霧中幻影~影ノ形ハ~

マスター:四方鴉

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
3日
締切
2015/04/24 22:00
完成日
2015/05/21 21:52

みんなの思い出

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オープニング


 春先としては少し肌寒い風が頬をなで、川原を進む面々へ白い霧を運んできたのはもう十数分前の事。
 鼻孔擽る香りもなく、ただ静かにその濃さを増す其れは徐々に視界を奪い取り気付けば一人、また一人。
 共に歩みし仲間の姿、ぼやけ薄れたと思えばそれは既に異変の兆し。
 足を止め周囲を見るもそこに見えるは一面の白、白、白。

 仲間の姿は既になく、孤立無援の五里霧中。
 視覚が阻害、ならばと声を上げるも返って来るのは変わらず聞こえる川のせせらぎ。
 どうしたものかと思考を巡らせ、当初の予定を思い出す。

「霧濃い川辺で何かに襲われた、何に襲われたのか被害者の証言がバラバラで明瞭な答えが出ない
 だから、ハンターである貴方達にその正体を突き止めつつ、歪虚ならば排除して欲しい」

 まったく面倒な仕事を押し付ける、その上現場では霧のせいで仲間とはぐれ踏んだり蹴ったり。
 しかし、霧に紛れて襲われたとは聞いていたがこうもアッサリ孤立するとは何か妙な物が引っ掛かる。
 疑念を抱きながらも、一先ず仲間を探そうか。
 ふっと息吐き、止めた歩みを再開する中徐々に霧が晴れていく。
 ああ、これなら早く合流できると思った矢先、先の違和感がその正体を現していた。


 霧晴れた先、映ったモノは―――――――――


 そこは一面のヒマワリ畑、夏風に吹かれ揺れながら強き生命力を見せ、貴方の背丈を越える高さに大輪の花咲かす。

 若しくはこうも見えただろう。
 コンクリートジャングル、リアルブルーの都市が広がり、激しい歪虚との戦いで崩れかかったビル、巨獣の爪痕が刻まれたアスファルト、血糊で花咲くシャッターの現代アート。

 それとも、こうか。
 燃え盛る洋館、炎に照らされ赤く染まる庭園と、地に伏せ物言わぬ亡骸となった数多の使用人の姿。

 はたまた、それらに当てはまらない光景なのかもしれない。
 ただ、言える事は広がる景色は貴方にとって思い出深い、そして忘れられない場所の風景。
 

 おかしい、先ほどまでは川原を歩き霧に飲まれただけなのに。
 どうして思い出の風景が広がっているのだろう。

 異変を前に身構える中、薄れた霧の中からようやく見知った顔が来る。
 しかし、それは共に異変を探る仲間ではなく…………出来る事ならもう、見たくも無い顔。

 あの時見せたその表情、それと比べてとても優しくも見え、見下し蔑む顔にも見え。
 絶対的な悪意を向けた顔でもあり、慈愛に満ちた微笑でもあり。
 それでいて、三日月のように歪んだ口元はこれより起こりし凶相を示していた。


 ああ、どうして此処で彼に、彼女に出会ってしまったのだろう。
 気付けば相手は武器を取り出し、此方を目掛け駆け出している。
 そうだ、これは悪いユメ。ならば、悪夢から目覚めよう。
 胸に蠢く激しい感情、それを吐き出し終わらせよう。

リプレイ本文

●見えたもの
 おかしい、と那月 蛍人(ka1083)は思った。現れたのは近代的な風景――無残に崩れた建物や……血に染まって、倒れた人びと。
「これは一体、どうなって――」
 鼓動が高まる。それを抑えようとしながらも、目を囚われずにいられない。
 この光景を、自分は知っている。
 そうだ、と仲間の姿を探す。――そこに、見つけた。
 空に浮かぶ、狂気の歪虚の姿を。
 間違いなかった。ここは――スペースコロニー、LH044だ。

