイフを握る細い腕が掴まれ、仮面を剥ぎ取られる。
「――一線を超える前に、戻ってこい!」
ぱさり、と。フードが落ちる。
「……ごめん……なさい」
シェリルは、正気を取り戻していた。
『――均衡・崩れ・傾き・回帰……違う、違う……』
金属音はまるで悲鳴のような声を出していた。ハンター達の強い想いに、その靄のような身体が歪み始めている。
菊理は思い出していた。転移前、父の言いなりとなって生活していた事。その反動から、自分の意思は自分で決めるという願いを強く持っていた。その想いを、強く抱く。確固たる自らを形成し、抵抗をする。シガレットのレジストが、それの後押しをした。
「……お前の正義を、押し付けるな……!」
菊理から、弾け飛ぶように。金の天秤の形をした靄が抜け出る。菊理もまた、正気を取り戻したのだった。
残る正義は困惑していた。均衡は崩れ、既に衰弱しきるそこへ、自分自身の精神内に入ってくるエリスに、その姿を見つけられていた。
「なんだい生き物じゃないのかい。名前も何も知らないけどさ、歪虚なんだよね? さあ、観念してエルちゃんの世界の住人になりな!」
ずいずいと迫ってくるエリス(の意識)に、ついに残る正義も弾き飛ばされる。三人の意識の中から排除された正義……金の天秤は、その姿を保てず、灰色の空へと霧散していった。
●自らの意思で
「……ごめんなさい、本当に」
「気にすんなって。お前ェの方が重傷じゃねェか。全く」
謝罪するシェリルに対して、シガレットがヒールによる治療を施している。
「ゴメンよ皆。エルちゃんもマジメに仕事するから。改めて、この依頼が終わったら、言ってた祝賀会しない?」
皆が依頼出発前、エリスはこの依頼が無事に終わったら祝賀会をしないかと、提案を持ちかけていた。自らの意思をもって、押し付けられた『正義』を振り払った者達は、こうして次へと進んでゆく。帰ったらきっと、無事を願ってくれている仲間が待っているだろうから。
アルカナの一つである『正義』の断片は討伐された。
しかし時折雪山には、鳴り響く金属音が残響となって訪れる。
この戦いは始まったばかりだという、そんな声に聞こえたのだった。
「疲れたー。目的地まだなのー?」
一面に染まる銀世界を歩むハンター一行。そのうちの一人であるエリス・ブーリャ(ka3419)がぼやく。彼女らはこの雪山に物資の調達依頼を受けて向かっていた。
「まだまだだな。簡単に着く場所ならばハンターを寄越したりしないだろう」
白山 菊理(ka4305)は逆に、初の依頼として気を引き締めていた。地図を広げ、目的地を的確にルーティングしている。
「ま、この辺りは辺境の中でも歪虚の目撃例が少ない場所らしいからね。歪虚との戦いに比べれば長く歩くくらい、マシだろうさ」
パイプを片手にのんびりとした調子で歩くのはHolmes(ka3813)。探偵風の装いをしている彼女だが、屈強なドワーフらしく険しい雪道も涼しい顔をして歩いている。Holmesの発言に対して「エルちゃんは戦ってるほうがいいー」とエリスは気の抜ける声で返した。
「いいじゃねェか。怪我なく終われるならそれが何よりだろォ」
Holmesと同じように煙草を吹かしながら雪道を行くのはシガレット=ウナギパイ(ka2884)だ。好戦的なエリスとは対照的に、シガレットの方は歪虚に襲われないに越したことはないと考えている様子だった。
「…………」
一行の後ろでフードを被りながら、静かに歩いているのはシェリル・マイヤーズ(ka0509)。彼女の手は常に、帯携えている刀の柄にかかっていた。その近くを馬を引いて歩くのは柊 真司(ka0705)だ。
「気になるのか?」
シェリルに真司が問いかけたのは、前で行われている会話の事だろう。歪虚と戦う、戦わないについての談笑。取り留めのない会話だが、歪虚の単語が出る度に、彼女が刀に添えた手の指がぴくり、と動くのが真司には見えていた。
「……歪虚、出ないと……いいね」
