【偽夜】裏生徒会長サチコの憂鬱

マスター:御影堂

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
無し
相談期間
5日
締切
2015/04/10 07:30
完成日
2015/04/17 19:04

みんなの思い出

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オープニング


 ここは関東近郊にあるクライズ学園。
 街をまるごと飲み込む形で存在し、様々な生徒が通っている。異文化交流もとい異世界交流を推奨し、クリムゾンウェストからも多くの学生が通う。
 これは、そんなもしかしたらの世界のお話。
 クリムゾンウェストとリアルブルーが真に交差し、文化交流を果たした世界。
 

 サチコ・w・ルサスールはクライズ学園の「裏」生徒会長である。
 なんか格好良いという単純な理由から、勝手に立ち上げた組織である。
 活動内容は、目安箱に投書された依頼をこなすというものであった。
 今は、表の生徒会が整備した依頼斡旋所があるため、裏生徒会への依頼数は少し減っていた。
「今日も平和ですわね~」
 そのため、サチコは旧校舎の最上階に位置する裏生徒会室でお茶をしばいていた。
 ほっこりと日本茶を嗜むのも、裏生徒会長の活動であると豪語する。
「今日もこの校舎内はやかましいですけれど、ここは静かですわ」
 窓の外を見れば、落ち着いた色合いの裏山が見える。
 旧校舎は、掃き溜め的な部活や組織がトリアエズ収められている場所である。
 裏生徒会がその最上階に位置するというのは、お察しであろう。
「サチコちゃーん!」
「うぎゃん!? あっつっ!?」
 机の下から声をかけられ、サチコは湯のみのお茶を手にかけてしまった。
 慌てて、吐水口で手を冷やす。視線は何者かが潜伏していた机に向けられていた。
「ななな、何ですの?」
 ぬるりと姿を現したのは、サチコと同学年の少女だった。
 名前は確か、くら……。
「クラウハウゼンさんでしたっけ?」
「倉前ですぅ……。ネオ生物学部の部長ですよぉ」
 そうだった。倉前よしか……怪しげな生物実験が大好きな少女だ。
 おさげをぴょこぴょこさせながら、よしかはサチコにズズッと近づく。
「サチコちゃん、一時大事なのですぅ」
「はへ?」
「一緒に来てくださいぃ」
 有無をいわさず冷やしていた手を握り、よしかは歩き出した。
 反論も停止もできないまま、サチコはずるずると連れて行かれる。
 行き着いたのは、裏校舎裏にある裏山側の飼育小屋……だったものだ。
「ふぁっ!?」
 サチコの目の前にあったのは、無残にも破壊しつくされた小屋だった。
 天井は崩れ落ち、壁は大穴が空いている。鉄扉はへし曲げられ、辺りには鶏の羽が産卵していた。
「もしかして、危険な動物がやってきたのですの?」
「違いますぅ。中にいた鶏が超進化して逃げたのですぅ」
「はぁ!?」
 さっきから「!?」がやたらと多いサチコに、よしかはゆっくりと説明する。
 いわく、鶏の肉質をよくするためにアレやコレやした結果、歪虚化したのだという。
 原理は不明。天才ゆえ致し方なし、てへぺろとのことだ。
「秘密裏にぃ、ネオ鶏を討伐してくれませんかぁ? 裏山に逃げたみたいですしぃ」
「何で私が……」
「えぇ~? 旧校舎の管理はぁ、裏生徒会の役目ですしぃ。そこに入っている団体の不祥事はぁ、サチコちゃんお監督不行き届きですよぉ?」
 すっごく騙されているような気しかないが、責任とか役目という言葉にサチコは弱い。
 それなら仕方がないなと引き受ける気になっていたところに、
「それにぃ、おいしぃですよ」
「おい、しい?」
 よしかが気になることを言い出した。
 いわく、ネオ鶏とやらは肉質をよくするためにアレコレしていたので、ものすごく美味しいらしい。
 歪虚化して時間が立っていない今なら、倒しても食べられる状態かもしれないのだという。
「倒した人が食べる権利あると思いますしぃ」
「……わかりましたわ」
 気になってしまったサチコの完全敗北である。
 ぐっと拳を固めて、サチコは告げる。
「全て、この裏生徒会長サチコ様に任せるのですわ! は~っはっはっは!」
 この数分後、どうしようか頭を悩ませるサチコが裏生徒会室にいるのだった。