 モニカ(ka1736)は茫然としていた。目に映るのは火の海だった。
 燃やし尽くされるのは……故郷の集落。
「ここ、は……」
 そんなはずはない、と思った。だって、それは一番思い出したくないものだ。
 集落を燃やし、集落を襲うのは――嫉妬の歪虚。
 モニカははっとして、何とかしないと、と本能的に駆け出す。
 そこに、敵が立ちはだかった。
「あ……」
 お菓子をくれた優しいおばさん、近所の憧れのお兄さん。一緒に遊んでいた友達。全てが――歪虚と化した姿で。

 ウォルター・ヨー(ka2967)は、現れた人物を見つめ続けていた。
 いつもの飄々とした調子は、なりを潜めて。ここがどこなのかすら、些末に思えていた。
 組織へと、ウォルターをさらった、一人の女性。
 ナイフを向けてくる彼女に、ウォルターは言った。
「君なのか――ラーティファ」

 熱い、と蜜鈴=カメーリア・ルージュ(ka4009)は思った。そしてこの熱さは、知っている。
 突如出現したのは――他でもない、郷の風景。
「妾は――」
 蜜鈴は見上げる。炎に巻かれ、熱を噴き上げる社。幾つもの爪痕と共に崩れ落ちる家屋。
 なぜ、と考えることはなかった。
 ただ、自らを取り巻く者達に目を奪われていた。
 蜜鈴が護れずに、歪虚に滅ぼされたこの郷の――愛しき民だった者たち。

 ヤーコフ・ズダーノフスキー(ka2364)は、変貌する世界に、銃を構えて警戒をしていた。
 何か、特殊な状況が起きたのは明らかだ。
「敵がいるとすれば、どこに――」
 と、その風景に、ヤーコフは気付いた。
 見覚えのある雪原。周囲に倒れた軍人達。
 新人少尉としての初の戦場。奇襲を受け、部下の大半が死んでしまった、あの場所。
 死体がむくりと起き上がってくる。
「少尉――なぜ私達を無駄死にさせたのです」

 カトレア(ka1585)は森の中にいた。
 その場所に思い当たることは、あった。
「あのときの森、ですかね……」
 それは最古の記憶の再現。目が覚めて一番最初にいた、あの森。
 昼間なのに暗くて、それ以上にまわりに誰もいないのも、同じ。
 空に、不定形のぐにゃぐにゃしたものが浮かんでいた。悪夢を形にしたような何か。
 それが心を攻撃するように、手をカトレアに伸ばしてきた。

●前へ
 蛍人は立ちつくしていた。襲撃を繰り返す『それ』を、目の当たりにしたからだ。
 奇怪な怪物――異星生物ヴォイド。狂気の歪虚。
 ――助けてくれぇ!
 ――化け物に殺される!
 人びとの悲鳴が重なる。コロニーの中は地獄のようだった。
 だから蛍人は、息が浅くなる。
(間違いない。あのときの、光景だ)
 頭では、あり得ないとわかっていた。でも、この歪虚が実際に殺戮をした光景は、今でも頭に焼き付いている。
 そして自分が、目の前で人が殺されているときに、逃げることしか出来なかったことも。
 と、歪虚が蛍人の前にいる人間に襲いかかった。
「……やめろ……!」
 蛍人は踏み出して助けようとする――が、そこで歯がみした。
 足が前に、出ない。動かせないわけじゃない。後ろになら、いくらでも下がれた。
 でも前にだけ、見えない鎖で縛られたように、進めない。
(また何も出来ないのか、俺は……!)
 歪虚は狙いを変更して、今度は蛍人自身を襲ってきた。
 触手での攻撃に、蛍人はそれでも動けない。
 支配するのは、あのとき感じたものと同じ、恐怖と、無力感。
 防戦一方の蛍人は――焦った末に一瞬、思った。
 それは全てを許す、甘い言葉。
(『まずは一旦、逃げた方が……』)
 ふと、そのときだ。一人の友の顔が浮かんだ。
(……俺は、また逃げるのか……?)
 いや、違う。
 思い出せ。歪虚と戦う力は手に入れた。お前は何を思って、歩んできた?
 決めただろう。もう絶対に――
「逃げて、たまるか!」
 ぎゅっと握ったのは友からもらった、十字架。
「俺の前から消えろ、ヴォイド!」
 剣に光の精霊力を込めると――蛍人は前進しながら攻撃をたたき込んだ。
 ばりん、と、どこかで鎖が砕ける音がする。
 その瞬間、蛍人は歪虚と共に自分をしばる幻影を切り裂いた。