それに対して、シェリルは短くそう返した。予め刀を持つ理由は依頼前の打ち合わせで教えて貰って居たが、それ以上の事ははぐらかしていたシェリル。真司もそれ以上は聞くまいと、会話をそこで打ち切った。
「あっ、あれゴールだよね! 目的地だよね! あそこまで着いたら休憩していい?」
突然テンションを上げだすエリスが騒ぎ立てて向こうを指さす。そこには此度の依頼に必要な物資、雪山の薬草が群生していた。
「見つけただけでまだゴールではないんだがね。まぁ、小休止を挟むのも悪くなかろうよ」
Holmesが言うとエリスは「ヤッター! エルちゃん先に行ってるからー!」と大きな声を出して駆け出していった。
「……疲れたんじゃなかったのかよ」
「まァ、あいつはどっちかってーと精神的な疲れなんだろうなァ。退屈だっただけなんじゃねェ?」
真司とシガレットが苦笑しつつ彼女の様子を眺める。菊理はきびきびと、シェリルは黙々と採取の準備を始める。
ヒィィィン……
「……ん? 何か言ったかァ?」
突如として、耳鳴りのような音が響く。それは金属音にも、誰かの人の声にも似た音で、その音を聞いたシガレットが誰にでもなく問いかける。
「いや? 私は何も。だが何かは聞こえたな」
「ああ、そうだな。……用心しろよ、菊理。シェリ――」
突如として感じた鋭い殺気に、咄嗟にサルヴィエイションを押し出すように構える真司。ガィンギィン! という甲高い金属音が雪原に響く。盾の影から覗くと、そこにはピストルを構えた菊理がいた。
「騙して済まないが仕事なんだ。死んでもらおう」
「菊理!? おい、これはどういうことだよ!」
連続する発砲音。盾でうまくいなすも、続けて放たれる銃弾に小さな銃創が出来ていく。菊理に向き合う真司の横から、ゆらりと影揺れる人影から鋭い斬撃が放たれた。
その斬撃を受け止めたのはHolmesだ。巨鎌で放たれた刀を引っ掛けて停滞させる。
「……聞いてた話とは少し違う気がするがね?」
フードに隠れた顔から、射抜くように視線を送るシェリル。受け止められた刀を引き抜いて距離を取る。余裕の口調のHolmesだが、内心では突然の襲撃に戸惑っている。
「おい! 二人共何やって……!」
「どっかぁーん!」
二人の反抗に戸惑うシガレットが咄嗟に飛び退くと、運動強化を施したエリスの飛び蹴りがその場所に炸裂した。
「ヘイヘイせっかく退屈してたんだからさぁ遊ぼうぜーご三方! 雪道でさっむーい思いをしてたんだから多少ホットな鮮血でエキサイトしちゃってもバチは当たらないぜめいびー!」
エリスもまた、殺気を放って3人と対峙する。シェリルは刀を構え、菊理は銃弾をリロードしている。
「クソッ、何が起きてるんだァ……?」
困惑する3人の頭上、宙に浮かぶ何もない空間に、半透明な金の天秤が揺らめく。
『――均衡は崩れ・調和は・傾く。――『正義』は、『悪』を、裁く――』
天秤はゆらめき、虚空へと消えた。声のような金属音をその場に残して。
●倒されるべき『悪』は
「いこう、ウスサマ……」
シェリルは小さく自らの刀に呟き、仮面を装着して接近する。マテリアルを込めた素早い動きで接近。刀によって鋭い斬撃を繰り出す。それを機導術によって動かした盾で迎撃する真司。
「おい、シェリル! 護る為の剣は、どうしちまったんだ!」
真司は呼びかけるも、シェリルの表情は冷たい仮面に隠されたままだ。その場で跳び、空中で宙返りしながら鋭い刺突を繰り出し、真司の肩を切り裂く。
「くっ……!」
回避が間に合わず、肩から血を流す。
(呼びかけても反応がない、どうなってやがんだ……!? 明らかに、様子がおかしい)
素早い動きで翻弄し、つかず離れずを繰り返して攻撃を繰り返すシェリルと入れ替わるように、パンパン! と発砲音が響く。菊理の撃った弾丸は真司に着弾する事はなく、割り込んだHolmesが振り払った鎌に切り裂かれる。
「……外したか。次は当てる」
菊理はそれを気にすることなく次弾を装填する。本来彼女は戦闘経験は殆ど無く、立ち回りも距離を取るだけの簡単なものだ。その様子を見てHolmesは推理する。