リプレイ本文


 あたしの名前は、マリンチェ・ピアソラ(ka4179)。
 手芸部所属の中等部3年生。
 家庭科の得意なごくフツーの女の子よ。
 あの日は、そう、春の日差しが暖かったわね。
 ……ええ、旧校舎の裏山で、草木染め用の染料になりそうな材料集めをしていたの。

 あの、凶暴な鶏が来るまでは……。

 想像してみて、人並みの身体に鋭利な嘴を持つ鶏よ。
 でも、彼女たちが来て、私は助かったの。
 そう彼女たちの名は――。


「必要な情報はこんなところですね」
「なら、倉前部長に話を聞きにいかないとな
「その前に地図を確保しにいきましょう」
 旧校舎の最上階、ホワイトボードを前に最上 風(ka0891)とイレーヌ(ka1372)が話し合っていた。
 裏生徒会長サチコは、その様子をふむふむと眺めているだけだ。
「ジェニファーも一緒に行こうか」
「御意。サチコ会長のためにも頑張るのじゃ。ニンニン」
 もうひとり、ジェニファー・ラングストン(ka4564)も話し合いに参じていた。
 私はどうすれば、とキョロキョルするサチコに風は告げる。
「私と一緒に来てください。ツテがほしいので」
 すっぱりとした物言いにサチコは頷く。
 が、気がつけば風たちが会議を回していることに、
「あれ、私が会長ですわよね」と首をひねるのであった。

「ぅわ……」
「藪から棒に、何ですの」
 旧校舎の廊下を歩いていると、鈴胆 奈月(ka2802)と遭遇した。
 しまったという感情を顔に出してしまったが、もう遅い。
「暇そうですわね」
「いや、僕は散歩で忙しい」
 裏生徒会のある旧校舎で奈月はよく散歩という名のサボタージュをしていた。
 が、サボり中に裏生徒会に見つかっては人員に加えられるのが常となっていた。
 私が楽するためにも、という意識を込めて、
「なら暇ですね。手伝ってください」
「散歩がてら付いて行くだけだよ?」
 断ったところで、いろいろ言われて結局付き合わされる。
 下手にこじれてサボりの聖地こと旧校舎から追い出されるのは、思わしくないのだ。
「それじゃ、会長さん。どこへ行こうか?」
「まずは、生徒会だっけ?」
 イレーヌの言葉に、奈月は前言撤回。
 サボりの件でいろいろ言われるのは避けたいという本音を隠し、
「倉前さんとやらを先に呼んでくるよ」
と去っていくのだった。


 生徒会の門戸を叩いた裏生徒会の前に、マナ・ブライト(ka4268)が姿を現す。
「どうしたのですか? 本日は、生徒会は業務で出払っていますよ」
 マナは生徒会の中でも、裏生徒会および旧校舎の活動を容認している人物だ。
「ですが、ちょうどいいタイミングです」
「それは、どういう意味でしょうか?」
 風の問いかけに、こちらから赴こうとしていたのだとマナは語る。
 噂は風よりも疾く、届く者の耳に届く。
「ネオ生物部の活動内容にはこの際目を瞑るとしても、逃げ出した雑魔化した鶏は見過ごせません。生徒たちにも被害が出るかもしれませんから、急いで探しましょう」
 協力は惜しまないというマナに、図々しく裏生徒会は乗っかるのみ。
「協力してくれるなら、ありがたい。地図が必要なのだが」
「用意しましょう。後で向かいますね」
 一度、マナと別れて旧校舎へと戻る。
 その途中、サチコはとある人影を見て立ち止まった。
「どうしたのじゃ?」
「ちょっとまっていてください」
 とてとてと駆け寄る先にいたのは、雪ノ下正太郎(ka0539)という高等部の生徒だった。
 ここではとても語り尽くせない事柄で、サチコは彼の秘密を知っている。
「雪ノ下さん」
「おう、サチコさんか。何かようか?」
「暇ですの?」
 唐突な質問に、暇ではあるがと正太郎は素直に答える。
 サチコは満足そうに、それならという。
「ぜひオタケビ丸に協力をお願いしたいのですわ」
「……確かに彼に俺は連絡が取れるが……用件を聞こうか」
 周囲を確認し、慎重に正太郎は答える。
 ライオンの獣人『変身侍オタケビ丸』は、学園の平和を守る正義の味方である。
 その正体は誰も知らず……といいたいところだが、サチコはそれが正太郎であると知っていた。
「かくかくしかじか」
「まるまるうまうま、か。そういうことなら、協力しよう」
 さすがは話がわかると、サチコもご満悦である。
 オタケビ丸に情報を伝えるべく、正太郎も同行し生物部への道を急ぐ。