●撃ち砕いて
 モニカは、かつての同胞に叫ぶ。
「やめて……っ、どうして、こんなこと――」
 だが彼らはその腕を、武器を、振るうのをやめない。彼らはもう、堕落者だったから。
 モニカは必死で彼らを振り切った。
 信じられない思いに駆られながら、それでも、誰か他の人に会えば、何か変わるかもと思って。
 だが、直後。目の前に現れた二つの人影。それを見ると――モニカは表情をなくした。
 それは、同じく歪虚と化したものたち。体は全て、陶器のように無機質だ、でも。
 その顔を見間違えたりはしない。
「――おとうさん? おかあ、さん?」
 空虚な心の中に、絞り出すような悲しみが滲んできた。
「そん、な……どうして……」
 どこかでは、思っていた。これはかつての記憶。一番思い出したくないものを見せられているだけ。
 でも、気持ちがあのときのモニカに帰ってしまった。
 竦むだけで、何も出来ない。
 そのうち、両親が、歩いてくる。自分を殺そうと。
(モニカ、は……もう……)

 ――しっかりしなさい! と。
 急に、声が聞こえた気がした。
 モニカははっとする。頭に、姉とも言える彼女の存在がよぎった。

 彼女は祈っていた。
 ……ねえモニカ。前に進むと決めたでしょ? もう二度と失わない為に。
 ……貴女なら乗り越えられるって、私は、信じてるから。

 次の瞬間、モニカは……顔を上げている。
 自分がハンターになった理由を、思い出した。
「モニカは! あなたたちを止めるために、ここにいる!!」
 弓を引く手は、迷わない。狙うは、その頭部。しっかりと、見据えて。
「――なのよっ!」
 しゅうっ! 矢は狙い違わず、陶器で出来たその顔へ。
 命中と同時、偽りの風景をも、撃ち砕く。
 いつか本当に会えたら――ちゃんと止めてあげるために。
「大丈夫。モニカは、一人じゃない」
 幻が、消えて行く。
 自分の頬を伝う涙には気付かないふりをした。
 だって、まだ泣いていい時じゃないから。

●毒
 ウォルターは彼女の攻撃を躱さなかった。刃を受けたまま、見つめる。
「ラーティファ。君は、何を考えているの?」
 彼女はそれにも、答えない。

 記憶が、よみがえる。
 彼女とのはじめは、巡礼の旅の最中で出遭った刀傷沙汰。
 それが組織との出会い。その中で、組織の中にいた彼女が――ウォルターをさらったのだ。
 理由は、わからない。だが、ウォルターは彼らの一員となった。
 組織は、彼ら自身の正義のために戦っていた。でも、彼らと一緒にウォルターが振るうのは、『殺し』の剣でもあった。
 血に塗れた手の冷たさ――それを忘れさせてくれたのも、彼女だった。
 ラーティファのその愛に、ウォルターも応えた。

 ラーティファはまた、ウォルターに切り込んだ。ウォルターは、避けない。
 あのとき。
 二人とも、人が死ぬのは嫌だった。でも、手を汚すことで何かを為せた気がしていた。
 けれど、殺しの刃を振るう組織は、罪人だ。
 ハンターによって仲間が斃されていく中、ラーティファは言った。
 ――あんたは逃げな。あたしが、守るからさ。

「僕を救ったことを、後悔しているの? それとも、見捨てたことを怒っているの?」
 今、目の前の彼女が考えていることは、わからない。
 けれど、彼女になら何をされてもよかった。
(もしかしたら君は同情だったのかも知れないけれど)
「僕は、君のことを」