(ククリ君は持ち合わせた拳銃だけでこちらと交戦しているね……つまり、だ。つまり……戦い慣れていないって事だ)
Holmesは状況を分析しようとするが、元来熟考するのが苦手な彼女は簡単な回答しか出せない。しかし、そうやって導き出した答えは何かしらの頭の中に引っかかり続ける。そんな彼女らから離れた場所。エリスは接近戦でシガレットを攻撃する。
「ほーらほらぁ! エルちゃんまだまだ絶好調でいっちゃうぜぇー? ドカンと一発おっきいのを景気付けにいっちゃうか? いっちゃう? いっちゃいたいねぇ!?」
「ジャジャ馬め……! 構って欲しいならもうちっとマシなアプローチしろや!」
シガレットは不意を打たれて面食らいつつも、冷静に盾を使って攻撃をいなし、思考を張り巡らせる。
(裏切りにしてはやり方が下策すぎる。白山に至ってはハンターとして初仕事じゃねェか。ハナから裏切る気なら、持ち合わせた武器の他にもっと必殺のものを隠してる筈だ)
Holmesが引っかかっていたのはここだ。初めから彼女らが裏切る気なら、もっと巧妙に良策を隠していた筈だ。それが、持ち合わせた武装で正面から交戦を始めた。シガレットはこの所業を歪虚が関わってるものと推測した。
(歪虚の仕業なら、おそらく精神操作の類かァ? ……なら)
シガレットは、この謀反の核心に辿り着く。ゆっくりと息を吐き、煙草の煙を吹き出す。天使の翼のような形の煙は虚空へと消えてゆき、聖なる力がシガレットに灯る。彼はレジストを3人に向けて詠唱した。
拳銃の銃弾を込め直し、再び向き直る菊理。向き合ったのは真司だった。彼もまた、シガレットと同じ考えに至り、彼女へと訴えかける。
「自分の意思、行動は自分で決定したい。そう言ってたな。これがお前の意思なのかよ?答えろ菊理!」
今、この瞬間。『自由』を手にした彼女が、こうして自分たちを襲う理由はない。そう思った真司が訴えかけた言葉を聞き、菊理は拳銃を構えたまま、止まった。
「……ぁ」
小さく声を漏らし、ガタガタと拳銃を構える手が震え出す。何かの力に抗うような覚束ない手つきで、必死に拳銃を遠くへと放り投げた。
「……私、たちの……中に」
菊池は必死で暴れだそうとする身体を押さえつけるように蹲る。シガレット、真司は予想通りといった風に、訴え続ける。
「縛られたくないというは白山の本音だろォ! こんなモンに負けるンじゃねェ!」
シガレットの言葉に、菊理は吼えるように言葉を漏らす。
「私の、意思は……私が、決める……! 私は、あの人とは違う!」
自我を取り戻しつつある菊理を尻目に、Holmesとエリスは対峙していた。Holmesはシガレットや真司のように彼女らの離叛の動機を知るにまで考えが至らなかった。獲物が獲物なだけに、簡単には手は出せない……ので。
「……やはり此方の方が手っ取り早いね」
鎌を捨て、無手でエリスへと突っ込んだ。
「お? やる? やるのホムホムちゃん? エルちゃんと接近戦するのー? いいよ! こいよ! どこまでもクレバーに抱きしめてやるぜぃ!」
「ははっ、元気があるのは良い事だね。だけど、抱き締めるのはお婆ちゃんにさせてくれないかい?」
舌を噛むんじゃないかと思う程に喚き散らしながら、運動強化を施して素早い動きをするエリスを、野生の瞳によって捉えたHolmesはその手を受け流しつつ、思い切りエリスの身体を投げ振り回す。力に任せて振り回されたエリスは雪原に叩き付けられる。
「ふおぉぉっふぅ! や、やってくれるね……ヘイ、こっちも攻撃しちゃうぜ、機導ほ―」
反撃に転じようとしたエリスの手が、ぴたりと止まる。
「……チョイ待ち? 何でエルちゃん味方に杖を向けてんの?」
そこでエリスは、はっとする。自分は今、雪山ではない場所にいた。
あれー、ここはエルちゃんの頭の中じゃん。どったの? エルちゃん。
あー、なんかいるね、頭ン中に。歪虚? こんなとこまで入り込んできたんだねぇ。
お前がエルちゃんを取り込むってんなら……エルちゃんは狂気と混沌でてめぇを飲み込んでやんよ!