「それでは、聴取だね。みんな、がんばれー」
 一人だけ、部室内には入っていない奈月が声援を飛ばす。
 考え事や実働は、裏生徒会におまかせなのだ。
「本当に大丈夫ですよねぇ?」
「大丈夫ですよ。もし捕獲に失敗しても、全責任をサチコさんに押し付けて、生徒会に引き渡しますので」
「え!?」
 ここにきて不安がる倉前へ、風が勝手なことを言う。
 勝手なことを言われて驚くサチコを無視し、それなら安心と倉持はあれこれと教えてくれた。
「基本的に、鶏なんだな」
 通常は雑穀類を中心とした餌を与え、時折、柵で囲った場所で虫を食べさせていたという。
 さすがに肉食ではないが、軍鶏のような凶暴さは持っているので危険とのこと。
 あと、でかい。
「……でかいのか」
 正太郎が思案顔で呟く。
「倉前さん、調理道具とかの用意をお願いします。大丈夫です、裏生徒会の経費でおとしますので」
「え?」
 誰もがそう思うのだろう。食は万里に通ずるとは、よくいったものだ。
 が、経費は裏生徒会持ちなのかと頭を悩ませる。会計は風なので、何か裏経費あるのだろう、と信じたい。
「食べれるなら、食べてみようか」
「なるほど」
 イレーヌや奈月も前向きな意見である。
 正太郎は、黙して目をそらしていた。
 こうして食べることを前提とした討伐……これはもはや狩りといっても過言ではない。
 狩りへ向けた準備が始まるのだ。


 マナも合流し、情報の整理を終える。
 後に準備を整えて旧校舎裏に集合することにした。
 待っている間に、サチコはハープボウを弾く少女を眺めていた。
「あなた」
「え、私ですか?」
 ミオレスカ(ka3496)はいきなり声をかけられ、振り向く。
 ちょうどよく武器を持っている相手だ、引き込まない手はない。
 かくかくしかじかと便利な言葉で事情を説明する。
「わかりました」
 思いほのか、ミオレスカは快諾してくれた。
 ハープボウをギュッと握り、意思を固める。
「この弓が、役に立つことがあるなら、協力させてください」
「やっぱり、武器になるのですわね」
 一応は楽器だが、調律が難しいんですよとミオレスカは語る。
「弓道も嗜んでますし、おっしゃるとおりこれで撃てます!」
 そして、餌になるものを私も持ってきますねとミオレスカは一度去っていった。

 十数分後、無事に集合を果たした面々はトランシーバーを手に山を臨む。
 マナから、裏山の地図と注意事項を言い渡された。
「思ったより広いんですね」
 ミオレスカの反応にマナが、「えぇ」と答えた。
「なので、迷わないように注意してください」
「探索面倒なので、火を放って、裏山諸共、ネオ鶏を始末しましょうか?」
「こんがり美味しく焼けましたってね」
 風の提案に、奈月も面倒なので同意に近い意見を放つ。
 マナにものすごい睨まれた。
「後始末のほうが面倒だろう」と冷静にイレーヌがツッコむ。
「部活動している人たちも巻き込んじゃダメです」
 ミオレスカも良識ある意見を提出する。
「そんなに早く食べたいなら、焼き鳥にしようぞ。ニンニン」
「え、食べるのですか?」
 そこまで聞いていないマナが驚く顔を見せる。
「倒してから考えますわ。さ、行きますわよ!」
 サチコが宣言し、山へ分け入る。
 事情を説明するとややこしくなるので、立入禁止にはしなかった。
 その結果が……。