 遠く離れた場所で、少女は祈る。
 ……彼が、過去に囚われても。光が、彼を導いてくれますように。

 次の斬撃を、しかしウォルターは躱していた。
「……でも、君のナイフさばきは、そんなに甘くないよね」
 彼女はそんな無駄な動きはしなかった。そんなに、弱くなかった。
「君じゃない。――なら、殺せる」
 ウォルターは素速く剣を振る。
 他の愛なんて要らない。そんなものは毒と同じだから。

 ――私が、光になれますように。今は、毒かも知れないけれど。

 ウォルターは、幻影を両断しながら、少し思った。
 ――あぁ、でも。強すぎる毒は、薬にもなるよね。
 視界が、晴れていく。

●業火
 蜜鈴は炎が取り巻く郷の中で――死にゆく民達に、囲まれていた。
「――何故、祖は護らぬ?」
「――民を護るが主の定めであろ?」
「――主様も共に逝きましょう?」
 それは死へと誘う呪いの、それでいて優しい言葉。
(これは、あのときの、郷なのじゃな)
 蜜鈴は胸を打たれたように、動けなかった。
「妾がおんし等を護れなんだは、事実じゃ……如何な憎しみの想いも、受け止めようて……」
 それを思うと、強い感情が、蜜鈴を締めつけるようでもあった。
 ……しかし。
 だからこそ、蜜鈴は民達を、強く見据えている。
「なれど――妾は」
 そこに、郷を焼くものとは別の炎のオーラが現れる。
 契約精霊の幻影と共に現れる、蜜鈴のもの。
「おんし等の分まで生きると、彼の歪虚を滅殺すると、決めたのじゃ」
 民は、どこか責めるように蜜鈴を見上げる。
「――なれば何故、炎を纏うか?」
「――我等を……全てを飲み込んだ炎を、愛すか?」
「彼の者以上の業火と劫火にて、灰も残さず、燃やし尽くす為じゃ」
 蜜鈴は答える。民が受けた以上の熱を、痛みを、与えるために。
「懺悔も聞かぬ。命の消滅以外、許さぬために……!」
 ごう! と蜜鈴のオーラが爆ぜる。
 おののく民に優しく手を向けた。故に、今はお眠り、と。
『永久なる揺り籠――安らぎの歌を聴きて、安穏の眠りに落ちよ』
 呪歌と共に放たれたスリープクラウドで民が倒れていくと、世界が溶けていく。
「妾の愛する民は、愚かではあるが……然様に妾に優しゅう無いよ」
 民と再び相見えたことだけは、感謝してもよかったけれど――
 霧が晴れると、雑魔が眠りに落ちた姿をさらしていた。
「――妾と民を、愚弄した罪はそれ以上に重いがのう?」
 その罪を、蜜鈴は赦しはしない。
『狂え炎、猛よ焔。煉獄の災禍を纏て彼の敵を――穿て』
 蜜鈴はファイアアローで雑魔を貫く。
 ぼうっ! 炎の矢に焼かれて、雑魔は一撃で燃え尽き、消滅した。
 蜜鈴は胸に手をあてた。
「想いは、御魂は、共に在る故、な……」

●軍人であること
 ヤーコフは、雪原で部下と向き合っている。
「少尉。銃弾が、体の中に入ってくるんです。あなたのせいだ。痛い、痛い――」
 胸から血を流しながら、部下は責め立てるように、ヤーコフに迫る。
「――なるほど」
 ヤーコフは、思い出す。
 予想の出来なかった奇襲。だが、あるいは、事前の準備で救えたかも知れない命。士官だったヤーコフに、責任の一端がないとは言えない。
 そのことを的確に抉るように、迫ってくる部下に――
 ばすっ! しかし、ヤーコフは全く動じずに、肩を銃撃した。
「過去の景色を何らかの方法で再現しているか。あるいは私が人事不省に陥って夢を見ているのか」
 考えるように、呟く。
「後者であればそもそも打つ手はないが……前者であれば。ふむ――」
 元凶と思しき敵をたたけばいいだけの話だ。
 これは間違いなく悪夢。
 だが、ヤーコフはどこまでも冷静だった。それだけのことだ。
「悪いが。軍人をしていれば、思い出したくない光景の一つや二つ、ある」
 こんなもの何度も夢に見てきた。だからとっくに慣れている。
 そういったことへの耐性。諦観。鈍感さ。それは軍人に必要な、素養だ。
「それが人として正しいかは、知らないがね」
 どうっ! と今度は心臓に一発。
「こんなことで絶望するなら、戦を糧とする稼業はとうに辞めているよ」
 雪原が、消失する。