再び現実に回帰するエリス。聞こえる。自分の友達の声が。
「シガパイに、しんちゃん、ホムホムちゃん……」
エリスもまた、自我を取り戻しつつあった。彼女の強烈な個性を、正義は御しきれなくなっていた。
シェリルは変わらず、ヒット&アウェイで少しずつダメージを加えていた。シガレットは エスペランサを構え、駆けてくるシェリルの刀を受け流すことなく受け止める。そして、大きく口を開いた。
「護るための剣はこんなトコロで折れるのかァ!?今のままでシェリルの剣は裏切りと血に濡れてしまうぞ…!」
自らの想いを込めて、シガレットはシェリルに言葉を投げ掛ける。彼女が語った、護るための剣。その言葉が、偽りでないとすれば……。
シェリルはすぐさま距離を取る。刀を片手で構え、懐からナイフを取り出す。変則二刀で、再びシガレットに斬りかかろうとし……
そのナイフで、自らの利き手を突き刺した。
「……っ!」
息を呑むシガレット。ぼたぼたとシェリルの腕から血が流れ落ちる。シェリルはその場で蹲り、震え出す。
「……」
シェリルは、暴れだそうとする自らに抗い続けていた。
(歪虚は大嫌い。だけど、何より憎いのは……弱い自分。その自分のせいで誰かが傷つくなんて……絶対に、嫌……)
ガチガチと震えながら、暴れだそうとする自分に必死でナイフを突き立て続けるシェリル。自らが刀を振うのは、こんなことの為ではない筈だから。
(私、の……中に、いる……んだね。……気持ち、悪い。……だけど)
シェリルの中に潜む正義は、シェリルの突き立てるナイフを抜こうと操る。しかし、シェリルはその手を離そうとしない。効き手から、刀が落ちる。少しずつシェリルの思考がクリアになっていく。
(私は……もう、卑怯者、だから……穢れ、てる。から……。こんな、私を、支配出来るなら……やって、みるといい。狂気。憎しみ……私は、屈さない。喰らい尽くす……全て
……自分ごとでも……ッ!!)
シェリルの脳内に、黒い感情が渦巻く。それは後悔、憎悪、悲哀、狂気。複雑に渦巻くその想いは執念となり、歪虚を、『自分』ごと拒絶する。その妄執ともいえる狂おしい叫びは、内部に潜む『正義』すらも、自我を保てなくなる程だった。ナイフが腕から抜かれ、振り上げられたそれは、今度はシェリルの胸を狙って振られる。
それを止めたのはシガレットだった。ナイフを握る細い腕が掴まれ、仮面を剥ぎ取られる。
「――一線を超える前に、戻ってこい!」
ぱさり、と。フードが落ちる。
「……ごめん……なさい」
シェリルは、正気を取り戻していた。
『――均衡・崩れ・傾き・回帰……違う、違う……』
金属音はまるで悲鳴のような声を出していた。ハンター達の強い想いに、その靄のような身体が歪み始めている。
菊理は思い出していた。転移前、父の言いなりとなって生活していた事。その反動から、自分の意思は自分で決めるという願いを強く持っていた。その想いを、強く抱く。確固たる自らを形成し、抵抗をする。シガレットのレジストが、それの後押しをした。
「……お前の正義を、押し付けるな……!」
菊理から、弾け飛ぶように。金の天秤の形をした靄が抜け出る。菊理もまた、正気を取り戻したのだった。
残る正義は困惑していた。均衡は崩れ、既に衰弱しきるそこへ、自分自身の精神内に入ってくるエリスに、その姿を見つけられていた。
「なんだい生き物じゃないのかい。名前も何も知らないけどさ、歪虚なんだよね? さあ、観念してエルちゃんの世界の住人になりな!」
ずいずいと迫ってくるエリス(の意識)に、ついに残る正義も弾き飛ばされる。三人の意識の中から排除された正義……金の天秤は、その姿を保てず、灰色の空へと霧散していった。
●自らの意思で
「……ごめんなさい、本当に」
「気にすんなって。お前ェの方が重傷じゃねェか。全く」
謝罪するシェリルに対して、シガレットがヒールによる治療を施している。
「ゴメンよ皆。エルちゃんもマジメに仕事するから。改めて、この依頼が終わったら、言ってた祝賀会しない?」
皆が依頼出発前、エリスはこの依頼が無事に終わったら祝賀会をしないかと、提案を持ちかけていた。自らの意思をもって、押し付けられた『正義』を振り払った者達は、こうして次へと進んでゆく。帰ったらきっと、無事を願ってくれている仲間が待っているだろうから。
アルカナの一つである『正義』の断片は討伐された。
しかし時折雪山には、鳴り響く金属音が残響となって訪れる。
この戦いは始まったばかりだという、そんな声に聞こえたのだった。
依頼結果
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/03/15 19:33:45 |
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【追記】憑依者について エフィーリア・タロッキ(kz0077) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2015/03/16 13:38:10 |
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相談卓 シェリル・マイヤーズ(ka0509) 人間(リアルブルー)|14才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/03/20 21:43:04 |