「大丈夫ですか! 私が時間を稼いでいる間に逃げてください!」
 冒頭である。
 マナが盾を片手に、庇い立てに入りマリンチェを助け出す。
 混乱しているマリンチェはすぐには動けない。
「うん、アレで間違いない……よな?」
 追いついた奈月が、目の前の鶏を見て微妙な顔をする。
 でかい。
 その上、顔つきが凶暴でトサカが異様に長かった。
「それじゃ、頑張れ」
 マテリアルを変換し、マナの運動性を上げながら奈月はマリンチェの横につく。
 自ら戦う気はさらさらないのだ。
「お互い、巻き込まれて大変だね」
「し、死ぬかと思いました」
 視線の先には、鶏の初撃を避けた際に折れた木があった。
 鉤爪の跡がくっきりと残されている。
 これを見て悲鳴を上げるのも、致し方ないことである。
「全く、何をどうしたら雑魔化するのか少々気になりますが!」
 鋭いくちばしを盾で受け止めて踏ん張りを入れる。
「こんな凶暴な鶏を放置したら大変なことになりますね。確実にここで仕留めなくては」
「仕方ない、始めますか」
 奈月も前に出て、剣を振るう。
 防御障壁で防ぎながら、鶏を押しやる。
「光の裁きを!」
 動きが鈍ったところへ、マナが光弾を撃ちこむ。
 正気が削れそうな叫び声を上げ、その巨体が倒れこむ。
「癒しの加護を……」
「そこまででもないんだけど」
 奈月にマナがヒールをかけ、念のためですと押し切る。
 立ち上がったマリンチェは、
「何もできませんでした……助けてもらったのに」としょげていた。
「料理は得意?」
「え、はい」
「あれの調理をお願いするよ。楽ができそうだ」
 鶏を指し、奈月が告げる。
「が、頑張ります!」
 と張り切るマリンチェであった。


 その少し前、奈月たちからイレーヌへ連絡があった。
「こちらも見つけたところだ。罠にかかった」
 罠と言ってもばら撒いた餌に食いついただけだ。
 用意した竹籠はあっさりと蹴破られてしまった。
「グロいっ! 怖いっ!」
「猛獣が鶏を怖がるのか」
「鶏と、アレは話が別だろう」
 素直にビビる正太郎へイレーヌがツッコむ。
 オタケビ丸に変身し、ライオン姿の正太郎がいうとかなりシュールなのだ。
「逃げちゃいますよ」
「おっと、接近するよ」
 ミオレスカに言われ、イレーヌと正太郎は鶏へと跳びかかる。
 プロテクションをかけ、イレーヌが壁役を担っている間にミオレスカが矢を継ぐ。
 生け捕りがよかったが、こうも暴れられてはそれも難しい。
「一気に終わらせてやる」
 闘争心を駆り立て、オタケビ丸が突撃する。
 イレーヌとミオレスカが作った隙を狙い、強力な一撃を叩き込む。
 トサカを切り落とされ、暴れまわる鶏の首へ刃を入れる。
「っせい!」
 叫びをあげる間も与えず、鶏の身体がどっと倒れる。
 ひらひらと舞う羽根を払いながら、オタケビ丸は石切を鞘へしまった。
「あと一匹……か」
 卵は産めないという話だ。
 イレーヌが状況を伝えると、サチコの叫び声が聞こえてきた。
「あ、こちらももう終わりますよ―」
 反して、風ののんびりとした応答がくるのであった。

「ど、どーしてこんなおおごとに」
 サチコがおっかなびっくり周囲を見渡す。
 部活動にあけくれる肉体派な方々が、鶏を探して人海戦術を取っていた。
「人出が多いほうがよいぞよ。にんにん」
「いや、多ければいいってわけじゃないですわ」
 そもそもどういう理由で、こうなったのかがわからない。

 答えは、ミオレスカだ。
「鶏、見ませんでした? 捕獲に、協力していただくと鶏料理パーティに参加できるそうですよ」
 大言壮語に、聞きまわった結果、話が膨れ上がっていったのだ。
「聞くところによると、一週間またなくても、究極になるのだとか」
 結果が、これである。