●森の中で
 カトレアは、不定形の敵から逃げていた。
 攻撃をしかけてくるその悪夢は、見るだけでどこか不快だ。
「そういえばこんな気持ちでしたっけ」
 カトレアは思う。
 あのときは、自分が誰なのかも、どうすればいいのかもわからないまま、森をうろうろしたものだった。
 それで気付く。
 あの悪夢はその『わからなさ』の表れなのかも知れない。
 だから、見ると精神が支配されそうになる。
 ……けれど。
(もう少し様子を見ますか)
 カトレアは、落ち着いた気持ちで、そう思っていた。
 この状態は、つらい。だが、あのときは支えとなってくれた人がいたと自分で知っているし、それ以降の記憶はちゃんと残っている。
 だから、これが幻影でしかないこともわかるのだ。
 怖いものは怖い。だからこそ、それ以上のものではない。
 と、そこで敵がカトレアを追うのをやめた。一瞬だけ、世界が揺らぐ。
 ……何かの事態が起きた。判断すると、カトレアの行動は早い。
「こんな世界は嘘です」
 強い気持ちを持って、言う。すると幻影の世界が消滅した。
 歪虚が、効いていないと判断したのだろう。

 風景が河原に戻ると――たった今、一体の泥人形がヤーコフの銃弾に貫かれたところだった。
 おそらくカトレアの方の雑魔がそれに気圧されて、幻影が一瞬揺らいだのだろう。

●帰還
 何にせよ、見える敵は、カトレアとヤーコフに挟まれた泥人形一体だった。
 ヤーコフは状況を確認して、泥人形に銃を向けた。
「精神干渉の類だったようだな。僥倖だ」
 ばすっ、と泥人形に狙撃する。
 泥人形は泥を飛ばし反撃するも――続くヤーコフの狙撃で消滅した。
「平気ですか?」
 カトレアは、ヒールでヤーコフを回復し……見回した。
「皆さんと合流しましょう。おそらく、無事でしょうから」

 モニカはぱちん、ぱちん、と自分の頬を叩くと、柔らかな表情を作った。
「……ん。いつものモニカ、なのよ!」
 そこに、蜜鈴が林の影から出て、合流した。蜜鈴は静かであったが、一度モニカにたずねた。
「平気であったかの?」
 モニカはそれを、笑顔でごまかした。
 蜜鈴も、深くは聞かなかった。
「いやー、まさか美女が現れてあんなことやこんなことをしてくれるなんて、ありゃ素晴らしい雑魔でしたね」
「え、えぇ? 一体何を見ていたんだい?」
 飄々とした足取りで現れるウォルターと、その横を歩いてくるのは蛍人だ。
 ウォルターは相変わらずで……蛍人はかすかに、表情が変わっているようにも見えた。
 あとは皆、互いに詮索はせず。
 その場から歩き、カトレアとヤーコフと合流すると――六人は、河原をあとにした。
 そこにもう、幻影はなかった。

(代筆:松尾京)

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参加者一覧

  • ガーディアン
    那月 蛍人(ka1083
    人間(蒼)|25才|男性|聖導士
  • 雷牙祓う癒し手
    カトレア(ka1585
    エルフ|28才|女性|聖導士
  • 【騎突】芽出射手
    モニカ(ka1736
    エルフ|12才|女性|猟撃士

  • ヤーコフ・ズダーノフスキー(ka2364
    人間(蒼)|43才|男性|猟撃士
  • ミストラル
    ウォルター・ヨー(ka2967
    人間(紅)|15才|男性|疾影士
  • ヒトとして生きるもの
    蜜鈴=カメーリア・ルージュ(ka4009
    エルフ|22才|女性|魔術師

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ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/04/21 22:03:12