「このままじゃ、成果が取られてしまいます。ほら、会長、さっさと囮になってください」
「え!?」
「裏生徒会の力を見せつける時ですよ」
 風に押されて、サチコが茂みから飛び出す。
 すかさず、シャインをかけ、光り輝く生徒会長を完成させた。
「わわ、こっち見ましたわ」
 そして、風は持ってきたドラ(超吹奏楽部から拝借)を打ち鳴らす。
「え、何を……わわわ!」
 やってきた鶏の攻撃をサチコが寸前で躱す。
「ジェニファーさん、今です」
「御意」
 サチコを追いかける鶏へ、風が光弾を放つ。
 それに気を取られたところへ、ジェニファーが木々を飛び移り、真上を取る。
「……っと、意外と素早いの。ニンニン!」
 軽快な動きで鶏の攻撃を避け、首もとへ狙いをつける。
 そこへ他の部の連中も姿を現す。また、鶏の気が逸れた。
「ニンニン!」
 木を壁のように用いて、立体的な動きで鶏を翻弄する。
 もはやついてくることはできなかった。
 洗練された一撃が、鶏の首を落としにかかる。
「むぅ……ネオ鶏とはいえ、無益な殺生じゃったの」
 トサカを掴み、頭を持ち上げてジェニファーは黙祷を捧げる。
「これから料理して笑わの腹の中で成仏させてやるとしようかの」


「もも肉は唐揚げに、胸肉はポトフにしたわ」
 あくる日、旧校舎前の中庭はパーティ会場と化していた。
「さ、一日かけて漬け込んだ鶏肉を使ったオーブン焼きよ。やっぱり大きいわね」
 自分を襲った鶏を、見事に調理しきったのは何を隠そうマリンチェだ。
 せめてもの貢献とばかりに、気合十分。張り切って、多種多様な料理を作り上げていた。
「まだ、お肉はあるから、リクエストがあれば頑張って作るね」
 嬉しそうなマリンチェの側で、マナが複雑な顔をしていた。
「穢れを身体にいれて、それを浄化する……毒を食らわば皿までということですね」
 実際は、ただ食べたいだけ。倒した段階で、負のマテリアルは蒸発していた。
 が、小難しい理屈なぞ知らぬ面々は味を噛みしめるだけだ。
「薪はこれぐらいでよいかの。ニンニン」
「これぐらいの大きさでいいか?」
 ジェニファーや奈月はマリンチェを手伝いつつ、できたてを賞味する。
「この歯ごたえ、じゅーしぃです。あれ?」
 満足そうなミオレスカの視線の先には、正太郎がいた。
 一人、鶏には手を付けずに話にだけ参加している。
「食べないのですか? 美味しいですよ」
「俺、鶏はしばらく食べたくない」
 正太郎はそう固辞するのだった。
「次は、ネオ牛とか、ネオ豚とか脱走しませんかね?」
「勘弁して欲しいですわ」
 風が舌鼓を打ちながら告げる言葉に、サチコは笑顔を冷やす。
「倉前さん、倉前さん。ネオシリーズ量産して、こっそり学園に流通させて……」
「おほん」
 全てを言い切る前に倉前と風、サチコのところへマナがやってきた。
 宴もたけなわというタイミング、三人を並べてマナは笑顔で告げる。
「さて、一段落した所でサチコさんと倉前さんは生徒会室までご同行お願いします……あと風さんも」
「風はなにも悪いことしてないですよ」
 目をそらすが、無効化された。
「会長が今回の騒動について話を聞きたいとのことです」
「……ひ、ひゃい」
 その後、サチコはしばらく裏生徒会室に天岩戸よろしく引きこもったという。
 戦え、裏生徒会! 行け、裏生徒会! 天岩戸がひらく時、次なる依頼が待っている!

依頼結果

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MVP一覧


  • 最上 風ka0891

  • マナ・ブライトka4268

重体一覧

参加者一覧

  • 人と鬼の共存を見る者
    雪ノ下正太郎(ka0539
    人間(蒼)|16才|男性|霊闘士

  • 最上 風(ka0891
    人間(蒼)|10才|女性|聖導士
  • 白嶺の慧眼
    イレーヌ(ka1372
    ドワーフ|10才|女性|聖導士
  • 生身が強いです
    鈴胆 奈月(ka2802
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • 師岬の未来をつなぐ
    ミオレスカ(ka3496
    エルフ|18才|女性|猟撃士

  • マリンチェ・ピアソラ(ka4179
    人間(紅)|15才|女性|霊闘士

  • マナ・ブライト(ka4268
    人間(紅)|16才|女性|聖導士
  • 新聞号外・犯人逮捕貢献者
    ジェニファー・ラングストン(ka4564
    人間(蒼)|17才|女性|疾影士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/04/07 20:23:33
アイコン 相談卓
最上 風(ka0891
人間(リアルブルー)|10才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2015/04/10 00:58:09